JPH09210933A - 熱伝導率測定における印加電流値設定方法及びその装置 - Google Patents

熱伝導率測定における印加電流値設定方法及びその装置

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JPH09210933A
JPH09210933A JP1963696A JP1963696A JPH09210933A JP H09210933 A JPH09210933 A JP H09210933A JP 1963696 A JP1963696 A JP 1963696A JP 1963696 A JP1963696 A JP 1963696A JP H09210933 A JPH09210933 A JP H09210933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細線加熱法の印加電流値設定方法及びその装
置に関しするものである。 【解決手段】 細線加熱法を用いた熱伝導率測定方法に
おいて、加熱用のヒータ線に微小電流を印加し、所定短
時間でのヒータ線近傍の試料の上昇温度に基づいて、適
正な測定ができる印加電流値を設定する。これによて、
上記上昇温度に対応する適正印加電流値を短時間に自動
設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細線加熱法の印加
電流値設定方法及びその装置に関し、特に測定前にヒー
タ線に印加される適正な電流値を短い時間で自動設定で
きるようにした細線加熱法の印加電流値設定方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来技術】細線加熱法(熱線法ともいう)による熱伝
導率の測定は、例えば図4に示すように、無限円筒と見
なせる形状で均質な試料1の中心に張られるヒータ線2
に電源4から所定の電流値の電流を印加し、その印加開
始後から終了までの間に所定の時刻t1 におけるヒータ
線2近傍の試料1の温度T1 と、これよりも更に一定時
間経過した時刻t2 における上記試料1の温度T2 を温
度センサ3によって測定し、該2つの温度T1 ,T2
に基づいて熱伝導率λを計測する方法である。この場
合、上記温度センサ3としては熱電対が用いられるほ
か、ヒータ線2として、白金線を用い該白金線の温度に
よる抵抗変化を温度と仕手検出する構成を用いているも
のもある。
【0003】この方法の測定原理は以下の通りである。
即ち、電源4からヒータ線2に一定電力を与え続けると
ヒータ線2の近傍の試料温度が図5に示すように時間の
経過と共に指数関数的に上昇し、時間軸を対数目盛りに
すると図6に示すように昇温カーブが直線になり、熱伝
導率の小さい試料1では昇温が速いのでこの直線の傾き
は大きくなり、逆に熱伝導率の大きい試料1ではこの直
線の傾きは小さくなる。従って、熱伝導率λは対数時間
における昇温グラフの傾きに対応し、この傾きは熱伝導
率演算手段7で試料1の熱伝導率λを次の数式1に従っ
て求めることができる。
【0004】
【数1】 ここで、qはヒータ線2の単位時間、単位長さ当たりの
発熱量である。この細線加熱法によれば、これらq,t
1 ,t2 ,T1 ,T2 から直接に熱伝導率λを求めるこ
とができ、又、ヒータ線2に電流を印加してから10〜
200秒の短い時間で測定でき、その間の試料1の温度
上昇も20℃程度に止まるので、熱伝導率の温度依存性
が大きい試料1に対して非常に有効な測定法である。更
に、測定時間が短く、試料1の比較的小さな部分だけが
加熱されるので、求められる熱伝導率としては試料表面
近くの組成、構造に対応した値が得られる。
【0005】なお、図4において、符号8は印加電流値
を制御する電流制御手段である。ところで、一般にヒー
タ線2に一定電流を流した場合の、上昇温度ΔT(=T
2 −T1 )と試料の熱伝導率λとの間には図7に示すよ
うな関係があり、上昇温度ΔTが大き過ぎると測定器の
ダイナミックレンジを越え、又、試料1の変質、焼損を
招く恐れがあるという問題がある。逆に、上昇温度ΔT
が小さい領域ではλの変化率が大きくなり過ぎて測定精
度が低下するという問題がある。
【0006】従って、この細線加熱法においては、上昇
温度ΔTを上記の問題の生じない適当な値、例えば20
℃前後となるようにして測定することが必要になる。し
かし、試料1の熱伝導率λは材質によりある程度の範囲
で予測することは可能であるが本質的には未知であるこ
とから、予めこの適正な上昇温度ΔTが得られる印加電
流値Iを設定する必要がある。
【0007】従来、この印加電流値Iを設定する方法と
しては、熱伝導率の測定に先立ち、印加電流値Iを変え
て何度か試行錯誤を繰り返して上昇温度ΔTが例えば2
0℃前後になる値を選択する方法と、経験によって類推
した上昇温度ΔTが20℃前後になると思われる値を選
択する方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の印加電流
値設定方法のうち、試行錯誤により印加電流値Iを設定
する方法によれば印加電流値Iを得るまでに多大の時間
と、手間が掛かるという難点があり、又、経験により類
推した印加電流値Iを用いる方法によればその印加電流
値Iが必ずしも適正ではなく、測定器のダイナミックレ
ンジを越えたり、試料1の変質や焼損を招いたり、大き
な測定誤差が生じたりする恐れがある。
【0009】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたも
のであり、測定前に測定時の適正な印加電流値を短い時
間で自動設定できるようにした熱伝導率測定における印
加電流値設定方法及びその装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために以下の方法を採用している。すなわち、
上記ヒータ線2に微小電流I0 を印加し、所定短時間で
のヒータ線2の近傍の試料1の上昇温度ΔT0 に基づい
て、適正な測定ができる印加電流値を設定するようにし
ている。
【0011】上記のようにヒータ線2に微小電流I0
所定短時間印加すると、流される電流値と時間に応じた
温度だけヒータ線近傍の試料1の温度は上昇する。この
ときの試料1の上昇温度ΔT0 と、実際の測定時に上記
所定上昇温度ΔTを得るために上記所定時間(t2 −t
1 )に該ヒータ線に印加すべき電流Iとの関係は、経験
則的にもとめられる。
【0012】そこで、上記上昇温度ΔT0 と、印加電流
Iとの関係をメモリ6に記憶させておき、上記上昇温度
ΔT0 より実際の測定時に印加すべき電流値Iを上記メ
モリ6より読み出して決定する。
【0013】従って、試行錯誤を繰り返す必要がなく、
短い時間で測定時の印加電流値Iが自動的に設定され、
又、上記上昇温度ΔT0 に対して経験的に適正な印加電
流値Iに設定されるので、大きな誤差が生じる恐れはな
い。
【0014】上記方法を実現するために以下の装置が使
用される。すなわち、ヒータ線2に所定の短時間微小電
流I0 が流されたときの上記温度センサにより検出され
る試料1の上昇温度を計測する上昇温度計測手段5と、
該上昇温度計測手段5の計測結果に基づいて該上昇温度
に対応する測定時の適正印加電流値を出力するメモリ6
とを備える構成としている。
【0015】これにより、電源4からヒータ線2に所定
の短時間微小電流I0 を印加し、この時の試料1の上昇
温度ΔT0 を上記上昇温度計測手段5で計測する。本発
明装置においては、更にこの上昇温度ΔT0 と適正な測
定ができる印加電流値Iとの関係を記憶させたメモリ6
が設けられる。これにより、上記上昇温度計測手段5に
よって計測された上昇温度ΔT0 に対応する印加電流値
Iが読み出され、測定時の印加電流値Iが読出された印
加電流値Iに設定される。
【0016】かくして、本発明装置により、上記本発明
方法が実施され、短い時間で測定時の適正な印加電流値
Iが自動的に設定される。
【0017】
【実施の形態】図1は本発明装置の一実施例構成図であ
る。従来の細線加熱法に於ける熱伝導率測定装置と同
様、無限円筒と見なせる形状で均質な試料1の中心に張
られるヒータ線2と、このヒータ線2の近傍に配置され
た温度検出用の熱電対からなる温度センサ3とを備え、
該ヒータ線2には電源4より電流を印加するようにして
いる。
【0018】更に、上記電源4より印加される電流は電
流制御手段8によって制御され、試料1に応じた電流が
ながされることはもとより、以下に説明する本発明の微
小電流でのプレヒート時の電流制御がなされる。
【0019】上記装置において、ます、上記の電源4か
ら電流制御回路8により微小電流I 0 、例えば0.5A
が所定短時間上記ヒータ線2に印加される(プレヒー
ト)。本発明では更に、上昇温度計測手段5が設けら
れ、該上昇温度計測手段5によって、上記の電流印加開
始後の所定の時間経過した時刻(例えば電流印加開始後
1秒)と、これよりも更に所定短時間を経過した時刻
(例えば電流印加開始後10秒)とのヒータ線2の近傍
の試料1の温度差、すなわち、上記微小電流I0 の印加
開始後の所定時刻から所定短時間での(例えば印加開始
後1秒〜10秒)の試料1の上昇温度ΔT0 が計測され
る。
【0020】尚、上記において、不安定要員を排除する
ために最初の一秒を測定の対象より除外しているが、不
安定要員がなければ最初の一秒を上記所定短時間に含め
ても差し支えない。
【0021】更に、本発明では上記上昇温度ΔT0 と、
経験則的にこれに対応すると認められた測定時の適正な
印加電流値Iとの関係を記憶させたメモリ6と、読出手
段9とが設けられる。これによて、上記上昇温度ΔT0
が該読出手段9に与えられると、該上昇温度ΔT0 に対
応する印加電流値Iが上記メモリ6から読み出され、測
定時の印加電流値Iとして電流制御手段8に与えられる
ことになる。
【0022】上記「上昇温度ΔT0 と、印加電流値Iと
の関係」とは、以下のように考えることができる。すな
わち、熱伝導率測定時の所定時間(t2 −t1 )に試料
1に所定の上昇温度ΔT(例えば20°C)を得るため
にヒータ線2に流すべき電流Iは熱伝導率に対応して
る。一方、上記所定短時間に印加される微小電流I0
よる、試料1の上昇温度ΔT0 も熱伝導率に対応してい
る。ところが、この微小電流I0 による、試料1の上昇
温度ΔT0 から直接熱伝導率を算出すると誤差が大きく
なり不都合である。そこで、図3に示すように、上記微
小電流I0 による試料1の上昇温度ΔT0 より試料の熱
伝導率λ0 を予測し、該予測熱伝導率λ0を介して得た
電流値が、適正印加電流Iとなる。このメモリ6に記憶
された上記温度上昇ΔT0 と測定時に適正な測定ができ
る印加電流値Iとの関係は例えば表1に示すようになっ
ている。
【0023】
【表1】 上記表1では上昇温度ΔT0 を段階的に採っているが、
上昇温度ΔT0 と印加電流値Iとの連続的な関係をメモ
リ6に記憶させてもよいことはもちろんである。
【0024】なお、この装置は、温度センサ3に上昇温
度計測手段5と選択的に接続される熱伝導率演算手段7
を備え、この後に試料1の熱伝導率を測定する熱伝導率
測定装置と上記ヒータ線2及び温度センサ3を兼用でき
るようにしてあり、測定時には、この熱伝導率演算手段
7を温度センサ3に接続した後、上記ヒータ線2に上記
のようにして設定された印加電流値Iの測定電流を印加
し、この印加開始後の所定の時間が経過した時刻t
1 と、更にこれより一定時間経過した時刻t2 とのヒー
タ線2の近傍の試料温度T1 ,T2 を測定し、この熱伝
導率演算手段7によりこれらの温度T1 ,T2 及び時刻
1 ,t2 に基づいて上記数式1に従って熱伝導率λが
演算されるようにしている。
【0025】即ち、図2のフロー図に示すように、この
装置を用いて実施される本発明方法の一実施例に係る細
線加熱法の印加電流値設定方法は、試料1の熱伝導率の
測定に先立って実施され、ヒータ線2及び温度センサ3
を試料1にセットし、温度センサ3を上昇温度計測手段
5に接続した後、開始後、上記電源4からヒータ線2に
例えば0.5Aの微小電流I0 の印加がなされ(S
1)、その印加開始後1秒が経過すると(S2)、温度
センサ3を用いて試料1の温度が測定され(S3)、更
にその印加開始後10秒が経過すると(S4)、再び温
度センサ3を用いて試料1の温度が測定されると共に微
小電流I0 が停止される(S5)。
【0026】そして、上昇温度計測手段5により上記所
定短時間(1〜10秒)の上昇温度ΔT0 が計測され
(S6)、この上昇温度ΔT0 に対応する印加電流値I
がメモリ6から読出手段9に読出され、読出された印加
電流値Iを電流制御手段8に与えることにより測定電流
の電流値が印加電流値Iに設定される(S7)。
【0027】この実施例では、以上のようにして測定時
の印加電流値Iが設定された後、温度センサ3を熱伝導
率演算手段7に接続切替えし、試料1の温度が安定(例
えば図5の初期温度T0 に戻るのをまつ待つ(S8)。
尚、上記ステップS7とS8の順序は逆いなってもよ
い。
【0028】この後試料1の熱伝導率λの測定が以下の
手順で行われる。即ち、上記電源4から設定された印加
電流値Iの測定電流がヒータ線2に印加され(S9)、
この印加開始後の所定の時刻t1 になると(S10)、
温度センサ3を用いて試料の温度T1 が測定され(S1
1)、この後、更に一定時間経過した時刻t2 になると
(S12)、再び温度センサ3を用いて試料1の温度T
2が測定されると共に測定電流が停止され(S13)、
上記熱伝導率演算手段7により上記数式1に従って熱伝
導率λが演算される(S14)。
【0029】なお、この演算におけるヒータ線2の単位
時間、単位長さ当たりの発熱量qは印加電流値Iに基づ
いて演算される。又、この後、終了指令が与えられると
(S15)、プログラムは終了し、その他の場合には微
小電流I0 の印加開始前の状態に戻る。
【0030】更に、設定された印加電流値Iによる測定
(S9〜S13)の手順を複数回繰り返し、各回の測定
値の平均値を最終的に測定値とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明方法によ
れば、試料にセットしたヒータ線に微小電流を所定短時
間印加(プレヒート)し、この間の試料の上昇温度を測
定し、この上昇温度に対応する適正印加電流値をメモリ
から読出すことにより短時間内に測定時に適正とされる
印加電流値を自動設定でき、しかも、該プレヒート時と
次の本測定とが連続動作でできる。
【0032】又、熱伝導率の温度依存性の大きい物質の
測定温度を異ならせて熱伝導率を測定する場合、測定温
度によって適正な印加電流値が異なるが、この方法によ
れば自動的に測定温度に対応する印加電流値を自動的に
設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成図である。
【図2】本発明方法のフロー図である。
【図3】微小電流による温度差と適正電流関係を示すグ
ラフ。
【図4】従来の細線加熱法を実施する装置の構成図であ
る。
【図5】電流印加による試料の温度変化を示すグラフで
ある。
【図6】電流印加によるヒータ線の温度変化を対数時間
軸で示すグラフである。
【図7】上昇温度と熱伝導率との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 試料 2 ヒータ線 3 温度センサ 4 電源 5 上昇温度演算手段 6 メモリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細線加熱法を用いた熱伝導率測定方法に
    おいて、 加熱用のヒータ線に微小電流を印加し、所定短時間での
    ヒータ線近傍の試料の上昇温度に基づいて、適正な測定
    ができる印加電流値を設定することを特徴とする熱伝導
    率測定における印加電流値設定方法。
  2. 【請求項2】 加熱用のヒータ線と、該ヒータ線の近傍
    の温度を検出する温度センサと、細線加熱法を用いた熱
    伝導率測定装置において、 ヒータ線に所定の所定短時間微小電流が流されたときの
    上記温度センサにより検出される試料の上昇温度を計測
    する上昇温度計測手段と、該上昇温度計測手段の計測結
    果に基づいて該上昇温度に対応する測定時の適正印加電
    流値を出力するメモリとを備えたことを特徴とする熱伝
    導率測定における印加電流値設定装置。
JP01963696A 1996-02-06 1996-02-06 熱伝導率測定における印加電流値設定方法及びその装置 Expired - Lifetime JP3278567B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190121034A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 국방과학연구소 다공성 재료의 열 접촉 저항의 측정 장비 및 방법

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KR20190121034A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 국방과학연구소 다공성 재료의 열 접촉 저항의 측정 장비 및 방법

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