JPH09209704A - 蒸気タービン - Google Patents
蒸気タービンInfo
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Abstract
や水分によるフレッティング磨耗の影響を受けることの
少ない、強度的に信頼性の高い動翼を備えた蒸気タービ
ンを提供することである。 【解決手段】動翼並びに静翼がタービン軸の円周方向に
構成されてなり、蒸気を駆動源とする蒸気タービンにお
いて、前記動翼は、翼部と前記翼部の先端に形成される
シュラウド部を備えたねじれ翼であって、翼背側シュラ
ウド部と隣り合う翼腹側シュラウド部との接触面を含む
任意の平面は、翼背側シュラウド部の翼先端と交差しな
いことを特徴とする。
Description
ービン動翼を有する蒸気タービンに係り、シュラウドを
有するねじれ翼の蒸気タービン動翼を備えた蒸気タービ
ンに関する。
端に向かってねじれているねじれ翼のタービン動翼は、
作動流体の流れ及びその乱れ成分によって、広範な周波
数範囲で絶えず励振されている。これらの励振力に対す
る翼構造の振動応答は、各振動モードにおける固有振動
数や減衰の大きさが関連する。そこで、共振応答の大き
い低次振動モードの共振は避ける一方、共振応答の小さ
い高次振動モードでは共振しても信頼性のおける翼構造
を設計するために、隣り合う翼をシュラウドなどで連結
する手段が数多く採用されている。隣り合う翼を連結す
れば、翼構造の剛性の増加と振動減衰の付加効果が期待
できるからである。
−5402 号公報には、ねじれ翼である動翼先端部にシュ
ラウドとして備えた動翼カバーの形状が外周方向から見
てS字形状や逆Z字形状を形成し、互いに隣り合う翼の
動翼カバーが互いにS字や逆Z字の中央で相互に接触す
ることが記載されている。この構造は、隣り合う翼のシ
ュラウド部は接触面でねじり戻りを拘束し、互いの翼の
翼連結作用を高めている(このようなねじれ翼の翼部と
シュラウド部とが一体に形成された構造を持つ翼を以
降、インテグラルシュラウド翼と呼ぶ)。
隣接するシュラウドに作用するねじり戻りを拘束するよ
うに接触面では互いに逆方向に力が作用されるため、ね
じり戻りを拘束する力により翼背側のシュラウド部に切
り欠き状の凹部があると応力集中部となり強度的に注意
が必要である。
ービンに用いる場合は、蒸気タービン特有の問題とし
て、蒸気中の水滴による浸食現象、すなわちエロージョ
ン現象や、湿り蒸気にさらされた雰囲気の中での接触面
のフレッティング磨耗を生じ、最も応力が集中する箇所
が脆くなることがある。
では、考慮がされていない。
おいて、かかるエロージョン現象やフレッティング磨耗
を緩和することは重要である。
を緩和し、エロージョンによる浸食現象を抑制した蒸気
タービン動翼を備えた、信頼性の高い蒸気タービンを提
供することである。
緩和し、エロージョンによる浸食現象を抑制し、さらに
水分によるフレッティング磨耗の影響を緩和した蒸気タ
ービン動翼を備えた、信頼性の高い蒸気タービンを提供
することである。
ンに用いられる蒸気タービン動翼は、隣り合う翼を連結
するシュラウドの接触面の翼背側方向へ延長した平面
は、シュラウドの固定端となる翼背側にぶつからないた
めに、翼背側に応力の集中する度合いを低減でき、かつ
エロージョン浸食現象の起こりやすい場所と翼背側シュ
ラウド部の応力集中する場所をずらすことにより、強度
的に信頼性の高いインテグラルシュラウド翼構造となる
という着想に基づき発明されたものである。
れる蒸気タービン動翼は、隣り合う翼を連結するシュラ
ウドの接触面の翼背側方向へ延長した平面は、シュラウ
ドの固定端となる翼背側にぶつからないために、翼背側
に応力の集中する度合いを低減でき、かつエロージョン
浸食現象の起こりやすい場所と翼背側シュラウド部の応
力集中する場所をずらすことにより、強度的に信頼性の
高いインテグラルシュラウド翼構造となるという着想に
基づき発明され、さらに翼背側シュラウド部の接触面
は、翼前縁よりも上流側に位置すれば、水滴による水膜
流にさらされる度合いが低減できるので、隣接するシュ
ラウドとの接触面のフレッティング磨耗の影響を低減で
きるという着想に基づき発明されたものである。
第1番目の発明では、動翼は、翼部の断面形状が根元か
ら先端に向かってねじれているように形成されており、
前記翼部の先端に一体に形成されるシュラウドを備えた
ねじれ翼であって、一方の動翼の翼背側のシュラウド部
と隣り合う他方の動翼の翼腹側のシュラウド部との接触
面を含む平面が、該一方の動翼の翼先端部の翼キャンバ
線を翼前縁方向に延長した線と交わり、且つ前記平面と
前記一方の動翼の翼背側のシュラウド部の蒸気上流側の
端面とがなす角度が鈍角となるように前記接触面が配設
されるように構成したものである。
番目の発明では、動翼は、翼部の断面形状が根元から先
端に向かってねじれているように形成されており、前記
翼部の先端に一体に形成されるシュラウドを備えたねじ
れ翼であって、一方の動翼の翼背側のシュラウド部と隣
接する他方の動翼の翼腹側のシュラウド部との間に形成
される相互の接触面が、前記一方の動翼の翼先端部の翼
前縁より上流側の領域に位置するように配設されるよう
構成したものである。
番目の発明では、動翼は翼部の断面形状が根元から先端
に向かってねじれているように形成されており、前記翼
部の先端に一体に形成されるシュラウド部を備えたねじ
れ翼であって、前記動翼の外周側から見て、一方の動翼
の翼背側のシュラウド部と隣接する他方の動翼の翼腹側
のシュラウド部とが相互に接触する接触面が、該一方の
動翼の翼先端部の翼前縁と該他方の動翼の腹面との間を
結ぶ最短の直線より動翼の回転方向側に位置するように
配設されるよう構成したものである。
図2及び図3を用いて詳細に説明する。
翼の全体図、図2は本発明を取り入れた蒸気タービン動
翼の外周側からみた構成図である。また、図3は本発明
を取り入れた蒸気タービン動翼の組立方の一例を示した
図である。図1及び図2において、1は後続翼のシュラ
ウド、2は先行翼のシュラウドであり、1a,2aは翼
背側シュラウド部、1b,2bは翼腹側シュラウド部、
3xは後続翼の翼先端部の翼断面、3yは先行翼の翼先
端部の翼断面、4はタービンロータディスク部である。
5は前記後続翼の翼背側シュラウド部1aと先行翼の翼
背側シュラウド部2aとが相互に接続する接触面、8は
シュラウドの翼先端の翼断面の翼前縁近傍部、10は前
記接触面5を含む平面、51は各シュラウド1,2の上
流側の端面を各々示す。また、図3において、3は翼
部、1,2はシュラウド、63は翼根元部、4はタービ
ンロータディスク部、65はピンを各々示す。
接触面5は、ある翼の翼背側シュラウド部1a或いは2
aとその翼に隣り合う翼の翼腹側シュラウド部2b或い
は1bとの間によって構成され、前記接触面5を含む平
面10は、図中、翼部3の翼先端部の翼断面部分とは交
差しない位置に配設されるものとする。
に図12により説明する。
を示す。
る。これは、例えば動翼の進行方向から見たものであ
る。
ュラウド外面に投影される部分を翼先端部3bと称し、
図12に示すようにアール部3cを有する場合は、アー
ル部3cを入れず翼部3をシュラウド側1,2に投影し
た部分を翼先端部3bとする。翼先端部3bにおける翼
断面を図2等で3x,3yで示す。このシュラウド1,
2の前縁,後縁,翼キャンバ線とは、翼先端部3bでの
3x,3yに示す翼形状における前縁,後縁,翼キャン
バ線に該当するものである。
翼の翼部3の先端部3bに設けられたシュラウド1,2
のうち、翼断面3x,3yを通る翼キャンバ線3eを夫
々翼前縁側及び後縁側に延長したとき、各シュラウド
1,2における該翼キャンバ線より翼背側の領域にある
シュラウドが翼背側シュラウド部1a,2a、該キャン
バ線より翼腹側が翼腹側シュラウド部1b,2bとな
る。
スク外周部4に設けられた溝に植え込まれてピン65に
より固定され、かつ動翼先端部3bに設けられたシュラ
ウド1,2により、隣り合う翼と周方向に接触する。こ
のタービン動翼は翼根元3aから翼先端3bに向かって
翼断面形状がねじれて形成されたねじれ翼であることか
ら、タービン回転中に翼に作用する遠心力によって、図
中符号9で示す方向にねじり戻り(アンツイスト)が生
じる。
気タービンの外周側から見た構成図である図2を用い
て、本発明の実施例を詳細に説明する。
ウド構成図において、ねじれ翼である蒸気タービン動翼
は、ねじり戻りのアンツイストに抗するように形成され
た各シュラウドの接触面5は、後続翼の翼背側シュラウ
ド部1aとその翼に隣り合う先行翼の翼腹側シュラウド
部2bとの間によって構成されている。この接触面5の
傾きは、タービンロータの軸方向に対して反時計回りに
少しでも角度を持つ構造となり、鋭角が形成される。
尚、図2では、視点が接触面5を含む平面10と平行に
成る場合があるので、前記平面10は便宜上破線で表し
ている。
合う先行翼の翼腹側のシュラウド部2bとの接触面5の
配置位置は、この接触面5を含む平面10が、該後続翼
の翼先端部における翼断面の翼キャンバ線3eを翼前縁
方向に延長した線分と交わり、且つ前記接触面を含む平
面5と前記後続翼の翼背側のシュラウド部1aの蒸気上
流側の端面51とがなす角度が鈍角となるように前記接
触面5が配設されている。
度以下が実用的である。
翼前縁より蒸気下流側(以下場合によって単に上流側,
下流側という)という表現に関して、図10を用いてそ
れらの言葉を説明する。
向を示し、ひとつの翼間流路を形成する二つの動翼のう
ち、回転方向の前側に位置する動翼を先行翼といい、そ
の翼先端部の翼断面を3y,回転方向の後側に位置する
動翼を後続翼といい、その翼先端部の翼断面を3xとし
て表している。3eは後続翼の翼キャンバ線、42は後
続翼の翼前縁であり、47は後続翼の翼後縁を示す。垂
線43は、翼キャンバ線3eに対して翼前縁42の位置
における垂線を示す。この図中、先行翼と後続翼により
形成される翼間のうち、垂線43の左上側のいわゆる動
翼の回転方向側であり、すなわち後続翼のない側を、翼
前縁より蒸気上流側といい、垂線43の右下側、すなわ
ち後続翼のある側を、翼前縁より蒸気下流側という。
示す。
合う先行翼の翼腹側のシュラウド部2bとの間に形成さ
れた接触面5を含む平面10は、後続翼の翼先端部にお
ける翼断面3xとは交差しない位置であり、この平面1
0は後続翼の翼先端部の翼断面の翼キャンバ線3eを翼
前縁42より翼前縁方向に延長した線分46と交わるよ
うに配置されている。
記動翼の外周方向から見て、前記接触面5を含む前記後
続翼の翼背側のシュラウド部1aのうち隣接する先行翼
の翼背側のシュラウド部2bと対向する面は、動翼の回
転方向44に対して略凸状部を形成し、同じく前記接触
面5を含む前記先行翼の翼腹側のシュラウド部2bのう
ち隣接する後続翼の翼背側のシュラウド部1aと対向す
る面は動翼の回転方向に対して略凹状部を形成し、前記
動翼の相対抗する各シュラウド部の領域には、前記接触
面5より翼後縁47側の領域で隣接する動翼の各シュラ
ウド部との間に間隙を形成するように構成されている。
な凹凸を有するシュラウドを示しているが、接触面5を
含む任意の面10が翼キャンバ線3eの前縁側へ延長し
た線分46と交差するという条件を満たしていれば、た
とえ、複数の凹凸を有するシュラウド形状の場合であっ
ても良い。
ち隣接する動翼の翼腹側シュラウド部1b,2bと対向
する面のうち、接触面5を含む任意の平面10より回転
方向44と反対側の領域では相互に間隙を有するように
形成しておく。
面3xの翼前縁近傍8(特に背側シュラウド部のうち翼
前縁42近傍より背側)には、蒸気タービンの外周側か
ら見て、一種切り欠きのようなくぼんだ曲面を構成しな
い構造とする。
態を取ることもできる。
ら見て(矢印66方向に見て)、後続翼の翼背側のシュ
ラウド部1aのうち隣接する先行翼の翼腹側シュラウド
部2bと対向する面は動翼の回転方向44に対して凸状
部を形成し、その凸状部の頂部41は翼先端部の翼断面
の翼キャンバ線3eと前縁42で直交する垂線43より
動翼の回転方向44側領域にあり、隣接する動翼の翼腹
側シュラウド部2bと接触する領域が前記前縁42より
動翼の回転方向44側にある。
4に対する極大部である。凸状部の頂点41から前記接
触面5を含む翼前縁42付近までの領域は前記翼前縁4
2より回転方向側に形成される。凸状部の頂点41から
翼後縁47側では隣接する動翼の翼腹シュラウド部2b
との間に間隙を有する。
ると翼に作用する遠心力によってねじり戻りが符号9の
方向に起こり、隣り合う動翼の各々の翼部3先端部につ
いているシュラウド1,2の後続翼の翼背側シュラウド
部1aと先行翼の翼腹側シュラウド部2bは、互いに翼
のねじり戻りを拘束するように接触面5で連結する。こ
の時接触面に作用する力は、面に直角方向に作用する力
だけでなく、タービンロータの半径方向のうち外周側に
向かう遠心力などにより、接触面に沿ったせん断力が作
用する。また、翼振動などにより、前記後続翼の翼背側
シュラウド部1aと先行翼の翼腹側シュラウド部2bの
接触面5が擦れ合うなどの現象からも、接触面5に沿っ
たせん断力が作用する。これらせん断力の影響で、翼背
側シュラウド部の力の流れの終端は、接触面5から前記
翼背側シュラウド部1aを固定している翼の翼先端近傍
部8に向かっていくことになる。そのため、前記翼背側
シュラウド部1aで最も応力が集中する箇所は、図2の
翼先端近傍部8となる。本発明の実施例の蒸気タービン
動翼は、後続翼の翼背側のシュラウド部1aと隣り合う
先行翼の翼腹側のシュラウド2bとの接触面5を含む平
面が、該後続翼の翼先端部の翼断面の翼キャンバ線3e
を翼前縁42方向に延長した線分と交わり、且つ前記平
面と前記後続翼の翼背側のシュラウド部1aの蒸気上流
側の端面51とがなす角度が鈍角となるように前記接触
面5が配設されている。
凸型の曲面であるので、応力の集中する度合いが形状的
に低減できる。また、この場所は、図5において示した
エロージョン現象の発生しやすい翼背側部19付近から
離れた位置にある。そのため、翼背側シュラウド部1a
において、最も応力の大きな箇所にエロージョン現象が
作用した場合の相乗効果が著しく緩和できる。
接触面5より後縁47側では、後続翼の翼背側シュラウ
ド部1aと先行翼の翼腹側シュラウド部2bとの間に間
隙を有する。翼背側のシュラウド部1aのうち隣接する
先行翼の翼腹側のシュラウド部2bと対向する面が単純
な凸形状でなく、例えば、複数の凸状であっても、前記
接触面5より後縁47側は後続翼の翼背側シュラウド部
1aと先行翼の翼腹側シュラウド部2bとの間に間隙を
有する。
(矢印66方向に見て)、翼部3が先端部3b付近で先
行翼(他方の翼)と後続翼(一方の翼)とが図9のよう
にオーバーラップしているような構成をとる動翼におい
ても、隣接する先行翼の翼腹側シュラウド部2bとの接
触面5を広範囲に確保できるので、遠心力に伴う翼のね
じれ戻りにより、前記接触領域に応力が生じても、安定
な接触状態を維持できる。よって、強度的に問題のない
安定した蒸気タービンを提供することができる。また、
本発明を取り入れた蒸気タービン動翼の組立て方の一例
を、図3を用いて説明する。図3において、翼部3をタ
ービンロータディスク部4に取り付けるには、タービン
ロータディスク部4の外周から翼部3を図のように挿入
した後、ピン65により固定する。この組立て方におい
て、翼部3やシュラウド1,2を予めねじってディスク
部に挿入する必要はない。先にも述べたとおり、本発明
を取り入れた蒸気タービン動翼は、タービンが回転する
と翼に作用する遠心力によってねじり戻りを生じ、その
力によって隣り合う動翼のシュラウド部と、例えば、図
2等の接触面5で接触するからである。また、図3の例
では、翼根元部63の形状がフォーク型のものを一例と
してあげたが、鞍型やクリスマスツリー型などのその他
の翼根元部形状であっても構わない。
び図6を用いて詳細に説明する。図4は本発明を取り入
れた蒸気タービン動翼の外周側から見た構成図である。
また、図5は蒸気タービン動翼の水膜流の挙動の模式図
である。
翼と同一構成の部分については説明を省略する。図4で
接触面5は、後続翼の翼先端部の翼キャンバ線3eに対
して翼前縁42の位置における垂線43の左上側の領域
に位置する。この領域は、先に図10を用いて定義した
翼前縁より蒸気上流側に相当する。また、先行翼の翼先
端部の翼断面3yは、後続翼の翼先端部の翼断面3xの
翼前縁42より上流側に位置する。また、後続翼の翼キ
ャンバ線3eを翼前縁42方向に延長した線46と、接
触面5を含む平面10よりなる翼背側の角度45は鈍角
である。翼先端部の翼断面3xのタービンロータに対す
る傾きにも影響されるが、90度より大きく160度以
下が実用的である。
ン動翼は、前記動翼の外周側から見て、後続翼の翼背側
のシュラウド部1aと隣接する先行翼の翼腹側のシュラ
ウド部2bとが相互に接触する接触面5が、該後続翼の
翼先端部の翼前縁42と該先行翼の腹面との間を結ぶ最
短の垂線43より動翼の回転方向44側に位置するよう
に配設されているため、翼先端近傍部8の形状は、切り
欠き部がなく、図のように凸型の曲面であるので、応力
の集中する度合いが形状的に低減できる。また、この場
所は、エロージョン現象の発生しやすい翼背側部19か
ら離れた位置にある。そのため、翼背側シュラウド部1
aにおいて、最も応力の大きな箇所にエロージョン現象
が作用した場合の相乗効果が著しく緩和できる。
ージョン現象による水滴14の挙動について考えると、
後続翼の背側に付着する水滴14は、図5に示すよう
に、遠心力によって翼面に沿って翼先端部方向に流れる
水膜流15を形成する。また、この水膜流15は、蒸気
流れ24の影響で、翼前縁42側から翼後縁47側に向
かって流れる。そのため、水膜流が翼背側シュラウド1
の内周面に到達した際も、水膜流15は下流方向に向か
って流れる。よって、翼背側部19付近は水膜流15の
影響を受けやすい部分となる。
記のように後続翼の翼先端部の翼断面3xの翼前縁より
上流側にあるので、これら水膜流の影響は極めて少な
い。すなわち、本発明の蒸気タービン動翼は、応力集中
やエロージョン腐食を緩和するだけでなく、タービン動
翼の振動により接触面が微小振動し、水滴を伴って擦り
あうことによるフレッティング磨耗を起き難くできる。
詳細に説明する。図6は本発明を取り入れた蒸気タービ
ン動翼を外周側から見た構成図である。
翼と同一構成の部分については説明を省略する。図6
で、直線21は、後続翼の翼先端部の翼断面3xの翼前
縁42から、先行翼の腹側に向かって引いた最短直線を
示す。また、接触面5は直線21の左上側、すなわちタ
ービンの回転方向側に位置する。
キャンバ線3eの曲率が大きい場合は、図6に示した構
成でも、図4と同様な効果が得られる。図6において、
後続翼の前縁42から先行翼の腹側に向かって引いた最
短直線の回転方向側は、翼前縁42近傍よりも蒸気流れ
の早い領域であり、その領域に存在する後続翼の接触面
5に向かって、エロージョン現象によって付着した水滴
が水膜流となって流れにくいからである。
本発明の蒸気タービン動翼において付記すれば、後続翼
の翼背側シュラウド部1aの接触面5は、タービン動翼
外周側から見て、翼前縁近傍まで凹凸などがない一定な
平面である方が望ましい。この理由は、凹部の存在は応
力集中を引き起こすからである。
する先行翼の翼腹側シュラウド部2bと対向する面が単
純な凸状をしているが、図に規定する関係を満たしてい
れば複数の凸状を形成していてもよい。複数の凸状を形
成していても、翼背側シュラウド部1aのうち隣接する
先行翼の翼腹側シュラウド部2bと対向する面のうち、
接触面5を含む平面より下流側(いわゆる回転方向44
と反対側の領域)では間隙を有している構造であればよ
い。
いてもよい。この湾曲した接触面を含み、その接触面と
同様な曲率を持つ曲面は、翼部3の翼先端部の翼断面3
xと交差しない位置に配設される。
の翼前縁42より蒸気上流側の領域に位置するように配
設される。または、後続翼の翼先端部の翼断面3xの翼
前縁と先行翼の動翼の翼部3の腹面との間を結ぶ最短の
直線より動翼の回転方向側に位置するように配設する。
でなくても、図2,図4及び図6に示した本発明の一実
施例と同様な効果が得られる。また、接触面5が曲面で
あることは、平面に比べて点接触に近い状態となり、互
いのシュラウド1,2が接触する度合いが緩く、ルース
度が増したことになるため、翼構造の振動減衰が高めら
れる付加効果がある。
食やフレッティング磨耗に関して、以下に説明する。
について説明する。図中、11a〜11dは静翼、12
a〜12dは動翼、13a〜13cは蒸気流、14は水
滴、15は水膜流、16は飛散水滴、17は静翼後縁、
18は動翼背側部を各々示す。このように構成された蒸
気タービン段落において、静翼11a〜11dによる翼
列に流入する湿り蒸気流の中で、微小水滴は蒸気流13
a〜13cと同一の軌跡をたどって流動する。例えば、
11bにおいて、比較的大きな水滴14はその慣性効果
のために蒸気流から逸脱して静翼11a〜11dの翼表
面に衝突、付着して水膜流15を形成する。水膜流は静
翼後縁17に達すると、蒸気流13a〜13cによって
加速されて、静翼後縁端から離脱し飛散水滴16とな
る。この飛散水滴の流速は、初期の水滴よりもさらに水
滴径が増大し質量が増すために、蒸気流の流速Vsに比
べて著しく遅い流速Vdとなる。一方、動翼は速度Uで
回転しているので、速度三角形上で蒸気流は相対速度W
sであるのに対し、飛散水滴は相対速度Wdとなる。こ
のため、蒸気流がほとんど迎え角のない状態で動翼12
a〜12dに入るのに対し、飛散水滴は動翼の背側に大
きく迎え角を持って衝突するので、動翼背側部18は水
滴による浸食現象を避けられない部位となる。この現象
に対しては、従来より様々な対策が考案されているが、
完全に除去するには至らない。すなわち、蒸気タービン
では回避できない問題のひとつである。
転中では、翼背側シュラウド部1aと翼腹側シュラウド
部2bは、動翼に作用するねじり戻りを拘束するように
接触面5で互いに逆方向に力を作用する。このとき、接
触面5に作用するねじり戻りを拘束する力が及ぼすシュ
ラウドの最大曲げ応力は、シュラウドの付け根である翼
面が固定端となるので、接触面5から点線で示す翼先端
部の翼断面3x側方向に延長し、翼部の背側にある(特
に翼背側シュラウド部で翼先端の翼断面3xの翼前縁4
2より下流側)凹状の切り欠き部で生じる。そのため、
この場所は強度的に最も注意すべき場所として、設計上
細心の注意を払うべき箇所である。
ラウド部は、特開平4−5402 号公報の図3に記載の従来
のシュラウドに記載のように、接触面から点線で示す翼
断面方向に延長し、翼部の背側にある凹状の切り欠き形
状部がない。よって図5に示したように水膜流15の影
響を受けるおそれを抑制できる。また、前記凹状の切り
欠き部は、先に述べた図9の動翼背側部18とほぼ近傍
に位置するので、直接飛散水滴が当たる可能性があるの
に対し、本発明ではかかる恐れはない。
は、シュラウドのうち前記公知例のように翼先端部の翼
断面3x付近のシュラウドの付け根部分の翼背側部19
辺りがエロージョンによる浸食現象により強度的に脆く
なることを抑制できる。翼背側シュラウド部1aにおい
て、シュラウド1を支えている付け根部分辺りに大きな
曲げ応力が作用した場合にもエロージョンの浸食による
影響が避けられるので、強度的に安定した状態を得るこ
とができる。
記公知例では、前記の凹状の切り欠き部から左上方向に
伸びる端面と隣接するシュラウド部との間にできる間隙
があるため、水分となって間隙に停留する。この時、シ
ュラウドの接触面が翼前縁よりも下流側に位置すれば、
間隙にある水は水膜流となって下流側に流れ、隣接する
シュラウドを連結する接触面を濡らす可能性がより高く
なる。このような状況で、翼が振動すると隣接するシュ
ラウド部を連結する接触面も微少振動が発生するため、
シュラウドの接触面は水分を多く含んだフレッティング
磨耗の危険性が増すことになる。
では、前記に述べたシュラウド1,2の構成をとること
により図4の実施例にて詳細に説明したように前記フレ
ッティング磨耗の危険性を抑制できる。
説明する。
1から蒸気が供給されるタービン室129,該タービン
室129にはローターシャフト124及び該シャフト1
24の周囲には、動翼126と静翼125からなる段落
を複数個備え、前記タービン室129を経た蒸気が排出
される排出部128を有している。
連結されている。蒸気は蒸気コントロールバルブ122
を通って蒸気供給部121より高圧蒸気を供給する。蒸
気は蒸気供給部から翼が設置されたタービン室129に
流入し、低圧側の最下流側の動翼を経て排出部128へ
と排出される。該排出部は、例えば、復水器に接続され
る。123はタービン室の周囲をカバーするケーシング
を示す。図ではシングルフローの蒸気タービンについて
示したが、ダブルフロータイプであっても適応できる。
本発明を取り入れた構造のいずれかを、少なくともひと
つ以上の段落で用いる。これにより、蒸気タービン全体
の信頼性に優れた蒸気タービンを提供できる。
る。
心力によるねじり戻りが大きい最終段の動翼において、
応力集中やエロージョン腐食、或いは更にフラッティン
グ磨耗を抑制できる。
に配設できる。
によるねじり戻りにより、応力集中やエロージョンの影
響或いは更にフラッティング磨耗等の影響を受けやすい
段落についてかかる恐れの少ない図2,図4、或いは図
6に示した動翼のシュラウド形状を選択できるので、安
定した強度の動翼を有する蒸気タービンを提供できる。
ドを備えた動翼を翼部3の長さが20から30インチの
範囲のいずれかの段落の動翼に配設することができる。
じり戻りにより、応力集中やエロージョンの影響或いは
更にフラッティング磨耗の影響を受けやすいと思われる
翼部長さを有する段落の動翼に、かかる恐れの少ないシ
ュラウド形状を有する動翼を選択して配置し、強度的に
安定した動翼を有する蒸気タービンを提供できる。
蒸気タービンで、蒸気条件,遠心力によるねじり戻りの
程度を考慮して、応力集中及びエロージョン、或いは更
にフラッティング磨耗を抑制すべく、低圧側から2段目
の20.9 インチの動翼に適応できる。
て説明する。図11は、ガスタービン71,燃焼器7
2,圧縮機73,排気熱回収ボイラ74,蒸気タービン
75,発電機76からなるコンバインドサイクルプラン
トを示す。
蒸気タービン75は、図8のように動翼126並びに静
翼115からなる段落を複数個備え、前記動翼は、図
1,図3のように翼部3の断面形状が根元から先端に向
かってねじれているように形成されており、前記翼部の
先端に一体に形成されるシュラウドを備えたねじれ翼で
あって、図2のように後続翼の翼背側のシュラウド部1
aと隣り合う先行翼の翼腹側のシュラウド部2bとの接
触面5を含む平面10が、該後続翼の翼先端42の翼キ
ャンバ線3eを翼前縁方向に延長した線46と交わり、
且つ前記平面10と前記後続翼の翼背側のシュラウド部
1aの蒸気上流側の端面51とのなす角度が鈍角となる
ように前記接触面5が配設されている動翼を備えてい
る。
命化を図ることができ、安定した信頼性の高いコンバイ
ンドプラントを提供できる。
供給を維持できる。
和し、エロージョンによる浸食現象を抑制したタービン
動翼を備え、信頼性の高い蒸気タービンを提供できると
いう効果を有する。
を緩和し、エロージョンによる浸食現象を抑制し、さら
に水分によるフレッティング磨耗の影響を緩和したター
ビン動翼を備えた、信頼性の高い蒸気タービンを提供で
きるという効果を有する。
成図。
ウド構成図。
図。
ウド構成図。
ウド構成図。
ウド構成図。
図。
ラント構成図。
ド部、2…先行翼のシュラウド、1b,2b…翼腹側シ
ュラウド部、3…翼部、3e…後続翼の翼キャンバ線、
3x…後続翼の翼先端部の翼断面、3y…先行翼の翼先
端部の翼断面、4…タービンロータのディスク外周部、
5…接触面、8…翼先端近傍部、9…ねじり戻り方向、
10…接触面を含む平面、11a〜11d…静翼、12
a〜12d…動翼、13a〜13c…蒸気流、14…水
滴、15…水膜流、16…飛散水滴、17…静翼後縁、
18…動翼背側部、21…直線、24…蒸気流れ、42
…後続翼の翼前縁、43…垂線、44…タービン動翼の
回転方向、63…翼根元部、65…ピン、66…タービ
ン外周側から見る方向、71…ガスタービン、72…燃
焼器、73…圧縮機、74…排気熱回収ボイラ、75…
蒸気タービン、76…発電機。
Claims (9)
- 【請求項1】タービンロータ軸の円周方向に沿って複数
個配設され、蒸気により駆動する動翼を備えた蒸気ター
ビンにおいて、 前記動翼は、翼部の断面形状が根元から先端に向かって
ねじれているように形成されており、前記翼部の先端に
一体に形成されるシュラウドを備えたねじれ翼であっ
て、 一方の動翼の翼背側のシュラウド部と隣り合う他方の動
翼の翼腹側のシュラウド部との接触面を含む平面が、該
一方の動翼の翼先端部の翼断面の翼キャンバ線を翼前縁
方向に延長した線と交わり、且つ前記平面と前記一方の
動翼の翼背側のシュラウド部の蒸気上流側の端面とがな
す角度が鈍角となるように前記接触面が配設されている
ことを特徴とする蒸気タービン。 - 【請求項2】タービンロータ軸の円周方向に沿って複数
個配設され、蒸気により駆動する動翼を備えた蒸気ター
ビンにおいて、 前記動翼は、翼部の断面形状が根元から先端に向かって
ねじれているように形成されており、前記翼部の先端に
一体に形成されるシュラウドを備えたねじれ翼であっ
て、 一方の動翼の翼背側のシュラウド部と隣接する他方の動
翼の翼腹側のシュラウド部との間に形成される相互の接
触面が、前記一方の動翼の翼先端部の翼断面の翼前縁よ
り蒸気上流側の領域に位置するように配設されているこ
とを特徴とする蒸気タービン。 - 【請求項3】タービンロータ軸の円周方向に沿って複数
個配設され、蒸気により駆動する動翼を備えた蒸気ター
ビンにおいて、 前記動翼は、翼部の断面形状が根元から先端に向かって
ねじれているように形成されており、前記翼部の先端に
一体に形成されるシュラウド部を備えたねじれ翼であっ
て、 前記動翼の外周側から見て、一方の動翼の翼背側のシュ
ラウド部と隣接する他方の動翼の翼腹側のシュラウド部
とが相互に接触する接触面が、該一方の動翼の翼先端部
の翼断面の翼前縁と該他方の動翼の腹面との間を結ぶ最
短の直線より動翼の回転方向側に位置するように配設さ
れていることを特徴とする蒸気タービン。 - 【請求項4】請求項1の蒸気タービンにおいて、 前記動翼の外周方向から見て、前記接触面を含む前記一
方の動翼の翼背側のシュラウド部のうち隣接する他方の
動翼の翼背側のシュラウド部と対向する面は動翼の回転
方向に対して略凸状部を形成し、 同じく前記接触面を含む前記他方の動翼の翼腹側のシュ
ラウド部のうち隣接する一方の動翼の翼背側のシュラウ
ド部と対向する面は動翼の回転方向に対して略凹状部を
形成し、 前記動翼の各シュラウド部は、前記接触面より翼後縁側
の領域で隣接する動翼の各シュラウド部との間に間隙を
形成するようにしたことを特徴とする蒸気タービン。 - 【請求項5】請求項3の蒸気タービンにおいて、前記シ
ュラウド部の接触面は曲面から形成されることを特徴と
する蒸気タービン。 - 【請求項6】請求項1の蒸気タービンにおいて、 前記動翼が最終段に配設されたことを特徴とする蒸気タ
ービン。 - 【請求項7】請求項1の蒸気タービンにおいて、 前記動翼が最終段より上流側の段落に配設されたことを
特徴とする蒸気タービン。 - 【請求項8】請求項1の蒸気タービンにおいて、 前記動翼の翼部の長さが20から30インチの範囲のい
ずれかの段落に配設されたことを特徴とする蒸気タービ
ン。 - 【請求項9】ガスタービン,ガスタービンからの排ガス
を熱源として蒸気を発生する排熱回収ボイラ,該排熱回
収ボイラで発生した蒸気により駆動する蒸気タービンと
を有するコンバインドサイクルにおいて、 前記蒸気タービンは、動翼並びに静翼からなる段落を複
数個備え、 前記動翼は、翼部の断面形状が根元から先端に向かって
ねじれているように形成されており、前記翼部の先端に
一体に形成されるシュラウドを備えたねじれ翼であっ
て、 一方の動翼の翼背側のシュラウド部と隣り合う他方の動
翼の翼腹側のシュラウド部との接触面を含む平面が、該
一方の動翼の翼先端部の翼断面の翼キャンバ線を翼前縁
方向に延長した線と交わり、且つ前記平面と前記一方の
動翼の翼背側のシュラウド部の蒸気上流側の端面とがな
す角度が鈍角となるように前記接触面が配設されている
動翼を備えていることを特徴とするコンバインドサイク
ル。
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