JPH09198726A - 記録再生装置 - Google Patents
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- JPH09198726A JPH09198726A JP2469796A JP2469796A JPH09198726A JP H09198726 A JPH09198726 A JP H09198726A JP 2469796 A JP2469796 A JP 2469796A JP 2469796 A JP2469796 A JP 2469796A JP H09198726 A JPH09198726 A JP H09198726A
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- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B2005/0002—Special dispositions or recording techniques
- G11B2005/0005—Arrangements, methods or circuits
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B2005/0002—Special dispositions or recording techniques
- G11B2005/0005—Arrangements, methods or circuits
- G11B2005/0021—Thermally assisted recording using an auxiliary energy source for heating the recording layer locally to assist the magnetization reversal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 情報を原子レベルで磁気的に記録及び再生す
ることが可能な新規な記録・再生装置を提供する。 【解決手段】 記録再生装置は、単原子的な先端を有し
且つ反強磁性材料の探針40と、トンネル電流用電源2
5と、探針40を記録媒体45に対して相対的に走査す
る駆動装置27と、外部磁界を印加する磁気コイル26
を備える。磁気コイル26により磁界を印加しながら、
トンネル電流により磁性膜の記録領域を加熱して磁性膜
の磁化を反転させることによって情報を記録し、磁性膜
の磁化の方向に応じたトンネル電流を検出することによ
って情報を再生する。探針は反強磁性結合状態の磁性人
工格子膜材料から構成してもよい。探針3,40からの
漏洩磁界がないため記録情報が破壊されることはなく、
光導波路を有する探針を用いることにより記録媒体の表
面の凹凸にかかわらず磁化情報を再生できる。
ることが可能な新規な記録・再生装置を提供する。 【解決手段】 記録再生装置は、単原子的な先端を有し
且つ反強磁性材料の探針40と、トンネル電流用電源2
5と、探針40を記録媒体45に対して相対的に走査す
る駆動装置27と、外部磁界を印加する磁気コイル26
を備える。磁気コイル26により磁界を印加しながら、
トンネル電流により磁性膜の記録領域を加熱して磁性膜
の磁化を反転させることによって情報を記録し、磁性膜
の磁化の方向に応じたトンネル電流を検出することによ
って情報を再生する。探針は反強磁性結合状態の磁性人
工格子膜材料から構成してもよい。探針3,40からの
漏洩磁界がないため記録情報が破壊されることはなく、
光導波路を有する探針を用いることにより記録媒体の表
面の凹凸にかかわらず磁化情報を再生できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単原子的な先端を
有する探針と記録媒体の磁性膜との間にトンネル電流を
流して磁性膜表面の原子の磁化を反転させることにより
原子レベルで情報を記録し、記録された磁化の方向に応
じたトンネル電流を検出することによって情報を再生す
ることができる記録再生装置に関する。
有する探針と記録媒体の磁性膜との間にトンネル電流を
流して磁性膜表面の原子の磁化を反転させることにより
原子レベルで情報を記録し、記録された磁化の方向に応
じたトンネル電流を検出することによって情報を再生す
ることができる記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡は、単原子的な先
端を有する探針で被観測面上を走査しながら、探針と被
観測面との間を流れるトンネル電流を観測することによ
り被観測物の表面を2次元的に観測することができる装
置である。この装置では、トンネル電流が探針先端の原
子と被観測物表面の原子との間に流れるため、原子一個
一個を判別できる原子レベルの分解能で観測が可能であ
る。また、被観測面の物性によっても観測されるトンネ
ル電流は異なるので、走査型トンネル顕微鏡は被観測面
のモフォロジーだけでなく被観測面の種々の物性を分析
する手段として注目されている。特に、被観測面を構成
する原子一個一個について、その電子構造の分析を行う
研究が盛んに行われている。
端を有する探針で被観測面上を走査しながら、探針と被
観測面との間を流れるトンネル電流を観測することによ
り被観測物の表面を2次元的に観測することができる装
置である。この装置では、トンネル電流が探針先端の原
子と被観測物表面の原子との間に流れるため、原子一個
一個を判別できる原子レベルの分解能で観測が可能であ
る。また、被観測面の物性によっても観測されるトンネ
ル電流は異なるので、走査型トンネル顕微鏡は被観測面
のモフォロジーだけでなく被観測面の種々の物性を分析
する手段として注目されている。特に、被観測面を構成
する原子一個一個について、その電子構造の分析を行う
研究が盛んに行われている。
【0003】近年、被観測面上に凹凸を形成することに
よって情報を記録し、かかる凹凸を走査型トンネル顕微
鏡で観測することによって記録された情報を読み取る記
録再生方法が提案されている。走査型トンネル顕微鏡は
原子レベルの分解能を持つので、走査型トンネル顕微鏡
を用いた情報の記録再生が実現すると、情報の記憶密度
は従来の記憶装置に比べて桁違いに大きくなることが予
想される。
よって情報を記録し、かかる凹凸を走査型トンネル顕微
鏡で観測することによって記録された情報を読み取る記
録再生方法が提案されている。走査型トンネル顕微鏡は
原子レベルの分解能を持つので、走査型トンネル顕微鏡
を用いた情報の記録再生が実現すると、情報の記憶密度
は従来の記憶装置に比べて桁違いに大きくなることが予
想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
走査型トンネル顕微鏡装置では被観測面の電気的性質は
観測できるが、磁気的性質を観測することができなかっ
た。そこで、Wiesendangerらは、強磁性材料を走査型ト
ンネル顕微鏡の探針に用い、被観測面を構成する磁性体
の磁化の方向を原子レベルで観測することによって、磁
気特性の観測も原子レベルの2次元分解能にて可能であ
ることを示した(Wiesendanger, R., Guntherodt, H.
J., Guntherodt, G., Gambino, R.J. and Ruf, R. (199
0c). Phys. Rev. Lett. 65, 247)。Wiesendangerらの
実験によると、強磁性材料の探針から流れ出る電流は被
観測面の磁性体の磁化の向きにより電子のスピンの偏極
度が異なる。図5に示すように、この電子スピン偏極度
の相違により、磁性膜5を構成する原子30の磁化方向
31が探針9の磁化方向(図中、探針9内の矢印)と同
方向か反対方向かでトンネル電流の流れる性質が異な
り、トンネル電流を測定することで被観測面の磁化特性
を分析することができる。また、この現象は流れる電流
の向きが逆向きの場合でも同様に起こる。従って、磁性
膜表面の磁化分布状態の変化として記録された情報は、
Wiesendangerらの提案した走査型トンネル顕微鏡を用い
ることによって原子レベルで再生することが可能である
と考えられる。
走査型トンネル顕微鏡装置では被観測面の電気的性質は
観測できるが、磁気的性質を観測することができなかっ
た。そこで、Wiesendangerらは、強磁性材料を走査型ト
ンネル顕微鏡の探針に用い、被観測面を構成する磁性体
の磁化の方向を原子レベルで観測することによって、磁
気特性の観測も原子レベルの2次元分解能にて可能であ
ることを示した(Wiesendanger, R., Guntherodt, H.
J., Guntherodt, G., Gambino, R.J. and Ruf, R. (199
0c). Phys. Rev. Lett. 65, 247)。Wiesendangerらの
実験によると、強磁性材料の探針から流れ出る電流は被
観測面の磁性体の磁化の向きにより電子のスピンの偏極
度が異なる。図5に示すように、この電子スピン偏極度
の相違により、磁性膜5を構成する原子30の磁化方向
31が探針9の磁化方向(図中、探針9内の矢印)と同
方向か反対方向かでトンネル電流の流れる性質が異な
り、トンネル電流を測定することで被観測面の磁化特性
を分析することができる。また、この現象は流れる電流
の向きが逆向きの場合でも同様に起こる。従って、磁性
膜表面の磁化分布状態の変化として記録された情報は、
Wiesendangerらの提案した走査型トンネル顕微鏡を用い
ることによって原子レベルで再生することが可能である
と考えられる。
【0005】しかしながら、Wiesendangerらが試みた走
査型トンネル顕微鏡において、強磁性体の探針は大きな
漏洩磁場を発生するため、観測時に探針を被観測面に接
近させと被観測面の原子の磁化特性あるいはその分布を
変えてしまう。このため、この装置を用いて記録された
情報を再生しようとすると漏洩磁界により記録された情
報が破壊されてしまうという問題がある。
査型トンネル顕微鏡において、強磁性体の探針は大きな
漏洩磁場を発生するため、観測時に探針を被観測面に接
近させと被観測面の原子の磁化特性あるいはその分布を
変えてしまう。このため、この装置を用いて記録された
情報を再生しようとすると漏洩磁界により記録された情
報が破壊されてしまうという問題がある。
【0006】また、記録媒体の磁性膜表面に凹凸が存在
する場合、トンネル電流はその凹凸に起因する大きさと
磁化に起因する大きさとを同時に含む値として検出され
る。このため、トンネル電流から磁性膜の磁化情報だけ
を再生することが困難であるという問題がある。
する場合、トンネル電流はその凹凸に起因する大きさと
磁化に起因する大きさとを同時に含む値として検出され
る。このため、トンネル電流から磁性膜の磁化情報だけ
を再生することが困難であるという問題がある。
【0007】本発明の目的は、情報を原子レベルで磁気
的に記録及び再生することが可能な新規な記録・再生装
置を提供することにある。特に、磁気的に記録された情
報を破壊することなく原子レベルで読み出すことができ
るトンネル電流を利用した記録再生装置を提供すること
にある。
的に記録及び再生することが可能な新規な記録・再生装
置を提供することにある。特に、磁気的に記録された情
報を破壊することなく原子レベルで読み出すことができ
るトンネル電流を利用した記録再生装置を提供すること
にある。
【0008】また、本発明の別の目的は、記録媒体の磁
性膜表面の凹凸にかかわらず、トンネル電流を利用して
磁化情報を有効に再生できる記録再生装置を提供するこ
とにある。
性膜表面の凹凸にかかわらず、トンネル電流を利用して
磁化情報を有効に再生できる記録再生装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、磁性膜を有する記録媒体に情報を記録し、記録さ
れた情報を再生する装置であって、単原子的な先端を有
し且つ反強磁性材料から構成された探針と、上記探針と
上記磁性膜表面との間にトンネル電流を供給するための
手段と、上記探針を上記磁性膜表面に対して相対的に走
査する手段と、上記探針と上記磁性膜表面との間を流れ
るトンネル電流を検出する手段とを備え、上記トンネル
電流によって上記磁性膜の記録領域を加熱して該磁性膜
の磁化を反転させることによって情報を記録し、上記ト
ンネル電流検出手段により上記磁性膜の磁化の方向に応
じたトンネル電流を検出することによって情報を再生す
る記録再生装置が提供される。
えば、磁性膜を有する記録媒体に情報を記録し、記録さ
れた情報を再生する装置であって、単原子的な先端を有
し且つ反強磁性材料から構成された探針と、上記探針と
上記磁性膜表面との間にトンネル電流を供給するための
手段と、上記探針を上記磁性膜表面に対して相対的に走
査する手段と、上記探針と上記磁性膜表面との間を流れ
るトンネル電流を検出する手段とを備え、上記トンネル
電流によって上記磁性膜の記録領域を加熱して該磁性膜
の磁化を反転させることによって情報を記録し、上記ト
ンネル電流検出手段により上記磁性膜の磁化の方向に応
じたトンネル電流を検出することによって情報を再生す
る記録再生装置が提供される。
【0010】本発明の記録再生装置において、上記反強
磁性材料は、Fe,Co,Ni及びCrの元素並びにそ
の化合物からなる群から選ばれた一種であることが好ま
しい。上記探針を反強磁性的結合状態の磁性人工格子材
料から構成することもでき、Fe,Co及びNiからな
る群から選ばれた元素よりなる磁性層とCu,Au及び
Crからなる群から選ばれた元素よりなる非磁性層とを
積層してなる反強磁性的結合状態の磁性人工格子材料を
用いることが好ましい。
磁性材料は、Fe,Co,Ni及びCrの元素並びにそ
の化合物からなる群から選ばれた一種であることが好ま
しい。上記探針を反強磁性的結合状態の磁性人工格子材
料から構成することもでき、Fe,Co及びNiからな
る群から選ばれた元素よりなる磁性層とCu,Au及び
Crからなる群から選ばれた元素よりなる非磁性層とを
積層してなる反強磁性的結合状態の磁性人工格子材料を
用いることが好ましい。
【0011】本発明の記憶再生装置は、外部磁界を上記
磁性膜表面に印加するための磁界印加手段をさらに備え
ることが好ましく、該磁界印加手段により記録の際に記
録する情報に応じた磁界を上記磁性膜表面の記録領域に
印加することができる。
磁性膜表面に印加するための磁界印加手段をさらに備え
ることが好ましく、該磁界印加手段により記録の際に記
録する情報に応じた磁界を上記磁性膜表面の記録領域に
印加することができる。
【0012】本発明の記録再生装置によれば、情報の記
録の際には、探針と記録媒体である磁性膜との間にトン
ネル電流を流すことによって磁性膜表面の温度を局部的
に上昇させ、磁性膜の保磁力を低下させるとともに、外
部から磁界を印加することによって(あるいは磁性膜の
磁区からの内部磁界を利用して)該トンネル電流が流れ
た部分の磁化を磁界方向に反転させる熱磁気記録が用い
られる。また、情報の再生を行うには、情報が記録され
た磁性膜上を探針で走査しながら探針と磁性膜間を流れ
るトンネル電流を検出する。検出されるトンネル電流は
磁性膜の磁化の向きに応じて変化するので、記録された
磁化情報をトンネル電流の変化から再生することができ
る。本発明の記録再生装置では、探針に反強磁性材料ま
たは反強磁性結合状態の磁性人工格子膜材料を用いてい
るので以下に説明するように探針からの漏洩磁界が殆ど
なく、記録または再生の際に記録された情報を破壊する
ことはない。
録の際には、探針と記録媒体である磁性膜との間にトン
ネル電流を流すことによって磁性膜表面の温度を局部的
に上昇させ、磁性膜の保磁力を低下させるとともに、外
部から磁界を印加することによって(あるいは磁性膜の
磁区からの内部磁界を利用して)該トンネル電流が流れ
た部分の磁化を磁界方向に反転させる熱磁気記録が用い
られる。また、情報の再生を行うには、情報が記録され
た磁性膜上を探針で走査しながら探針と磁性膜間を流れ
るトンネル電流を検出する。検出されるトンネル電流は
磁性膜の磁化の向きに応じて変化するので、記録された
磁化情報をトンネル電流の変化から再生することができ
る。本発明の記録再生装置では、探針に反強磁性材料ま
たは反強磁性結合状態の磁性人工格子膜材料を用いてい
るので以下に説明するように探針からの漏洩磁界が殆ど
なく、記録または再生の際に記録された情報を破壊する
ことはない。
【0013】図2に示すように、反強磁性材料で構成さ
れた探針40は、層状に配列した原子の磁化が互いに逆
向きとなっている。このため、探針全体では磁化が一定
の方向を向くことがなく、探針からの漏洩磁界は殆どな
い。一方、探針40の先端から磁性膜5に流れるトンネ
ル電流のスピン偏極度は探針40の先端の1個の原子の
磁化の向きに依存するので、探針40の先端原子の磁化
の向きにより決定される電子スピンの偏極度を有するス
ピン偏極したトンネル電流を発生する。このため、磁性
膜5上のトンネル電流が流れる原子30の磁化が探針4
0の先端の原子の磁化と同方向か反対方向かでトンネル
電流の電流値が異なり、これにより磁性膜5を構成する
原子30の磁化情報をトンネル電流から読み出すことが
できる。
れた探針40は、層状に配列した原子の磁化が互いに逆
向きとなっている。このため、探針全体では磁化が一定
の方向を向くことがなく、探針からの漏洩磁界は殆どな
い。一方、探針40の先端から磁性膜5に流れるトンネ
ル電流のスピン偏極度は探針40の先端の1個の原子の
磁化の向きに依存するので、探針40の先端原子の磁化
の向きにより決定される電子スピンの偏極度を有するス
ピン偏極したトンネル電流を発生する。このため、磁性
膜5上のトンネル電流が流れる原子30の磁化が探針4
0の先端の原子の磁化と同方向か反対方向かでトンネル
電流の電流値が異なり、これにより磁性膜5を構成する
原子30の磁化情報をトンネル電流から読み出すことが
できる。
【0014】本発明の記録再生装置では、探針の材料と
して反強磁性材料の代わりに反強磁性結合状態の磁性人
工格子膜を用いることができる。磁性人工格子膜は、膜
設計条件により図3(a) に示すように、磁性層1の各々
の磁化33が非磁性層2を介して互いに平行を向く強磁
性的結合状態と、図3(b) に示すように、磁性層1の各
々の磁化33が非磁性層2を介して互いに反平行を向く
反強磁性的結合状態との2種類の結合状態で形成するこ
とができる。このうち、本発明の記録再生装置では、探
針材料に図3(b) に示す反強磁性的結合状態の磁性人工
格子膜を用いる。図4に反強磁性的結合状態の磁性人工
格子膜で探針を構成した場合の探針3と磁性膜5との位
置関係を概念的に示す。この場合、探針3の最も近い磁
性層1同士の磁化33は互いに反平行になるので、探針
先端部4を除く探針の本体部においては磁化が全体とし
て打ち消し合い、強磁性材料を用いた探針に比べて外部
に発生する漏洩磁場は極めて小さくなる。一方、探針先
端部4を流れるトンネル電流のスピン偏極度は、前記の
反強磁性材料を用いた場合と同様に、先端の原子の磁化
方向35に依存するため、探針の真下にある磁性膜の原
子5(トンネル電流が流れる原子)の磁化が探針3の先
端部4の原子の磁化35と同方向か反対方向かでトンネ
ル電流の電流値が異なる。従って、探針3を磁性膜30
上で走査しながらトンネル電流を測定することにより磁
性膜5の磁化情報を2次元的に且つ原子レベルで再生す
ることが可能になる。さらに、再生時に、前記のように
探針からの漏洩磁場が極めて小さいために、強磁性材料
の探針を用いた場合と異なり、記録された磁化情報を破
壊することなく再生することができる。
して反強磁性材料の代わりに反強磁性結合状態の磁性人
工格子膜を用いることができる。磁性人工格子膜は、膜
設計条件により図3(a) に示すように、磁性層1の各々
の磁化33が非磁性層2を介して互いに平行を向く強磁
性的結合状態と、図3(b) に示すように、磁性層1の各
々の磁化33が非磁性層2を介して互いに反平行を向く
反強磁性的結合状態との2種類の結合状態で形成するこ
とができる。このうち、本発明の記録再生装置では、探
針材料に図3(b) に示す反強磁性的結合状態の磁性人工
格子膜を用いる。図4に反強磁性的結合状態の磁性人工
格子膜で探針を構成した場合の探針3と磁性膜5との位
置関係を概念的に示す。この場合、探針3の最も近い磁
性層1同士の磁化33は互いに反平行になるので、探針
先端部4を除く探針の本体部においては磁化が全体とし
て打ち消し合い、強磁性材料を用いた探針に比べて外部
に発生する漏洩磁場は極めて小さくなる。一方、探針先
端部4を流れるトンネル電流のスピン偏極度は、前記の
反強磁性材料を用いた場合と同様に、先端の原子の磁化
方向35に依存するため、探針の真下にある磁性膜の原
子5(トンネル電流が流れる原子)の磁化が探針3の先
端部4の原子の磁化35と同方向か反対方向かでトンネ
ル電流の電流値が異なる。従って、探針3を磁性膜30
上で走査しながらトンネル電流を測定することにより磁
性膜5の磁化情報を2次元的に且つ原子レベルで再生す
ることが可能になる。さらに、再生時に、前記のように
探針からの漏洩磁場が極めて小さいために、強磁性材料
の探針を用いた場合と異なり、記録された磁化情報を破
壊することなく再生することができる。
【0015】本発明の第2の態様に従えば、磁性膜を有
する記録媒体に情報を記録し、記録された情報を再生す
る装置であって、光を探針先端部に伝播する光導波路を
探針内部に有し且つ探針の少なくとも先端部に磁性層が
形成されてなる探針と、上記光導波路に光を供給するた
めの光源と、上記探針と上記磁性膜表面との間にトンネ
ル電流を供給するための手段と、上記探針を上記磁性膜
表面に対して相対的に走査する手段と、上記探針と上記
磁性膜表面との間を流れるトンネル電流を検出する手段
とを備え、上記トンネル電流によって上記磁性膜の記録
領域を加熱して該磁性膜の磁化を反転させることによっ
て情報を記録し、上記トンネル電流検出手段により上記
磁性膜の磁化の方向に応じたトンネル電流を検出するこ
とによって情報を再生する記録再生装置が提供される。
この記録再生装置において、上記光源からの光を光導波
路を介して探針先端部の磁性層に供給することによって
磁性が消失する温度にまで磁性層を加熱しながら再生を
行うことができる。
する記録媒体に情報を記録し、記録された情報を再生す
る装置であって、光を探針先端部に伝播する光導波路を
探針内部に有し且つ探針の少なくとも先端部に磁性層が
形成されてなる探針と、上記光導波路に光を供給するた
めの光源と、上記探針と上記磁性膜表面との間にトンネ
ル電流を供給するための手段と、上記探針を上記磁性膜
表面に対して相対的に走査する手段と、上記探針と上記
磁性膜表面との間を流れるトンネル電流を検出する手段
とを備え、上記トンネル電流によって上記磁性膜の記録
領域を加熱して該磁性膜の磁化を反転させることによっ
て情報を記録し、上記トンネル電流検出手段により上記
磁性膜の磁化の方向に応じたトンネル電流を検出するこ
とによって情報を再生する記録再生装置が提供される。
この記録再生装置において、上記光源からの光を光導波
路を介して探針先端部の磁性層に供給することによって
磁性が消失する温度にまで磁性層を加熱しながら再生を
行うことができる。
【0016】記録媒体の磁性膜上に凹凸が多く、再生さ
れるトンネル電流が磁化情報の寄与よりもモフォロジー
による寄与が大きくなるような場合は、磁性膜の磁化情
報だけを分離して再生することが困難となる。本発明で
は、先端を先鋭化した光導波路を内部に有し、その光導
波路の先端部あるいは先端部及びその周辺部に磁性材料
が形成された探針を用いることによって磁性層の磁化情
報をモフォロジーに関する情報から分離して再生するこ
とができる。すなわち、図6に示すように、探針40の
内部を光導波路51とし、その先端部に磁性材料からな
る磁性層52を形成する。この光導波路51に光を入射
すると光導波路51の先端部に光が集光するので先端部
の磁性層52の温度を上昇させることができる。磁性材
料にはその磁性(保磁力)を失う温度(キュリー温度、
ネール温度)があるため、この温度以上に先端部の磁性
層52を加熱することによってその磁性を消失させるこ
とができる。従って、光導波路51に光入射してキュリ
ー温度以上に磁性層52を加熱しながら、磁性膜を再生
すれば磁化情報が寄与していないトンネル電流を検出す
ることが可能となる。このようにして検出したトンネル
電流は記録媒体の磁性膜のモフォロジーのみに起因した
トンネル電流であるので、このトンネル電流値を光導波
路51に光を入射させずに再生した場合のトンネル電流
値から差し引くことにより、記録媒体の磁化のみに起因
するトンネル電流を得ることができる。それゆえ、記録
媒体の磁性層表面に凹凸が存在しても記録媒体の磁化情
報のみを再生することが可能となる。
れるトンネル電流が磁化情報の寄与よりもモフォロジー
による寄与が大きくなるような場合は、磁性膜の磁化情
報だけを分離して再生することが困難となる。本発明で
は、先端を先鋭化した光導波路を内部に有し、その光導
波路の先端部あるいは先端部及びその周辺部に磁性材料
が形成された探針を用いることによって磁性層の磁化情
報をモフォロジーに関する情報から分離して再生するこ
とができる。すなわち、図6に示すように、探針40の
内部を光導波路51とし、その先端部に磁性材料からな
る磁性層52を形成する。この光導波路51に光を入射
すると光導波路51の先端部に光が集光するので先端部
の磁性層52の温度を上昇させることができる。磁性材
料にはその磁性(保磁力)を失う温度(キュリー温度、
ネール温度)があるため、この温度以上に先端部の磁性
層52を加熱することによってその磁性を消失させるこ
とができる。従って、光導波路51に光入射してキュリ
ー温度以上に磁性層52を加熱しながら、磁性膜を再生
すれば磁化情報が寄与していないトンネル電流を検出す
ることが可能となる。このようにして検出したトンネル
電流は記録媒体の磁性膜のモフォロジーのみに起因した
トンネル電流であるので、このトンネル電流値を光導波
路51に光を入射させずに再生した場合のトンネル電流
値から差し引くことにより、記録媒体の磁化のみに起因
するトンネル電流を得ることができる。それゆえ、記録
媒体の磁性層表面に凹凸が存在しても記録媒体の磁化情
報のみを再生することが可能となる。
【0017】図6に示したような光導波路51を有し且
つ先端に磁性層52を有する探針を用いる場合には、磁
性層として、Fe,Co,Ni等の強磁性材料またはフ
ェリ磁性材料、Fe,Co,Ni,Cr等の反強磁性材
料を用いることができ、一層漏洩磁界を低減するため
に、反強磁性材料または反強磁性的結合状態の磁性人工
格子材料を用いることが好ましい。
つ先端に磁性層52を有する探針を用いる場合には、磁
性層として、Fe,Co,Ni等の強磁性材料またはフ
ェリ磁性材料、Fe,Co,Ni,Cr等の反強磁性材
料を用いることができ、一層漏洩磁界を低減するため
に、反強磁性材料または反強磁性的結合状態の磁性人工
格子材料を用いることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の記録再生装置の実施の形
態を図面を参照しながら説明する。図1に本発明に従う
記録再生装置の一具体例の概略構造を示す。この記録再
生装置は、探針40と、探針40をX,Y及びZ方向に
微動する探針駆動装置20と、トンネル電流用電源25
と、外部磁界を印加するための磁気コイル26と、情報
の記録及び再生のためにトンネル電流及び外部磁界を制
御する制御装置24と、記録媒体駆動装置27とから主
に構成することができる。探針40の先端部と記録媒体
45との間隔が約10mm以下になるように探針駆動装
置20により探針40を記録媒体45に対して配置す
る。トンネル電流用電源25は、探針40と記録媒体4
5間に一定の記録用及び再生用のトンネル電圧を印加す
るための電源であるとともに、再生時にトンネル電流値
を検出するトンネル電流計(図示せず)を備える。磁気
コイル26は、磁気コイル駆動電源28により駆動され
て記録時に記録媒体45に記録情報に応じた方向の外部
磁界を印加する。制御装置24は、記録時に記録情報4
6に応じてトンネル電流と外部磁界が同期して印加され
るようにトンネル電流用電源25及び磁気コイル駆動電
源28を制御する。記録媒体駆動装置27は、記録媒体
の形に応じてターンテーブル等で構成することができ、
情報の記録及び再生時に記録媒体45を探針40に対し
て移動させる。
態を図面を参照しながら説明する。図1に本発明に従う
記録再生装置の一具体例の概略構造を示す。この記録再
生装置は、探針40と、探針40をX,Y及びZ方向に
微動する探針駆動装置20と、トンネル電流用電源25
と、外部磁界を印加するための磁気コイル26と、情報
の記録及び再生のためにトンネル電流及び外部磁界を制
御する制御装置24と、記録媒体駆動装置27とから主
に構成することができる。探針40の先端部と記録媒体
45との間隔が約10mm以下になるように探針駆動装
置20により探針40を記録媒体45に対して配置す
る。トンネル電流用電源25は、探針40と記録媒体4
5間に一定の記録用及び再生用のトンネル電圧を印加す
るための電源であるとともに、再生時にトンネル電流値
を検出するトンネル電流計(図示せず)を備える。磁気
コイル26は、磁気コイル駆動電源28により駆動され
て記録時に記録媒体45に記録情報に応じた方向の外部
磁界を印加する。制御装置24は、記録時に記録情報4
6に応じてトンネル電流と外部磁界が同期して印加され
るようにトンネル電流用電源25及び磁気コイル駆動電
源28を制御する。記録媒体駆動装置27は、記録媒体
の形に応じてターンテーブル等で構成することができ、
情報の記録及び再生時に記録媒体45を探針40に対し
て移動させる。
【0019】記録媒体45は、磁性膜を有するものであ
れば種々の媒体を採用することができ、例えば、非磁性
の基板上にハードディスクや光磁気ディスクに用いられ
る磁性材料、例えば、Tb−Fe−Co等のアモルファ
ス希土類・遷移金属合金の垂直磁化膜を成膜することで
形成することができる。その形状もディスク状等の種々
の形にし得る。
れば種々の媒体を採用することができ、例えば、非磁性
の基板上にハードディスクや光磁気ディスクに用いられ
る磁性材料、例えば、Tb−Fe−Co等のアモルファ
ス希土類・遷移金属合金の垂直磁化膜を成膜することで
形成することができる。その形状もディスク状等の種々
の形にし得る。
【0020】図1に示した記録再生装置の探針部分を図
2を参照しながら説明する。図2に示した探針40は、
例えば、Fe,Co,Ni,Cr等の元素あるいはその
化合物等の反強磁性体から構成されている。反強磁性材
料で構成された探針は、同図に示すように、前後に配列
した原子層の磁化が互いに逆向きとなっているため、探
針全体では磁化が一定の方向を向くことがなく、探針4
0からの漏洩磁界は殆どない。かかる反強磁性体の探針
40は種々の方法により製造することができ、例えば、
Cr単結晶をエッチングやイオンビームを用いて図2に
示したように先端部を先細り形状となるように加工すれ
ばよい。この加工には集束イオンビーム(FIB)加工
装置を用いるのが有利である。
2を参照しながら説明する。図2に示した探針40は、
例えば、Fe,Co,Ni,Cr等の元素あるいはその
化合物等の反強磁性体から構成されている。反強磁性材
料で構成された探針は、同図に示すように、前後に配列
した原子層の磁化が互いに逆向きとなっているため、探
針全体では磁化が一定の方向を向くことがなく、探針4
0からの漏洩磁界は殆どない。かかる反強磁性体の探針
40は種々の方法により製造することができ、例えば、
Cr単結晶をエッチングやイオンビームを用いて図2に
示したように先端部を先細り形状となるように加工すれ
ばよい。この加工には集束イオンビーム(FIB)加工
装置を用いるのが有利である。
【0021】探針は、図2に示した反強磁性体の探針4
0の代わりに、図4に示したように、反強磁性結合状態
の磁性人工格子膜材料の探針3を用いることもできる。
図4に示した探針3は、磁性層1と非磁性層2とが探針
の長手方向に交互に積層しており且つ上下の磁性層の磁
化の向きが互いに逆向きである反強磁性結合状態の磁性
人工格子膜で構成されている。磁性層1としては、F
e,CoまたはNi等の磁性元素から構成することがで
き、非磁性層2としては、Cu,Au,Cr等の金属元
素から構成することができる。Feはトンネル電流のス
ピン偏極度が最も大きく、トンネル電流変化の検出感度
が高くなるという理由から、Feを磁性層1に用いるの
が好ましい。磁性層1および非磁性層2の好ましい組み
合わせとして、例えば、Fe/Cu,Fe/Au,Fe
/Cr,Co/Cu,Co/Auが挙げられる。磁性層
1と非磁性層2との厚みは、一般に数オングストローム
から数十オングストロームであり、両層の厚みの適宜調
節することにより反強磁性結合状態の磁性人工格子を形
成することができる。例えば、磁性層1にFeを、非磁
性層2にCrを用いる場合、前者を30オングストーム
程度とし、後者を9オングストーム程度とすることによ
って反強磁性結合状態の磁性人工格子膜を得ることがで
きる。
0の代わりに、図4に示したように、反強磁性結合状態
の磁性人工格子膜材料の探針3を用いることもできる。
図4に示した探針3は、磁性層1と非磁性層2とが探針
の長手方向に交互に積層しており且つ上下の磁性層の磁
化の向きが互いに逆向きである反強磁性結合状態の磁性
人工格子膜で構成されている。磁性層1としては、F
e,CoまたはNi等の磁性元素から構成することがで
き、非磁性層2としては、Cu,Au,Cr等の金属元
素から構成することができる。Feはトンネル電流のス
ピン偏極度が最も大きく、トンネル電流変化の検出感度
が高くなるという理由から、Feを磁性層1に用いるの
が好ましい。磁性層1および非磁性層2の好ましい組み
合わせとして、例えば、Fe/Cu,Fe/Au,Fe
/Cr,Co/Cu,Co/Auが挙げられる。磁性層
1と非磁性層2との厚みは、一般に数オングストローム
から数十オングストロームであり、両層の厚みの適宜調
節することにより反強磁性結合状態の磁性人工格子を形
成することができる。例えば、磁性層1にFeを、非磁
性層2にCrを用いる場合、前者を30オングストーム
程度とし、後者を9オングストーム程度とすることによ
って反強磁性結合状態の磁性人工格子膜を得ることがで
きる。
【0022】図4に示したような反強磁性結合状態の磁
性人工格子膜材料よりなる探針は種々の方法により製造
することができる。例えば、直径1mm前後で長さが1
0mm以下の円筒状のタングステンや白金棒を用意し、
スパッタリングや蒸着法等のドライプロセスで磁性材料
及び非磁性材料を棒の先端部に所定の厚さで交互に成膜
する。次いで、エッチングやイオンビームを用いて先端
部を先細り形状となるように加工することができる。こ
の加工には集束イオンビーム(FIB)加工装置を用い
るのが有利である。あるいは、最初から先細り形状のタ
ングステンの探針(例えば、走査型トンネル顕微鏡装置
で使用される探針を用いることができる)を用意して、
それをスパッタ装置や蒸着装置中で前記のように磁性材
料と非磁性材料とを交互に成膜することによっても製造
することができる。この場合、探針の外周に沿って磁性
層と非磁性層が交互に積層された反強磁性結合状態の磁
性人工格子膜を有する探針が得られる。
性人工格子膜材料よりなる探針は種々の方法により製造
することができる。例えば、直径1mm前後で長さが1
0mm以下の円筒状のタングステンや白金棒を用意し、
スパッタリングや蒸着法等のドライプロセスで磁性材料
及び非磁性材料を棒の先端部に所定の厚さで交互に成膜
する。次いで、エッチングやイオンビームを用いて先端
部を先細り形状となるように加工することができる。こ
の加工には集束イオンビーム(FIB)加工装置を用い
るのが有利である。あるいは、最初から先細り形状のタ
ングステンの探針(例えば、走査型トンネル顕微鏡装置
で使用される探針を用いることができる)を用意して、
それをスパッタ装置や蒸着装置中で前記のように磁性材
料と非磁性材料とを交互に成膜することによっても製造
することができる。この場合、探針の外周に沿って磁性
層と非磁性層が交互に積層された反強磁性結合状態の磁
性人工格子膜を有する探針が得られる。
【0023】さらに、本発明の記録再生装置に用い得る
探針の別の形態を図6に示す。図6に示した探針40は
内部に光ファイバ等の光導波路51を有し、先鋭化した
光導波路51の先端部55に磁性層52を備える。光導
波路51の先端部55以外の外周には金属膜53が被覆
されている。図6の探針を用いる場合には、情報の再生
時に、光導波路51の先鋭化されていない端部からレー
ザ光等の光を導入し、磁性層52をそのキュリー温度以
上に加熱してその磁性を消失せしめる。この状態で探針
40を被観測面5上で走査し、被観測面5との間に流れ
るトンネル電流を観測することで被観測面のモフォロジ
ー(凹凸)に起因する電流値を求めることができる。次
いで、光を光導波路51に導入せずに、すなわち、磁性
層52を光により加熱せずにトンネル電流を同様に観測
し、そのトンネル電流値から先に観測したモフォロジー
に起因するトンネル電流値を差し引くことにより、記録
媒体の磁性に起因する電流値のみを求めることができ
る。従って、図6に示した探針を用いると、記録媒体の
磁性膜に凹凸が存在しても磁性膜の磁化情報を有効に再
生することができる。
探針の別の形態を図6に示す。図6に示した探針40は
内部に光ファイバ等の光導波路51を有し、先鋭化した
光導波路51の先端部55に磁性層52を備える。光導
波路51の先端部55以外の外周には金属膜53が被覆
されている。図6の探針を用いる場合には、情報の再生
時に、光導波路51の先鋭化されていない端部からレー
ザ光等の光を導入し、磁性層52をそのキュリー温度以
上に加熱してその磁性を消失せしめる。この状態で探針
40を被観測面5上で走査し、被観測面5との間に流れ
るトンネル電流を観測することで被観測面のモフォロジ
ー(凹凸)に起因する電流値を求めることができる。次
いで、光を光導波路51に導入せずに、すなわち、磁性
層52を光により加熱せずにトンネル電流を同様に観測
し、そのトンネル電流値から先に観測したモフォロジー
に起因するトンネル電流値を差し引くことにより、記録
媒体の磁性に起因する電流値のみを求めることができ
る。従って、図6に示した探針を用いると、記録媒体の
磁性膜に凹凸が存在しても磁性膜の磁化情報を有効に再
生することができる。
【0024】図6に示した探針を用いる場合、磁性層5
2を構成する磁性材料としては、種々のものを使用する
ことができ、Fe,Co,Ni等の強磁性材料またはフ
ェリ磁性材料、Fe,Co,Ni,Cr等の反強磁性材
料を使用することができる。図6に示したように、磁性
層52を探針40の先端部55だけに設ける場合は、強
磁性材料を用いても漏洩磁界は比較的少ない。漏洩磁界
を一層低減するために反強磁性材料を使用することが好
ましい。特に、図4の探針3を構成する磁性層1と非磁
性層2の材料として例示したような組合せの反強磁性的
結合状態の磁性人工格子材料を使用するのが好ましい。
2を構成する磁性材料としては、種々のものを使用する
ことができ、Fe,Co,Ni等の強磁性材料またはフ
ェリ磁性材料、Fe,Co,Ni,Cr等の反強磁性材
料を使用することができる。図6に示したように、磁性
層52を探針40の先端部55だけに設ける場合は、強
磁性材料を用いても漏洩磁界は比較的少ない。漏洩磁界
を一層低減するために反強磁性材料を使用することが好
ましい。特に、図4の探針3を構成する磁性層1と非磁
性層2の材料として例示したような組合せの反強磁性的
結合状態の磁性人工格子材料を使用するのが好ましい。
【0025】図6に示した構造の探針40は以下のよう
にして製造することができる。ガラスあるいはプラスチ
ック製の光ファイバの先端を集束イオンビーム(FI
B)装置を用いて先鋭化することによって光導波路51
を作製する。プラスチック製の光ファイバを用いる場合
には、化学エッチングによる先鋭化も可能である。図示
したように光導波路51の先端部55だけに磁性材料を
形成する場合には、先鋭化した光ファイバの周囲にA
l,Cu等の金属元素をスパッタ装置や蒸着装置で金属
膜を積層する。次いで、レジスト材を光ファイバの周囲
に塗布する。先端部を集束イオンビーム装置でエッチン
グしてレジスト材と金属膜を除去し、Fe:Co等の磁
性材料をスパッタ法や蒸着法等で積層する。この後、レ
ジスト材をリフトオフ法で除去すると図6に示したよう
な探針を得る。また、光ファイバの先端部のみならずそ
の周辺部にも磁性材料を積層する場合には、先鋭化した
光ファイバに、直接、磁性材料をスパッタ法や蒸着法で
積層することにより図7に示したような断面構造の探針
を製造することができる。図6及び図7の探針構造にお
いて、磁性層52として反強磁性結合状態の磁性人工格
子材料の層を用いる場合には、前述のようにスパッタ法
や蒸着法で磁性層と非磁性層とを交互に積層することが
できる。
にして製造することができる。ガラスあるいはプラスチ
ック製の光ファイバの先端を集束イオンビーム(FI
B)装置を用いて先鋭化することによって光導波路51
を作製する。プラスチック製の光ファイバを用いる場合
には、化学エッチングによる先鋭化も可能である。図示
したように光導波路51の先端部55だけに磁性材料を
形成する場合には、先鋭化した光ファイバの周囲にA
l,Cu等の金属元素をスパッタ装置や蒸着装置で金属
膜を積層する。次いで、レジスト材を光ファイバの周囲
に塗布する。先端部を集束イオンビーム装置でエッチン
グしてレジスト材と金属膜を除去し、Fe:Co等の磁
性材料をスパッタ法や蒸着法等で積層する。この後、レ
ジスト材をリフトオフ法で除去すると図6に示したよう
な探針を得る。また、光ファイバの先端部のみならずそ
の周辺部にも磁性材料を積層する場合には、先鋭化した
光ファイバに、直接、磁性材料をスパッタ法や蒸着法で
積層することにより図7に示したような断面構造の探針
を製造することができる。図6及び図7の探針構造にお
いて、磁性層52として反強磁性結合状態の磁性人工格
子材料の層を用いる場合には、前述のようにスパッタ法
や蒸着法で磁性層と非磁性層とを交互に積層することが
できる。
【0026】図1に示したような記録再生装置を用いて
記録媒体に情報を記録する方法を以下に説明する。記録
の際に、記録媒体駆動装置27及び探針駆動装置20に
より探針40(または3)と記録媒体45を相対的に走
査させながら、トンネル電流用電源25から一定のトン
ネル電圧VTRを探針40(または3)と記録媒体45と
の間に印加する。また、上記トンネル電圧VTRを印加し
ながら、磁気コイル26により記録情報46に応じた外
部磁界を記録媒体に印加する。外部磁界の方向及び印加
時期は制御装置24により制御される。探針40(また
は3)と記録媒体の記録領域との間に流れるトンネル電
流は、記録領域の磁性体原子を加熱し、その保磁力を低
下させる。磁性体原子の磁化は印加された外部磁界の方
向に配向し、熱磁気記録が行われる。記録時のトンネル
電流は、磁性体原子の保磁力を低下させる必要から、再
生時に流れるトンネル電流よりも高くなる。このトンネ
ル電流の調節はトンネル電圧VTRの増減により行うこと
ができる。上記の記録の際、外部磁界を記録情報46に
応じて変調したが、トンネル電圧VTRを記録情報46に
応じて変調してもよい。
記録媒体に情報を記録する方法を以下に説明する。記録
の際に、記録媒体駆動装置27及び探針駆動装置20に
より探針40(または3)と記録媒体45を相対的に走
査させながら、トンネル電流用電源25から一定のトン
ネル電圧VTRを探針40(または3)と記録媒体45と
の間に印加する。また、上記トンネル電圧VTRを印加し
ながら、磁気コイル26により記録情報46に応じた外
部磁界を記録媒体に印加する。外部磁界の方向及び印加
時期は制御装置24により制御される。探針40(また
は3)と記録媒体の記録領域との間に流れるトンネル電
流は、記録領域の磁性体原子を加熱し、その保磁力を低
下させる。磁性体原子の磁化は印加された外部磁界の方
向に配向し、熱磁気記録が行われる。記録時のトンネル
電流は、磁性体原子の保磁力を低下させる必要から、再
生時に流れるトンネル電流よりも高くなる。このトンネ
ル電流の調節はトンネル電圧VTRの増減により行うこと
ができる。上記の記録の際、外部磁界を記録情報46に
応じて変調したが、トンネル電圧VTRを記録情報46に
応じて変調してもよい。
【0027】上記のように熱磁気記録が行われた記録媒
体45から情報を再生するには、記録媒体45を記録媒
体駆動装置27及び探針駆動装置20により探針40
(または3)と記録媒体を相対的に走査させながら、ト
ンネル電流用電源により探針40(または3)と記録媒
体45の磁性膜間に一定電圧VTPを印加することによっ
てそれらの間に約1nA〜10nAのトンネル電流を流
す。この際、記録媒体の磁性体の磁化の向きによりトン
ネル電流は変化するために、トンネル電流の変化をトン
ネル電流用電源25の電流計にて検出することにより記
録された情報に応じた信号を得ることができる。検出信
号は制御装置24を通じて再生信号47として再生され
る。記録媒体の磁性膜に凹凸が存在する場合には図6ま
たは7に示したような探針を用いて上記のようにしてト
ンネル電流を検出した後、光導波路に光を導入して探針
先端部の磁性層52をそのキュリー温度以上に加熱しな
がらトンネル電流を検出する操作を行うのが望ましい。
磁性層52を光照射により加熱した場合と加熱しない場
合のトンネル電流値の差を求めることにより、記録媒体
の磁性に起因する電流値のみを求めることができる。
体45から情報を再生するには、記録媒体45を記録媒
体駆動装置27及び探針駆動装置20により探針40
(または3)と記録媒体を相対的に走査させながら、ト
ンネル電流用電源により探針40(または3)と記録媒
体45の磁性膜間に一定電圧VTPを印加することによっ
てそれらの間に約1nA〜10nAのトンネル電流を流
す。この際、記録媒体の磁性体の磁化の向きによりトン
ネル電流は変化するために、トンネル電流の変化をトン
ネル電流用電源25の電流計にて検出することにより記
録された情報に応じた信号を得ることができる。検出信
号は制御装置24を通じて再生信号47として再生され
る。記録媒体の磁性膜に凹凸が存在する場合には図6ま
たは7に示したような探針を用いて上記のようにしてト
ンネル電流を検出した後、光導波路に光を導入して探針
先端部の磁性層52をそのキュリー温度以上に加熱しな
がらトンネル電流を検出する操作を行うのが望ましい。
磁性層52を光照射により加熱した場合と加熱しない場
合のトンネル電流値の差を求めることにより、記録媒体
の磁性に起因する電流値のみを求めることができる。
【0028】本発明の記録再生装置において、情報を消
去するには、記録媒体を強磁場内においてバルク消去を
行うか、あるいは磁気コイル26により比較的強い外部
磁界を印加して情報が記録された部分の磁化を反転させ
ればよい。
去するには、記録媒体を強磁場内においてバルク消去を
行うか、あるいは磁気コイル26により比較的強い外部
磁界を印加して情報が記録された部分の磁化を反転させ
ればよい。
【0029】なお、上記記録及び再生の際には、探針4
0(または3)の先端と記録媒体45との間隔距離が常
に一定になるように探針駆動装置20を微動させること
もできる。また、記録時に探針に大電流が流れるため
に、探針は記録用と再生用の二種類の探針を使い分けて
もよい。
0(または3)の先端と記録媒体45との間隔距離が常
に一定になるように探針駆動装置20を微動させること
もできる。また、記録時に探針に大電流が流れるため
に、探針は記録用と再生用の二種類の探針を使い分けて
もよい。
【0030】本発明の記録再生装置は、探針の先端部分
の酸化を防止するために、真空中で記録再生が行われる
のが好ましく、そのため、少なくとも探針と記録媒体部
分が真空雰囲気となるようにそれらの部分を真空室に収
容するのが好ましい。
の酸化を防止するために、真空中で記録再生が行われる
のが好ましく、そのため、少なくとも探針と記録媒体部
分が真空雰囲気となるようにそれらの部分を真空室に収
容するのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明の記録再生装置によると、記録媒
体に情報を原子レベルで記録及び再生することができる
ため、極めて高密度な記録が可能になる。また、本発明
の記録再生装置は探針として反強磁性材料あるいは反強
磁性結合状態の磁性人工格子材料を用いているので漏洩
磁界が発生せず、記録された情報を破壊することなく再
生が可能になる。また、記録媒体の磁性膜上に凹凸が存
在しても、探針内部に光導波路を備えた探針を採用をす
ることにより、磁化情報をモフォロジー情報と分離して
再生することができる。
体に情報を原子レベルで記録及び再生することができる
ため、極めて高密度な記録が可能になる。また、本発明
の記録再生装置は探針として反強磁性材料あるいは反強
磁性結合状態の磁性人工格子材料を用いているので漏洩
磁界が発生せず、記録された情報を破壊することなく再
生が可能になる。また、記録媒体の磁性膜上に凹凸が存
在しても、探針内部に光導波路を備えた探針を採用をす
ることにより、磁化情報をモフォロジー情報と分離して
再生することができる。
【図1】本発明の記録再生装置の一具体例の概略構造を
示す図である。
示す図である。
【図2】本発明の記録再生装置に使用される反強磁性体
から構成された探針及びその磁化の向きを示す概念図で
ある。
から構成された探針及びその磁化の向きを示す概念図で
ある。
【図3】磁性人工格子の断面構造を示し、(a) は強磁性
結合状態を示し、(b) は本発明に使用される反強磁性結
合状態を示す。
結合状態を示し、(b) は本発明に使用される反強磁性結
合状態を示す。
【図4】本発明の記録再生装置に使用される反強磁性結
合状態の磁性人工格子から構成された探針及びその磁化
の向きを示す概念図である。
合状態の磁性人工格子から構成された探針及びその磁化
の向きを示す概念図である。
【図5】強磁性材料から構成された探針及びその磁化の
向きを示す概念図である。
向きを示す概念図である。
【図6】探針内部に光導波路を備え且つ光導波路の先端
部に磁性層が形成された探針の断面図である。
部に磁性層が形成された探針の断面図である。
【図7】探針内部に光導波路を備え且つ光導波路の先端
部及び周囲に磁性層が形成された探針の断面図である。
部及び周囲に磁性層が形成された探針の断面図である。
1 磁性層 2 非磁性層 3 探針(反強磁性結合状態の磁性人工格子) 4 探針の先端部 5 磁性膜 9 探針(強磁性体) 20 探針駆動装置 24 制御装置 25 トンネル電流用電源 26 磁気コイル 27 記録媒体駆動装置 28 コイル駆動電源 30 磁性膜の原子 40 探針(反強磁性体) 45 記録媒体 51 光導波路 52 磁性層 55 先端部
Claims (9)
- 【請求項1】 磁性膜を有する記録媒体に情報を記録
し、記録された情報を再生する装置であって、 単原子的な先端を有し且つ反強磁性材料から構成された
探針と、 上記探針と上記磁性膜表面との間にトンネル電流を供給
するための手段と、 上記探針を上記磁性膜表面に対して相対的に走査する手
段と、 上記探針と上記磁性膜表面との間を流れるトンネル電流
を検出する手段とを備え、 上記トンネル電流によって上記磁性膜の記録領域を加熱
して該磁性膜の磁化を反転させることによって情報を記
録し、上記トンネル電流検出手段により上記磁性膜の磁
化の方向に応じたトンネル電流を検出することによって
情報を再生する記録再生装置。 - 【請求項2】 上記反強磁性材料が、Fe,Co,Ni
及びCrの元素並びにその化合物からなる群から選ばれ
た一種であることを特徴とする請求項1記載の記録再生
装置。 - 【請求項3】 上記探針が、反強磁性的結合状態の磁性
人工格子材料から構成されていることを特徴とする請求
項1記載の記録再生装置。 - 【請求項4】 上記反強磁性的結合状態の磁性人工格子
材料が、Fe,Co及びNiからなる群から選ばれた元
素よりなる磁性層とCu,Au及びCrからなる群から
選ばれた元素よりなる非磁性層とを積層してなることを
特徴とする請求項3記載の記録再生装置。 - 【請求項5】 外部磁界を上記磁性膜表面に印加するた
めの磁界印加手段をさらに備え、該磁界印加手段が記録
の際に記録する情報に応じた磁界を上記磁性膜表面の記
録領域に印加することを特徴する請求項1から4のいず
れか一項に記載の記録再生装置。 - 【請求項6】 上記磁化の反転が、磁性膜を構成する原
子毎に行われることを特徴とする請求項1から5のいず
れか一項に記載の記録再生装置。 - 【請求項7】 磁性膜を有する記録媒体に情報を記録
し、記録された情報を再生する装置であって、 光を探針先端部に伝播する光導波路を探針内部に有し且
つ探針の少なくとも先端部に磁性層が形成されてなる探
針と、 上記光導波路に光を供給するための光源と、 上記探針と上記磁性膜表面との間にトンネル電流を供給
するための手段と、 上記探針を上記磁性膜表面に対して相対的に走査する手
段と、 上記探針と上記磁性膜表面との間を流れるトンネル電流
を検出する手段とを備え、 上記トンネル電流によって上記磁性膜の記録領域を加熱
して該磁性膜の磁化を反転させることによって情報を記
録し、上記トンネル電流検出手段により上記磁性膜の磁
化の方向に応じたトンネル電流を検出することによって
情報を再生する記録再生装置。 - 【請求項8】 上記光源からの光を光導波路を介して探
針先端部の磁性層に供給することによって磁性が消失す
る温度にまで磁性層を加熱しながら再生を行うことを特
徴とする請求項7記載の記録再生装置。 - 【請求項9】 上記探針先端部に形成された磁性層が反
強磁性材料から構成されていることを特徴とする請求項
7または8記載の記録再生装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2469796A JPH09198726A (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | 記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2469796A JPH09198726A (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | 記録再生装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09198726A true JPH09198726A (ja) | 1997-07-31 |
Family
ID=12145376
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2469796A Pending JPH09198726A (ja) | 1996-01-18 | 1996-01-18 | 記録再生装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09198726A (ja) |
-
1996
- 1996-01-18 JP JP2469796A patent/JPH09198726A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060905 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070206 |