JPH09193377A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH09193377A
JPH09193377A JP642296A JP642296A JPH09193377A JP H09193377 A JPH09193377 A JP H09193377A JP 642296 A JP642296 A JP 642296A JP 642296 A JP642296 A JP 642296A JP H09193377 A JPH09193377 A JP H09193377A
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ink
ink jet
recording apparatus
jet recording
volume
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Pending
Application number
JP642296A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Ota
善久 太田
Taeko Murai
妙子 村井
Hideyuki Makita
秀行 牧田
Tomoaki Nakano
智昭 中野
Shuzo Matsumoto
修三 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク滴吐出後の変動領域でのインク滴吐出
を安定して行うことができるようにしてインク滴吐出周
波数をより向上する。 【解決手段】 インク滴体積Mj変動が予め定めた許容
変動幅を越える領域の内、滴吐出タイミングが長くなる
につれてインク滴Mj体積が急激に小さくなる領域(例
えば図10にで示す領域)ではインク滴の吐出を行わ
ないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特にインク滴を吐出する1又は複数のノ
ズルを有し、インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
よって変動するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ドロップオンデマンド(DOD)型のイ
ンクジェット記録装置は、例えばインク滴を吐出する1
又は複数のノズルと、ノズルが連通する液室と、液室を
加圧するための圧電素子等の電気機械変換素子或いは熱
抵抗体等の熱機械変換素子からなるアクチュエータ(駆
動源)とを備えたインクジェットヘッドを用いて、記録
信号が入力されたときにのみノズルからインク滴を吐出
飛翔させて、高速、高解像度の記録を行なうものであ
る。
【0003】ところで、DOD型インクジェット記録装
置においては、インク滴吐出特性(インク噴射特性)を
あらゆる滴吐出タイミングの駆動においても一定になる
ように設計しているが、インク滴の吐出特性を安定させ
るためには滴吐出後に残留している様々な振動が充分に
減衰するまで待たなくてはならない。他方、滴吐出後の
残留振動が充分に減衰するまで待っていたのでのは、高
速印字が難しくなる。
【0004】そこで、従来、例えば特開昭63−495
7号公報に記載されているように、最高駆動周波数をイ
ンク滴吐出速度が変動する領域内で、かつ、吐出速度が
安定する領域での吐出速度が得られる周波数に設定する
ようにしたもの、或いは、特公平3−42185号に記
載されているように、交番波形の基準信号の周期のみを
1/nを分周することによって形成した駆動信号に含ま
れる複数の周波数成分の各々に対応する閾値電圧(閾値
電圧が何の閾値であるのかは不明である。)が略等しく
なるように基準信号の周波数を設定するようにしたもの
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
ジェット記録装置にあっては、インク滴吐出後十分な安
定領域まで待つことなく、変動領域で液吐出を行うこと
によって、液吐出タイミングを早めようとするものであ
る。しかしながら、インク滴吐出後の変動領域において
インク滴吐出を行った場合には、上述したように低周波
数駆動領域と同等の吐出速度が得られる周波数を最高駆
動周波数に設定したり、駆動信号に含まれる複数の周波
数成分の各々に対応する閾値電圧が略等しくなるように
基準信号(最高駆動周波数)の周波数を設定したところ
で、安定したインク滴吐出を行うことができるわけでは
ない。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インク滴吐出後の変動領域でのインク滴吐出を安
定して行うことができるようにしてインク滴吐出周波数
をより向上するインクジェット記録装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、インク滴を
吐出する1又は複数のノズルを有し、前記インク滴体積
が滴吐出タイミングの違いによって変動するインクジェ
ットヘッドを備えたインクジェット記録装置において、
前記インク滴体積変動が予め定めた許容変動幅を越える
領域の内、前記滴吐出タイミングが長くなるにつれて前
記インク滴体積が急激に小さくなる領域では前記インク
滴の吐出を行わない構成とした。
【0008】請求項2のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出する1又は複数のノズルを有し、前記イン
ク滴体積が滴吐出タイミングの違いによって変動するイ
ンクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に
おいて、前記インク滴体積変動が予め定めた許容変動幅
を越える領域の内、前記滴吐出タイミングが長くなるに
つれて前記インク滴体積が大きくなる領域で前記インク
滴の吐出を行う構成とした。
【0009】請求項3のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出する1又は複数のノズルを有し、前記イン
ク滴体積が滴吐出タイミングの違いによって変動するイ
ンクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に
おいて、前記インク滴体積変動が予め定めた許容変動幅
を越える領域の内、前記滴吐出タイミングが長くなるに
つれて前記インク滴体積が大きくなる領域で、かつ、前
記許容変動幅内のインク滴体積になるタイミングで前記
インク滴の吐出を行う構成とした。
【0010】請求項4のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記インク滴体積変動の許容変動幅を十分に
遅い滴吐出タイミングでのインク滴体積を基準として±
20%以内とした。
【0011】請求項5のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至4のいずれかのインクジェット記録装置
において、前記インク滴体積の変動が前記許容変動幅を
越える領域において2箇所以下の変曲点を持つ構成とし
た。
【0012】請求項6のインクジェット記録装置は、上
記請求項1乃至5のいずれかのインクジェット記録装置
において、最高駆動周波数で駆動したときの滴吐出タイ
ミングの2倍の時間よりも早い滴吐出タイミング領域に
前記許容変動幅を越える領域が存在する構成とした。
【0013】請求項7のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出する1又は複数のノズルを有し、前記イン
ク滴体積が滴吐出タイミングの違いによって変動するイ
ンクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に
おいて、最高駆動周波数を、前記滴吐出タイミングが前
記インク滴体積の変動における最もタイミングの早い第
1の変動域で、かつ、前記滴吐出タイミングが長くなる
につれて前記インク滴体積が大きくなる前記変動域に存
在する周波数に設定した。
【0014】請求項8のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出する1又は複数のノズルを有し、前記イン
ク滴体積が滴吐出タイミングの違いによって変動するイ
ンクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に
おいて、最高駆動周波数を、前記滴吐出タイミングが、
前記インク滴体積の変動における最もタイミングの早い
第1の変動域で、かつ、前記滴吐出タイミングが長くな
るにつれて前記インク滴体積が大きくなる傾き側で他の
低周波数駆動時と前記インク滴体積略が等しくなる周波
数に設定した。
【0015】請求項9のインクジェット記録装置は、イ
ンク滴を吐出する1又は複数のノズルを有し、前記イン
ク滴体積が滴吐出タイミングの違いによって変動するイ
ンクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に
おいて、前記滴吐出タイミングが、前記インク滴体積の
変動における最もタイミングの早い第1の変動域で、か
つ、前記インク滴体積の変動の極大値近傍若しくは極小
値近傍にある構成とした。
【0016】請求項10のインクジェット記録装置は、
上記請求項7乃至9のいずれかのインクジェット記録装
置において、前記最高駆動周波数での滴吐出タイミング
の1.5倍及び2倍遅い滴吐出タイミングを、前記第1
の変動域の前記滴吐出タイミングが長くなるに従い前記
インク滴体積が急激に小さくなる領域と重複しないタイ
ミングに設定した。
【0017】請求項11のインクジェット記録装置は、
上記請求項1乃至10のいずれかのインクジェット記録
装置において、前記インク滴を吐出させるためのアクチ
ュエータが圧電素子からなると共に、この圧電素子をプ
ッシュ駆動方式で駆動する駆動パルスを印加する構成と
した。
【0018】請求項12のインクジェット記録装置は、
上記請求項11に記載のインクジェット記録装置におい
て、駆動パルスの立下がり部の時定数を立上がり部の時
定数よりも長くした。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置におけるインクジェットヘッドの一例を
示す外観斜視図、図2は図1の分解斜視図、図3は図1
のA−A線に沿う要部拡大断面図、図4は図1のB−B
線に沿う要部拡大断面図である。
【0020】このインクジェットヘッドは、列状に設け
た複数の圧電素子等を有するアクチュエータユニット1
と、アクチュエータユニット1上に接合されて複数の圧
電素子で変形部を介して加圧される複数の加圧液室及び
この複数の加圧液室に連通する複数のノズル等を形成し
ている液室ユニット2とからなる。
【0021】アクチュエータユニット1は、セラミック
等の絶縁性の基板3上に、複数の圧電素子を列状に設け
た2列の圧電素子列4,4と、これら2列の圧電素子列
4,4の周囲を取り囲むフレーム5を接着剤6によって
接合している。圧電素子列4は、インクを液滴化して飛
翔させるための駆動波形が与えられる複数の圧電素子
(これを「駆動部圧電素子」という。)7,7…と、駆
動部圧電素子7,7間に位置し、単に液室ユニット2を
基板3に固定する複数の圧電素子(これを「固定部圧電
素子」という。)8,8…とを交互に配置している。
【0022】ここで、アクチュエータユニット1の基板
3は、厚さ0.5〜5mm程度で、しかも圧電素子に似た
材質のものからなり、圧電素子と共に例えばダイヤモン
ド砥石による切削が可能なものであることが好ましく、
この実施例ではセラミックス基板を用いている。この基
板3の端部にはインク供給孔3aを形成し、このインク
供給孔3aにはインク供給パイプ19を接続して、液室
ユニット2内の液室へインクを供給する。なお、インク
供給孔3aの形成位置は基板3の端部に限られない。
【0023】圧電素子列4を構成している駆動部圧電素
子7及び固定部圧電素子8としては、10層以上の積層
型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子は、例え
ば図7及び図8に示すように、厚さ20〜50μm/1
層のPZT(=Pb(Zr・Ti)O3)20と、厚さ数μ
m/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電
極21とを交互に積層したものである。圧電素子を、厚
さ20〜50μm/1層の積層型とすることによって駆
動電圧の低電圧化を図れ、例えば20〜50Vのパルス
電圧で圧電素子の電界強度1000V/mmを得ることが
できる。
【0024】そして、各駆動部圧電素子7の内部電極2
1を1層おきにAgPdからなる左右の端面電極22,2
3(2つの圧電素子列4,4の各駆動部圧電素子7の対
向する面側を端面電極22とし、対向しない面側を端面
電極23とする。)に接続し、2つの圧電素子列4,4
の各駆動部圧電素子7の対向する端面電極22を導電性
接着剤24を介してNi・Au蒸着パターンからなる外部
電極である共通電極25に接続し、他方、2つの圧電素
子列4,4の各駆動部圧電素子7の対向しない端面電極
23を同じく導電性接着剤26を介してNi・Au蒸着パ
ターンからなる外部電極である各駆動用個別電極(選択
電極)27に接続して、これらの共通電極25及び各駆
動用個別電極27にFPCケーブル28を接続してい
る。FPCケーブル28を介して駆動部圧電素子7に駆
動電圧を与えることによって、積層方向に電界が発生し
て、駆動部圧電素子7には積層方向の伸びの変位が生起
される。
【0025】フレーム5は、図6に示すように、樹脂、
セラミックス等からなる板状部材に圧電素子列4,4に
対応する透孔部5a,5bを穿設したものであり、圧電
素子列4,4の周囲に位置して、液室ユニット2を接合
固定し、相互干渉を低減する役目をする。なお、フレー
ム5には基板3のインク供給孔3aに対応するインク供
給孔5cを形成している(形成箇所は限定されない)。
【0026】このフレーム5の材料としては、寸法安定
性に優れ、ヘッドの使用環境が数10度の範囲で振られ
ても、画像品質に影響を与えないものが好ましく、例え
ば、樹脂、セラミックス、金属等を用いることができる
が、特に駆動部圧電素子7や基板3に用いるものと同様
なセラミックスが好ましい。また、フレーム5として樹
脂を用いる場合には、エンジニアリングプラスチック系
の樹脂に熱膨張係数を低減する充填剤が混入された樹
脂、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリイミド、エポキシ系樹脂等に、チタ
ン、アルミナ、ガラスフィラー、カーボン、シリカ等の
充填剤を混入したものが好ましい。このように、熱膨張
係数を低減する充填剤が混入された樹脂を用いること
で、熱膨張係数を圧電素子列4の駆動部圧電素子7、固
定部圧電素子8と同等まで近づけることができ、しかも
部品コストの低減を図れる。
【0027】液室ユニット2は、ダイアフラム部11を
形成した振動板12上に、加圧液室17等を形成する感
光性樹脂フィルム(ドライフィルムレジスト)からなる
2層(1層又は3層以上でもよい。)構造の液室流路形
成部材13を接着し、この液室流路形成部材13上に2
列に複数のノズル15を形成したノズルプレート16を
接着してなる。そして、この液室ユニット2は、その振
動板12の所要の部分を接着剤18によって圧電素子
7,8及びフレーム5上に接合することで、全体として
アクチュエータユニット1上に高い剛性で接合してい
る。
【0028】振動板12は、エレクトロンフォーミング
工法(電鋳)によって製造したNi(ニッケル)の金属
プレートからなる。振動板12は、液室流路形成部材1
3側を平坦面とし、チャンネル方向と直交する方向では
圧電素子列4側にそれぞれ厚みの異なるダイアフラム領
域12a、接合領域12b及び逃げ領域12cを形成し
て、圧電素子列4の駆動部圧電素子7,7…に対応して
ダイアフラム部11、11…を形成したものである。
【0029】ダイアフラム領域12aは、厚さを3〜1
0μm程度にした駆動部圧電素子7の変位に応じて変形
する弾性部分である。また、接合領域12bは、圧電素
子列4の駆動部圧電素子7及び固定部圧電素子8及びフ
レーム5と接合する最も厚みの厚い領域であって、例え
ば20μm程度以上の厚さに形成している。この場合、
図8に示すようにチャンネル方向と直交する方向では、
各接合領域12bの内、固定部圧電素子8に対応する部
分は、液室ユニット2を固定部圧電素子8に接合するた
めの梁部12eとなる。更に、逃げ領域12cは、中間
の厚さの領域であって、駆動部圧電素子7との接触を避
けるための逃げ領域である。
【0030】液室流路形成部材13は、上記のように振
動板12上面とノズルプレート16下面との間に位置し
て各駆動部圧電素子7に対応する各加圧液室17を形成
すると共に、各加圧液室17にインクを供給するために
各加圧液室17の両側に位置する共通液室31と、各加
圧液室17の両側を共通液室31に連通するインク供給
路を兼ねた流体抵抗部分である流体抵抗部32,32と
を形成するものである。この液室流路形成部材13は、
その製造工程上、振動板12上面にドライフィルムレジ
スト(感光性樹脂フィルム)を用いて所要の液室パター
ンを形成した下側液室流路形成層33と、ドライフィル
ムレジストを用いて所要の液室パターンを形成した上側
液室流路形成層34とを接合した2層構造としている。
【0031】ノズルプレート16にはインク滴を飛翔さ
せるための微細孔である多数のノズル15を形成してお
り、このノズル15の径はインク滴出口側の直径で35
μm以下に形成し、また、ノズル15は振動板12のダ
イアフラム部11に対向し、かつ加圧液室17の中心近
傍に対応する位置に設けている。このノズルプレート1
6も振動板12と同様にエレクトロンフォーミング工法
(電鋳)によって製造したNi(ニッケル)の金属プレ
ートを用いているが、Si、その他の金属材料を用いる
こともできる。なお、実際には、1列32〜64個のノ
ズル15を2列配列した64〜128個構成で1つのイ
ンクジェットヘッドを製作するが、この64〜128個
のノズル15を有するノズルプレート16の品質は、イ
ンクの滴形状、飛翔特性を決定し、画像品質に大きな影
響を与えるものである。
【0032】上述したような構成を有するこのインクジ
ェットヘッドは、予めアクチュエータユニット1と液室
ユニット2とを別々に組付けた後、両ユニット1,2を
接着接合して製造している。
【0033】液室ユニット2の加工、組付け工程につい
て説明すると、先ず、次のようにして、振動板12に下
側液室流路形成層33を形成した部材を製造する。 予めエレクトロンフォーミング工法(電鋳)を用い
てNi(ニッケル)の金属プレートからなる振動板12
を製造した後、振動板12のフラットな面上に下側液室
流路形成層33を形成するための感光性樹脂であるネガ
型ドライフィルムレジストを熱及び圧力によってラミネ
ートする。このドライフィルムレジストの厚さは20〜
50μm程度である。
【0034】 流路パターンに応じたマスクを用いて
紫外線(UV光)露光をして、露光部分を硬化させる。 未露光部分を除去できる溶剤を用いて、現像して未
露光部分を除去することにより、下側液室流路形成層3
3による液室パターンを形成する。これにより、一度に
全面の液室パターニングができる。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱によって
本硬化する。
【0035】一方、振動板12側と同様にして、ノズル
プレート16側に上側液室流路形成層34を形成した部
材を製造する。すなわち、 予めエレクトロンフォーミング工法(電鋳)を用い
てNi(ニッケル)の金属プレートからなるノズル15
を有するノズルプレート16を製造した後、ノズルプレ
ート16のフラットな面上に上側液室流路形成層34を
形成するための感光性樹脂であるネガ型ドライフィルム
レジストを熱及び圧力によってラミネートする。このド
ライフィルムレジストの厚さは40〜100μm程度で
ある。
【0036】 流路パターンに応じたマスクを用いて
紫外線(UV光)露光をして、露光部分を硬化させる。 未露光部分を除去できる溶剤を用いて、現像して未
露光部分を除去することにより、上側液室流路形成層3
4による液室パターンを形成する。これにより、一度に
全面の液室パターニングができる。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱によって
本硬化する。
【0037】そして、以上のようにして振動板12とノ
ズルプレート16に形成されたドライフィルムレジスト
からなる下側液室流路形成層33と上側液室流路形成層
34の対応する面同士を接合する。この接合は位置合わ
せ治具を用いて行い、加圧及び前記本硬化のときより高
い温度での加熱を行う。なお、実際には、以上の工程
は、複数個分のヘッド面積のプレートにて組付けを行う
ようにしている。
【0038】次に、このようなインクジェットヘッドを
駆動するヘッド駆動回路に一例について図5及び図6を
参照して説明する。このヘッド駆動回路は、印字タイミ
ング信号に応じて駆動電圧Vpをスイッチングする電源
スイッチング回路41と、この電源スイッチ回路41か
らの駆動電圧VpをインクジェットヘッドHの各駆動部
圧電素子4,4…に印加させる固定の充電抵抗回路42
及び可変の放電抵抗回路43と、インクジェットヘッド
Hの各駆動部圧電素子4,4…のうちの駆動する圧電素
子を印字データに応じて選択する選択回路44等を備え
ている。
【0039】このヘッド駆動回路の電源スイッチング回
路41は、例えば、図6に示すように、印字タイミング
信号をバッファBを介してベースに入力するPNP型ト
ランジスタTr1のベースと、インバータIを介してベ
ースに入力するNPN型トランジスタTr2とを有し、
トランジスタTr1のエミッタには駆動電圧Vpを印加
し、トランジスタTr2のエミッタは接地している。な
お、バッファBは、入力が「H」のときに駆動電圧Vp
より低い所定の電圧を出力し、入力が「L」のときには
駆動電圧Vpと同じ電圧を出力する。
【0040】そして、これらのトランジスタTr1のエ
ミッタとトランジスタTr2のコレクタとの間を、ダイ
オードDaと充電抵抗raからなる充電抵抗回路42を
介してインクジェットヘッドHの駆動部圧電素子4に接
続すると共に、ダイオードDbと放電抵抗rbからなる
放電抵抗回路41を介してインクジェットヘッドHの駆
動部圧電素子4に接続している。
【0041】このヘッド駆動回路においては、印字タイ
ミング信号が印加されると、バッファBから駆動電圧V
pより低い所定の電圧が出力されてトランジスタTr1
がオン状態になり、充電抵抗raの抵抗値に応じて定ま
る充電時定数を有する駆動波形がインクジェットヘッド
Hの各駆動部圧電素子4に印加される。このとき、トラ
ンジスタTr2はオフ状態になっている。そして、印字
タイミング信号が印加されなくなると、トランジスタT
r1がオフ状態になり、トランジスタTr2がオン状態
になって、放電抵抗rbの抵抗値に応じて定まる放電時
定数で放電が行なわれる。
【0042】したがって、放電抵抗rbの抵抗値を小さ
くして放電時定数を小さくすることによって急峻に立下
がる駆動波形が得られ、放電抵抗rbの抵抗値を大きく
して放電時定数を大きくすることによって相対的に緩や
かに立下がる駆動波形が得られる。
【0043】そこで、以上のように構成されるインクジ
ェットヘッド及びヘッド駆動回路を備えたインクジェッ
ト記録装置における吐出タイミング及び最高駆動周波数
の設定について図7以降をも参照して説明する。先ず、
オンディマンド型インクジェット記録装置においては、
一般的に、インク滴の飛翔特性(インク滴体積Mj、イ
ンク滴速度Vj)は、図7及び図8にそれぞれ示すよう
な挙動を示す。
【0044】すなわち、インク滴速度(飛翔速度)Vj
は、インク液室に印加される圧力とインクを吐出するノ
ズル孔の径などに影響されるため、図7に示すように駆
動周波数が大きく(高く)なる、つまり、駆動タイミン
グが早くなるにつれて、インク液室内の残留圧力等が影
響を及ぼして、同図の示すような振動現象が現れる。ま
た、インク滴体積(インク滴吐出量)Mjは、インク液
室内への圧力発生タイミングとノズル孔のメニスカスの
位置に大きく関係するために、メニスカスの位置が大き
く変動している時間帯域では、図8に示すように吐出す
るインク滴体積Mjも大きく変動する。
【0045】そこで、一般的なインク滴飛翔性能の設計
においては、最高駆動周波数fmaxとして、図7及び図
8に示すように、インク滴速度Vj及びインク滴体積M
jがいずれも振動現象を示さないような領域の最高値の
周波数fvを選択するようにしている。
【0046】これに対して、本発明においては、図7及
び図8に示すようなインク滴速度Vj及びインク滴体積
Mjの駆動周期特性を制御し、さらに駆動タイミングを
調整することにより、画像品質と印字速度、即ちインク
滴吐出周波数を向上する。
【0047】すなわち、先ず、インク滴速度Vj及びイ
ンク滴体積Mjとメニスカス挙動の関係について説明す
ると、十分に安定した状態でのインク滴の粒子化特性
(VjやMj)は、インク液室の構成、ノズルの形状・
寸法や駆動方法等によって定まるが、安定していない変
動領域におけるインク滴の粒子化特性はノズルに形成さ
れるメニスカスの挙動と非常に大きくかかわっている。
したがって、メニスカス挙動をヘッド構成により制御す
ることによって、変動域における安定したインク滴吐出
が可能になる。
【0048】メニスカスの位置は液吐出後、安定状態に
入るまでには図9(a)に示すような挙動を示す。つま
り、メニスカスは、インク滴が吐出した後、大きく引き
込まれた位置にあり、その後、インク液室内にインクが
再充填(リフィル)してくるに従って初期のメニスカス
位置に復帰してくる。そして、メニスカスは初期位置を
通過した後、その位置を中心にしたダインピングオシレ
ーションを起こして、次第に安定領域へ移行する。
【0049】このとき、リフィル能力が大きいと、メニ
スカスの戻りは速くなるが、振動の振幅も大きくなり、
結果的に振動が安定領域にまで減衰するに要する時間
(減衰時間)は遅くなる。逆に、リフィル能力が小さい
と、メニスカスの振動は小さくなるが、メニスカスの戻
りが遅くなり、結果的に安定領域に達する時間は遅くな
る。ここで、インクのリフィル能力は液室構成、ノズル
形状等によって制御することが可能であるので、液室構
成、ノズル形状等を制御することで、メニスカスの挙動
を制御することができる。
【0050】このメニスカスの挙動とインク滴体積Mj
の変動との関係を見ると、インク滴吐出の駆動タイミン
グに対するインク滴体積Mjの挙動は図9(b)に示す
ようになり、同図(a)のメニスカスの挙動とほぼ同型
の挙動を示す。メニスカス変動領域において安定領域並
みのインク滴体積Mjの値を示す箇所は、メニスカスが
初期メニスカス位置を通過するタイミングと一致し、更
にメニスカスが初期メニスカス位置よりも滴飛翔方向
(液室と反対方向)に突出している領域ではインク滴体
積Mjの値は大きくなり、逆に初期メニスカス位置より
も液室内方向に引っ込んでいる領域ではインク滴体積M
jの値は小さくなる。
【0051】また、メニスカスの挙動とインク滴速度V
jの変動との関係を見ると、インク滴吐出の駆動タイミ
ングに対するインク滴速度Vjの挙動は同図(c)に示
すようになり、一方、メニスカスの挙動を移動速度で示
すと同図(d)に示すようになり、メニスカスの移動速
度とインク滴速度Vjとはほぼ同型の挙動を示す。ただ
し、インク滴速度Vjの変動には早期の駆動タイミング
領域でメニスカス位置変動にない振動が現れているが、
これは、滴吐出後のインク液室内の残留振動によるもの
である。
【0052】このように高周波数駆動領域においては、
インク滴速度Vj及びインク滴体積Mjはメニスカスの
挙動に依存していることが分かる。
【0053】そこで、メニスカス挙動とインク滴吐出安
定性について説明すると、インク滴吐出を高い駆動周波
数で連続的に行うためには、インク滴の安定した吐出が
必要になる。ここで、インク液吐出を不安定にする要因
としては、ノズルからの気泡混入、ノズル表面の不均一
性、ヘッド温度の上昇等のヘッド特有のものと、印字の
際のメカ的な動きにより発生する微小な外乱などがあげ
られる。
【0054】これらの要因のうち、メニスカスの挙動と
直接関係するものとしては、ノズルからの気泡混入があ
る。気泡が混入する原因としては、ノズル近傍において
インクの渦が発生するためである。気泡が混入すると、
吐出方向のばらつきやインク滴速度Vjの低下等の悪影
響を及ぼし、更に、大量の気泡が混入すると、インク滴
の吐出が不可能になる。
【0055】図9(a)に示したメニスカス挙動におい
て、メニスカスがインク滴の吐出方向と逆方向、同図で
滴吐出タイミングが長くなるにつれてインク滴体積Mj
が小さくなる領域に移動しているタイミングで次の滴吐
出が行われると、インクの移動成分がノズルの近傍にお
いて相対することとなって、渦が発生し、その結果とし
て、液吐出の不安定を招くことになる。
【0056】実際にはインク滴体積Mjの変動が10〜
20%を越えるような変動がある領域では、微小な外部
振動において気泡が混入し、滴吐出不良を起こす。それ
以下の振動領域においては顕著な不安定性を示さない。
つまり、インク滴体積Mjの変動が±20%以内、好ま
しくは±10%以内に抑えられている領域では事実上の
安定領域にあることを示している。
【0057】これらの点を考慮すると、図10に示すよ
うにインク滴体積Mj変動が予め定めた許容変動幅を越
える領域の内、滴吐出タイミングが長くなるにつれてイ
ンク滴Mj体積が急激に小さくなる領域(例えば同図に
で示す領域)ではインク滴の吐出を行わないようにす
ることで、インク滴吐出の方向とメニスカス変動の方向
が逆方向になることがないので、気泡巻き込み等による
インク滴吐出不良を起こし難く、インク滴吐出を安定し
て行うことができる。
【0058】また、インク滴体積Mj変動が予め定めた
許容変動幅を越える領域の内、滴吐出タイミングが長く
なるにつれてインク滴体積Mjが大きくなる領域(例え
ば同図にで示す領域)でインク滴の吐出を行うように
することで、インク滴吐出の方向とメニスカス変動の方
向が順方向(同方向)になるので、気泡巻き込み等によ
るインク滴吐出不良を起こし難く、インク滴吐出を安定
して行うことができ、しかもあらゆる駆動条件下におい
て安定したインク滴吐出を可能にすることができる。
【0059】さらに、インク滴体積Mj変動が予め定め
た許容変動幅を越える領域の内、滴吐出タイミングが長
くなるにつれてインク滴体積が大きくなる領域で、か
つ、許容変動幅内のインク滴体積になるタイミング(同
図にで示す領域内のタイミング)でインク滴の吐出を
行うようにすることで、気泡巻き込み等によるインク滴
吐出不良を起こし難く、インク滴吐出を安定して行うこ
とができ、しかもインク滴体積Mjが許容変動幅内で吐
出させるので、ドットけいの均一が高品質の画像を記録
できる。
【0060】そして、これらの場合、インク滴体積Mj
変動の許容変動幅は十分に遅い滴吐出タイミングでのイ
ンク滴体積を基準として±20%以内、好ましくは±1
0%以内とすることで、様々な駆動周波数におけるイン
ク滴吐出を安定して行うことができ、かつ、略均一なド
ットを形成することができる。
【0061】さらに、定常状態よりも安定した滴吐出を
行うためには、上述したようにメニスカスがインク吐出
方向と順方向に移動しているタイミングで駆動すること
であるが、特に、メニスカスが初期メニスカス位置に復
帰し、オーバーハングする最初のタイミング(第1領
域)において次の滴吐出を行うと、駆動タイミングが最
も短くなり駆動周波数を大幅に向上することができる。
【0062】したがって、図10に示すように滴吐出タ
イミングがインク滴体積Mjの変動における最もタイミ
ングの早い第1の変動域で、かつ、滴吐出タイミングが
長くなるにつれてインク滴体積が大きくなる変動域(同
図にで示す領域)に存在するように最高駆動周波数f
maxを設定することで、気泡巻き込み等によるインク滴
吐出不良を起こし難く、インク滴吐出を安定して行うこ
とができ、しかもあらゆる駆動条件下において安定した
インク滴吐出を可能にすることができる。
【0063】また、メニスカスの変動とインク滴吐出特
性とは大きく関連しているが、実際に駆動する周波数は
最高駆動周波数fmaxの1/n(nは整数)若しくは1
/(n+0.5)の駆動等が行われる。そのため、あら
ゆる駆動周波数において安定したインク滴吐出を実現す
るためには、メニスカスの変動を早期に減衰させること
が必要になる。長期変動が残っていると、すべての駆動
タイミングにおいて、安定吐出をさせるための構成のマ
ッチングが非常に困難になるからである。
【0064】そこで、メニスカス変動即ちインク滴体積
Mjが許容範囲幅からはずれる大きな変動は、1周期、
より正確には変動の変曲点が図10の及び´で示す
ように2箇所以下に収まるようにする。3箇所以上の変
曲点を持つような場合には、実際(fmax/2)や(3
fmax/4)などの駆動周波数で駆動したとき、不安定
領域と重なるという不都合が生じる。このように、イン
ク滴体積Mjの変動が許容変動幅を越える領域において
2箇所以下の変曲点を持つようにすることで、駆動周波
数のタイミングを調整する幅が狭くなって、駆動周波数
や駆動パルスなどの選定に自由度を持たせることができ
る。
【0065】また、許容範囲幅を越えてメニスカス変動
するタイミングを最高駆動周波数fmax時の吐出タイミ
ングの2倍以内にすると、駆動タイミングを調整する必
要があるのは1点若しくは2点程度になる。つまり、最
高駆動周波数fmax時の吐出タイミングの2倍の時間よ
り早いタイミング領域にのみインク滴体積Mjが許容変
動幅を越えた領域があるようにすることで、駆動周波数
のタイミングを調整する領域が狭くなり、一層駆動周波
数や駆動パルスの選定に自由度を持たせることができ
る。
【0066】以上のように最高駆動周波数fmaxはある
限定された領域で設定しなければならない。ところで、
インクジェットヘッドに要求される重要な要素は、イン
ク滴が記録媒体(紙やOHPシート等)に到達したとき
のドットの大きさ若しくはドットの位置である。ドット
の大きさに大小が生じていると、ベタ部の濃度不足や白
スジ、線幅の不均一などの不都合が発生して画質が低下
する。また、ドット位置が不正確であると、画像の境界
部や文字、線などの歪みが起こり、画質が低下する。
【0067】これらの不都合を除去するためには、第1
に、インク滴体積Mjを各駆動周波数において均一にす
るため、低周波数駆動時のインク体積Mjと同等になる
位置で最高駆動周波数fmaxの駆動を行う。すなわち、
メニスカスの位置が低周波数駆動時と最高駆動周波数f
max駆動時とで同位置にあるポイントで駆動を行うこと
である。
【0068】言い換えれば、最高駆動周波数fmaxを、
滴吐出タイミングが、インク滴体積Mjの変動における
最もタイミングの早い第1の変動域で、かつ、滴吐出タ
イミングが長くなるにつれてインク滴体積が大きくなる
傾き側で他の低周波数駆動時とインク滴体積Mj略が等
しくなる(例えば図10にで示すタイミング)になる
ように設定する。これにより、インク滴吐出の方向とメ
ニスカス変動の方向が順方向になって気泡巻き込み等に
よるインク滴吐出不良を起こし難く、しかもドット径の
均質な高品質の画像を形成することができるようにな
る。
【0069】第2に、インク滴吐出速度を均一にするた
め、メニスカスの移動速度が「0」になるタイミングで
最高駆動周波数fmaxの駆動を行うことである。メニス
カスの移動速度が「0」になるのは図10に,´で
示すようにメニスカス挙動が極大値又は極小値の近傍に
あるときである。これをインク滴体積Mjで示しても、
それぞれ極大・極小になる。いずれの極値の場所を選択
するかは、インク種類、メディア等によるインクの広が
り率などにより選ぶことができる。
【0070】このように滴吐出タイミングが、インク滴
体積Mjの変動における最もタイミングの早い第1の変
動域で、かつ、インク滴体積Mjの変動の極大値近傍若
しくは極小値近傍にあるようにすることで、メニスカス
変動が非常に低速度で動いているために、気泡巻き込み
等によるインク滴吐出不良を起こし難く、さらに滴速度
を十分に安定した駆動周波数と同等にすることができ
て、ドット位置精度を向上して高品質の画像を形成する
ことができる。
【0071】なお、ここでは、インク滴速度Vj、イン
ク滴体積Mjを各々制御する場合で説明しているが、イ
ンク滴速度Vj、インク滴体積Mjの許容誤差を考慮し
て、それぞれに調整された最高駆動周波数fmaxを選択
することもできる。
【0072】以上のようにインク滴吐出特性はメニスカ
ス挙動と非常に大きくかかわっているが、このメニスカ
ス挙動はヘッド構成によって制御することができる。例
えば、前述した図1乃至図3に示したインクジェットヘ
ッドにおいて、加圧液室17にインクを供給するための
インク供給路中に設けた流体抵抗部分である流体抵抗部
32の寸法を変更して、その流体抵抗値を変動させるこ
とによって、リフィル能力を変化させることができてメ
ニスカス挙動を制御でき、インク滴の駆動周期に対する
インク滴体積Mj、インク滴速度Vjは、それぞれ図1
1、図12に示すような挙動を示して変動する。
【0073】つまり、インク滴体積Mjについては、図
11に示すように流体抵抗値が大きくなるに従って駆動
周期の短い領域での低下現象が起こる。これは、駆動周
波数が上がると、インク滴数が多くなり、各流体抵抗部
32,32を流れるインク流量が増加するが、抵抗値が
大きくなるに従って、インク供給量が追い付かなくな
り、結果としてインク滴体積Mjが小さくなることによ
る。また、インク滴速度Vjについては、図12に示す
ように流体抵抗値が大きくなるに従って駆動周期の短い
領域で速度上昇現象が起こる。
【0074】そこで、流体抵抗部32,32の抵抗値を
選択することによって、前述したようなインク滴体積M
jの変動を制御すると共に、吐出タイミングや最高駆動
周波数fmaxを選択することにより、インク滴吐出の安
定性を確保しつつ、インク滴吐出周波数を向上すること
ができる。
【0075】また、ヘッド駆動回路との関係では、前述
した充電時定数trを一定にして、放電時定数tfを変
化させた場合、インク滴体積Mjの変動(挙動)は図1
3に示すように変化する。ここで、充電時定数tfが長
くなるほどインク滴体積Mjの変動は小さくなるが、充
電時定数tfが長くすることは一滴吐出するための駆動
パルス(駆動波形)のパルス幅が長くなるので、最高駆
動周波数fmaxに制限を与えてくることになる。したが
って、インク滴体積Mjの変動を抑えられる最短の放電
時定数tfに調整することが必要になる。
【0076】この場合、圧電素子にかかる電圧を放電す
ることにより加圧液室の変動を抑えるので、圧電素子の
駆動方式としては、駆動後に液室内の圧力を調整するこ
とが可能なプッシュ駆動方式(圧電素子の最初の変形で
インク滴を吐出させ、その後の放電によりインク液室内
にリフィルする方式)を採用する方が、インク滴体積M
jの変動の振幅や変曲点をコントロールすることが容易
になる。
【0077】そして、プッシュ駆動方式において前述し
た駆動パルスの立下がり部の時定数を立上がり部の時定
数よりも長くすることによって、滴吐出のためのエネル
ギーを十分に確保しながら、滴吐出後のインク液室内の
圧力減衰を早めてインク滴体積Mjの変動の振幅や変曲
点を最適な状態にコントロールすることができる。
【0078】なお、上記の実施例では、アクチュエータ
として圧電素子を用いた例について説明したが、ヒータ
等の発熱素子を用いるインクジェット記録装置にも同様
に適用することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェット記録装置によれば、インク滴体積変動が予め定
めた許容変動幅を越える領域の内、滴吐出タイミングが
長くなるにつれてインク滴体積が急激に小さくなる領域
ではインク滴の吐出を行わない構成としたので、インク
滴吐出の方向とメニスカス変動の方向が逆方向になるこ
とがなく、気泡巻き込み等によるインク滴吐出不良を起
こし難くなって、インク滴吐出の安定性を確保でき、イ
ンク滴吐出周波数を向上することができる。
【0080】請求項2のインクジェット記録装置によれ
ば、インク滴体積変動が予め定めた許容変動幅を越える
領域の内、滴吐出タイミングが長くなるにつれてインク
滴体積が大きくなる領域でインク滴の吐出を行う構成と
したので、インク滴吐出の方向とメニスカス変動の方向
が順方向になり、気泡巻き込み等によるインク滴吐出不
良を起こし難くなって、インク滴吐出の安定性を確保で
き、インク滴吐出周波数を向上することができると共
に、あらゆる駆動条件下においても安定したインク滴吐
出が可能になる。
【0081】請求項3のインクジェット記録装置によれ
ば、インク滴体積変動が予め定めた許容変動幅を越える
領域の内、滴吐出タイミングが長くなるにつれてインク
滴体積が大きくなる領域で、かつ、許容変動幅内のイン
ク滴体積になるタイミングでインク滴の吐出を行う構成
としたので、気泡巻き込み等によるインク滴吐出不良を
起こし難くなり、インク滴体積の許容変動幅内でインク
滴を吐出させることで、ドット径の均一な高品質画像を
形成することができる。。
【0082】請求項4のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェット記
録装置において、インク滴体積変動の許容変動幅を十分
に遅い滴吐出タイミングでのインク滴体積を基準として
±20%以内としたので、様々な駆動周波数におけるイ
ンク滴吐出が安定して行われ、かつ、ほぼ均一なドット
を形成することができる。
【0083】請求項5のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至4のいずれかのインクジェット記
録装置において、インク滴体積の変動が許容変動幅を越
える領域において2箇所以下の変曲点を持つ構成とした
ので、駆動周波数のタイミングを調整する領域が狭くな
り、駆動周波数や駆動パルスなどの選定に自由度を持た
せることができる。
【0084】請求項6のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1乃至5のいずれかのインクジェット記
録装置において、最高駆動周波数で駆動したときの滴吐
出タイミングの2倍の時間よりも早い滴吐出タイミング
領域に許容変動幅を越える領域が存在する構成としたの
で、駆動周波数のタイミングを調整する領域が狭くな
り、一層駆動周波数や駆動パルスなどの選定に自由度を
持たせることができる。
【0085】請求項7のインクジェット記録装置によれ
ば、最高駆動周波数を、滴吐出タイミングがインク滴体
積の変動における最もタイミングの早い第1の変動域
で、かつ、滴吐出タイミングが長くなるにつれてインク
滴体積が大きくなる変動域に存在する周波数に設定した
ので、インク滴吐出の方向とメニスカス変動の方向が順
方向になり、気泡巻き込み等によるインク滴吐出不良を
起こし難くなって、インク滴吐出の安定性を確保でき、
インク滴吐出周波数を向上することができると共に、あ
らゆる駆動条件下においても安定したインク滴吐出が可
能になる。
【0086】請求項8のインクジェット記録装置によれ
ば、最高駆動周波数を、滴吐出タイミングが、インク滴
体積の変動における最もタイミングの早い第1の変動域
で、かつ、滴吐出タイミングが長くなるにつれてインク
滴体積が大きくなる傾き側で他の低周波数駆動時とイン
ク滴体積略が等しくなる周波数に設定したので、インク
滴吐出の方向とメニスカス変動の方向が順方向になり、
気泡巻き込み等によるインク滴吐出不良を起こし難くな
って、インク滴吐出の安定性を確保でき、インク滴吐出
周波数を向上することができると共に、ドット径の均一
な画像を形成することができて画像品質が向上する。
【0087】請求項9のインクジェット記録装置によれ
ば、滴吐出タイミングが、インク滴体積の変動における
最もタイミングの早い第1の変動域で、かつ、インク滴
体積の変動の極大値近傍若しくは極小値近傍にある構成
としたので、メニスカス変動が非常に低速度で動いてい
るため、気泡巻き込み等によるインク滴吐出不良を起こ
し難く、さらに滴速度を十分安定した駆動周波数による
駆動時と同等にすることができ、ドット位置精度を向上
して高品質の画像を形成することができる。
【0088】請求項10のインクジェット記録装置によ
れば、上記請求項7乃至9のいずれかのインクジェット
記録装置において、最高駆動周波数での滴吐出タイミン
グの1.5倍及び2倍遅い滴吐出タイミングを、第1の
変動域の滴吐出タイミングが長くなるに従いインク滴体
積が急激に小さくなる領域と重複しないタイミングに設
定したので、吐出タイミングを調整するポイントを最高
駆動周波数fmaxとfmax/2と3fmax/4の三点のみ
とすることができ、気泡巻き込み等によるインク滴吐出
不良を起こし難く、さらに駆動周波数や駆動パルス等の
選択の自由度が広がる。
【0089】請求項11のインクジェット記録装置によ
れば、上記請求項1乃至10のいずれかのインクジェッ
ト記録装置において、インク滴を吐出させるためのアク
チュエータが圧電素子からなると共に、この圧電素子を
プッシュ駆動方式で駆動する駆動パルスを印加ようにし
たので、滴吐出後のインク液室の圧力状態を意図的に変
化させることができ、インク滴体積の変動の振幅や変曲
点を容易にコントロールすることができる。
【0090】請求項12のインクジェット記録装置によ
れば、上記請求項11に記載のインクジェット記録装置
において、駆動パルスの立下がり部の時定数を立上がり
部の時定数よりも長くしたので、滴吐出のためのエネル
ギーを十分に確保しながら、滴吐出後のインク液室内の
圧力減衰を早めることができて、インク滴体積の変動の
振幅や変曲点を最適な状態にコントロールすることがで
きる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置における
インクジェットヘッドの一例を示す外観斜視図
【図2】図1のインクジェットヘッドの分解斜視図
【図3】図1のA−A線に沿う方向の要部拡大断面図
【図4】図1のB−B線に沿う方向の要部拡大断面図
【図5】ヘッド駆動回路の一例を示すブロック図
【図6】図5の要部の具体例を示す回路図
【図7】一般的な駆動タイミングとインク滴体積変動と
の関係を示す線図
【図8】同じく一般的な駆動タイミングとインク滴速度
との関係を示す線図
【図9】メニスカス挙動とインク滴体積、インク滴速度
の関係の説明に供する説明図
【図10】インク滴体積の変動と吐出タイミング、最高
駆動周波数の設定の説明に供する説明図
【図11】流体抵抗値を変化させた場合の駆動タイミン
グとインク滴体積との関係を示す線図
【図12】流体抵抗値を変化させた場合の駆動タイミン
グとインク滴速度との関係を示す線図
【図13】駆動パルスの立下がり時定数とインク滴体積
Mjの変動との関係を示す線図
【符号の説明】
1…アクチュエータユニット、2…液室ユニット、3…
基板、4…圧電素子列、7…駆動部圧電素子、8…固定
部圧電素子、12…振動板、13…液室流路形成部材、
15…ノズル、16…ノズルプレート、17…加圧液
室、22…流体抵抗部、41…電源スイッチング回路、
42…充電抵抗回路、43…放電抵抗回路、44…選択
回路、H…インクジェットヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 智昭 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 松本 修三 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、前記インク滴体積変動が予め
    定めた許容変動幅を越える領域の内、前記滴吐出タイミ
    ングが長くなるにつれて前記インク滴体積が急激に小さ
    くなる領域では前記インク滴の吐出を行わないことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、前記インク滴体積変動が予め
    定めた許容変動幅を越える領域の内、前記滴吐出タイミ
    ングが長くなるにつれて前記インク滴体積が大きくなる
    領域で前記インク滴の吐出を行うことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、前記インク滴体積変動が予め
    定めた許容変動幅を越える領域の内、前記滴吐出タイミ
    ングが長くなるにつれて前記インク滴体積が大きくなる
    領域で、かつ、前記許容変動幅内のインク滴体積になる
    タイミングで前記インク滴の吐出を行うことを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記インク滴体積変動の
    許容変動幅を十分に遅い滴吐出タイミングでのインク滴
    体積を基準として±20%以内としたことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、前記インク滴体積の変動
    が前記許容変動幅を越える領域において2箇所以下の変
    曲点を持つことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置において、最高駆動周波数で駆動し
    たときの滴吐出タイミングの2倍の時間よりも早い滴吐
    出タイミング領域に前記許容変動幅を越える領域が存在
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、最高駆動周波数を、前記滴吐
    出タイミングが前記インク滴体積の変動における最もタ
    イミングの早い第1の変動域で、かつ、前記滴吐出タイ
    ミングが長くなるにつれて前記インク滴体積が大きくな
    る前記変動域に存在する周波数に設定したことを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、最高駆動周波数を、前記滴吐
    出タイミングが、前記インク滴体積の変動における最も
    タイミングの早い第1の変動域で、かつ、前記滴吐出タ
    イミングが長くなるにつれて前記インク滴体積が大きく
    なる傾き側で他の低周波数駆動時と前記インク滴体積略
    が等しくなる周波数に設定したことを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 インク滴を吐出する1又は複数のノズル
    を有し、前記インク滴体積が滴吐出タイミングの違いに
    よって変動するインクジェットヘッドを備えたインクジ
    ェット記録装置において、前記滴吐出タイミングが、前
    記インク滴体積の変動における最もタイミングの早い第
    1の変動域で、かつ、前記インク滴体積の変動の極大値
    近傍若しくは極小値近傍にあることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置において、前記最高駆動周波数で
    の滴吐出タイミングの1.5倍及び2倍遅い滴吐出タイ
    ミングを、前記第1の変動域の前記滴吐出タイミングが
    長くなるに従い前記インク滴体積が急激に小さくなる領
    域と重複しないタイミングに設定した特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    インクジェット記録装置において、前記インク滴を吐出
    させるためのアクチュエータが圧電素子からなると共
    に、この圧電素子をプッシュ駆動方式で駆動する駆動パ
    ルスを印加することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のインクジェット記
    録装置において、駆動パルスの立下がり部の時定数を立
    上がり部の時定数よりも長くしたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016078251A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社リコー 液滴吐出装置、液滴吐出装置方法、及びプログラム
JP2017030328A (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置及びプログラム

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JP2017030328A (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置及びプログラム

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