JPH09215292A - 2サイクル内燃機関における始動兼発電装置 - Google Patents

2サイクル内燃機関における始動兼発電装置

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JPH09215292A
JPH09215292A JP8034229A JP3422996A JPH09215292A JP H09215292 A JPH09215292 A JP H09215292A JP 8034229 A JP8034229 A JP 8034229A JP 3422996 A JP3422996 A JP 3422996A JP H09215292 A JPH09215292 A JP H09215292A
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尚司 本舘
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正雪 鳥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2サイクル内燃機関の大型化や重量の増大を
することなく、始動時以外使用されない始動コイルを利
用して2サイクル内燃機関の停止直前の逆転を防止する
始動兼発電装置を供する。 【解決手段】 発電コイルとは別個に始動コイルを備
え、始動コイルへの電力供給はブラシと整流子の接触を
介して行う2サイクル内燃機関の始動兼発電装置におい
て、2サイクル内燃機関のアイドル回転数未満の所定回
転数を基準にブラシ110 ,112 と整流子121 ,122 ,12
3 との接離を行い、所定回転数以下で前記ブラシと整流
子を接触し所定回転数を越えると離脱するブラシ接離機
構と、スタータスイッチ142 のオン操作で第1の接点C
−NOを閉じ、第2の接点C−NCを開くスイッチ機構
141 と、閉じた前記第1の接点C−NOおよび接触した
前記ブラシと整流子を介してバッテリと前記始動コイル
とを連結して形成される第1の閉回路と、閉じた前記第
2の接点C−NCおよび接触した前記ブラシと整流子を
介して前記始動コイルのみで形成される第2の閉回路と
を備えた2サイクル内燃機関における始動兼発電装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2サイクルの内燃
機関の始動装置と発電装置を一体に組み合わせた始動兼
発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関における始動兼発電装置
としては実開平3−91064号公報記載の例がある。
同例に係る装置は、同一電機子のステータコアに始動コ
イルと発電コイルを巻回した始動兼発電装置であり、ス
テータコアの外側を界磁極が回転しており、ステータコ
アの径内方にブラシと整流子からなる電流転換器および
ブラシを移動させる電磁コイルが配設される構造となっ
ている。
【0003】そしてスタータスイッチがオン操作されて
いる間、バッテリから電流転換器を介して始動コイルに
電流が流れ、電動機として働き内燃機関の始動を行う。
スタータスイッチのオフ状態では、発電コイルとバッテ
リとで閉回路が形成され、界磁極の回転により発電機と
して働きバッテリへの充電が行われる。発電機として働
いている時には、始動コイルは殆ど利用されていない。
【0004】ところで2サイクル内燃機関は、クランク
回転部の回転トルクが小さくなる停止直前に逆転を起こ
すおそれがあり、そのため従来はクランク回転部の慣性
モーメントを大きくして逆転の防止を行う等していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし必要慣性モーメ
ントを付加する構造であると、内燃機関の性能に対し負
荷となるとともに、装置自体が大型化し重くなるという
問題が生じる。本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、2サイクル内燃機関の大型化
や重量の増大をすることなく、始動時以外使用されない
始動コイルを利用して2サイクル内燃機関の停止直前の
逆転を防止する始動兼発電装置を供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、発電コイルとは別個に始動コイルを備
え、始動コイルへの電力供給はブラシと整流子の接触を
介して行う2サイクル内燃機関の始動兼発電装置におい
て、2サイクル内燃機関のアイドル回転数未満の所定回
転数を基準に前記ブラシと整流子との接離を行い、所定
回転数以下で前記ブラシと整流子を接触し所定回転数を
越えると離脱するブラシ接離機構と、スタータスイッチ
のオン操作で第1の接点を閉じ、第2の接点を開くスイ
ッチ機構と、閉じた前記第1の接点および接触した前記
ブラシと整流子を介してバッテリと前記始動コイルとを
連結して形成される第1の閉回路と、閉じた前記第2の
接点および接触した前記ブラシと整流子を介して前記始
動コイルのみで形成される第2の閉回路とを備えた2サ
イクル内燃機関における始動兼発電装置とした。
【0007】2サイクル内燃機関が停止してブラシと整
流子が接触している状態でスタータスイッチがオン操作
されると、第1の接点が閉じ第1の閉回路が形成されて
バッテリの電力がブラシと整流子の接触を介して始動コ
イルに供給され、ロータに回転トルクが発生してクラン
ク軸を回転し内燃機関を始動する。
【0008】2サイクル内燃機関が停止直前でブラシと
整流子が接触している状態では、第2の接点が閉じ始動
コイルのみの第2の閉回路が形成されており、ロータの
回転で始動コイルに起電力を生じて電流が流れ、磁気フ
リクションによる制動トルクがロータに作用してクラン
ク軸の逆転を阻止する。逆転防止のためにロータに慣性
モーメントを付加する必要がなく、装置の大型化や重量
の増大を回避できる。なお所定回転数を越えて通常回転
している場合は、始動コイルが何ら負荷となることはな
い。
【0009】前記ブラシ接離機構は、遠心式自動調速装
置からなる請求項1記載の2サイクル内燃機関における
始動兼発電装置とすることで、簡単な機械的構成で2サ
イクル内燃機関の所定回転数を基準に前記ブラシと整流
子との接離を行うことができる。
【0010】前記スイッチ機構は、前記第1の接点およ
び第2の接点をリレー接点とし、前記スタータスイッチ
の操作で該リレー接点の開閉を行うリレー装置である請
求項1または2記載の2サイクル内燃機関における始動
兼発電装置とすることで、バッテリの電力を利用して駆
動する簡単なスイッチ機構とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図17に図示し説明する。本実施の形
態に係る始動兼発電装置1は、自動二輪車に搭載される
2サイクル内燃機関に設けられたもので、その側断面図
を状態別に図1および図2に図示する。
【0012】車両用始動兼発電装置80はクランクケース
82の側方に設けられ、インナーロータ90は、そのロータ
ボス91がクランクシャフト83の端部に嵌合しナット84で
緊締されて、クランクシャフト83と一体に回転する。
【0013】インナーロータ90を図3ないし図5に図示
する。クランクシャフト83の端部に嵌着されるロータボ
ス91には、その外周に6か所マグネット92が嵌合され、
ロータカバー93が被せられている。ロータボス91の一側
面には円筒部91dが突出形成され、同円筒部91dには所
定箇所にピン91eが突設されている。
【0014】このロータボス91の円筒部91dの外周囲に
偏平円筒状のガバナーアウター94が内側開口縁をロータ
ボス91にリベット95により固着されている。同ガバナー
アウター94は、内周面に軸方向に指向した浅い溝条94a
が6条周方向に等間隔に形成されていて、同6条の溝条
94aにそれぞれ対応して外側開口縁には中心軸側に屈曲
して延出した爪部94bが形成されている。
【0015】一方上記ロータボス91の円筒部91dには、
略有底円筒状をしたガバナーインナー96が外側から軸方
向の摺動を許し回転は一体に嵌合する。同ガバナーイン
ナー96は、図6ないし図8に図示するように、円底部96
aを囲む円筒部96bの外周に等間隔に6か所外側に開口
したポケット96cが膨出形成されており、同ポケット96
cの底壁96dは、斜めにテーパしている。
【0016】また円筒部96bの外周には、対称位置にネ
ジ孔96eが形成されたボス部96fが突出形成されて、円
底部96aに接してブラシホルダー100 がネジ97によって
貫通されネジ孔96eに螺合して一体に固着される。該ガ
バナーインナー96の外周6か所のポケット96cにそれぞ
れ金属ボール98が収容されて、円筒部96bがロータボス
91の円筒部91dに外側から摺動自在に嵌合すると同時
に、ポケット96cが前記ガバナーアウター94の内側にボ
ール98とともに嵌装され、図1および図2に示すように
ガバナーアウター94の屈曲した爪部94bは、ポケット96
cの開口を幾らか覆ってボール98をポケット96cの底壁
96dとの間に位置させている。
【0017】なおガバナーインナー96の円筒部91dの一
部には切欠き91gを有して、前記のロータボス91の円筒
部91dに突設されたピン91eが嵌合し、ロータボス91に
対してガバナーインナー96が相対的な回転を禁止され軸
方向の摺動だけを許されている。
【0018】ロータボス91の円筒部91dの内側底部とガ
バナーインナー96の円底部96aとの間にはスプリング99
が介装されて、ロータボス91に対してガバナーインナー
96をブラシホルダー100 とともに外側に付勢しており、
したがってボール98は、ガバナーアウター94の斜めに屈
曲した爪部94bとポケット96cのテーパした底壁96dと
に挟持される。なおガバナーアウター94の内周面とガバ
ナーインナー96の円筒部96bの外周面との間は、ボール
98が半径方向にある程度移動可能なように余裕を持たせ
ている。
【0019】したがって図1に示す状態にあるガバナー
インナー96は、インナーロータ90の回転速度が増すと、
ボール98が遠心力により遠心方向に移動しようとしてガ
バナーアウター94の斜めに屈曲した爪部94bに案内され
てガバナーインナー96のポケット96cのテーパした底壁
96dを押して図2に示すようにガバナーインナー96をブ
ラシホルダー100 とともにスプリング99に抗して軸方向
内側に摺動させる。
【0020】次にブラシホルダー100 は、図9ないし図
11に示すように円底部100aを偏平円筒部100bが囲む外
形状をなし、円筒部100b内は同心円状に概ね大径凹部10
1a,中径凹部101b,小径凹部101cが内壁100cによって仕
切られて形成されている。また小径凹部101cの外周面と
内周面に沿ってそれぞれ略一周に近い円環状の大径間隙
102aと小径間隙102bとが円底部100aに穿設されている。
また大径凹部101aの所定対称位置に前記ガバナーインナ
ー96と結合するネジ97が貫通する円孔103 が一対形成さ
れている。
【0021】該ブラシホルダー100 の円環状の大径間隙
102aには、図12に示すように一部欠損して円環状に形
成された−側ターミナルプレート105 が円底部100a側か
ら嵌入され、同様に小径間隙102bには、図13に示すよ
うに略同形で径を小さくした+側ターミナルプレート10
6 が嵌入される。各ターミナルプレート105 ,106 は、
それぞれ所定の3か所に突起105a,106aが形成されてい
て、円底部100aに対し反対側に向けている。
【0022】大径凹部101aの所定箇所に配設された1個
の−側ブラシ110aから延出した無酸素銅からなる導線11
1aが、前記−側ターミナルプレート105 の1つの突起10
5aに接続され、中径凹部101bの所定3か所に配設された
3個の−側ブラシ110b,110c,110dのうち隣合う2個の
−側ブラシ110b,110cは互いに導線111bにより接続さ
れ、そのうち1個の−側ブラシ110cからさらに延出した
導線111cおよび残りの1個の−側ブラシ110dから延出し
た導線111dが−側ターミナルプレート105 の他の2つの
突起105a,105aに接続される。
【0023】したがって大径凹部101aに配設される1個
の−側ブラシ110aと中径凹部101bに配設される3個の−
側ブラシ110b,110c,110dとは、−側ターミナルプレー
ト105 を介して導通状態にある。
【0024】また小径凹部101cの所定箇所に配設された
1個の+側ブラシ112aから延出した導線113aが、前記+
側ターミナルプレート106 の1つの突起106aに接続さ
れ、中径凹部101bの所定3か所に配設された3個の+側
ブラシ112b,112c,112dのうち隣合う2個の+側ブラシ
112b,112cは互いに導線113bにより接続され、そのうち
1個の+側ブラシ112cからさらに延出した導線113cおよ
び残りの1個の+側ブラシ112dから延出した導線113dが
+側ターミナルプレート106 の他の2つの突起106a,10
6aに接続される。
【0025】したがって小径凹部101cに配設される1個
の+側ブラシ112aと中径凹部101bに配設される3個の+
側ブラシ112b,112c,112dとは、+側ターミナルプレー
ト106 を介して導通状態にある。なお各ブラシは、前記
実施の形態と同様に凹部に介装されたスプリング115 に
より外側に付勢され、ストッパー116 により凹部から抜
けないようになっている。
【0026】上記ブラシホルダー100 に対応する整流子
ホルダー120 は、図14ないし図16に図示するよう
に、円板部120aの周囲をブラシホルダー100 より径の大
きい円筒部120bが周設されており、円板部120aのブラシ
ホルダー100 側表面にはブラシホルダー100 の大径凹部
101a,小径凹部101cにそれぞれ対向して円環状をなす大
径導電路121 ,小径導電路123 が配設され、中径凹部10
1bに対向しては18等分に分割された整流子片122 が円環
状に配列されている。
【0027】大径導電路121 と小径導電路123 とは、そ
れぞれ一部端子片121a,123aが延出して円板部120aを貫
通して外側表面に突出しており、18個の整流子片122 は
それぞれ端子片122aが円板部120aを貫通して外側表面に
突出している。
【0028】インナーロータ90の外周に配設されるアウ
ターステータ130 は、ステータコア131 のヨーク131aに
発電コイル132 と始動コイル133 が巻回された構造とな
っている。
【0029】そしてこのアウターステータ130 のステー
タコア131 の内周部が軸方向に延出して形成された円筒
部135 が前記ガバナーアウター94およびブラシホルダー
100の一部を覆うとともに整流子ホルダー120 の円筒部1
20bに連結して支持している(図1および図2参照)。
【0030】図17に同実施の形態の始動機構における
回路を図示する。ステータコア131 のヨーク131aに重ね
巻きされた始動コイル133 は、所定箇所から延出したコ
ード134 を介して所定の整流子片122 に導通している。
【0031】大径導電路121 は、バッテリ140 のマイナ
ス端子に接続されて接地され、小径導電路123 は、切換
えリレーであるスタータリレー141 のC接点に接続さ
れ、バッテリ140 のプラス端子は、スタータリレー141
の常開型のNO接点に接続されるとともに、スタータリ
レー141 のリレーコイル141aの一端に接続されている。
【0032】スタータリレー141 の常閉型のNC接点
は、大径導電路121 に接続されている。リレーコイル14
0aの他端は、スタータボタン142 の1端子に接続され、
他方の端子は接地されている。
【0033】ブラシホルダー100 に支持された4個の−
側ブラシ110a,110b,110c,110dと4個の+側ブラシ11
2a,112b,112c,112dは、整流子ホルダー120 の大径導
電路121 ,整流子片122 、小径導電路123 のいずれかに
それぞれ接離可能に移動する。
【0034】−側ブラシ110aは大径導電路121 と接離
し、他の−側ブラシ110b,110c,110dはそれぞれ整流子
片122 に接離可能で、接触状態で円環状に配列された整
流子片122 に順次接触し、この4個の−側ブラシ110a,
110b,110c,110dは−側ターミナルプレート105 によっ
て導通状態にある。
【0035】また+側ブラシ112aは小径導電路123 と接
離し、他の+側ブラシ112b,112c,112dはそれぞれ整流
子片122 に接離可能で、接触状態で円環状に配列された
整流子片122 に順次接触し、この4個の+側ブラシ112
a,112b,112c,112dは+側ターミナルプレート106 に
よって導通状態にある。
【0036】計8個のブラシ110a,110b,110c,110d,
112a,112b,112c,112dの大径導電路121 ,整流子片12
2 、小径導電路123 との接離は自動的に行われ、クラン
クシャフト83の回転数がアイドル回転数未満の所定回転
数以下であれば、スプリング99による付勢力でブラシは
それぞれ所定の大径導電路121 ,整流子片122 、小径導
電路123 に接触状態にあり(図1参照)、所定回転数を
越えると遠心力によりボール98がガバナーインナー96の
ポケット96cのテーパした底壁96dに作用しスプリング
99の付勢力に打ち勝ってガバナーインナー96をブラシホ
ルダー100 とともに移動し、ブラシは一斉に大径導電路
121 ,整流子片122 、小径導電路123 から離れる(図2
参照)。2サイクル50ccぐらいの内燃機関でアイドル回
転数が1800rpm 程度の内燃機関においては、1000〜1600
rpm 程でブラシが離れるのが好ましい。
【0037】したがって所定回転数以下でブラシがそれ
ぞれ所定の大径導電路121 ,整流子片122 、小径導電路
123 に接触状態にある場合に、スタータリレー141 のリ
レー接点C−NO間が閉じることでバッテリ140 と始動
コイル133 とを連結して第1の閉回路が形成され、また
リレー接点C−NO間が開いてリレー接点C−NC間が
閉じることで始動コイル133 のみの第2の閉回路が形成
される。
【0038】以上のような構成の始動兼発電装置80にお
いて、スタータボタン142 がオン操作されると、リレー
コイル141aが励磁されスタータリレー141 のC接点とN
O接点が閉じて第1の閉回路が通じ、すなわちバッテリ
140 から電流が小径導電路123 ,+側ブラシ112a,+側
ターミナルプレート106 ,3つの+側ブラシ112b,112
c,112d,3つの整流子片122 を順次経て,所要の始動
コイル133 に流れ、次いで始動コイル133 を流れた電流
は3つの整流子片122 ,3つの−側ブラシ110b,110c,
110d,−側ターミナルプレート105 ,−側ブラシ110a,
大径導電路121 を経てバッテリ141 に戻る。この始動コ
イル133 に流れる電流によりインナーロータ90に回転ト
ルクを生じクランクシャフト83を回転させ、内燃機関を
始動させる。
【0039】またスタータボタン142 がオフ状態でスタ
ータリレー141 のC接点とNC接点が閉じている場合で
内燃機関の停止直前にあっては、ブラシはそれぞれ所定
の大径導電路121 ,整流子片122 、小径導電路123 に接
触状態にあって第2の閉回路が通じており(図17に示
す状態)、すなわち始動コイル133 がブラシと整流子片
等の接触を介して閉回路が形成され、インナーロータ90
の回転は始動コイル133 に起電力を生じさせて、始動コ
イル133 は発電コイルとして働き、第2の閉回路に電流
が流れ、そのため磁気フリクションによる制動トルクが
インナーロータ90に作用する。
【0040】したがって2サイクル内燃機関における停
止直前のクランクシャフト83の逆転は、この制動トルク
により阻止される。特に本実施の形態の如く小排気量
(50〜100cc)で、回転慣性の小さい回転内磁型インナー
ロータ90の場合は、停止直前にクランクシャフト83の逆
転の可能性が他のものに比して大きいので、始動コイル
133 を発電コイルとして利用して制動トルクを生じさせ
ることで、逆転を防止するのは有効である。2サイクル
50cc程度の内燃機関においては、500rpmでブラシが接触
し、磁気フリクションが効けば、逆転は有効に抑制可能
である。なお所定回転数を越えて通常回転している場合
は、ブラシは大径導電路121 ,整流子片122 、小径導電
路123 から離れ、始動コイルが何ら負荷となることはな
い。
【0041】本実施の形態は、ステータコア131 の内側
に回転内磁型インナーロータ90を配設したので、回転慣
性は小さく内燃機関の性能に対し負荷となることはな
く、かつ装置全体を小型軽量化することができ、またブ
ラシおよび整流子をインナーロータ90の側方に設け、熱
の影響を避けブラシの性能に影響を与えない。
【0042】またブラシと整流子片・導電路との接離を
ボール98の遠心力を利用して自動的に行っているので、
スタータレバーに連動してブラシホルダーを移動する機
構および内燃機関の回転数検出信号に基づき回路の断接
を制御する制御機構の両機構を必要とせず、同両機構の
働きを1つの簡単な遠心ボール機構で自動的に行ってい
る。したがって構成を簡素化しコストの低減を図ること
ができる。
【0043】次に実際に2サイクル内燃機関200 に始動
兼発電装置250 が備え付けられた実施の形態を図18に
示し説明する。2サイクル内燃機関200 は、左右水平方
向に指向したクランクシャフト201 をを回転自在に支持
する左右ケースを合体したクランクケース202 にシリン
ダブロック203 ,シリンダヘッド204 が順次組合わさ
れ、冷却フィン203aを備えるシリンダブロック203 には
図示されない排気通路のほかシリンダボアに開口する掃
気ポートから掃気通路205 が形成されてクランクケース
202 のクランク室と連通している。
【0044】シリンダヘッド204 には、点火プラグ206
が燃焼室に向け嵌着され、同点火プラグ206 の露出部を
除き、シリンダヘッド204 およびシリンダブロック203
はファンシェラウド207 で覆われる。ファンシェラウド
207 の左側の一部に形成された開口からはホットエアダ
クト208 が延出して、図示されないキャブレタまで通じ
ており、シリンダブロック203 で温められた温風をキャ
ブレタに送る構造となっている。
【0045】左クランンクケース202Lは、ベルト式無段
変速室ケースを兼ねており、同左クランンクケース202L
を貫通して延びたクランクシャフト201 にはベルト駆動
プーリ210 がともに回転可能に設けられている。
【0046】ベルト駆動プーリ210 は、固定側プーリ半
体210Lと可動側プーリ半体210Rとからなり、固定側プー
リ半体210Lはクランクシャフト201 の左端部にボス211
を介して固着され、その右側に可動側プーリ半体210Rが
クランクシャフト201 にスプライン嵌合され、固定側プ
ーリ半体210Lに接近・離反することができ、両プーリ半
体210L,210R間にVベルト212 が挟まれて巻き掛けられ
る。
【0047】可動側プーリ半体210Rの右側にカムプレー
ト215 がクランクシャフト201 に固着されており、その
外周端に設けたスライドピース215aが可動側プーリ半体
210Rの外周端に軸方向に形成したカムプレート摺動ボス
部210Ra に摺動自在に係合している。
【0048】可動側プーリ半体210Rのカムプレート215
側側面は、カムプレート215 側に向けてテーパしてお
り、同テーパ面内側にカムプレート215 に挟まれてドラ
イウェイトローラ216 が収容されている。
【0049】したがってクランクシャフト201 の回転速
度が増加すると、可動側プーリ半体210Rとカムプレート
215 間にあってともに回転するドライウェイトローラ21
6 が、遠心力により遠心方向に移動し、可動側プーリ半
体210Rは同ドライウェイトローラ216 に押圧されて左方
に移動して固定側プーリ半体210Lに接近し、両プーリ半
体210L,210R間に挟まれたVベルト212 を遠心方向に移
動させ巻き掛け径を大きくするように構成されている。
【0050】かかるベルト駆動プーリ76に対応して後方
の図示されないベルト被動プーリにVベルト212 が巻き
掛けられて、動力が自動調整されて後方の減速機構等に
伝達され、減速機構を介して後輪に伝達される。
【0051】かかるベルト式無段変速機室を左側から覆
う伝動ケースカバー220 は、前方のベルト駆動プーリ21
0 から後方に延出して覆っており、前寄りにキック軸22
1 が回動自在に貫通支持されており、同キック軸221 の
内側端部には駆動ヘリカルギヤ222 が嵌着され、リター
ンスプリング223 により付勢されている。
【0052】そして伝動ケースカバー220 の前部内面に
は、クランクシャフト201 と同軸に摺動軸224 が回転か
つ軸方向の摺動可能に支持されており、同摺動軸224 に
は被動ヘリカルギヤ225 が形成されて前記駆動ヘリカル
ギヤ222 と噛合しているとともに、右端にはラチェット
ホイール226 が固着され、全体がフリクションスプリン
グ227 により左方に付勢されている。一方クランクシャ
フト201 側のボス211 には、ラチェットホイール226 に
対向してラチェットが形成されており、両者は摺動軸22
4 の摺動で接離可能である。
【0053】したがってキックペダルが踏み込まれ、キ
ック軸221 がリターンスプリング223 に抗して回転する
と、キック軸221 と一体に駆動ヘリカルギヤ222 が回転
して、これと噛合する被動ヘリカルギヤ225 が摺動軸22
4 と一体に回転しながらフリクションスプリング227 に
抗して右方に摺動して、ラチェットホイール226 がボス
211 のラチェットと噛み合ってクランクシャフト201 を
強制的に回転させ内燃機関200 を始動することができ
る。
【0054】一方右クランクケース202Rは、クランクシ
ャフト201 を回転自在に支持する主軸受209 の右側に略
円筒状をなして延出しており、その中心軸にクランクシ
ャフト201 が突出している。この右クランクケース202R
の円筒内に本始動兼発電装置250 が配設されている。
【0055】インナーロータ251 は、右方に突出したク
ランクシャフト201 にロータボス252 が嵌合してナット
253 で緊締され、同ロータボス252 は略円筒状をなし、
内側に幾らか縮径した小径円筒部252aを有し、大径円筒
部の外周に6か所マグネット254 が嵌着されている。
【0056】このロータボス252 の小径円筒部252aの外
周囲にテーパして左方に開いたガバナーアウター255
が、内側開口縁をロータボス252 にリベット256 により
固着されて設けられている。同ガバナーアウター255
は、テーパ内周面に軸方向に指向した6条の溝が形成さ
れ、各溝に対応した外側開口縁は軸に閉口に屈曲して若
干延出している。
【0057】一方ロータボス252 の小径円筒部252aの周
面に左右軸方向に摺動自在にガバナーインナー258 が嵌
合しており、同ガバナーインナー258 は、その円筒部の
外周に6か所外側に開口したポケット259 が膨出形成さ
れ、同ポケット259 の底壁は斜めにテーパしている。こ
のポケット259 に金属ボール260 が収容され、そのポケ
ット259 の開口を塞ぐようにして前記ガバナーアウター
255 のテーパ壁が位置している。
【0058】なおガバナーインナー258 の円筒部の一部
が右方向に延出して形成された複数本の連結部258aが、
ロータボス252 の大径円筒部を貫通して、ロータボス25
2 の右側において左右軸方向に摺動自在に支持されるブ
ラシホルダー262 に端部を固着して、ガバナーインナー
258 とブラシホルダー262 が一体に摺動できるようにし
ている。
【0059】したがってスプリングにより右方に付勢さ
れ図18に実線で示す状態にあるガバナーインナー258
は、インナーロータ251 の回転速度が増すと、ボール26
0 がガバナーアウター255 のテーパ壁に沿って遠心方向
に移動しようとしてガバナーインナー258 のポケット底
壁を押して、図18に2点鎖線で示すようにブラシホル
ダー262 とともに左方向に摺動する。
【0060】ブラシホルダー262 は、前記実施の形態に
おけるブラシホルダー100 と略同じ構造をしており、ブ
ラシホルダー262 の右側面には所定位置にブラシ263 が
突設され、+側ブラシは互いに+側ターミナルプレート
で導通され、−側ブラシは互いに−側ターミナルプレー
トで導通されている点も前記実施の形態と同様の構成で
ある。
【0061】このブラシホルダー262 に対応して配設さ
れる整流子ホルダー265 も前記整流子ホルダー120 と同
じ構造をしており、ブラシホルダー262 に対向する面に
大径導電路266 ,整流子片267 ,小径導電路268 が同心
円上に配設されている。この整流子ホルダー262 は、イ
ンナーロータ251 の外周に配設されるアウターステータ
270 に支持される。
【0062】アウターステータ270 は、ステータコア27
1 のヨークに発電コイル272 と始動コイル273 が巻回さ
れた構造であり、右クランクケース202Rの円筒内にステ
ータコア271 を同右クランクケース202Rに固着して配設
されている。該始動兼発電装置250 の始動機構の電気回
路は、前記実施の形態の図17に図示されたものと同じ
である。
【0063】なおクランクシャフト201 は、整流子ホル
ダー262 を貫通して、さらに右方に延びて、その先端に
強制空冷ファン280 が取り付けられており、同強制空冷
ファン280 の右側方にファンカバー281 がファンシェラ
ウド207 と連結されて設けられている。
【0064】本2サイクル内燃機関200 に備え付けられ
た始動兼発電装置250 は、以上のような構造をしてお
り、クランクシャフト201 と一体にインナーロータ251
が回転し、アイドル回転数未満の所定回転数以下である
と、ガバナーインナー258 およびブラシホルダー262 は
図18に実線で示すように右方にあってブラシ263 は整
流子ホルダー265 の大径導電路266 ,整流子片267 ,小
径導電路268 に接触しているが、所定回転数を越える
と、ガバナー機構によりブラシホルダー262 は図18に
2点鎖線で示すように左方に摺動してブラシ263 は大径
導電路266 ,整流子片267 ,小径導電路268 から離れ
る。
【0065】したがって2サイクル内燃機関200 が停止
直前では、所定回転数以下でブラシ263 は整流子ホルダ
ー265 の大径導電路266 ,整流子片267 ,小径導電路26
8 に接触しており、スタータボタンが押されていないの
で、始動コイル273 のみの第2の閉回路が通じており、
インナーロータ251 の回転は始動コイル273 に起電力を
生じさせて、始動コイル273 は発電コイルとして働き、
第2の閉回路に電流が流れ、そのため磁気フリクション
による制動トルクがインナーロータ251 に作用する。2
サイクル内燃機関における停止直前のクランクシャフト
83の逆転は、この制動トルクにより阻止される。
【0066】また始動時には、スタータボタンが押され
て、第1の閉回路が通じて、バッテリの電力が、ブラシ
263 の整流子ホルダー265 の大径導電路266 ,整流子片
267,小径導電路268 との接触を介して始動コイルに供
給され、始動コイル133 に流れる電流によりインナーロ
ータ251 に回転トルクを生じクランクシャフト201 を回
転させ、内燃機関を始動させる。したがって始動専用の
スタータモータが不要で、省スペース,軽量化,低コス
トを実現できる。
【0067】
【発明の効果】本発明は、2サイクル内燃機関が停止直
前で整流子とブラシが接触している状態では、第2の接
点が閉じ始動コイルのみで構成される第2の閉回路が通
じており、ロータの回転で始動コイルに起電力を生じて
電流が流れ、磁気フリクションによる制動トルクがロー
タに作用してクランク軸の逆転を阻止することができ
る。なお所定回転数を越えて通常回転している場合は、
始動コイルが何ら負荷となることはない。
【0068】逆転防止のためにロータに慣性モーメント
を付加する必要がなく、装置の大型化や重量の増大を回
避でき、また始動コイルを利用しているので、スペース
的にもコスト的にも有利である。
【0069】ブラシ接離機構を、遠心式自動調速装置で
構成することで、簡単な機械的構成で2サイクル内燃機
関の所定回転数を基準に前記整流子と前記ブラシとの接
離を行うことができる。
【0070】第1の接点および第2の接点をリレー接点
とし、スタータスイッチの操作で該リレー接点の開閉を
行うリレー装置でスイッチ機構を構成することで、バッ
テリの電力を利用して駆動する簡単なスイッチ機構とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る始動兼発電装置の
側断面図である。
【図2】別の状態の同始動兼発電装置の側断面図であ
る。
【図3】インナーロータの正面図である。
【図4】同裏面図である。
【図5】図3におけるV−V線に沿って截断した断面図
である。
【図6】ガバナーインナーの正面図である。
【図7】同裏面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII線に沿って截断した断
面図である。
【図9】ブラシホルダーの正面図である。
【図10】同裏面図である。
【図11】図9におけるXI−XI線に沿って截断した断面
図である。
【図12】−側ターミナルプレートの斜視図である。
【図13】+側ターミナルプレートの斜視図である。
【図14】整流子ホルダーの正面図である。
【図15】同裏面図である。
【図16】図14におけるXVI −XVI 線に沿って截断し
た断面図である。
【図17】同実施の形態の始動機構の回路図である。
【図18】別の実施の形態に係る2サイクル内燃機関に
備え付けられた状態の始動兼発電装置の断面図である。
【符号の説明】
80…始動兼発電装置、82…クランクケース、83…クラン
クシャフト、90…インナーロータ、91…ロータボス、92
…マグネット、93…ロータカバー、ガバナーアウター、
95…リベット、96…ガバナーインナー、97…ネジ、98…
ボール、99…スプリング、100 …ブラシホルダー、103
…円孔、105 …−側ターミナルプレート、106 …+側タ
ーミナルプレート、110a,110b,110c,110d …−側ブラ
シ、112a,112b,112c,112d …+側ブラシ、115 …スプリ
ング、116 …ストッパー、120 …整流子ホルダー、121
…大径導電路、122 …整流子片、123 …小径導電路、13
0 …アウターステータ、131 …ステータコア、132 …発
電コイル、133 …始動コイル、134 …コード、135 …円
筒部、140 …バッテリ、141 …スタータリレー、142 …
スタータボタン、200 …2サイクル内燃機関、201 …ク
ランクシャフト、202 …クランクケース、203 …シリン
ダブロック、204 …シリンダヘッド、205 …掃気通路、
206 …点火プラグ、207 …ファンシェラウド、208 …ホ
ットエアダクト、209 …主軸受、210 …ベルト駆動プー
リ、211 …ボス、212 …Vベルト、215 …カムプレー
ト、216 …ドライウェイトローラ、220 …伝動ケースカ
バー、221 …キック軸、222…駆動ヘリカルギア、223
…リターンスプリング、224 …摺動軸、225 …被動ヘリ
カルギア、226 …ラチェットホイール、227 …フリクシ
ョンスプリング、250 …始動兼発電装置、251 …インナ
ーロータ、252 …ロータボス、253 …ナット、254 …マ
グネット、255 …ガバナーアウター、256 …リベット、
258 …ガバナーインナー、259 …ポケット、260 …金属
ボール、262 …ブラシホルダー、263 …ブラシ、265 …
整流子ホルダー、266 …大径導電路、267 …整流子、26
8…小径導電路、270 …アウターステータ、271 …ステ
ータコア、272 …発電コイル、273 …始動コイル、280
…強制空冷ファン、281 …ファンカバー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電コイルとは別個に始動コイルを備
    え、始動コイルへの電力供給はブラシと整流子の接触を
    介して行う2サイクル内燃機関の始動兼発電装置におい
    て、 2サイクル内燃機関のアイドル回転数未満の所定回転数
    を基準に前記ブラシと整流子との接離を行い、所定回転
    数以下で前記ブラシと整流子を接触し所定回転数を越え
    ると離脱するブラシ接離機構と、 スタータスイッチのオン操作で第1の接点を閉じ、第2
    の接点を開くスイッチ機構と、 閉じた前記第1の接点および接触した前記ブラシと整流
    子を介してバッテリと前記始動コイルとを連結して形成
    される第1の閉回路と、 閉じた前記第2の接点および接触した前記ブラシと整流
    子を介して前記始動コイルのみで形成される第2の閉回
    路とを備えたことを特徴とする2サイクル内燃機関にお
    ける始動兼発電装置。
  2. 【請求項2】 前記ブラシ接離機構は、遠心式自動調速
    装置からなることを特徴とする請求項1記載の2サイク
    ル内燃機関における始動兼発電装置。
  3. 【請求項3】 前記スイッチ機構は、前記第1の接点お
    よび第2の接点をリレー接点とし、前記スタータスイッ
    チの操作で該リレー接点の開閉を行うリレー装置である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の2サイクル内
    燃機関における始動兼発電装置。
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