JPH09189358A - 内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造 - Google Patents

内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造

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JPH09189358A
JPH09189358A JP2320196A JP2320196A JPH09189358A JP H09189358 A JPH09189358 A JP H09189358A JP 2320196 A JP2320196 A JP 2320196A JP 2320196 A JP2320196 A JP 2320196A JP H09189358 A JPH09189358 A JP H09189358A
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piston
pin
spherical bearing
bearing
spherical
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JP2320196A
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English (en)
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Tetsuto Onodera
哲人 小野寺
Kazuo Miyazawa
一夫 宮澤
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2251/00Material properties
    • F05C2251/04Thermal properties
    • F05C2251/042Expansivity

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  • Support Of The Bearing (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造
を、内燃機関の運転時におけるピストン本体の熱膨張に
よる変形に対応できる構造とする。 【解決手段】 ピストン本体5のそれぞれのピンボス部
5aに、ピストンピン20の両側部を挿通するためのピ
ン挿通孔5bを貫通し、該ピン挿通孔5bの途中に形成
した軸受装着部5cに、外面が球面状で略中央部にピス
トンピン20を挿通するためのピン孔30aを設けた球
面軸受30を摺動自在に装着させ、該球面軸受30のピ
ン孔30aの内径よりもピンボス部5aのピン挿通孔5
bの内径を大きく形成して、該球面軸受30のピン孔3
0aにピストンピン20を挿通することにより、ピスト
ンピン20を球面軸受30を介してピンボス部5aに支
持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に使用さ
れているピストンにおけるピストン本体に対するピスト
ンピンの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルや4サイクルのガソリンエン
ジンおよびディーゼルエンジンのような内燃機関では、
シリンダヘッドとシリンダブロックとピストンにより囲
まれた燃焼室内で発生する燃焼圧によりシリンダ内で往
復動するピストン本体の動きが、ピストン本体に支持さ
れたピストンピンから、該ピストンピンに小端部(スモ
ールエンド)を連結させたコンロッド(コネクティング
ロッド)を介して、該コンロッドの大端部(ビッグエン
ド)からクランク軸に回転力として伝達されている。
【0003】そして、そのような内燃機関において、ピ
ストン本体とコンロッドの小端部を連結するためのピス
トンピンは、従来、ピストン本体のピンボス部に貫通さ
れたピン挿通孔に直接あるいはベアリング等を介して挿
通されることにより、ピストン本体の一対のピンボス部
に渡って支持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の内燃機関用ピストンでは、内燃機関の運転時に
おけるピストン本体の熱膨張による変形に対処するため
に、ピストン本体の形状を、予め、上方から見て、体積
が大きく膨張量の大きいピンボス部の部分を短径とした
楕円形に形成すると共に、図9(A)に示すように、側
方から見て、高熱に曝されて膨張量の大きいピストンヘ
ッド(ピストン頂部)側を小径としたテーパー状(円錐
台状)に形成することによって、熱変形した状態でピス
トン本体が円筒状となるように配慮されている。
【0005】ところが、テーパー状(円錐台状)に形成
したピストン本体が熱変形して円筒状となるに従って、
図9(B)に示すように、ピンボス部5aのピン挿通孔
5bが外側下がりとなるように歪むため、そのように変
形しようとするピン挿通孔5bが挿通されているピスト
ンピンによって矯正される状態で、ピンボス部に塑性変
形を起こすと同時に、図10に示すように、ピストンピ
ン20の端部がピンボス部5aのピン挿通孔5bの内周
面にエッジ当たりして、当該部分Cに局部磨耗を発生さ
せることとなり、それらによってピストン本体自体が損
傷されることとなる。
【0006】また、ピンボス部5aのピン挿通孔5bの
歪みにつれて、図11に示すように、ピストンピン20
もその中央部から両側が下方に湾曲するように変形する
ため、該ピストンピン20の変形により、コンロッドの
小端部に設けられる軸受部(ニードル軸受)29とピス
トンピン20との接触状態が不均一なものとなって、該
軸受部29の寿命が低下すると共に、ピストンピン20
の変形につれて、ピストン本体5のスカート部が、一点
鎖線Fのような下方が張り出すように変形するため、該
ピストンスカート部の変形により、ピストン本体とシリ
ンダボアの内周面の間で摩擦が大きくなって摺動ロスを
生じることとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、シリンダ内で往復動するピストン本体に形成された
一対のピンボス部に、ピストン本体とクランク軸を連動
させるためのコンロッドの小端部を連結したピストンピ
ンが支持されている内燃機関用ピストンにおいて、ピス
トン本体のそれぞれのピンボス部に、ピストンピンの両
側部を挿通するためのピン挿通孔が貫通され、該ピン挿
通孔の途中に形成された軸受装着部に、外面が球面状で
略中央部にピストンピンを挿通するためのピン孔を設け
た球面軸受が摺動自在に装着されており、該球面軸受の
ピン孔の内径よりもピンボス部のピン挿通孔の内径が大
きく形成されていて、該球面軸受のピン孔にピストンピ
ンが挿通されることにより、ピストンピンが球面軸受を
介してピンボス部に支持されていることを特徴とするも
のである。
【0008】また、上記の請求項1に記載した内燃機関
用ピストンのピストンピン支持構造において、上記の請
求項2に記載したように、ピンボス部のピン挿通孔の内
径が、ピストン本体の熱膨張による変形時にピストンピ
ンをピンボス部に接触させない分だけ、球面軸受のピン
孔の内径よりも大きく形成されていることを特徴とする
ものである。
【0009】また、上記の請求項1又は2に記載した内
燃機関用ピストンのピストンピン支持構造において、上
記の請求項3に記載したように、ピストン本体の外周面
からピンボス部の軸受装着部にまで貫通して形成された
球面軸受挿入用の溝孔が、ピストンの軸方向に対して傾
斜した状態で設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0010】また、上記の請求項1又は2に記載した内
燃機関用ピストンのピストンピン支持構造において、上
記の請求項4に記載したように、球面軸受が半割り構造
とされていることを特徴とするものである。
【0011】また、上記の請求項1乃至4に記載した内
燃機関用ピストンのピストンピン支持構造において、上
記の請求項5に記載したように、ピストンの冷間時にお
いて、球面軸受が軸受装着部に対してその軸方向中央部
で接触しその両側部で隙間を生じるように、球面軸受の
球面の軸方向でのアールが、軸受装着部の球面のアール
よりも小さくなるように形成されていることを特徴とす
るものである。
【0012】また、上記の請求項1又は2に記載した内
燃機関用ピストンのピストンピン支持構造において、上
記の請求項6に記載したように、球面軸受がピストン本
体に鋳込まれていることを特徴とするものである。
【0013】さらに、上記の請求項1乃至6に記載した
内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造において、
上記の請求項7に記載したように、少なくとも一方の球
面軸受に形成されたピン孔の内側開口縁の角部と、ピス
トンピンの少なくとも一方の端部の外周縁の角部に、そ
れぞれ面取り加工が施されていることを特徴とするもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関用ピスト
ンのピストンピン支持構造の実施形態について図面に基
づいて説明する。
【0015】図1および図2は、本発明のピストンピン
支持構造が適用されている2サイクル3気筒ディーゼル
エンジンを示すもので、エンジン1は、その本体がクラ
ンクケース2の上方にシリンダブロック3とシリンダヘ
ッド4を順次重ねて一体的に連結したもので、シリンダ
ブロック3のシリンダボア3a内には、ピストンリング
22,23を装着したピストン本体5が摺動自在に設置
されていて、該ピストン本体5は、コンロッド6を介し
てクランク室2a内のクランク軸7に連結されている。
【0016】シリンダヘッド4は、上方部材8と下方部
材9に分割されているもので、両部材8,9の境界部分
に副燃焼室10aが形成されており、該副燃焼室10a
は小径の通路8aによりシリンダボア3aの主燃焼室1
0bに連通されていて、副燃焼室10aに対して、始動
点火用のグロープラグ11と燃料噴射弁12が配設され
ている。
【0017】エンジン1の本体には、クランクケース2
とシリンダブロック3によりクランク室2aが画成さ
れ、シリンダブロック3には、クランク室2aに開口す
る吸気開口3bが形成されており、吸気開口3bには、
吸気管13が接続されていると共に、クランク室2aか
ら吸気管13に吸気が逆流するのを防止するためのリー
ド弁14が設けられていて、エンジン1はクランク室2
a内に吸入した新気の1次圧縮が可能な構造となってい
る。
【0018】シリンダブロック3のシリンダボア3aに
は、複数個の掃気口15a(一個だけ図示)が開口さ
れ、それぞれの掃気口15aは掃気通路(図示せず)を
介してクランク室2aと連通されていると共に、主排気
通路16bに連なる主排気口16aが開口され、主排気
口16aのやや上方に、一対の副排気口17aがシリン
ダボア3aの周方向に間隔を開けて開口されていて、各
副排気口17aに連なる各副排気通路17bは、その下
流側で主排気通路16bと合流して、排気管18に接続
されている。
【0019】副排気通路17bには、駆動装置(図示せ
ず)によって駆動される排気制御弁19が、副排気通路
17bと交差して少なくとも副排気通路17bの一部を
貫通するように配置されており、この排気制御弁19に
より、副排気通路17bは、その断面積が可変および全
閉可能とされている。
【0020】ピストン本体5とクランク軸7を連結する
コンロッド6は、図2に示すように、その小端部6aが
軸受部29を介してピストンピン20に連結され、その
大端部6bが軸受部28を介してクランクピン21に連
結されている。
【0021】コンロッド6の小端部6aと大端部6bの
各軸受28,29に対する潤滑構造については、図示し
ていないが、ディーゼルエンジン1に対して、エンジン
回転数と負荷情報が入力されるECUからの出力信号に
よって駆動制御されるオイルポンプが設置されており、
該オイルポンプの駆動により、オイルタンクからオイル
フィルターを介してオイルポンプに導かれたオイルは、
オイル分配管を介して、各気筒のそれぞれのシリンダボ
ア3aに開口されたオイル吐出口部と、各気筒のクラン
クジャーナル部25とにそれぞれ分配されて供給され
る。
【0022】各気筒において、オイル吐出口部は、図1
に示すようなピストンが下死点の位置にあるときの、第
1ピストンリング22の下方に設けられた第2ピストン
リング23の近傍に位置して、シリンダボア3aの内周
面に開口されている。
【0023】なお、各気筒のクランクジャーナル部25
に供給されたオイルについては、図3に示すように、ク
ランクジャーナル部25の側に形成されたオイル通路2
5aから、シール部材26により密閉されたジャーナル
軸受部27に供給され、該ジャーナル軸受部27のオイ
ル溜まり空間に溜まったオイルは、クランクウェブ端面
に形成されたオイル溝7aから、クランク軸側に形成さ
れたオイル通路7b,7cを通って、クランクピン21
の外周部に送られ、該クランクピン21の外周面とコン
ロッド大端部6bの内周面の間の軸受部28に導入され
る。
【0024】また、コンロッド6の大端部6bには、そ
の内周面の小端部側にオイル溜り溝が形成されており、
このオイル溜り溝から大端部6bの表面に開口するオイ
ル孔6cが貫通されていて、オイル溜り溝に溜まったオ
イルは、クランク軸7の回転による遠心力でオイル孔6
cを通って、大端部6bの表面からコンロッド6の小端
部6aおよびピストン本体5の頂部裏側に向かって飛散
される。
【0025】ところで、上記のようなエンジン本体1に
おいて、シリンダボア3a内に摺動自在に挿入されたピ
ストン本体5とコンロッド6の小端部6aとを連結する
ためのピストンピン20は、以下の各実施形態に示すよ
うに、球面軸受を介してピストン本体5のピンボス部に
支持されている。
【0026】図4〜図7は、球面軸受30によるピスト
ンピン20の支持構造の第1実施形態について示すもの
で、図4に示すように、ピストン本体5に一体的に形成
された一対のピンボス部5aには、それぞれピストンピ
ン20の両側部を挿通するためのピン挿通孔5bが設け
られており、それぞれのピン挿通孔5bの途中に軸受装
着部5cが形成されていて、この軸受装着部5cに、外
面が球面状で略中央部にピストンピン20を挿入するピ
ン孔30aを設けた球面軸受30が、摺動自在に装着さ
れている。
【0027】そして、図2に示すように、その中央部に
軸受29を介してコンロッドの小端部6aを嵌挿させた
ピストンピン20は、図4に示すように、その両側部を
それぞれ球面軸受30のピン孔30aに挿通させて、サ
ークリップ31によりピン挿通孔5bから抜け止めされ
た状態で、ピンボス部5aよってピストン本体5に支持
されている。
【0028】ピストン本体5のピンボス部5aに形成さ
れたピン挿通孔5bは、その内径が球面軸受30のピン
孔30aの内径よりも大きくされており、図5に示すよ
うに、それによってピン挿通孔5bとピストンピン20
の間に隙間Dが形成されているが、この隙間Dは、本実
施形態では、ピストン本体5の熱変形時にピン挿通孔5
bの内周面とピストンピン20の端部が接触しないため
の必要最小の大きさとされている。
【0029】なお、本実施形態では、ピンボス部5aの
ピン挿通孔5bの途中に設けられた軸受装着部5cに球
面軸受30を挿着するために、ピストン本体5の外周面
から軸受装着部5cにまで、球面軸受挿入用の溝孔5d
が貫通して形成されており、この溝孔5dは、図7に示
すように、この球面軸受挿入用の溝孔5dが、ピストン
軸方向に対して傾斜した状態で設けられている。
【0030】上記の球面軸受挿入用の溝孔5dには、ピ
ン挿通孔5bの軸方向と球面軸受30の軸方向を直交さ
せた横倒し状態で、球面軸受30を挿入することとなる
が、ピストン本体5の強度の点で溝孔5dをあまり大き
くしないためには、球面軸受30の軸方向の大きさを、
該球面軸受30の球中心と軸方向両端縁を結ぶ角度Eが
90°以内となるようなものにすることが望ましい。
【0031】また、本実施形態では、図6に示すよう
に、球面軸受30のピン孔30aの内側開口縁の角部3
0bには面取り加工が施されており、ピストンピン20
の端部の外周縁の角部20bにも面取り加工が施されて
いる。
【0032】上記のような第1実施形態のピストンピン
支持構造によれば、図8(A)に示すように、テーパー
状(円錐台状)に形成したピストン本体5が、図8
(B)に示すように、熱変形して円筒状となったとき
に、ピンボス部5aは、そのピン挿通孔5bが外側下り
に傾斜するように歪むものの、ピンボス部5aとピスト
ンピン20の間に介在されている球面軸受30の摺動に
よって、ピストンピン20がピンボス部5aと干渉する
ことなく、元の状態に維持されることとなる。
【0033】そのため、図8(B)に示すように、ピン
ボス部5aが熱変形しても、ピストンピン20の端部が
ピンボス部5aのピン挿通孔5bの内周面にエッジ当た
りして当該部分に局部磨耗が発生するということはな
く、また、ピンボス部5aの熱変形による歪みの影響が
ピストンピン20に伝達されないため、ピストンピン2
0により矯正される状態でピンボス部5aに塑性変形が
起きるようなことはなく、ピンボス部5aの熱変形に影
響されてピストンピン20が変形するようなこともな
い。
【0034】また、ピン挿通孔5bとピストンピン20
の間の隙間Dを、ピストン本体5の熱変形時にピン挿通
孔5bの内周面とピストンピン20の端部が接触しない
ための必要最小限の大きさとしたことにより、ピン挿通
孔5bとピストンピン20の隙間Dがあまり大きくなら
ず、従来通りの大きさのサークリップ31を用いても、
ピン挿通孔5bのサークリップ係合溝に対するサークリ
ップ31の係合状態がそれ程浅くならないため、サーク
リップ31によりピストンピン20をピン挿通孔5b内
に確実に保持することができる。
【0035】また、球面軸受挿入用の溝孔5dが、従来
のピストンにおけるサークリップ係脱用の溝孔を兼ねる
と共に、該溝孔5dがピストン軸方向に対して傾斜した
状態で設けられているため、そのような溝孔をピストン
軸方向に対して直交方向に設けることによるピストン破
損の危険性を避けることができると共に、クランク軸7
の回転によりピストンピン20が最大荷重を受けたとき
に、その力をピストン本体5の溝孔5dから離れた部分
で受けることができて、ピストン本体5の溝孔5dから
の破損を防止することができる。
【0036】また、球面軸受30のピン孔30aの内側
開口縁の角部30bと、ピストンピン20の端部の外周
縁の角部20bに、それぞれ面取り加工が施されている
ため、図6に示すように、球面軸受30を装着した状態
のピストン本体5に対して、ピンボス部5aのピン挿通
孔5bの一方からピストンピン20を挿入して組み立て
る作業を行うときに、ピストンピン20を球面軸受30
に引っ掛かけることなく、その作業をスムーズに行うこ
とができる。
【0037】図12〜図14は、球面軸受30によるピ
ストンピン20の支持構造の第2実施形態について示す
もので、本実施形態では、球面軸受30が半割り構造と
されており、ピストン本体5の外周面からピンボス部5
aの軸受装着部5cにまで、先の第1実施形態における
球面軸受挿入用の溝孔5dのような溝孔は形成されてい
ない。
【0038】すなわち、本実施形態における球面軸受3
0は、図13(A)(B)に示すように、軸方向からみ
てリング形状となっている球面軸受30が、そのリング
形状が2個の部分301,302に分断されるように、
所謂半割りの状態として形成されており、それぞれの部
分301,302の軸方向での大きさは、図13(C)
に示すように、片方の部分を横にした時に、その外形状
が球面軸受30の内径内に収まるようなものとされてい
る。
【0039】そのため、図14に示すように、ピストン
本体5のピンボス部5aのピン挿通孔5bに、ピストン
本体5の外周面から軸受装着部5cにまで球面軸受挿入
用の溝孔が形成されていなくても、半割りにされた球面
軸受30の各部分301,302を、一片ずつピン挿通
孔5bを通して、軸受装着部5cに装着することが可能
となる。
【0040】上記のような半割りにされた球面軸受30
による第2実施形態のピストンピン支持構造によれば、
軸受挿入用の溝孔を特に設けることなく、球面軸受30
をピストン本体5に装着することができるため、従来の
ピストンと同様に、単なるサークリップ係脱用の溝孔を
設けるだけで、軸受挿入用の溝孔を特に形成する必要が
ない。
【0041】そのため、該溝孔を設けた場合と比べて、
球面軸受30の球面と軸受装着部5cの接触面積を(軸
受装着部5c内に入り込む溝孔の分だけ)増やすことが
できて、球面軸受30にかかる面圧を小さくすることが
できると共に、従来のサークリップ係脱用の小さな溝孔
があるだけで、球面軸受30を装着するための大きな溝
孔がないため、ピストン本体5のピンボス部5a周りの
強度を上げることができる。
【0042】ところで、上記の各実施形態では、何れ
も、図15(A)に示すように、ピストン本体5の冷間
時において、球面軸受30の球面が、軸受装着部5cの
球面と略同じアールの球面となるように形成されてお
り、エンジンの運転時に、球面軸受30とピストン本体
5の熱膨張率の差により、球面軸受30と軸受装着部5
cの間に適当なクリアランスが生じるものとなってい
る。
【0043】しかしながら、球面軸受30の球面形状に
ついては、図15(B)に示すように、ピストンの冷間
時において、球面軸受30と軸受装着部5cが、軸方向
中央部で接触しその両側部でクリアランスを生じるよう
に、球面軸受30の軸方向での球面のアールR1を、軸
受装着部5cの球面のアールR2よりも小さくなるよう
に形成してもよい。
【0044】すなわち、球面軸受30の球面において、
該軸受の軸方向での円弧のアールが、該軸受の円周方向
での円弧のアールよりも小さくなるようにし、球面軸受
30の球面を、完全な球面ではなく、該軸受の外周面の
円周方向中央部がより外方に突出するような曲面にし
て、球面軸受30を、軸受装着部5cに対して、その外
周面の円周方向中央部で部分的に接触させることによ
り、ピストンの冷間時に、ピストン本体5に対して球面
軸受30が軸方向で回動するような動きを効果的に抑え
ることができる。
【0045】なお、球面軸受30の球面をそのような形
状としても、エンジンの運転時には、球面軸受30とピ
ストン本体5の熱膨張率の差により、球面軸受30と軸
受装着部5cの間に全面的にクリアランスが生じるた
め、球面軸受30は、軸受装着部5cに対して充分に摺
動することができる。
【0046】図16〜図18は、球面軸受30によるピ
ストンピン20の支持構造の第3実施形態について示す
もので、本実施形態では、球面軸受30は、ピストン本
体5に対して一体的に鋳込まれた状態で形成されてお
り、図16に示すように、ピストン本体5の外周面から
ピンボス部5aの軸受装着部5cにまで、先の第2実施
形態と同様に、球面軸受挿入用の溝孔5dは形成されて
いない。
【0047】すなわち、本実施形態における球面軸受3
0は、鋳型に球面軸受30をセットした状態でピストン
本体5を鋳造することにより、図17に示すように、鋳
型により成形されたピストン本体5の中間製品5Aに対
して、そのピンボス部5aに球面軸受30が一体的に鋳
込まれ、図18に示すように、中間製品5Aをピストン
本体5に加工する際に同時に球面軸受30も切削加工さ
れて、図16に示すように、ピストンピン20を挿着す
るのに適した内径に加工される。
【0048】ピストン本体5に鋳込まれる球面軸受30
は、耐磨耗性や耐焼付性が優れ、ピストン本体5の素材
(アルミ合金)よりも熱膨張率の小さい、鋳鉄や鉄系焼
結材などが材質のものが使用され、球面部の表面には窒
化処理が施されている。
【0049】この球面軸受30を鋳型内にセットしてピ
ストン本体5を鋳造する際には、セットされた球面軸受
30は、冷却されるか或いは温めない状態とされてお
り、セットされた球面軸受30の外周面には、油などの
離型剤が塗布されている。
【0050】ピストン本体5の中間製品5Aを加工する
と共に球面軸受30を加工する際には、図18に示すよ
うに、ピストン本体5のピンボス部5aと球面軸受30
とに渡ってピン33を挿通しておくことにより、球面軸
受30の内径加工時における周方向の回り止めを行い、
切削加工には、球面軸受30が摺動しやすいように、球
面軸受30の両端側部を落としておく。
【0051】本実施形態のように鋳込みによりピストン
本体5に一体化された球面軸受30では、エンジンの運
転時に、熱膨張率の違いから、球面軸受30とピストン
本体5の間でクリアランスが生じて、球面軸受30の摺
動が可能となる。
【0052】上記のように球面軸受30を鋳込んだ第3
実施形態のピストンピン支持構造によれば、ピストン本
体5に対して軸受装着部5cの球面加工を不要とするこ
とができ、ピストン本体5と球面軸受30をピン33で
回り止めした状態でピストンピン20を組み付けること
により、その組み付け作業が容易となり、また、球面軸
受30と軸受装着部5cとのクリアランスを、エンジン
運転時の熱膨張によって最小且つ適正なものとなるよう
にすることができる。
【0053】以上、本発明の内燃機関用ピストンのピス
トンピン支持構造を、2サイクル3気筒ディーゼルエン
ジンについての各実施形態により説明したが、本発明
は、そのようなディーゼルエンジンのみでなく、強制潤
滑タイプで筒内噴射タイプのエンジンであれば、ディー
ゼルエンジンでなくガソリンエンジンであっても、ま
た、2サイクルエンジンでなく4サイクルエンジンであ
っても、有効に適用できるものである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したような本発明の内燃機関用
ピストンのピストンピン支持構造によれば、内燃機関の
運転時においてピストン本体が熱膨張により変形すると
きに、ピストン本体のピンボス部に塑性変形や局部磨耗
を起こすことなく、ピストン本体の損傷を防止できると
共に、ピストンピンに変形が起きるのを防止することが
できて、ピストンピンとコンロッド小端部の間に設けら
れた軸受の寿命を向上させたり、シリンダ内でのピスト
ンの摺動ロスを低減したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストンピン支持構造が適用される3
気筒2サイクルディーゼルエンジンを示す図2のA−A
線に沿った縦断面図。
【図2】図1に示した3気筒2サイクルディーゼルエン
ジンの気筒配列方向に沿った部分縦断面図。
【図3】図2に示したディーゼルエンジンのコンロッド
大端部付近を示す一部拡大縦断面図。
【図4】本発明のピストンピン支持構造の第1実施形態
を示すピストンの縦断面図。
【図5】図4に示した実施形態の一部分についての拡大
縦断面図。
【図6】図5に示した部分の組み立て説明断面図。
【図7】図4に示したピストンの側面図。
【図8】本発明のピストンピン支持構造を適用したピス
トンの(A)熱変形する前の状態と(B)熱変形した状
態とを比較して示す説明図。
【図9】従来のピストン本体の(A)熱変形する前の状
態と(B)熱変形した状態とを比較して示す説明図。
【図10】従来のピストンの熱変形時におけるピストン
本体のピンボス部とピストンピンの状態を示す部分拡大
説明図。
【図11】従来のピストンの熱変形時におけるピストン
本体のピストンピンとコンロッド小端部の軸受の状態を
示す説明図。
【図12】本発明のピストンピン支持構造の第2実施形
態を示すピストンのピストン本体のみ断面で示した一部
断面側面図。
【図13】図12に示した実施形態における球面軸受の
(A)ピストンピン軸方向から見た正面図,(B)A図
のB−B線に沿った断面図,および、(C)半割りにさ
れた球面軸受の一片の大きさを示す説明図。
【図14】図12に示した実施形態における球面軸受の
ピストン本体に対する組み付け順序を示す説明図。
【図15】本発明のピストンピン支持構造における冷間
時の軸受装着部に対する球面軸受の球面形状の一例
(A)と他の例(B)のそれぞれを示す説明図。
【図16】本発明のピストンピン支持構造の第3実施形
態を示すピストンの縦断面図。
【図17】図16に示した実施形態についての中間製品
の状態を示す縦断面図。
【図18】図16に示した実施形態についての中間製品
の加工状態を示す縦断面図。
【符号の説明】 1 ディーゼルエンジン(内燃機関) 3a シリンダボア(シリンダ) 5 ピストン本体 5a ピンボス部(ピストン本体の) 5b ピン挿通孔(ピストン本体の) 5c 軸受装着部(ピストン本体の) 5d 球面軸受挿入用溝孔(ピストン本体の) 6 コンロッド 6a 小端部(コンロッドの) 7 クランク軸 20 ピストンピン 30 球面軸受 30a ピン孔(球面軸受の)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 23/08 F16C 23/08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内で往復動するピストン本体に
    形成された一対のピンボス部に、ピストン本体とクラン
    ク軸を連動させるためのコンロッドの小端部を連結した
    ピストンピンが支持されている内燃機関用ピストンにお
    いて、ピストン本体のそれぞれのピンボス部に、ピスト
    ンピンの両側部を挿通するためのピン挿通孔が貫通さ
    れ、該ピン挿通孔の途中に形成された軸受装着部に、外
    面が球面状で略中央部にピストンピンを挿通するための
    ピン孔を設けた球面軸受が摺動自在に装着されており、
    該球面軸受のピン孔の内径よりもピンボス部のピン挿通
    孔の内径が大きく形成されていて、該球面軸受のピン孔
    にピストンピンが挿通されることにより、ピストンピン
    が球面軸受を介してピンボス部に支持されていることを
    特徴とする内燃機関用ピストンのピストンピン支持構
    造。
  2. 【請求項2】 ピンボス部のピン挿通孔の内径が、ピス
    トン本体の熱膨張による変形時にピストンピンをピンボ
    ス部に接触させない分だけ、球面軸受のピン孔の内径よ
    りも大きく形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造。
  3. 【請求項3】 ピストン本体の外周面からピンボス部の
    軸受装着部にまで貫通して形成された球面軸受挿入用の
    溝孔が、ピストンの軸方向に対して傾斜した状態で設け
    られていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内
    燃機関用ピストンのピストンピン支持構造。
  4. 【請求項4】 球面軸受が半割り構造とされていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用ピスト
    ンのピストンピン支持構造。
  5. 【請求項5】 ピストンの冷間時において、球面軸受が
    軸受装着部に対してその軸方向中央部で接触しその両側
    部で隙間を生じるように、球面軸受の球面の軸方向での
    アールが、軸受装着部の球面のアールよりも小さくなる
    ように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4
    に記載の内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造。
  6. 【請求項6】 球面軸受がピストン本体に鋳込まれてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用
    ピストンのピストンピン支持構造。
  7. 【請求項7】 少なくとも一方の球面軸受に形成された
    ピン孔の内側開口縁の角部と、ピストンピンの少なくと
    も一方の端部の外周縁の角部に、それぞれ面取り加工が
    施されていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の
    内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造。
JP2320196A 1995-04-25 1996-01-17 内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造 Pending JPH09189358A (ja)

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JP2320196A JPH09189358A (ja) 1995-11-07 1996-01-17 内燃機関用ピストンのピストンピン支持構造
US08/637,218 US5694829A (en) 1995-04-25 1996-04-24 Piston and piston pin arrangement for reciprocating machine
DE69613625T DE69613625T2 (de) 1995-04-25 1996-04-25 Brennkraftmaschine
EP96106571A EP0740062B1 (en) 1995-04-25 1996-04-25 Internal combustion engine

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JP7-313496 1995-11-07
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