JPH09189811A - 偏光素子及び楕円偏光素子 - Google Patents

偏光素子及び楕円偏光素子

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JPH09189811A
JPH09189811A JP8297247A JP29724796A JPH09189811A JP H09189811 A JPH09189811 A JP H09189811A JP 8297247 A JP8297247 A JP 8297247A JP 29724796 A JP29724796 A JP 29724796A JP H09189811 A JPH09189811 A JP H09189811A
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裕之 吉見
Yasuo Fujimura
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Tatsuki Nagatsuka
辰樹 長塚
Hisafumi Mihara
尚史 三原
Hideo Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の反射ロスが少なくて光の利用効率に優
れ、光源からの熱で光弾性変形を生じにくくて信頼性に
優れ、明るさに優れる液晶表示装置を形成できる偏光素
子の開発。 【解決手段】 コレステリック液晶層からなる偏光分離
フィルム(3)と1/4波長板(4)、及び必要に応じ
ての二色性物質含有の偏光フィルムとを応力緩和性に優
れる粘着層(2)を介して順次接着した積層体からな
り、さらに必要に応じて偏光分離フィルム側に、裏面に
反射層(11)を有して表面より光を出射する導光板
(1)を当該粘着層(20)を介し接着してなる偏光素
子。 【効果】 偏光分離フィルムで反射された円偏光が導光
板の反射層との間に閉じ込められて反射を繰り返す内に
所定の円偏光に変換されて偏光分離フィルムを透過し反
射ロスによる光の未利用分が低減される。また粘着層を
介した積層一体化で各界面での反射ロスも少なく、光源
からの熱により表示ムラが生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光の利用効率に優れて透
過型の液晶表示装置などに好適な偏光素子及びそれを用
いた楕円偏光素子に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、光源からの光を偏光化して液晶表
示装置における光利用効率の向上をはかり明るい表示を
実現する手段としては、種々のもの、例えば特開昭59
−127019号公報、特開昭61−122626号公
報、特開昭63−121821号公報、特開平3−45
906号公報、特開平6−324333号公報、特開平
7−35925号公報、特開平7−36025号公報な
どが提案されている。
【0003】しかしながら、いずれの場合も3〜4の構
成要素で形成されるため、その積層体では6〜8の界面
が介在して各界面での反射損による光ロスが大きく、単
なる重合せ配置の場合には単純計算にても70〜80%
の光利用効率に留まり、光利用効率に乏しくて表示の明
るさを向上させる効果に乏しい問題点があった。
【0004】また、接着による密着積層体では異種材料
からなる構成要素のそれぞれ異なる線膨張係数に基づい
て、光源からの熱により積層体に内部応力が発生し、光
弾性変形を生じて複屈折が発生し、表示ムラを起す問題
点もあった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、光の反射ロスが少なく
て光の利用効率に優れ、光源からの熱で光弾性変形を生
じにくくて信頼性に優れ、明るさに優れる液晶表示装置
を形成できる偏光素子の開発を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コレステリッ
ク液晶層からなる偏光分離フィルムと1/4波長板、及
び必要に応じての二色性物質含有の偏光フィルムとを応
力緩和性に優れる粘着層を介して順次接着した積層体か
らなり、さらに必要に応じて偏光分離フィルム側に、裏
面に反射層を有して表面より光を出射する導光板を当該
粘着層を介して接着してなることを特徴とする偏光素子
を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】上記構成において偏光分離フィルムは、
導光板等を介した入射光を左右の円偏光に分離してその
一方を透過し、他方を反射する。その結果、反射光が偏
光分離フィルムと導光板の反射層の間に閉じ込められ、
その間で反射を繰り返す内に所定の円偏光に変換されて
偏光分離フィルムを透過しうる状態となり、入射光にお
ける当初より所定の状態にある円偏光と共に出射され、
これにより反射ロスによる光の未利用分が低減される。
【0008】一方、偏光分離フィルムより出射した円偏
光は1/4波長板を介して直線偏光や扁平な楕円偏光等
の直線偏光成分の多い状態に変換される。この変換光
は、その直線偏光方向が偏光フィルムの透過軸と合致し
たとき、殆ど吸収されずに偏光フィルムを透過し、これ
により吸収ロスによる光の未利用分も低減される。その
結果、従来では反射ロスや吸収ロスとなっていた光も有
効利用でき、光の利用効率を向上させることができる。
【0009】前記において本発明の偏光素子では、粘着
層を介して積層一体化されていることから、各界面での
反射ロスも少なく、界面への異物等の侵入も防止して表
示品位の低下も予防でき、光学系のズレによる変換効率
の低下も防止できる。また応力緩和性に優れる粘着層を
介した積層一体化で、光源からの熱により偏光分離フィ
ルムや1/4波長板、さらには偏光フィルムに生じる応
力を抑制でき、光弾性変形により発生する屈折率の変化
を防止することができる。上記の結果、明るくて視認性
や表示品位の信頼性に優れる液晶表示装置を形成するこ
とができる。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の偏光素子は、コレステリッ
ク液晶層からなる偏光分離フィルムと1/4波長板、及
び必要に応じての二色性物質含有の偏光フィルムとを応
力緩和性に優れる粘着層を介して順次接着した積層体か
らなり、さらに必要に応じて偏光分離フィルム側に、裏
面に反射層を有して表面より光を出射する導光板を当該
粘着層を介して接着したものからなる。
【0011】図1〜3に本発明による偏光素子を例示し
た。2,20,21,22,23,24が粘着層、3が
偏光分離フィルム、4が1/4波長板であり、1が必要
に応じての導光板、6が必要に応じての偏光フィルムで
ある。なお、51は粘着層保護用のセパレータである。
図2の如く偏光分離フィルム3は、複数のコレステリッ
ク液晶層31,32,33の重畳層として形成されてい
てもよいし、1/4波長板4も複数の位相差層41,4
2の重畳層として形成されていてもよい。
【0012】前記した図例の導光板を配置した偏光素子
によれば、導光板1の表面より出射した光のうち所定の
円偏光は、導光板の表面側に配置した偏光分離フィルム
3を透過し、1/4波長板4を介して外部に透過する。
一方、所定外の円偏光は、偏光分離フィルム3で反射さ
れ、その反射光は、導光板に再入射して裏面の反射層1
1を介し反射され、戻り光として再び偏光分離フィルム
3に入射する。
【0013】前記の偏光分離フィルムによる反射光は、
導光板の裏面で反射される際に偏光状態が変化させら
れ、一部又は全部の反射光が偏光分離フィルムを透過し
うる所定の円偏光となる。従って偏光分離フィルムによ
る反射光は、その偏光分離フィルムを透過しうる所定の
円偏光となるまで偏光分離フィルムと導光板との間に閉
じ込められて、それらの間で反射を繰り返す。
【0014】一方、偏光分離フィルムより出射した円偏
光は、1/4波長板4に入射して位相変化を受け、その
位相変化が1/4波長に相当する波長の光は直線偏光に
変換され、その他の波長の光は楕円偏光に変換される。
その楕円偏光は、前記の直線偏光に変換された光の波長
に近いほど扁平な楕円偏光となる。その結果、偏光フィ
ルムを透過しうる直線偏光成分を多く含む状態の光が1
/4波長板より出射される。
【0015】本発明において、偏光分離フィルムと1/
4波長板、及び必要に応じての偏光フィルムや導光板の
各部品は、応力緩和性に優れる粘着層を介して積層一体
化される。その場合、各部品の配置位置は、目的とする
機能を得るために偏光分離フィルム3と1/4波長板4
との積層体からなる偏光素子5に対して図例の如く、偏
光フィルム6は1/4波長板4側とされ、導光板1は偏
光分離フィルム3側とされて、かつ導光板の表面(光出
射)側が偏光分離フィルム側とされる。
【0016】偏光分離フィルムとしては、コレステリッ
ク液晶層からなるものが用いられる。コレステリック液
晶層によれば、左右の円偏光を透過と反射を介していず
れか一方に選択的に分離でき、視野角の広さに優れる利
点を有している。またコレステリック液晶層の場合、視
角変化に対する光学特性の変化が小さく、斜め方向から
も直接観察される直視型液晶表示装置に適している。
【0017】コレステリック液晶としては、適宜なもの
を用いることができ、特に限定はない。液晶層の重畳効
率や薄膜化などの点よりは液晶ポリマーの使用が有利で
ある。また複屈折の大きいコレステリック液晶分子ほど
選択反射の波長域が広くなって好ましい。好ましく用い
うる偏光分離フィルムとしては、コレステリック相を呈
する液晶ポリマーからなるフィルムや、コレステリック
液晶ポリマーからなる層をフィルム等の透明基材上に設
けたものなどがあげられる。
【0018】ちなみに液晶ポリマーとしては、例えばポ
リエステル等の主鎖型液晶ポリマー、アクリル主鎖やメ
タクリル主鎖、シロキサン主鎖等からなる側鎖型液晶ポ
リマー、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリ
マー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系と
コレステリック系の混合液晶ポリマーなどがあげられ
る。取扱い性の点より、ガラス転移温度が30〜150
℃の液晶ポリマーが好ましく用いうる。
【0019】コレステリック液晶層の形成は、従来の配
向処理に準じた方法で行いうる。ちなみにその例として
は、基板上にポリイミドやポリビニルアルコール等の膜
を形成してレーヨン布等でラビング処理したものや、S
iOの斜方蒸着層等からなる適宜な配向膜の上に液晶ポ
リマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度
未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向し
た状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態と
し、当該配向が固定化された固化層を形成する方法など
があげられる。
【0020】前記の基板としては、例えばトリアセチル
セルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリ
アリレート、ポリエステルやポリカーボネート、ポリス
ルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
プラスチックからなるフイルム、あるいはガラス板など
の適宜なものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマ
ーの固化層は、基板がフィルムからなる場合にはそれと
の一体物としてそのまま偏光分離フィルムに用いうる
し、基板より剥離してフィルム等からなる偏光分離フィ
ルムとして用いることもできる。フィルムからなる基板
との一体物として形成する場合には、偏光の状態変化の
防止性などの点より、位相差が可及的に小さいフィルム
を用いることが好ましい。
【0021】液晶ポリマーの展開は、加熱溶融方式によ
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。その溶剤としては、例えば塩化メチレンやシクロ
ヘキサノン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタ
ン、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの
適宜なものを用いうる。展開は、バーコーターやスピナ
ー、ロールコーター、グラビア印刷方式などの適宜な塗
工機にて行うことができる。展開に際しては、必要に応
じ配向膜を介したコレステリック液晶層の重畳方式など
も採ることができる。
【0022】コレステリック液晶層の厚さは、配向の乱
れや透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示
す波長範囲)などの点より、0.5〜100μm、就中
1〜70μm、特に1〜50μmが好ましい。形成する偏
光分離フィルムは、斜め入射光も含めた分離性能の均一
化等の点より平坦な層として形成されていることが好ま
しく、2層以上の重畳層として形成されている場合でも
各層は平坦なものであることが好ましい。なおコレステ
リック液晶層、ないし偏光分離フィルムの形成に際して
は、安定剤や可塑剤、あるいは金属類などからなる種々
の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0023】偏光分離フィルムは、上記した如く2層以
上のコレステリック液晶層を有する重畳物として形成す
ることもできる。重畳化は、分離機能の広波長域化や斜
め入射光の波長シフトに対処する点等より有利であり、
その場合には所定外の円偏光として反射する光の中心波
長が異なる組合せで重畳することが好ましい。すなわち
単層のコレステリック液晶層では通例、選択反射性(円
偏光二色性)を示す波長域に限界があり、その限界は約
100nmの波長域に及ぶ広い範囲の場合もあるが、その
波長範囲でも液晶表示装置等に適用する場合に望まれる
可視光の全域には及ばないから、そのような場合に選択
反射性の異なるコレステリック液晶層を重畳させて円偏
光二色性を示す波長域を拡大させることができる。
【0024】ちなみにコレステリック液晶層の場合、そ
の液晶層に基づく選択反射の中心波長が300〜900
nmのものを同じ偏光方向の円偏光を反射する組合せで、
かつ選択反射の中心波長が異なる、就中それぞれ50nm
以上異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳する
ことで広い波長域をカバーできる偏光分離フィルムを効
率的に形成することができる。コレステリック液晶層の
重畳には、製造効率や薄膜化などの点より液晶ポリマー
の使用が特に有利である。
【0025】従って偏光分離フィルムとしては、それが
所定外の円偏光として反射しうる光の波長域が導光板に
基づく出射光の波長域と可及的に一致したものが好まし
く用いうる。当該出射光に輝線スペクトル等の主波長が
ある場合には、その1種又は2種以上の主波長に対して
コレステリック液晶相等に基づく反射光の波長を一致さ
せることが偏光分離の効率性等の点より次善策となり、
必要重畳数の減少化等による偏光分離フィルムの薄層化
にも有利である。その場合、反射光の波長の一致の程度
は、導光板の1種又は2種以上の主波長光に対してそれ
ぞれ20nm以内の範囲とすることが好ましい。
【0026】前記において、偏光分離フィルムをコレス
テリック液晶層の重畳層として形成する場合、同じ偏光
方向の円偏光を反射するものの組合せで用いることを指
摘した。これは、各層で反射される円偏光の位相状態を
揃えて各波長域で異なる偏光状態となることを防止し、
利用できる状態の偏光の増量を目的とする。なお上記し
た如く、コレステリック液晶としては適宜なものを用い
てよいが、位相差の大きいコレステリック液晶分子ほど
選択反射の波長域が広くなり、層数の軽減や大視野角時
の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用いう
る。
【0027】本発明において用いる偏光分離フィルム
は、例えば低分子量体からなるコレステリック液晶層を
フィルム等の透明基材で挾持したセル形態、液晶ポリマ
ーからなるコレステリック液晶層を透明基材で支持した
形態、コレステリック液晶層の液晶ポリマーのフィルム
からなる形態、それらの形態物を適宜な組合せで重畳し
た形態などの適宜な形態とすることができる。その場
合、コレステリック液晶層をその強度や操作性などに応
じて1層又は2層以上の支持体で保持することもでき
る。2層以上の支持体を用いる場合には、偏光の状態変
化を防止する点などより例えば無配向のフィルムや、配
向しても複屈折の小さいトリアセテートフィルムなどの
如く位相差が可及的に小さいものが好ましく用いうる。
【0028】偏光分離フィルムの片側に配置する1/4
波長板は、上記した如く偏光分離フィルムより出射した
円偏光の位相を変化させて直線偏光成分の多い状態に変
換することを目的とし、これにより偏光フィルムを透過
しやすい光などを得ることができる。
【0029】従って1/4波長板としては、偏光分離フ
ィルムより出射した円偏光を、1/4波長の位相差に相
当して直線偏光を多く形成しうると共に、他の波長の光
を前記直線偏光と可及的にパラレルな方向に長径方向を
有し、かつ可及的に直線偏光に近い扁平な楕円偏光に変
換しうるものが好ましく用いうる。かかる1/4波長板
を用いることにより、その出射光の直線偏光方向や楕円
偏光の長径方向が偏光フィルムの透過軸と可及的に平行
になるように配置して、偏光フィルムを透過しうる直線
偏光成分の多い状態の光を得ることができる。
【0030】1/4波長板は、適宜な材質で形成でき、
透明で均一な位相差を与えるものが好ましい。1/4波
長板の位相差は、偏光分離フィルムより出射される円偏
光の波長域などに応じて適宜に決定しうる。ちなみに可
視光域では波長550nmの光に対する1/4波長板が好
ましい。
【0031】また位相差層は、視角によって着色する場
合があり、その着色を防止する点よりは、式:Nz
(nx−nz)/(nx−ny)で定義されるNzが、Nz
1.1を満足する屈折率楕円体からなる1/4波長板が
好ましく用いうる。なお前記の式において、nxは位相
差層の面内における最大屈折率、nyはnx方向に直交す
る方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率を意味する。
【0032】1/4波長板は、単層の位相差層からなる
ものや、図2に例示した如く、1/4波長板として機能
しうる波長範囲の拡大を目的に、位相差が相違する2層
以上の位相差層を重畳したものなどとして得ることがで
きる。
【0033】ちなみに、可視光域の広い範囲で1/4波
長板として機能しうる重畳型の1/4波長板としては、
例えば波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を
与える位相差層と、1/4波長の位相差を与える位相差
層との組合せで複数の位相差層をそれらの光軸を交差さ
せた状態で重畳したものなどがあげられる。
【0034】前記において、視角による着色を防止した
重畳型の1/4波長板を得る点よりは、当該Nz<1.
1を満足する1/4波長の位相差を与える位相差層と、
1/2波長の位相差を与える位相差層の1層又は2層以
上とを用いた重畳物とすることが好ましい。
【0035】上記の如く1/4波長板は、位相差層の単
層物や重畳物として得られるが、その位相差層の形成に
は例えば位相差フィルムなどが用いられる。位相差フィ
ルムは、高分子フィルムを一軸や二軸等で適宜に延伸処
理してなるフィルムや、液晶ポリマーフィルムなどとし
て得ることができる。その高分子フィルムや液晶ポリマ
ーフィルムとしては適宜なものを用いうる。
【0036】ちなみに前記の高分子フィルムの具体例と
しては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレ
ンやその他のポリオレフィン、酢酸セルロース系ポリマ
ー、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリアミドの如
き適宜な透明プラスチックからなるフィルムなどがあげ
られる。
【0037】本発明において図3に例示した如く、偏光
分離フィルムと1/4波長板からなる偏光素子5におけ
る1/4波長板側に必要に応じて接着配置する偏光フィ
ルムとしては、吸収型偏光フィルムやポリエン配向フィ
ルム、あるいは当該フィルムに透明保護層を設けたもの
などの適宜なものを用いうる。
【0038】ちなみに吸収型偏光フィルムの例として
は、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール
化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子
フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着
させて延伸したフィルムなどがあげられる。また、ポリ
エン配向フィルムの例としては、ポリビニルアルコール
の脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などがあ
げられる。なお偏光フィルムの厚さは通例5〜80μm
であるが、これに限定されない。
【0039】液晶表示装置の形成には、本発明による偏
光素子を用いた明るい表示の達成性、すなわち1/4波
長板を介し高度に直線偏光化された光を可及的に吸収ロ
スを防止しつつ偏光フィルムを透過させて、液晶セルへ
の高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の
表示を得る点などより、二色性物質含有の吸収型偏光フ
ィルムなどの如く偏光度の高いものが好ましく用いられ
る。
【0040】就中、光透過率が40%以上で、偏光度が
99.0%以上、就中99.5%以上の、二色性物質含
有の吸収型偏光フィルムが好ましく用いられる。なお前
記の偏光度(P)は、式:P=SQR[(Tp−Tc)/
(Tp+Tc)]にて定義される。式中、Tpは、同じ偏
光フィルムを平行ニコルに配置した場合の光透過率、T
cは直交ニコルに配置した場合の光透過率である。
【0041】前記の透明保護層は、特に二色性物質含有
の偏光フィルムの如く耐水性に乏しい場合などに保護目
的で設けられるもので、プラスチックの塗布方式やフィ
ルムとしたものの積層方式などの適宜な方式で形成して
よい。フィルム等の分離物で形成する場合には、粘着層
で積層一体化することが反射ロスの防止等の点より好ま
しい。透明保護層の厚さは適宜に決定してよく、一般に
は1mm以下、就中500μm以下、特に1〜300μmと
される。
【0042】なお透明樹脂層は、微粒子を含有させる方
式などにて表面微細凹凸構造の形態に形成することもで
きる。その微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜5μ
mのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化
錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン
等の導電性のこともある無機系微粒子や、架橋又は未架
橋ポリマー等の有機系微粒子などの透明樹脂層中で透明
性を示すものが用いられる。微粒子の含有量は2〜25
重量%、就中5〜20重量%が一般的である。
【0043】偏光フィルムを1/4波長板の上側に接着
配置するに際して、1/4波長板の進相軸又は遅相軸に
対する偏光フィルムの偏光軸の配置角度は、1/4波長
板の位相差特性や、それに入射する円偏光の特性などに
応じて適宜に決定しうるが、光利用効率の向上等の点よ
り1/4波長板を介し直線偏光化された光の偏光方向に
対し偏光フィルムの透過軸を可及的に平行に配置するこ
とが好ましい。
【0044】本発明の偏光素子においてその偏光分離フ
ィルム側に図例の如く、必要に応じて接着配置される導
光板としては、裏面に反射層を有して光を表面側に出射
するようにした適宜なものを用いうる。好ましくは、光
を吸収なく効率的に出射するものが用いられる。(冷,
熱)陰極管等の線状光源や発光ダイオード等の光源を導
光板1の側面に配し、その導光板に導光板内を伝送され
る光を拡散や反射、回折や干渉等により板の片面側に出
射するようにした、液晶表示装置で公知のサイドライト
型バックライトなどはその例である。
【0045】前記において、内部の伝送光を片面側に出
射するようにした導光板は、例えば透明又は半透明の樹
脂板の光出射面又はその裏面にドット状やストライプ状
に拡散体を設けたものや、樹脂板の裏面に凹凸構造を付
与したものなどとして得ることができる。
【0046】一方の面側に光を出射する導光板は、それ
自体で偏光分離フィルムで反射された光を偏光変換する
機能を有しうるが、導光板の裏面に反射層11を設ける
ことで反射ロスをほぼ完全に防止することができる。拡
散反射層や鏡面反射層などの反射層は、偏光分離フィル
ムで反射された光を偏光変換する機能に優れ、本発明に
おいては好ましい。ちなみに凹凸面等で代表される拡散
反射層は、その拡散に基づいて偏光状態がランダムに混
在し偏光の解消状態を形成する。またアルミニウムや銀
等の蒸着層、それを設けた樹脂板、金属箔などからなる
金属面で代表される鏡面反射層は、円偏光が反射される
とその偏光状態が反転する。
【0047】導光板の形成に際しては、均一な発光を得
るための拡散板、光の出射方向を制御するためのプリズ
ムシート、漏れ光を戻すための反射手段、線状光源から
の出射光を導光板の側面に導くための光源ホルダなどの
補助手段を必要に応じて所定位置に配置して適宜な組合
せ体とされる。なお導光板の表面側(光出射側)に配置
した拡散板やプリズムシート、あるいは導光板に付与し
たドットなどは拡散効果等で反射光の位相を変化させる
偏光変換手段として機能しうる。
【0048】本発明の偏光素子は、分離状態にある、偏
光分離フィルムや1/4波長板、偏光フィルムや導光板
の各部品を応力緩和性に優れる粘着層を介し接着して積
層体としたものである。偏光分離フィルムや1/4波長
板、偏光フィルムや導光板のそれぞれを形成する各素材
が密着一体化状態になくて分離状態にある場合には、そ
の密着一体化にもかかる粘着層が用いられる。
【0049】粘着層の形成には、例えばアクリル系重合
体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなる、応力緩和性に優れる透明な粘着剤を用いう
る。就中、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの点よ
りアクリル系粘着剤が好ましく用いうる。また粘着層と
しては、熱により積層体内部に発生する内部応力の緩和
による光弾性変形の防止性などの点より、緩和弾性率が
2×105〜1×107dyne/cm2、就中2×106〜8×
106dyne/cm2のものが好ましい。
【0050】前記アクリル系粘着剤を形成するアクリル
系重合体の具体例としては、例えばメチル基やエチル
基、n−プロピル基やイソプロピル基、n−ブチル基や
イソブチル基、ペンチル基やイソアミル基、ヘキシル基
やヘプチル基、シクロヘキシル基や2−エチルヘキシル
基、オクチル基やイソオクチル基、ノニル基やイソノニ
ル基、ラウリル基やドデシル基、デカニル基やイソデカ
ニル基の如きアルキル基、就中、炭素数が2〜14のア
ルキル基を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルの1種又は2種以上を、必要に応じ改質用モノマ
ーの1種又は2種以上と共に重合処理したものなどがあ
げられる。
【0051】また前記アクリル系共重合体の形成に際し
ては必要に応じて(メタ)アクリル酸エステルと共重合
可能な改質用のモノマーも用いうる。その具体例として
は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸6−
ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキ
シオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシ
ル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや
(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアク
リレートの如きヒドロキシル基含有モノマー、アクリル
酸やメタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカ
ルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン
酸、クロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー、無
水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物モノマ
ー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸の如きスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエ
チルアクリロイルホスフェートの如き燐酸基含有モノマ
ーなどがあげられる。
【0052】また、(メタ)アクリルアミドやN−置換
(メタ)アクリルアミドの如きアミド系モノマー、N−
シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミ
ド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミド
の如きマレイミド系モノマー、N−メチルイタコンイミ
ドやN−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイ
ミドやN−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘ
キシルイタコンイミドやN−シクロヘキシルイタコンイ
ミド、N−ラウリルイタコンイミドの如きイタコンイミ
ド系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレ
ンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オ
キシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アク
リロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドの
如きスクシンイミド系モノマーなども改質用モノマーと
してあげられる。
【0053】さらに、酢酸ビニルやN−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルボン酸アミド類やスチレンの如きビ
ニル系モノマー、ジビニルベンゼンの如きジビニル系モ
ノマー、1,4−ブチルジアクリレートや1,6−ヘキ
シルジアクリレートの如きジアクリレート系モノマー、
(メタ)アクリル酸グリシジルやテトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートやポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、フッ素(メタ)アクリレートやシリコー
ン(メタ)アクリレートの如きアクリル酸エステル系モ
ノマー、メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル
(メタ)アクリレートの如き上記した主成分をなすモノ
マーとは異なるエステル基を有する(メタ)アクリル酸
エステルなども改質用モノマーとしてあげられる。
【0054】上記した改質用モノマーにおいて、分子間
架橋剤と反応しうる官能基を有してアクリル系共重合体
の分子間架橋に関与しうるモノマー、例えば上記したカ
ルボキシル基含有モノマーや酸無水物モノマー、(メ
タ)アクリル酸グリシジルやヒドロキシル基含有モノマ
ーなどは好ましく用いうる。就中、カルボキシエチルア
クリレートや(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシ
ルの如く架橋反応性に富むモノマーは、少量の共重合で
必要な架橋性を付与しうることから、得られるアクリル
系共重合体の緩和弾性率を上昇させにくく、特に好まし
く用いうる。
【0055】アクリル系重合体の調製方式は任意であ
り、溶液重合法や乳化重合法、塊状重合法や懸濁重合法
などの適宜な方式を採ることができる。その重合に際し
ては、例えばヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
や(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ
アクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレートなどの多官能系モノマーも用いうる。
【0056】重合処理に際しては必要に応じ重合開始剤
を用いうる。その使用量は、常法に準じることができ、
一般にはモノマー成分の0.001〜5重量%が用いら
れる。重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイルやt
-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド
やジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−
プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシ
エチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオ
キシネオデカリエートやt-ブチルパーオキシビバレー
ト、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキ
シドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオ
キシドの如き有機過酸化物があげられる。
【0057】また2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
や2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,
1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)
や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メト
キシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シ
アノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキ
シメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の如きアゾ
系化合物、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムや過酸
化水素等、あるいはそれらと還元剤を併用したレドック
ス系開始剤なども重合開始剤としてあげられる。
【0058】耐湿熱性等の点より好ましく用いうるアク
リル系重合体は、その重量平均分子量が10以上、就中
20万以上、特に40万以上のものである。また、かか
るアクリル系重合体は必要に応じ分子間架橋剤等で架橋
処理して、分子量の増量等により粘着特性の改良を図る
こともできる。ちなみに分子間架橋剤の例としては、ト
リレンジイソシアネートやトリメチロールプロパントリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシア
ネートの如き多官能イソシアネート系架橋剤、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルやジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルの如きエポキシ系架橋剤、その他、メラミン樹脂系架
橋剤や金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤やアミノ
樹脂系架橋剤などの適宜なものを用いうる。
【0059】粘着層の厚さは適宜に決定してよい。一般
には、接着力や薄型化等の点より1〜500μm、就中
2〜200μm、特に5〜100μmとされる。なお粘着
層には必要に応じて、石油系樹脂やロジン系樹脂、テル
ペン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、フェノール系樹
脂やキシレン系樹脂、アルキド系樹脂の如き粘着付与
剤、フタル酸エステルやリン酸エステル、塩化パラフィ
ンやポリブテン、ポリイソブチレンの如き軟化剤、ある
いはその他の各種充填剤や老化防止剤などの適宜な添加
剤を配合することができる。
【0060】偏光素子の形成は、例えばフィルム等の薄
葉体を剥離剤で表面処理してなるセパレータ上に設けた
粘着層を偏光分離フィルムの接着面に移着し、その上に
1/4波長板を圧着する方式、あるいは更にその1/4
波長板の上に粘着層を同様にして移着し、その上に偏光
フィルムを配置して圧着する方式などがあげられる。
【0061】また導光板等の接着面にパレータ上に設け
た粘着層を移着し、その上に偏光分離フィルムを配置し
て圧着した後、その上に粘着層を同様にして移着して1
/4波長板や偏光フィルムを順次圧着する方式、あるい
は予め所定の接着面に設けた粘着層を介して偏光分離フ
ィルムや1/4波長板、偏光フィルムや導光板等の被着
体を所定の順序で積層し、それをプレス処理して一括的
に圧着する方式などもあげられる。
【0062】本発明においては、偏光素子を形成する各
部品を所定の粘着層を介して所定の配置順序で接着積層
する点を除いて、その処理順序等については特に限定は
なく、適宜な方式で偏光素子を形成してよい。なお偏光
分離フィルムや1/4波長板、偏光フィルムや導光板等
が複数の分離素材で形成される場合にも、粘着層を介し
た接着一体化物として形成することが好ましい。
【0063】上記のように本発明の偏光素子は、導光板
等の適宜な光源との組合せで用いて、偏光分離フィルム
による反射円偏光を偏光変換して出射光として再利用す
ることで反射ロスを防止し、その出射光を1/4波長板
を介し位相制御して偏光板透過性の直線偏光成分をリッ
チに含む状態に変換することで偏光フィルムによる吸収
ロスを防止し、光利用効率の向上をはかりうるようにし
たものである。
【0064】従って、光の利用効率に優れて偏光フィル
ムを透過しやすい光を提供し、大面積化等も容易である
ことより液晶表示装置等におけるバックライトシステム
などとして種々の装置に好ましく用いることができる。
その場合、1/4波長板を出射した光を光源として利用
する点よりは、直線偏光や楕円偏光の長径方向成分など
として偏光フィルムを透過しうる直線偏光成分を65%
以上、就中70%以上含むことが好ましい。
【0065】本発明による偏光素子は、その表面や層間
の適宜な位置に位相差フィルムや光拡散板などの適宜な
光学素子を粘着層を介し積層一体化したものとして用い
ることもできる。かかる事前接着方式は、組立てライン
における順次の接着方式よりも品質の安定した信頼性に
優れる素子が得られるなどの利点を有している。その場
合、積層一体化に用いる粘着層としては、偏光素子の場
合と同様に応力緩和性に優れるものが好ましく用いう
る。
【0066】図4に、1/4波長板4の上に粘着層24
を介して接着した偏光フィルム6の上に、粘着層25を
介し位相差フィルム7を接着して積層一体化した楕円偏
光素子を例示した。なお26は粘着層である。また図5
に、その粘着層26の上に光拡散板8を接着配置したも
のを例示した。
【0067】前記の偏光フィルム6の上に配置した位相
差フィルム7は、偏光フィルムを透過した直線偏光を楕
円偏光に変換して、液晶セルに入射する光の偏光面を調
節したり、液晶セルの複屈折性等による光学特性を補償
したりして視認性の向上等をはかることを目的とする。
その位相差フィルムとしては、1/4波長板として上記
に例示したものなどが波長域等に応じて適宜に用いう
る。位相差フィルムは、1層又は2層以上の重畳層とし
て形成されていてもよい。
【0068】一方、光拡散板は光を拡散して輝度の均質
化や光放射方向の拡大等を目的とする。光拡散板は、例
えば1/4波長板や偏光フィルムの上側、あるいは偏光
分離フィルムや導光板の上面などの、偏光素子の表面又
は偏光素子を形成する部品の層間の適宜な位置に1層又
は2層以上を配置することができる。
【0069】光拡散板としては、上記した偏光フィルム
の透明保護層で例示した微細凹凸構造や導光板で例示し
た拡散構造などの適宜な方式による拡散構造を有する透
明フィルムなどの適宜なものを用いることができ、公知
の光拡散板のいずれも用いうる。
【0070】なお本発明においては、偏光素子を形成す
る粘着層や偏光分離フィルム、1/4波長板や偏光フィ
ルム、導光板や位相差フィルム、光拡散板等の形成部品
を、例えばサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノ
ール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノア
クリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線
吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせ
ることもできる。
【0071】本発明の偏光素子をバックライトシステム
に用いた液晶表示装置を図6、図7に例示した。これ
は、偏光素子を形成する導光板1の側面に光源12を有
してバックライトシステムを形成する。また9が液晶セ
ルであり、27,28,29は粘着層、6,61は偏光
フィルム、7,71は位相差フィルム、8は光拡散板で
ある。図例の如く液晶セルは、偏光素子の1/4波長板
側に配置される。
【0072】本発明の偏光素子は、液晶セル9の両側に
偏光フィルム6,61を有する液晶表示装置の形成に特
に好ましく用いることができる。なお1/4波長板の上
側に偏光フィルムを有する偏光素子の場合には、液晶セ
ル9における偏光素子を設ける側の偏光フィルム6は省
略することができる。
【0073】液晶表示装置は一般に、偏光フィルム、液
晶セル、バックライト、及び必要に応じての補償用位相
差フィルム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組
込むことなどにより形成される。本発明においては上記
の如く、必要な偏光フィルムを有する液晶セルを偏光素
子における1/4波長板側に設ける点を除いて特に限定
はなく従来に準じて形成することができるが、各構成部
品は粘着層を介して接着一体化されていることが好まし
い。
【0074】また本発明の偏光素子は、偏光状態の光を
入射させる必要のある液晶セル、例えばツイストネマチ
ック液晶やスーパーツイストネマチック液晶を用いたも
のなどに好ましく用いうるが、非ツイスト系の液晶や二
色性物質を液晶中に分散させたゲストホスト系の液晶、
あるいは強誘電性液晶を用いたものなどにも用いうる。
液晶の駆動方式についても特に限定はない。
【0075】なお液晶表示装置の形成に際しては、例え
ば視認側の偏光フィルムの上に設ける光拡散板やアンチ
グレア層、反射防止膜や保護層や保護板、あるいは液晶
セルと視認側又は/及びバックライト側の偏光フィルム
の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学素子を適
宜に配置することができる。
【0076】実施例1 裏面にAl蒸着層からなる反射層を設けたポリメチルメ
タクリレートからなる厚さ5mmの導光板の側面に直径4
mmの冷陰極管を配置し、アルミニウム蒸着フィルムにて
その導光板の側面と冷陰極管を包囲した後、導光板の表
面に400〜700nmの波長範囲で選択反射性を示す偏
光分離フィルムと1/4波長板を厚さ20μmのアクリ
ル系粘着層を介して順次配置し、それをプレス圧着して
積層一体化し、偏光素子を得た。
【0077】なお前記の偏光分離フィルムは、メタクリ
ル系主鎖の側鎖型ネマチック液晶ポリマーにカイラル剤
(チッソ社製、CM−32)を添加したテトラクロロエ
タン溶液を、厚さ50μmのトリアセチルセルロースフ
ィルムのポリイミドラビング処理面上にスピンコート方
式で塗工し、150℃で10分間乾燥硬化させて厚さ5
μmのコレステリック液晶層を形成する方法で、鏡面状
の選択反射状態を呈する選択反射の中心波長が450n
m、550nm、又は650nmの3種類のコレステリック
液晶層付設フィルムを得、それらを厚さ20μmのアク
リル系粘着層を介し圧着積層して一体化することにより
得たものである。前記の選択反射の中心波長の調節は、
カイラル剤の添加量を変えることにより行った。
【0078】また1/4波長板は、厚さ100μmのポ
リカーボネートフィルムを160℃で1.05倍に1軸
延伸処理して得た波長550nmの光に対し1/4波長の
位相差を与える、延伸軸が17.5度となるように切り
出した位相差フィルムと、厚さ100μmのポリカーボ
ネートフィルムを160℃で1.09倍に1軸延伸処理
して得た波長550nmの光に対し1/2波長の位相差を
与える、延伸軸が80度となるように切り出した位相差
フィルムを厚さ20μmのアクリル系粘着層を介し圧着
積層して一体化することにより得たものである。
【0079】さらにアクリル系粘着層は、冷却管と窒素
導入管と温度計と撹拌装置を備えた反応容器に、アクリ
ル酸ブチル99.9重量部/アクリル酸6−ヒドロキシ
ヘキシル0.1重量部/2,2−アゾビスイソブチロニ
トリル0.3重量部を、酢酸エチル120重量部と共に
入れて窒素ガス気流下に60℃で4時間、ついで70℃
で2時間反応させて得た溶液に酢酸エチル114重量部
を加えて固形分濃度を30重量%に調節し、それに固形
分100重量部あたり0.3重量部のトリメチロールプ
ロパントリレンジイソシアネートを加えて得たアクリル
系粘着剤を、シリコーン系剥離剤で表面処理したポリエ
ステルフィルム製セパレータ上に塗工し、120℃で3
分間加熱乾燥して形成したものである。そのアクリル系
粘着層の緩和弾性率は、6×106dyne/cm2であった。
【0080】比較例 実施例1と同じ導光板と偏光分離フィルムと1/4波長
板を、それらを粘着層を介し積層一体化することなく、
単に重ね置く方式で偏光素子を形成した。
【0081】評価試験 実施例1、比較例で得た偏光素子の1/4波長板の上に
前記の厚さ20μmのアクリル系粘着層を介して液晶表
示パネルを接着し、その液晶表示パネルの視認側におけ
るバックライト点灯時の正面輝度を輝度計(ミノルタカ
メラ社製)にて測定し、点灯開始5時間後の表示状態を
調べた。なお前記の液晶表示パネルは、液晶セルの両側
にアクリル系粘着層を介し楕円偏光フィルム(日東電工
社製、NRZ・EF・EG)を接着したものである。
【0082】前記の結果を次表に示した。
【0083】表より、本発明の偏光素子を用いた液晶表
示装置では、入射光の反射ロスが少なく、偏光フィルム
透過性の光を多く含有して吸収ロスも少なくて供給光の
利用効率に優れ、輝度に優れて明るいと共に、光源から
の熱により表示ムラを発生しにくくて視認性に優れてい
ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光素子例の断面図
【図2】他の偏光素子例の断面図
【図3】さらに他の偏光素子例の断面図
【図4】楕円偏光素子例の断面図
【図5】他の楕円偏光素子例の断面図
【図6】液晶表示装置例の断面図
【図7】他の液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】
1:導光板 11:反射層 5:偏光素子 2,20〜29:粘着層 3:偏光分離フィルム 31,32,33:コレステリック液晶層 4:1/4波長板 41,42:位相差層 6,61:偏光フィルム 7,71:位相差フィルム 8:光拡散板 9:液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 尚史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 安部 英夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステリック液晶層からなる偏光分離
    フィルムと1/4波長板とを応力緩和性に優れる粘着層
    を介して接着した積層体からなることを特徴とする偏光
    素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、偏光分離フィルムが
    選択反射の中心波長が相違する2層以上のコレステリッ
    ク液晶層の接着重畳物からなる偏光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、1/4波長板
    側に、応力緩和性に優れる粘着層を介して接着された二
    色性物質含有の偏光フィルムを有する偏光素子。
  4. 【請求項4】 請求項3において、1/4波長板を透過
    した偏光に対して偏光フィルムの透過軸が平行関係にあ
    る偏光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、1/4波長板
    が、フィルム面内の最大屈折率をnx、その直交方向の
    屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式:
    z=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNzが、N
    z<1.1を満足する位相差フィルムを用いたものであ
    る偏光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、1/4波長板が
    位相差フィルムの単層物、又は位相差相違の2枚以上の
    接着重畳物からなる偏光素子。
  7. 【請求項7】 請求項6において、1/4波長板が、当
    該Nz<1.1を満足する1/4波長板と1枚又は2枚
    以上の1/2波長板との接着重畳物からなる偏光素子。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7において、偏光フィルムが
    光透過率40%以上、偏光度99.0%以上のものであ
    る偏光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8において、表面又は層間に
    1層又は2層以上の光拡散板を有する偏光素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8において、偏光分離フィ
    ルム側に、裏面に反射層を有して表面より光を出射する
    導光板が応力緩和性に優れる粘着層を介して接着された
    偏光素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10において、粘着層が2
    ×105〜1×107dyne/cm2の緩和弾性率を有するも
    のである偏光素子。
  12. 【請求項12】 請求項3〜11に記載の偏光素子にお
    ける偏光フィルム側に、応力緩和性に優れる粘着層を介
    して接着された位相差フィルムを有することを特徴とす
    る楕円偏光素子。
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