JPH09193559A - 熱転写インク組成物及び熱転写インクリボン - Google Patents

熱転写インク組成物及び熱転写インクリボン

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JPH09193559A
JPH09193559A JP2593696A JP2593696A JPH09193559A JP H09193559 A JPH09193559 A JP H09193559A JP 2593696 A JP2593696 A JP 2593696A JP 2593696 A JP2593696 A JP 2593696A JP H09193559 A JPH09193559 A JP H09193559A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性がよく、帯電しない熱転写インク組成
物、熱転写インクリボンを提供する。 【解決手段】 官能基と、それぞれ水酸基が結合された
アルミニウム原子とジルコニウム原子とを化学構造中に
有するカップリング剤を熱転写インク組成物に添加し、
表面に官能基を有する着色剤を表面処理する。着色剤の
分散性がよく、導電性も高い。そのカップリング剤は、
下記化学構造式(1)、 【化1】 (R1は環式炭化水素基、非環式炭化水素基、水素原子、
Xは官能基、Me1はIIIb族元素、Me2は遷移金属元素)
で表されるものや、より詳細には下記化学構造式(2)、 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写インク組成物
とそれを用いた熱転写インクリボンにかかり、さらに詳
しくは印字濃度が高く、帯電が防止された熱転写インク
組成物、及び熱転写インクリボンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピューターやレジスターの出力装置
に用いられるプリンターには、ドットインパクト方式や
感熱記録方式等の種々の印字方法が用いられているが、
それらのうちの感熱記録方式は、プリンタの機構が簡単
で保守が容易となり、また、騒音が少ない等の利点があ
ることから広く使用されている。そのような感熱記録方
式では感熱紙を用いることも可能であるが、印字物に保
存性が要求される場合には、熱転写インクリボンがよく
利用されている。
【0003】一般に、熱転写インクリボンのプラスチッ
ク基材の表面には、顔料とバインダ成分からなるインク
層が形成されており、プリンタに設けられたサーマルヘ
ッドにて裏面に熱が加えられると、そのインク層が溶融
・軟化し、ラベル・タグ等の被転写体に熱転写インク組
成物が転写されて所望文字の印字が行われるものであ
り、保存性がよいことに加えて普通紙や樹脂シートにも
印字できることから近年ではバーコード印字に盛んに用
いられている。
【0004】しかしながら、熱転写インクリボンの基材
には、一般には非導電性のプラスチックフィルムが使用
されており、ロール形態にしてプリンタ内部の巻きだし
軸に装着し、熱転写インクリボンを引き出す際にインク
層表面と基材(又は耐熱滑性層)が分離されると、熱転
写インクリボンが帯電して、静電気が発生してしまう。
【0005】静電気が発生した場合には、紙粉やゴミを
被転写体に付着させてしまうばかりでなく、さらにはプ
リンタ周辺に付着しているゴミを印字の際に巻き込んで
しまい、甚だしい場合には、ゴミ等がサーマルヘッドと
熱転写リボンの間に挟まってしまい、その部分だけ熱の
伝わりが悪くなって、いわゆるボイド(白抜け)及び白ス
ジ等が生じ、印字品質が低下するという問題があった。
また、静電気が放電する際の放電音が印字を行っている
間中聞こえてしまい、騒音となってしまう。
【0006】このような静電気の発生は、熱転写インク
リボンの表面抵抗がシート抵抗で109Ωオーダであれ
ば少ないことが経験的に知られており(特公平5-8231
7)、インク層中の着色剤にカーボンブラック等の導電性
を有する顔料を用いてインク層の表面抵抗(導電率)を下
げ、帯電を防止することが行われている。
【0007】他方、バーコード印字されたラベルを商品
に添付する場合には、バーコードの読み誤りの防止や商
品の見栄えを良くするために、印字濃度を高くすること
が求められている。そのため従来の熱転写インク組成物
にも、着色剤であるカーボンブラックの表面処理剤とし
てカップリング剤が添加され、カーボンブラックの分離
性を向上させ、少ない顔料添加量で印字濃度を向上させ
るための試みが種々行われており、一定の効果を挙げて
いる(特開平1-110188、特開平4-221685:アルミニウム
系カップリング剤、特開平4-221686:チタニウム系カッ
プリング剤)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらカップリ
ング剤を添加して印字濃度を向上させようとすると、カ
ーボンブラックがインク層中のバインダ成分に分散され
た結果、インク層の表面抵抗(導電率)が低下してしま
うという現象が観察された。この場合には熱転写インク
リボンは帯電しやすくなり、静電気が発生してしまう。
【0009】かかる場合、インク層中にカップリング剤
を添加することを止め、単にカーボンブラックの量を増
加させるだけでは、インク層の表面抵抗は下がるが、イ
ンク層の溶融時の粘度が著しく増加し、インク層の転写
性が低下して実用にならない。 結局、公知技術のカッ
プリング剤では、熱転写インクリボンの高濃度印字と帯
電防止を同時に達成することができず、その解決が望ま
れていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、表面に官能基を有する着色
剤を含んだ熱転写インク組成物であって、前記着色剤
は、官能基と、それぞれ水酸基が結合されたアルミニウ
ム原子とジルコニウム原子とを化学構造中に有するカッ
プリング剤で表面処理がされていることを特徴とし、
【0011】請求項2記載の発明は、表面に官能基を有
する着色剤を含んだ熱転写インク組成物であって、前記
着色剤は、下記化学構造式(1)、
【0012】
【化3】
【0013】(この化学構造式(1)、及び以下の化学構
造式において、R1は環式炭化水素基若しくは非環式炭
化水素基又は水素原子、Xは官能基、Me1はIIIb族元
素、Me2は遷移金属元素を示す。)で表されるカップリ
ング剤によって表面処理がされていることを特徴とし、
請求項3記載の発明は、表面に官能基を有する着色剤を
含む熱転写インク組成物であって、前記着色剤は、下記
化学構造式(2)、
【0014】
【化4】
【0015】で表されるジルコアルミネート化合物であ
るカップリング剤によって表面処理がされていることを
特徴とする。この場合には、請求項4記載の発明のよう
に、熱転写インク組成物中に含まれる前記着色剤の重量
又は前記着色剤と充填剤の合計の重量を100重量部と
したときに、前記カップリング剤が1重量部以上4重量
部以下の範囲で含まれるようにして前記着色剤の表面処
理を行うとよい。また、請求項5記載の発明は、請求項
1乃至請求項4のいずれか1項記載の熱転写インク組成
物であって、前記着色剤はカーボンブラックであること
を特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求
項5のいずれか1項記載の熱転写インク組成物から成る
インク層が基材上に設けられたことを特徴とする熱転写
インクリボンであり、この場合には、請求項7記載の発
明のように、前記基材と前記インク層との間に剥離層を
設けてもよい。
【0017】一般に、熱転写インク組成物は、表面に官
能基を有する着色剤を含んでおり、必要に応じて充填剤
やバインダ成分が添加されている。更にカップリング剤
が添加されるとそれらが表面処理される。本発明の発明
者等は、従来技術のようなアルミニウムを主体としたカ
ップリング剤では、着色剤との親和性は高いが配位能力
が低い点に着目し、それが、従来技術の熱転写インクリ
ボンが帯電しやすい原因であると予想した。
【0018】そこで、官能基と、化学構造中に水酸基を
それぞれ有するアルミニウム原子とジルコニウム原子と
を有するカップリング剤を熱転写インク組成物中に添加
して着色剤の表面処理を行ったところ、良好な分散性を
維持したまま導電性を向上させることができた。
【0019】そのようなカップリング剤は、例えば上記
化学構造式(1)で表せるが、より詳細には上記化学構造
式(2)で表すことができる。この化学構造式(2)で示さ
れるカップリング剤では、アルミニウム原子とジルコニ
ウム原子との極性が強いため、図2に示すように、カッ
プリング剤42中のアルミニウム原子が酸素原子を介し
て着色剤431と結合したり、着色剤432が有する−O
H基と水素結合46をし易く、また、ジルコニウム原子
とアルミニウム原子が水酸基を介して結合して無機高分
子47を形成し易いので、着色剤の分散能が高い。前記
化学構造式(1)、(2)のカップリング剤は、合成が簡単
で安価であり、また配位能力が高いので少量の添加でも
分散性が高く、他方、多量に添加しても導電性を失うこ
とがない。
【0020】その添加量を具体的に説明すると、熱転写
インク組成物中に含まれる前記着色剤の重量、又は前記
着色剤と充填剤の合計の重量を100重量部としたとき
に、上記化学構造式(2)で示されるカップリング剤1重
量部を添加するだけで効果がある。他方、本発明のカッ
プリング剤は充填剤内部に吸収されにくいので、4重量
部まで添加しても導電性は失わず、また、液粘度変化も
小さかった。そのため、4重量部を添加した場合でも、
熱転写インク組成物の液粘度を調整せずに従来のコーテ
ィング条件をそのまま用いることができた。
【0021】特に、カーボンブラックを着色剤として用
いる場合には、前記官能基Xをアミノ基にすると、イン
ク層の表面抵抗を小さくしたまま、一層高濃度で印字す
ることが可能となる。なお、この官能基Xはアミノ基の
他、カルボキシル基、脂肪酸、メタクリルオキシ基、メ
ルカプト基等種々のものを用いることができる。また、
異なる官能基を有するカップリング剤を混合して用いて
もよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
(インク組成物の作成)まず、本発明の熱転写インク組
成物について詳細に説明する。本発明の熱転写インク組
成物は、着色剤、充填剤、可塑剤、バインダ剤を主成分
とし、水酸基をそれぞれ有するアルミニウム原子とジル
コニウム原子と、官能基とを化学構造中に有するカップ
リング剤が添加される。
【0023】着色剤は顔料及び導電性のある顔料から成
り、顔料には例えばカーボンブラックを用いることが可
能であり、導電性のある顔料としては、例えば金属酸化
物、カーボンブラック、導電性カーボンブラック、グラ
フィトを用いることができる。
【0024】充填剤は、体質顔料(フィラー)、樹脂粒
子、導電性粉体から成る。体質顔料としては、例えばシ
リカ、シリコン粒子、タルクを、樹脂粒子としては、例
えばベンゾグアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂を、導電
性粉体としては、例えばマイカ、金属メッキ粒子等を用
いることができる。これらのうち、カーボンブラック、
導電性カーボンブラックについては着色性及び導電性を
有し、比重も比較的小さく、塗布し易いので好ましい。
【0025】バインダ剤には、熱的に溶融・軟化する性
質が必要であり、一般にワックス、樹脂等を主成分とす
るものが用いられる。ワックスとしては、例えば、カル
ナバワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワッ
クス等を、樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、塩
化ビニール樹脂等を使用することができる。
【0026】一般に、着色剤の表面には官能基が存在し
ているので、本発明に使用できるカップリング剤は、官
能基と、それぞれ水酸基が結合されたアルミニウム原子
とジルコニウム原子とを化学構造中に有し、着色剤を表
面処理できるものであればよい。具体的には上記化学構
造式(2)で示されるものを用いることができるが、上位
概念を示せば、上記化学構造式(1)で示されるカップリ
ング剤となる。その官能基Xは例えばアミノ基である
が、上述したように種々のものを用いることができる。
また、R1は例えばアルキル基とすることができるが、
他の非環式炭化水素基やフェニル基等の環式炭化水素
基、又は水素原子であってもよい。
【0027】以上の成分を常法に従って、混合し熱転写
インク組成物を作成する。具体的に説明すると、バイン
ダ成分を溶媒に溶解させ、着色剤又は着色剤及び充填剤
とカップリング剤とを同時に添加し、サンドミル、ボー
ルミル等で顔料を分散させながらカップリング剤で表面
処理をさせ、所望の組成の熱転写インク組成物を得た。
【0028】なお、着色剤等を分散させた後、カップリ
ング剤を添加するようにしても十分に着色剤等の表面処
理を行うことができる。この場合も、所定組成の熱転写
インク組成物を作成することができる。
【0029】本発明において、カップリング剤の添加量
は特に限定的ではないが、熱転写インク組成物中に含ま
れる着色剤の重量又は着色剤と充填剤の合計の重量を1
00重量部としたときに、前記カップリング剤が1重量
部未満では効果が少なく、逆に4重量部を超えると印字
濃度が低下する傾向にあった。
【0030】(熱転写インクリボンの作成)以上のよう
に作成されたインク組成物を、常法に従って、図1(a)
に示す基材21上にグラビアコーターにより塗布し、有
機溶剤を揮発させてインク層22を形成して熱転写イン
クリボン2を作成した。
【0031】前記基材21にはPETを用いたが、PE
N、PBT、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、塩化ビニ
ール樹脂等を使用することも可能である。前記熱転写イ
ンクリボン2のインク層22は、1.0μmの厚みにし
た。インク層22の厚みは1.0μm〜2.0μmの範
囲で設定するのが一般的である。
【0032】また、インク層中の樹脂量が多い場合等、
インク層の転写を促進する必要があるときは、図1(b)
に示すように、基材31上に剥離層33を形成してか
ら、その上に本発明の熱転写インク組成物によってイン
ク層32を形成することができる。この剥離層33は、
一般に、熱溶融性物質、特に加熱により瞬時に溶融する
ワックスが使用され、0.1μm〜2.0μmの厚みに
形成するのが普通である。
【0033】また、基材31のインク層32を形成した
面の反対側の面に、耐熱滑性層34を形成しておくと、
熱転写インクリボン3の走行中のスティック現象が防止
でき、走行が円滑になって好ましい。その耐熱滑性層3
4は、一般に、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロ
セルロース等の耐熱性樹脂と、シリコンオイル、リン酸
エステル、金属石鹸等の滑剤とを組み合わせて用いる
か、又は、アクリルシリコン樹脂で代表されるような、
耐熱性と滑性を一つの分子中に具備した樹脂を使用して
もよい。
【0034】
【実施例】本発明の内容を、さらに、実施例を用いて詳
細に説明する。
【0035】(実施例1) ◎耐熱滑性層組成物の作成 以下の耐熱滑性層成分を金属容器に投入後、撹拌し目的
の滑性層組成物を得た。
【0036】 ・ シリコンク゛ラフトホ゜リマー(商品名:US287、東亜合成化学(株))……1.74重量部 ・ イソシアネート(商品名:D110N、武田薬品(株)) ……0.55重量部 ・ 有機溶剤(メチルエチルケトン) ……78.21重量部 ・ 有機溶剤(トルエン) ……19.5重量部
【0037】◎剥離層組成物の作成 以下の剥離層成分を金属容器に投入し、140℃に加熱
し完全に溶解させた。
【0038】 ・エチレン-酢酸ヒ゛ニル共重合体(商品名:KA-31、住友化学(株))……10重量部 ・エステルワックス(商品名:OPワックス、ヘキスト(株)) ……90重量部 溶解後、徐々にトルエンを投入し、温度を70℃まで低
下させて、目的の剥離層組成物を得た。
【0039】◎インク組成物の作成 以下のインク成分及びメディアをサンドミルに投入し、
800rpmで4時間分散し、目的のインク組成物を得
た。
【0040】 ・カーホ゛ンフ゛ラック(商品名:Regal400、キャボット社製) ……20重量部 ・ホ゜リエステル樹脂(商品名:UE3350、ユニチカ(株)製) ……60重量部 ・ヘ゛ンソ゛ク゛アナミン樹脂粒子(商品名:エホ゜スター、日本触媒(株)) ……20重量部 ・上記化学式(2)で表されるアルミニウム-シ゛ルコニウム カッフ゜リンク゛剤 (商品名:APG-X,Manchem UK) …0.985重量部 ・有機溶剤(メチルエチルケトン) ……400重量部 ・カ゛ラスヒ゛ース゛ ……600g(試料総量の3/2倍) このときのカップリング剤の添加量は、着色剤(カーボ
ンブラック)と充填剤(ベンゾグアナミン樹脂粒子)10
0重量部に対して1重量部(0.985重量部?)であった。
【0041】次に、コータヘッド及び乾燥炉が複数ある
グラビアコータを使用し、前記各層の組成物を順次塗布
する。まず、耐熱滑性層組成物をワイヤーで6μmのポ
リエステルフィルム(帝人(株)製)に塗布し、乾燥炉にて
有機溶剤を揮発乾燥させ、目的の耐熱滑性層を得た。続
けて、耐熱滑性層を塗布した面の反対の面にグラビア版
で剥離層組成物を塗布した後、乾燥炉にて有機溶剤を揮
発乾燥させ、目的の剥離層を得た。次いで、その剥離層
上にグラビア版で前記インク組成物を塗布し、乾燥炉で
有機溶剤を揮発乾燥させてインク層を作成し、図1(b)
に示したものと同じ構造の熱転写インクリボンを得た。
このとき作成された各層の厚みは耐熱滑性層34が0.
1μm、剥離層33が0.5μm、及びインク層32は
1.2μmであった。
【0042】(比較例1)インク組成物に、前記化学構造
式(2)で表されたカップリング剤を配合しない以外は、
前記実施例1と同様の組成、構造の熱転写インクリボン
を作成して諸特性を測定したところ、下記表1の比較結
果を得た。
【0043】
【表1】
【0044】上記表1の各項目の測定条件は以下の通り
である。 ・表面抵抗値……表面測定器(商品名:HIRESTA IP(型番
MCP-HT260):三菱油化(株))を使用して500Vの電圧
を印加した場合の値。 ・粘度測定器……粘度測定器(B型粘度計:東京計器
(株))を使用し、回転数30rpmとしたときの値。 ・印字濃度……ポリエステルラベル(PET50WH:リンテック
(株))にプリンタ(BC8 MKII:オークス(株))で印字したもの
を、マクベス濃度計(型番TR924)を使用して測定した
値。 ・走行音……連続印字において、リボンロールの静電気
による走行音(リボンが引き出されるときにパチパチす
る音)の有無を作業者の聴覚で確認した。
【0045】この表1から分かる通り、実施例1の熱転
写インクリボンでは印字濃度(吸光度の対数)が1.75
と高く、鮮明感のある印字ができた。帯電性による走行
音も発生しなかった。インク粘度については比較例と略
同程度であり、特に粘度調整する必要はなかった。
【0046】(実施例2〜4)カップリング剤の添加割合
が異なる他は前記実施例1と同じ組成、構造のインクリ
ボンを作成し、実施例1と同じ測定条件で諸特性を測定
した。測定結果を下記表2の実施例2〜4として示す。
【0047】
【表2】
【0048】この表2から分かるように、本発明のアル
ミニウム−ジルコニウム系のカップリング剤を使用した
熱転写インクリボンでは、印字濃度、帯電性、及び液粘
度のいずれについても良好であり、バランスがとれてい
る。
【0049】表面抵抗値については、添加割合が多い方
が低く、帯電性に優れると言えるが、添加割合が増加す
るに従って印字濃度が低下し、インク粘度が増加する傾
向にある。従って、熱転写インク組成物中に含まれる着
色剤の重量又は着色剤と充填剤の合計の重量を100重
量部としたときに、1.0重量部以上4.0重量部以下
の範囲で添加することが望ましい。
【0050】(比較例2〜4)比較例として、アルミニウ
ム系カップリング剤(商品名:AL-M:川研ファインケミカル
(株))、シラン系カップリング剤(A1100:日本ユニカー
(株))、チタン系カップリング剤(338X:味の素(株))を
使用し、他の条件は実施例1と同じにして比較例2〜4
の熱転写インクリボンを作成した。諸特性の測定結果を
下記表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記表3から分かる通り、比較例2〜4の
熱転写インクリボンは表面抵抗値が高く、帯電し易いと
言える。また、印字濃度も低い。液粘度についてはカッ
プリング剤を添加することにより低下する傾向が観察さ
れたが、変化が大きいため、比較例3においてはグラビ
ア版の目の調整を必要とした。
【0053】以上は上記化学構造式(2)のアルミニウム
−ジルコニウム系のカップリング剤を用いた熱転写イン
ク組成物、熱転写インクリボンと、他のカップリング材
を用いた熱転写インク組成物、熱転写インクリボンにつ
いて比較しながら説明したが、本発明に用いることがで
きるものは、アルミニウムとジルコニウムに限定される
ものではなく、化学構造式(1)のようなカップリング剤
であればよい。
【0054】他方、本発明に用いることができるカップ
リング剤としてアルミニウム−ジルコニウム系のものを
用いる場合には、化学構造式(2)のものに限定されるも
のではない。化学構造中のアルミニウム原子とジルコニ
ウム原子とがそれぞれ水酸基を有し、化学構造中に官能
基を有していれば着色剤表面の官能基と反応して無機ポ
リマーを作れるので、分散性と導電性がよいので本発明
に用いることが可能である。
【0055】
【発明の効果】被転写体に形成される印字物の印字濃度
を向上させ、また、鮮明感のある印字を行う場合でも、
静電気が発生することなく、印字不良を引き起こすこと
がない。熱転写インク組成物の液粘度の変動が小さいの
で、粘度調整をしなくても済み、工程が簡略化され、低
コストの熱転写インクリボンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の一実施の形態の熱転写インクリ
ボンの断面図 (b):他の実施の形態の熱転写インクリボンの断面図
【図2】 カップリング剤の配位状態を説明するための
【符号の説明】
2、3……熱転写インクリボン 31……基材 3
2……インク層 33……剥離層 42……カップリング剤 431、432……着色剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に官能基を有する着色剤を含んだ熱
    転写インク組成物であって、 前記着色剤は、官能基と、それぞれ水酸基が結合された
    アルミニウム原子とジルコニウム原子とを化学構造中に
    有するカップリング剤で表面処理がされていることを特
    徴とする熱転写インク組成物。
  2. 【請求項2】 表面に官能基を有する着色剤を含んだ熱
    転写インク組成物であって、 前記着色剤は、下記化学構造式(1)、 【化1】 (この化学構造式(1)、及び以下の化学構造式におい
    て、R1は環式炭化水素基若しくは非環式炭化水素基又
    は水素原子、Xは官能基、Me1はIIIb族元素、Me2
    遷移金属元素を示す。)で表されるカップリング剤によ
    って表面処理がされていることを特徴とする熱転写イン
    ク組成物。
  3. 【請求項3】 表面に官能基を有する着色剤を含んだ熱
    転写インク組成物であって、 前記着色剤は、下記化学構造式(2)、 【化2】 で表されるジルコアルミネート化合物であるカップリン
    グ剤によって表面処理がされていることを特徴とする熱
    転写インク組成物。
  4. 【請求項4】 熱転写インク組成物中に含まれる前記着
    色剤の重量又は前記着色剤と充填剤の合計の重量を10
    0重量部としたときに、前記カップリング剤が1重量部
    以上4重量部以下の範囲で含ませて前記着色剤の表面処
    理が行われたことを特徴とする請求項3記載の熱転写イ
    ンク組成物。
  5. 【請求項5】 前記着色剤はカーボンブラックであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
    載の熱転写インク組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記
    載の熱転写インク組成物から成るインク層が基材上に設
    けられたことを特徴とする熱転写インクリボン。
  7. 【請求項7】 前記基材と前記インク層との間に剥離層
    が設けられたことを特徴とする請求項6記載の熱転写イ
    ンクリボン。
JP02593696A 1996-01-19 1996-01-19 熱転写インクリボン Expired - Lifetime JP3660738B2 (ja)

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