JPH09201615A - 高圧下圧延による熱延鋼帯のディスケーリング方法 - Google Patents

高圧下圧延による熱延鋼帯のディスケーリング方法

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JPH09201615A
JPH09201615A JP8269230A JP26923096A JPH09201615A JP H09201615 A JPH09201615 A JP H09201615A JP 8269230 A JP8269230 A JP 8269230A JP 26923096 A JP26923096 A JP 26923096A JP H09201615 A JPH09201615 A JP H09201615A
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哲彦 岡野
Masaki Otsuka
正樹 大塚
Toshinori Miki
俊典 三喜
Junya Hayakawa
淳也 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケールが付着したままの熱延鋼帯を酸洗に
先立って高圧下冷延し、表面性状の良好な素材を得る。 【解決手段】 表面に熱延スケールが付着している熱延
鋼帯を酸洗に先立って高圧下率で冷間圧延する際、ワー
クロールの半径をR(mm),圧延後の板厚をh(m
m)とするとき、2R≧180×hの大径ロールを使用
し、30%以上の圧下率で熱延鋼帯を冷間圧延すること
により、熱延鋼帯の基地鋼からFeO層を含めて熱延ス
ケールを除去し、次いで熱延鋼帯を酸洗工程に搬送す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧下圧延で熱延スケ
ールを鋼帯表面から除去し、酸洗負荷を軽減したディス
ケーリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延された鋼帯は、酸化物を主体と
するスケールで表面が覆われている。この熱延鋼帯を、
そのまま冷延等の下工程に送ると、熱延スケールに起因
する表面疵やクラック等の欠陥が発生する原因となる。
そこで、通常、酸洗によって熱延スケールを除去し、熱
延鋼帯を下工程に搬送している。この方法では、酸洗設
備,廃酸処理,脱スケール能の調整等の点で問題があ
り、また酸洗時に発生する水素の侵入によって鋼材の特
性が劣化する虞れもある。酸洗に起因する諸問題を解決
するため、酸洗工程に送り込まれる熱延鋼帯のスケール
を除去する方法が種々検討されている。たとえば、スケ
ールが付着した熱延鋼帯を高圧下率で冷間圧延すること
(以下、黒皮圧延という)が特公昭54−133460
号公報,特開昭57−41821号公報,特開昭57−
10917号公報等で紹介されている。高圧下率の冷間
圧延により、スケールに亀裂が発生し、また鋼帯に対す
る付着力が低下するので、ショットブラスト,高圧水噴
射,ブラッシング,砥粒研削等により冷間圧延後の鋼帯
から容易に分離される。その結果、酸洗槽に搬入される
熱延鋼帯に付着しているスケールが少なくなり、酸洗工
程の負荷が軽減する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱延鋼帯を高圧下率で
黒皮圧延するとき、確かに酸洗工程の負荷が軽減される
ものの、鋼帯表面から剥離したスケールの破片が圧延ロ
ールによって鋼帯表面に押し付けられる。スケールに比
較して鋼帯が軟質であるため、ロールによる押圧力でス
ケールの破片が鋼帯表面に圧着され、或いは押し込まれ
る虞れがある。鋼帯表面に押し込まれた破片は、酸洗工
程での除去が困難になり、後続する冷間圧延工程で表面
疵等の欠陥を発生させる原因となる。そのため、たとえ
ば砥粒研削等によってスケール破片を除去しているが、
依然として鋼帯表面に残留するものがある。このような
ことから、黒皮圧延は、高品質の表面肌が要求される冷
延鋼帯の製造には適していないものとされていた。そし
て、前述した種々の問題があるものの、酸洗によるディ
スケーリングが主流になっている現状である。
【0004】本発明者等は、酸洗負荷の軽減に有効であ
る黒皮圧延の長所を活かすことを狙って、製品に表面疵
を発生させる残留スケールに対する対策を種々検討し
た。その結果、黒皮圧延後の鋼帯表面をブラッシング及
びスプレー処理するとき残留スケールのほぼ全量が除去
されること、また圧延機のワークロールに熱延鋼帯から
転写されたスケール片をポリッシャー,高圧水スプレ
ー,スクレーパ等で取り除くとき、鋼帯表面に残留する
スケール自体も大幅に少なくなることを見い出し、別途
出願した。このようにして、酸洗前の圧延で効率よくデ
ィスケーリングし、酸洗槽に持ち込まれるスケールを減
少させるとき、酸洗負荷が軽減される。本発明は、先願
で提案した黒皮圧延によるディスケーリングを更に改良
したものであり、高圧下圧延に使用するロール径を板厚
との関係で特定することにより、基地鋼からのスケール
の剥離を促進させ、軽度の酸洗によっても残存スケール
が内表面状態の鋼帯を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、表面に熱延スケールが付着している熱延鋼
帯を酸洗に先立って高圧下率で冷間圧延する際、ワーク
ロールの半径をR(mm),圧延後の板厚をh(mm)
とするとき、2R≧180×hの大径ロールを使用し、
30%以上の圧下率で熱延鋼帯を冷間圧延することによ
り、熱延鋼帯の基地鋼から熱延スケールを除去し、次い
で熱延鋼帯を酸洗工程に搬送する 熱延スケールの粉砕物は、圧延ロールの表面に対向配置
したポリッシャー,スプレーノズル,スクレーパ等によ
ってロール表面から除去され、系外に排出することが好
ましい。ポリッシャー,スプレーノズル,スクレーパ等
は、回転方向に関して圧下点よりも下流側の位置でワー
クロールの周面に対向配置される。また、ワークロール
に接して回転するバックアップロールに対しても、同様
なポリッシャー,スプレーノズル,スクレーパ等を設け
てもよい。
【0006】本発明に従ったラインは、図1に示すよう
に構築される。熱延スケールが付着したままの熱延鋼帯
1は、ペイオフリール2から巻き戻され、ブライドルロ
ール3を経て冷間圧延機4で高圧下圧延される。熱延ス
ケールは、高圧下圧延によって亀裂,粉砕され、鋼帯1
から剥離される。鋼帯表面に残留しているスケール粉砕
物をブラシ5で除去した後、更にスプレー装置6に導入
され、スプレーノズル7から高圧水を吹き付けることに
よって鋼帯の表面が清浄化される。このように処理され
た鋼帯は、次いで酸洗槽8に送り込まれ、表面に僅かに
残っているスケールが酸洗除去される。そして、巻取り
リール9で巻き取られる。冷間圧延機4は、圧下率が3
0%以上となるように調整される。このような高圧下率
が熱延鋼帯1のディスケーリングに有効である理由を、
本発明者等は次のように考察した。
【0007】熱延鋼帯1の表面に形成されているスケー
ルは、主としてFe3 O4 で構成されるが、概念的には
内部から表層に向かって酸素濃度が順次高くなるFeO
層,Fe3 O4 層及びFe2 O3 層が基地鋼の表面に積
層された構造をもつものと考えられる。実際、急冷され
た鋼帯ほどFeO層が厚くなる傾向を示す。スケール層
は、弱脱酸鋼では6〜7μmと比較的薄く、Tiキルド
鋼では9〜10μmと比較的厚くなっている。
【0008】スケール層の大半を占めるFe3 O4 層及
びFe2 O3 層は硬質で脆く、比較的低い圧下力でもク
ラックが入り易い。たとえば、酸洗の前工程として組み
込まれている従来のテンションレベラー程度の圧下力
(約2%)や機械的な繰返し曲げ加工でも、クラックが
入り剥離する。硫酸酸洗でみられるような機械的な繰返
し曲げを与える装置でも、Fe2 O3 層,Fe3 O4 層
に亀裂を付けることができる。これに対し、基地鋼との
界面にあるFeO層は、展延性があり、低い圧下率では
基地鋼の伸びに従って変形する。そのため、テンション
レベラー程度の圧下力で下地鋼から剥離せず、酸洗槽に
持ち込まれる。しかし、30%以上の高い圧延率に設定
すると、基地鋼とFeO層との変形量の差が大きくな
り、基地鋼の伸びに追従できなくなったFeO層にクラ
ックが発生する。クラックの発生は、圧延率が高いほど
顕著となる。しかし、高過ぎる圧延率では、圧延荷重が
高くなり、ロールバイト部での面圧が大きくなり、基地
鋼にスケールを押し込み圧着する場合がある。そのた
め、高過ぎる圧延率では却って脱スケール性が劣化する
傾向がみられる。
【0009】実際、冷間圧延で熱延鋼帯表面から剥離し
たスケールの粉砕物を調査してみると、圧下率が低いと
きには剥離したスケールが粉粒状であるのに対し、圧下
率の上昇に伴って粉砕物のサイズが大きく鱗片状になっ
てくることが観察される。この圧下率に応じた剥離スケ
ールの状態変化は、高圧下率の圧延になるほどスケール
層の深くまで,換言すればFeO層まで入ったクラック
を起点としてスケール剥離が生じ、スケール剥離量が多
くなる原因であると推察される。その結果、圧延後の鋼
帯表面に残存するスケールが大幅に少なくなる。基地鋼
とスケールとの延性の差を利用してディスケーリングす
るとき、ロール圧下による不均一変形を大きくすること
が有効である。すなわち、圧延時のメタルフローは、図
3(a)に示すように不均一変形である。また、鋼板の
表面近傍と厚み方向中心部には、図3(b)に示すよう
に変形程度の差がある。この圧延形態及びスケール層と
基地鋼の延性差により、スケール層に剥離が生じる。こ
の不均一変形では、ワークロールと鋼板表面(スケール
面)間に働く摩擦係数μが大きいとき、表面に働く剪断
力τ(=μP)も大きく、結果としてスケールが剥離す
る。
【0010】そこで、本発明者等は、板厚方向の不均一
変形に及ぼすワークロールの影響を種々調査検討した。
その結果、後述する実施例でも明らかなように、2R≧
180×h[ただし、R:ワークロールの半径(m
m),h:圧延後の板厚(mm)]の大径ロールを使用
することによって、スケール剥離が促進されることを見
い出した。大径ロールは、圧延荷重を大きくし、結果と
して鋼帯表面に作用する剪断力τを大きくする。また、
ロール径が大きいことから、鋼帯に接触するワークロー
ルの接触弧長が長くなることによっても不均一変形が大
きくなる。なかでも、2R≧180×hの大径ロール
は、スケール剥離に顕著な効果を発揮する。FeO層と
下地鋼との界面からスケールが剥離されると、圧延後の
鋼帯表面に残存するスケールが大幅に少なくなる。ま
た、圧延ロールに付着しているスケール片をポリッシン
グ,ブラッシング,スプレー処理等で除去しながら高圧
下圧延するとき、圧延ロール表面に移し取られたスケー
ル片に起因する問題が解消され、従来の黒皮圧延材では
みられない優れた表面性状をもつ鋼帯が得られる。その
ため、酸洗工程の負荷が大幅に軽減され、酸洗槽の小規
模化,酸洗時間の短縮,低濃度酸液の使用等が可能にな
る。また、冷間圧延時の圧下率を調整することによっ
て、酸洗後の製品板厚をもつ冷延鋼板を得ることもでき
る。
【0011】
【実施例】板厚2.7mmの熱延鋼帯を、酸洗に先立っ
て圧下率45%で冷間圧延した。熱延鋼帯には、表1に
示す成分・組成を持ち、表面に平均厚み10〜15μm
の熱延スケールが付着したままの熱延鋼帯を使用した。
このとき、ワークロールの胴長と同じ長さを持ち、シリ
カ又はアルミナ砥粒入りナイロンブラシ製のロール状ポ
リッシャーを、ワークロールの周面に加圧力1〜4N/
mm2 で押し付け、ポリッシャーを従動回転させた。ま
た、ワークロールに臨んでいる部分を除き、ポリッシャ
ーを吸引機のフードに収め、ポリッシャー周辺の空気を
流量1〜20Nm3 /分で吸引した。
【0012】
【0013】圧延後の鋼帯を、図1に示すラインに沿っ
てブラッシング5,スプレー処理6した後、実ラインの
酸液にほぼ等しい10%HCl+7%Fe2++1%Fe
3+の割合で調合した酸液(90℃)を収容した酸洗槽8
に搬送して酸洗した。酸洗後の鋼帯表面に付着している
スケールの個数及びサイズを調査した。スケールの個数
は目視観察でカウントし、単位面積当りの個数(個/m
2 )で表した。他方、スケールのサイズはノギス及び高
額顕微鏡で測定した。調査結果を圧延機のロール径で整
理したところ、図4に示す関係が得られた。圧下率30
%以上の圧延では、十分な脱スケール性を得るための単
位板厚当りの圧下力(P/h)は250kg/mm2 以
上必要であることが実験データから得られた。図4にお
いて、摩擦係数μ=0.1で単位板厚当りの圧下力が2
50kg/mm2 以上で且つ圧下率30%以上の場合、
ロール径2R:板厚hの比2R/hは180以上を必要
とした。したがって、2R≧180×hの関係を満足す
る条件下で圧延することによって、十分な脱スケール性
が得られ、展延性のあるFeO層を剥離させることも可
能になることが判った。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、スケールが付着している熱延鋼帯を高圧下圧延する
ことによりディスケーリングする際、2R≧180×h
のロール径をもつワークロールを使用すると共に、圧下
率を30%以上に規制している。これにより、熱延鋼帯
表面からスケールが効率よく除去される。このようにし
てディスケーリングされた鋼帯は、後続する工程で軽度
の酸洗によって冷延用素材に調整される。そのため、酸
洗時間の短縮,酸洗設備の小規模化や低濃度酸液の使用
等が可能となり、また酸洗に起因する欠陥が素材に持ち
込まれることも抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った熱延鋼帯のディスケーリング
ライン
【図2】 熱延鋼帯表面に形成されているスケールの層
構成
【図3】 熱延鋼帯を高圧下圧延するときのメタルフロ
ー(a)及び変形領域(b)
【図4】 ワークロールのロール径がスケール剥離性に
及ぼす影響
【符号の説明】
1:スケールが付着している熱延鋼帯 2:ペイオフ
リール 3:ブライドルロール 4:冷間圧延機 5:ブラ
シ 6:スプレー装置 7:スプレーノズル 8:酸洗槽 9:巻取りリー
ル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 淳也 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社堺製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に熱延スケールが付着している熱延
    鋼帯を酸洗に先立って高圧下率で冷間圧延する際、ワー
    クロールの半径をR(mm),圧延後の板厚をh(m
    m)とするとき、2R≧180×hの大径ロールを使用
    し、30%以上の圧下率で熱延鋼帯を冷間圧延すること
    により、熱延鋼帯の基地鋼から熱延スケールを除去し、
    次いで熱延鋼帯を酸洗工程に搬送するディスケーリング
    方法。
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