JPH09189694A - コンクリートの強度試験方法 - Google Patents

コンクリートの強度試験方法

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JPH09189694A
JPH09189694A JP1944796A JP1944796A JPH09189694A JP H09189694 A JPH09189694 A JP H09189694A JP 1944796 A JP1944796 A JP 1944796A JP 1944796 A JP1944796 A JP 1944796A JP H09189694 A JPH09189694 A JP H09189694A
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pull
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裕行 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化したコンクリートの任意個所の強度を現
場で正確に求めることができるようにする。 【解決手段】 硬化後のコンクリート10の任意個所に
形成した底部が拡大された取付孔11にメカニカルアン
カ式の引抜棒材1を挿入した後、引抜棒材1の先端の拡
開部片31を取付孔11の拡大孔部12内で拡開させる
とともに、取付孔11と引抜棒材1との空隙に充填した
接着剤4を硬化させて引抜棒材1をコンクリート10に
固定し、次いでコンクリート10の表面上の引抜棒材1
と同心となる円上に配置した円筒体7に反力を支持させ
て引抜棒材1を引き抜き、コンクリート10がコーン状
に剪断破壊されるときの剪断強度を用いてコンクリート
10の圧縮強度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化したコンクリ
ートに埋め込んだ引抜棒材を、コンクリート表面上で引
抜棒材と同心の円筒体に反力を支持させて引き抜き、コ
ンクリートをコーン状に剪断破壊させてその剪断強度か
らコンクリートの圧縮強度を求める場合の強度試験方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートは他の構造材料とは異な
り、製造過程の多くの部分が工事現場における手作業に
委ねられていることや、強度が、調合の違いだけではな
く、同一バッチのフレッシュコンクリートから作った場
合でも、締め固め程度などによって異なるために、個々
の現場での強度試験が要求されている。
【0003】ところが、コンクリートの圧縮試験は試験
装置が大がかりとなるため、実験室以外で行うのは困難
であった。そこで、コンクリートの圧縮強度を現場にお
いて簡易な装置で調べることのできる方法として、引抜
試験によってコンクリートの圧縮強度を推定する方法が
一般的に用いられている。
【0004】この引抜試験は、図4(A)に示すように
予め引抜棒材91を設置した基盤90上にフレッシュコ
ンクリートを吹き付けて図4(B)のように成層し、コ
ンクリート92が硬化した後、コンクリート92の表面
を平らに整形し、図4(C)のように引抜棒材91と同
心に設置した円筒体93をコンクリート92の表面上に
押さえ付けることによって反力を支持させながら、引抜
棒材91を引き抜いてコンクリート92をコーン形95
に剪断破壊させる、というものであり、特公昭57−1
8125号、特公平6−76955号公報等に開示され
ている。
【0005】そして、そのときの破壊荷重を剪断面の面
積で除して求めた剪断強度の値を、予め過去の実験から
得た実験式に代入することによって、コンクリートの圧
縮強度が推定されるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法に
よると、コンクリートを打設する前に予め引抜棒材を埋
め込まなければならないため、引抜棒材を設置せずにコ
ンクリートを吹き付けた場合には強度を調べることが不
可能であり、また、コンクリート硬化後に任意の場所の
強度を調べることができなかった。
【0007】加えて、従来の方法では、引抜棒材とコン
クリートとの定着が不十分な場合があり、そのときに
は、引き抜き時の応力が一部分に集中するため、測定精
度が悪くなるという問題を有していた。
【0008】更に、引抜棒材の基端部にコンクリートが
付着するのを防ぐために、基端部にキャップ等を取り付
けてマスキングをしなければならず、余計な手間がかか
っていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、硬化
後のコンクリートの任意個所に底部が拡大された取付孔
を形成し、メカニカルアンカ式の引抜棒材を挿入してそ
の先端を拡大孔部内で拡開させるとともに、取付孔と引
抜棒材との空隙に充填した接着剤を硬化させて引抜棒材
をコンクリートに固定し、次いでコンクリート表面上の
引抜棒材と同心となる円上に配置した円筒体に反力を支
持させて引抜棒材を引き抜き、コンクリートがコーン状
に剪断破壊されるときの剪断強度を用いてコンクリート
の圧縮強度を求めることとした。
【0010】この方法によると、硬化後のコンクリート
の任意の場所で引抜試験を行うことができるうえ、引抜
棒材先端の拡開部片が拡大孔部の孔壁に喰い付くために
引抜部材だけが滑って抜けることがなく、更に接着剤に
よって引抜棒材が孔壁に均一に付着されるため、応力が
均等にかかり、正確な引抜試験を行うことができる。
【0011】また、引抜棒材を中心とする円上に、底面
が引抜棒材と直角となる溝を設け、その溝に円筒体を嵌
め込むようにすると、引抜角度や引抜高さがより正確に
確保されるうえ、コンクリート表面が平坦でない場合に
も反力を円筒体全周で均等に支持させることができ、更
に正確な引抜試験が期待される。
【0012】そして、中心にドリル刃を有し、その刃の
周囲に同心に配置したドラムの先端縁に切削刃を形成し
たドラム刃を有する切削工具を用いて、引抜棒材の取付
孔の下穴と円筒体を嵌め込む溝とを同時に形成するよう
にすれば、容易に取付孔と同心の溝を成形することがで
き、更にそのドリル刃を拡底穿孔用のものとすれば、取
付孔と溝とが一工程で形成され、工程が一層簡略化され
る。
【0013】加えて、引抜棒材の外周表面に凹凸を設け
ることによって、接着剤の付着がよくなり、従って、よ
り強固にコンクリートと一体化される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明で用いられる引抜棒材1の一
例であり、軸材2とスリーブ3とから構成されている。
軸材2は先端部21が先端方向に向けて径が大きくなる
円錐台形をしており、基端部には雄ねじ部22が設けら
れている。また、スリーブ3は軸材2の基端から嵌め込
んで先端部に嵌挿されるものであり、先端には軸線方向
に複数個に分割された拡開部片31を有している。そし
て、スリーブ3の拡開部片31および軸部32の外周表
面には、凹凸が設けられている。
【0016】本発明による引抜試験方法を図2に基づい
て順に説明すると、先ず、基盤20に吹き付けられた後
硬化し、表面が平らに整形されたコンクリート10の任
意の位置にドリル等で穿孔し、更に、市販されている拡
底穿孔用工具等を用いて、図2(A)のように孔の底部
を拡大させた取付孔11を形成する。取付孔11の深さ
は、引抜棒材1を差し込んだときに雄ねじ部22が所定
の長さを確保してコンクリート10の表面に突出される
ように決定され、取付孔11の孔径は、引抜棒材1の外
径よりも少し大きくされる。そして、後に充填する接着
剤との付着をよくするために、取付孔11の中にたまっ
たコンクリートかす等は取り除いておく。また、周側壁
13には細かい凹凸がある方が好ましい。
【0017】次に、図2(B)に示すように、例えば中
心に取付孔11の基端部に挿入される突起61を有し、
突起61と同心で所定の径を有する円上に先端縁に切削
刃62を形成したドラム刃を有する工具6を用いて、コ
ンクリート10の表面に取付孔11と同心の円上に所定
深さの溝41を形成する。この溝41は、取付孔11の
中心軸線と平行の方向に削穴され、その底面は取付孔1
1の中心軸線と直角となるように形成される。
【0018】そして、適量の接着剤、例えば二液式のエ
ポキシ樹脂等の合成樹脂系接着剤4を側壁13に沿って
取付孔11に注入する。そして、接着剤4が硬化しない
うちに、引抜棒材1を取付孔11に挿入する。引抜棒材
1が孔底に達した後、打込棒等を用いてスリーブ3を先
端方向へ打ち込むと、スリーブ3の先端の拡開部片31
が軸材2の先端部21の外周に沿って拡開し、拡大孔部
12の孔壁14に喰いつくことによって、引抜棒材1が
固定される。このとき、取付孔11の底部は予め拡大さ
れているので、拡開部片31は確実にスリーブ3の軸部
32よりも拡がり、引抜部材1だけが滑って抜けること
がない。また、接着剤4は、引抜棒材1の側面に押し付
けられて、側壁13と引抜棒材1との間隙を充填する。
【0019】尚、接着剤4が孔底15に達して引抜棒材
1の先端が孔底15と接着するのを防ぐために、図2
(C)に示したように、孔底15に吸収材5を設置する
とよい。この吸収材5は、余分な接着剤4を吸収すると
ともに、引抜棒材1の先端と樹脂接着しても、引抜試験
時に容易に破断して引抜荷重に影響を与えないような材
質のものが用いられ、例えばスポンジ、特に独立気泡の
スポンジ等を用いるのが好ましい。
【0020】そして、接着剤4が硬化して引抜棒材1が
取付孔11内に完全に固定されたら、溝41に硬質材料
で作られた円筒体7を嵌め込み配置し、更に雄ねじ部2
2に引抜シャフト8をねじ込んで取り付け、円筒体7を
押さえ付けて反力を支持させながら、油圧ジャッキ等に
よって引抜シャフト8を引っ張り、引抜棒材1を引き抜
く。
【0021】このとき、引抜棒材1とともに、引抜棒材
1の拡開部片31および接着剤4によって一体化された
コンクリート10に剪断力がかかり、溝41で囲まれた
円形のコンクリート表面部16を底面とするコーン状の
コンクリート25が引き抜かれる。そのときの破壊荷重
を剪断面積で除して求めた値である剪断強度とコンクリ
ートの圧縮強度との相関は、過去の実験による実験式で
表されており、これによってコンクリートの圧縮強度が
求められるのである。
【0022】尚、本発明で用いられる引抜棒材は、図1
に示したタイプの他にも、例えば雌ねじタイプのメカニ
カルアンカと雄ねじ杆とを組み合わせたもの等、既知の
どのようなメカニカルアンカでも用いることができる。
【0023】また、溝41の形成は、引抜棒材1を設置
して接着剤4が硬化した後、引抜棒材1の雄ねじ部22
に、中心に雌ねじを有し所定の径をもつ円上に先端縁に
切削刃を形成したドラム状の刃を有する工具をねじ込ん
で取り付け、ドラム刃を回転させて削穴する方法で行っ
てもよい。或いは、中心に通常のドリル刃を有し、ドリ
ル刃と同心の円上に先端縁に切削刃を形成したドラム状
の刃を有する例えばコアドリルと呼ばれ市販されている
切削工具を用いれば、取付孔11の下穴と溝41とを同
時に形成することができ、工程が簡単になるうえ、取付
孔11と溝41とを正確に同心に形成することが容易に
なる。更に、中心のドリル刃が拡底穿孔用の切削工具を
用いれば、工程が一層容易になる。尚、溝41で囲まれ
るコーン形の底面の径は、図2(D)に示した角αが6
0度乃至68度程度になるような大きさとなることが好
ましいとされている。
【0024】本発明では、コンクリート10が硬化した
後、引抜棒材1を設置する前にコンクリート10の表面
を整形することができるので、コンクリート10の表面
に円筒体を押さえ付けて反力を支持させても、引抜角度
が傾いたり表面に反力が均等に伝わりにくくなったりす
ることがない。従って、溝41を形成せずに引抜試験を
行ってもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0026】先ず、硬化したコンクリートに、下穴用の
ドリルで下穴をあけ、その後拡底穿孔用工具によって下
穴の底部を拡大させ、取付孔を形成した。そして、引抜
棒材と孔底とが樹脂接着しないように、孔底部にスポン
ジを挿入した。
【0027】次に、取付孔内に、二液式のエポキシ樹脂
を混合して注入し、図1に示したような先端拡開式の引
抜棒材を差し込んだ。
【0028】そして、打込棒で引抜棒材のスリーブを打
ち込み、先端を拡大孔部内で拡開させて引抜棒材を取付
孔に固定した。
【0029】エポキシ樹脂が硬化した後、引抜棒材の基
端部の雄ねじを利用して、内径90mm、外径104m
mのドラム状の刃をもつ切削工具を取り付け、引抜高さ
55mmを確保するような深さに溝を形成した。
【0030】そして、その溝に、内径92mm、外径1
02mmの円筒体を設置し、切削工具を取り外した引抜
棒材の雄ねじ部に引抜シャフトをねじ込んで取り付け、
油圧ジャッキで引き抜いた。このとき、引き抜かれたコ
ンクリートは、ほぼ予想された通りのコーン形状となっ
て剪断破壊していた。そして、破壊荷重をコーンの破断
面の面積で除して求めた剪断強度は54kg/cm2
あり、同じコンクリートでサンプルを採って圧縮強度試
験を行った結果、圧縮強度は220kg/cm2であっ
た。
【0031】圧縮強度と剪断強度との相関関係は予め実
験結果による経験式として求められており、その式σ=
4.4τ−18(但し、σ:圧縮強度,τ:剪断強度)
に上記の剪断強度54kg/cm2を代入すると、圧縮
強度は219.6kg/cm2となり、サンプルでの圧
縮強度試験結果とほぼ等しい値となることがわかった。
従って、本発明の引抜試験により求めた剪断強度によっ
てコンクリートの圧縮強度が正確に推定できることが確
認された。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、コンクリートが硬化し
た後に任意の場所の引抜試験を行うことができる。
【0033】しかも、予め取付孔の底部を拡大させてい
るので、引抜棒材先端の拡開部片が確実に拡開してスリ
ーブの軸部よりも拡がり、引抜棒材だけが滑って抜けて
しまうことがない。加えて、接着剤で引抜棒材とコンク
リートとが引抜高さ全体にわたって均一に付着固定され
るので、応力の集中が起こらずに正確な引抜試験を行う
ことができる。
【0034】また、溝を設けて反力を支持させることに
より、一層、引抜角度および反力の位置や方向を正確に
固定することができ、正確な強度試験を行うことができ
るようになる。
【0035】更に、引抜棒材の取付孔と反力支持のため
の円筒体用溝を同時に形成することができる工具を用い
れば、工程が簡略化されるうえ、取付孔と溝とを同心に
形成することが容易になる。
【0036】更にまた、引抜棒材の外周に凹凸を設ける
ことによって、引抜棒材と接着剤との付着力も十分に確
保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる引抜棒材の一例を示す側面
図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す縦断面図である。
【図3】図2のa部の拡大断面図である。
【図4】従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 引抜棒材 4 接着剤 7 円筒体 10 コンクリート 11 取付孔 12 拡大孔部 13 孔壁 31 拡開部片

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化後のコンクリートの任意個所に形成
    した底部が拡大された取付孔にメカニカルアンカ式の引
    抜棒材を挿入した後、前記引抜棒材の先端を前記取付孔
    の拡大孔部内で拡開させるとともに、前記取付孔と前記
    引抜棒材との空隙に充填した接着剤を硬化させて前記引
    抜棒材を前記コンクリートに固定し、次いで前記コンク
    リート表面上の前記引抜棒材と同心となる円上に配置し
    た円筒体に反力を支持させて前記引抜棒材を引き抜き、
    前記コンクリートがコーン状に剪断破壊されるときの剪
    断強度を用いて前記コンクリートの圧縮強度を求めるこ
    とを特徴とするコンクリートの強度試験方法。
  2. 【請求項2】 引抜棒材を中心とする円上に、底面が前
    記引抜棒材と直角となる溝を設け、その溝に円筒体を嵌
    め込み配置する請求項1記載のコンクリートの強度試験
    方法。
  3. 【請求項3】 中心にドリル刃を有し、前記ドリル刃の
    周囲に同心に配置したドラムの先端縁に切削刃を形成し
    たドラム刃を有する切削工具によって、引抜棒材の取付
    孔と円筒体を嵌め込む溝とを同時に形成する請求項2記
    載のコンクリートの強度試験方法。
  4. 【請求項4】 ドリル刃が拡底穿孔用である請求項3記
    載のコンクリートの強度試験方法。
  5. 【請求項5】 外周表面に凹凸を有する引抜棒材を用い
    る請求項1,2,3,4いずれかに記載のコンクリート
    の強度試験方法。
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