JPH09189000A - 紙積層体 - Google Patents

紙積層体

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JPH09189000A
JPH09189000A JP35344795A JP35344795A JPH09189000A JP H09189000 A JPH09189000 A JP H09189000A JP 35344795 A JP35344795 A JP 35344795A JP 35344795 A JP35344795 A JP 35344795A JP H09189000 A JPH09189000 A JP H09189000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含浸工程において原紙の破れや切断がなく、
かつ原紙への樹脂溶液の浸透速度が速く、定められた重
量の樹脂が原紙内に保持でき、樹脂の含浸むらが少ない
など、水性溶液の含浸加工に適したものであると同時
に、低サイズ層のサイズ度及び/または厚みによって含
浸させる樹脂溶液の含浸量を制御できる紙積層体を提供
する。 【解決手段】 両方の表面層がいずれも低サイズ層1、
1’であり、そして両表面層の間に挟まれた内層が高サ
イズ層2である紙積層体である。低サイズ層とはステキ
ヒトサイズ度で1秒以上20秒未満であるサイズ度を有
する層をいい、高サイズ層とはステキヒトサイズ度で2
0秒以上60秒以下であるサイズ度を有する層をいう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体に関するもの
であり、更に詳しくは、食品、薬品、工業用品等の輸送
あるいは保管、保存用として使用される紙を主体にした
容器等の包装材の素材に用いられる積層体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】原紙の耐水性、紙力強度、紙層間強度等
の紙の性質を向上させるために樹脂、ワックス等を原紙
に含浸させることが通常行われているが、このような樹
脂等を含浸させる原紙に要求される特性としては、樹脂
の含浸工程における作業効率を改善するため、含浸時に
原紙の破れや切断がなく、かつ樹脂溶液の浸透速度が速
いこと、定められた重量の樹脂が原紙内に保持できるこ
と、樹脂の含浸むらが少ないことなどが要求される。
【0003】このため、含浸用原紙には主として国内産
広葉樹材からの晒クラフトパルプ(LBKP)が叩解処
理を受けないそのままの形で用いられるのが一般的であ
る。この未叩解パルプは、通常550〜650mlC.
F.S.のフリーネス(カナダ標準フリーネス)を示す
が、含浸用原紙は、この原料パルプを用いて公知の抄紙
機で抄造され、その原紙の密度は0.45〜0.55g
/cm3という低い水準のものである。
【0004】この原紙に要求される特性のうち、紙力強
度を改善するため原紙の密度を上げ、繊維間結合を強く
することが考えられるが、原紙の密度を上げると紙力強
度は改善されるものの、空孔率が低下するため樹脂の含
浸性が悪くなるので採用できない。
【0005】また、含浸性を改善するため原紙の密度を
下げ空孔率を上げることが考えられるが、原紙の密度を
下げると繊維間結合も下がるので原紙の紙力強度が低下
し、このような原紙を用いると含浸工程において紙切
れ、破れなどのトラブルを発生し、作業性を著しく損な
う恐れがある。したがって、原紙の密度を低下させるに
も許容限界があり、通常、含浸用原紙の密度は0.48
〜0.52g/cm3の範囲で用いられることが多い。
【0006】他に含浸性を改善する手段として、含浸用
原紙にリンターパルプ(綿繊維パルプ)を使用する方法
もある。リンターパルプは、微細繊維の含有量が少な
く、繊維自体も剛直なため、このパルプを原料とした含
浸用原紙には大きい孔径の空孔の含有率が高くなり、樹
脂液の含浸性が良好である。しかし、リンターパルプを
未叩解のままで用いると、原紙の紙力強度が弱く、含浸
工程において紙切れトラブルを発生する恐れがある。し
たがって、リンターパルプを用いる際は、通常フリーネ
ス値が400mlC.F.S.程度になるまで叩解され
る。この含浸原紙に熱硬化性樹脂を含浸し、加熱加圧成
形して得られる積層板は、そり、ねじれを生じ、寸法安
定性が悪く、積層板の加工工程で問題を発生する恐れが
ある。
【0007】通常の積層板は、含浸用原紙にフェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸し、加熱
乾燥して半硬化性樹脂の状態にし(この状態のものをプ
リプレグと呼ぶ)、該プリプレグを2枚以上複数枚積層
し、金属箔とともに熱圧成形して製造されている。しか
しながら、近年、含浸用原紙を使用した積層板にも耐熱
性及び寸法安定性が要求されるようになり、含浸用の樹
脂に耐熱性を付与するために変性処理が施されたり、従
来から用いられているフェノール樹脂やエポキシ樹脂以
外にポリエステル樹脂が使用されるようになったため、
樹脂溶液の粘性が上昇する傾向にあり、原紙の含浸特性
は益々重要になってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる諸問題を解決す
るために、色々な方法で樹脂の含浸工程における作業効
率を改善する方法が考案されているが、要求される性能
をすべて満たしているものは存在しない。まず第一に、
原紙自体の湿潤強度が低いために、含浸時に原紙の破れ
や切断が生じ、工程の操業に支障を与えてしまってい
る。第二に、樹脂の含浸が紙全層にわたって行われるた
めに、含浸後の乾燥工程での必要な熱量が莫大なものと
なっており、省エネルギーといった観点からも問題とな
っている。第三に、紙基材に機能を与えるために含浸さ
せる樹脂溶液の量の制御がほとんど不可能であることか
ら、無駄に樹脂溶液を使用してしまうことになる。
【0009】本発明者らはかかる現状に鑑み、含浸工程
における担持体である紙積層体について鋭意研究した結
果、複数の紙層を抄き合わせた紙積層体において、少な
くとも一方の表面層をサイズ度がステキヒトサイズ度で
1〜20秒である低サイズ層として含浸性を向上させ、
且つ該積層体が少なくとも1層の高サイズ層を有するこ
とで積層体の耐水性が顕著に向上することを見いだし、
本発明を為すに到った。
【0010】したがって、本発明の技術的課題とすると
ころは、原紙を搬送移動しながら樹脂を含浸させる工程
において、原紙の破れや切断がなく、かつ原紙への樹脂
溶液の浸透速度が速く、定められた重量の樹脂が原紙内
に保持でき、樹脂の含浸むらが少ないなど、水性溶液の
含浸加工に適したものであると同時に、低サイズ層のサ
イズ度及び/または厚みによって含浸させる樹脂溶液の
含浸量を制御できる紙積層体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、複数の紙層を抄き合わせた紙積
層体であって、少なくとも一方の表面層においてサイズ
度がステキヒトサイズ度で1秒以上20秒未満である少
なくとも1層の低サイズ層とし、且つ、少なくとも1層
の高サイズ層を有することを特徴とする紙積層体であ
る。
【0012】また、請求項2の発明は、紙積層体の一方
の表面層が低サイズ層であり、他方の表面層が高サイズ
層であることを特徴とする請求項1記載の紙積層体であ
る。
【0013】また、請求項3の発明は、紙積層体の両方
の表面層がいずれも低サイズ層であり、該両表面層に挟
まれた内層が高サイズ層であることを特徴とする請求項
1記載の紙積層体である。
【0014】また、請求項4の発明は、高サイズ層のサ
イズ度がステキヒトサイズ度で20秒以上60秒以下で
あることを特徴とする請求項1、2または3記載の紙積
層体である。
【0015】また、請求項5の発明は、請求項1、2、
3または4記載の紙積層体に、有機金属化合物を1種あ
るいは2種以上含有する水性溶液または該水性溶液を溶
媒に溶かして加水分解し部分縮合させたゾル溶液を含浸
させてなることを特徴とする紙積層体である。
【0016】また、請求項6の発明は、有機金属化合物
が分子中に炭素数1〜4のアルコキシル基を少なくとも
2個有し、さらにSi、Ti、Al、B、Zr、W及び
Taからなる群から選ばれる少なくとも1個の金属元素
を含むことを特徴とする請求項5記載の紙積層体であ
る。
【0017】また、請求項7の発明は、請求項1、2、
3または4記載の紙積層体に、自己架橋型樹脂の水性溶
液を含浸させてなることを特徴とする紙積層体である。
【0018】さらに、請求項8の発明は、自己架橋型樹
脂の水性溶液がアクリル系樹脂またはポリウレタン系樹
脂を主成分とすることを特徴とする請求項7記載の紙積
層体である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。
【0020】図1は本発明の紙積層体の一構成例を示す
断面図、図2は本発明の積層体の他の構成例を示す断面
図である。
【0021】本発明の紙積層体は、上記したように、複
数の紙層を抄き合わせた紙積層体であって、少なくとも
一方の表面層が、サイズ度がステキヒトサイズ度で1秒
以上20秒未満である少なくとも1層の低サイズ層であ
って、且つ、該積層体が少なくとも1層の高サイズ層を
有することを特徴としている。
【0022】本発明の紙積層体は少なくとも一方の表面
層が低サイズ層で構成されておればよく、好ましくは紙
積層体の両表面層が低サイズ層で構成されている。
【0023】本発明の紙積層体の最も簡単な形態は、図
1に示すように、一方の表面層が1層の低サイズ層1で
あり、他方の表面層が1層の高サイズ層2である2層か
らなる紙積層体である。
【0024】低サイズ層および高サイズ層はそれぞれが
図1に示すような1層からなる単一層に限定される必要
はなく、紙積層体の用途により2層以上の複数層からな
るものであっても差し支えない。
【0025】本発明の好ましい形態の紙積層体において
は、図2に示すように、両方の表面層がいずれも低サイ
ズ層1、1’であり、そして両表面層の間に挟まれた内
層が高サイズ層2である3層からなる紙積層体である。
紙積層体の両表面層を構成する低サイズ層1、1’およ
び内層の高サイズ層2はそれぞれ1層でも2層以上でも
よい。低サイズ層1、1’および高サイズ層2の層数は
用いられる紙積層体の用途により任意に決められるもの
である。
【0026】本発明の低サイズ層とはステキヒトサイズ
度で1秒以上20秒未満であるサイズ度を有する層をい
い、高サイズ層とはステキヒトサイズ度で20秒以上6
0秒以下であるサイズ度を有する層をいう。
【0027】なお、ステキヒトサイズ度の測定はJIS
P 8122の試験方法に従って行われる。
【0028】本発明の紙積層体の原料としては、含浸性
を向上させた低サイズ層1、1’においては、未叩解の
広葉樹晒クラフトパルプを用い、内層である耐水性を向
上させた高サイズ層2においては、叩解した針葉樹クラ
フトパルプを用いることが好ましく、それぞれを離解機
で分散させてパルプスラリーとし、低サイズ層1、1’
についてはステキヒトサイズ度で1秒以上20秒未満、
好ましくは5秒以上15秒以下となるようにサイズ剤等
を添加し、高サイズ層2についてはサイズ度がステキヒ
トサイズ度で20秒以上60秒以下、好ましくは30秒
以上50秒以下になるようにサイズ剤等を添加し、通常
の湿式抄紙機において多層抄造したものを含浸用原紙、
すなわち本発明の紙積層体とした。
【0029】上記のサイズ剤としては例えばロジンサイ
ズ剤等の通常のサイズ剤が用いられる。
【0030】また、本発明の低サイズ層1、1’は、そ
のサイズ度および/または厚みによって含浸させる樹脂
溶液の含浸量を制御することができる。紙積層体に紙の
性質を向上させる機能を与えるために含浸させる樹脂溶
液の量の制御が可能であることにより樹脂溶液を有効に
利用することができる。低サイズ層1、1’のサイズ度
を変えるには例えば上述のサイズ剤等の添加量を変える
ことにより達成でき、また低サイズ層1、1’の厚みを
変えるには例えば層数を変えることによって達成でき
る。
【0031】本発明の紙積層体に含浸される溶液として
は、有機金属化合物を1種あるいは2種以上含有する水
性溶液または該水性溶液を溶媒に溶かして加水分解し部
分縮合させたゾル溶液、もしくは自己架橋型樹脂の水性
溶液等が好ましい。
【0032】上記有機金属化合物は、分子中に炭素数1
〜4のアルコキシル基を2個以上有し、さらにSi、T
i、Al、B、Zr、W、Taからなる群から選ばれる
少なくとも1個の金属元素を含む有機金属化合物である
ことが好ましい。
【0033】本発明の紙積層体に含浸される有機金属化
合物としては具体的には、例えば、シリコンテトラメト
キシド、シリコンテトラプロポキシド、エポキシシクロ
プロピルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0034】有機金属化合物のゾル溶液としては、1種
又は2種以上の有機金属化合物を含有する溶液をエタノ
ール等のアルコールで代表される有機溶媒に溶かし、必
要に応じて塩酸、水を加えて加水分解し、部分縮合させ
たものが挙げられる。このゾル溶液は紙積層体に含浸塗
布され、熱処理を施すことによりガラス質被膜が形成さ
れる。
【0035】また、本発明の紙積層体は、自己架橋型樹
脂溶液で含浸されたものが含まれる。
【0036】本発明の自己架橋型樹脂溶液としては例え
ば、アクリル系樹脂及びポリウレタン系樹脂を主成分と
して含有する溶液が挙げられる。
【0037】自己架橋型樹脂溶液には1液型と2液型が
存在するが、本発明における自己架橋型樹脂溶液にはそ
れらのどちらを用いても差し支えない。また、自己架橋
型樹脂溶液は、架橋剤を含有するもの及び含有しないも
のの両方があるが、この点についても本発明においては
どちらのものを用いても差し支えない。しかし、作業性
の点から考慮すれば、1液型で架橋剤を含有しないもの
が本発明においては好ましい。
【0038】自己架橋型樹脂溶液に用いられる架橋剤と
しては、例えばジイソシアネート、ジエポキシ化合物、
メチロール化合物、アルコキシ化合物等が挙げられる。
【0039】ところで、一般に、紙層上に樹脂被膜を設
けて紙の耐水性を向上させる方法としては、熱可塑性樹
脂を紙基材上に押出しコーディングする方法、樹脂溶液
を紙基材表面に塗布した後にUVを使用して樹脂を硬化
させ、樹脂被膜を形成させる方法が従来から提案されて
いる。
【0040】しかし、これらの方法は、抄紙後に別の装
置を用いて加工する必要があり、作業性や効率が劣って
いる。
【0041】本発明の紙積層体は、例えば上記の自己架
橋型樹脂溶液を抄造直後にオンラインで含浸塗布し、通
常の加熱をすることによって紙積層体の表面に樹脂被膜
を形成させることができる。
【0042】なお、本発明において、湿潤引張強さの測
定は以下のようにして行った。
【0043】湿潤引張強さ測定法 本発明の紙積層体の紙力強度の測定はJIS P 81
35(紙及び板紙の湿潤引張強さ試験方法)に従い、温
度20℃、相対湿度65%の環境下で、少なくとも24
時間調湿した原紙から、紙の縦方向及び横方法で幅15
mm、長さ250mmの試験片を少なくともそれぞれ1
0枚裁断し、20℃の蒸留水中に10分間浸漬した後に
水を切り、JIS P 8113(紙及び板紙の引張強
さ試験方法)によって試験を行った。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は、もちろんこれらに限定されるも
のではない。
【0045】実施例1〜実施例6 低サイズ層を形成するために、広葉樹晒クラフトパルプ
(LBKP)を離解し、ステキヒトサイズ度で5秒、1
0秒、15秒の低サイズとなるように薬剤を適宜添加し
て3種類のパルプスラリーを作製した。また、高サイズ
層を形成するために、針葉樹晒クラフトパルプ(NBK
P)を離解し、ステキヒトサイズ度で50秒の高サイズ
になるように薬剤を適宜添加してパルプスラリーを作製
した。なお、薬剤としては、荒川化学(株)製のサイズ
パインE(商品名)を用いた(以下同じ)。
【0046】これらのパルプスラリーを用いて、手抄き
シートマシーンで両表面層が1層の低サイズ層で、内層
に1層の高サイズ層が形成されるように抄き合せ抄紙を
行って坪量180g/m2で低サイズ層のステキヒトサ
イズ度が5秒、10秒および15秒の3種類の紙積層体
を抄造した。
【0047】そして、この低サイズ層のステキヒトサイ
ズ度が5秒、10秒および15秒の3種類の紙積層体に
エポキシシクロプロピルエチルトリメトキシシランを有
機金属化合物として用いたゾル溶液を含浸塗布したもの
をそれぞれ実施例1、2および3とし、アクリル系樹脂
を主成分とする自己架橋型樹脂溶液を含浸塗布したもの
をそれぞれ実施例4、5および6とし、それぞれの紙積
層体の湿潤引張強さを前述の方法にて測定した。
【0048】実施例7〜実施例12 低サイズ層を形成するために、広葉樹晒クラフトパルプ
(LBKP)を離解し、ステキヒトサイズ度で5秒の低
サイズとなるように薬剤を適宜添加してパルプスラリー
を作製した。また、高サイズ層を形成するために、針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP)を離解し、ステキヒト
サイズ度で50秒の高サイズになるように薬剤を適宜添
加してパルプスラリーを作製した。
【0049】これらのパルプスラリーを用いて、手抄き
シートマシーンで両表面層が1層の低サイズ層で、内層
に1層の高サイズ層が形成されるように抄き合せ抄紙を
行った。この際、低サイズ層の坪量が1層で20、40
および60g/m2となるようにして3種類の紙積層体
を抄造した。
【0050】そして、この低サイズ層の坪量が1層で2
0、40および60g/m2の3種類の紙積層体にエポ
キシシクロプロピルエチルトリメトキシシランを有機金
属化合物として用いたゾル溶液を含浸塗布したものをそ
れぞれ実施例7、8および9とし、アクリル系樹脂を主
成分とする自己架橋型樹脂溶液を含浸塗布したものをそ
れぞれ実施例10、11および12とし、それぞれの紙
積層体の湿潤引張強さを前述の方法にて測定した。
【0051】比較例1および比較例2 上記実施例で用いた広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)を離解し、無サイズとなるようにパルプスラリーを
作製した。
【0052】このパルプスラリーを用いて、手抄きシー
トマシーンで抄き合せ抄紙を行い坪量180g/m2
含浸用原紙を抄造した。
【0053】そして、原紙にエポキシシクロプロピルエ
チルトリメトキシシランを有機金属化合物として用いた
ゾル溶液を含浸塗布したものを比較例1、原紙にアクリ
ル系樹脂を主成分とする自己架橋型樹脂溶液を含浸塗布
したものを比較例2として、それぞれの湿潤引張強さを
前述の方法にて測定した。
【0054】また、実施例1の含浸前の紙積層体自身を
参考例として、湿潤引張強さを前述の方法にて測定し
た。
【0055】上記実施例及び比較例並びに参考例の湿潤
引張強さの測定結果をまとめて下記表1に示す。
【0056】
【表1】 表1から明らかなように、比較例1および2の無サイズ
紙においてはほとんど含浸工程には適さず、含浸工程が
可能であっても、作業性及び効率において劣っていた。
また、参考例に示したように、含浸前の本発明の紙積層
体自身は無サイズ紙のみのものよりはよい湿潤引張強さ
を示しており、含浸工程に十分適するものであった。さ
らに、本発明による紙積層体は、従来法に比較して効果
的に含浸性を向上させ、湿潤引張強さを大幅に向上させ
ることができ、且つ低サイズ層のサイズ度および/また
は厚みによってその湿潤引張強さを制御することができ
た。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の紙
積層体によれば、複数の紙層を抄き合わせた紙積層体で
あって、少なくとも一方の表面層をサイズ度がステキヒ
トサイズ度で1〜20秒である低サイズ層として含浸性
を向上させ、且つ、少なくとも1層の高サイズ層を有す
ることで耐水性を持たせることにより、水性溶液の含浸
加工に適し、水性溶液の含浸加工が容易に可能となると
同時に、低サイズ層のサイズ度および/または厚みによ
って含浸させる樹脂溶液の含浸量を制御することが可能
となった。したがって、本発明の紙積層体は、水溶性溶
液の含浸性が著しく改善された紙積層体を可能にし、且
つ水溶性溶液の含浸量を制御することができるので、作
業性及び効率が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙積層体の一構成例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の紙積層体の他の構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 低サイズ層 1’低サイズ層 2 高サイズ層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の紙層を抄き合わせた紙積層体であ
    って、少なくとも一方の表面層においてサイズ度がステ
    キヒトサイズ度で1秒以上20秒未満である少なくとも
    1層の低サイズ層とし、且つ、少なくとも1層の高サイ
    ズ層を有することを特徴とする紙積層体。
  2. 【請求項2】 紙積層体の一方の表面層が低サイズ層で
    あり、他方の表面層が高サイズ層であることを特徴とす
    る請求項1記載の紙積層体。
  3. 【請求項3】 紙積層体の両方の表面層がいずれも低サ
    イズ層であり、該両表面層に挟まれた内層が高サイズ層
    であることを特徴とする請求項1記載の紙積層体。
  4. 【請求項4】 高サイズ層のサイズ度がステキヒトサイ
    ズ度で20秒以上60秒以下であることを特徴とする請
    求項1、2または3記載の紙積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の紙積層
    体に、有機金属化合物を1種あるいは2種以上含有する
    水性溶液または該水性溶液を溶媒に溶かして加水分解し
    部分縮合させたゾル溶液を含浸させてなることを特徴と
    する紙積層体。
  6. 【請求項6】 有機金属化合物が分子中に炭素数1〜4
    のアルコキシル基を少なくとも2個有し、さらにSi、
    Ti、Al、B、Zr、W及びTaからなる群から選ば
    れる少なくとも1個の金属元素を含むことを特徴とする
    請求項5記載の紙積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3または4記載の紙積層
    体に、自己架橋型樹脂の水性溶液を含浸させてなること
    を特徴とする紙積層体。
  8. 【請求項8】 自己架橋型樹脂の水性溶液がアクリル系
    樹脂またはポリウレタン系樹脂を主成分とすることを特
    徴とする請求項7記載の紙積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144175A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Daio Paper Corp 吸水性紙及びその原紙
JP2020023186A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 株式会社大昭和加工紙業 食品用積層体

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