JPH0921430A - 油圧クラッチ装置及び油圧回路のシール構造 - Google Patents

油圧クラッチ装置及び油圧回路のシール構造

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JPH0921430A
JPH0921430A JP7172281A JP17228195A JPH0921430A JP H0921430 A JPH0921430 A JP H0921430A JP 7172281 A JP7172281 A JP 7172281A JP 17228195 A JP17228195 A JP 17228195A JP H0921430 A JPH0921430 A JP H0921430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工作業性及び、スペース効率が良好で、ベ
アリング部分に充分な潤滑油の供給が出来る油圧クラッ
チ装置を提供する。 【解決手段】 オイルポンプカバー27の筒部28と、
クラッチドラム34の内筒部32との間に第1オイルシ
ールリング39を設け、オイルポンプカバー27の円板
部29と、クラッチドラム34の基底部31との各々に
互いに相対向し、インプットシャフト4延設方向に沿う
シール面部40を設け、両シール面部41,42の間に
第2オイルシールリング43を設け、両シール部材3
9,43,オイルポンプカバー27及びクラッチドラム
34で受渡し空間部44を形成し、オイルポンプカバー
27に形成された油路37の開口37aを受渡し空間部
44に臨ませて、更に、受渡し空間部44と油圧室13
とを連通させる貫通孔45をクラッチドラム34に形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に車両の駆動力の
伝達制御を行う自動変速機等に用いられる油圧クラッチ
装置及び油圧回路のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の油圧クラッチ装置として
は、例えば、図4及び図5に示す様なものが知られてい
る。
【0003】このようなものでは、自動変速機1のケー
ス2前方位置aに作動油供給部材としてのオイルポンプ
カバー3が配設されている。
【0004】このオイルポンプカバー3は、回転軸とし
てのインプットシャフト4が挿通される筒部5及びこの
筒部5から半径方向に周状に延設された円板部6を有し
ている。
【0005】このオイルポンプカバー3の後方には、リ
バースクラッチ7が配設されている。 このリバースク
ラッチ7には、クラッチドラム11が設けられ、このク
ラッチドラム11は、主に前記円板部6と対向する円板
状の基底部8と、この基底部8の内周端縁部8aからイ
ンプットシャフト4延設方向へ沿って延設されると共
に、前記筒部5の外周に回動自在に嵌合される内筒部9
と、この基底部8から前記内筒部9と同方向に延設され
た外筒部10とを有して構成されている。
【0006】このクラッチドラム11の内側には、クラ
ッチピストン12が設けられている。このクラッチピス
トン12は、インプットシャフト4延設方向に移動自在
となるように配設されて、前記クラッチドラム11と共
に油圧室13を形成する様にしている。
【0007】そして、作動油供給源であるオイルポンプ
から前記オイルポンプカバー3に形成された油路14を
介して前記油圧室13まで、前記クラッチピストン12
を移動させるクラッチ作動油を供給するため、前記筒部
5には、連通孔15及びこの連通孔15と連通する環状
溝16が形成されると共に、この環状溝16の前後に
は、リング溝17,17が形成されて、前記内筒部9
と、筒部5との間をシールするオイルシールリング1
8,18が嵌着されている。
【0008】更に、前記内筒部9にも、この環状溝16
から供給されるクラッチ作動油を挿通する貫通孔19が
形成されて、この環状溝16と、前記油圧室13とを連
通するように構成されている。
【0009】また、前記内周端縁部8aと、オイルポン
プカバー3の円板部6との間には、スラストワッシャ2
0が介在して配設されている。
【0010】次に、図4及び図6を用いて、従来の油圧
回路のシール構造について説明する。
【0011】自動変速機1のケース2後方位置bには、
ケース2の後端部2aに、アウトプットシャフト21
が、回転自在に支持されて配設されている。このアウト
プットシャフト21は、前記後端部2aとの間に、ブッ
シュ22,22を介在させて、所定のクリアランスcを
形成している。
【0012】また、このアウトプットシャフト21の内
部には、中空形状を呈する油路23が形成されて、ケー
ス2内の各変速要素に、連通孔24,25等を介して潤
滑油を供給する様に構成されている。
【0013】そして、油路23から連通孔24へ流出す
る油は、前記ブッシュ22,22によって、前記アウト
プットシャフト21の延設方向へ沿う漏れが防止されな
がら、ケース2内の各変速要素へ供給される。
【0014】なお、他のこの種のものは、特開昭62−
288753号公報等に記載されているようなものが知
られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧クラッチ装置では、前記クラッチドラム
11が、インプットシャフト4の延設方向へ摺動するの
で、油圧室13へクラッチ作動油を供給する貫通孔19
を内筒部9に形成すると共に、この貫通孔19位置に対
応する連通孔15及び環状溝16を前記筒部5に形成し
なければならない。
【0016】この環状溝16は、筒部5の周囲に切削し
て形成しなければならないので、加工作業性が良好であ
るとは言い難かった。
【0017】また、この環状溝16の前後に形成された
リング溝17,17に、オイルシールリング18,18
を嵌着することにより、オイルシールを行なうようにし
ているので、インプットシャフト4延設方向に環状溝1
6及びリング溝17,17が並び、スペース効率が良好
ではなかった。
【0018】しかも、前記スラストワッシャ20には、
潤滑油の供給が充分に行なわれない虞があった。
【0019】また、従来の油圧回路のシール構造では、
前記ブッシュ22,22によってアウトプットシャフト
21のセンタリングを行なうと共に、連通孔25から供
給される潤滑油のシールをこのブッシュ22,22で行
なっている。このため、ブッシュ22,22の加工精度
に依存する部分が大きく、アウトプットシャフト21の
センタリング精度を出しにくい。
【0020】そして、高回転時等、所定のアウトプット
シャフト21回転時には、クリアランスcが大きいので
連通孔24から供給される潤滑油が、このクリアランス
cに沿って逃げてしまい、ケース2内の各変速要素へ充
分な潤滑油の供給がなされない虞があった。
【0021】そこで、この発明は、加工作業性及び、ス
ペース効率が良好で、ベアリング部分に充分な潤滑油の
供給が出来る油圧クラッチ装置を提供すると共に、シャ
フトのセンタリング精度を向上させて、しかも、潤滑油
の逃げを防止して各部へ充分な潤滑油の供給を行なうこ
とが出来る油圧回路のシール構造を提供することを課題
としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本願発明の請求項1に記載されたものでは、回転軸が挿
通される筒部及び該筒部から半径方向に周状に延設され
た円板部を有する作動油供給部材が配設され、該円板部
と対向する円板状の基底部と、該基底部の内周端縁部か
ら回転軸方向へ沿って延設されると共に、前記筒部の外
周に嵌合される内筒部と、該基底部から前記内筒部と同
方向に延設された外筒部とを有するクラッチドラムが配
設され、該クラッチドラムの内側に回転軸方向に移動自
在に配設されて該クラッチドラムと共に油圧室を形成す
るクラッチピストンを設け、作動油供給源から前記作動
油供給部材に形成された油路を介して前記油圧室までク
ラッチ作動油を供給する様にした油圧クラッチ装置にお
いて、前記作動油供給部材の筒部と、クラッチドラムの
内筒部との間に第1シール部材を設け、前記作動油供給
部材の円板部と、前記クラッチドラムの基底部との各々
に互いに相対向し、前記回転軸方向に沿うシール面部を
設け、該両シール面部の間に第2シール部材を設け、該
両シール部材,作動油供給部材及びクラッチドラムで受
渡し空間部を形成し、前記作動油供給部材に形成された
油路の開口を該受渡し空間部に臨ませて、更に、該受渡
し空間部と前記油圧室とを連通させる貫通孔を前記クラ
ッチドラムに形成した油圧クラッチ装置を特徴としてい
る。
【0023】また、請求項2に記載されたものでは、前
記受渡し空間部内には、前記クラッチドラムの基底部
と、前記作動油供給部材の円盤部との間に介在されるベ
アリングが設けられている請求項1記載の油圧クラッチ
装置を特徴としている。
【0024】そして、請求項3に記載されたものでは、
シャフト内に中空の油路を設け、該油路には、回転によ
り油路内の潤滑油を外部に供給する油潤滑路を連通させ
て形成し、該シャフトを挿通する軸受け部材との間隙に
該油潤滑路から供給される潤滑油を供給して該間隙をシ
ールする油圧回路のシール構造であって、前記シャフト
を玉軸受部材で前記軸受部材に支持させることにより、
該シャフト高速回転時に発生する潤滑油のラビリンス効
果によってシール可能な大きさに前記間隙を設定する油
圧回路のシール構造を特徴としている。
【0025】
【作 用】かかる構成の請求項1記載のものによれば、
前記各シール面部が回転軸方向に沿うように形成されて
いるので、該両シール面部の間の第2シール部材によっ
て、受渡し空間部内を通過するクラッチ作動油は、多少
クラッチドラムが回転軸延設方向へ移動しても、漏れる
ことなく油圧室内へ供給される。
【0026】このため、前記作動油供給部材に形成され
た油路の開口を該受渡し空間部に臨ませて形成すること
が出来るので、例えば、該作動油供給部材の円板部に該
開口を形成すれば、従来のように、該作動油供給部材の
筒部に環状溝を形成する必要がなくなり、加工作業性が
良好である。
【0027】また、例えば、該作動油供給部材の円板部
に該開口を形成すれば、従来のように、該作動油供給部
材の筒部に環状溝を形成して、両側をシールしなくて
も、両シール部材を筒部半径方向へ並べて配設し、筒部
延設方向の長さを短縮することが出来る。
【0028】また、請求項2に記載されたものでは、前
記受渡し空間部内に、ベアリングを配設したのでベアリ
ング配設部分に充分な潤滑油の供給が出来る。
【0029】しかも、ベアリングは、前記クラッチドラ
ムの基底部と、前記作動油供給部材の円盤部との間に介
在されるので、該クラッチドラムの回転軸延設方向の位
置決めを行なわせることが出来る。
【0030】更に、請求項3に記載されたものでは、シ
ャフトとシャフトを挿通する軸受け部材との間隙が、玉
軸受部材の該シャフト支持により、正確にセンタリング
され、ラビリンス効果を発生する大きさを容易に形成す
ることが出来る。
【0031】このため、所定の回転数に該シャフトが到
達すると、いわゆるラビリンス効果が発生して、潤滑油
自体が該間隙をシールして、該潤滑油が、従来のように
シャフト延設方向へ逃げることなく、所定の各変速要素
等へ行き渡る。
【0032】従って、従来のようにブッシュ等でオイル
シールを行なう必要がなくなり、不正確なブッシュに依
存しないで、前記玉軸受部材のみで、シャフトを支持出
来るので、センタリング精度は、更に向上する。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、図
面を参照しつつ説明する。
【0034】図1は、この発明の第1実施例の油圧クラ
ッチ装置を示すものである。なお、従来の油圧クラッチ
装置と同一乃至均等な部分については、同一符号を付し
て説明する。
【0035】まず構成を説明すると、この第1実施例の
自動変速機のケース26には、作動油供給源であるオイ
ルポンプの一部であり、作動油供給部材としてのオイル
ポンプカバー27が配設されている。
【0036】このオイルポンプカバー27は、回転軸と
してのインプットシャフト4が挿通される筒部28及び
この筒部28から半径方向に周状に延設された円板部2
9を有している。
【0037】このオイルポンプカバー3の後方位置であ
る図中右位置には、リバースクラッチ30が配設されて
いる。
【0038】このリバースクラッチ30には、クラッチ
ドラム34が設けられている。
【0039】このクラッチドラム34には、前記円板部
29と対向する円板状の基底部31と、この基底部31
の内周端縁部31aからインプットシャフト4延設方向
へ沿って延設されると共に、前記筒部28の外周に嵌合
される内筒部32と、この基底部31から前記内筒部3
2と同方向に延設された外筒部33とが設けられてい
る。
【0040】このクラッチドラム34の内側には、クラ
ッチピストン12が設けられている。このクラッチピス
トン12は、インプットシャフト4延設方向に移動自在
に配設されて、前記クラッチドラム34と共に油圧室1
3を形成する様にしている。
【0041】また、前記外筒部33内側には、リバース
クラッチコア35との間に介在し、このクラッチピスト
ン12の先端が当接する複数の多板クラッチプレート3
6が設けられている。
【0042】そして、オイルポンプから前記オイルポン
プカバー27に形成された油路37を介して油圧室13
までクラッチ作動油を供給して、クラッチピストン12
をインプットシャフト4延設方向へ移動させることによ
り、このリバースクラッチ30の接続及び切断が行なわ
れるように構成されている。
【0043】すなわち、前記オイルポンプカバー27の
筒部28には、リング溝38が形成されて、この筒部2
8とクラッチドラム34の内筒部32との間をシールす
る第1オイルシールリング39が、このリング溝38に
嵌着されている。
【0044】また、前記オイルポンプカバー27の円板
部29と、前記クラッチドラム34の基底部31との各
々に互いに相対向し、前記インプットシャフト4延設方
向に沿うシール面部40が設けられている。
【0045】このシール面部40は、前記円板部29側
に周状に凹部41aを形成されてなる円板側シール面部
41と、前記基底部31に周状にフランジを形成するこ
とによりなる基底側シール面部42とから構成されてい
る。そして、前記凹部41a内に、この基底側シール面
部42を挿入することにより、これらの両シール面部4
1,42を相対向させるように構成されている。
【0046】また、このうち、円板側シール面部41に
は、リング溝41bが形成されて、両シール面部41,
42の間をシールする第2オイルシールリング43が、
このリング溝41bに嵌着されて設けられている。
【0047】そして、これらの両第1,第2オイルシー
ルリング42,43、オイルポンプカバー27及びクラ
ッチドラム34で受渡し空間部44が形成されている。
【0048】この受渡し空間部44には、前記オイルポ
ンプカバー27に形成された油路37の開口37aを臨
ませて形成するようにしている。
【0049】更に、前記クラッチドラム34の基底部3
1内周端縁部31aには、この受渡し空間部44と前記
油圧室13とを連通させる貫通孔45が形成されてい
る。
【0050】また、前記クラッチドラム34の内筒部3
2には、油圧キャンセル用貫通孔32a及び油路32b
が形成されている。
【0051】また、前記受渡し空間部44内には、前記
クラッチドラム34の基底部31と、前記オイルポンプ
カバー27の円盤部29との間に、ニードルベアリング
46が介在されて設けられている。
【0052】次に、この第1実施例の作用について説明
する。
【0053】前記シール面部40の各シール面部41,
42がインプットシャフト4延設方向に沿うように形成
されているので、油路37の開口37aから流入し、受
渡し空間部44内を通過するクラッチ作動油は、多少前
記クラッチドラム34がインプットシャフト4延設方向
へ移動しても、これらの両シール面部41,42の間の
第2オイルシールリング43によって、漏れることな
く、前記貫通孔45から油圧室13内へ供給される。
【0054】また、第1オイルシールリング39は、前
記筒部28と内筒部32との間をシールする。このシー
ル箇所でも、多少前記クラッチドラム34がインプット
シャフト4延設方向へ移動しても、漏れることがない。
【0055】このため、前記オイルポンプカバー27に
形成された油路37の開口37aをこの受渡し空間部4
4に臨ませて形成することが出来るので、この第1実施
例のようにオイルポンプカバー27の円板部29に開口
37aを形成することにより、従来のように、オイルポ
ンプカバー27の筒部28に前記環状溝16等を形成す
る必要がなくなり、加工作業性が良好である。
【0056】また、例えば、このオイルポンプカバー2
7の円板部29に開口37aを形成すれば、従来のよう
に、オイルポンプカバー27の筒部28に環状溝16を
形成する際に必要となる両側のシールを行なわなくても
良く、両第1,第2オイルシールリング39,43を筒
部28半径方向へ並べて配設し、筒部28延設方向の長
さを短縮することが出来る。
【0057】また、この第1実施例では、前記受渡し空
間部44内に、ニードルベアリング46を配設したの
で、ニードルベアリング46配設部分に充分な潤滑油の
供給が出来る。
【0058】しかも、ニードルベアリング46は、前記
クラッチドラム34の基底部31と、前記オイルポンプ
カバー27の円盤部29との間に介在されるので、図1
中、左方向へクラッチドラム34を移動させて、基底部
31内周端縁部31aをこのニードリベアリング46に
当接させることにより、このクラッチドラム34のイン
プットシャフト4延設方向の位置決めを行なわせること
が出来る。
【0059】このため、クラッチドラム34のインプッ
トシャフト延設方向への遊びを減少させることが出来
る。
【0060】図2は、この発明の第2実施例を示すもの
である。なお、前記第1実施例と同一乃至均等な部分に
ついては、同一符号を付して説明する。
【0061】この第2実施例の油圧クラッチ装置では、
リバースクラッチ130の前方位置に配設されるオイル
ポンプのオイルポンプカバー47の筒部28と、クラッ
チドラム48の内筒部49との間に第1オイルシールリ
ング39を設けている。
【0062】また、前記オイルポンプカバー47の円板
部50と、前記クラッチドラム48の基底部51との各
々に互いに相対向し、前記インプットシャフト4延設方
向に沿うシール面部52を設けている。
【0063】このシール面部52は、前記円板部50側
に周状にフランジを形成してなる円板側シール面部53
と、前記基底部51に周状に凹部54aを形成すること
によりなる基底側シール面部54とから構成されてい
る。そして、前記凹部54a内に、この円板側シール面
部53を挿入することにより、これらの両シール面部5
3,54を相対向させるように構成されている。
【0064】また、このうち、円板側シール面部53に
は、リング溝41bが形成されて、両シール面部53,
54の間をシールする第2オイルシールリング43が、
このリング溝41bに嵌着されて設けられている。
【0065】そして、これらの両第1,第2オイルシー
ルリング39,43、オイルポンプカバー47及びクラ
ッチドラム48で受渡し空間部55が形成されている。
【0066】他の部分の構成及び作用については、前記
第1実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0067】図3は、第3実施例の油圧回路のシール構
造を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等
な部分については同一符号を付して説明する。
【0068】この第3実施例の油圧回路のシール構造で
は、アウトプットシャフト21内に中空の油路23が設
けられている。
【0069】この油路23には、回転により油路23内
の潤滑油を外部に供給する油潤滑路60が形成されてい
る。この潤滑油は、図示省略のインプットシャフト側に
も供給され、インプットシャフトに形成された油孔か
ら、各変速ギヤ,クラッチに送られる。
【0070】このアウトプットシャフト21は、軸受部
材としてのケース2の後端部2aに挿通され、回転自在
に支持されている。
【0071】このケース2と、前記アウトプットシャフ
ト21との間隙56には、前記油潤滑路24aから供給
される潤滑油が、このアウトプットシャフト21の回転
数により流量を可変しながら供給される構成としてい
る。
【0072】そして、このアウトプットシャフト21を
玉軸受部材57によって、前記後端部2aに支持させる
ことにより、このアウトプットシャフト21の高速回転
時に発生する潤滑油のラビリンス効果によってシール可
能な大きさに、前記間隙56の大きさを設定している。
この間隙56は、一般に、アウトプットシャフト21の
径が30φであると、50μm以下で、20〜30μm
程度に形成されることが用いて良好である。
【0073】また、この第3実施例では、前記ケース2
に、このアウトプットシャフト21が低速回転を行なう
際、余剰油を、図示省略のオイルパンに戻す余剰油用貫
通孔58が形成されている。
【0074】次に、この第3実施例の作用について説明
する。
【0075】この第3実施例では、アウトプットシャフ
ト21とアウトプットシャフト21を挿通するケース2
の後端部2aとの間隙56が、玉軸受部材57のアウト
プットシャフト21支持により、正確にセンタリングさ
れ、ラビリンス効果を発生する大きさを容易に形成する
ことが出来る。
【0076】このため、所定の回転数にアウトプットシ
ャフト21が到達すると、いわゆるラビリンス効果が発
生して、潤滑油自体がこの間隙56をシールして、これ
らの潤滑油が、従来のように、図3中左方向であるアウ
トプットシャフト21延設方向へ逃げることなく、所定
の各変速要素等へ行き渡る。
【0077】従って、従来のようにブッシュ等でオイル
シールを行なう必要がなくなり、不正確なブッシュに依
存しないで、前記玉軸受部材57のみで、アウトプット
シャフト21を支持出来るので、センタリング精度は、
更に向上する。
【0078】しかも、この第3実施例では、一つの玉軸
受部材57を用いてアウトプットシャフト21を支持し
ているので、部品点数の削減を図ることが出来る。
【0079】しかも、この第3実施例では、余剰油用貫
通孔58が、前記ケース2に形成されているので、低速
回転時に、余剰油が、オイルパンに戻り、更に、無駄な
く、潤滑油を所定の各変速要素等へ行き渡らせることが
出来る。
【0080】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限らず、この
発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても
この発明に含まれる。
【0081】例えば、前記第1,第2実施例では、クラ
ッチ装置として、リバースクラッチ30,130を示し
て説明してきたが、特にこれらに限らず、例えば、リダ
クションクラッチ(5速用)、オーバーランクラッチ、
フォワードクラッチ,ハイクラッチ等、クラッチピスト
ンを用いる他のクラッチ、又は、リダクションブレー
キ、2−4ブレーキ又は、ローアンドリバースブレーキ
等、クラッチピストンを用いるディスクブレーキ等に用
いてもよい。
【0082】また、前記第3実施例では、シャフトとし
てアウトプットシャフト21を用いたものを示して説明
してきたが、特にこれに限らず、例えば、インプットシ
ャフト等、他のシャフトであっても、内部に中空の油路
を設け、回転により油路内の潤滑油を外部に供給する油
潤滑路を連通させて形成するものであるならば、どの様
なシャフトであってもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1記載のものによれば、前記各シール面部が回転軸
方向に沿うように形成されているので、該両シール面部
の間の第2シール部材によって、受渡し空間部内を通過
するクラッチ作動油は、多少クラッチドラムが回転軸延
設方向へ移動しても、漏れることなく油圧室内へ供給さ
れる。
【0084】このため、前記作動油供給部材に形成され
た油路の開口を該受渡し空間部に臨ませて形成すること
が出来るので、例えば、該作動油供給部材の円板部に該
開口を形成すれば、従来のように、該作動油供給部材の
筒部に環状溝を形成する必要がなくなり、加工作業性が
良好である。
【0085】また、例えば、該作動油供給部材の円板部
に該開口を形成すれば、従来のように、該作動油供給部
材の筒部に環状溝を形成して、両側をシールしなくて
も、両シール部材を筒部半径方向へ並べて配設し、筒部
延設方向の長さを短縮することが出来る。
【0086】また、請求項2に記載されたものでは、前
記受渡し空間部内に、ベアリングを配設したのでベアリ
ング配設部分に充分な潤滑油の供給が出来る。
【0087】しかも、ベアリングは、前記クラッチドラ
ムの基底部と、前記作動油供給部材の円盤部との間に介
在されるので、該クラッチドラムの回転軸延設方向の位
置決めを行なわせることが出来る。
【0088】更に、請求項3に記載されたものでは、シ
ャフトとシャフトを挿通する軸受け部材との間隙が、玉
軸受部材の該シャフト支持により、正確にセンタリング
され、ラビリンス効果を発生する大きさを容易に形成す
ることが出来る。
【0089】このため、所定の回転数に該シャフトが到
達すると、いわゆるラビリンス効果が発生して、潤滑油
自体が該間隙をシールして、該潤滑油が、従来のように
シャフト延設方向へ逃げることなく、所定の各変速要素
等へ行き渡る。
【0090】従って、従来のようにブッシュ等でオイル
シールを行なう必要がなくなり、不正確なブッシュに依
存しないで、前記玉軸受部材のみで、シャフトを支持出
来るので、センタリング精度は、更に向上する、という
実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の油圧クラッチ装置を示
し、要部の構成を説明する自動変速機の回転軸方向に沿
う部分断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の油圧クラッチ装置を示
し、要部の構成を説明する自動変速機の回転軸方向に沿
う部分断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の油圧回路のシール構造を
示し、要部の構成を説明する自動変速機の回転軸方向に
沿う部分断面図である。
【図4】従来例を示し、全体の構成のうち、構成部分の
位置関係を説明する自動変速機の側面図である。
【図5】従来例の油圧クラッチ装置を示し、要部の構成
を説明する自動変速機の回転軸方向に沿った位置の部分
断面図である。
【図6】従来例の油圧回路のシール構造を示し、要部の
構成を説明する自動変速機の回転軸方向に沿った位置の
部分断面図である。
【符号の説明】
4 インプットシャフト 13 油圧室 21 アウトプットシャフト 26 ケース 27,47 オイルポンプカバー 28 筒部 29,50 円板部 30,130 リバースクラッチ 31,51 基底部 32,49 内筒部 33 外筒部 34,48 クラッチドラム 37 油路 39 第1オイルシールリング(第1シール
部材) 40,52 シール面部 43 第2オイルシールリング(第2シール
部材) 44,55 受渡し空間部 45 貫通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸が挿通される筒部及び該筒部から半
    径方向に周状に延設された円板部を有する作動油供給部
    材が配設され、該円板部と対向する円板状の基底部と、
    該基底部の内周端縁部から回転軸方向へ沿って延設され
    ると共に、前記筒部の外周に嵌合される内筒部と、該基
    底部から前記内筒部と同方向に延設された外筒部とを有
    するクラッチドラムが配設され、該クラッチドラムの内
    側に回転軸方向に移動自在に配設されて該クラッチドラ
    ムと共に油圧室を形成するクラッチピストンを設け、作
    動油供給源から前記作動油供給部材に形成された油路を
    介して前記油圧室までクラッチ作動油を供給する様にし
    た油圧クラッチ装置において、 前記作動油供給部材の筒部と、クラッチドラムの内筒部
    との間に第1シール部材を設け、前記作動油供給部材の
    円板部と、前記クラッチドラムの基底部との各々に互い
    に相対向し、前記回転軸方向に沿うシール面部を設け、
    該両シール面部の間に第2シール部材を設け、該両シー
    ル部材,作動油供給部材及びクラッチドラムで受渡し空
    間部を形成し、前記作動油供給部材に形成された油路の
    開口を該受渡し空間部に臨ませて、更に、該受渡し空間
    部と前記油圧室とを連通させる貫通孔を前記クラッチド
    ラムに形成したことを特徴とする油圧クラッチ装置。
  2. 【請求項2】前記受渡し空間部内には、前記クラッチド
    ラムの基底部と、前記作動油供給部材の円盤部との間に
    介在されるベアリングが設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の油圧クラッチ装置。
  3. 【請求項3】シャフト内に中空の油路を設け、該油路に
    は、回転により油路内の潤滑油を外部に供給する油潤滑
    路を連通させて形成し、該シャフトを挿通する軸受け部
    材との間隙に該油潤滑路から供給される潤滑油を供給し
    て該間隙をシールする油圧回路のシール構造であって、 前記シャフトを玉軸受部材で前記軸受部材に支持させる
    ことにより、該シャフト高速回転時に発生する潤滑油の
    ラビリンス効果によってシール可能な大きさに前記間隙
    を設定することを特徴とする油圧回路のシール構造。
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