JPH09210168A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH09210168A
JPH09210168A JP3581396A JP3581396A JPH09210168A JP H09210168 A JPH09210168 A JP H09210168A JP 3581396 A JP3581396 A JP 3581396A JP 3581396 A JP3581396 A JP 3581396A JP H09210168 A JPH09210168 A JP H09210168A
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JP
Japan
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clutch
gear ratio
hydraulic
continuously variable
variable transmission
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JP3581396A
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Eiji Inoue
英司 井上
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロイダル型無段変速機において、出力軸に
設けたクラッチの締結力を変速比に応答して制御し、ク
ラッチの作動でエネルギー損失を低減し且つ高効率を確
保する。 【解決手段】 このトロイダル型無段変速機は、トロイ
ダル変速部4の変速比をプリセスカム15によってパワ
ーローラ7の傾転角、即ち、変速比を検出することによ
り検出し、変速比に応答してライン圧制御弁13のプラ
ンジャ17に伝達する。油圧ポンプ10から油圧クラッ
チ8への油圧供給ライン11のライン圧は、ライン圧制
御弁13のスプール20の作動により変速比に比例する
ように制御される。高速回転時には変速比が小さく、油
圧クラッチ8の締結力が過大にならず、ポンプ10の駆
動に無駄がなくなる。また、減速時には変速比が大き
く、油圧クラッチ8の締結力が大きくなり、エンジンブ
レーキを十分に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対向して配置された
入力ディスクと出力ディスクとに対するパワーローラの
傾転角度の変化に応じて入力ディスクの回転を無段階に
変速して出力ディスクに伝達する変速ユニットを備えた
トロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示すように、対向して配置
された入力ディスク5と出力ディスク6、両ディスク
5,6に対する傾転角度の変化に応じて入力ディスク5
の回転を無段階に変速して出力ディスク6に伝達する一
対のパワーローラ7、パワーローラ7をそれぞれ回転自
在に支持し且つ中立位置から傾転軸回りに傾転する一対
のトラニオン14を備えたトロイダル型無段変速機が知
られている。このようなトロイダル型無段変速機によれ
ば、装置そのものに摩擦車を利用したトロイダル変速部
4を用いているので、伝達するトルクが大きくても確実
にトルクを伝達することができる。
【0003】従来、トロイダル型無段変速機への入力ト
ルクが、トラニオンの両端部に設けられた駆動側油圧室
の背圧と非駆動側油圧室の背圧との差圧に比例すること
が知られている。入力トルクと差圧とのこのような関係
を利用したものとして、ライン圧を出力するレギュレー
タバルブの入力油圧として上記差圧分の油圧を導くこと
により、ライン圧を入力トルクに応じて必要最小限の油
圧に調圧したトロイダル無段変速機の油圧制御装置があ
る(例えば、特開昭62−171557号公報参照)。
【0004】入力トルクと差圧との上記関係を利用し
て、トロイダル型無段変速機に関連する回転軸に設けら
れたクラッチの締結力を可変としてシフト選択時の変速
ショックを防止したトロイダル型無段変速機が知られて
いる(例えば、特開平6−265001号公報参照)。
このトロイダル型無段変速機は、前記差圧からエンジン
からの入力トルクを求め、入力トルクとの予め定められ
た対応関係(例えば、入力トルクの増大に伴って一次関
数的に増加する関係)に基づいてクラッチ締結力を求
め、発進クラッチの油圧を制御するものである。
【0005】更に、従来、エンジンのスロットル開度に
応じて、変速機の出力軸上に設けられた油圧クラッチの
締結力を制御したトロイダル型無段変速機が考えられて
いる。このトロイダル型無段変速機を、図2を参照して
説明すると、トロイダル型無段変速機は、エンジンによ
って回転駆動される入力軸2と出力軸3との間に設けら
れたトロイダル変速部4を備えている。トロイダル変速
部4は、入力軸2からのエンジントルクによって回転さ
れる入力ディスク5と、入力ディスク5と同軸上に対向
配置されて変速機の出力軸3にトルクを出力する出力デ
ィスク6と、両ディスク5,6と回転接触して入力ディ
スク5から出力ディスク6へとトルクを伝達すると共に
入力軸2と出力軸3との回転数比である変速比を変更す
る一対のパワーローラ7とを備えている。トラニオン1
4を油圧駆動して、パワーローラ7の傾転角を変更する
ことにより、その傾転角に応じてパワーローラ7が入力
ディスク5と出力ディスク6とに対して圧接しつつ回転
接触する位置が変更されるので、トロイダル変速部4の
変速比を無段階に変更することができる。
【0006】トロイダル変速部4の出力軸3は、油圧ク
ラッチ8を介してクラッチ出力軸9と連結されている。
油圧クラッチ8には、油圧源である油圧ポンプ10から
の油圧が、油圧供給ライン11を介して供給される。油
圧供給ライン11のライン圧は、分岐ライン12を介し
て他の制御系への制御圧としても供給される。油圧供給
ライン11のライン圧は、後述のライン圧制御弁13に
よってスロットル弁の開度に応じて制御される。
【0007】スロットルカム30は、エンジンのスロッ
トル弁(ディーゼルエンジンの場合には、インジェクシ
ョンポンプ)の操作によって往復動するケーブル31の
先端と連結されている。スロットル弁の操作においてス
ロットル弁の開度θが大きくなるに応じて、ケーブル3
1の引っ張り量が大きくなり、スロットルカム30の図
2の時計方向の回動量が大きくなる。スロットルカム3
0のカム面は、ライン圧制御弁13のプランジャ17を
スプリング18に抗して押圧する。ライン圧制御弁13
のボア19内に摺動可能に設けられたスプール20は、
その一端においてスプリング18に押されて、図2の右
側に移動する。このとき、油圧供給ライン11の油圧
は、連通溝23とドレンポート24とが閉じるため上昇
するが、これによって圧力室28内の圧力も上昇するの
で、スプール20を図2の左側へスプリング18のばね
力に抗して押し、スプール20は連通溝23とドレンポ
ート24とが開く位置まで移動する。スプール20の位
置におけるスプリング18の高い荷重に釣り合う圧力に
圧力室28内の油圧が制御され、制御された油圧が油圧
供給ライン11に作用する。分岐ライン21からは、絞
り26を介してスプール20の他端に形成された圧力室
28に圧力が作用する圧力ライン27が設けられてい
る。
【0008】エンジンのアクセルを踏んでエンジントル
クを大きくする必要がある場合として、例えば、車両の
発進時や加速時が挙げられる。車両の発進時や加速時に
は、大きなトルクを得るためにトロイダル変速部4の変
速比(即ち、入力回転数を出力回転数で徐したもの)は
大きい値が選択されている。この時、大きなスロットル
弁の開度θに応じて、ライン圧制御弁13は、油圧供給
ライン11に大きなライン圧を生じさせており、油圧ク
ラッチ8の締結力を大きくし、油圧クラッチ8での滑り
を無くし、確実にトルクが負荷に伝達されるようにして
いる。スロットル弁の開度θをパラメータとした車速と
エンジントルクとの関係を図3に示す。図3に示すよう
に、スロットル開度をある一定の値に固定すると、エン
ジン回転数の増加につれてエンジントルクが減少する。
このようなエンジン回転数の増加に伴うエンジントルク
の減少を回避するには、スロットル開度を次々と変更し
ていく方法か、或いは変速比を変える方法が採られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のトロイダル型無
段変速機では、エンジントルクTeは、スロットル弁開
度θによらず、エンジン全負荷トルク付近を使用するの
で、略一定の値となっている。このため、油圧クラッチ
8に入力されるトルクTcは、次式のように、変速比
(Rcvtcvt )に比例した値となる。Tc=Te×R
cvt
【0010】ところが、図2に示した従来例では、油圧
供給ライン11のライン圧がスロットル弁の開度θにの
み依存して決定されるために、油圧クラッチ8のトルク
伝達容量Tcoはスロットル弁の開度に依存することに
なる。油圧クラッチ8の締結力は、車両の発進時に最も
必要で且つ大きなトルクを確保する状況において最大に
なるように、即ち、油圧クラッチ8への入力トルクTc
が油圧クラッチ8のトルク伝達容量Tcoを超えないよ
うに設定されている(図4参照)。しかしながら、スロ
ットル弁の開度θが大きいことは、必ずしも発進時やそ
れに続く低速走行の場合の加速時に生じる操作によって
のみ生じることではない。車両が比較的高速で走行して
いるときに、運転者がアクセルを更に踏み込んでより高
速走行に移行しようとすることがある。
【0011】車両の走行速度が高い場合には、その車速
を維持するのに必要なトルクは、通常小さい。更に車両
速度を加速するのに必要なトルクの大きさも、発進時や
低速走行の場合の加速時に必要なトルクの大きさと比較
すると、小さいもので済む。このような場合でも、アク
セルの踏み込みによりスロットル弁の開度θが大きくな
ると、ライン圧制御弁13は、油圧供給ライン11に大
きなライン圧を生じさせて、油圧クラッチ8の締結力を
不必要に大きな値としている。そのため、油圧供給ライ
ン11に油圧を供給する油圧源である油圧ポンプ10
を、高い水準で運転することになり、エンジンの燃費が
悪化する等のエネルギー損失が大きい。
【0012】また、排気ブレーキを装着した大型商用デ
ィーゼル車等は、ディーゼルエンジンのエンジンブレー
キ力が強く設計されている。このような車両において、
油圧供給ライン11のライン圧をスロットル弁の開度θ
にのみ依存して決定していると、エンジンブレーキ作動
中に燃料噴射ポンプであるインジェクションポンプの開
度(ガソリンエンジンのスロットル弁開度に相当する)
が小さく、従って、油圧クラッチ8の締結力も小さくな
っている場合でも、減速操作が大きく、従って変速比R
cvtが大きいときには、エンジンブレーキに余力があ
るにもかかわらず、油圧クラッチが滑り、十分なエンジ
ンブレーキ作用を得ることができなくなることがある。
そのため、油圧供給ライン11に排気ブレーキに連動し
たソレノイド弁を追加する等の対策が必要となり、トロ
イダル型無段変速機の構造を複雑にすると共に、装置全
体のコスト上昇の要因となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
のように、トロイダル変速部の出力軸にクラッチを設け
たトロイダル型無段変速機において、前記クラッチの締
結力を定めるライン圧制御弁の操作のための信号をスロ
ットル弁の開度信号とすると、負荷側の回転速度が大き
い場合の小変速時にも油圧クラッチの締結力が過大にな
ってエネルギー損失が生じてしまったり、ブレーキによ
る大きな変速時に油圧クラッチの締結力が小さいと、エ
ンジンブレーキが十分に活かしきれないということに鑑
み、スロットル弁の開度にかかわらず、必要で且つ十分
なライン圧を得ることができるトロイダル型無段変速機
を提供することである。
【0014】車両において、発進時やそれに続く低速走
行の場合の加速時と、車両の走行速度が高い場合に更に
高速走行に移行する時とでは、共にスロットル弁の開度
が大きくなるが、前者の時は停止していたり微速運転か
ら低速に移行するために速度の変化率が大きくなるため
に変速比が大きく設定されているのに対して、後者の時
はその車速を維持するのに必要なトルクが通常小さいか
ら変速比は小さい状態にある。また、ブレーキの作動に
よる減速時には、減速比が大きいほど油圧クラッチの締
結力を大きくし、クラッチのすべりを防止するのが好ま
しい。本発明のトロイダル型無段変速機は、上記の現象
を考慮して、ライン圧制御弁の操作のための信号を、変
速比それ自体として構成したものである。
【0015】この発明は、対向して配置された入力ディ
スクと出力ディスク、前記出力ディスクに連結された出
力軸、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて
前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力デ
ィスクに伝達する一対のパワーローラ、前記パワーロー
ラをそれぞれ回転自在に支持し且つ中立位置から傾転軸
回りに傾転する一対のトラニオン、前記トラニオンを傾
転軸方向に変位に応じて作動させる制御弁、前記入力デ
ィスクに対する前記出力ディスクの変速比を検出する検
出手段、前記制御弁によって制御される前記出力軸上に
設けられたクラッチ、前記検出手段で検出した変速比に
応じて前記クラッチの締結力を変更する制御を行うコン
トローラから成るトロイダル型無段変速機に関する。
【0016】また、前記変速比の前記検出手段は、前記
パワーローラの傾転角を変更させる前記トラニオンの傾
転軸方向の変位に連動するプリセスカムの変位によって
前記変速比を検出するものである。
【0017】更に、前記クラッチは油圧源からのライン
圧が供給されて作動する油圧クラッチであり、前記コン
トローラは変速比に応答して作動する前記制御弁を制御
して前記検出手段で検出された変速比が大きいほど前記
クラッチの前記ライン圧を大きくする制御をする。
【0018】このトロイダル型無段変速機によれば、ク
ラッチの締結力はトロイダル変速部の変速比によって定
められるので、クラッチの出力軸の加速及び減速の運転
条件にかかわらず、加速時の無駄なクラッチ締結力を余
すことがなく、また減速時には十分な締結力を提供する
ことができる。
【0019】このトロイダル型無段変速機は、上記の構
成を有するので、トラニオンの傾転角を検出することに
よってトロイダル変速部の変速比の検出が容易になる。
更に、クラッチを油圧クラッチとすると、クラッチディ
スクを押し付ける油圧を制御することによって締結力の
変更が容易になると共に、トラニオンの傾転角に応答す
る制御弁を用いることによって油圧の制御が容易にな
る。
【0020】更に、このトロイダル型無段変速機は、入
力軸を車両に搭載されたエンジンの出力軸に連結し、前
記クラッチを作動させるライン圧を車両に搭載された油
圧ポンプによって発生させたものである。このトロイダ
ル型無段変速機によれば、トロイダル変速部や油圧クラ
ッチは走行系統に組み込まれており、車両の加速時に変
速比が低くても、前記ライン圧を供給する油圧源として
の油圧ポンプが出す吐出損失を少なくすることができる
と共に、車両の減速時に変速比が高くてもエンジンブレ
ーキを十分に利用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるトロイダル型無段変速機の実施例を説明する。図
1はこの発明によるトロイダル型無段変速機の油圧回路
を含む概略説明図である。図1に示す部品に付した符号
は、図2の部品の同一部品には同一符号を付している。
図2に示すトロイダル型無段変速機は、ライン圧制御弁
13のプランジャ17を押圧する力をエンジンのスロッ
トル弁(又は燃料噴射ポンプ)の操作に伴ってケーブル
31がスロットルカム30を回動角度を信号としてを採
用しているのに対して、このトロイダル型無段変速機
は、トロイダル変速部4のパワーローラ7の傾転角即ち
変速比を検出し、その変速比に応じて取り出した傾転角
を信号としている。
【0022】トロイダル変速部4の変速比を変更する場
合は、プリセスカム15を介してトラニオン14を傾転
軸回りに回転させてパワーローラ7の傾転角度を変更す
ることで達成している。即ち、パワーローラ7がトラニ
オン14の傾転軸と共に回転して、パワーローラ7の傾
転角が変更されると共に、所望の変速比になるまで入力
ディスク5と出力ディスク6との回転接触位置が変更さ
れる。トラニオン14の傾転軸の回転は、プリセスカム
15の回動に転換され、プリセスカム15のカム面に当
接する回動リンク16が矢印のように回動して、ライン
圧制御弁13のプランジャ17を押圧する。変速比が大
きくなるのに比例して、トラニオン14の傾転軸の回転
角も大きくなり、回動リンク16が回動してその先端が
変位し、その変位量に応じてライン圧制御弁13のプラ
ンジャ17をスプリング18に抗して押圧することにな
る。プランジャ17の移動によって、スプール20が連
通溝23とドレンポート24とが開く位置でのスプリン
グ18から受ける荷重が大きくなるので、圧力室28内
の油圧もスプリング18の荷重に釣り合う高い油圧に制
御され、油圧供給ライン11に高い油圧が生じる。
【0023】このトロイダル型無段変速機は、上記の構
成を有し、次のように作動する。この実施例によれば、
車両の走行速度が速い場合には、既に変速比は十分小さ
い値になっており、その車速を維持するのに必要なトル
クは勿論のこと、更に車両速度を加速するのに必要なト
ルクの大きさも、発進時や低速走行の場合の加速時に必
要なトルクの大きさと比較すると、小さいもので済む。
このような場合、アクセルの踏み込みによりスロットル
弁の開度θが大きくなっているが、ライン圧制御弁13
は、変速比にのみ対応して制御されているため、油圧供
給ライン11に大きなライン圧を生じさせることがな
く、油圧クラッチ8の締結力を必要な値に抑えている。
【0024】また、エンジンブレーキ力が強く設計され
ている大型商用ディーゼル車等の車両について、エンジ
ンブレーキ作動中に燃料噴射ポンプであるインジェクシ
ョンポンプの開度(ガソリンエンジンのスロットル弁開
度に相当)が小さくても、減速操作の変速比が大きく、
従って変速比Rcvtが大きいときには、油圧クラッチ
8の締結力を大きくすることができる。したがって、油
圧クラッチが滑ることなく、走行輪側からのブレーキト
ルクをエンジン側に伝達し、エンジンブレーキを十分に
利用して、十分なエンジンブレーキを確保することがで
きる。
【0025】図4には、車速とクラッチが伝達するトル
クとの関係が示されている。クラッチ入力トルクTc
は、車速に応じて油圧クラッチ8に入力するトルクの曲
線を示す。車両の低速走行時には高い変速比を選択し、
高速走行時には低い変速比を選択するのが技術的に普通
の対応であるから、車速が遅いほど必要なトルクが大き
く、車速が増大すればするほど必要なトルクが減少する
ものである。
【0026】このトロイダル型無段変速機によれば、油
圧クラッチの締結力を変速比に応じて変更、即ち、変速
比に比例して増大してるので、クラッチ容量の余裕をΔ
Taで示すように低く抑えることができる。これに対し
て、従来のトロイダル型無段変速機のクラッチ容量は、
図4での水準Tcoがスロットル弁の開度に応じて変化
するものではあるが、車速に応じて見ると変化すること
なく略一定の高い容量となる。したがって、クラッチの
容量は、ΔTcoで示すように、必要な容量に対して車
速が大きいほど余裕が過大になり過ぎて、例えば油圧ク
ラッチを用いている場合には、油圧源としてのポンプの
運転が高い水準のままとなり、ポンプの吐出損失を増大
してしまう。
【0027】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、クラッチの締結
力はトロイダル変速部の変速比によって定められること
になり、クラッチの出力側に接続される負荷の回転数の
加速及び減速の運転条件にかかわらず、適正なライン圧
力が得られ、装置全体の効率を向上することができる。
即ち、加速時の無駄なクラッチ締結力のためにエネルギ
ーを費やすことがなく、また減速時には十分な締結力を
提供して減速を効率良く行うことができ、しかも、高価
な電子制御手段を用いていないために、安価で信頼性の
高いシステムを提供することができる。
【0028】また、このトロイダル型無段変速機は、前
記変速比の検出手段を前記パワーローラの傾転角を変更
させるトラニオンに連動するプリセスカムとし、前記ク
ラッチを油圧クラッチとし、コントローラを、前記検出
手段によって検出された変速比が大きいほど油圧源から
前記油圧クラッチへのライン圧が大きくなるように制御
弁の作動を制御するので、トロイダル変速部の変速比の
検出から油圧クラッチの締結力の制御までが簡単な構造
で構成することができる。即ち、トラニオンの傾転角を
検出することで、変速比を容易に検出することができる
と共に、クラッチを油圧クラッチとすることで、クラッ
チの締結力の変更をクラッチディスクを押し付ける油圧
の大きさを変更することによって容易に行うことができ
る。油圧クラッチへのライン圧を決定する制御弁を、ト
ラニオンの傾転角に応答するように構成することによ
り、検出した変速比信号で油圧源からのライン圧を容易
に制御することができる。
【0029】更に、このトロイダル型無段変速機の入力
軸を車両に搭載されたエンジンの出力軸に連結し、前記
クラッチを作動させるライン圧を車両に搭載された油圧
ポンプによって発生させたときは、油圧ポンプの吐出損
失を少なくして、油圧クラッチの作動に必要なクラッチ
締結力を得ることができると共に、エンジンブレーキを
十分に利用することができる。したがって、車両の駆動
系に接続したトロイダル型無段変速機を損失が少なく且
つ効率良く作動させることができるので、車両の燃費の
低下に寄与することができる。
【0030】車両のエンジンブレーキによって車両の減
速を得る場合には、減速操作が大きく、従って変速比が
大きいときには、油圧クラッチの締結力を大きくするこ
とができる。したがって、油圧クラッチが滑ることな
く、走行輪側からのブレーキトルクをエンジン側に伝達
し、エンジンブレーキを十分に利用して、十分なエンジ
ンブレーキを確保することができる。そのため、油圧供
給ラインに排気ブレーキに連動したソレノイド弁を追加
する等の対策は必要でなく、トロイダル型無段変速機の
構造を複雑にすることもなく、簡単な構成で装置全体の
コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の油圧
回路を含む一実施例を示す概略説明図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の油圧回路を含
む概略説明図である。
【図3】スロットル弁の開度をパラメータとして、車速
とエンジントルクの関係を示す線図である。
【図4】車速とトロイダル型無段変速機への入力トルク
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 入力軸 3 出力軸 4 トロイダル変速部 5 入力ディスク 6 出力ディスク 7 パワーローラ 8 油圧クラッチ 11 油圧供給ライン 13 ライン圧制御弁 14 トラニオン 15 プリセスカム 20 スプール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク、前記出力ディスクに連結された出力軸、前記
    両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて前記入力デ
    ィスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝
    達する一対のパワーローラ、前記パワーローラをそれぞ
    れ回転自在に支持し且つ中立位置から傾転軸回りに傾転
    する一対のトラニオン、前記トラニオンを傾転軸方向に
    変位に応じて作動させる制御弁、前記入力ディスクに対
    する前記出力ディスクの変速比を検出する検出手段、前
    記制御弁によって制御される前記出力軸上に設けられた
    クラッチ、前記検出手段で検出した変速比に応じて前記
    クラッチの締結力を変更する制御を行うコントローラか
    ら成るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記変速比の前記検出手段は、前記パワ
    ーローラの傾転角を変更させる前記トラニオンの傾転軸
    方向の変位に連動するプリセスカムの変位によって前記
    変速比を検出する請求項1に記載のトロイダル型無段変
    速機。
  3. 【請求項3】 前記クラッチは油圧源からのライン圧が
    供給されて作動する油圧クラッチであり、前記コントロ
    ーラは変速比に応答して作動する前記制御弁を制御して
    前記検出手段で検出された変速比が大きいほど前記クラ
    ッチの前記ライン圧を大きくする制御をする請求項1又
    は2に記載のトロイダル型無段変速機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100353089C (zh) * 2005-12-28 2007-12-05 北京联合大学 同轴式连杆无级脉动变速器
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