JPH09187863A - 熱収縮性ポリ乳酸系フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

熱収縮性ポリ乳酸系フィルムおよびその製造方法

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JPH09187863A
JPH09187863A JP8002912A JP291296A JPH09187863A JP H09187863 A JPH09187863 A JP H09187863A JP 8002912 A JP8002912 A JP 8002912A JP 291296 A JP291296 A JP 291296A JP H09187863 A JPH09187863 A JP H09187863A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然環境下で分解し、耐衝撃性に優れ、実質
的に1軸方向に熱収縮するフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸系重合体からなり、フィルムの
長手方向および幅方向の引張破断伸びがいずれも30%
以上であり、さらに100℃での熱収縮率がいずれかの
方向で30%以上、かつ該収縮方向と直交する方向の熱
収縮率が10%以下である熱収縮性ポリ乳酸系フィル
ム。このフィルムは、未延伸シートを1軸延伸後、1軸
延伸後のフィルムの結晶化温度Tc以上の温度で予熱
し、引き続き前記1軸延伸方向に対して直交する方向に
2軸目の延伸を行うことにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然環境下で分解
する熱収縮性フィルム、詳しくはポリ乳酸系重合体を延
伸してなる耐衝撃性に優れ、実質的に1軸方向に熱収縮
性するフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルムは加熱によって収縮す
る性質を利用して、収縮包装、収縮ラベル、キャップシ
ールなどの用途に広く用いられている。これらには従
来、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、さらに最
近ではポリエステル系樹脂製の延伸フィルムが用いられ
ている。特に1軸方向に延伸して、該方向を主たる収縮
方向にして得られるフィルムは、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)ボトルをはじめとする各種プラスチッ
ク容器やガラス容器などのラベル用フィルムあるいは結
束用フィルムとして使用量は拡大している。
【0003】しかしながら、これらの材料は発熱量が高
く、焼却処理中に燃焼炉を痛める恐れがある。さらに現
在でも使用量の多い塩化ビニル系樹脂製フィルムはその
自己消火性のため燃焼することができない。また、この
ような焼却できない材料も含めプラスチック製品は埋立
処理されることが多いが、その化学的、生物的安定性の
ためほとんど分解せず残留し、埋立地の寿命を短くする
などの問題をおこしている。したがって燃焼熱量が低
く、土壌中で分解し、かつ安全であるものが望まれ、多
くの研究がなされている。その一例としてポリ乳酸があ
る。ポリ乳酸は燃焼熱量はポリエチレンの半分以下、土
中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生物によ
り無害な分解物となる。現在、ポリ乳酸を用いてフィル
ム・シートやボトルなどの容器などを得る研究がなされ
ている。
【0004】ポリ乳酸についても1軸延伸することで1
軸収縮フィルムを得ることができ、上記ラベルや結束用
フィルムとして用いることもできる。しかし、ポリ乳酸
はそのままでは脆いといった欠点を有し、1軸延伸する
ことで該方向への脆さ、特に強度および伸びは改良され
るが、該方向と垂直方向については脆いままとなる。一
方、2軸に延伸して得られる2軸配向フィルムは長手方
向および幅方向ともに脆さが改良され、強度が増すこと
が特表平5−508819、特開平6−23836ある
いは特開平7−205278に開示されている。また、
特開平7−2027041では結晶性の高いポリ乳酸を
延伸した後、熱処理することで2軸に熱寸法安定性にす
ぐれたポリ乳酸系フィルムが得られることが記述されて
いる。しかし、これでは所望の1軸収縮フィルムを得る
ことはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、結晶
性ポリ乳酸系重合体を用い予熱温度、延伸温度、延伸倍
率を調整することにより脆さの改良された、すなわち耐
衝撃性に優れた2軸配向1軸収縮性ポリ乳酸系フィルム
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨
は、ポリ乳酸系重合体からなり、フィルムの長手方向お
よび幅方向の引張破断伸びがいずれも30%以上であ
り、さらに100℃での熱収縮率がいずれかの方向で3
0%以上、かつ該収縮方向と直交する方向の熱収縮率が
10%以下である熱収縮性ポリ乳酸系フィルムにある。
【0007】また、ポリ乳酸系重合体の未延伸シートを
逐次2軸延伸するにあたり、未延伸シートを1軸延伸
後、1軸延伸後のフィルムの結晶化温度Tc以上の温度
で予熱し、引き続き前記1軸延伸方向に対して直交する
方向に2軸目の延伸を行うことを特徴とする請求項1記
載の熱収縮性ポリ乳酸系フィルムの製造方法を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるポリ乳酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸
であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポ
リ(D−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合
体であるポリ(DL−乳酸)があり、またこれらの混合
体もある。
【0009】重合法としては、縮重合法、開環重合法な
ど公知のいずれの方法も採用することができる。例え
ば、縮重合法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれ
らの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポ
リ乳酸を得ることができる。また開環重合法では、乳酸
の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整
剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸を
得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であ
るL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチ
ド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチド
があり、これらを必要に応じて混合して重合することに
より任意の組成、結晶性をもつポリ乳酸を得ることがで
きる。
【0010】また分子量増大を目的として少量の鎖延長
剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合
物、酸無水物などを使用できる。重合体の重量平均分子
量の好ましい範囲としては6万から70万であり、この
範囲を下回る場合は実用物性がほとんど発現されず、上
回る場合には、溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る。
【0011】次に未延伸シートの製膜条件について説明
する。ポリ乳酸系重合体を十分に乾燥し、水分を除去し
たのち押出機で溶融する。溶融温度は組成によって変化
するので、それに対応して適宜選択することが好まし
い。実際には140から250℃の温度範囲が通常選ば
れる。
【0012】シート状に溶融成形された重合体は、回転
するキャスティングドラム(冷却ドラム)に接触させて
急冷するのが好ましい。キャスティングドラムの温度は
60℃以下が適当である。これより高いとポリマーがキ
ャスティングドラムに粘着し、引き取れない。また、結
晶化が促進されて、球晶が発達し延伸できなくなるた
め、上記温度範囲に設定して急冷し実質上非晶性にする
ことが好ましい。
【0013】本発明における延伸方法は特に限定するも
のではないが、フィルム製造上、逐次2軸延伸法を用い
ることが有利である。逐次2軸延伸法は1軸方向に延伸
したフィルムを、続いて予熱して1軸延伸方向に対して
直交する方向に2軸目の延伸を行う。現在、逐次2軸延
伸装置は、フィルムの長手方向に延伸(縦延伸)した
後、次いで幅方向に延伸(横延伸)するものが多く用い
られているが、本発明においては幅方向に延伸(横延
伸)した後、長手方向に延伸(横延伸)しても構わな
い。
【0014】ポリ乳酸系重合体では長手方向、幅方向そ
れぞれ1.5〜5倍の範囲で、延伸温度は50〜90℃
の範囲で適宜選定して、無配向フィルムでは1.0×1
0-3以下である面配向度ΔPを3.0×10-3以上に増
大させることで、薄肉でも強靱な2軸配向フィルムを得
ることができる。
【0015】2軸配向フィルムは、引張強度が無配向フ
ィルムに比べて増大するとともに、脆さ(耐衝撃性)も
改良される。耐衝撃性の向上の一つの目安としては引張
破断伸びで示すことができ、無配向フィルムの伸びが数
%であるのに対し、2軸配向フィルムでは長手方向、幅
方向ともに数十〜数百%までの伸びを得ることができ
る。すなわち、2軸延伸することで実用性に優れたフィ
ルムを得られる。しかし、このままでは本発明の2軸配
向1軸収縮フィルムを得ることはできない。
【0016】本発明の重要な点は、結晶性のポリ乳酸系
重合体を用い、1軸目の延伸温度、延伸倍率さらに1軸
延伸後のフィルムのTcを考慮し、2軸目の予熱温度、
延伸温度、延伸倍率を適宜選定するところにある。
【0017】本発明のフィルムは、未延伸シートを1軸
延伸した後、その1軸延伸後のフィルムの結晶化温度T
c以上の温度で予熱し、2軸目の延伸を行うことで得ら
れる。無配向(未延伸)ポリ乳酸シートは、L−乳酸単
位とD−乳酸単位の組成比にもよるが、結晶化温度Tc
は90℃以上である。しかし、1軸延伸を行うことで分
子鎖は配向し、Tcは90℃よりも低下する傾向があ
る。したがって、1軸延伸フィルムのTc以上の温度で
予熱後、2軸目の延伸を行うことでフィルム内の配向鎖
の一部を結晶化させ、1軸目延伸方向の収縮率を抑える
ことができる。
【0018】ただし、予熱温度、2軸目の延伸温度が高
すぎると所望の倍率の延伸を完了する前にフィルムが破
断する恐れがあるので注意を要する。
【0019】Tcは、フィルムサンプルの示差走査熱量
測定(DSC)により求められるもので、昇温速度10
℃/分で昇温したときの昇温過程で生じる結晶化の際に
発生する発熱ピークから求められる。
【0020】Tcは、主に重合体そのものの結晶性に依
存し、結晶性が大きい重合体では低い温度をとる。ちな
みに共重合体のないL−乳酸またはD−乳酸のどちらか
のホモポリマーでは、Tcは、分子量にもよるが、90
〜110℃である。また、融点Tmは180℃以上あ
る。これらL−乳酸ホモポリマーもしくはD−乳酸ホモ
ポリマーのそれぞれに相対する乳酸単位が含まれたり、
あるいは他の脂肪族モノマー成分が共重合されると結晶
性は低下して、Tcは上昇し、Tmは低下する。これら
TcとTmが重なりあおうとするところで結晶化しない
非晶性ポリマーとなる。したがって、このようなポリマ
ーでは本発明のフィルムを得ることはできない。
【0021】また、2軸延伸後に結晶化温度以上の雰囲
気で熱処理することで、フィルムの長手方向、幅方向と
もに収縮率をさらに抑えることができる。本発明におい
ては2軸延伸後の熱処理は必ずしも必要ないが、収縮率
の制御の点で有効な手段となりうる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示
す測定値は次に示すような条件で測定を行った。また、
本実施例中の縦方向はフィルムの長手方向を、横方向は
フィルムの幅方向を表す。 (1)引張強度と引張破断伸び 引張強度および引張破断伸びは、フィルムサンプルの縦
横それぞれについて東洋精機社製テンシロンII型機を
用い、JIS−K7127に基づいて測定した。引張速
度は100mm/分である。
【0023】(2)Tc パ−キンエルマ−製DSC−7を用い、フィルムサンプ
ル10mgをJIS−K7122に基づいて、昇温速度
10℃/分で昇温したときのサ−モグラムから発熱に基
づく結晶化ピークTcを求めた。
【0024】(3)熱収縮率 フィルムサンプルを縦横に沿って100mm×100m
mに切り出し、100℃の温水中に5分間浸漬した後、
縦横それぞれの寸法を計り、(収縮前の寸法)に対する
{(収縮前の寸法)−(収縮後の寸法)}の比率を%表
示した。
【0025】(4)耐衝撃性 島津製作所製高速衝撃試験機HTM−1型(ハイドロシ
ョット)を用い、耐衝撃性を測定した。100mm×1
00mmに切り出したフィルムをクランプで固定し、フ
ィルム中央に落垂で衝撃を与え、破壊に至るまでのエネ
ルギーを読みとった。測定温度は23℃、落垂の落下速
度は3m/秒である。
【0026】(実施例1)L−乳酸からなる構造単位と
D−乳酸からなる構造単位の割合がおおよそ99:1で
ガラス転移点57℃、結晶化温度102℃、融点178
℃、重量平均分子量13万のポリL−乳酸を30mmφ
単軸エクストルーダーにて、200℃でTダイより押出
し、キャスティングロールで急冷して約300μmの未
延伸シートを得、続いて赤外線ヒーターでフィルム温度
が75℃になるように設定して縦(長手)方向に2.6
倍にロール延伸を行った。次いで、縦延伸後のフィルム
をテンター内で75℃で予熱した後、75℃に設定した
延伸ゾーンで横(幅)方向に縦延伸前のフィルム幅に対
して2.4倍延伸して厚み45μmのフィルムを得た。
2軸延伸後の熱処理ゾーンは60℃に設定し、実質熱処
理を行わずに通過させた。予熱・延伸・熱処理各ゾーン
の通過時間はそれぞれ約20秒であった。なお、縦延伸
後のフィルムのTcをDSCで測定したところ72℃で
あった。得られた2軸配向フィルムの性能を表1に示
す。
【0027】(実施例2)実施例1と同様に、縦(長
手)方向に70℃で2.2倍にロール延伸し、次いで、
テンターで80℃で予熱した後、76℃に設定した延伸
ゾーンで横(幅)方向に縦延伸前のフィルム幅に対し
2.7倍に延伸した。2軸延伸後の熱処理ゾーンの温度
は65℃に設定して、表1に示すフィルムを得た。な
お、各ゾーンの通過時間は約30秒であった。また、縦
延伸後のフィルムのTcは76℃であった。
【0028】(比較例1)実施例1と同様に押出し、5
0μmの無延伸フィルムを得た。このフィルムの評価を
表1に示す。
【0029】(比較例2)実施例1と同様に押出して1
50μmの無延伸シートを得、縦延伸を行わず、テンタ
ーにて横延伸を行って1軸延伸フィルムを得た。予熱ゾ
ーンおよび延伸ゾーンの設定温度はともに70℃、延伸
倍率は2.5倍で、延伸後の熱処理ゾーンの温度は60
℃であった。各ゾーンの通過時間は約60秒であった。
得られたフィルムの評価を表1に示す。
【0030】(比較例3)実施例2において横延伸の予
熱ゾーンの温度および延伸ゾーンの温度をともに70℃
にした以外は、すべて同様にして表1に示す2軸延伸フ
ィルムを得た。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1および実施例2はともに、縦延伸
後のフィルムのTcよりも高い温度で予熱し、横延伸を
行っている。得られたフィルムは縦横ともに引張強度、
伸びが向上し、耐衝撃性に優れた2軸配向フィルムであ
る。加えて、縦方向の収縮がほとんど無い、もしくは抑
制された、実質、1軸方向のみに熱収縮するフィルムで
あることがわかる。
【0033】一方、比較例1に示す無延伸フィルムは熱
収縮性が無く、また、実用強度に乏しいことがわかる。
また、実施例2では1軸延伸を行ったフィルムを示して
おり、1軸収縮性は優れているが、延伸をしていない縦
方向への引張強度、伸びに乏しく、耐衝撃性に劣ること
がわかる。さらに、2軸延伸を行った比較例3では縦横
とも引張り強度、伸びの向上が認められ、耐衝撃性に優
れているが、縦延伸後のフィルムのTcよりも低い温度
で予熱し、横延伸を行っているために縦方向の収縮性は
抑制されず、2軸収縮性を示している。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、分解性を有するポリ乳
酸系重合体から、実用上十分な耐衝撃性をもった1軸熱
収縮性フィルムを得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:02 B29L 7:00 C08L 67:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系重合体からなり、フィルムの
    長手方向および幅方向の引張破断伸びがいずれも30%
    以上であり、さらに100℃での熱収縮率がいずれかの
    方向で30%以上、かつ該収縮方向と直交する方向の熱
    収縮率が10%以下である熱収縮性ポリ乳酸系フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 ポリ乳酸系重合体の未延伸シートを逐次
    2軸延伸するにあたり、未延伸シートを1軸延伸後、1
    軸延伸後のフィルムの結晶化温度Tc以上の温度で予熱
    し、引き続き前記1軸延伸方向に対して直交する方向に
    2軸目の延伸を行うことを特徴とする請求項1記載の熱
    収縮性ポリ乳酸系フィルムの製造方法。
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