JPH09208526A - 新規化合物及びそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

新規化合物及びそれを含有する液晶組成物

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JPH09208526A
JPH09208526A JP8017900A JP1790096A JPH09208526A JP H09208526 A JPH09208526 A JP H09208526A JP 8017900 A JP8017900 A JP 8017900A JP 1790096 A JP1790096 A JP 1790096A JP H09208526 A JPH09208526 A JP H09208526A
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JP
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liquid crystal
group
phase
compound
crystal composition
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Application number
JP8017900A
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English (en)
Inventor
Junko Mizuguchi
純子 水口
Ryuji Kadota
隆二 門田
Takeo Watanabe
岳男 渡辺
Osami Inoue
長三 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電性液晶材料の添加剤として好適な新規
な化合物を提供する。 【解決手段】 【化1】 (式中R1 及びR2 は各々独立に炭素数1〜18の鎖状
アルキル基、炭素数3〜18の鎖状アルケニル基、炭素
数3〜18の鎖状アルキニル基またはアルコキシ部分が
炭素数1〜3でありアルキル部分の炭素数が1〜18で
ある鎖状アルコキシアルキル基を示し、nは1ないし3
を示す;G1 およびG3 は単結合、エーテル、−COO
−、−OCO−および−CO−;G2 はCNまたは水素
原子を示す;Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基な
どを示す。)で表される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化合物に関
し、さらに詳しくは誘電異方性〓εが負でかつ、その値
が著しく大きな液晶化合物に関するもので、またこれを
含有する液晶組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負の誘電異方性(Δε=ε1 −ε2
0、式中はε1 は分子の長軸に沿った誘電率であり、そ
してε2 は分子長軸に対して垂直である誘電率である)
を示す化合物は、それらの分子の長軸が電場において、
この場の方向に対して垂直に整列される。誘電異方性Δ
εが負の材料は、電圧の印加により液晶層が動的散乱を
生じることを応用した光散乱型の液晶表示装置、及び液
晶の傾きを制御することにより液晶の複屈折を利用して
偏光板により多色表示をするいわゆるDAP型液晶表示
装置、さらには特定の色素を含有させた液晶材料を用い
るいわゆるゲスト・ホスト型の色素表示装置の重要な構
成要素であることは既に一般によく知られている。前記
の如く液晶表示装置において、電圧の印加に対して液晶
が応答を開始するに必要な最低の電圧、即ち閾値を低下
させるためには、また目視に対して充分なコントラスト
を示すに必要な動作電圧を低下させるためには、液晶材
料の誘電異方性Δεは大きな負の値を持つことが要求さ
れている。しかるに例えば誘電異方性Δεが負の液晶と
して良く知られているMBBA(メトキシベンジリデン
ブチルアニリン)では誘電異方性Δεが−0.5、また
安息香酸フェニルエステル類からなる液晶では誘電異方
性Δεは高々−0.4の程度である。従って誘電異方性
Δεがさらに大きな負の値を持つ液晶化合物の出現が望
まれていた。
【0003】そのような要望に応える物質の1つとして
分子側方にシアノ基を二個有する物質が提案(特開昭5
9−10557号公報)されてはいたが、粘度が非常に
高くなり、少量を添加するに留まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであっ
て、強誘電性液晶材料の添加剤として好適に用いること
ができ、下記のような特性を有する新規な化合物を提供
するものである。 1.それ自体物理的化学的に安定な化合物。 2.他の液晶化合物あるいは液晶組成物と混合すること
により、または単独で強誘電性を発現させ、広い温度範
囲でキラルスメクチックC相を示す液晶組成物が得られ
ること。 3.大きな負の誘電異方性Δεを有すること。 4.低粘性を有し、高速応答性の液晶組成物が得られる
こと。 5.メモリー特性の閾値が向上し、十分高いコントラス
ト比の液晶組成物が得られること。 本発明はまた、上記特性を有する液晶組成物並びに液晶
素子を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る2,3−ジ
フロロ安息香酸エステル誘導体は、一般式(I)で表さ
れる。
【0006】
【化3】 (式(I)中R1 及びR2 は各々独立に炭素数1〜18
の鎖状アルキル基、炭素数3〜18の鎖状アルケニル
基、炭素数3〜18の鎖状アルキニル基またはアルコキ
シ部分の炭素数1〜3でアルキル部分の炭素数1〜18
の鎖状アルコキシアルキル基を示し、またはこれらは1
つ以上のハロゲン原子で置換されたものであってもよ
い;R1 及びR2 には不斉炭素原子を含んでよい;nは
1ないし3を示す;G1 およびG3 は単結合、エーテ
ル、−COO−、−OCO−および−CO−で表される
群から選ばれる基を示す;G2 はCNまたは水素原子を
示す;Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数
1〜5のアルキル基、アルコキシ基またはトリハロアル
キル基を示す。)
【0007】本発明に係る液晶組成物は、上記式(I)
で表されるジフロロ安息香酸エステル誘導体を少なくと
も1種以上含有すること。本発明に係る強誘電性キラル
スメクチック液晶組成物は、キラルスメクチックC相ま
たはスメクチックC相を示す液晶化合物または組成物
と、上記式(I)で表される2,3−ジフロロ安息香酸
エステル誘導体とを含有する。
【0008】本発明は、さらに印加電圧手段を有する一
対の基板と、これらの基板に挟まれた液晶層と、少なく
とも一方の基板の液晶層側に設けられた配向制御層から
なり、該液晶層には、上記一般式(I)で表される2,
3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体が一種以上含有さ
れていることを特徴とする液晶素子を開示する。
【0009】本発明に係る2,3−ジフロロ安息香酸エ
ステル誘導体は、物理的化学的に安定であり、低粘度を
有し、また大きな負の誘電異方性Δεを有し、該2,3
−ジフロロ安息香酸エステル誘導体と他の液晶化合物と
からなる液晶組成物は、広い温度範囲でキラルスメクチ
ックC相を示し、低粘度を有し、印加電圧に対して高速
応答性を示す。この2,3−ジフロロ安息香酸エステル
誘導体が、液晶組成物中に少量含有されることにより、
メモリー特性の閾値が向上され、十分高いコントラスト
比の液晶組成物が得られる。本発明で開示される液晶素
子には、上記特性を有する液晶組成物が用いられてお
り、上記のような優れた特性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、先ず初めに本発明に係る新
規な2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体について
具体的に説明する。
【0011】本発明に係わる2,3−ジフロロ安息香酸
エステル誘導体は、一般式(I)で表される。式(I)
中、好ましくはR1 及びR2 は各々独立、好ましくは3
〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜12の鎖状アルケ
ニル基、炭素数3〜12の鎖状アルキニル基またはアル
コキシ部分の炭素数1〜3でアルキル部分の炭素数3〜
12の鎖状アルコキシアルキル基を示し、またこれらの
基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい;上記R
1 及びR2 には不斉炭素原子を含んでよい。R1 及びR
2 は特に好ましくは炭素数6〜12個の鎖状アルキル基
である。nは1ないし3を示す;G1 およびG3 は単結
合、エーテル、−COO−、−OCO−および−CO−
で表される群から選ばれる基を示す;G2 はCNまたは
水素原子を示す;Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基またはト
リハロアルキル基を示す。)で表されるが、好ましくは
水素原子である。好ましくはG1 は単結合、エーテル、
3 は−COO−である。
【0012】上記一般式におけるR1 及びR2 は、上記
のようにアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を示
すが、そのうちのアルキル基としては、具体的には、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチ
ル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ド
デシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペン
タデシル、イソプロピル、t−ブチル、2−メチルプロ
ピル、1−メチルプロピル、3−メチルブチル、2−メ
チルブチル、1−メチルブチル、4−メチルペンチル、
3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチル
ペンチル、5−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、
3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、1−メチル
ヘキシル、6−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、
4−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、2−メチル
ヘプチル、1−メチルヘプチル、7−メチルオクチル、
6−メチルオクチル、5−メチルオクチル、4−メチル
オクチル、3−メチルオクチル、2−メチルオクチル、
1−メチルオクチル、8−メチルノニル、7−メチルノ
ニル、6−メチルノニル、5−メチルノニル、4−メチ
ルノニル、3−メチルノニル、2−メチルノニル、1−
メチルノニル、3,7−ジメチルオクチル、3,7,1
1−トリメチルドデシルなどの基が挙げられる。
【0013】アルケニル基としては、具体的には、例え
ば2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5
−ヘキセニル、6−ヘプテニル、7−オクテニル、8−
ノネニル、9−デセニル、10−ウンデセニル、11−
ドデセニル、12−トリデセニルなどの直鎖状のもの、
1−メチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニ
ルなどの分岐を有するアルケニル基が挙げられる。ま
た、アルキニル基としては、具体的には、例えば2−プ
ロピニル、3−ブチニル、5−ヘキシニル、7−オクチ
ニルなどの直鎖状のもの、1−メチル−2−プロピニル
などの分岐を有するアルキニル基が挙げられる。好まし
くはR1 はn−オクチル、R2 はn−ヘキシルまたは2
−メチルブチルである。
【0014】本発明に係る一般式(I)で表される化合
物は、下記式(III)で示される化合物と下記式(IV)で
示される化合物とを反応させることによって製造するこ
とができるが、この合成法に限らない。例えば、酸クロ
ライド法などがある。
【化4】 [式中、R1 ,R2 ,X,G1 及びG2 は、それぞれ前
記式(I)の場合と同じ。]
【0015】特に、上記式(I)において、n=1、G
1 が単結合,G2 がCN、G3 がエステルである場合を
例にとって詳説すると、本発明に係る2,3−ジフロロ
安息香酸エステル誘導体(I’)は、下記式(III’)で
示される化合物と、下記式(IV’)で示される化合物と
を反応することにより製造することができる。
【化5】 [式(III’)、(IV’)中のR1 およびR2 は、式
(I’)中のR1 およびR2 と同様な意味を表してい
る。]
【0016】すなわち、一般式(III)で表される2,3
−ジフロロ安息香酸と、液晶性母核と成り得る一般式
(IV)で表されるフェノール誘導体とを、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(以下DCCと略す)、ジメチルア
ミノピリジン(以下DMAPと略す)の存在下で反応さ
せることにより、目的とする2,3−ジフロロ安息香酸
エステル誘導体を製造することができる。このような反
応には、式(III)で表される化合物1モルに対して、式
(IV)で表される化合物は、理論的には当モル量を用い
ればよいが、通常では、1.0〜1.2モル程度の量が
用いられる。この際の反応温度は、通常室温である。こ
のような式(I)で表される2,3−ジフロロ安息香酸
エステル誘導体の合成の際には、溶媒として、ジクロロ
メタン、テトラヒドロフラン、エーテル等の溶媒を1種
または2種以上適宜組み合わせて用いることができる。
【0017】上述したように本発明に係る2,3−ジフ
ロロ安息香酸エステル誘導体は、物理的化学的に安定で
あり、2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体を1種
または2種以上と、他のキラルスメクチックC相及びス
メクチックC相を有する液晶化合物(組成物)とを混合
してなる液晶は、広い温度範囲でキラルスメクチックC
相を示す。
【0018】また本発明の2,3−ジフロロ安息香酸エ
ステル誘導体を、ホスト液晶に少量(例;液晶組成物に
0.5〜40重量%程度)で添加することにより、粘度
の上昇を抑え、負の誘電異方性Δεを高め、印加電圧に
対して高速応答性を示し、応答速度とメモリー特性の閾
値が向上され、十分高いコントラスト比を有する液晶組
成物が得られる。
【0019】さらに具体的に説明すると、上記一般式
(I)で表される化合物を、少量用いることにより十分
に粘度を保持したまま負の誘電異方性Δεをもつ組成物
を得ることができた。例えば、後述する実施例4にも示
されるように、実施例1で得られた化合物を僅か10重
量%と、キラルスメクチックC相を示す母体液晶(「ホ
スト液晶」とも言う)90重量%から成るキラルスメク
チックC液晶組成物では、20℃における粘性は50c
P、誘電異方性Δεは−1.4を示した。また、一般式
(I)で表される2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘
導体を添加しなかったキラルスメクチックC液晶組成物
(ホスト液晶のみ)では、20℃における粘性は50c
Pであり、本発明の2,3−ジフロロ安息香酸エステル
誘導体を含有する液晶組成物では、ホスト液晶のみから
なるものと比べて誘電異方性Δεが大きくなり、しかも
粘度の上昇をおさえていた。本発明の2,3−ジフロロ
安息香酸エステル誘導体は、従来の誘電異方性Δεを付
与する際の粘度の上昇を抑えることに著しく寄与したこ
とがわかる。
【0020】また、実施例5に示されるように、フェニ
ルピリミジン系液晶に化合物(IX)を10%添加した液
晶組成物に上記一般式(I)で表される2,3−ジフロ
ロ安息香酸エステル誘導体を少量添加することにより、
誘電異方性Δεは負に大きくなりかつ粘度は著しく低下
していた。化合物(II)についても同様に、上記一般式
(I)を添加することにより誘電異方性Δεを負に大き
くし、粘度を低下させた。さらに、本発明に係る2,3
−ジフロロ安息香酸エステル誘導体は、光学活性基を有
してもよいが、該誘導体の側鎖にキラル基を有している
と、キラルスメクチックC相、コレステリック相のHT
P(ヘリカルツイストパワー)や誘起自発分極の特性を
調製することが可能となる。また、一般式(I)で表さ
れる2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体は、単独
で用いてもよく、2種以上組み合わせて(例;ラセミ
体)用いてもよい。本発明では、この2,3−ジフロロ
安息香酸エステル誘導体を単独で用いるよりも、1種ま
たは2種以上の該2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘
導体と、他の液晶(ホスト液晶)などとを組み合わせて
なる液晶組成物として用いることがより好適である。
【0021】このような液晶組成物としては、一般式
(I)で表される化合物の少なくとも1種と、必要に応
じて適当なキラルド−パント1種以上とを、キラルスメ
クチックC相(Sc* )−コレステリック相(Ch相)
−等方相(I相)またはキラルスメクチックC相(Sc
* )−スメクチックA相(SA 相)−コレステリック相
(Ch相)−等方相(I相)などの相系列を示すキラル
液晶または液晶組成物に添加してなるものが挙げられ、
このような液晶組成物では、キラルスメクチックC相
(Sc* )−スメクチックA相(SA 相)−コレステリ
ック相(Ch相)−等方相(I相)の相系列を示す。こ
のように、本発明の2,3−ジフロロ安息香酸エステル
誘導体は、所望の相系列を誘起するための添加剤として
特に有用である。一般式(I)で表される化合物を、液
晶組成物中に0.5重量%から50重量%程度、好まし
くは、5〜20重量%未満となるような量で添加すれ
ば、誘電異方性Δεが負の高速応答が可能な強誘電性キ
ラルスメクチックC組成物を得ることができる。このよ
うに一般式(I)で表される2,3−ジフロロ安息香酸
エステル誘導体が少量含まれた液晶組成物では、該2,
3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体が含まれていない
液晶組成物に比べて、その液晶相、特にキラルスメクチ
ックC相の温度範囲が狭くなってしまうことがあまりな
い。
【0022】本発明の2,3−ジフロロ安息香酸エステ
ル誘導体が添加されるホスト液晶としては、特に制限さ
れないが、従来よりホスト液晶として知られている種々
の化合物(群)を使用できる。このようなホスト液晶と
しては、具体的には、例えば、下記の式で示すようなも
のが例示される。
【化6】 (式中、R3 及びR4 は炭素数3〜18のアルキル基ま
たはアルコキシ基を示す。)で表されるフェニルピリミ
ジン系液晶、
【化7】 (式中、R5 及びR6 は炭素数3〜18のアルキル基ま
たはアルコキシ基を示す。)のフェニルベンゾエート系
液晶。
【0023】本発明に係る2,3−ジフロロ安息香酸エ
ステル誘導体は、これらのホスト液晶(式V、式VIの内
の1種または2種以上)と組合せて液晶組成物として用
いられると、負の誘電異方性Δε、高速応答性、ホスト
液晶のキラルスメクチックC相温度域の保持特性が顕著
に現れるため好ましい。
【0024】以上説明したように、本発明の2,3−ジ
フロロ安息香酸エステル誘導体は各種液晶における負の
誘電異方性Δεの添加剤として効果的であり、該2,3
−ジフロロ安息香酸エステル誘導体を従来公知の液晶化
合物あるいは組成物と組み合わせて用いることにより、
強誘電性を示す温度領域が広く、大きな誘電異方性Δε
を有し、粘性、応答性に優れた液晶組成物が得られる。
【0025】本発明の2,3−ジフロロ安息香酸エステ
ル誘導体の好ましい例としては、以下のようなものがあ
る。
【化8】
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明の化合物についてさ
らに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例により限
定されるものではない。以下、記号K、N、Ch、S
A 、Sc、Sc* 、Iはそれぞれ、結晶、ネマチック
相、コレステリック相、スメクチックA相、スメクチッ
クC相、キラルスメクチックC相、等方性液晶を示し、
X はスメクチック相の高次構造を示す。本化合物の精
製は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶
にて行った。以下に示す相転移点の測定は、物質の純度
により若干の影響を受けることもある。
【0027】実施例1 無水ジクロロメタン 10mlに、2,3−ジフロロ−
4−オクチル安息香酸250mg、4−(2−ヘキシル
オキシカルボニル−2−シアノエチニル)フェノール
170mg、DCC 183mg、及びDMAP少量を
加えて、5時間室温下で攪拌した。反応後、反応液を濾
過して、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して下記の構造式に示す 2,3
−ジフロロ−4−オクチル安息香酸4−(2−ヘキシル
オキシカルボニル−2−シアノエチニル)フェノールエ
ステル 232mgを得た。
【0028】
【化9】
【0029】実施例2 無水ジクロロメタン 10mlに、2,3−ジフロロ−
4−オクチル安息香酸250mg、4−(2−S−アミ
ルオキシカルボニ−2−シアノエチニル)フェノール
170mg、DCC 183mg、及びDMAP 少量
を加えて、5時間室温下で攪拌した。反応後、反応液を
濾過して、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製して下記の構造式に示す 2,
3−ジフロロ−4−オクチル安息香酸4−(2−S−ア
ミルオキシカルボニル−2−シアノエチニル)フェノー
ルエステル 232mgを得た。
【0030】
【化10】
【0031】実施例3 無水ジクロロメタン 10mlに、2,3−ジフロロ−
4−オクチル安息香酸250mg、4−(2−s−アミ
ルオキシカルボニル−エチニル)フェノール170m
g、DCC 183mg、及びDMAP 少量を加え
て、5時間室温下で攪拌した。反応後、反応液を濾過し
て、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製して下記の構造式に示す 2,3−ジ
フロロ−4−オクチル安息香酸4−(2−s−アミルオ
キシカルボニル−エチニル)フェノールエステル 23
2mgを得た。
【0032】
【化11】
【0033】実施例4 (強誘電性液晶組成物の作製)実施例1で合成した式
(VII)で表される化合物(10%)
【化12】 を、下記に示すSc* 相を有するフェニルベンゾエート
系液晶(A)に配合し
【化13】 て、液晶組成物を作製した。この時の液晶組成物の相転
移温度は であり、室温でSc* 相を示している。
【0034】(誘電異方性Δεの測定)得られた2,3
−ジフロロ安息香酸エステル誘導体を含んだ液晶組成物
を加熱し、等方性液体とした後、ポリイミドを塗布し、
ラビング処理を施した透明電極付きホメオトロピック配
向セル(28ミクロン)及びホモジニアス配向セル
(1.4ミクロン)に注入した。しかる後、セルを除冷
し、Sc* 相のモノドメインを得、25℃においてこの
各々のセルの誘電率から誘電異方性Δεを測定した。
【0035】(自発分極、粘性及び応答速度の測定)得
られた2,3−ジフロロ安息香酸エステル誘導体を含ん
だ液晶組成物を加熱し、等方性液体とした後、ポリイミ
ドを塗布し、ラビング処理を施した透明電極付き薄型セ
ル(2.4ミクロン)に注入した。しかる後、セルを除
冷し、螺旋構造が消失している均一なSc* 相のモノド
メインを得、25℃においてこのセルに48Vpp、5
0Hzの三角波電圧を印加して自発分極を測定した。ま
た、同様にこのセルに24Vpp、50Hzの矩形波電
圧を印加して25℃における応答速度、粘性を測定し
た。
【0036】実施例1で得られた2,3−ジフロロ安息
香酸エステル誘導体を10%液晶組成物に添加した時の
誘電異方性Δε、粘性及び応答速度の測定結果を表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例5 (強誘電性液晶組成物の作製) 化合物(II)
【化14】 を、下記に示すSc* 相を有するフェニルピリミジン系
液晶(B)
【化15】 に配合したものに、実施例3で合成した式(IX)で表さ
れる化合物(10%)
【化16】 を添加し液晶組成物を作製した。これについて誘電異方
性Δε、自発分極、粘性及び応答速度の測定を行い、誘
電異方性Δεと粘性の結果を表2に示す。測定方法は実
施例4と同様の方法で行った。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の2,3−
ジフロロ安息香酸チオエステ誘導体は新規な化合物であ
り、一般式(I)で表され、その化合物は、強誘電性を
持たない液晶組成物に添加することにより、組成物全体
の強誘電性を発現させ、さらに大きな誘電異方性Δεを
有し、その結果、高速応答性が得られた。また、均一配
向性は良好であり、モノドメイン状態が確認され、メモ
リー性が得られた。また、中には単独で液晶相を示すと
いう特徴を有する化合物が得られた。以上の事から非常
に優れた強誘電性液晶材料を提供することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/20 C09K 19/20 19/30 19/30 19/46 19/46 // G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 井上 長三 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式(I)中R1 及びR2 は各々独立に炭素数1〜18
    の鎖状アルキル基、炭素数3〜18の鎖状アルケニル
    基、炭素数3〜18の鎖状アルキニル基またはアルコキ
    シ部分が炭素数1〜3でありアルキル部分の炭素数が1
    〜18である鎖状アルコキシアルキル基を示し、または
    これらは1つ以上のハロゲン原子で置換されたものであ
    ってもよい;R1 及びR2 には不斉炭素原子を含んでよ
    い;nは1ないし3を示す;G1 およびG3 は単結合、
    エーテル、−COO−、−OCO−および−CO−で表
    される群から選ばれる基を示す;G2 はCNまたは水素
    原子を示す;Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
    炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基またはトリハ
    ロアルキル基を示す。)で表される化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物を少なくとも1種
    以上含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物を少なくとも一種
    以上と下記化合物(II) 【化2】 を含有する液晶組成物。
  4. 【請求項4】 スメクチックC相またはキラルスメクチ
    ックC相を示す液晶化合物または組成物に、請求項1記
    載の液晶化合物を添加してなることを特徴とする強誘電
    性キラルスメクチック液晶組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003511390A (ja) * 1999-10-06 2003-03-25 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 液晶フェノールエステル
WO2025242899A1 (en) * 2024-05-24 2025-11-27 Basf Se Substituted cinnamic acid derivatives as uv absorbers and uses thereof

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