JPH09193794A - 鉄道車両用振動制御装置 - Google Patents

鉄道車両用振動制御装置

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JPH09193794A
JPH09193794A JP34791195A JP34791195A JPH09193794A JP H09193794 A JPH09193794 A JP H09193794A JP 34791195 A JP34791195 A JP 34791195A JP 34791195 A JP34791195 A JP 34791195A JP H09193794 A JPH09193794 A JP H09193794A
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sway
horizontal
signal
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Masaaki Uchiyama
正明 内山
Takao Obara
隆夫 小原
Takashi Nezu
隆 根津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗り心地及び車体の制振を良好に両立させる
ことができる鉄道車両用振動制御装置を提供する。 【解決手段】 合成部B70は前、後側横速度V1 ,V
2 を加算し車体44が横方向に推移するスエー状態を検
出してスエー信号TS を出力する。減算処理部B75は
前、後側横速度V1 ,V2 の減算を行い車体44が鉛直
軸周りに回転運動するヨー状態を検出してヨー信号TY
を出力する。スエー信号TW 、ヨー信号TY に基づいて
スエー運動及びヨー運動を抑制するように前、後側のダ
ンパ4f,4rの減衰係数が大きい値に調整されるの
で、スエー運動が低減されて車体の制振を図ることがで
きる。スエー信号TW 、ヨー信号TY がスエー運動、ヨ
ー運動を示していないときには前、後側のダンパ4f,
4rの減衰係数を小さい値に設定することが可能であり
乗り心地の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用振動制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両用振動制御装置の一例と
して、台車と車体との間にばね部材及びダンパを介装し
車体の揺れをばね部材及びダンパに吸収させて乗り心地
の改善を図るようにした、いわゆるパッシブダンパを利
用したものがある。そして、このパッシブダンパの減衰
力特性は、ひとつの特性に設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乗り心地の
向上を図るためには減衰力は小さい値に設定し、また車
体の制振を図るためには減衰力は大きい値に設定するこ
とが望まれる。しかしながら、上述した従来技術におけ
るダンパの減衰力は、前記小さい値と大きい値の中間の
値が用いられており、このため、乗り心地及び車体の制
振について若干の向上が図れるものの、乗員に対して必
ずしも満足がいく結果が得られていないというのが実情
であった。また、鉄道車両では、曲線軌道走行時に、カ
ント(内側レールと外側レールとの高低差)の影響から
車体に微小な定常横加速度が発生し、その分、乗り心地
の低下を招くことになる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、乗り心地及び車体の制振を良好に両立させることが
できる鉄道車両用振動制御装置を提供することを目的と
する。また、本発明の他の目的は、カントの影響による
乗り心地の低下を防止できる鉄道車両用振動制御装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、鉄道
車両の台車と該台車に水平方向に揺動可能に支持された
車体との間における進行方向の前、後側に、進行方向に
対して水平横方向の車体の運動を規制するようにそれぞ
れ介装された減衰係数調整可能の前、後側のダンパと、
車体の前、後側の水平横方向速度を検出する前、後側の
横速度検出手段と、前記車体の前、後側の水平横方向速
度の和を求める和信号検出手段と、該和信号検出手段の
検出結果に基づき、前記車体のスエー運動を抑制するよ
うに前記前、後側のダンパの減衰係数を調整するコント
ローラとを備えたことを特徴とする。この構成によれ
ば、コントローラが、和信号検出手段の検出結果に基づ
いてスエー運動を抑制するように前、後側のダンパの減
衰係数を調整する。
【0006】請求項2の発明は、鉄道車両の台車と該台
車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間におけ
る進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向
の車体の運動を規制するようにそれぞれ介装された減衰
係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の
水平横方向速度を検出する前、後側の横速度検出手段
と、前記車体の前、後側の水平横方向速度の差を求める
差信号検出手段と、該差信号検出手段の検出結果に基づ
き、前記車体のヨー運動を抑制するように前記前、後側
のダンパの減衰係数を調整するコントローラとを備えた
ことを特徴とする。この構成によれば、コントローラ
が、差信号検出手段の検出結果に基づいてヨー運動を抑
制するように前、後側のダンパの減衰係数を調整する。
【0007】請求項3の発明は、鉄道車両の台車と該台
車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間におけ
る進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向
の車体の運動を規制するようにそれぞれ介装された減衰
係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の
水平横方向速度を検出する前、後側の横速度検出手段
と、前記車体の前、後側の水平横方向速度の和を求める
和信号検出手段と、前記車体の前、後側の水平横方向速
度の差を求める差信号検出手段と、前記和信号検出手段
の検出結果及び前記差信号検出手段の検出結果に基づ
き、前記車体のスエー運動及びヨー運動を抑制するよう
に前記前、後側のダンパの減衰係数を調整するコントロ
ーラとを備えたことを特徴とする。この構成によれば、
コントローラが、和信号検出手段の検出結果及び差信号
検出手段の検出結果に基づいてスエー運動及びヨー運動
を抑制するように前、後側のダンパの減衰係数を調整す
る。
【0008】請求項4の発明は、鉄道車両の台車と該台
車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間におけ
る進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向
の車体の運動を規制するようにそれぞれ介装された減衰
係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の
水平横方向加速度を検出する前、後側の横加速度検出セ
ンサと、該前、後側の横加速度検出センサの検出値を入
力するコントローラとからなり、コントローラは、前記
前、後側の横加速度検出センサの検出値を積分して車体
の前、後側の水平横方向速度を検出する積分回路と、前
記車体の前、後側の水平横方向速度の和を求めこの検出
結果に基づき、前記車体のスエー運動を抑制するための
スエー制御信号を出力して前記前、後側のダンパの減衰
係数を調整させるスエーモード制御系とを有し、該スエ
ーモード制御系にカットオフ周波数が所定値以上のハイ
パスフィルタを備えたことを特徴とする。この構成によ
れば、鉄道車両が曲線軌道を走行している際、カットオ
フ周波数を所定値以上に設定したハイパスフィルタが、
カントの影響で発生する横加速度(定常横加速度)によ
る積分定数(横速度の直流成分)をカットする。
【0009】請求項5の発明は、鉄道車両の台車と該台
車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間におけ
る進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向
の車体の運動を規制するようにそれぞれ介装された減衰
係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の
水平横方向加速度を検出する前、後側の横加速度検出セ
ンサと、該前、後側の横加速度検出センサの検出値を入
力するコントローラとからなり、コントローラは、前記
前、後側の横加速度検出センサの検出値を積分して車体
の前、後側の水平横方向速度を検出する積分回路と、前
記車体の前、後側の水平横方向速度の和を求めこの検出
結果に基づき、前記車体のスエー運動を抑制するための
スエー制御信号を出力して前記前、後側のダンパの減衰
係数を調整させるスエーモード制御系と、前記車体の
前、後側の水平横方向速度の差を求めこの検出結果に基
づき、前記車体のヨー運動を抑制するためのヨー制御信
号を出力して前記前、後側のダンパの減衰係数を調整さ
せるヨーモード制御系とを有し、前記スエーモード制御
系にカットオフ周波数が所定値以上のハイパスフィルタ
を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施の形態の
鉄道車両用振動制御装置を図面に基づいて説明する。図
1、図2において、鉄道用車両40の台車41には、車
輪42を備えた車軸43が回動可能に支持されている。
この台車41には、車体44がばね部材45を介して水
平方向及び上下方向に揺動可能に支持されている。台車
41の進行方向に対して左側の前、後側部分には、前、
後側の台車側ブラケット46f,46rがそれぞれ取り
付けられている。前、後側の台車側ブラケット46f,
46rに対向するように車体44の進行方向右側部分に
は、前、後側の車体側ブラケット47f,47rが取り
付けられている。
【0011】前側の台車側ブラケット46fと前側の車
体側ブラケット47fとの間、後側の台車側ブラケット
46rと後側の車体側ブラケット47rとの間には、減
衰係数可変型の前、後側のダンパ4f,4rがそれぞれ
介装されている。この場合、前、後側の台車側ブラケッ
ト46f,46rにシリンダ11が保持され、前、後側
の車体側ブラケット47f,47rにピストンロッド1
6の一端側(シリンダ11の外側部分)が保持されてお
り、車体44の進行方向に対して水平横方向の運動を規
制するようになっている。車体44の前、後側部分に
は、車体44の進行方向に対して水平横方向の加速度を
検出する前、後側の横加速度センサ48f,48rが設
けられている。前、後側の横加速度センサ48f,48
r及び前、後側のダンパ4f,4rの各アクチュエータ
29に接続してコントローラ49が設けられている。
【0012】前、後側のダンパ4f,4rは、図3に示
すようにシリンダ11内にフリーピストン12を摺動自
在に収納し、このフリーピストン12によりガス室13
と油室14との二室に画成されている。ガス室13には
高圧ガスが封入されており、油室14には油液が封入さ
れている。油室14にはピストン15が摺動自在に収納
されている。油室14はピストン15により下室R1
上室R2 とに画成されている。ピストン15にはピスト
ンロッド16が連結されている。ピストンロッド16は
上室R2 を通ってシリンダ11外に延びている。
【0013】ピストン15には下室R1 と上室R2 とを
それぞれ連通する第1、第2の連通路17、18が形成
されている。ピストン15の上部には、常閉の第1の減
衰弁19が取り付けられている。第1の減衰弁19は、
ピストンロッド16の短縮時に下室R1 の圧力が高くな
って上室R2 との差圧が所定値に達すると開き、これに
より第1の連通路17を介した下室R1 と上室R2 との
連通を図れるようにしている。ピストン15の下部に
は、常閉の第2の減衰弁20が取り付けられている。第
2の減衰弁20は、ピストンロッド16の伸長時に上室
2 の圧力が高くなって下室R1 と上室R2 との圧力差
が所定値になると開き、これにより第2の連通路18を
介した下室R1 と上室R2 との連通を図れるようにして
いる。ピストン15には、ピストンロッド16の軸心を
挟んで相対向する第3、第4の連通路21,22が形成
されている。第3、第4の連通路21,22は、それぞ
れ上室R2 、下室R1 に連通している。
【0014】第3、第4の連通路21,22には、それ
ぞれチェック弁23,24が配設されている。チェック
弁23は下室R1 から上室R2 への油液の流れのみを許
容し、チェック弁24は上室R2 から下室R1 への油液
の流れのみを許容する。ピストン15内部には円板状の
可動板25がピストンロッド16の軸心を中心にして回
動自在に保持されており、可動板25の板面は第3、第
4の連通路21,22をそれぞれ横切っている。可動板
25には図4に示すように周方向に沿って円弧状に延び
る一対の長孔26,27が形成されている。長孔26,
27は可動板25の中心と同心状の位置に相対向して形
成されている。長孔26は、図4矢印R方向に向かうに
従って開口面積が小さくなり、長孔27は、矢印R方向
に向かうに従って開口面積が大きくなるようになってい
る。
【0015】可動板25を矢印R又は矢印L方向に回動
すると、長孔26,27の、第3、第4の連通路21,
22に臨む部分が連続的に替わり第3、第4の連通路2
1,22の開口面積が逓増又は逓減するようになってお
り、これにより前、後側のダンパ4f,4rが、図5に
実線で示す減衰特性を得られるようにしている。なお、
滑らかに減衰係数を変化させるために、長孔26,27
の中心位置b2 ,b1付近を破線で示すように滑らかに
変化する減衰係数特性とすることもできる。
【0016】なお、図3において、28はピストンロッ
ド16の軸心に相対回転自在に設けられて下端部が可動
板25に連結される操作ロッドである。また、29は、
操作ロッド28の上端部に連結され、この操作ロッド2
8を介して可動板25を矢印R方向または矢印L方向に
回転させるステッピングモータ等のアクチュエータであ
る。このアクチュエータ29は、コントローラ49から
発信される制御信号θに基づいて操作ロッド28を回転
させる。
【0017】次に、長孔26,27の、第3、第4の連
通路21,22に臨む箇所(a2 〜b2 〜c2 ,a1
1 〜c1 )と、減衰係数との関係を説明する。ここ
で、長孔26,27の、第3、第4の連通路21,22
に臨む箇所は、制御信号θに対応する可動板25の回転
角度(目標アクチュエータ角度)θによって表わす。な
お、長孔26,27の中心である位置b2 ,b1 が第
3、第4の連通路21,22に臨んでいる場合、この位
置を可動板25の基準位置(θ=0)としている。
【0018】(1)可動板25を基準位置から矢印R方
向に回転する、即ち可動板25を正方向(θ>0)に回
転させた場合、長孔26の位置a2 が第3の連通路21
に臨み、かつ長孔27の位置a1 が第4の連通路22に
臨む。これにより、下室R1から上室R2 へ油液が流れ
やすく、上室R2 から下室R1 へ油液が流れ難くなって
伸び側減衰係数が大きくかつ縮み側減衰係数が小さくな
る。
【0019】(2)可動板25を基準位置から矢印L方
向に回転する、即ち可動板25を負方向(θ<0)に回
転させた場合、長孔26の位置c2 が第3の連通路21
に臨み、かつ長孔27の位置c1 が第4の連通路22に
臨む。これにより、下室R1から上室R2 へ油液が流れ
難く、上室R2 から下室R1 へ油液が流れやすくなって
伸び側減衰係数が小さくかつ縮み側減衰係数が大きくな
る。
【0020】コントローラ49は、図6に示すように電
力供給を受ける(ステップS31 )と、まず初期設定を行
なって(ステップS32 )制御周期に達したか否かを判定
する(ステップS33 )。ステップS33 では、制御周期に
達したと判定するまで繰り返して制御周期に達したか否
かを判定する。
【0021】ステップS33 で制御周期に達したと判定す
ると、前制御周期の制御信号θに基づいてアクチュエー
タ29を駆動し可動板25を回転角度θだけ回転させて
回転角度θに対応する減衰係数を得る(ステップS34
)。続いてステップS35 でアクチュエータ29以外の
機構に信号を出力して制御する。次に前、後側の横加速
度センサ48f,48rから前、後側横加速度信号α
1 ,α2 を読み込む(ステップS36 )。続いて前、後側
横加速度信号α1 ,α2 に基づいて図7の演算処理を行
って、目標減衰係数Cを求め、これに対応する制御信号
(目標アクチュエータ角度)θの決定を行い(ステップ
S37 )、次の制御周期のステップS34 で制御信号θに基
づいてアクチュエータ29を駆動して所望の減衰係数を
得る。
【0022】ここで、上記ステップS37 の演算処理内容
を図7に基づいて説明する。まず、前側の横加速度セン
サ48fで検出された前側横加速度α1 はブロック(前
側の横速度検出手段)B60で積分処理され、これによ
り前側横速度V1 が得られ、この前側横速度V1 がブロ
ックB61に送られる。ブロックB61ではハイパスフ
ィルタ処理を実行しブロックB60の積分誤差を除去す
る。
【0023】ブロックB61からの前側横速度V1 にブ
ロックB62で制御周波数帯域を制限するローパスフィ
ルタ処理を行う。ブロックB62でローパスフィルタ処
理を行うことにより、ノイズ成分などの余分な高周波成
分や非制御周波数領域を制限することができる。ブロッ
クB62のローパスフィルタ処理後の信号に、ブロック
B63でゲインK1 を乗算し制御量の大きさを最適な値
に設定して前側独立制御信号C1 を得る。この前側独立
制御信号C1 が合成部B73を介して合成部B78に送
られ目標減衰係数CとしてブロックB64に送られる。
ブロックB64では、あらかじめ設定された、目標減衰
係数Cとこれに対応する制御信号(目標アクチュエータ
角度)θとを示す情報(便宜上、図7のブロックB64
中にこの情報を示すグラフを模式的に示している。)
に、前記合成部B78からの目標減衰係数Cをアドレス
として指定し、これに対応する制御信号θを求め、この
制御信号θを前側のダンパ4fのアクチュエータ29に
出力して前側の信号処理が終了する。
【0024】上述した前側の信号処理と同様に後側の信
号処理が行われる。すなわち、後側の横加速度信号α2
についてブロック(後側の横速度検出手段)B65で積
分処理されて後側横速度V2 が得られる。この後側横速
度V2 は、ブロックB66でハイパスフィルタ処理され
てブロックB65の積分誤差が除去され、ブロックB6
7で制御周波数帯域を制限するローパスフィルタ処理を
行う。ブロックB67のローパスフィルタ処理後の信号
に、ブロックB68でゲインK2 を乗算し後側独立制御
信号C2 を得る。この後側独立制御信号C2 が合成部B
74を介して合成部B79に送られ目標減衰係数Cとし
てブロックB69に送られる。ブロックB69では、あ
らかじめ設定された、目標減衰係数Cとこれに対応する
制御信号(目標アクチュエータ角度)θとを示す情報
(便宜上、図7のブロックB69中にこの情報を示すグ
ラフを模式的に示している。)に、前記合成部B79か
らの目標減衰係数Cをアドレスとして指定し、これに対
応する制御信号θを求め、この制御信号θを後側のダン
パ4rのアクチュエータ29に出力して後側の信号処理
が終了する。
【0025】次に、前、後側横速度V1 ,V2 の加算/
減算によって求められる車体44のスエー(Sway)、ヨ
ー(Yaw )運動制御を説明する。ブロックB61,B6
6にて算出された前、後側横速度V1 ,V2 は合成部
(和信号検出手段)B70にて加算され、車体44全体
が横方向に推移するスエー状態を検出し、このことを示
すスエー信号TW を出力する。前記スエー信号TW はブ
ロックB71でスエー低減に最適な値になるようにゲイ
ンK3 が乗算されてブロックB72に出力され、ブロッ
クB72で前記ブロックB62,B67と同様にローパ
スフィルタ処理が行われる。ブロックB72からの信号
はそれぞれ合成部B73,B74にて前、後側独立制御
信号C1 ,C2と加算され、加算された信号が合成部B
78,B79を介して目標減衰係数CとしてブロックB
64,B69に出力される。
【0026】同様にして、ブロックB61,B66から
出力される前、後側横速度V1 ,V2 は減算処理部(差
信号検出手段)B75にてその差が取られ、車体44の
鉛直軸44A周りの回転運動状態を検出し、そのことを
示すヨー信号TY を出力する。ヨー信号TY は、合成部
B76でゲインK4 を乗算されヨー低減に最適な値にさ
れた後に、ブロックB77でローパスフィルタ処理さ
れ、合成部B78で前側独立制御信号C1 を含むブロッ
クB73からの信号に加算されて目標減衰係数Cとして
ブロックB64に出力されると共に、合成部B79で後
側独立制御信号C2 を含む合成部B74からの信号から
減算され、減算して得られた信号が目標減衰係数Cとし
てブロックB69に出力される。
【0027】上述したように構成した鉄道車両用振動制
御装置では、車体44全体が横方向に推移するスエー状
態になると、このスエー運動に伴う前、後側横加速度α
1 ,α2 を前、後側の横加速度センサ48f,48rが
検出しブロックB60、ブロックB65が前、後側横速
度V1 ,V2 を求める。続いて、合成部B70が前、後
側横速度V1 ,V2 を加算処理して車体44が横方向に
推移したこと、すなわちスエー運動していることを検出
し、このことを示すスエー信号TW を出力する。このス
エー信号TW は合成部B73,B74にて前、後側独立
制御信号C1 ,C2 と加算され目標減衰係数Cとしてブ
ロックB64,B69に出力される。そして、ブロック
B64,B69で目標減衰係数Cに対応する制御信号θ
が求められ、この制御信号θに基づいて可動板25が回
動されて前、後側のダンパ4f,4rの減衰係数が設定
され制御信号θに応じた減衰係数が得られる。
【0028】この場合、スエー信号TW が前、後側独立
制御信号C1 ,C2 に加算されることにより、目標減衰
係数Cが調整される。そして、可動板25は図5の右側
部分(左側部分)に位置されるように回転され、これに
より前、後側のダンパ4f,4rの伸び側(縮み側)減
衰係数が大きくなる。このため、前、後側のダンパ4
f,4rは、前、後側の車体側ブラケット47f,47
rが前、後側の台車側ブラケット46f,46rに対し
て離反する方向(近づく方向)に変位すること、ひいて
は車体44がスエー運動するのが抑制されることにな
る。
【0029】次に、車体の変位について具体的に説明す
る。なお、説明の便宜上、図中右側を+(プラス)、左
側を−(マイナス)の方向とする。
【0030】例えば、図8及び表1に示すように、車体
44が右側に+2〔cm/s〕の速度でスエー運動する際、
ブロックB60、ブロックB65が前、後側横速度V
1 ,V2 としてそれぞれ+2〔cm/s〕を求め、合成部B
70が前、後側横速度V1 ,V2 の和である+4〔cm/
s〕に対応したスエー信号TW 分だけ、目標減衰係数C
ひいては前、後側のダンパ4f,4rの伸び側減衰係数
が大きくなる(縮み側減衰係数は小)。これにより、車
体44のスエー運動(車体44全体が図中右側へ推移す
ること)が抑制されることになる。
【0031】また、車体44が+2〔cm/s〕の速度でス
エー運動する場合を示したが、車体44が−2〔cm/s〕
の速度でスエー運動した場合は、ブロックB60、ブロ
ックB65が前、後側横速度V1 ,V2 としてそれぞれ
−2〔cm/s〕を求め、合成部B70が前、後側横速度V
1 ,V2 の和である−4〔cm/s〕に対応したスエー信号
W 分だけ、目標減衰係数Cひいては前、後側のダンパ
4f,4rの伸び側減衰係数が小さくなる。すなわち、
縮み側減衰係数が大きくなり、車体44のスエー運動
(車体44全体が図中左側へ推移すること)が抑制され
ることになる。
【0032】なお、図7において、合成部B70が前、
後側横速度V1 ,V2 の和を求めて、車体44の方向に
応じてそれぞれ+4、−4〔cm/s〕に対応したスエー信
号TW を出力するのと同時に、演算処理部B75でも
前、後側横速度V1 ,V2 の差を求めているが、車体4
4がスエー運動しているときは、前、後側横速度V1
2 の差は、0〔cm/s〕となり、結果としてヨー信号T
Y による減衰係数の調整は行われない。
【0033】
【0034】また、車体44が鉛直軸44Aの周りに回
転運動する状態では、ヨー運動に伴う前、後側横加速度
α1 ,α2 を前、後側の横加速度センサ48f,48r
が検出しブロックB60、ブロックB65が前、後側横
速度V1 ,V2 を求める。続いて、減算処理部B75が
前、後側横速度V1 ,V2 の減算処理を行い、車体44
が鉛直軸44A周りに回転運動する、すなわちヨー運動
を検出し、このことを示すヨー信号TY を出力する。こ
のヨー信号TY は、合成部B78で前側独立制御信号C
1 を含むブロックB73からの信号に加算されて目標減
衰係数CとしてブロックB64に出力されると共に、ブ
ロックB79で後側独立制御信号C2 を含むブロックB
74からの信号から減算され、減算して得られた信号が
目標減衰係数CとしてブロックB69に出力される。そ
して、ブロックB64,B69で目標減衰係数Cに対応
する制御信号θが求められ、この制御信号θに基づいて
可動板25が回動されて前、後側のダンパ4f,4rの
減衰係数が設定され制御信号θに応じた減衰係数が得ら
れる。
【0035】この場合、ヨー信号TY が前側独立制御信
号C1 に加算されることにより、その分、前側のダンパ
4fを対象とする目標減衰係数Cが調整されると共に、
ヨー信号TY が後側独立制御信号C2 を含むブロックB
74からの信号から減算され、後側のダンパ4rを対象
とする目標減衰係数Cが調整される。そして、前側のダ
ンパ4fの可動板25は図5の右側部分(左側部分)に
位置されるように回転され、これにより前側のダンパ4
fの伸び側減衰係数が大きくなると共に、後側のダンパ
4rの可動板25は図5の左側部分(右側部分)に位置
されるように回転され、これにより後側のダンパ4rの
縮み側(伸び側)減衰係数が大きくなる。このため、前
側のダンパ4fは、前側の車体側ブラケット47fが前
側の台車側ブラケット46fに対して離反する方向(近
づく方向)に変位することを抑制し、また、後側のダン
パ4rは、後側の車体側ブラケット47rが後側の台車
側ブラケット46rに近付く(離反する)ことを抑制
し、ひいては車体44がヨー運動するのが抑制されるこ
とになる。
【0036】例えば、図9及び表2に示すように、車体
44の前側が+2〔cm/s〕の速度で、また車体44の後
側が−2〔cm/s〕の速度となるようなヨー運動をする
際、ブロックB60、ブロックB65が表2に示すよう
に前、後側横速度V1 ,V2 としてそれぞれ、+2、−
2〔cm/s〕を求め、減算処理部B75が前、後側横速度
1 ,V2 の差として+4〔cm/s〕を求める。そして、
前、後側横速度V1 ,V2 の差である+4〔cm/s〕に対
応したヨー信号TY 分だけ、前側独立制御信号C1 に加
算され、前側のダンパ4fを対象とする目標減衰係数C
が大きくなると共に、同ヨー信号TY 分だけ、後側独立
制御信号C2 から減算され、後側のダンパ4rを対象と
する目標減衰係数Cが小さくなり、ひいては前側のダン
パ4fの伸び側減衰係数が大きくなり(縮み側減衰係数
は小)、後側のダンパ4rの縮み側減衰係数が大きくな
る(伸び側減衰係数は小)。これにより、車体44がヨ
ー運動するのが抑制されることになる。
【0037】また、車体44が時計まわり方向にヨー運
動する場合を示したが、車体44が反時計まわり方向に
ヨー運動する場合は、ブロックB60、ブロックB65
が前、後側横速度V1 ,V2 としてそれぞれ、−2、+
2〔cm/s〕を求め、減算処理部B75が前、後側横速度
1 ,V2 の差として−4〔cm/s〕を求める。そして、
前、後側横速度V1 ,V2 の差である−4〔cm/s〕に対
応したヨー信号TY 分だけ、前側独立制御信号C1 に加
算され、前側のダンパ4fを対象とする目標減衰係数C
が小さくなると共に、同ヨー信号TY 分だけ、後側独立
制御信号C2 から減算され、後側のダンパ4rを対象と
する目標減衰係数Cが大きくなり、ひいては前側のダン
パ4fの縮み側減衰係数が大きくなり(伸び側減衰係数
は小)、後側のダンパ4rの伸び側減衰係数が大きくな
る(縮み側減衰係数は小)。これにより、車体44がヨ
ー運動するのが抑制されることになる。
【0038】なお、図7において、減算処理部B75が
前、後側横速度V1 ,V2 の差を求めて、+4、−4
〔cm/s〕に対応したヨー信号TY を出力するのと同時
に、合成部B70でも前、後側横速度V1 ,V2 の和を
求めているが、車体44がヨー運動しているときは、
前、後側横速度V1 ,V2 の和は、0〔cm/s〕となり、
結果としてスエー信号TW による減衰係数の調整は行わ
れない。
【0039】
【0040】また、車体44が図10に示すようなスエ
ー運動及びヨー運動が組み合わされたような運動をする
際には、上述したスエー運動抑制制御及びヨー運動抑制
制御が合わせて行われ、車体44がスエー運動、ヨー運
動するのが抑制されることになる。
【0041】例えば、図10及び表3に示すように、車
体44の前側が+3〔cm/s〕の速度で、また車体44の
後側が+1〔cm/s〕の速度となるようにスエー運動及び
ヨー運動が組み合わされたような運動をする際、前、後
側横速度V1 ,V2 の和である+4〔cm/s〕に対応した
スエー信号TW 分だけ、車体44のスエー運動が抑制さ
れ、かつこれに合わせて前、後側横速度V1 ,V2 の差
である+2〔cm/s〕に対応したヨー信号TY 分だけ、車
体44がヨー運動するのが抑制されることになる。
【0042】
【0043】上記実施の形態では、前、後側の横加速度
センサ48f,48rで検出された前、後側横加速度α
1 ,α2 をブロック(前、後側の横速度検出手段)B6
0,B65で積分処理して前、後側横速度V1 ,V2
求める場合を例にしたが、これに代えて、前、後側の横
速度をそれぞれ検出する前、後側の横速度センサを設け
てもよい。
【0044】次に、本発明の第2実施の形態の鉄道車両
用振動制御装置を図11ないし図16に基づいて説明す
る。なお、図1、図2、図6ないし図10に示す部材、
部分と同等の部材、部分は、同等の符号を付し、その図
示、説明は適宜、省略する。
【0045】図11において、台車41は、平板状の台
車本体41aと、台車本体41aの左右端部に下方に向
けて屈曲、形成された台車ブラケット41bとからなっ
ている。車軸43の端部は軸受部材50に回動可能に支
持されている。軸受部材50と台車本体41aとの間、
軸受部材50と台車ブラケット41bとの間には、第
1、第2のスプリング51,52がそれぞれ介装されて
おり、車軸43に対して台車41を揺動可能に支持して
いる。台車41には、エアばねで構成されたばね部材4
5を介して車体44が水平方向及び上下方向に揺動可能
に支持されている。なお、図11中、53は鉄道車両を
載置案内する2本のレールである。
【0046】前側の台車側ブラケット46fと前側の車
体側ブラケット47fとの間、後側の台車側ブラケット
46rと後側の車体側ブラケット47rとの間には、構
成がそれぞれ同等の減衰係数可変型の前、後側のダンパ
4fA,4rAがそれぞれ介装されている。
【0047】前、後側のダンパ4fA,4rAは、図1
2に示すように、油液が封入された筒状のダンパ本体5
4と、ダンパ本体54に変位可能に収納されたピストン
55と、ピストン55に固定され一端部がダンパ本体5
4から突出するシャフト56と、ピストン55を含むダ
ンパ本体54内に設けられ、油液流路(図示省略)の調
整により減衰力を発生する減衰力発生機構(図示省略)
と、この減衰力発生機構を作動して減衰力を調整するバ
ルブ機構57と、後述する目標減衰係数Cに応じてバル
ブ機構57を駆動する比例ソレノイド58とからなって
いる。
【0048】この場合、前、後側の車体側ブラケット4
7f,47rにダンパ本体54が保持され、前、後側の
台車側ブラケット46f,46rにシャフト56の一端
側(ダンパ本体54の外側部分)が保持されており、車
体44の進行方向に対して水平横方向の運動を規制する
ようになっている。車体44の前、後側部分には、車体
44の進行方向に対して水平横方向の加速度を検出する
同等構成の前、後側の横加速度センサ48f,48rが
設けられている。横加速度センサ48f,48rは、図
19に示すようにセンサ本体59と、センサ本体59に
揺動可能に収納されている感知レバー60とを有したも
のになっており、感知レバー60の揺動方向と反対方向
にセンサ本体59が変位していることをその大きさと共
に検出する。前、後側の横加速度センサ48f,48r
及び前、後側のダンパ4fA,4rAの各比例ソレノイ
ド58に接続してコントローラ49Aが車体44に設け
られている。
【0049】前、後側のダンパ4fA,4rAは、図1
3、図14に示す減衰力特性を有している。ここで、図
13は、比例ソレノイド58に供給される電流Iに対す
るピストン55のスピード10cm/s のときの減衰力を
示したものである。前、後側のダンパ4fA,4rA
は、通常電流I2 では減衰力は、伸び側、縮み側共に小
さい値(ソフト)になっている。電流IをI2 からI1
へと小さくすると、減衰力特性は、縮み側減衰力を小さ
い(ソフト)状態で伸び側の減衰力が大きく(ハード
に)なる。これに対して、電流IをI2 からI3 へと大
きくしていくと、伸び側減衰力を小さい(ソフト)状態
で縮み側の減衰力が大きく(ハードに)なる。
【0050】また、図14は、ピストン55のスピード
に対する減衰力を示している。電流IがI1 からI2
間では、縮み側は、実線61に示すように略一定値の状
態で伸び側が実線62から実線63の間の減衰力を得る
ことになる。また、電流がI2 からI3 の間では、伸び
側減衰力は実線63に示すように略一定の状態で、縮み
側減衰力が実線61から実線64の間で可変になる。
【0051】コントローラ49Aは、図15に示すよう
にコントローラ49と同様にステップS31 ないしステッ
プS36 の処理を行う。そして、ステップS36 に続いて
前、後側横加速度信号α1 ,α2 に基づいて図16の演
算処理を行って、目標減衰係数Cを求め、これに対応す
る目標電流Iの決定を行い(ステップS37 )、次の制御
周期のステップS34 で目標電流Iに基づいて比例ソレノ
イド58、ひいてはバルブ機構57を駆動して減衰力発
生機構に所望の減衰力を発生させる。
【0052】ここで、上記ステップS37 の演算処理内容
を図16に基づいて説明する。まず、前側の横加速度セ
ンサ48fで検出された前側横加速度α1 はブロックB
60で積分処理され、これにより前側横速度V1 が得ら
れ、この前側横速度V1 がブロックB61に送られる。
ブロックB61ではカットオフ周波数を0.1HZ に設
定したハイパスフィルタ処理を実行しブロックB60の
積分誤差を除去する。
【0053】ブロックB61からの前側横速度V1 にブ
ロックB62で制御周波数帯域を制限するローパスフィ
ルタ処理を行う。ブロックB62でローパスフィルタ処
理を行うことにより、ノイズ成分などの余分な高周波成
分や非制御周波数領域を制限する。
【0054】ブロックB62のローパスフィルタ処理後
の信号に、ブロックB63でゲインK1 を乗算し制御量
の大きさを最適な値に設定して前側独立制御信号Cf
得る。この前側独立制御信号Cf が合成部B73を介し
て合成部B78に送られ目標減衰係数Cとしてブロック
B64に送られる。ブロックB64では、あらかじめ設
定された、目標電流Iとこれに対応する目標減衰係数C
とを示す情報(便宜上、図16のブロックB64中にこ
の情報を示すグラフを模式的に示している。この場合、
伸び側、縮み側についてハード側のデータを示し、ソフ
ト側のデータは省略している。)に、前記合成部B78
からの目標減衰係数Cをアドレスとして指定し、これに
対応する目標電流Iを求め、この目標電流Iを前側のダ
ンパ4fAの比例ソレノイド58に出力して前側の信号
処理が終了する。
【0055】上述した前側の信号処理と同様に後側の信
号処理が行われる。すなわち、後側の横加速度信号α2
についてブロックB65で積分処理されて後側横速度V
2 が得られる。この後側横速度V2 は、ブロックB66
でカットオフ周波数を0.1HZ に設定したハイパスフ
ィルタ処理されてブロックB65の積分誤差が除去さ
れ、ブロックB67で制御周波数帯域を制限するローパ
スフィルタ処理を行う。
【0056】ブロックB67のローパスフィルタ処理後
の信号に、ブロックB68でゲインK2 を乗算し後側独
立制御信号Cr を得る。この後側独立制御信号Cr が合
成部B74を介して合成部B79に送られ目標減衰係数
CとしてブロックB69に送られる。ブロックB69で
は、あらかじめ設定された、目標電流Iとこれに対応す
る目標減衰係数Cとを示す情報(便宜上、図16のブロ
ックB69中にこの情報を示すグラフを模式的に示して
いる。この場合、伸び側、縮み側についてハード側のデ
ータを示し、ソフト側のデータは省略している。)に、
前記合成部B79からの目標減衰係数Cをアドレスとし
て指定し、これに対応する目標電流Iを求め、この目標
電流Iを後側のダンパ4rAの比例ソレノイド58に出
力して後側の信号処理が終了する。
【0057】次に、前、後側横速度V1 ,V2 の加算/
減算によって求められる車体44のスエー(Sway)、ヨ
ー(Yaw )運動制御を説明する。ブロックB61,B6
6にて算出された前、後側横速度V1 ,V2 は合成部B
70にて加算され、車体44全体が横方向に推移するス
エー状態を検出し、このことを示すスエー信号TW を出
力する。
【0058】前記スエー信号TW はブロックB72に出
力され、ブロックB72で前記ブロックB62,B67
と同様にローパスフィルタ処理が行われ、この後、ブロ
ック(ハイパスフィルタ)B80を介してブロックB7
1でスエー低減に最適な値になるようにゲインK3 が乗
算される。ブロックB80ではカットオフ周波数を1〜
2HZ に設定したハイパスフィルタ処理を行う。ブロッ
クB71からの信号はそれぞれ合成部B73,B74に
て前、後側独立制御信号Cf ,Cr と加算され、加算さ
れた信号が合成部B78,B79を介して目標減衰係数
CとしてブロックB64,B69に出力される。
【0059】本実施の形態では、ブロックB70,B7
2,B71,B73などによりスエーモード制御系が構
成されており、ブロックB80がスエーモード制御系に
設けられたものになっている。そして、ブロックB80
はカットオフ周波数を1〜2HZ に設定したハイパスフ
ィルタ処理を行うことにより、曲線軌道走行時にカント
の影響により横加速度センサが定常横加速度(直流成
分)を含む横加速度信号を検出したような場合に、横加
速度信号のうち定常横加速度成分(直流成分)による積
分定数(横速度の直流成分)を確実にカットすることに
なる。
【0060】ここで、図19ないし図21に基づいて、
曲線軌道走行時に発生するカントの影響による定常横加
速度、及び定常横加速度の積分定数について説明する。
図19に示すように鉄道車両40が水平軌道を走行して
いる際に、車体が右方向に変位(スエー)すると、横加
速度センサ48f,48rのセンサ本体59に揺動可能
に収納されている感知レバー60は慣性力によって左方
向に撓み、これにより鉄道車両40が右方向にスエーし
ていることが横加速度センサに検出されることになる。
この場合、横加速度センサ48f,48rの検出信号に
基づいて上述したように演算処理及び制御が行われ、ダ
ンパ4fA,4rAは右方向変位に対してハード設定さ
れスエー運動を抑制することになる。
【0061】また、図20に示すように鉄道車両40が
曲線軌道を走行している際には、カントによって内側方
向の加速度(横加速度)が発生する。このカントによる
横加速度(定常横加速度)EK は、直線走行時のスエー
による横加速度(図21の振動波形成分)ES に対して
直流成分として重畳される。このため、横加速度センサ
48f,48rは、カント開始からカントによる横加速
度分だけ、徐々に大きくなる。横加速度センサ48f,
48rの検出信号はブロックB60,B61で積分され
て横速度が得られるが、この横速度も図21に破線で示
すように車体の横方向の変位(スエー)による横速度V
S に、カントで発生する定常横加速度E K による積分定
数VK が直流成分として重畳されたものになる。
【0062】前記ブロックB80は、上述したように定
常横加速度EK による積分定数VKを含む信号をブロッ
クB61,B70,B72を介して入力し、カットオフ
周波数を1〜2HZ に設定したハイパスフィルタ処理を
行うことにより、カットオフ周波数が0.1HZ のブロ
ックB61,B66に比してハイパスフィルタ処理の減
衰域が広がって、カントで発生した定常横加速度EK
よる積分定数(横速度の直流成分)VK を確実にカット
することになる。このため、カントの影響による乗り心
地の低下を防止することになる。
【0063】また、図16に示すように、ブロックB6
1,B66から出力される前、後側横速度V1 ,V2
減算処理部B75にてその差が取られ、車体44の鉛直
軸44A周りの回転運動状態を検出し、そのことを示す
ヨー信号TY を出力する。ヨー信号TY は、ブロックB
77でローパスフィルタ処理され、ブロックB76でゲ
インK4 を乗算されヨー低減に最適な値にされた後に、
合成部B78で前側独立制御信号Cf を含むブロックB
73からの信号に加算されて目標減衰係数Cとしてブロ
ックB64に出力されると共に、合成部B79で後側独
立制御信号Crを含む合成部B74からの信号から減算
され、減算して得られた信号が目標減衰係数Cとしてブ
ロックB69に出力される。
【0064】上述したように構成した鉄道車両用振動制
御装置では、水平軌道走行時に、車体44全体が横方向
に推移するスエー状態になると、このスエー運動に伴う
前、後側横加速度α1 ,α2 を前、後側の横加速度セン
サ48f,48rが検出しブロックB60、ブロックB
65が前、後側横速度V1 ,V2 を求める。続いて、合
成部B70が前、後側横速度V1 ,V2 を加算処理して
車体44が横方向に推移したこと、すなわちスエー運動
していることを検出し、このことを示すスエー信号TW
を出力する。このスエー信号TW は合成部B73,B7
4にて前、後側独立制御信号Cf ,Cr と加算され目標
減衰係数CとしてブロックB64,B69に出力され
る。そして、ブロックB64,B69で目標減衰係数C
に対応する目標電流Iが求められ、この目標電流Iに応
じて前、後側のダンパ4fA,4rAの比例ソレノイド
58が作動されて前、後側のダンパ4fA,4rAの減
衰係数が設定され目標電流Iに応じた減衰力が得られ
る。
【0065】この場合、スエー信号TW が前、後側独立
制御信号Cf ,Cr に加算されることにより、目標減衰
係数Cが調整され、前、後側のダンパ4fA,4rAの
伸び側(縮み側)減衰係数が大きくなる。このため、
前、後側のダンパ4fA,4rAは、前、後側の車体側
ブラケット47f,47rが前、後側の台車側ブラケッ
ト46f,46rに対して離反する方向(近づく方向)
に変位すること、ひいては車体44がスエー運動するの
が抑制されることになる。
【0066】鉄道車両40が曲線軌道を走行している際
には、カントによる横加速度(定常横加速度)EK によ
る積分定数(横速度の直流成分)VK は、ブロックB8
0が、カットオフ周波数を1〜2HZ に設定したハイパ
スフィルタ処理を行うことにより、確実にカットされ
る。このため、カントの影響による乗り心地の低下を防
止することになる。
【0067】図16に示すブロック線図では、ブロック
B73、ブロックB74に対してゲインK3 の乗算を行
うブロックB71が共通して用いられる場合を例にした
が、ブロックB71に代えて、図17に示すように、ブ
ロックB73の入力側、ブロックB74の入力側にそれ
ぞれ、ゲインK3FのブロックB81、ゲインK3Rのブロ
ックB82を設けてフロント側、リヤ側で独立してブロ
ックを設けてもよい。また、同様に図16のブロックB
76に代えて、図17に示すように、ブロックB78の
入力側、ブロックB79の入力側にそれぞれ、ゲインK
4FのブロックB83、ゲインK4RのブロックB84を設
けてフロント側、リヤ側で独立してブロックを設けても
よい。
【0068】上記第2実施の形態では、鉄道車両40が
2本のレール53を用いて走行されるものを例にした
が、本発明はこれに限られるものではなく、鉄道車両4
0がモノレールを用いて走行されるものであってもよ
い。このようにモノレールを用いて走行する鉄道車両4
0の一例として、例えば図18に示される鉄道車両40
がある。この鉄道車両40は、台車本体41aに一対の
ブラケット(以下、タイヤ支持用上側ブラケットとい
う。)65を設け、台車ブラケット41bに一対のブラ
ケット(以下、タイヤ支持用横方向ブラケットとい
う。)66を設け、タイヤ支持用上側ブラケット65及
びタイヤ支持用横方向ブラケット66のそれぞれに、タ
イヤ67が取り付けられた車軸43を回動可能に支持し
ている。そして、この鉄道車両40は、タイヤ支持用上
側ブラケット65のタイヤ67をモノレール68の上面
部に載置させると共に、タイヤ支持用横方向ブラケット
66のタイヤ67をモノレール68の側面部に当接させ
ることによりモノレール68に沿って走行する。
【0069】
【発明の効果】請求項1の発明は、和信号検出手段の検
出結果に基づいてスエー運動を抑制するように前、後側
のダンパの減衰係数が調整されるので、スエー運動が低
減されて車体の制振を図ることができると共に、和信号
検出手段の検出結果がスエー運動を示していないときに
は前、後側のダンパの減衰係数を小さい値に設定するこ
とが可能であり乗り心地の向上を図ることができる。
【0070】請求項2の発明は、差信号検出手段の検出
結果に基づいてヨー運動を抑制するように前、後側のダ
ンパの減衰係数が調整されるので、ヨー運動が低減され
て車体の制振を図ることができると共に、差信号検出手
段の検出結果がヨー運動を示していないときには前、後
側のダンパの減衰係数を小さい値に設定することが可能
であり乗り心地の向上を図ることができる。
【0071】請求項3の発明は、和信号検出手段の検出
結果及び差信号検出手段の検出結果に基づいてスエー運
動及びヨー運動を抑制するように前、後側のダンパの減
衰係数が調整されるので、スエー運動及びヨー運動が低
減されて車体の制振を図ることができると共に、和信号
検出手段、差信号検出手段の検出結果がスエー運動、ヨ
ー運動を示していないときには前、後側のダンパの減衰
係数を小さい値に設定することが可能であり乗り心地の
向上を図ることができる。
【0072】請求項4の発明は、鉄道車両が曲線軌道を
走行している際、カットオフ周波数を所定値以上に設定
したハイパスフィルタが、カントの影響で発生する横加
速度(定常横加速度)による積分定数(横速度の直流成
分)をカットすることが可能になる。このため、カント
の影響による乗り心地の低下を防止できる。さらに、ス
エー運動の低減を図ることができる。
【0073】請求項5の発明は、鉄道車両が曲線軌道を
走行している際、カットオフ周波数を所定値以上に設定
したハイパスフィルタが、カントの影響で発生する横加
速度(定常横加速度)による積分定数(横速度の直流成
分)をカットすることが可能になる。このため、カント
の影響による乗り心地の低下を防止できる。さらに、ス
エー運動及びヨー運動の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の鉄道車両用振動制御
装置を模式的に示す図である。
【図2】同鉄道車両用振動制御装置を上方向から模式的
に示す図である。
【図3】同鉄道車両用振動制御装置に用いる減衰係数可
変型ダンパを示す断面図である。
【図4】同減衰係数可変型ダンパに組み付けられる可動
板を示す平面図である。
【図5】同可動板の回転角度と、減衰係数との関係を示
す図である。
【図6】同鉄道車両用振動制御装置のコントローラの制
御内容を示すフローチャートである。
【図7】同コントローラのステップS37 の処理内容を模
式的に示すブロック線図である。
【図8】車体のスエー運動状態を模式的に示す図であ
る。
【図9】車体のヨー運動状態を模式的に示す図である。
【図10】車体のヨー運動及びスエー運動が組み合わさ
れた状態を模式的に示す図である。
【図11】本発明の第2実施の形態の鉄道車両用振動制
御装置を模式的に示す図である。
【図12】同鉄道車両用振動制御装置のダンパを模式的
に示す図である。
【図13】同ダンパの比例ソレノイド供給電流−減衰力
特性を示す図である。
【図14】同ダンパのピストンのスピード−減衰力特性
を示す図である。
【図15】同鉄道車両用振動制御装置のコントローラの
制御内容を示すフローチャートである。
【図16】同コントローラのステップS37 の処理内容を
模式的に示すブロック線図である。
【図17】図16に代えるコントローラのステップS37
の処理内容を模式的に示すブロック線図である。
【図18】図1、図11の鉄道車両に代えるモノレール
タイプの鉄道車両の一例を示す図である。
【図19】水平軌道を走行している際のスエー状態を模
式的に示す図である。
【図20】曲線軌道を走行している際のカントによる定
常横加速度の発生を示す図である。
【図21】カントで発生する定常横加速度、及び定常横
加速度による積分定数(横速度の直流成分)を示す図で
ある。
【符号の説明】
4f,4r 前、後側のダンパ 4fA,4rA 前、後側のダンパ 40 鉄道車両 41 台車 44 車体 48f,48r 前、後側の横加速度センサ 49 コントローラ B70 合成部(和信号検出手段) B75 減算処理部(差信号検出手段) B60 ブロック(前側の横速度検出手段) B65 ブロック(後側の横速度検出手段) B80 ハイパスフィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺
    動可能に支持された車体との間における進行方向の前、
    後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規
    制するようにそれぞれ介装された減衰係数調整可能の
    前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度
    を検出する前、後側の横速度検出手段と、前記車体の
    前、後側の水平横方向速度の和を求める和信号検出手段
    と、該和信号検出手段の検出結果に基づき、前記車体の
    スエー運動を抑制するように前記前、後側のダンパの減
    衰係数を調整するコントローラとを備えたことを特徴と
    する鉄道車両用振動制御装置。
  2. 【請求項2】 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺
    動可能に支持された車体との間における進行方向の前、
    後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規
    制するようにそれぞれ介装された減衰係数調整可能の
    前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度
    を検出する前、後側の横速度検出手段と、前記車体の
    前、後側の水平横方向速度の差を求める差信号検出手段
    と、該差信号検出手段の検出結果に基づき、前記車体の
    ヨー運動を抑制するように前記前、後側のダンパの減衰
    係数を調整するコントローラとを備えたことを特徴とす
    る鉄道車両用振動制御装置。
  3. 【請求項3】 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺
    動可能に支持された車体との間における進行方向の前、
    後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規
    制するようにそれぞれ介装された減衰係数調整可能の
    前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度
    を検出する前、後側の横速度検出手段と、前記車体の
    前、後側の水平横方向速度の和を求める和信号検出手段
    と、前記車体の前、後側の水平横方向速度の差を求める
    差信号検出手段と、前記和信号検出手段の検出結果及び
    前記差信号検出手段の検出結果に基づき、前記車体のス
    エー運動及びヨー運動を抑制するように前記前、後側の
    ダンパの減衰係数を調整するコントローラとを備えたこ
    とを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  4. 【請求項4】 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺
    動可能に支持された車体との間における進行方向の前、
    後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規
    制するようにそれぞれ介装された減衰係数調整可能の
    前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向加速
    度を検出する前、後側の横加速度検出センサと、該前、
    後側の横加速度検出センサの検出値を入力するコントロ
    ーラとからなり、コントローラは、前記前、後側の横加
    速度検出センサの検出値を積分して車体の前、後側の水
    平横方向速度を検出する積分回路と、前記車体の前、後
    側の水平横方向速度の和を求めこの検出結果に基づき、
    前記車体のスエー運動を抑制するためのスエー制御信号
    を出力して前記前、後側のダンパの減衰係数を調整させ
    るスエーモード制御系とを有し、該スエーモード制御系
    にカットオフ周波数が所定値以上のハイパスフィルタを
    備えたことを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  5. 【請求項5】 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺
    動可能に支持された車体との間における進行方向の前、
    後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規
    制するようにそれぞれ介装された減衰係数調整可能の
    前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向加速
    度を検出する前、後側の横加速度検出センサと、該前、
    後側の横加速度検出センサの検出値を入力するコントロ
    ーラとからなり、コントローラは、前記前、後側の横加
    速度検出センサの検出値を積分して車体の前、後側の水
    平横方向速度を検出する積分回路と、前記車体の前、後
    側の水平横方向速度の和を求めこの検出結果に基づき、
    前記車体のスエー運動を抑制するためのスエー制御信号
    を出力して前記前、後側のダンパの減衰係数を調整させ
    るスエーモード制御系と、前記車体の前、後側の水平横
    方向速度の差を求めこの検出結果に基づき、前記車体の
    ヨー運動を抑制するためのヨー制御信号を出力して前記
    前、後側のダンパの減衰係数を調整させるヨーモード制
    御系とを有し、前記スエーモード制御系にカットオフ周
    波数が所定値以上のハイパスフィルタを備えたことを特
    徴とする鉄道車両用振動制御装置。
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