JPH09213264A - 多重極マスフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
多重極マスフィルタ及びその製造方法Info
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- JPH09213264A JPH09213264A JP8037514A JP3751496A JPH09213264A JP H09213264 A JPH09213264 A JP H09213264A JP 8037514 A JP8037514 A JP 8037514A JP 3751496 A JP3751496 A JP 3751496A JP H09213264 A JPH09213264 A JP H09213264A
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- hyperbola
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 イオンの検出感度が高く、且つ生産性の良好
な多重極マスフィルタを提供する。 【解決手段】 4つの凹状双曲面を有する石英ガラス基
体1の内側に、4つの窪み近傍で互いに分離された4つ
の電極2a〜2dを化学蒸着法により形成する。化学蒸
着によれば、膜厚が均一な薄膜が得られ易いので、より
理想に近い形状のものが形成でき、検出感度が改善され
る。また、一度に多くの処理が可能であるため、生産性
も良い。
な多重極マスフィルタを提供する。 【解決手段】 4つの凹状双曲面を有する石英ガラス基
体1の内側に、4つの窪み近傍で互いに分離された4つ
の電極2a〜2dを化学蒸着法により形成する。化学蒸
着によれば、膜厚が均一な薄膜が得られ易いので、より
理想に近い形状のものが形成でき、検出感度が改善され
る。また、一度に多くの処理が可能であるため、生産性
も良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析計等に使
用される四重極マスフィルタを含む多重極マスフィルタ
及びその製造方法に関する。
用される四重極マスフィルタを含む多重極マスフィルタ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】質量分析計においてイオン分離のために
用いられる、従来の四重極マスフィルタの構成を図5に
示す。この四重極マスフィルタは、4本の平行なロッド
電極10a〜10dが非導電性材料であるセラミック等
のホルダ11により所定の相対位置を保って配置される
構成を有する。イオン分離を行なう際には、4本のロッ
ド電極の相対向する1組の電極10a、10bに対し正
の直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧が印加され、他
の1組の電極10c、10dには負の直流電圧に先の高
周波電圧の位相を180°シフトした高周波電圧を重畳
した電圧が印加される。そして、4本のロッド電極10
a〜10dで囲まれる空間にイオン源から発射された各
種イオンが長軸方向に導入されると、重い質量を有する
イオンは直流電圧に誘引されて電極に捕集され、軽い質
量を有するイオンは高周波電圧に誘引されて同様に電極
に捕集される。この結果、適当な中間の質量を有するイ
オンのみが4本のロッド電極10a〜10dの中心軸近
傍を反対側に通り抜ける。
用いられる、従来の四重極マスフィルタの構成を図5に
示す。この四重極マスフィルタは、4本の平行なロッド
電極10a〜10dが非導電性材料であるセラミック等
のホルダ11により所定の相対位置を保って配置される
構成を有する。イオン分離を行なう際には、4本のロッ
ド電極の相対向する1組の電極10a、10bに対し正
の直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧が印加され、他
の1組の電極10c、10dには負の直流電圧に先の高
周波電圧の位相を180°シフトした高周波電圧を重畳
した電圧が印加される。そして、4本のロッド電極10
a〜10dで囲まれる空間にイオン源から発射された各
種イオンが長軸方向に導入されると、重い質量を有する
イオンは直流電圧に誘引されて電極に捕集され、軽い質
量を有するイオンは高周波電圧に誘引されて同様に電極
に捕集される。この結果、適当な中間の質量を有するイ
オンのみが4本のロッド電極10a〜10dの中心軸近
傍を反対側に通り抜ける。
【0003】各ロッド電極10a〜10dの中心軸側の
曲面は、理論的には双曲線面(双曲線が、それが属する
平面に垂直な方向に平行移動することにより形成される
面)であることが理想である。しかしながら、金属棒を
そのような特殊な形状に加工することは困難であり、ま
た、4本のロッド電極全部を、その双曲線面の頂点が正
確に四重極の中心軸に向くように配置することも困難で
ある。このため、通常、単純な円筒形状の金属棒で代用
する場合が多く、イオンの検出感度が犠牲となってい
た。また、円筒形状のロッド電極を使用するにしても、
高い検出感度を得るには4本のロッド電極10a〜10
dを同軸上に精度良く配置して固定する必要があるた
め、組立てに熟練を要し生産性が極めて悪かった。
曲面は、理論的には双曲線面(双曲線が、それが属する
平面に垂直な方向に平行移動することにより形成される
面)であることが理想である。しかしながら、金属棒を
そのような特殊な形状に加工することは困難であり、ま
た、4本のロッド電極全部を、その双曲線面の頂点が正
確に四重極の中心軸に向くように配置することも困難で
ある。このため、通常、単純な円筒形状の金属棒で代用
する場合が多く、イオンの検出感度が犠牲となってい
た。また、円筒形状のロッド電極を使用するにしても、
高い検出感度を得るには4本のロッド電極10a〜10
dを同軸上に精度良く配置して固定する必要があるた
め、組立てに熟練を要し生産性が極めて悪かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決するた
めに、他の構成による四重極マスフィルタが提案されて
いる。図6は、特開昭63−152846号公報に開示
されている四重極マスフィルタの構成を示す断面図であ
る。この四重極マスフィルタは、真空成形で4つの内面
がほぼ双曲線面に形成された筒状のガラス基体1が成形
され、その基体1の内面に銀テープを貼付し、これを高
温で焼結することにより、基体1の長手方向に伸びる4
個の互いに分離した電極12a〜12dを形成するよう
にしたものである。また各電極12a〜12dを互いに
分離するために、基体1内面の4つの凹部近傍には酸化
ジルコニウム(ZrO)の高抵抗ペースト層13が形成
される。
めに、他の構成による四重極マスフィルタが提案されて
いる。図6は、特開昭63−152846号公報に開示
されている四重極マスフィルタの構成を示す断面図であ
る。この四重極マスフィルタは、真空成形で4つの内面
がほぼ双曲線面に形成された筒状のガラス基体1が成形
され、その基体1の内面に銀テープを貼付し、これを高
温で焼結することにより、基体1の長手方向に伸びる4
個の互いに分離した電極12a〜12dを形成するよう
にしたものである。また各電極12a〜12dを互いに
分離するために、基体1内面の4つの凹部近傍には酸化
ジルコニウム(ZrO)の高抵抗ペースト層13が形成
される。
【0005】しかしながら、基体1自体は双曲線面に近
似した形状が精度良く得られるが、電極12a〜12d
の膜厚の精度を確保することが困難であるため、理想に
近い形状が得られにくく、結果的に検出感度が低いとい
う問題点を有していた。また、製造工程の銀テープ焼結
時に汚染が生じるという問題点もあった。
似した形状が精度良く得られるが、電極12a〜12d
の膜厚の精度を確保することが困難であるため、理想に
近い形状が得られにくく、結果的に検出感度が低いとい
う問題点を有していた。また、製造工程の銀テープ焼結
時に汚染が生じるという問題点もあった。
【0006】更には、特開平6−243822号公報に
は他の構成を有する四重極マスフィルタが開示されてい
る。この四重極マスフィルタでは、上述の図6に示した
ようなガラス基体1の内面の双曲線面に沿った部分にス
パッタ処理によりチタン−タングステン(Ti−W)の
薄膜層を形成し、その上に同じくスパッタ処理により金
(Au)の薄膜層を形成し、更に、その上に電極となる
Au又はその他の金属をメッキ処理により形成する。す
なわち、メッキ処理により形成する電極の密着性を良く
するための下地層として、スパッタにより付着させた金
属の薄膜層が利用される。
は他の構成を有する四重極マスフィルタが開示されてい
る。この四重極マスフィルタでは、上述の図6に示した
ようなガラス基体1の内面の双曲線面に沿った部分にス
パッタ処理によりチタン−タングステン(Ti−W)の
薄膜層を形成し、その上に同じくスパッタ処理により金
(Au)の薄膜層を形成し、更に、その上に電極となる
Au又はその他の金属をメッキ処理により形成する。す
なわち、メッキ処理により形成する電極の密着性を良く
するための下地層として、スパッタにより付着させた金
属の薄膜層が利用される。
【0007】これによれば、メッキ処理による電極形成
の時間は短時間で済み、また比較的時間を要するスパッ
タ処理では極く薄い膜を形成しさえすれば良いので、全
体として生産性を向上することができる。しかしなが
ら、製造工程がかなり複雑になると共に、メッキ処理で
は高精度の膜厚制御が困難であるため、検出感度の高い
ものが得にくいという問題点があった。
の時間は短時間で済み、また比較的時間を要するスパッ
タ処理では極く薄い膜を形成しさえすれば良いので、全
体として生産性を向上することができる。しかしなが
ら、製造工程がかなり複雑になると共に、メッキ処理で
は高精度の膜厚制御が困難であるため、検出感度の高い
ものが得にくいという問題点があった。
【0008】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的とするところは、製造工程が簡
単で生産性が高く、且つ高い検出感度を得ることができ
る多重極マスフィルタ及びその製造方法を提供すること
にある。
たものであり、その目的とするところは、製造工程が簡
単で生産性が高く、且つ高い検出感度を得ることができ
る多重極マスフィルタ及びその製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る多重極マスフィルタは、 a)内側の断面形状がN個(Nは偶数)の窪みを有し、隣
接する窪みの間が双曲線又は双曲線に近似する形状に形
成された、管状の絶縁体材料から成る基体と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状を有
するN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され、該基
体の長軸方向に沿って、化学蒸着法により形成された高
融点金属から成るN個の薄膜状の電極部と、を備えるこ
とを特徴としている。
に成された本発明に係る多重極マスフィルタは、 a)内側の断面形状がN個(Nは偶数)の窪みを有し、隣
接する窪みの間が双曲線又は双曲線に近似する形状に形
成された、管状の絶縁体材料から成る基体と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状を有
するN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され、該基
体の長軸方向に沿って、化学蒸着法により形成された高
融点金属から成るN個の薄膜状の電極部と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0010】また、本発明に係る多重極マスフィルタの
製造方法は、 a)絶縁体材料を、内側の断面形状がN個(Nは偶数)の
窪みを有し、隣接する窪みの間が双曲線又は双曲線に近
似する形状を有する管状の基体に形成する基体形成工程
と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状に形
成されたN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され該
基体の長軸方向に沿って伸びるN個の薄膜状の電極部
を、高融点金属を化学蒸着法により堆積することによっ
て形成する電極形成工程と、から成ることを特徴として
いる。
製造方法は、 a)絶縁体材料を、内側の断面形状がN個(Nは偶数)の
窪みを有し、隣接する窪みの間が双曲線又は双曲線に近
似する形状を有する管状の基体に形成する基体形成工程
と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状に形
成されたN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され該
基体の長軸方向に沿って伸びるN個の薄膜状の電極部
を、高融点金属を化学蒸着法により堆積することによっ
て形成する電極形成工程と、から成ることを特徴として
いる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る多重極マスフィルタ
では、石英ガラス等から成る基体の内面に化学蒸着法に
より高融点金属を堆積させた薄膜を電極とする。例え
ば、四重極マスフィルタでは、基体は、その断面が双曲
線又は近似双曲線にて内側に膨出する形状の4面を有
し、長軸方向に細長く伸びる管状となっている。そし
て、その4面には、タングステン等の金属から成る電極
が、双曲線又は近似双曲線のカーブに沿ってほぼ均一の
膜厚を有するように形成される。このような均一の膜厚
の金属膜を基体表面上に密着性良く形成するために、化
学蒸着による成膜方法が採られる。
では、石英ガラス等から成る基体の内面に化学蒸着法に
より高融点金属を堆積させた薄膜を電極とする。例え
ば、四重極マスフィルタでは、基体は、その断面が双曲
線又は近似双曲線にて内側に膨出する形状の4面を有
し、長軸方向に細長く伸びる管状となっている。そし
て、その4面には、タングステン等の金属から成る電極
が、双曲線又は近似双曲線のカーブに沿ってほぼ均一の
膜厚を有するように形成される。このような均一の膜厚
の金属膜を基体表面上に密着性良く形成するために、化
学蒸着による成膜方法が採られる。
【0012】電極材料にタングステンを用いる場合の電
極形成工程としては、好ましくは270〜380℃程度
に加熱した基体表面付近に六フッ化タングステンガス及
び水素ガスを流し、フッ素の水素還元を行なうことによ
りタングステンを基体上に堆積させる。基体内面の窪み
で各電極を分離するためには、化学蒸着の前に電極形成
部分以外をマスキングするか、或いは、基体全体にタン
グステン薄膜を形成した後に、不要部分の薄膜をエッチ
ング等により除去すれば良い。
極形成工程としては、好ましくは270〜380℃程度
に加熱した基体表面付近に六フッ化タングステンガス及
び水素ガスを流し、フッ素の水素還元を行なうことによ
りタングステンを基体上に堆積させる。基体内面の窪み
で各電極を分離するためには、化学蒸着の前に電極形成
部分以外をマスキングするか、或いは、基体全体にタン
グステン薄膜を形成した後に、不要部分の薄膜をエッチ
ング等により除去すれば良い。
【0013】より好ましい、具体的な電極形成工程の方
法としては、実際の膜形成に先立って基体を六フッ化タ
ングステンガス雰囲気中に所定時間保持し、引き続い
て、六フッ化タングステンガスと水素ガスとを流しなが
らタングステンを堆積させる。また、このときのガスの
供給も所定の間隔で断続的に行なう。このような方法に
より、金属膜の基体への密着性、及び膜厚の均一性を向
上させることができる。
法としては、実際の膜形成に先立って基体を六フッ化タ
ングステンガス雰囲気中に所定時間保持し、引き続い
て、六フッ化タングステンガスと水素ガスとを流しなが
らタングステンを堆積させる。また、このときのガスの
供給も所定の間隔で断続的に行なう。このような方法に
より、金属膜の基体への密着性、及び膜厚の均一性を向
上させることができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る多重極マスフィルタによれ
ば、電極の精度が良いのでイオンの検出感度が向上す
る。また、本発明に係る多重極マスフィルタの製造方法
によれば、一度に多数の処理を行なうことができる上に
処理時間も比較的短いので、生産性が良く、生産コスト
を下げることができる。
ば、電極の精度が良いのでイオンの検出感度が向上す
る。また、本発明に係る多重極マスフィルタの製造方法
によれば、一度に多数の処理を行なうことができる上に
処理時間も比較的短いので、生産性が良く、生産コスト
を下げることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る多重極マスフィルタの実
施例を図を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施例である四重極マスフィルタの構造を示す斜視図であ
る。4面の凹状双曲線面を有する管状の石英ガラス基体
1の内側に、4つの窪み近傍で互いに分離され、基体1
の長軸方向に伸びる4個の電極2a〜2dが形成されて
いる。基体1の必須条件は電気的な絶縁性であるが、検
出感度等を考慮すると、熱膨張率が小さいこと等も要求
される。石英ガラスは好適な材料である。電極2a〜2
dは詳しくは後述の方法により形成されるが、いわゆる
化学蒸着法により基体1の表面に直接形成されたタング
ステン等の導電性金属の薄膜である。
施例を図を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施例である四重極マスフィルタの構造を示す斜視図であ
る。4面の凹状双曲線面を有する管状の石英ガラス基体
1の内側に、4つの窪み近傍で互いに分離され、基体1
の長軸方向に伸びる4個の電極2a〜2dが形成されて
いる。基体1の必須条件は電気的な絶縁性であるが、検
出感度等を考慮すると、熱膨張率が小さいこと等も要求
される。石英ガラスは好適な材料である。電極2a〜2
dは詳しくは後述の方法により形成されるが、いわゆる
化学蒸着法により基体1の表面に直接形成されたタング
ステン等の導電性金属の薄膜である。
【0016】以下、図1の四重極マスフィルタの好まし
い製造方法、特に電極の形成方法について、図2のフロ
ーチャートに沿って説明する。
い製造方法、特に電極の形成方法について、図2のフロ
ーチャートに沿って説明する。
【0017】まず、石英ガラス基体1は、従来から知ら
れているような方法により真空雰囲気中で所定の形状に
成形される(ステップS1)。次いで、電極形成のため
に、石英ガラス基体1を化学蒸着を行なうための反応室
内にセットし、反応室内の不純物を取り除くために反応
室を真空状態にする(ステップS2)。次に、基体1の
温度を270〜380℃程度にまで上昇させるべく昇温
を行なう(ステップS3)。更に、基体1の温度を維持
するように加熱を行ないつつ、反応室内に六フッ化タン
グステン(WF6)ガスを供給し封入し、この状態を1
0〜60分間保持する(ステップS4)。このような前
処理を行なうことにより、基体1の表面が化学反応を生
じ、蒸着の際に膜の密着性が向上する。
れているような方法により真空雰囲気中で所定の形状に
成形される(ステップS1)。次いで、電極形成のため
に、石英ガラス基体1を化学蒸着を行なうための反応室
内にセットし、反応室内の不純物を取り除くために反応
室を真空状態にする(ステップS2)。次に、基体1の
温度を270〜380℃程度にまで上昇させるべく昇温
を行なう(ステップS3)。更に、基体1の温度を維持
するように加熱を行ないつつ、反応室内に六フッ化タン
グステン(WF6)ガスを供給し封入し、この状態を1
0〜60分間保持する(ステップS4)。このような前
処理を行なうことにより、基体1の表面が化学反応を生
じ、蒸着の際に膜の密着性が向上する。
【0018】続いて、一旦、反応室内のWF6ガスを排
出し(ステップS5)、水素(H2)ガス及びWF6ガス
を供給してタングステン(W)の堆積を開始させる(ス
テップS6)。すなわち、基体1の表面の酸化膜層をW
F6ガスによりエッチングしてWF6分子を基体1の表面
に吸着させ、H2ガスを用い水素還元を行なってフッ素
を取り除き、W分子のみを基体1表面上に堆積させる。
出し(ステップS5)、水素(H2)ガス及びWF6ガス
を供給してタングステン(W)の堆積を開始させる(ス
テップS6)。すなわち、基体1の表面の酸化膜層をW
F6ガスによりエッチングしてWF6分子を基体1の表面
に吸着させ、H2ガスを用い水素還元を行なってフッ素
を取り除き、W分子のみを基体1表面上に堆積させる。
【0019】このときの好ましい条件として、反応室内
の圧力を0.1〜10Torrとし、基体1の温度を270
〜380℃に維持する。そして、H2ガスを流量30〜
4000ml・min-1で連続的に基体1の周辺に流しつつ、
WF6ガスを流量10〜400ml・min-1で断続的に流
す。具体的には、2分間WF6ガスを供給し1分間供給
を停止するというサイクルを繰り返し、全体で60分程
度この処理を続行する。WF6ガスを断続的に供給する
と、WF6ガスの供給を停止している状態からガスの供
給を開始するときに、ガスが基体1全体に拡散し易くな
り、W膜の均一性が向上する。特に、ガスの供給源に近
い基体1表面と遠い基体1表面とにおける膜厚の差を小
さくすることができる。また、この目的のためには、H
2ガスを連続的に供給せずに、WF6ガスと同じタイミン
グで断続的に供給するようにしても良い。
の圧力を0.1〜10Torrとし、基体1の温度を270
〜380℃に維持する。そして、H2ガスを流量30〜
4000ml・min-1で連続的に基体1の周辺に流しつつ、
WF6ガスを流量10〜400ml・min-1で断続的に流
す。具体的には、2分間WF6ガスを供給し1分間供給
を停止するというサイクルを繰り返し、全体で60分程
度この処理を続行する。WF6ガスを断続的に供給する
と、WF6ガスの供給を停止している状態からガスの供
給を開始するときに、ガスが基体1全体に拡散し易くな
り、W膜の均一性が向上する。特に、ガスの供給源に近
い基体1表面と遠い基体1表面とにおける膜厚の差を小
さくすることができる。また、この目的のためには、H
2ガスを連続的に供給せずに、WF6ガスと同じタイミン
グで断続的に供給するようにしても良い。
【0020】上記のような好ましい条件でW膜を形成す
ると、0.2〜1μm程度の極く薄い均一性の高い膜が
得られる。その後、所望の部分以外の金属膜を除去する
ためにウェットエッチング処理を行なう(ステップS
7)。すなわち、基体1の外側の金属膜、及び、基体1
内側の4つの窪みの近傍で電極を互いに分離する絶縁部
の金属膜を除去するため、金属膜を残す部分の金属膜上
にレジスト材又はゴムを用いた治具でマスキングを施
し、過酸化水素(H2O2)でマスキング部分以外の金属
膜を除去し、最後にレジスト材を取り除く。
ると、0.2〜1μm程度の極く薄い均一性の高い膜が
得られる。その後、所望の部分以外の金属膜を除去する
ためにウェットエッチング処理を行なう(ステップS
7)。すなわち、基体1の外側の金属膜、及び、基体1
内側の4つの窪みの近傍で電極を互いに分離する絶縁部
の金属膜を除去するため、金属膜を残す部分の金属膜上
にレジスト材又はゴムを用いた治具でマスキングを施
し、過酸化水素(H2O2)でマスキング部分以外の金属
膜を除去し、最後にレジスト材を取り除く。
【0021】上記のような一連の処理により、石英ガラ
ス基体1に精度の良い電極2a〜2dが形成される。な
お、ステップS7のエッチング処理の代わりに、金属膜
の蒸着前に予め不要部分をマスキングすることにより金
属膜が形成されないようにしても良い。
ス基体1に精度の良い電極2a〜2dが形成される。な
お、ステップS7のエッチング処理の代わりに、金属膜
の蒸着前に予め不要部分をマスキングすることにより金
属膜が形成されないようにしても良い。
【0022】ところで、図1に示した四重極マスフィル
タは、電極2a〜2dが基体1の内側のみに形成される
構造を有している。すなわち、この四重極マスフィルタ
をA1−A2で切断した断面は図3(a)のようになって
いる。しかしながら、実使用上、電極にリード線等を取
り付ける必要があるため、より好ましくは、図3(b)
や図3(c)に示したような電極構造とすると良い。図
3(b)は、4個の電極2a〜2dがそれぞれ基体1の
外側の一部にまで連なるように形成されている例であ
り、電極に直流電圧(又は直流電圧と高周波電圧とを重
畳した電圧)を印加する用途に好適である。
タは、電極2a〜2dが基体1の内側のみに形成される
構造を有している。すなわち、この四重極マスフィルタ
をA1−A2で切断した断面は図3(a)のようになって
いる。しかしながら、実使用上、電極にリード線等を取
り付ける必要があるため、より好ましくは、図3(b)
や図3(c)に示したような電極構造とすると良い。図
3(b)は、4個の電極2a〜2dがそれぞれ基体1の
外側の一部にまで連なるように形成されている例であ
り、電極に直流電圧(又は直流電圧と高周波電圧とを重
畳した電圧)を印加する用途に好適である。
【0023】一方、図3(c)は、4個の電極2a〜2
dがそれぞれ基体1の外側で切れ目なく連なって形成さ
れている例であり、電極に高周波電圧のみを印加する用
途に好適である。いずれの電極構造も、上述のように、
電極形成の過程でエッチング、又はマスキングして化学
蒸着を行なうことにより容易に形成できる。
dがそれぞれ基体1の外側で切れ目なく連なって形成さ
れている例であり、電極に高周波電圧のみを印加する用
途に好適である。いずれの電極構造も、上述のように、
電極形成の過程でエッチング、又はマスキングして化学
蒸着を行なうことにより容易に形成できる。
【0024】更に、好ましい多重極マスフィルタの構造
としては、タングステンの電極の上に、更に耐腐食性の
金属として、例えばレニウム(Re)の極く薄い膜を化
学蒸着法で形成するようにしても良い。すなわち、図4
に示すように、イオン分離時に腐食性の強いガスに晒さ
れる可能性の高い基体1の内側の電極2a〜2dの表面
に、0.01〜0.3μm膜厚のRe保護膜3を形成す
る。レニウムの化学蒸着は、上述したタングステンの化
学蒸着とほぼ同様の方法により行なえ、WF6ガスの代
わりにReF6ガスを使用し水素還元を行なってレニウ
ムを堆積させる。成膜時の条件もほぼ同等で良いが、温
度条件はW膜形成時よりも低い170℃近辺が好まし
い。
としては、タングステンの電極の上に、更に耐腐食性の
金属として、例えばレニウム(Re)の極く薄い膜を化
学蒸着法で形成するようにしても良い。すなわち、図4
に示すように、イオン分離時に腐食性の強いガスに晒さ
れる可能性の高い基体1の内側の電極2a〜2dの表面
に、0.01〜0.3μm膜厚のRe保護膜3を形成す
る。レニウムの化学蒸着は、上述したタングステンの化
学蒸着とほぼ同様の方法により行なえ、WF6ガスの代
わりにReF6ガスを使用し水素還元を行なってレニウ
ムを堆積させる。成膜時の条件もほぼ同等で良いが、温
度条件はW膜形成時よりも低い170℃近辺が好まし
い。
【0025】勿論、Re保護膜3をより厚くしたり、W
膜全体を被覆するように形成しても良いが、一般に、保
護膜として使用可能な金属は電極に使用される金属より
も高価であるため、必要最低限だけ使用することが現実
的である。従って、コスト的に許されれば、レニウム等
の耐腐食性金属を用いて電極2a〜2dを形成すること
も可能である。
膜全体を被覆するように形成しても良いが、一般に、保
護膜として使用可能な金属は電極に使用される金属より
も高価であるため、必要最低限だけ使用することが現実
的である。従って、コスト的に許されれば、レニウム等
の耐腐食性金属を用いて電極2a〜2dを形成すること
も可能である。
【0026】更に、上述したような方法により0.01
〜0.3μm厚のW膜を基体1上に形成し、その上にニ
ッケル(Ni)、クロム(Cr)、又は金(Au)等の
金属を電解メッキで形成するようにしても良い。これに
よれば、化学蒸着と電解メッキという2段階の製造工程
が必要になるが、化学蒸着で形成する膜は極く薄くて良
いのでその工程は短時間で済み、全体として生産性が向
上する。
〜0.3μm厚のW膜を基体1上に形成し、その上にニ
ッケル(Ni)、クロム(Cr)、又は金(Au)等の
金属を電解メッキで形成するようにしても良い。これに
よれば、化学蒸着と電解メッキという2段階の製造工程
が必要になるが、化学蒸着で形成する膜は極く薄くて良
いのでその工程は短時間で済み、全体として生産性が向
上する。
【図1】 本発明の多重極マスフィルタの実施例である
四重極マスフィルタの構造を示す斜視図。
四重極マスフィルタの構造を示す斜視図。
【図2】 本発明の多重極マスフィルタの製造方法を説
明するためのフローチャート。
明するためのフローチャート。
【図3】 本発明による四重極マスフィルタの電極構造
を示す断面図。
を示す断面図。
【図4】 本発明による四重極マスフィルタの他の実施
例を示す断面図。
例を示す断面図。
【図5】 従来のロッド電極を用いた四重極マスフィル
タの構成を示す斜視図。
タの構成を示す斜視図。
【図6】 従来のガラス管を用いた四重極マスフィルタ
の構成を示す断面図。
の構成を示す断面図。
1…石英ガラス基体 2a〜2d…電極 3…保護層
Claims (2)
- 【請求項1】 a)内側の断面形状がN個(Nは偶数)の
窪みを有し、隣接する窪みの間が双曲線又は双曲線に近
似する形状に形成された、管状の絶縁体材料から成る基
体と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状を有
するN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され、該基
体の長軸方向に沿って、化学蒸着法により形成された高
融点金属から成るN個の薄膜状の電極部と、 を備えることを特徴とする多重極マスフィルタ。 - 【請求項2】 a)絶縁体材料を、内側の断面形状がN個
(Nは偶数)の窪みを有し、隣接する窪みの間が双曲線
又は双曲線に近似する形状を有する管状の基体に形成す
る基体形成工程と、 b)該基体の内側の双曲線又は双曲線に近似する形状に形
成されたN個の面に、前記窪み近傍で互いに分離され該
基体の長軸方向に沿って伸びるN個の薄膜状の電極部
を、高融点金属を化学蒸着法により堆積することによっ
て形成する電極形成工程と、 から成ることを特徴とする多重極マスフィルタの製造方
法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8037514A JPH09213264A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 多重極マスフィルタ及びその製造方法 |
| US08/785,298 US5852302A (en) | 1996-01-30 | 1997-01-21 | Cylindrical multiple-pole mass filter with CVD-deposited electrode layers |
| GB9701366A GB2309821B (en) | 1996-01-30 | 1997-01-23 | Multiple-pole mass filters |
| DE19703081A DE19703081A1 (de) | 1996-01-30 | 1997-01-29 | Vielpol-Massenfilter |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8037514A JPH09213264A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 多重極マスフィルタ及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09213264A true JPH09213264A (ja) | 1997-08-15 |
Family
ID=12499655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8037514A Pending JPH09213264A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 多重極マスフィルタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09213264A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006332003A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Omron Corp | 四重極電極ユニット、電極構造物及びその製造方法 |
| JP2009506506A (ja) * | 2005-08-30 | 2009-02-12 | 方向 | マススペクトル解析用のイオントラップ、多重電極システム及び電極 |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP8037514A patent/JPH09213264A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006332003A (ja) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Omron Corp | 四重極電極ユニット、電極構造物及びその製造方法 |
| JP2009506506A (ja) * | 2005-08-30 | 2009-02-12 | 方向 | マススペクトル解析用のイオントラップ、多重電極システム及び電極 |
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