JPH09202962A - ジルコニア被覆部材およびその製造方法とその製造装置、タービン部材 - Google Patents
ジルコニア被覆部材およびその製造方法とその製造装置、タービン部材Info
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Abstract
れや剥離が長期間起こりにくいジルコニア被覆部材を提
供する。 【解決手段】 金属基材と、前記金属基材上に被覆形成
された結合層と、前記結合層上に被覆形成されたZrO
2を主成分とするジルコニア被覆層を具備してなるジル
コニア被覆部材であって、前記ジルコニア被覆層を構成
する結晶が柱状晶からなる正方晶を90%以上含んでな
るジルコニア被覆部材。
Description
食環境下で好適に用いられるジルコニア被覆部材および
その製造方法とその製造装置に関する。
においては、発電効率を向上させるために、ガスタービ
ンの高温化が志向されている。この高温化に伴ってガス
タービン部材の耐熱温度や高温耐酸化性の向上が望ま
れ、それらの部材の材質として、Ni基あるいはCo基
高温用耐熱合金が開発され、耐熱温度も向上してきてい
る。しかしながら、その耐熱温度は850℃程度が限界
である。
らセラミック材料が検討されているが、構造材として用
いるには金属材料に比べ靭性等に問題があり、本格的に
適用されるまでには至っていない。従って、このような
部材の高温化に対処するために、部材が高温にならない
ような手段の検討も盛んに行われている。
冷却する方法であり、他の方法は部材の表面に熱伝導率
の小さいセラミックをコーティングする方法である。
グ(Thermal Barrier Coating) と呼ばれ、遮熱コーティ
ングを施さないものに比べ金属基材の実質温度を50℃
〜100℃抑制できる。そして、この遮熱コーティング
を構成するセラミックとしてはジルコニアがある。この
ジルコニアは優れた機械的な性質に加え、熱電導率が低
いという利点をもっている。
晶、立方晶の3つの結晶構造があるが、機械的性質の観
点からは正方晶が最も優れている。純ジルコニア(Zr
O2)は、室温では単斜晶が安定相であるが、温度を上
げていくと、約1000℃付近で単斜晶から正方晶に、
約2300℃付近で正方晶から立方晶に可逆的に相転移
する。この相転移の発生とそれに伴う体積変化が純ジル
コニアの実用上の障害になっている。すなわち、ジルコ
ニアの焼結プロセスにおける冷却過程で、ジルコニアは
正方晶から機械的性質に劣る単斜晶に相転移し、そのと
きに大きな体積膨張が発生するため、低下した機械的性
質と相まって自壊する恐れが高い。この冷却過程での相
転移をなくすため、通常、機械的性質に優れる正方晶や
立方晶を室温まで持ち越すように、つまり高温相を安定
化するために、Y2O3やCaO、MgO等の化合物を
添加して用いている。これにより、冷却過程で生じる正
方晶から単斜晶への相転移を抑制し、室温から高温まで
機械的性質に優れる正方晶や立方晶とすることができ
る。
る耐熱合金と物性値が異なるセラミックによって被覆す
るものであるため、金属基材とジルコニア被覆層との密
着強度、およびその信頼性に問題がある。特に、ガスタ
ービン等では起動、停止を繰り返すことにより生ずる熱
サイクルにより、金属基材表面が高温酸化や高温腐食を
生じて、高温における機械的強度や耐化学的特性が低下
しジルコニア被覆層の剥離、脱落等の損傷が生じる。
として、金属基材とジルコニア被覆層との間に金属合金
層からなる結合層を設けるものがある。この結合層は、
耐高温酸化や高温腐食に優れた性質を有するNiあるい
はCoを主成分としCr、Al、Y等を添加した、いわ
ゆるMCrAlY系合金がよく使用されている。そしてこのよ
うな結合層や遮熱コーティングに用いるジルコニア被覆
層は、主に大気プラズマ溶射法で形成される。この場
合、ジルコニア被覆層と結合層との密着機構は機械的な
結合にすぎず、その強度は2〜5kg/mm2 といわれ
ている。このように、結合層や遮熱コーティングに用い
るジルコニア被覆層が、主に大気プラズマ溶射法で形成
される理由は、被覆形成速度が速く、経済性に優れてい
るためである。
形成された結合層やジルコニア被覆層は気孔が多い。こ
れらは、燃料中の腐食性不純物等も含まれる高温腐食環
境下で用いられるため、気孔の多い多孔質構造の結合層
やジルコニア被覆層では、結合層の高温酸化、高温腐食
の問題がある。結合層は耐酸化性、耐食性に優れた成分
であるが、それらの形成方法によっては、必ずしも本来
の合金材料で予想される耐酸化性、耐食性を発揮するも
のではない。
結合層やジルコニア被覆層で構成した遮熱コーティング
を高温酸化、あるいは高温腐食環境下で熱サイクル試験
を行った結果によると、その耐久性は著しく低く、ジル
コニア被覆層が剥離することがわかっている。これは、
結合層とジルコニア被覆層との結合が、本来機械的な結
合でその強度が弱いことに加え、その境界部分の結合層
の表面が酸化あるいは腐食され、その密着力が更に低下
するためと考えられる。またジルコニア被覆層の剥離
は、結合層との境界面のみだけでなく、ジルコニア被覆
層内でも多数発生している。
本発明の目的は、機械的な強度を確保した上で、高温酸
化、高温腐食環境下の熱サイクルが繰り返されても、ジ
ルコニア被覆層内に割れや剥離が長期間起こりにくいジ
ルコニア被覆部材及びその製造方法と製造装置を提供す
ることである。
を達成するために、ジルコニア被覆層の結晶構造と皮膜
組織について研究を重ねた結果、ジルコニア被覆層の持
つ優れた機械的性質を確保し、かつ高温雰囲気中での剥
離寿命を長くするためには、結晶構造と柱状結晶のミク
ロ組織を制御することが重要であることを見いだした。
材上に被覆形成された結合層と、前記結合層上に被覆形
成されたZrO2を主成分とするジルコニア被覆層を具
備してなるジルコニア被覆部材であって、前記ジルコニ
ア被覆層を構成する結晶が柱状晶からなる正方晶を90
%以上含んでなることを特徴とする、ジルコニア被覆部
材である。
0)および/または(002)の方位に配向性を有する
結晶が、前記ジルコニア被覆層表面における面積比で8
0%以上であり、前記金属基材が、Ni、Cr、Coの
少なくとも1種を含有してなり、前記結合層が、M−C
r−Al−Y層(ここで、Mは、Ni、Co、Feの少
なくとも1種を示す)からなるものであって、前記ジル
コニア被覆層の柱状晶からなる各結晶粒が1個の結晶体
となって成長してなるものである。
を具備してなるタービン部材である。
は、前記金属基材上に前記結合層を形成し、さらに前記
結合層上に前記ジルコニア被覆層を物理蒸着法によって
形成し、好ましくは、前記結合層を減圧プラズマ溶射ま
たは物理蒸着法によって形成する。
方法は、好ましくは、前記ジルコニア被覆層の形成に際
し、ZrO2を主成分としCaO、MgO、Y2O3、
CeO2のいずれか1種以上を含んでなるジルコニアタ
ーゲット材に、電子ビームを照射して前記ターゲット材
を蒸発させ、前記ターゲット材を前記結合層に成膜し、
かつ、前記成膜の間、前記金属基材を加熱し続ける、好
ましくは金属基材温度が、700℃以上であり、かつ、
前記金属基材の溶体化処理温度以下に保持され、前記金
属基材のみを局部加熱する。
は、前記ジルコニア被覆層の成膜時の前記金属基材のみ
を局部加熱するための金属基材加熱装置を、前記金属基
材の周囲に配置してなり、好ましくは、金属基材加熱装
置からの輻射熱が集束する位置に、前記金属基材の配設
器具が配設されてなり、前記金属基材の温度を測定する
熱センサーを前記金属基材の近傍に配設し、前記熱セン
サーからの信号を前記金属基材加熱装置にフィードバッ
クさせるようにしてなるものである。
製造装置は、前記金属基材加熱装置を前記金属基材の周
囲に独立に複数配置してなり、扉が設けられてなるバッ
チ型装置、例えば扉を開閉させて前記金属基材を取り付
けるバッチ型炉であり、1以上の前記金属基材加熱装置
を前記扉に配置してなる。また、好ましくは前記金属加
熱装置に、グラファイトからなるヒータエレメントが設
けられてなり、前記金属加熱装置の前記金属基材に面し
た部分は、ヒータエレメントが露出しており、前記金属
加熱装置の他の部分は防熱板によって囲まれてなるもの
である。また、さらに好ましくは前記熱センサーを複数
個配設し、前記熱センサーからの信号を各々別の前記複
数個の金属基材加熱装置にフィードバックさせ、複数個
の前記金属基材加熱装置を独立に制御させてなる、ジル
コニア被覆部材の製造装置である。
る。まずジルコニア被覆部材について説明する。
体例を示す断面図であり、金属基材1の上に被覆形成し
た結合層2上に、柱状晶からなる正方晶をX線回折によ
る測定値によって90%以上含んでなるジルコニア被覆
層3が形成されている。
らその目的に応じて適宜選択できるが、好ましくはN
i、Cr、Coの少なくとも1種を含むものであり、よ
り好ましくは、Ni、Cr、Coの少なくとも1種を主
成分とする耐熱金属を用いる。
材料とジルコニア被覆層に密着するものであれば特に限
定されないが、耐高温酸化や高温腐食に優れた性質を有
するNiあるいはCoを主成分としCr、Al、Y等を
添加した、いわゆるMCrAlY系合金が好ましい。好ましく
は気孔の少ない緻密な層とする。なお、本明細書におい
ては、金属基材の上に結合層を設けたものも単に金属基
材ということがある。
は、ZrO2を主成分とし、Y2O3やCaO、MgO
等を添加した、高温相を安定化させたジルコニアであ
り、好ましくは、ZrO2を85〜95平均重量%およ
びY2O3を5〜15平均重量%含有するものである。
ア被覆層の配向性を規定するのは次の理由による。
に対して平行に亀裂が伝幡することによって起こる。本
発明者らは、この亀裂進展が容易に進行する場合は、皮
膜結晶構造において最も剥離しやすいへき開面、すなわ
ちミラー指数(111)面が結合層に対し平行に積層
し、その結晶の比率が多くなったときであることを見い
だした。すなわち、ジルコニア被覆層の(111)面が
結合層に対して平行にならない結晶構造とすることで、
機械的強度に優れ、長時間での熱サイクル運転において
も皮膜の割れや剥離が起こりにくいジルコニア被覆層を
提供できる。
のうちミラー指数(111)の方位に配向性を有する結
晶が前記ジルコニア被覆表面における面積比で70%以
下好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下と
する。
ニア被覆層の結晶を(200)および(002)の方向
に配向させることにより、剥離を起こしやすい(11
1)面が結合層に対して平行にならず、かつ機械的強度
の強い皮膜が提供できる。
ルコニア被覆層の配向性が(200)と(002)面の
いずれかまたはこれらの混在した配向面の存在する割合
を、ジルコニア被覆層表面における面積比で好ましくは
80%以上、より好ましくは95%以上とすることによ
り、特に機械的強度に優れ、長時間での熱サイクル運転
においても皮膜の割れや剥離が起こらないジルコニア被
覆層を提供できる。
結晶面{HKL}=(311)、(113)、(22
0)、(202)が存在していても、その優劣性は変わ
らない。
わせ、柱状晶1個1個のミクロ組織を、積層していく微
細結晶粒が互いに融合一体化した組織とすることによ
り、機械的強度や剥離寿命の優れた皮膜構造とすること
ができる。
が少なくなり、かつ結晶構造も望ましい配向面となって
いくからである。
しくは気孔の少ない緻密な層とする。
部材に好適に用いられる他、各種エンジン、ボイラなど
に好適に用いられる。
具体例を示して説明する。本発明のジルコニア被覆部材
を製造するにあたっては、常法により製造された金属基
材の上に、好ましくは、減圧プラズマ溶射または物理蒸
着法によって結合層を形成し、さらに結合層上に物理蒸
着法によってジルコニア被覆層を形成する。
ば、ジルコニアターゲット材を電子ビームの照射・加熱
により蒸発させて金属基材に被覆すると、蒸発した分子
による皮膜形成が行われるため、皮膜の組織は柱状晶か
らなる結晶となり、かつ結晶の配向性とミクロ組織を制
御することができる。
少なくとも1つを主成分として構成された金属基材の表
面を、脱脂およびアルミナ粒子等を用いたブラスト処理
で粗面化する。次にこの金属基材を真空チャンバー内に
装着し、所定の真空度になるまで真空引きした後、A
r、He、H2、N2のいずれか一つまたはそれらを組
み合わせた雰囲気で数10Torrの圧力にする。
00℃まで加熱した後、Ni、Co、Feのいずれか、
もしくはそれらの組み合わせにCr、Alを含み、さら
にHf、Ta、Y、Si、Zrのいずれか一つもしくは
それらの組み合わせとからなる溶射粉末をプラズマに混
入して金属基材表面に被覆する。
形成された結合層は、大気プラズマ溶射による結合層に
比べ、皮膜内に酸化物や気孔がほとんどない非常に緻密
な皮膜になり、耐高温酸化、高温耐食が大幅に向上す
る。
う物理蒸着法でも形成することができる。これによれ
ば、結合層内に酸化物や気孔がほとんどない非常に緻密
な結合層を形成することができると共に、結合層表面を
滑らかにすることができジルコニア被覆層の表面が非常
に滑らかとなるとともに結晶配向性の制御がしやすくな
る。
ラミック(ジルコニア)被覆装置によってジルコニアの
被覆を行う。このジルコニア被覆装置には、物理蒸着に
よりセラミック被膜が形成できる一般的なセラミック被
覆装置を用いることができる。
適例を示す。このジルコニア被覆装置は、真空チャンバ
ー4、図示しない真空排気装置、および図示しない制御
装置と電源装置から構成されている。図示しない制御装
置には、真空排気、電子ビーム電流、電子ビーム走査、
金属基材加熱、金属基材駆動等を制御する手段が設けら
れている。
5が配設されており、ルツボ5にはジルコニアターゲッ
ト材6が装着されている。
しないモータによって回転駆動される金属基材駆動装置
7が設けられており、その金属基材駆動装置7に金属基
材1が装着されている。そして、上記金属基材駆動装置
7に挿着された金属基材1の周辺部には、その金属基材
1を局部的に加熱する金属基材加熱装置8が配設されて
いる。
1にジルコニアを被覆する場合には、まず、ジルコニア
ターゲット材6を真空チャンバー4内のルツボ5に装着
し、金属基材1を金属基材駆動装置7に装着して真空排
気装置によって真空チャンバー4内を10-2〜10-4P
aの真空度になるまで真空引きする。
ってジルコニアターゲット材6に電子ビームを照射しジ
ルコニアターゲット材表面を溶融させる。このとき表面
が常に溶けた状態で、所定の蒸発速度が保たれるように
電子ビーム電流を制御し、更に電子ビームを走査する。
間、金属基材1は金属基材駆動装置7によって回動させ
られており、金属基材加熱装置8により700℃以上に
加熱されている。金属基材加熱装置8は金属基材1のみ
を局部的に加熱する構造となっている。
まり配向性とミクロ組織の制御を行う場合、成膜開始か
ら成膜が終了するまで金属基材を加熱し続けること、特
に700℃以上、好ましくは750℃以上、より好まし
くは800℃以上に保持し続けること、および金属基材
全体が所定温度で均一に加熱されるように加熱温度を精
度よく制御することが好ましい。
合、ジルコニア被覆層の結晶配向面は(111)方向と
なりやすい。これは、結晶の成長エネルギーが小さいた
め、蒸発したジルコニア原子が容易に積層しやすい最充
填密度面、すなわち(111)面を形成するからであ
る。
℃以上とすることにより、結晶配向面を(111)以外
の面にすることができ、温度をあげていくほど(20
0)および(002)の割合を多くすることができ好ま
しい。
を成膜が終了するまで続けることにより、積層していく
微細結晶粒の融合一体化も進む。さらに、温度をあげて
いくほどこの融合一体化が促進され、各柱状晶が1個の
結晶体となる。この1個の結晶体となった柱状晶は、熱
応力に対して非常に強い皮膜組織となっており、耐熱応
力、耐剥離性に優れていることも判明した。
の低下を防ぐため、好ましくは金属基材の溶体化処理温
度とする。
は、真空チャンバー全体の高温化を防ぎ、真空装置構成
に多大な設備費用を必要としないため好ましい。
材の製造装置の一部である金属基材加熱装置の概略構成
図である。図3−(a)に金属基材1が金属基材加熱装
置8に配設された図、およびA方向から見た図を図3−
(b)および別の例を図3−(c)に示す。
発熱体とその周囲に配設された防熱板等から構成されて
いる。
半円筒型をした金属基材加熱装置8内に配設されてお
り、金属基材加熱装置8およびジルコニアターゲット材
6は、金属基材1を中心とした同心円上に配設するよう
構成されている。このようにすることにより、ジルコニ
アターゲット材6および金属基材加熱装置8からの輻射
熱が均等に金属基材1に照射され、金属基材1全体が均
一に加熱される。図3−(c)は同様な効果をもたせる
他の例で、金属基材1から等間隔に配設されたコの字型
金属基材加熱装置8から構成されている。
好ましい例を示す。真空チャンバー4の内部には、各々
独立した複数の金属基材加熱装置8が配設されている。
金属基材加熱装置8は、材質がグラファイトからなるヒ
ータエレメント9とその周囲に配設された防熱板10と
から構成されている。ヒータエレメント9は、金属基材
1に面している部分を露出させ、その他の部分を防熱板
10によって覆うことで、熱効率を向上させることがで
きる。なお、ルツボ5上のジルコニアターゲット材6か
ら蒸発したジルコニアは、金属基材加熱装置8全体にも
付着するが、グラファイトからなるヒータエレメントに
付着したジルコニアは簡単に削り落とすことができ、熱
効率の低下を防止することができる。
の上部に加熱装置支え11で固定され、加熱装置8の別
の一基は真空チャンバー4の後方側面に固定されてい
る。一方、加熱装置8のさらに別の一基は真空チャンバ
ー4の扉12に固定されている。
すように金属基材1は複数個の加熱装置8によって囲ま
れている。このようにすることにより、ジルコニアター
ゲット材6および金属基材加熱装置8からの輻射熱が均
等に金属基材1に照射され、金属基材1全体が均一に加
熱される。
に脱着する際は、加熱装置8と扉12とを一体で開ける
ことにより、扉12側から金属基材1を容易に脱着でき
る。ところで、金属基材1の金属基材駆動装置7側に位
置する部分は、金属基材駆動装置7を通って逃げる熱が
多くなるため、また金属基材1は通常複雑な3次元形状
をしているため、金属基材1の温度分布が不均一となり
やすい。
温度分布に均一性をもたせ、かつ所定温度に精度よく制
御する必要がある。そのため、好ましくは金属基材加熱
装置8は複数個の加熱装置からなり、かつ各々独立に温
度制御ができるように構成されている。また、温度制御
をするための熱センサーである熱電対を金属基材駆動装
置7の駆動軸内に複数個挿入し、金属基材1に最も近い
部分に配設している。
制御信号とすることにより、所定温度において精度のよ
い温度制御を行うことができる。
を複数個配置し、更に金属基材1の近傍に熱センサーを
配設することにより、成膜時に均一な加熱ができ、ジル
コニア被覆層の結晶構造とミクロ組織をより精密に制御
することができる。
加熱となるので真空チャンバー全体の高温化を防ぎ、真
空装置構成に多大な設備費用を必要としない。
よれば、成膜が終了するまで金属基材を700℃以上の
温度で均一に加熱し、ジルコニア被覆層の結晶構造に
(200)(002)主体の配向性をもたせ、さらに各
柱状晶が一個の結晶体となるので、機械的強度に優れ、
高温での長期間使用や熱サイクル特性に優れたジルコニ
ア被覆層を形成することができる。
発明による実施例においては、ジルコニア被覆層を形成
するときに金属基材の加熱温度を400℃から900℃
の範囲で複数変化させた。また金属基材温度が700℃
の場合は、金属基材1上での温度分布を均一にしたもの
と不均一にしたものを対比して形成した。
密鋳造(株)製)を脱脂・洗浄後、アルミナグリッドを
用いてブラスト処理を行い、Co,Ni,Cr,Al,
Yからなる合金粉末を、20TorrのAr雰囲気でA
r−Heプラズマを用いて溶射し、高温酸化・高温腐食
に優れた皮膜を得た。皮膜の厚さは均一で150μm程
度であった。
2 O3 −ZrO2 ジルコニア被覆層を形成した。この形
成に際しては、前記した図2に示す装置を用いた。まず
真空チャンバー4内において、金属基材駆動装置7にF
SX414基材からなる金属基材1を装着するととも
に、ルツボ5にジルコニアターゲット材6を装着した。
まで真空引きした後、金属基材1をそれぞれの温度で加
熱しつつ回転させ、電子ビームでジルコニアターゲット
材6を蒸発させ、金属基材上に成膜させた。このとき成
膜レートをほぼ一定にするため、電子ビームの走査を制
御した。得られた膜厚は150μm程度であった。
金属基材、結合層およびジルコニア被覆層を用い、結合
層およびジルコニア被覆ともに大気プラズマ溶射で製作
したものであり、上記実施例と同じ厚みとした。この従
来品のジルコニア被覆部材の断面図を図5に示す。この
従来品も図1と同様に、金属基材1に結合層13が被覆
され、その上にジルコニア層14が形成されている。た
だし、従来品には結合層およびジルコニア被覆層内に多
数の気孔が存在している。
属基材温度分布を制御し、X線回析(結晶構造)および
熱サイクル試験を行った。熱サイクル試験は、大気雰囲
気中で1000℃×30分加熱保持し、その後20〜2
5℃の水中に保持することを1サイクルとしてジルコニ
ア被覆層が剥離するまでの熱サイクル数を求めることで
行った。表1にその結果を示す。 表1(従来品と実施例の比較)試験片 基材温度(℃) 結晶構造 皮膜剥離までの熱サイクル数 従来品1 − 正方晶と単斜晶が混在 92 従来品2 − 同 上 79 従来品3 − 同 上 105 実施例1 400* 90%以上正方晶 260 実施例2 600* 同 上 330 実施例3 700 同 上 1050 実施例4 700* 同 上 5750 実施例5 800* 同 上 8500 実施例6 900* 同 上 8650 (注)*印は金属基材の温度分布が均一になるように温度制御を行った。 図6に温度制御を精密にして金属基材の温度分布を均一
にした実施例4と、そうでない場合の実施例3の温度分
布の違いを示す。表1に示すように従来品のジルコニア
被覆層は、正方晶と単斜晶からなる結晶構造であった。
一方、本発明によるジルコニア被覆層は、90%以上正
方晶からなる結晶構造であった。また、従来のジルコニ
ア被覆部材は79〜105回の熱サイクルでジルコニア
被覆層の剥離が生じた。一方、本発明による実施例では
約3倍以上の熱サイクル数が得られているが、特に、基
材温度を700℃以上にして温度制御を精密に行い、金
属基材の温度分布を均一にすることにより格段の剥離寿
命の向上が得られている。
サイクル試験結果では、ジルコニア被覆層が早く剥離し
はじめ、皮膜剥離までの熱サイクル数も温度分布のばら
つきが小さい実施例4と比較すると短かかった。
材は、従来のジルコニア被覆部材に比べ機械的強度およ
び熱サイクル特性に優れたものであることが確認でき
る。
基材温度600〜900℃の間を50℃ずつ変化させて
X線回析による結晶方位の測定、電子顕微鏡によるジル
コニア被覆層表面の組織観察を行った。
ける(111)と(200)(002)の占める割合を
求めた。表2にその結果を示す。
ニア被覆層の成膜を行うことにより(200)および
(002)の占める面積比が80%以上となり、格段の
剥離寿命の向上が得られた。また、このときの柱状晶は
大きく成長した一個の結晶粒となっていた。
機械的強度に優れた結晶構造の被覆層が得られ、高温雰
囲気中での長期間の使用や熱サイクル運転に対しても、
ジルコニア被覆層の割れや剥離の発生を防止することが
できる極めて優れたジルコニア被覆部材を提供すること
ができる。
金属基材を700℃以上の温度で均一に加熱しながら行
うことにより、結晶方位および柱状晶のミクロ組織を制
御することができる。さらに好ましくは結合層を減圧プ
ラズマ溶射あるいは物理蒸着法で形成することにより、
高温酸化特性にもより優れ、長時間にわたってより安定
した、割れや剥離のより起こりにくいジルコニア被覆部
材を提供することができる。
ある。
の概略構成図である。
の一部である金属基材加熱装置の概略構成図である。
の好適態様の概略構成図である。
温度分布を示すグラフである。
Claims (17)
- 【請求項1】金属基材と、前記金属基材上に被覆形成さ
れた結合層と、前記結合層上に被覆形成されたZrO2
を主成分とするジルコニア被覆層を具備してなるジルコ
ニア被覆部材であって、 前記ジルコニア被覆層を構成する結晶が柱状晶からなる
正方晶を90%以上含んでなることを特徴とする、ジル
コニア被覆部材。 - 【請求項2】ミラー指数(200)および/または(0
02)の方位に配向性を有する結晶が、前記ジルコニア
被覆層表面における面積比で80%以上である、請求項
1に記載のジルコニア被覆部材。 - 【請求項3】前記金属基材が、Ni、Cr、Coの少な
くとも1種を含有してなり、前記結合層が、M−Cr−
Al−Y層(ここで、Mは、Ni、Co、Feの少なく
とも1種を示す)からなる、請求項1または2に記載の
ジルコニア被覆部材。 - 【請求項4】前記ジルコニア被覆層の柱状晶からなる各
結晶粒が1個の結晶体となって成長してなる、請求項1
〜3のいずれか1項に記載のジルコニア被覆部材。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のジル
コニア被覆部材を具備してなることを特徴とする、ター
ビン部材。 - 【請求項6】前記金属基材上に前記結合層を形成し、さ
らに前記結合層上に前記ジルコニア被覆層を物理蒸着法
によって形成することを特徴とする、請求項1に記載の
ジルコニア被覆部材の製造方法。 - 【請求項7】前記結合層を減圧プラズマ溶射または物理
蒸着法によって形成する、請求項6に記載のジルコニア
被覆部材の製造方法。 - 【請求項8】前記ジルコニア被覆層の形成に際し、Zr
O2を主成分としCaO、MgO、Y2O3、CeO2
のいずれか1種以上を含んでなるジルコニアターゲット
材に、電子ビームを照射して前記ターゲット材を蒸発さ
せ、前記ターゲット材を前記結合層に成膜し、かつ、前
記成膜の間、前記金属基材を加熱し続ける、請求項6ま
たは7に記載のジルコニア被覆部材の製造方法。 - 【請求項9】前記ジルコニア被覆層の成膜時の前記金属
基材温度が、700℃以上であり、かつ、前記金属基材
の溶体化処理温度以下に保持されている、請求項6〜8
のいずれか1項に記載のジルコニア被覆部材の製造方
法。 - 【請求項10】前記ジルコニア被覆層の成膜時に、前記
金属基材のみを局部加熱する、請求項6〜9のいずれか
1項に記載のジルコニア被覆部材の製造方法。 - 【請求項11】請求項6に記載の前記ジルコニア被覆部
材の製造方法を実施する装置であって、前記ジルコニア
被覆層の成膜時の前記金属基材のみを局部加熱するため
の金属基材加熱装置を、前記金属基材の周囲に配置して
なることを特徴とする、ジルコニア被覆部材の製造装
置。 - 【請求項12】前記金属基材加熱装置を前記金属基材の
周囲に独立に複数配置してなる、請求項11に記載のジ
ルコニア被覆部材の製造装置。 - 【請求項13】前記ジルコニア被覆部材の製造装置であ
って、金属基材加熱装置からの輻射熱が集束する位置
に、前記金属基材の配設器具が配設されてなる、請求項
11または12に記載のジルコニア被覆部材の製造装
置。 - 【請求項14】前記ジルコニア被覆部材の製造装置が、
扉が設けられてなるバッチ型装置であり、1以上の前記
金属基材加熱装置を前記扉に配置してなる、請求項11
〜13のいずれか1項に記載のジルコニア被覆部材の製
造装置。 - 【請求項15】前記金属加熱装置に、グラファイトから
なるヒータエレメントが設けられてなり、前記金属加熱
装置の前記金属基材に面した部分は、ヒータエレメント
が露出しており、前記金属加熱装置の他の部分は防熱板
によって囲まれてなるものである、請求項11〜14の
いずれか1項に記載のジルコニア被覆部材の製造装置。 - 【請求項16】前記金属基材の温度を測定する熱センサ
ーを前記金属基材の近傍に配設し、前記熱センサーから
の信号を前記金属基材加熱装置にフィードバックさせる
ようにしてなる、請求項11または12に記載のジルコ
ニア被覆部材の製造装置。 - 【請求項17】前記熱センサーを複数個配設し、前記熱
センサーからの信号を各々別の前記複数個の金属基材加
熱装置にフィードバックさせ、複数個の前記金属基材加
熱装置を独立に制御させてなる、請求項16に記載のジ
ルコニア被覆部材の製造装置。
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|---|---|---|---|
| JP08001396A JP3769065B2 (ja) | 1995-11-20 | 1996-04-02 | ジルコニア被覆部材およびその製造方法とその製造装置、タービン部材 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30131195 | 1995-11-20 | ||
| JP7-301311 | 1995-11-20 | ||
| JP08001396A JP3769065B2 (ja) | 1995-11-20 | 1996-04-02 | ジルコニア被覆部材およびその製造方法とその製造装置、タービン部材 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09202962A true JPH09202962A (ja) | 1997-08-05 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08001396A Expired - Fee Related JP3769065B2 (ja) | 1995-11-20 | 1996-04-02 | ジルコニア被覆部材およびその製造方法とその製造装置、タービン部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3769065B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11229109A (ja) * | 1997-12-19 | 1999-08-24 | United Technol Corp <Utc> | 耐熱性トップコート及びコーティングシステム |
| JP2012167330A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Toyota Central R&D Labs Inc | 蒸着処理装置 |
-
1996
- 1996-04-02 JP JP08001396A patent/JP3769065B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11229109A (ja) * | 1997-12-19 | 1999-08-24 | United Technol Corp <Utc> | 耐熱性トップコート及びコーティングシステム |
| JP2012167330A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Toyota Central R&D Labs Inc | 蒸着処理装置 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3769065B2 (ja) | 2006-04-19 |
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