JPH09201189A - 植物細胞培養方法 - Google Patents

植物細胞培養方法

Info

Publication number
JPH09201189A
JPH09201189A JP8012296A JP1229696A JPH09201189A JP H09201189 A JPH09201189 A JP H09201189A JP 8012296 A JP8012296 A JP 8012296A JP 1229696 A JP1229696 A JP 1229696A JP H09201189 A JPH09201189 A JP H09201189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
medium
plant
culture
culturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8012296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sato
健治 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd filed Critical Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
Priority to JP8012296A priority Critical patent/JPH09201189A/ja
Publication of JPH09201189A publication Critical patent/JPH09201189A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物細胞を連続培養し代謝生産物の生産効率
を高めることが可能な植物細胞培養方法の提供。 【解決手段】 植物細胞を入れた培養槽1内に、液体培
地を連続的または断続的に供給し、かつ該植物細胞を透
過させないフィルター8を通して該培地を排出しつつ、
植物細胞の増殖と二次代謝物生成とを同一培養槽内で連
続的に行うことを特徴とする植物細胞培養方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイチゴなどの植物細
胞を培養し、アントシアニンなどの代謝生産物を生産す
る植物細胞培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、植物の細胞を液体培地中で培
養し、大量の細胞を短時間で生産し、培養細胞中の有用
な代謝生産物を得る植物細胞培養方法が知られている。
この植物細胞培養方法の1つとして、イチゴの細胞を液
体培地中で培養し、培養細胞中にアントシアニンを製造
する方法がある。このイチゴ細胞を用いたアントシアニ
ンの製造においては、イチゴ細胞を増殖させるのに適し
た培地と、培養細胞中に二次代謝生産物であるアントシ
アニンを生成させるのに適した培地とでは成分が異な
り、それらは両立しないことから、従来のアントシアニ
ンの製造は、培養に適した細胞を、イチゴ細胞を増殖さ
せるのに適した培地(増殖用培地)に入れて、増殖優先
で回分培養し、アントシアニンを生産させるか、あるい
は培養細胞をアントシアニンを生成させるのに適した培
地に移して蓄積量優先で回分培養し、細胞内にアントシ
アニンを生成させる方法が一般的である。なお、アント
シアニン生産には光条件も重要であり、アントシアニン
生産には2500 lux以上の光を照射する必要がある。800
lux以下ではイチゴ細胞はアントシアニンを生産しな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記イ
チゴ細胞を増殖させるのに適した培地は、イチゴ細胞の
増殖率が高いものの、細胞重量当りのアントシアニン生
産量は少なく、またアントシアニンを生成させるのに適
した培地では、イチゴ細胞の増殖抑制が起こり細胞重量
の増加量が低いために、両者ともトータルのアントシア
ニン生産量を大きくできず、アントシアニンの生産効率
が低いという問題があった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、植物細胞を連続培養し、二次代謝生産物の生産効率
を高めることが可能な植物細胞培養方法の提供を目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、細胞の増殖速度を、細胞が増殖するとともに該
細胞内に二次代謝物が蓄積されるような至適増殖速度に
コントロールして培養することを特徴とする植物細胞培
養方法である。請求項2に係る発明は、植物細胞を入れ
た培養槽内に、液体培地を連続的または断続的に供給
し、かつ該植物細胞を透過させないフィルターを通して
該培地を排出しつつ、植物細胞の増殖と二次代謝物生成
とを同一培養槽内で連続的に行うことを特徴とする植物
細胞培養方法である。請求項3に係る発明は、前記液体
培地が、増殖用培地と比べ、栄養成分又は植物成長調整
物質の濃度を低下させたものであることを特徴とする請
求項2記載の植物細胞培養方法である。請求項4に係る
発明は、前記液体培地が、増殖用培地と比べ、浸透圧を
高めたものであることを特徴とする請求項2記載の植物
細胞培養方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、イチゴ細胞などの植物
細胞を、液体培地中で増殖させ、細胞中に生成するアン
トシアニンなどの代謝生産物を得る植物細胞培養方法に
適用される。植物細胞としては、イチゴに限らず有用な
代謝生産物を生成可能な植物細胞を用いることができ、
例えば、ニンジン細胞によるカロチンの生産、朝鮮ニン
ジン細胞による薬効成分の生産、トマト細胞によるリコ
ピンの生産、天然色素生成細胞による色素生産などに適
用が可能である。
【0007】一般に植物細胞による二次代謝物の生産
は、増殖の停止とともに起こることが多い。即ち、植物
細胞の培養における細胞量と二次代謝物生産量とを時間
の経過に従って比較すると、細胞量が増大する増殖期に
は二次代謝物生産量は殆ど増加せず、細胞量の増加が停
止した後で二次代謝物生産量が増大することが多い。し
かし、増殖期に二次代謝物を生産する例もある。一般に
アントシアニン生産は前者のパターンとされているが、
イチゴ細胞によるアントシアニン生産は後者に属してい
る。このように増殖しつつアントシアニンを生産する細
胞はイチゴ細胞以外は見当たらない。しかし、増殖しな
がらアントシアニン生産が可能であるとはいえ、増殖を
優先する培地では細胞当りの生産量が小さい(例えば比
増殖速度0.3日-1の培地)ことから、本発明者は、ア
ントシアニン生産には好適な増殖速度があるものと確信
し、アントシアニン生産に好適な増殖速度を検討した。
【0008】本発明者は、イチゴ細胞を培養する際に、
培地中の成分の量に応じて、細胞の増殖率と代謝生産物
(アントシアニン)の含有量との変化を調べる過程にお
いて、培地中の栄養成分またはオーキシン等の植物成長
調整物質の含有量を変化させた培地を用いて細胞を培養
した時、通常の培地で細胞を培養した場合に比べ、細胞
の増殖率は多少落ちるが、細胞中にアントシアニンが生
成した細胞を大量に生産し得る組成があることを見出し
た。
【0009】更に種々の条件で研究を重ねた結果、細胞
の比増殖速度を所定の範囲に保った条件下で培養を行う
ことによって、細胞中に高濃度にアントシアニンが生成
した細胞を生産でき、従来法よりもアントシアニン生産
効率を良くできることが判った。しかも、培地を連続的
に或いは断続的に供給することで、アントシアニン生産
に好適な比増殖速度を保ちながら細胞を増殖させ、アン
トシアニンの生産性の高い細胞を高密度化させる効率的
な連続培養が可能である。
【0010】本発明を実施する際に用いる液体培地とし
ては、MS培地などの通常の植物組織培養で用いられる
基本培地をベースとし、それに2,4−ジクロロフェノ
キシ酢酸(2,4−D)や6−ベンジルアデニン(B
A)などの植物成長調整物質、ショ糖などを適宜に添加
した培地が用いられ、細胞増殖に適した培地に比べ、
栄養成分又は植物成長調整物質の含有量を低くした、又
は浸透圧を高めた、ことを特徴としている。
【0011】の特徴を有する培地では、(a)リン
酸、(b)窒素源、(c)植物成長調整物質のうちのい
ずれかの濃度を、細胞増殖に適した増殖優先の培地(増
殖用培地)よりも減少させることにより、細胞の比増殖
速度を所定の範囲とすることができる。また、の特徴
を有する培地は、栄養成分や植物成長調整物質の含有量
は細胞増殖に適した培地と同じとし、その培地中に浸透
圧を高める物質を添加して用いる。液体培地の浸透圧を
高めるために培地中に添加される物質は、培養細胞に悪
影響を与えず、安価なものが使用され、マンニトール、
グリセリン、デキストリンなどの糖類、ポリエチレング
リコール、或いは塩化カルシウムなどの塩類などが使用
可能であり、特にマンニトール、ソルビトールが好適に
使用される。植物細胞はマンニトールやソルビトールを
炭素源として利用できないため、培養を通してそれらの
濃度が変化することがなく浸透圧調整剤として適してい
る。
【0012】前記又はの特徴を有する培地(以下、
両用培地という)は、増殖用培地と比べて細胞の増殖速
度が低いが、得られる細胞中のアントシアニン含有量が
高くなり、フィルターを介した連続培養によって細胞の
高濃度化が達成され、従来法に比べアントシアニン生産
効率が高くなる。
【0013】前記両用培地を用いてイチゴ細胞を培養す
る場合、培地のリン酸濃度を変化させたり、培地の供給
速度を変化させることで、細胞の比増殖速度を好適な一
定値例えば0.10〜0.3日-1、好ましくは0.2〜
0.3日-1程度に維持することができる。また、培養槽
に、培養細胞が透過しないフィルターを通して連続的ま
たは断続的に前記両用培地を供給しつつ培養を行うこと
によって、細胞を同じ培養槽内で連続培養することがで
きるとともに、培養細胞の高密度化、すなわち高密度培
養が可能となり、培養を終了した細胞の回収が容易とな
る。また、培養槽の小型を図ることができる。そこで、
本発明では、イチゴ細胞などの植物細胞を入れた培養槽
内に、該細胞を透過させないフィルターを通して連続的
または断続的に前記両用培地を供給しつつ培養を行う。
【0014】図1は、本発明方法の実施に好適な培養装
置の一例を示すものである。この培養装置は、培養槽1
と、その開口に装着された蓋2と、培養槽1内に挿入配
置された培地供給ライン3、通気ライン4、培地吸引ラ
イン5及び攪拌用のプロペラシャフト6と、培養槽1内
のガスを排気する排気ライン7と、培地吸引ライン5の
先端に設けられたフィルター8とを主要な構成要素とし
て備えている。培地吸引ライン5は蓋2外部で分岐さ
れ、一方はローラーポンプ等の図示略の吸引手段に接続
され、他方は通気ライン4に接する逆洗ライン9になっ
ている。その逆洗ライン9と通気ライン4には、それぞ
れピンチコック10,11が設けられている。またプロペラ
シャフト6は、蓋2外部でモータ等の駆動手段に接続さ
れ、その回転駆動によって所望の回転速度で回転し、培
養槽1内の細胞と両用培地12を攪拌する。
【0015】図2は、培地吸引ライン5の先端に設けら
れたフィルター8を示すものである。このフィルター8
は、ステンレスメッシュからなる内筒13とそれよりも
径の大きい外筒14とを重ねて円筒とし、培養槽1内の
細胞の透過を防ぎつつ、内筒12と外筒13とを通過し
た培地のみを培地吸引ライン5に送るようになってい
る。なお、内筒13と外筒14の材質はステンレスメッ
シュに限定されることなく、合成樹脂メッシュであって
も良い。
【0016】この培養装置を用いたイチゴ細胞の培養を
説明する。使用するイチゴ細胞は、イチゴから無菌的に
採取した細胞をオーキシン等の植物成長調整物質を含む
固体培地上で培養して得られたカルス細胞やそれを継代
培養して得られた培養細胞などが用いられる。この細胞
を無菌的に培養槽1内の両用培地中に移し、通気ライン
4を通して無菌空気を供給するとともに、プロペラシャ
フト6を回転させて攪拌しつつ、培地供給ライン3を通
して培養槽1内に連続的に或いは断続的に両用培地を供
給する。培養槽1内の空気は排気ライン7を通して抜き
出す。培養槽1内の両用培地は、フィルター8を通して
培地吸引ライン5から抜き出される。培養継続中、フィ
ルター8に培養細胞が詰まらないように、断続的にピン
チコック10を開け、空気の一部を逆洗ライン9から培
地吸引ライン5に供給しフィルター8から放出させ、フ
ィルター8を逆洗する。
【0017】培養槽1内の培養細胞は増殖し、フィルタ
ー8を通って外部に出されることがないので、次第に培
養細胞は高密度となる。この培養において、前記両用培
地を用い、細胞の比増殖速度を0.10〜0.3日-1
して連続培養を行うことにより、アントシアニン含有量
が高い細胞を増殖させることができ、トータルのアント
シアニン生産量が高められるので、従来法に比べアント
シアニン生産効率が高くなる。
【0018】図3は本発明方法の実施に好適な培養装置
の他の例を示すものである。この培養装置は、図1に示
した培養装置とほぼ同様の構成要素を備えて構成され、
同じ構成要素には同一符号を付してある。この例による
培養装置は、プロペラシャフト6を中空の管とし、その
一部にステンレスメッシュよりなるメッシュ管15を取
付け、このメッシュ管15を通して培地のみを吸引して
培地供給ライン5に送るように構成されている。また、
この装置では培養槽1の側部に細胞と培地12を抜き出
すための抜き取りライン16を設けている。図3に示し
た培養装置においても、図1の培養装置とほぼ同様の操
作によってイチゴ細胞の連続培養が可能である。
【0019】このように、本発明による植物細胞培養方
法は、植物細胞を入れた培養槽内に、液体培地を連続的
または断続的に供給し、かつ該植物細胞を透過させない
フィルターを通して該培地を排出しつつ、植物細胞の増
殖と二次代謝物生成とを同一培養槽内で連続的に行うこ
とによって、代謝生産物の含有量の高い培養細胞を高密
度で得ることができ、アントシアニンなどの代謝生産物
の生産効率を向上させることができる。また、植物細胞
を同じ培養槽内で連続培養することができるとともに、
培養細胞の高密度化、すなわち高密度培養が可能とな
り、培養を終了した細胞の回収が容易となる。また、培
養槽の小型化を図ることができる。
【0020】
【実施例】イチゴの培養細胞を用い、細胞増殖に適した
培地に比べ、栄養成分又は植物成長調整物質の含有量を
低くした培地、又は浸透圧を高めた培地の各種の培地で
培養し、細胞の比増殖速度と二次代謝生産物(アントシ
アニン)の生産量の関係を調べた。
【0021】・使用細胞 四季成イチゴ(Fragaria ananassa, "shikinari")の茎
頂を無菌的に採取し、2,4−D 1.0mg/L、ベ
ンジルアデニン(BA)0.1mg/L、ショ糖30g
/Lを添加した固体培地に置床し、培養して形成された
カルスから得られた細胞を用い、この細胞を800Lux下、
液体培地で培養し、増殖させて以下の実験に用いた。 ・使用培地 硝酸アンモニウム濃度を規定の1/4(5.15mM)
とした以外は、MS培地と同じ成分である低窒素源MS
培地に、1.0mg/Lの2,4−Dと0.1mg/L
のBAを添加した液体培地(ショ糖60g/Lを含む)
を基本とし、この培地中のリン酸濃度(実験1)、全窒
素(N)源(NH4 ++NO3 -濃度(実験2)、2,4−
D濃度(実験3)を変化させた各種の培地、および前記
基本培地にマンニトールを添加(実験4)して浸透圧を
高めた培地を用いた。実験に使用した培地の添加成分を
表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】・培養装置 図1に示す培養装置を用いた。2.5Lの培養槽1に2
Lの培地を入れた。培養槽にはウォータージャケットが
付いており、槽内温度を25℃に保つように恒温水を循
環させた。また、通気に関しては培養槽内の溶存酸素濃
度(DO)が4ppmとなるように、マスフローコントロ
ーラーを用いて通気量を制御した。また培養槽を覆うよ
うに光照射ユニットを設置した。 ・培養条件 上記培養細胞を培養槽1内に入れ、約8000 Lux の光照
射、温度25℃の条件下で21日間連続培養した。培養
槽1内への培地の供給量は0〜0.5L/日、プロペラ
シャフトの回転数80〜100r.p.m.とした。
【0024】実験1:リン酸濃度の影響 培地中のリン酸濃度を図4に示した通り0mM(無添
加),0.08mM,0.16mM,0.31mM及び
1.25mMのそれぞれの濃度とした培地を用いてイチ
ゴ細胞を培養し、培養日数毎の細胞濃度、アントシアニ
ン含有量およびアントシアニン収量を調べた。その結果
を図4に示す。図4から明らかなように、培地中のリン
酸濃度に応じて細胞の増加率が異なり、リン酸濃度が低
くなるに従って細胞濃度が低下した。一方、細胞重量当
りのアントシアニン量(アントシアニン含有量)は、リ
ン酸濃度0.16mMと0.31mMの培地のものが高
くなり、トータルのアントシアニン収量(培地1L当り
アントシアニン生産量)は0.31mMの培地で高くな
った。
【0025】実験2:窒素源濃度の影響 培地中の窒素源濃度を表2に示す通り全窒素として1.
2mM,1.8mM,3.6mM,7.3mM及び2
9.1mMのそれぞれの濃度とした培地を用いてイチゴ
細胞を培養し、培養日数毎の細胞濃度、アントシアニン
含有量およびアントシアニン収量を調べた。MS培地に
は窒素源としてKNO3とNH4NO3が含まれている。
それぞれが18.8mM、20.6mM含まれた場合が
通常のMS培地であり、今回使用した低窒素源MS培地
とは、NH4NO3のみを1/4とした培地である。MS
中のNH4NO3を通常の1/4とすることで、増殖には
特に影響なく細胞内のアントシアニン量は大きくなる。
この実験2においてはNH4 +:NO3 -の比を一定に保
ち、濃度を変化させた。
【0026】
【表2】
【0027】この結果を図5に示す。図5から明らかな
ように、培地中の窒素源濃度に応じて細胞の増加率が異
なり、窒素源濃度が低くなるに従って細胞濃度が低下し
た。一方、細胞重量当りのアントシアニン量(アントシ
アニン含有量)は、窒素源濃度1.8mMで特に高くな
った。
【0028】実験3:2,4−D濃度の影響 培地中の2,4−D濃度を図6に示した通り0mg/L
(無添加),0.1mg/L,0.5mg/L及び1.
0mg/Lのそれぞれの濃度とした培地を用いてイチゴ
細胞を培養し、培養日数毎の細胞濃度、アントシアニン
含有量およびアントシアニン収量を調べた。その結果を
図6に示す。図6から明らかなように、培地中の2,4
−D濃度が低くなるに従って細胞濃度が低下した。一
方、細胞重量当りのアントシアニン量(アントシアニン
含有量)は、2,4−D濃度0.1mg/Lが高くなっ
た。またトータルの収量では2,4−D濃度0.5mg
/L及び1.0mg/Lが高くなった。
【0029】図7は、前記実験1〜実験3の結果から細
胞の比増殖速度(日-1)を算出し、その比増殖速度に対
するアントシアニン含有量とアントシアニン収量とをま
とめたグラフである。この図7のグラフから明らかなよ
うに、アントシアニン収量を高めるための増殖制限因子
としては、培地中のリン酸濃度を変化させるのが好まし
く、それによってアントシアニン含有量、アントシアニ
ン収量の高い培養細胞を得ることが可能である。また、
アントシアニン含有量とアントシアニン収量を高めるの
に好適な培養における比増殖速度は、0.10〜0.3
-1、好ましくは0.2〜0.3日-1程度であった。
【0030】実験4:浸透圧の影響 前記基本培地(低窒素源MS培地に、1.0mg/Lの
2,4−D、0.1mg/LのBA、60g/Lのショ
糖を添加)に、マンニトールを0M(無添加),0.1
M,0.2M,0.4M及び0.6Mとなるように添加
した培地を用いてイチゴ細胞を培養し、培養開始から9
日目の細胞濃度、比増殖速度、アントシアニン含有量、
アントシアニン収量を測定した。その結果を表3に示
す。
【0031】
【表3】
【0032】表1の結果から明らかなように、培地にマ
ンニトールを添加して浸透圧を高めることによって、比
増殖速度を変化させることが可能であった。そしてマン
ニトールを0.1M、及び0.2M添加した培地を用い
た場合にアントシアニン収量を高めることができた。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による植物
細胞培養方法は、植物細胞を液体培地中で増殖させ細胞
中に生成する代謝生産物を得る植物細胞培養方法におい
て、前記細胞の増殖に用いる培地と比べ、細胞重量当り
の代謝生産物生産量が高い液体培地を、該細胞を入れた
培養槽内に該細胞を透過させないフィルターを通して連
続的または断続的に供給しつつ培養を行うことによっ
て、イチゴ細胞などの植物細胞を連続培養することがで
き、代謝生産物の含有量の高い培養細胞を高密度で得る
ことができるので、アントシアニンなどの代謝生産物の
生産効率を向上させることができる。また、植物細胞を
同じ培養槽内で連続培養することができるとともに、培
養細胞の高密度化、すなわち高密度培養が可能となり、
培養を終了した細胞の回収が容易となる。また、培養槽
の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明方法に好適な培養装置の一例を示
す概略断面図である。
【図2】図2は同じ培養装置の要部の斜視図である。
【図3】図3は本発明方法に好適な培養装置の他の例を
示す概略断面図である。
【図4】図4は本発明の実施例の実験1の結果を示すグ
ラフである。
【図5】図5は本発明の実施例の実験2の結果を示すグ
ラフである。
【図6】図6は本発明の実施例の実験3の結果を示すグ
ラフである。
【図7】図7は本発明の実施例の結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1……培養槽、8……フィルター、12……植物細胞と
培地、15……フィルター。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞の増殖速度を、細胞が増殖するとと
    もに該細胞内に二次代謝物が蓄積されるような至適増殖
    速度にコントロールして培養することを特徴とする植物
    細胞培養方法。
  2. 【請求項2】 植物細胞を入れた培養槽内に、液体培地
    を連続的または断続的に供給し、かつ該植物細胞を透過
    させないフィルターを通して該培地を排出しつつ、植物
    細胞の増殖と二次代謝物生成とを同一培養槽内で連続的
    に行うことを特徴とする植物細胞培養方法。
  3. 【請求項3】 前記液体培地が、増殖用培地と比べ、栄
    養成分又は植物成長調整物質の濃度を低下させたもので
    あることを特徴とする請求項2記載の植物細胞培養方
    法。
  4. 【請求項4】 前記液体培地が、増殖用培地と比べ、浸
    透圧を高めたものであることを特徴とする請求項2記載
    の植物細胞培養方法。
JP8012296A 1996-01-26 1996-01-26 植物細胞培養方法 Withdrawn JPH09201189A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8012296A JPH09201189A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 植物細胞培養方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8012296A JPH09201189A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 植物細胞培養方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09201189A true JPH09201189A (ja) 1997-08-05

Family

ID=11801375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8012296A Withdrawn JPH09201189A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 植物細胞培養方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09201189A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1498475A1 (en) * 2003-07-18 2005-01-19 Meristem Therapeutics S.A. Continuous plant cell bioreactor and method for continuous plant cell culture
US10717961B2 (en) 2012-04-27 2020-07-21 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Cell culture system and cell culture method
JP2022065572A (ja) * 2020-10-15 2022-04-27 佐竹マルチミクス株式会社 培地交換用フィルター及びこのフィルターを有する培養装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1498475A1 (en) * 2003-07-18 2005-01-19 Meristem Therapeutics S.A. Continuous plant cell bioreactor and method for continuous plant cell culture
US10717961B2 (en) 2012-04-27 2020-07-21 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Cell culture system and cell culture method
JP2022065572A (ja) * 2020-10-15 2022-04-27 佐竹マルチミクス株式会社 培地交換用フィルター及びこのフィルターを有する培養装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030070351A1 (en) Method for culturing a basidiomycetous fungus in a liquid culture medium
JP2509630B2 (ja) 培養方法及び培養装置
JPH07246086A (ja) 光合成微細藻類の培養方法
JPH09201189A (ja) 植物細胞培養方法
Okamoto et al. Effect of oxygen-enriched aeration on regeneration of rice (Oryza sativa L.) cell culture
EP0009319B1 (en) Higher plant cell culture
DE10203863A1 (de) Feststoffbioreaktor und Verfahren zu dessen Betrieb
JPS5881781A (ja) 動物細胞の培養方法
JPH0421472B2 (ja)
JP4083765B2 (ja) きのこの栽培方法
JPS58101685A (ja) けい藻類の増殖方法
SU878788A1 (ru) Способ многостадийного культивировани хлебопекарных дрожжей
RU2115723C1 (ru) Способ культивирования галофильных микроорганизмов
JP2732184B2 (ja) 植物組織培養苗の培養方法
JPH1084802A (ja) ニンジン不定胚の大量培養方法
JPH01285117A (ja) 培養苗の生産方法
JPS5945879A (ja) 植物組織の気相培養法およびその装置
JPH06153912A (ja) 光合成培養方法および光合成培養装置
JPH06153727A (ja) 培養由来幼植物体の育苗方法、育苗培地及び育苗装置
RU2129015C1 (ru) Способ изготовления вакцины против пастереллеза сельскохозяйственных животных и птиц
SU682566A1 (ru) Способ получени лимонной кислоты
JPS63216466A (ja) 食酢の製造法
JPS63226204A (ja) 圧力容器を用いた生物培養装置
SU1076443A1 (ru) Способ приготовлени посевного материала дл выращивани бактерий
JPH10179147A (ja) 植物細胞培養方法および二次代謝物高生産性植物細胞

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030401