JPH0921016A - ホ−ス補強用ポリビニルアルコ−ル系繊維 - Google Patents

ホ−ス補強用ポリビニルアルコ−ル系繊維

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JPH0921016A
JPH0921016A JP7167188A JP16718895A JPH0921016A JP H0921016 A JPH0921016 A JP H0921016A JP 7167188 A JP7167188 A JP 7167188A JP 16718895 A JP16718895 A JP 16718895A JP H0921016 A JPH0921016 A JP H0921016A
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弘明 藤井
Tomokazu Ise
智一 伊勢
Toshihiro Hamada
敏裕 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレ−キ液を使用した場合のゴム補強用PV
A繊維の耐久性を大幅に向上させるものであり、これに
よりブレ−キホ−スの安全性を向上させる。 【構成】 硼酸捕捉剤を含有することを特徴とするホ−
ス補強用ポリビニルアルコ−ル系繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の液圧ブレ−キ
ホ−ス等の高耐圧ホ−スの補強に好適なポリビニルアル
コ−ル系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレ−キホ−スは、内管ゴム層、第1繊
維補強層、中間ゴム層、第2補強繊維層、及び外皮ゴム
層により構成されており、JIS D−2601に規定
されているように耐圧性、非膨脹性、耐久性等多くの諸
性能が要求される。繊維補強層としては、ポリビニルア
ルコ−ル系繊維(PVA系繊維)、レ−ヨン繊維、ポリ
エステル系繊維、アラミド繊維等からなる2層の編組層
が用いられているが、ブレ−キホ−スの機械的強度等を
決定する重要な部分であるため、極めて厳密な耐久性、
耐圧性等が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブレ−キ液は、FMV
SS No.116に定められているように、DOT3
規格、DOT4規格、DOT5規格及びDOT5.1規
格のブレ−キ液があり(以下単に、DOT3液、DOT
4液、DOT5液、DOT5.1液と称す)、従来、D
OT3液(グリコ−ル類が主体の非鉱物油系ブレ−キ
液)が広く使用されていたが、近年、沸点が高く、より
安全性の高いブレ−キ液として、DOT4液の使用量が
増加している。DOT4液は、沸点を上げるために硼酸
エステル化合物を含有させたものであり、DOT5.1
液は硼酸エステル化合物をその主成分とするものであ
る。ポリビニルアルコ−ル系繊維(PVA系繊維)で補
強されたブレ−キホ−スは、通常の使用条件下では優れ
た耐圧性、耐膨脹性及び耐久性を示すものの、高温での
加速疲労テストで強制的に劣化を促進させると、ブレ−
キ液が内管ゴムを通過して繊維補強層に到達して繊維の
強度が低下する場合があった。すなわち、過酷な条件下
で使用することにより、DOT4液やDOT5.1液の
ように硼酸エステルを多量に含むブレ−キ液が繊維補強
層に到達した場合、求電子的性質の強い硼酸エステルが
PVA分子の水酸基に作用して繊維構造の一部を乱す可
能性がある。本発明は、上記の問題に鑑み、硼酸エステ
ル化合物を配合することによる効果(沸点の上昇)を損
なうことなく、耐久性、機械的性能の劣化を改善したホ
−ス補強用PVA系繊維を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、硼酸捕捉剤を
含有することを特徴とするホ−ス補強用PVA系繊維を
提供するものである。本発明にいう硼酸捕捉剤とは、硼
酸化合物(硼酸、硼酸塩、硼酸エステル等の硼酸誘導体
等)を捕捉する物質をいう。すなわち、硼酸化合物とポ
リビニルアルコ−ルに反応が生じてPVA系繊維の性能
劣化が生じるため、PVAよりも硼酸化合物との反応性
に優れた化合物(硼酸補足剤)を配合して、PVAの劣
化を抑制するものである。硼酸捕捉剤は、実質的に繊維
内部及び表面に存在する硼酸化合物のみを捕捉するの
で、ブレ−キ液の沸点を低下させることなく優れた効果
が得られる。具体的には、PH測定法における硼酸イオ
ンとの錯体生成係数K1が3以上の化合物が挙げられる
(PH測定は±0.02の精度で測定できる機器を用い
る)。硼酸イオンと硼酸捕捉剤の反応式及び錯体生成係
数K1は次式によって定義される。
【0005】
【数1】
【0006】なお、B- は硼酸イオン、Pは硼酸捕捉
剤、BP- は硼酸イオンと硼酸捕捉剤との錯体を示し、
[]は稀薄溶液中での各物質のモル濃度を示す。K1値
が大きい程、硼酸化合物との反応性が高いため優れた硼
酸捕捉性を示すことができる(ポリビニルアルコ−ルの
K1値は1.8)。K1は3以上、さらに100以上、
特に2000以上のものが好ましい。
【0007】好適な硼酸捕捉剤としては、具体的には2
個以上の水酸基を有する化合物等が挙げられる。好適な
例としては、2,3−ブタンジオ−ル、フェニル−1,
2−エタンジオ−ル、3−メトキシ−1,2−プロパン
ジオ−ル、グリセリン、マンノ−ス、グルコ−ス、アラ
ビノ−ス、ガラクト−ス、フルクト−ス、カテコ−ル、
ペンタエリスリト−ル、マンニット、ソルビット、ズル
シット等の脂肪族アルコ−ル、糖類等が挙げられる。な
かでも硼酸化合物と錯体を形成しやすいマンニット、カ
テコ−ル、フルクト−ス及びその誘導体が好ましく、耐
久性の点ではカテコ−ル及びその誘導体が特に好まし
い。かかる捕捉剤を用いることにより、実施例で示され
る耐久性試験において、強度保持率60%以上、特に7
0%以上の優れた性能を示すことができる。また耐久性
試験後においても、強力10kg以上、特に15kg以
上とすることができる。
【0008】硼酸捕捉剤の付与の方法は特に限定される
ものではなく、繊維の製造時に付与する方法、たとえば
繊維原料に捕捉剤を添加する、繊維紡糸直後に付与す
る、繊維紡糸後巻取工程までに付与する方法等が挙げら
れる。さらに、補強繊維をホ−ス状に編み上げた後に付
与する方法や、内管ゴムや外皮ゴムの表面や内部に付与
する方法を用いてもよい。本発明においては、これらの
方法のいずれを用いても、また複数の方法を組み合わせ
てもよい。捕捉剤を付与する場合は、捕捉剤をそのまま
付与してもよいが、適当な溶媒に溶解して付与してもよ
い。また、捕捉剤を接着処理用浸漬剤(RFL液、エポ
キシ処理液、ゴムのり液、イソシアネ−ト処理液など)
に添加して用いてもよい。繊維耐久性の点では、繊維コ
−ドに直接水溶液等を付与する方法が好ましい。
【0009】捕捉剤の含有割合が大きいほど硼酸捕捉効
果が大きいが、あまり捕捉剤が多すぎると繊維本来の性
能を損なったり、ゴムと繊維の接着力が低下したり等の
問題が生じる可能性がある。従って、硼酸捕捉剤を繊維
重量に対して0.1〜20重量%、特に0.5〜10重
量%付与するのが好ましい。ブレ−キ液に直接補足剤を
添加した場合には、繊維周辺の硼酸はほとんど捕捉され
ないのみでなく、多量に配合した場合にはブレ−キ液の
性能を損なう可能性がある。
【0010】ブレ−キホ−スを構成する内面ゴム層およ
び外皮ゴム層には、スチレンブタジエンゴム、クロロプ
レンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴムなど
を含むあらゆるゴム配合物を用いることができる。かか
るゴム層を補強繊維層を接着一体化することにより、優
れたブレ−キホ−スを得ることができる。以上のよう
に、本発明のホ−ス補強用PVA系繊維は、DOT4液
やDOT5.1液のように硼酸化合物を多量に含むブレ
−キ液を用いかつ非常に過酷な条件下においても、優れ
た耐久性を示しブレ−キホ−スの安全性をより一層向上
させ得るものである。
【0011】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
【0012】[K1値]一定量の硼酸とPH既知の緩衝
溶液を含んだフラスコを9本用意し、サンプル(硼酸補
足剤)を各フラスコ中の濃度が0〜0.8モル/lまで
0.1モル/l刻みになるように添加する。この液を2
5℃の恒温槽に20分以上放置した後、PHを測定し、
まずそれぞれのK1´を算出した。
【0013】
【数2】
【0014】次いで、横軸に平衡後の[P]、縦軸にK
1´値をプロットして1次直線をひいたときのY軸切片
([P]=0の外挿点)をK1値とした。 [コ−ド耐久性]JIS L−1017(化学繊維タイ
ヤコ−ド試験方法)に準じてファイヤストン法で測定し
た。コ−ドの密度は18本/1インチ、スピンドル直径
35mm、スピンドルにかかる荷重40kgf、試験温
度100℃で10000回屈曲処理を行った。試験前の
コ−ドの引張強度A、処理後の引張強さをBとしたと
き、(B/A)×100として耐久性を算出した。
【0015】[実施例1]PVA繊維束(株式会社クラ
レ製ビニロンフィラメント、品番1239、1200d
/200f)に10cmあたり28回のZ方向の下撚を
与えた。さらに、PVA系繊維束を3本合わせて10c
mあたり28回のS方向の上撚を当て、PVAフィラメ
ントコ−ドを得た。このPVAフィラメントコ−ドを5
重量%マンニット水溶液(K1=10000)に浸漬
し、マンニット固形分の付着率が2%となるように絞
り、100℃で2分間乾燥させた。その後下記組成のR
FL液に浸漬し、100℃で2分間乾燥させた後160
℃で2分間熱処理し、接着処理コ−ドを得た。
【0016】 (RFL液組成) A液 水 300部 レゾルシン 11部 ホルムアルデヒド(37%) 24部 水酸化ナトリウム水溶液(10%) 11部 上記A液を25℃の温度で6時間熟成した。 B液 SBRラテックス 130部 ビニルピリジン変性SBRラテックス 130部 水 260部 上記B液を熟成済みのA液と混合した後、25℃の温度
で16時間熟成した。
【0017】得られたコ−ドの耐久性を測定するに当た
って、実際のホ−ス中でのブレ−キ液の浸透を想定し、
次の前処理を行った。コ−ドをブレ−キ液(ホンダ社製
純正DOT4液 硼酸2.1重量%)に25℃で24時
間浸漬し、ブレ−キ液付着量が30%になるように絞
り、100℃で24時間熱処理した。結果を表1に示
す。
【0018】[実施例2]実施例1に記載のRFL液を
熟成後にマンニットを5重量%となるように溶解し、1
00℃×2分間、張力250g/本の条件でPVA系フ
ィラメントコ−ドを浸漬した。次いで1%ストレッチの
状態で200℃×1分間キュアを行い、以下実施例1と
同様の処理を行った。結果を表1に示す。 [実施例3]PVAフィラメントコ−ドを5%カテコ−
ル(K1=7800)水溶液に浸漬した以外は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例4]PVAフィラメントコ−ドを5%フルクト
−ス(K1=3780)水溶液に浸漬した以外は実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。 [実施例5]フルクト−ス20%水溶液にPVAフィラ
メントコ−ドを浸漬した以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0019】[比較例1]PVAフィラメントコ−ドに
硼酸捕捉剤による処理を行わない以外は実施例1と同様
のRFL接着処理、ブレ−キ液処理及び耐久性評価を行
った。結果を表1に示す。 [比較例2]硼酸捕捉剤が付与されていないフィラメン
トコ−ドに実施例1と同様の方法でRFL処理を行い、
次いでブレ−キ液中の硼酸化合物を完全に捕捉するのに
必要とされる量(理論値)の3倍量のマンニットを添加
したブレ−キ液を用いて実施例1と同様に耐久試験を行
った。結果を表1に示す。なおブレ−キ液は、硼酸捕捉
剤を添加した後、圧力容器で100℃24時間熱処理し
たものを用いた。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、DOT4液やDOT
5.1液等の多量の硼酸化合物を含むブレ−キ液を使用
した場合においても、PVA繊維の耐久性を大幅に向上
させることができる。これによりブレ−キホ−スの安全
性を向上させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硼酸捕捉剤を含有することを特徴とする
    ホ−ス補強用ポリビニルアルコ−ル系繊維。 【0001】
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EP1069216A1 (en) * 1999-07-16 2001-01-17 Kuraray Co., Ltd. Polyvinyl alcohol based fibers

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1069216A1 (en) * 1999-07-16 2001-01-17 Kuraray Co., Ltd. Polyvinyl alcohol based fibers
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