JPH09203217A - 既存建築物の耐震補強法 - Google Patents

既存建築物の耐震補強法

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JPH09203217A
JPH09203217A JP3551996A JP3551996A JPH09203217A JP H09203217 A JPH09203217 A JP H09203217A JP 3551996 A JP3551996 A JP 3551996A JP 3551996 A JP3551996 A JP 3551996A JP H09203217 A JPH09203217 A JP H09203217A
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Yasushi Sugiyama
靖 杉山
Yutaka Yoshioka
裕 吉岡
Shigetaka Abe
重孝 安部
Michihiko Ota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存建築物を使用しながら、短い工期でかつ少
ない工事費で耐震補強でき、その使用勝手を損なわない
既存建築物の耐震補強法を提供すること。 【解決手段】既存建築物1の外側に、剛性や耐力の高い
フレーム11、バットレス17、メガストラクチャー等
からなる補強用架構10を構築し、この補強用架構10
をその多数の箇所で既存建築物1に緊結する。 【効果】既存建築物の外側から耐震補強のための工事を
行なうことができ、既存建築物の内部に手を加える必要
がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、既存建築物の耐
震補強法、特に、既存建築物の外側に補強用架構を建築
する耐震補強法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の既存建築物の耐震補強法には、例
えば、その柱、梁、壁等の補強及び新設により耐力や靭
性を増加させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の既存建築
物の耐震補強法には次の(1)〜(5)ような問題点が
ある。 (1)壁を新設すると、部屋の大きさや形状が変わり部
屋の使い勝手が以前より悪くなる場合が生じる。 (2)補強工事を優先させると、工事箇所の部屋が使用
できなくなり、または、その使用が制限され、その部屋
の使用者の安全確保の対策が必要になる。また、工事中
の部屋の使用においては、工事による騒音、振動等の障
害が生じる。 (3)部屋の使用を優先させると、工事を夜間又は休日
に行なわなければならなくなり、一度に施工できなくな
り、工期が長くなり、コストアップになる。 (4)既存建築物の仕上げ材の撤去及びその復旧が必要
であり、コストアップになる。また、仕上げ材、養生材
等の撤去による大量の産業廃棄物が発生する。 (5)補強工事を行なうために、空調ダクト、設備配
管、配線の切り回し等の工事が必要であり、コストアッ
プになる。この発明の解決しようとする課題は、従来技
術の上記の(1)〜(5)ような問題点を有しない既存
建築物の耐震補強法を提供すること、換言すると、既存
建築物を使用しながら、短い工期でかつ少ない工事費で
耐震補強でき、その使用勝手を損なわない既存建築物の
耐震補強法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、次の構成を採用するものである。この
発明の構成は、既存建築物の外側に、剛性や耐力の高い
フレーム、バットレス、メガストラクチャー等からなる
補強用架構を建築し、この補強用架構をその多数の箇所
で既存建築物に緊結することを特徴とする既存建築物の
耐震補強法にある。この発明の好ましい実施形態におい
ては、次の(A)〜(C)ようにする。 (A)補強用架構は既存建築物の外側部の一部又は全部
に接近して建築する。 (B)剛性や耐力の高いフレームとして、例えば、純ラ
ーメン構造、耐震壁を含むラーメン構造、及びブレース
を含むラーメン構造を使用する。 (C)バットレスは、既存建築物に直接緊結し、又は既
存建築物に緊結したフレームに緊結する。 (D)補強用架構は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コ
ンクリート造又は鉄骨造とするが、それらの組合せであ
ってもよい。
【0005】また、多数の柱、梁、床等からなる多層の
既存建築物の外側に、これと接近して柱、梁等から構成
されかつ剛性や耐力の高いフレーム、バットレス、メガ
ストラクチャー等からなる補強用架構を建築し、この補
強用架構の柱及び梁を既存建築物の外周部の柱及び梁又
は床に対応させ、補強用架構をその多数の箇所で既存建
築物に緊結すると、既存建築物の内部及び窓部に手を加
えずに耐震補強することができる。この発明は、既存建
築物の外側に剛性や耐力の高い補強用架構を建築するた
め、既存建築物の外側に補強用架構を建築し得る充分な
空間(敷地)がある場合に特に有効な耐震補強法であ
る。
【0006】
【作用】この出願の発明は、既存建築物の外側に、剛性
や耐力の高いフレーム、バットレス、メガストラクチャ
ー等の補強用架構を建築し、この補強用架構をその多数
の箇所で既存建築物に緊結するから、既存建築物の外側
から耐震補強のための工事を行なうことができ、既存建
築物の内部に手を加える必要がなく、その部屋を使用し
ながら、既存建築物を補強することができる。
【0007】
【実施例】実施例は、図1〜図9に示され、この出願の
発明を多層の既存建築物1の耐震補強に適用した例であ
る。図1及び図2に示す既存建築物1は、鉄筋コンクリ
ート造で多層(例えば、図9に示すように、地下1層、
地上8層)に建築され、その柱2は、平面視で矩形の長
辺方向に等しい間隔で多数本(図1に示のものは19
本)配され、前記矩形の短辺方向に等しい間隔で数本
(図示のものは4本)配され、その各層において、各柱
2がそれぞれ梁3及び床4で連結され、建築物1の1階
以外の各階の床4に対応させて建築物1の外側に庇とな
る鍔状の突条部5が形成され、各階の外周部の柱2間に
はガラス戸を嵌めた窓枠6が設けられている。
【0008】既存建築物1の外側にこれと接近して補強
用架構10を建築する。図2に示す補強用架構10を構
成するフレーム11は、鉄骨鉄筋コンクリート造である
が、鉄筋コンクリート造でも、鉄骨造でもよい。補強用
架構10を構成するフレーム11は、図3〜図5に示す
ような柱12、梁13、壁14、ブレース15等で構成
されたものを使う。外観、採光等を考慮して、補強用架
構10を構成するフレーム11の高さを既存建築物1の
高さに略一致させ、前記フレーム11の柱12及び梁1
3を既存建築物の外周部の柱2及び梁3又は床4に対応
させる。すなわち、その柱12間の間隔を既存建築物1
の外周部の柱2間の間隔に合わせ、その上下方向の梁1
3間の間隔も既存建築物1の上下方向の梁3間又は床4
間の間隔に合わせる。上記のようにすると、図6に示す
既存建築物1の耐震補強前の正面視の外観が耐震補強後
には図7に示す正面視の外観になる。既存建築物1の窓
枠6の部分に手を加えなくても、外観が一新し、リニュ
ーアルの効果がある。なお、図7に示す補強用架構10
を構成するフレーム11の柱12の幅は図6に示す既存
建築物1の柱2の幅と略一致させてあり、図7に示す補
強用架構10を構成するフレーム11の梁13の成は図
6に示す既存建築物の梁3の成と床4の厚さの和に略一
致するようにしてある。
【0009】図3に示す補強用架構10を構成するフレ
ーム11は、柱12と梁13とからなる純ラーメン構造
としたものである。図4に示す補強用架構10を構成す
るフレーム11は、柱12と梁13とからなる枠体の内
側にこれらに接合して耐震壁14を設け、耐震壁14を
含むラーメン構造としたものである。なお、耐震壁14
の中央に開口14aを設けてもよい。図5に示す補強用
架構10を構成するフレーム11は、柱12と梁13と
からなる枠体の内側にX字状のブレース15を配し、そ
のX字状のブレース15の端を柱12と梁13とからな
る枠体の隅部に接合し、ブレース15を含むラーメン構
造としたものである。なお、ブレース15の形状は、例
えば、Λ字形、V字形、K字形であってもよい。図1に
示す補強用架構10は、既存建築物1の基礎の周囲に設
けた既存建築物1の基礎と同程度の基礎で支持され、図
1に示す平面視で矩形の既存建築物1の長辺側の面に沿
ってそれぞれ設けたフレーム11,11とその短辺側の
面に沿ってそれぞれ設けたフレーム11,11とをそれ
らの両端部において互いに接合して構成される。
【0010】新設の建築物を既存建築物に接合する通常
の接合法により、新設の補強用架構10を既存建築物1
に緊結して一体化する。例えば、図2に示すように、補
強用架構10を構成するフレーム11の梁13を建築す
る際に、その梁鉄骨13aの周囲に梁主筋13bを配
し、梁鉄骨13a及び梁主筋13bの周囲に肋筋13c
を配し、既存建築物1の突条部5のコンクリートを砕い
てその部分の鉄筋を露出させ、突条部5の露出させた鉄
筋がある空間と梁13の梁鉄骨13a、梁主筋13b及
び肋筋13cがある空間とに亘って連結筋13dを配
し、かつ突条部5の露出させた鉄筋、梁鉄骨13a、梁
主筋13b、肋筋13c及び連結筋13dの周囲に型枠
を配し、この型枠内にコンクリートを打設して、既存建
築物1に一体的に緊結させて補強用架構10を構成する
フレーム11を建築する。上記のようにすると、地震時
に既存建築物1に作用する水平力を、突条部5をとおし
て補強用架構10に伝え、剛性、耐力等の高い補強用架
構10で受け止めることができ、既存建築物1を補強す
ることができる。なお、必要に応じて、前記フレーム1
1の鉄骨鉄筋コンクリート造の各柱12も上記と略同じ
やり方で既存建築物1の外周部の鉄筋コンクリート造の
各柱2に、壁16を介して又は介しないで接合する。
【0011】補強用架構10を構成するフレーム11の
大きな側圧が加わる部分には、図1に示すように、8箇
のバットレス17を設ける。各バットレス17は、例え
ば、図8に示すように、フレーム11の一部を構成する
柱12、該柱12の外側の柱12から離れたところに樹
立した柱17A、柱12と柱17Aとを連結する梁17
B、及び柱12,17Aと梁17B,17Bとからなる
四角形の枠体の対向する角隅部を連結するブレース17
C等で構成する。バットレス17は、鉄筋コンクリート
造でも、鉄骨鉄筋コンクリート造でも、鉄骨造でもよ
い。
【0012】補強用架構10は、図9に示すように、メ
ガストラクチャー18で構成してもよい。メガストラク
チャー18はその多数の箇所で既存建築物1に緊結す
る。メガストラクチャー18の構造は、純ラーメン構
造、耐震壁を含むラーメン構造、及びブレースを含むラ
ーメン構造等が可能である。補強用架構10となるメガ
ストラクチャー18は、鉄筋コンクリート造でも、鉄骨
鉄筋コンクリート造でも、鉄骨造でもよい。例えば、図
9に示すように、既存建築物1の基礎1Aの周囲に前記
基礎1Aに接合してメガストラクチャー18を支持する
基礎1Bを建築する。基礎1Bの上に、既存建築物1の
前後左右の外周面に沿って二列に多数の柱18A,18
Bを樹立し、内側の柱18Aと外側の柱18Bを各層毎
に梁18Cで連結し、隣接する内側の柱18A同士及び
隣接する外側の柱18B同士を各層毎に梁で連結し、か
つブレース18Dを各層毎に設けて、既存建築物1の前
後左右の外周面に沿ってそれぞれメガストラクチャー1
8の部分を建築し、前後左右のメガストラクチャー18
の部分の上部間に上側の梁18E,下側の梁18F、束
柱18G、ブレース18H等からなるメガストラクチャ
ーを建築し、上側のメガストラクチャー18の部分とす
る。補強用架構10を構成するメガストラクチャー18
をその多数の箇所で常法により既存建築物1に緊結す
る。図9に示す例では、例えば、メガストラクチャー1
8の内側の柱18A及び隣接する内側の柱18A同士を
連結する梁を、既存建築物1の外側の突条部5に常法に
より緊結する。なお、必要に応じて、メガストラクチャ
ー18の内側の柱18Aを、既存建築物1の外周部の柱
2に適宜のやり方で緊結する。
【0013】
【発明の効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に記載
した構成を備えることにより、次の(イ)〜(ハ)の効
果を奏する。 (イ)請求項1記載の既存建築物の耐震補強法は、既存
建築物の外側に、剛性や耐力の高いフレーム、バットレ
ス、メガストラクチャー等からなる補強用架構を建築
し、この補強用架構をその多数の箇所で既存建築物に緊
結するから、既存建築物の外側から耐震補強のための工
事を行なうことができ、既存建築物の内部に手を加える
必要がなく、既存建築物を使用しながら耐震補強でき
る。また、請求項1記載の耐震補強法は、既存建築物の
内部に手を加えないから、従来の耐震補強法のように、
部屋の使用勝手の阻害、部屋の有効面積の減少、工事中
の建築物使用の制限・安全確保の必要性、建築物内の仕
上げの撤去・復旧の無駄、産業廃棄物の大量発生及び設
備の切り回し工事の問題等は生じない。さらに、請求項
1記載の耐震補強法は、既存建築物の外側に、剛性や耐
力の高いフレーム、バットレス、メガストラクチャー等
からなる補強用架構を新たに建築するから、この補強用
架構のデザインにより既存建築物の外観の一新が図れる
ので、リニューアルの効果があり、工事費の大幅な低減
及び工期の大幅な短縮が可能になる。 (ロ)請求項2記載の既存建築物の耐震補強法は、多数
の柱、梁、床等からなる多層の既存建築物の外側に、こ
れと接近して柱、梁等から構成されかつ剛性や耐力の高
いフレーム、バットレス、メガストラクチャー等からな
る補強用架構を建築し、この補強用架構の柱及び梁を既
存建築物の外周部の柱及び梁又は床に対応させ、補強用
架構をその多数の箇所で既存建築物に緊結するから、既
存建築物の内部及び窓部に手を加えずに耐震補強するこ
とができ、工事費の大幅な低減及び工期の大幅な短縮が
可能になる。 (ハ)請求項3記載の耐震補強された建築物は、建築物
の内部及び窓部に手を加えずに、既存の建築物を耐震補
強できるので、従来技術の問題を容易に解決することが
でき、工事費を大幅に低減し、工期を大幅に短縮するこ
とができる。また、補強用架構のデザインにより既存建
築物の外観を一新させることができ、リニューアルの効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明思想を具体化した実施例の建築物の
概略的な平面図
【図2】実施例の建築物を図1のA−A線で断面した要
部の側面図
【図3】実施例の補強用架構のフレームとして採用する
純ラーメン構造の正面図
【図4】実施例の補強用架構のフレームとして採用する
耐震壁を含むラーメン構造の正面図
【図5】実施例の補強用架構のフレームとして採用する
ブレースを含むラーメン構造の正面図
【図6】図2に示す実施例の既存建築物の耐震補強前の
外観の一部を示す正面図
【図7】図2に示す実施例の既存建築物の耐震補強後の
外観の一部を示す正面図
【図8】実施例の建築物を図1のB−B線で断面したバ
ットレスを含む要部の側面図
【図9】実施例の補強用架構としてメガストラクチャー
を使って耐震補強した建築物を柱のところで縦断した概
略的な側面図
【符号の説明】
1 既存建築物 1A,1B 基礎 2,12,17A,18A,18B 柱 3,13,17B,18C,18E,18F 梁 4 床 5 突条部 10 補強用架構 11 フレーム 14 耐震壁 15,17C,18D,18H ブレース 16 壁 17 バットレス 18 メガストラクチャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 裕 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 安部 重孝 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 太田 道彦 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既存建築物の外側に、剛性や耐力の高いフ
    レーム、バットレス、メガストラクチャー等からなる補
    強用架構を建築し、この補強用架構をその多数の箇所で
    既存建築物に緊結することを特徴とする既存建築物の耐
    震補強法。
  2. 【請求項2】多数の柱、梁、床等からなる多層の既存建
    築物の外側に、これと接近して柱、梁等から構成されか
    つ剛性や耐力の高いフレーム、バットレス、メガストラ
    クチャー等からなる補強用架構を建築し、この補強用架
    構の柱及び梁を既存建築物の外周部の柱及び梁又は床に
    対応させ、補強用架構をその多数の箇所で既存建築物に
    緊結することを特徴とする既存建築物の耐震補強法。
  3. 【請求項3】既存建築物が多数の柱、梁、床等からなる
    多層の建築物で構成され、既存建築物の外側にこれと接
    近して建築された剛性や耐力の高い補強用架構が柱、
    梁、ブレース等からなるフレーム、バットレス、メガス
    トラクチャー等で構成され、補強用架構の柱及び梁が既
    存建築物の外周部の柱及び梁又は床に対応させて配置さ
    れ、補強用架構がその多数の箇所で既存建築物に緊結さ
    れていることを特徴とする耐震補強された建築物。
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