JPH09208522A - ケンプ酸二置換誘導体、その製造方法及び選択的金属イオン分離剤 - Google Patents

ケンプ酸二置換誘導体、その製造方法及び選択的金属イオン分離剤

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JPH09208522A
JPH09208522A JP2220396A JP2220396A JPH09208522A JP H09208522 A JPH09208522 A JP H09208522A JP 2220396 A JP2220396 A JP 2220396A JP 2220396 A JP2220396 A JP 2220396A JP H09208522 A JPH09208522 A JP H09208522A
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振賀 王
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の金属イオンが存在する水溶液から、特
定の金属イオンを高効率で選択的かつ連続的に分離しう
る新規なケンプ酸二置換誘導体及びそれを用いた選択的
金属イオン分離剤を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中のY1及びY2は−OAr又は−NHArであり、
Arはアラルキル基である)で表わされるケンプ酸二置
換誘導体、及びこのケンプ酸二置換誘導体を含有する溶
液から成る選択的金属イオン分離剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なケンプ酸二
置換誘導体、その製造方法及びそのケンプ酸二置換誘導
体を活性成分として含む選択的金属イオン分離剤に関す
るものである。さらに詳しくいえば、本発明は、種々の
金属イオンが存在する水溶液から、金属イオンを選択的
かつ連続的に抽出することができ、効率よく輸送する能
力をもつケンプ酸ジアミド、ジエステル及びアミドエス
テル、その製造方法並びに前記ケンプ酸二置換誘導体を
用いた金属イオンを選択的に抽出し、輸送しうる分離剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀、金などの貴金属や、銅、鉛、水銀な
どの有害金属を含む水溶液中からこれらの金属を分離す
る技術は、資源の回収再利用及び環境汚染防止の観点か
ら極めて重要である。これまで、これらの金属の分離方
法としては、金属含有水溶液を陽イオン交換樹脂、活性
炭、金属キレート化剤などに接触させて、金属をこれら
に吸着させ分離する方法が主流をなしていたが、近年、
液膜を通してイオン輸送剤により、金属イオンを選択的
に抽出し、輸送する方法が連続的操作が可能であり、効
率的であるという観点から注目されるようになった。
【0003】これまで、このイオン輸送剤としては、水
銀のみを捕捉するものとしてトロポノイド付加ジチオク
ラウンエーテル類が、鉛のみを捕捉するものとして環状
ポリエーテルジカルボン酸が、水銀のみを捕捉するもの
として8‐キノリル基をもつメチオニン誘導体が知られ
ており、さらに本発明者らによって銅のみを選択的に捕
捉するものとして、α‐アミノ酸ジアミド誘導体が提案
されている(特開平5−163243号公報)。他方、
ケンプ酸は、分子認識、自己集積現象の研究に利用され
ていたが[「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」,第
110巻,第5192ページ]、金属イオンとの関係に
ついての研究はほとんど行われてなく、最近、本発明者
らは、ケンプ酸イミド誘導体の金属イオンとの相互作用
に着目し、そのアルカリ土類金属イオン輸送能について
報告した例があるだけである[「ケミストリー・レター
ズ(ChemistryLetters)」第1995
巻,第231ページ]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数の金属
イオン、特にアルカリ金属イオン以外の金属イオンに対
し、選択的な優れた分離能を示し、かつ高い輸送速度を
有する新規な化合物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これまで
分子認識、自己集積現象の研究に用いられていたケンプ
酸が、空間的配置の制御されたカルボキシル基を有する
ことから、種々の金属イオンの認識に応用しうるのでは
ないかと考え、それに特定のエステル又はアミド構造を
導入したもの及びそれらの立体異性体について、各種イ
オンに対する挙動を調べたところ、このものはアルカリ
金属イオンに対しては低い輸送能を示すが、アルカリ土
類金属イオンや重金属イオンに対しては、意外にも非常
に高い輸送能を示すことを見出し、この知見に基づいて
本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、一般式
【化6】 (式中のY1及びY2は−OAr又は−NHArであり、
Arはアラルキル基である)で表わされるケンプ酸二置
換誘導体、及びこのケンプ酸二置換誘導体を含有する溶
液から成る選択的金属イオン分離剤を提供するものであ
る。また、本発明方法に従えば、前記一般式(I)で表
わされるケンプ酸二置換誘導体は、一般式
【化7】 (式中のXはハロゲン原子である)で表わされるケンプ
酸無水物酸ハライドと、一般式 Y1−H (III) 及び Y2−H (IV) (式中のY1及びY2はそれぞれ前記と同じ意味をもつ)
で表わされる化合物とを、脱ハロゲン化水素剤の存在下
で反応させることにより、製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)で表わされ
るケンプ酸二置換誘導体は文献未載の新規な化合物であ
って、その種類としては、一般式(I)において、
(1)Y1及びY2が−OArであるケンプ酸ジエステ
ル、(2)Y1が−OArで、かつY2が−NHAr、又
はY1が−NHArで、かつY2が−OArであるケンプ
酸アミドエステル、及び(3)Y1が−NHArで、か
つY2が−NHArであるケンプ酸ジアミドがある。こ
の式におけるArの例としては、ベンジル基、フェネチ
ル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニ
ルヘキシル基などが挙げられる。この一般式(I)中の
2個のArは同じものでもよいし、異なっていてもよ
い。
【0008】前記一般式(I)で表わされるケンプ酸二
置換誘導体を選択的金属イオン分離剤として用いる場合
には、親水性の低いものが有利である。特に、一般式
【化8】 (式中のAr1及びAr2は、それぞれ炭素数7〜20の
アラルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なっ
ていてもよい)で表わされるケンプ酸ジアラルキルアミ
ド、及び一般式
【化9】 (式中のAr3及びAr4は、それぞれ炭素数7〜20の
アラルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なっ
ていてもよい)で表わされるケンプ酸ジアラルキルエス
テルが好適である。
【0009】前記一般式(I)で表わされるケンプ酸二
置換誘導体は例えば前記一般式(II)で表わされるケ
ンプ酸無水物酸ハライドと、一般式(III)及び(I
V)で表わされるアルコール類又はアミン類とを、脱ハ
ロゲン化水素剤の存在下に反応させることにより、効率
よく製造することができる。
【0010】この反応において、原料として用いられる
一般式(II)で表わされるケンプ酸無水物酸ハライド
は、式
【化10】 で表わされるcis,cis‐1,3,5‐トリメチル
‐1,3,5‐シクロヘキサントリカルボン酸、すなわ
ちケンプ酸を酸ハロゲン化剤、例えばハロゲン化チオニ
ルなどと加熱、反応させることによって得ることができ
る。
【0011】このケンプ酸無水物酸ハライドとアルコー
ル類やアミン類との反応は、有機溶媒中において、脱ハ
ロゲン化水素剤及び場合により用いられる触媒の存在下
に行われる。この際に用いられる溶媒としては、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
n‐ヘキサン、シクロヘキサン、n‐ヘプタンなどの脂
肪族若しくは脂環式炭化水素、塩化メチレン、クロロホ
ルム、エチレンクロリドなどのハロゲン化炭化水素、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを
挙げることができるが、特に塩化メチレンが好適であ
る。脱ハロゲン化水素剤としては、例えばトリエチルア
ミンなどの有機塩基が好適であり、また必要に応じて用
いられる触媒としては、例えば4‐ジメチルアミノピリ
ジンが好適である。
【0012】使用するアルコール類やアミン類の種類、
触媒の有無などにより変わるが、この反応は、一般に0
〜100℃、好ましくは10〜60℃の範囲の温度にお
いて行われる。また、ケンプ酸無水物酸ハライドとアル
コール類やアミン類との使用割合については、アルコー
ル類やアミン類を、ケンプ酸無水物酸ハライドに対し
て、化学量論量より若干過剰に用いるのが有利である。
【0013】反応終了液は十分洗浄したのち、濃縮して
溶媒などを留去させ、次いで残渣を適当な溶媒を用いて
再結晶することにより、所望のケンプ酸二置換誘導体が
得られる。この反応において、ケンプ酸無水物酸ハライ
ドにアミン類を反応させれば、ケンプ酸ジアミドが、ア
ルコール類を反応させればケンプ酸ジエステルが、また
アミン類とアルコール類とを反応させればケンプ酸アミ
ドエステルがそれぞれ得られる。ただし、アルコール類
とアミン類とを反応させる場合は、最初にアラルキルア
ルコールを反応させたのち、アミン類を反応させるのが
有利である。
【0014】前記一般式(I)で表わされるケンプ酸二
置換誘導体は、分子中にカルボキシル基及びヘテロ原子
(窒素、酸素原子)を含有しており、これによって、溶
液A‐溶液M‐溶液Bから成る液膜系において、一方の
溶液A中の金属イオンを選択的に溶液Bに輸送する作用
を有するとともに水溶液から所定の金属イオンを選択的
に抽出する作用を有する。
【0015】本発明の前記一般式(I)で表わされるケ
ンプ酸二置換誘導体を、イオノフォアとして用い、金属
イオンの移行を行うには、2種の溶液A及びBを、本発
明化合物を介して間接的に接触させればよい。例えば、
(1)本発明化合物を溶液Aと溶液Bに対して実質上非
混和性の有機溶媒に溶解させ、この本発明化合物の溶液
を中間溶液として、溶液A及び溶液Bを間接的に接触さ
せる方法、(2)隔膜により仕切られた区画内に収容さ
せた本発明化合物の溶液を介して、溶液A及び溶液Bを
間接的に接触させる方法、(3)高分子膜やろ紙などの
支持体に支持させた本発明化合物を介して、溶液A及び
溶液Bを間接的に接触させる方法などを用いることがで
きる。
【0016】次に、添付図面に従い、溶液Aと溶液Bと
を、本発明化合物の溶液Mを介して接触させることによ
り、金属イオンの移行を行う場合の具体例を示す。図1
は、本発明のケンプ酸二置換誘導体をイオノフォアとし
て用い、金属イオンの移送を行う場合の装置の1例の説
明図であって、U字型の装置1は、筒状容器2及び3と
それらの下部を連結する連結管4とかきまぜ機5及び6
とから構成されている。
【0017】この装置1に対し、まず、本発明化合物の
溶液Mを中間溶液層として入れ、次いで、一方の筒状容
器2に溶液Aを、他方の筒状容器3に溶液Bを入れる。
なお、溶液Mは溶液A及びBと実質上非混和性のもので
ある。
【0018】前記溶液Aは、移送対象となる金属イオン
を含むものであり、通常水溶液が用いられるが、必ずし
も水溶液に限定されるものではなく、有機溶媒と水との
混合溶液や、アルコールなどの有機溶媒溶液も適用され
る。また、この溶液Aは、通常pH3〜9の弱アルカリ
性ないし弱酸性溶液として用いられる。一方、溶液B
は、移送される金属イオンを受け取るためのもので、酸
性溶液が用いられる。この酸性溶液としては、例えば塩
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、あるいはギ酸、酢酸、
有機スルホン酸などの有機酸を含むpH3以下の水溶液
が一般に用いられる。この溶液Bは種々の陽イオンを含
むことができ、溶液Aに含まれる移送対象となる金属イ
オンと同種のものを含むことができる。
【0019】また、本発明化合物は、イオン濃度勾配に
逆らって金属イオンを移送させることができるので、溶
液Bに含まれる金属イオン濃度は、溶液Aに含まれる金
属イオン濃度よりも高濃度にすることができる。溶液M
の調製に用いられる溶媒としては、溶液A及び溶液Bと
実質上非混和性のもの、例えば溶液A及び溶液Bが水溶
液である場合には、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ンなどの炭化水素、ヘキシルアルコール、オクチルアル
コールなどの水難溶性アルコールなどが挙げられる。
【0020】このようにして、溶液A及び溶液Bを間接
的に接触させることにより、弱アルカリ性ないし弱酸性
溶液A中の金属イオンは本発明のケンプ酸二置換誘導体
に捕捉され、この金属イオンを捕捉したケンプ酸二置換
誘導体は、酸性の溶液Bと接触し、その中に捕捉した金
属イオンを放出する。このようにして、溶液A中の金属
イオンが溶液B中に効果的に移行される。
【0021】本発明のケンプ酸二置換誘導体を含む金属
イオン分離剤は、一価金属イオン例えばアルカリ金属イ
オンに対する輸送速度は低いが、多価金属イオン例え
ば、アルカリ土類金属イオン、銅イオン、鉛イオン、亜
鉛イオンなどに対しては、著しく高い輸送速度を示す。
また、本発明のケンプ酸二置換誘導体は、金属イオン選
択抽出剤としても優れた性能を発揮する。
【0022】
【発明の効果】本発明のケンプ酸二置換誘導体は新規な
化合物であって、金属イオンに対して大きな選択的輸送
能を示す。したがって、該ケンプ酸二置換誘導体をイオ
ノフォアとして用いることにより、溶液A中に含まれる
金属イオンを溶液B中に移送させることができる。しか
も溶液B中の金属イオン濃度が溶液A中の金属イオン濃
度よりも高濃度であっても、その濃度勾配に逆らって溶
液Aから溶液Bへ金属イオンを移送させることができる
ので、溶液A中の金属イオンを溶液B中へ濃縮すること
も可能である。
【0023】本発明のケンプ酸二置換誘導体を、金属イ
オンの選択輸送剤として用いることにより、各種の金属
イオンが存在する水溶液から、金属イオンを高効率で選
択的かつ連続的に分離することができる。また、該ケン
プ酸二置換誘導体は、金属イオン選択抽出剤としても有
用である。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0025】実施例1(ケンプ酸ジフェネチルアミドの
製造) ケンプ酸無水物酸クロリド体1000mg(3.87ミ
リモル)とトリエチルアミン803mg(7.94ミリ
モル)とを含有するテトラヒドロフラン溶液150ml
中に、フェネチルアミン960mg(7.92ミリモ
ル)及び触媒量の4‐ジメチルアミノピリジンを加え、
これを50℃において一晩かきまぜて反応させた。次い
で、これを0.1M塩酸溶液30mlで3回洗浄したの
ち、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、得られた固体状
の残渣を酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルクロマ
トグラフィーにかけた。さらに得られたものを塩化メチ
レンとヘキサンの混合溶剤から再結晶することにより、
ケンプ酸ジフェネチルアミドが、無色透明の結晶として
1456mg(収率81.0%)得られた。このものの
融点は149.0〜150.2℃であった。
【0026】この化合物は、以下に示す分析結果より同
定された。 (1)赤外吸収スペクトル: IR(cm-1):3299、3063、3030、29
59、1705、1642、1609、1553、14
66、1188、698 (2)1H−NMRスペクトル: (CDCl3、δppm):7.15〜7.28(m,
10H)、7.06(t,2H,J=5.5Hz)、
3.35〜3.40(m,4H)2.76〜2.81
(m,7H)、1.29(s,6H)、1.14(s,
6H)、1.05(d,2H,J=15.3Hz)、
1.02(d,1H,15.3Hz) (3)13C−NMRスペクトル: (CDCl3,δppm):180.36、177.0
6、139.00、128.75、128.42、12
6.28、43.34、43.19、42.78、4
2.43、41.30、35.11、33.69、3
2.97
【0027】実施例2(ケンプ酸ジベンジルエステルの
製造) ケンプ酸無水物酸クロリド体1.34g(5.18ミリ
モル)とトリエチルアミン1.61g(15.9ミリモ
ル)とを含有するトルエン溶液60ml中に、ベンジル
アルコール1.70g(15.7ミリモル)及び触媒量
の4‐ジメチルアミノピリジンを加えて、これを36時
間還流させた。次いで、これを0.1M塩酸溶液30m
lで3回洗浄したのち、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮
し、得られた無色油状物をクロロホルムと酢酸エチルを
展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにかけて
分離した。次に得られた第2フラクションを80℃にて
4時間真空乾燥したのち、ジエチルエーテルとヘキサン
の混合溶剤から再結晶することにより、ケンプ酸ジベン
ジルエステルが、無色の結晶として0.955g(収率
42.0%)得られた。このものの融点は114.0〜
116.0℃であった。
【0028】この化合物は、以下に示す分析結果より同
定された。 (1)赤外吸収スペクトル: IR(cm-1):3034、2967、2934、17
36、1703、1456、1385、1296、12
58、760、702 (2)1H−NMRスペクトル: (CDCl3−D6,δppm):7.30〜7.37
(m,10H)、5.07(s,4H)、2.82
(d,2H,J=13.8Hz)、2.79(d,1
H,J=14.6Hz)、1.31(s,3H)、1.
26(s,6H)、1.06(d,2H,J=14.9
Hz)、1.05(d,1H,J=14.8Hz) (3)13C−NMRスペクトル: (CDCl3−D6,δppm):178.74、17
7.12、136.38、128.36、128.1
4、127.86、66.69、43.34、42.2
5、41.53、32.17、30.57
【0029】実施例3 装置として図1に示す装置を、イオノフォアとして実施
例1で得られたケンプ酸ジフェネチルアミドを用いて陽
イオンの輸送試験を行った。まず、溶液Aとして、10
mM−Cu(OAc)2、10mM−Pb(OAc)2
10mM−Ni(OAc)2、10mM−Co(OA
c)2及び10mM−Zn(OAc)2を含有するpH
6.2の水溶液15mlを、溶液Bとして、0.1N−
硝酸水溶液15mlを、溶液Mとして、実施例1で得ら
れたケンプ酸ジフェネチルアミド1.5×10-4mol
をクロロホルム30mlに溶解した溶液を調製した。
【0030】次に、図1に示す装置1に、まず前記溶液
Mを中間液層として入れ、次いで一方の筒状容器2に前
記溶液Aを、他方の筒状容器3に前記溶液Bを入れ、輸
送試験を常温(25℃)にて行った。溶液Aから溶液B
へ輸送された2日後の各陽イオン量を原子吸光分析によ
り測定し、この量から溶液A中の初期量のうち、溶液B
へ移行した割合を求めた。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この表1から分かるように、実質上Cu2+
及びPb2+が選択的に輸送される。
【0033】実施例4 実施例3において、イオノフォアとしてケンプ酸ジフェ
ネチルアミドの代わりに、実施例2で得られたケンプ酸
ジベンジルエステルを用いた以外は、実施例3と全く同
様にして陽イオンの輸送実験を行った。結果を表2に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】この表2から分かるように、実質上Pb2+
が選択的に輸送される。
【0036】実施例5、6 実施例3において、溶液Aとして10mM−MgC
2、10mM−CaCl2、10mM−SrCl2及び
10mM−BaCl2を含有するpH9.0の水溶液1
5mlを用い、かつ溶液Mとして、実施例1で得られた
ケンプ酸ジフェネチルアミド、実施例2で得られたケン
プ酸ジベンジルエステル、それぞれ1.5×10-4mo
lをクロロホルム30mlに溶解した溶液をそれぞれ用
いた以外は、実施例3と全く同様にして陽イオンの輸送
実験を行った。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(注)イオノフォアの種類 a:実施例1で得られたケンプ酸ジフェネチルアミド b:実施例2で得られたケンプ酸ジベンジルエステル
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のケンプ酸二置換誘導体をイオノフォ
アとして用い、金属イオンの移送を行う場合の装置の1
例の説明図
【符号の説明】 1 U字型装置 2,3 筒状容器 4 連結管 5,6 かきまぜ機 A 溶液A B 溶液B M 溶液M
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブルース ボールドウィン 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のY1及びY2は−OAr又は−NHArであり、
    Arはアラルキル基である)で表わされるケンプ酸二置
    換誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中のAr1及びAr2が、それぞれ炭素数7〜20の
    アラルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なっ
    ていてもよい)で表わされる請求項2記載のケンプ酸二
    置換誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式 【化3】 (式中のAr3及びAr4は、それぞれ炭素数7〜20の
    アラルキル基であり、それらはたがいに同一でも異なっ
    ていてもよい)で表わされる請求項2記載のケンプ酸二
    置換誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式 【化4】 (式中のXはハロゲン原子である)で表わされるケンプ
    酸無水物酸ハライドと、一般式 Y1−H 及び Y2−H (式中のY1及びY2は−OAr又は−NHArであり、
    Arはアラルキル基である)で表わされる化合物とを、
    脱ハロゲン化水素剤の存在下で反応させることを特徴と
    する、一般式 【化5】 (式中のY1及びY2は、それぞれ前記と同じ意味をも
    つ)で表わされるケンプ酸二置換誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のケンプ酸二置換誘導体を
    含有する溶液から成る選択的金属イオン分離剤。
  6. 【請求項6】 アルカリ土類金属イオン、銅イオン、鉛
    イオン及び亜鉛イオンの中から選ばれた金属イオンを分
    離する請求項6記載の選択的金属イオン分離剤。
JP2220396A 1996-02-08 1996-02-08 ケンプ酸二置換誘導体、その製造方法、選択的金属イオン分離剤及び選択的金属イオン分離剤を用いた金属イオン含有水溶液の処理方法 Expired - Lifetime JP2855185B2 (ja)

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JP2220396A Expired - Lifetime JP2855185B2 (ja) 1996-02-08 1996-02-08 ケンプ酸二置換誘導体、その製造方法、選択的金属イオン分離剤及び選択的金属イオン分離剤を用いた金属イオン含有水溶液の処理方法

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