JPH09216902A - 動的流動系においてe−セレクチンに依存する細胞回転および付着を惹起する新規な炭水化物リガンド類(ミエロローリン) - Google Patents

動的流動系においてe−セレクチンに依存する細胞回転および付着を惹起する新規な炭水化物リガンド類(ミエロローリン)

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JPH09216902A JP8250776A JP25077696A JPH09216902A JP H09216902 A JPH09216902 A JP H09216902A JP 8250776 A JP8250776 A JP 8250776A JP 25077696 A JP25077696 A JP 25077696A JP H09216902 A JPH09216902 A JP H09216902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】現在公知のE−セレクチン・リガンド化合物
は、人体内で現実に起こっているローリング現象を考慮
にいれることなく、せん断応力のない条件下で、選定さ
れ有効とされていた。 【解決手段】少なくとも6個の単糖類を含み、かつ末端
がα2→3シアリル化され、内部が種々のN−アセチル
グルコサミン残基においてα1→3フコシル化されてい
るが、該フコシル化は末端から2番目のN−アセチルグ
ルコサミン残基単独ではないことを特徴とする非分枝ポ
リラクトサミン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 1. 発明の分野 本発明は、一般的には、動的流動条件下、E−セレクチ
ン発現性細胞のローリングおよび接着を惹起する糖鎖を
有する化合物に関するものである。本発明は、より特定
的には、E−セレクチン発現性細胞のローリングおよび
接着を惹起する一群のモノシアロフコガングリオシドの
存在に関するものである。本発明は、白血球および白血
病性細胞に発現された新規な糖質リガンド(「ミエロロ
ーリン」と言う。)が、動的流動条件下、炎症部位の活
性化された内皮細胞に対するE−セレクチン依存性ロー
リングおよび接着を仲介するという発見に基づくもので
ある。ミエロローリンは、末端にα2→3シアロシル残
基を有し、末端から2番目のGlcNAc(N−アセチ
ルグルコサミン)以外の内部GlcNAcにα1→3フ
コシル残基を有する、一群の非分枝ポリラクトサミン化
合物である。本発明は、さらにまた、別異のミエロロー
リンの混合物が、動的流動条件下、E−セレクチン発現
性細胞のローリングおよび接着を惹起する際に、相乗効
果をもたらすという知見に基づく。本明細書において
は、特に断らない限り、「ローリング」という用語は、
単純ローリング、ローリング後接着および接着後ローリ
ングを含み、「接着」という用語は、ローリングを伴わ
ない単純接着を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
2. 発明の背景 1989年以来、現在では「セレクチン」といわれる、
血管または血小板の接着性タンパク質のクローン化は、
白血球に発現される糖質エピトープを同定することに、
焦点を絞った仕事が続き(Varki, A. 1994, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 91:7390-7397; Lasky, L.A., 1995,
Ann. Rev. Biochem. 64:113-139 )、活性化された内
皮細胞上での白血球のセレクチン依存性「ローリング」
および接着、引き続く経内皮遊走の機能がターゲットと
された。この機構が、炎症性反応で中心的な役割を演ず
る(Lasky, L.A., 1995, Ann. Rev. Biochem. 64:113-1
39)。かかるエピトープは、炎症または受傷の後での、
炎症部位への細胞の補充に関係する。現時点では、シア
ロシル−Lex (SLex )が、E−セレクチン結合の
ターゲット・エピトープであると、一般的に信じられて
いる。それは、次のような主張に基づく。(i)ヒト白
血球、白血病性白血球および白血病性株細胞(例えば、
HL60およびU937細胞)は、SLex を発現する
が、ヒト以外の白血球は発現しない。この主張は、これ
らのタイプの細胞が、SLex に直結すると信じられて
いるmAbsと強い反応性を有することに基づく(Ito
et al.,1994, Glycoconj. J. 11:232-237)。これらの
SLex 発現性細胞は、E−またはP−セレクチンを発
現する、活性化された内皮細胞または血小板と接着する
(Phillips et al., 1990, Science 250:1130-1132; Po
lley et al., 1991, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88:62
24-6228)。(ii)シアロシル・タイプ2鎖を発現す
る、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞は、
E−セレクチンと接着しないが、フコシルトランスフェ
ラーゼIII cDNAを有するこれらの細胞のトラン
スフェクト体は、E−セレクチンと接着する(Lowe et
al., 1991, J. Biol. Chem. 266:17467-17477 )。(i
ii)活性化されたECsに対する、SLex 発現性細
胞のE−セレクチン依存性接着は、SLex GSLsを
含有するリポソームまたは末端SLex 構造を有するオ
リゴ糖によって抑制される(Phillips et al., 1990, S
cience 250:1130-1132; Polley et al., 1991, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 88:6224-6228; Handa et al., 19
91, Biochem. Biophys.Res. Commun. 181:1223-123
0)。
【0003】これらの観察は、SLex が、E−セレク
チンと結合するエピトープであるというアイデアの受け
容れを、元気づけることになった。E−およびP−セレ
クチンは、また、SLex の位置異性体である、SLe
a とも結合する(Handa et al., 1991, Biochem. Bioph
ys. Res. Commun. 181:1223-1230; Berg et al., 1991,
J. Biol. Chem. 266:14869-14872; Takada et al., 19
91, Biochem. Biophys. Res. Commun. 179:713-719
)。しかしながら、SLea は、白血球には存在せ
ず、造血細胞のためのセレクチンの生理的エピトープで
あるとは考えられていない。これまで、好中球およびH
L60細胞に存在する、SLex 含有ガングリオシドの
系統的特徴付けは行われていないし、SLex が、正常
な若しくは白血病性白血球またはこれらに由来する株細
胞の、N−結合またはO−結合糖タンパク質側鎖中に存
在する主要なエピトープであることを、明白に実証する
ものもない。
【0004】好中球が仲介しかつE−セレクチン依存性
の肺疾患に罹ったラットの、IgG免疫複合体モデルに
おいて、SLex が、炎症性血管損傷に対して保護的な
効果を有することが報告されている(Mulligan et al.,
1993, J. Exp. Med. 178:623-631 )。
【0005】しかし、次のような報告もある。すなわ
ち、ヒト好中球(多形核白血球;PMN)に関する、抗
体による免疫染色の結果およびプレートに固定したE−
またはP−セレクチンに対する間接的な結合アッセイの
結果によれば、ヒトPMNおよび前骨髄球性白血病HL
60細胞だけが、SLex および他のラクト系エピトー
プ、例えば、Lex またはLey を発現し、他の哺乳動
物のPMN、例えば、ヒヒ、オナガザル科マカック属、
ブタ、ウサギ、ラット、モルモットおよびハムスターの
PMNは、発現しないという(Ito et al., 1994, Glyc
oconj. J. 11:232-237)。また、マウスの腎臓およびマ
ウス白血球から得られたE−セレクチン・リガンド糖鎖
は、次のように同定されている(Osanai et al., 1996,
Biochem.Biophys. Res. Commun. 218:610-615 )。
【0006】
【化9】 および
【化10】
【0007】これらの報告は、人類以外の哺乳動物のセ
レクチン・リガンドがSLex ではないことを示した。
また、動物モデルを使用して得られている、抗炎症効果
のこれまで公認の成果も、疑問視されるに至った。
【0008】さらに、次のような開示もある。生体外
で、活性化された内皮細胞に、次式の糖脂質
【0009】
【化11】 を含むリポソームを添加し、さらにHL60細胞を添加
すると、活性化された内皮細胞に対するHL60細胞の
結合が選択的にブロックされる(WO91/19501およびWO91
/19502)。
【0010】さらに、次のような報告もある。慢性骨髄
性白血病の患者の白血球から抽出される糖脂質は、ポリ
塩化ビニル製マイクロタイター・ウェルに吸収される
か、TLCプレート上で分離され、内皮白血球接着分子
−1(ELAM−1)発現性COS細胞との結合により
スクリーニングされ、構造解析により、次式の糖脂質
【0011】
【化12】 が検出された(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1138-1
142 [1991])。
【0012】さらに、Stroudらの報告(Biochem.
Biophys. Res. Commun. 209:777-787 [1995] )によれ
ば、固形腫瘍細胞および組織に共通して見出される、次
式の糖脂質
【0013】
【化13】
【化14】 および
【化15】 は、ヒト好中球およびHL60細胞には存在せず、次式
の糖脂質
【0014】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】 および
【化20】 が、ヒト好中球およびHL60細胞から抽出され、TL
C上で展開し、E−セレクチン発現性CHO細胞と接触
させて接着検定したところ、これらの細胞は、ごく少量
の#5を含む糖脂質#4と接着することが判明した。
【0015】一方、血管内皮細胞上のセレクチンと、白
血球のオリゴ糖リガンドとの間のローリング・タイプの
接着が、炎症反応の開始に関与していることから、内皮
上での白血球のローリングを抑制することによって、白
血球の炎症組織部位への浸潤および活性化された好中球
による内皮の局部的損傷が防げるのではないかと、期待
されている(Lasky, 1995, Ann. Rev. Biochem. 64:113
-139)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】現在公知のE−セレク
チン・リガンド化合物は、人体内で現実に起こっている
上記のローリング現象を考慮にいれることなく、せん断
応力のない条件下で、選定され有効とされていた。従っ
て、これらの化合物は、真のE−セレクチン・リガンド
物質ではないかも知れない。これらの化合物では、生体
内で活性化された、E−セレクチン発現性細胞、例え
ば、内皮上でのE−セレクチン依存性ローリングおよび
接着を制御できないばかりか、ヒト炎症の特異的制御も
できないかも知れない。
【0017】ある報告では、E−セレクチン発現性CH
O細胞は、卵レシチンのホスファチヂルコリン(PCと
略称する)によってSLex を固定した固相上、0.7
3dyne/cm2 のせん断応力下で、ぎこちなく転が
ったという。この実験で使用した固相は、3μlのSL
ex (4μg/mlのPCを含む20:1のメタノー
ル:ブタノール溶液中に、1μg/mlの濃度で溶解し
た)を、直径4mmの面積に加え、乾燥して調製された
が、該固相に加えた量に対して、15%のSLex をP
Cによって該固相に固定した(J. Immunol. 154:5356-5
366 (1995))。しかし、上述のごとく、ヒト好中球に存
在しないSLex であるから、ヒト炎症を安全かつ特異
的に制御することはできないかも知れない。
【0018】最近では、静的条件下でE−セレクチンと
結合する(または結合しない)、HL60細胞およびヒ
ト好中球の、モノシアロガングリオシドの特性について
の報告がある(Stroud et al., 1995, Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 209:777-787; Stroud et al., 1996,
Biochemistry 35:758-769 )。SLex 構造はなく、内
部フコシル化を有しまたは有せず、ポリ−LacNAc
(N−アセチルラクトサミン)コア構造として10糖以
下の単糖単位を有する(Stroud et al., 1996,Biochemi
stry 35:758-769)。E−セレクチン結合性フラクショ
ンは、全て、末端のGal(ガラクトース)がα2→3
シアリル化され、末端から2番目以外の内部GlcNA
cが2またはそれ以上α1→3フコシル化されていた
(Stroud et al., 1995, Biochem. Biophys. Res. Comm
un. 209:777-787; Stroud et al.,1996, Biochemistry
35:770-778 )。これらの結合性フラクションは、「ミ
エログリカン」と総称された。内部GlcNAcがα1
→3フコシル化され、SLex 末端を有するポリ−La
cNAcの極小成分もあった。ヒト好中球およびHL6
0細胞の主要なE−セレクチン結合部位は、ミエログリ
カン・タイプであって、SLex 含有グリカンではない
と結論された。実験したミエログリカンまたはポリ−L
acNAc・SLex 構造は、いずれもP−セレクチン
結合を示さなかった(Stroud et al., 1996, Biochemis
try 35:758-769; Stroud et al., 1996,Biochemistry 3
5:770-778)。
【0019】
【発明の実施の形態】
3. 本発明の要約 本発明は、一般的には、動的流動条件下において、糖鎖
でコートした表面上でE−セレクチン発現性細胞のロー
リングおよび接着を可能にする該糖鎖を有する実質的に
純粋な化合物に関するものである。該動的流動条件と
は、人体内において発生する生理的せん断応力、例え
ば、血流によって生ずるせん断応力と同等な条件のこと
である。本発明化合物は、好ましくはヒト好中球または
それに類する細胞に存在する糖鎖を有するものである。
【0020】本発明は、特に、実質的に純粋なミエロロ
ーリン、ミエロローリン疑似物または該化合物群を含む
組成物に関するものである。ミエロローリンは、次の一
群のSLex 非含有構造A、B、C、DおよびX、Yに
よって具現され、該構造は末端がα2→3シアリル化さ
れ、内部が末端から2番目のGlcNAcを除いた、種
々のGlcNAc残基においてフコシル化されている、
非分枝ポリラクトサミンである。
【0021】
【化21】 式中、→は共有結合を示し;RおよびR’はそれぞれH
原子、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖(但し、R’のオ
リゴ糖はいかなるラクトサミン残基も有しない)、セラ
ミド残基、置換若しくは非置換のアリール基、炭素原子
数1〜10のアルキル、アルケニル若しくはヒドロキシ
アルキル基、薬学的に活性な成分、固体担体またはそれ
らの共有結合した化合物である。
【0022】ミエロローリン含有構造、特にガングリオ
シドとして人体中に存在するものは、E−セレクチン発
現性細胞上にミエロローリンが惹起したローリングおよ
び接着をブロックする抗体と同様に、炎症性反応、特に
慢性関節リウマチ、腎疾患および肝炎などの慢性状態を
抑制する有用な試薬である。
【0023】ミエロローリンの混合物の方が、単一分子
種よりむしろ、E−セレクチン発現性細胞のより強いロ
ーリングおよび接着を惹起する。従って、ミエロローリ
ンの混合物は、炎症性反応抑制に特に有用な試薬であ
る。
【0024】本発明は、E−セレクチン発現性細胞が、
ミエロローリン含有ガングリオシドでコートした表面に
接着しローリングしたという、驚くべき発見に基づくも
のである。
【0025】3.1 略語および定義 以下の略語は、本明細書全般にわたって用いられる:
BSA、ウシの血清アルブミン; CID、衝突活性化
開裂; CHO 細胞、チャイニーズハムスター卵巣細
胞; EC、内皮細胞; EDTA、エチレンジアミン
テトラ酢酸;ES−MS、電子スプレー質量分析法;F
ABMS、高速原子衝撃質量分析法;Fr.、フラクシ
ョン; GSL、スフィンゴ糖脂質; Ig、免疫グロ
ブリン; IHW、イソプロパノール/ヘキサン/水;
mAb、モノクローナル抗体; MFI、平均蛍光強
度; NMR、核磁気共鳴; PLA、ポリラクトサミ
ン; PBS、リン酸緩衝生理食塩水; Sdiy2 ま
たはSLex −Lex、シアロシルLex −Lex ;
SLex 、シアロシル−Lex ; SLea 、シアロシ
ル−Lea ; Str.、構造(類); TLC、薄層
クロマトグラフィー。糖脂質の略語は、IUPAC−I
UB生化学命名委員会の勧告(Lipids 12:455-463, 197
7 )に従った;しかし、接尾語−OseCerは、−C
erに短縮した。特に、シアロシル−Lex およびシア
ロシルLex −Lex は以下の構造を有する:
【0026】
【化22】 上記式に示すように、糖内のグリコシド−OHの位置を
示す数字「1」および隣接糖との結合を示す矢印は、別
に表示しない限り、本明細書中では、簡略化の目的から
省略した。
【0027】4. 本発明の詳細な説明 本発明は、実質的に純粋なミエロローリン、疑似物およ
びそれらの組成物を提供するものである。本発明は、さ
らに種々の疾患の根元をなす細胞相互作用を抑制するた
めに、ミエロローリン、疑似物およびそれらの組成物並
びに抗ミエロローリン抗体の使用方法を提供するもので
ある。ミエロローリンは、動物細胞から単離することが
できる。ミエロローリンおよび疑似物は、人工的に合成
することも可能である。ミエロローリンは、表面をコー
トすると、該表面上で動的流動条件下において、E−セ
レクチン発現性細胞のローリング、接着および流れを惹
起する能力を有する。
【0028】本発明のミエロローリンおよび疑似物は、
適切な手順により選別することができる。それにはV手
順が含まれ、該手順は、ヒト好中球またはそれと類似し
た他の細胞が発現したガングリオシドのようなプローブ
物質を固相に固定し、これにヒトの体内で起こりうるせ
ん断応力下で、E−セレクチン発現性CHO細胞のよう
な、E−セレクチン発現性細胞を添加し、単位時間内に
おける該固相上での該細胞のローリング、接着および流
れを観察し、かつ、その結果として、ローリングを惹起
する物質を選別することを含む。ヒトの体内で起こりう
るせん断応力とは、好ましくはヒト血流によって生ずる
せん断応力を意味し、好ましい範囲としては、0.8〜
12dyne/cm2 が挙げられる。
【0029】ミエロローリンまたは疑似物は、ガラス・
スライドに固定されたポリスチレン・ビーズ上に接着す
ることができる。該ポリスチレン・ビーズは、次いで平
行層流チャンバー・アッセンブリー中に設置して、所定
のせん断応力の動的流動条件下における、E−セレクチ
ン発現性細胞のローリングおよび接着の測定に用いる。
使用する装置は、論文(Lawrence et al., 1990, Blood
75:227 )に記載されているものと同様のものであって
もよい。
【0030】本発明によれば、ミエロローリンは、下記
の構造を有し、それは、少なくとも6個の単糖類(3個
のラクトサミン繰り返し単位が示されている)からな
り、かつ末端がα2→3シアリル化され、内部が、末端
から2番目のN−アセチルグルコサミン残基単独の場合
を除き、種々のN−アセチルグルコサミン残基において
α1→3フコシル化されている、一群の非分枝ポリラク
トサミンを包含する。
【0031】
【化23】 式中、各R1 は、独立に、−OHおよびα1→3フコー
ス(C6 H12O5 )から選択される。但し、少なくとも
1個のR1 はα1→3フコースであるものとする。
【0032】ミエロローリンの具体例としては、以下の
構造を有する化合物を含む。
【0033】
【化21】式中、→は共有結合を示し; RおよびR’
は、それぞれH原子、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖
(いかなるラクトサミン残基も有しないR’を除く)、
セラミド残基、置換若しくは非置換のアリール基、炭素
原子数1〜10のアルキル、アルケニル若しくはヒドロ
キシアルキル基、薬学的に活性な成分、固体担体または
それらの共有結合した化合物である。
【0034】基RおよびR’は、上記構造式の還元末端
のGlcNAcと、ジアミン、アミノアルコール、アミ
ノ酸、ペプチドのような適切なスペーサーを介して、共
有結合してもよい。アリール基の置換基としては、炭素
原子数1〜6のアルキル、アルケニルおよびアルキニル
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基並びにカ
ルボキシル基が挙げられる。複合脂質または単純脂質の
中では、セラミドが最も好ましく、また天然に産するミ
エロローリンの脂質担体でもある。グリセロ脂質は、ジ
アシルグリセロールおよび同類の中性脂質を含む。かか
る脂質中のアシル基の鎖の長さおよび不飽和度は特に限
定されない。
【0035】薬学的に活性な成分は、RまたはR’を形
成し、以下の非ステロイド系抗炎症性薬剤を含むが、そ
れのみに限定されるものではない:サリチル酸誘導体
(例えば、アスピリン);アリール酢酸誘導体(例え
ば、インドメタシン);プロピオン酸誘導体(例えば、
イブプロフェン);ピラゾロン誘導体(例えば、フェニ
ルブタゾン);オキシカム誘導体(例えば、ピロキシカ
ム);およびエピリゾール並びにその類似物などが挙げ
られる。
【0036】本発明は、さらに、以下の構造を有するミ
エロローリン疑似物を提供するものである。該構造は、
少なくとも6個の単糖類からなり、かつ末端がα2→3
シアリル化され、内部が、末端から2番目のN−アセチ
ルグルコサミン残基単独の場合を除き、種々のN−アセ
チルグルコサミン残基においてα1→3フコシル化され
た、一群の非分枝ポリラクトサミンを包含する。
【0037】
【化1】式中、R1 はα1→3フコース、R2 は−OH
またはフコースのいずれか一方、aは2〜6の整数、b
は1〜6の整数を示す。
【0038】ミエロローリン疑似物の具体例は、以下の
構造を有するものを含む。
【0039】
【化24】 式中、→は共有結合を示し;Rは上記ミエロローリンの
それと同一である。
【0040】ミエロローリン疑似物の構造は、ミエロロ
ーリン(例えば、A、B、C、DおよびX、Y)の構造
とは異なり、しかも、ポリラクトサミン鎖に沿って異な
った位置(Fuc1およびFuc2)の内部GlcNA
cにおける、シアロシル残基(SA)およびフコシル残
基の、可能な立体的配置によってさらに限定される。ポ
リ−N−アセチルラクトサミン鎖([3Galβ1→4
GlcNAcβ1→]n )が、らせん状構造を持って
いることは周知である(Niemann et al., 1978, Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 81:1286-1293; Rees, D.A.,
1975, MTP International Review of Science 5:1-42,
ed. Whelan, W., Butterworths (London) University
Park Press (Baltimore); Atkins et al., 1974, Polym
er 15:263-271 )。ミエロローリンA、B、C、Dおよ
びX、Yの疑似物は、立体的配置すなわち、シアル酸の
位置およびフコシル残基の異なった部位に基づいて組み
立てられていると考えられる。フコシル残基の配向およ
びこれとシアル酸位置との関係は最も重要である(第7
図参照)。
【0041】ミエロローリンは、以下に記載する通り、
HL60細胞またはU937細胞を大規模培養すること
によって製造することが可能である。ミエロローリンお
よび疑似物は、N−アセチルラクトサミンを重合し、ひ
き続いてシアロシル転移酵素およびフコシルトランスフ
ェラーゼで、それぞれ、α2→3シアリル化およびα1
→3フコシル化することによって大量に合成できる。
【0042】具体的には、ミエロローリン誘導体は、
(a)非還元末端にα2→3シアロシル残基を有し、内
部のGlcNAcにα1→3フコシル残基を有している
が、該フコシル残基が末端から2番目のGlcNAcに
だけではない、非分枝ポリラクトサミンを、直接または
スペーサーを介して、(b)置換若しくは非置換のアリ
ールハライド、1〜10の炭素原子を有するアルキル、
アルケニル若しくはヒドロキシルアルキルハライド、複
合脂質、単純脂質、オリゴ糖、セラミド、薬学的に活性
な成分、固体担体またはそれらの共有結合した化合物
と、還元末端の糖残基のグリコシル化のような既知方法
を用いて、反応させることによって得ることができる。
【0043】本発明は、また、第2の細胞(例えば、内
皮細胞または他のE−セレクチン発現性細胞)上に発現
されたE−セレクチン依存性ローリングおよび接着を惹
起するリガンドを発現する第1の細胞(例えば、ヒト好
中球または白血球)を、少なくとも6個の単糖類を含
み、かつ末端がα2→3シアリル化され、内部が種々の
N−アセチルグルコサミン残基においてα1→3フコシ
ル化されているが、該フコシル化は、末端から2番目の
N−アセチルグルコサミン残基単独ではない、少なくと
も1種の非分枝ポリラクトサミンの、E−セレクチン依
存性ローリングおよび接着を抑制する量に、暴露するこ
とを含む、細胞相互作用の抑制方法を提供する。
【0044】更に、本発明は、第2の細胞(例えば、内
皮細胞または他のE−セレクチン発現性細胞)上に発現
されたE−セレクチンに依存するローリングおよび接着
を惹起するリガンドを発現する第1の細胞(例えば、ヒ
ト好中球または白血球)を、少なくとも6個の単糖類を
含み、かつ末端がα2→3シアリル化され、内部が種々
のN−アセチルグルコサミン残基においてα1→3フコ
シル化されているが、該フコシル化は末端から2番目の
N−アセチルグルコサミン残基単独ではない、非分枝ポ
リラクトサミンと結合する抗体の、E−セレクチン依存
性ローリングおよび接着を抑制する量に、暴露すること
を含む、細胞相互作用の抑制方法を提供する。しかも、
該抗体は、生体外での動的流動条件下における上記第1
の細胞と第2の細胞との接着を抑制することによって更
に特徴付けられている。
【0045】HL60細胞からのミエロローリン調製 HL60細胞。 HL60細胞は、最初、アメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から取
得し、かつ10%FCSを補充したRPMI内で増殖さ
せた。細胞を37℃の温度で、5%CO2 の中で維持
し、回転瓶内で2サイクルにわたって拡大して、多量の
細胞を集めた後、遠心分離にかけることによって採取す
る。この方法により培養されたHL60細胞は、CO2
培養器の中で継続的に培養されたHL60細胞と同レベ
ルのE−セレクチン結合活性を示した。すなわち、この
方法により回転瓶内で大規模培養しても、E−セレクチ
ン結合活性を殆ど低下させなかった。概して、1200
mLのパックされたHL60細胞は、約400mLのパ
ックされた部分に分け、各部分は、次節で記載する方法
で抽出した。
【0046】糖脂質抽出。 おおよそ100mLのパッ
クされたヒト好中球または400mLのパックされたH
L60細胞を、IHW(55:25:20)の下相の1
0容量を用い、Waring混合機の中でホモジナイズ
して抽出した。該抽出物をWhatman#1フィルタ
ーを通して濾過し、残渣は上記のようにして再抽出し
た。該抽出/濾過手順を、もう一度繰り返し行い、寄せ
集めた濾液はBrinkmann回転減圧蒸発機を使用
して減圧下40℃の温度で濃縮した。該濃縮抽出物は、
水500mLを含む3Lのクロロフォルム/メタノール
(C/M;2:1)中に残渣を溶解させて、Folch
分配にかけた。該抽出物を激しく振盪した後、2つの半
透明相が現れるまで(約8時間)分離にまかせた。上相
を除去し、下相はC/M/1%KCl(1:10:1
0)を元の容積になるまで添加して、再抽出した。該液
体抽出手順を2度繰り返し、寄せ集めた上相は、回転減
圧蒸発機で濃縮し、水中で再構成し、かつSpectr
opor 3透析チューブ(MW カットオフ=350
0)を使用し、脱イオン水に対して、徹底的に透析し
た。
【0047】 陰イオン交換クロマトグ
ラフィー。 透析に続いて、上相抽出物を上記のように
蒸発乾固し、加温(37℃)と超音波処理の組み合わせ
により、50mLのC/M/水(30:60:8)に溶
解した。不溶性物質は10分間1000xgで遠心分離
にかけ除去し、同じ溶媒50mLを追加して、超音波処
理により再抽出した。上記の遠心分離に引き続いて、寄
せ集められた上清をDEAE−Sephadexカラム
(ベッド・ボリューム300mL;酢酸塩型)にかけ、
2LのC/M/水(30:60:8)で洗浄し、全ての
中性脂質を除去した。該カラムは、500mLのメタノ
ールで平衡化し、モノシアロガングリオシド・フラクシ
ョンは、2Lの0.05 M NH4 OAc含有メタノ
ールで溶出した。引き続いてジ−、トリ−、およびポリ
シアロシルガングリオシドの除去を、それぞれ、0.1
5M、0.45Mおよび1.0MのNH4 OAcによる
段階的溶出によって行った。該溶出ガングリオシド・フ
ラクションを回転減圧蒸発により乾燥し、水に対して透
析し、かつ上記のように乾燥した。
【0048】HL60細胞からのモノシアロガングリオ
シドの精製:高性能液体クロマトグラフィー。 該モノ
シアロガングリオシド・フラクションを、10mLのI
HW中に可溶化し、蒸発用フラスコから15mL試験管
へ移した。サンプルは、N−EVAP(Organomation I
nc. )を使用し、N2 下で完全に乾燥し、2mLのIH
W中で超音波処理により再構成した。該サンプルを、I
HW(55:40:5)で前もって平衡化した、調製用
イアトロビーズ・カラム(6RS−8010;0.8x
60cm;Iatron Laboratories Inc., Kanda/Tokyo, J
apan)上に注入し、かつ、1mL/分の流速で、IHW
55:40:5から55:25:20の直線勾配に委ね
た。4mLのフラクションを集めるのに、400分以上
かかった。各フラクションを、HPTLCプレート上に
スポットし、適正な溶媒系(以下に記載)で展開し、
0.5%オルシノール含有2N硫酸をスプレーして可視
化し、移動を基準にプールした。TLCで1つ以上のバ
ンドを含むプールしたフラクションは、N2 下で乾燥
し、1mLのIHW中に再溶解し、かつ、半調製用のイ
アトロビーズ・カラム(0.4x60cm)上に注入し
た。流速0.5mL/分で、200分以上、IHW5
5:40:5から55:25:20の直線勾配を使用し
た。1mLのフラクションを集め、HPTLCの移動を
基準にプールした。HPTLCで単一バンドを含むフラ
クションは、C/M/0.5%CaCl2 (50:5
5:19)中の移動の順序に従って標識した;すなわ
ち、最も速い移動バンドは#1と、最も遅いものは#2
0と標識した。複数バンドを含むフラクションは、調製
用HPTLCにより更に精製した。
【0049】高性能薄層クロマトグラフィー。 モノシ
アロガングリオシド・フラクションは、HPTLCによ
っては単一バンドには分離されなかったので、調製用H
PTLCによって分離した。バンド1〜7を含むフラク
ションは、C/M/0.5%CaCl2 (50:40:
10)溶媒系中で分離した。バンド8〜14を含むフラ
クションは、C/M/0.5% CaCl2 (50:5
5:19)中で分離した。Fr.12および13は、イ
ソプロパノール/水/NH4 OH(6:3.2:1)の
溶媒系を使用して、更に(それぞれ、Fr.12−1〜
12−5および13−1〜13−3)に分離した。調製
用TLCは、50μLのサンプルを10x20cmHP
TLCシリカゲル・プレート(silica gel
60;EM Science, Gibbstown, NJ )を横切るようにす
じ状に塗布して行い、乾燥し、かつ、適正な溶媒系で展
開した。該プレートは乾燥し、かつ、バンドは、0.0
3%プリムリン含有80%アセトンをスプレーして可視
化した。該バンドは、UV光線下において、鉛筆でマー
クした。マークされたバンドは、かみそりの刃を用いて
プレートからかき取り、ガングリオシドは、IHW(5
5:25:20;2mL/バンド)中で20分間、超音
波処理してシリカから抽出した。該シリカは、1000
xgで10分間遠心分離にかけて除去し、上記のように
再抽出し、よせ集めた上清は、N2 下で乾燥した。サン
プルは、5mLのメタノールと5mLの水で順に洗った
後、1mLのPBSに溶かした。それをあらかじめPB
Sで平衡化したカラムにかけ、1ccのtC−18 S
ep−Pakカートリッジ(Waters, Milford, MA )に
かけることできれいにされた。サンプルを保持させた
ら、該カラムを10mLの水に続いて10mLの50%
メタノールで洗浄し、次いで10mLの100%メタノ
ール中に溶出した。該サンプルは、N2 下で乾燥し、1
mLのIHW(55:25:20)中に溶解し、次いで
上記したように、IHW55:40:5から55:2
5:20の直線勾配、流速1mL/分、100分間かけ
て、イアトロビーズ・カラム(0.4x60cm)上に
注入した。1mLのフラクションを集め、オルシノール
−硫酸反応を用いて、HPTLCにより可視化した。オ
ルシノール陽性画分を、構造解析に先だって、プールし
かつN2 下で乾燥した。
【0050】抗体調製 Balb/cマウスは、既に記載されたように、静脈内
または腹腔内いずれかに、ヒト好中球またはHL60細
胞の繰り返し注射を行い、引き続きサルモネラ・ミネソ
タに吸着させたミエロローリン・フラクションを含むモ
ノシアロガングリオシドの追加接種を行って、免疫する
(Fukushi et al., 1984, J. Biol. Chem. 259:10511-1
0517; Nudelman et al., 1988, J. Biol. Chem. 263:13
942-13951 )。追加接種の3日後、脾臓細胞を採取し、
かつ、NS−1と融合し、該ハイブリドーマは、精製ミ
エロローリンでコートした98−ウェルおよびSLex
またはシアロシルパラグロボシドでコートしたウェルの
結合実験によりスクリーニングした。ミエロローリンを
コートしたプレートとは特異的に反応するが、SLex
またはシアロシルパラグロボシドをコートしたプレート
とは反応しない抗体を分泌するハイブリドーマをクロー
ン化した。ミエロローリンへの特異的反応性をもったリ
クローニングに続くクローンの拡大が必要である。
【0051】治療的投与 本発明の抗炎症性ミエロローリン組成物は、予防的炎症
抑制または発症後炎症緩和の必要のある患者に投与す
る。対象ミエロローリン組成物は、好ましくは薬学的に
許容される担体と共に投与される。例えば、リポソーム
に含ませたり、または適正なデザインを有する担体特異
分子と結合させたりすることができる。その性格は、投
与方法によって異なる。例えば、経口投与には、通常、
固体担体が要求される。すなわち、ミエロローリン疑似
物は、経口投与の時にはそのように構成されるが、一
方、静脈投与時には、通常、液体塩溶液担体またはリポ
ソーム懸濁物が要求される。典型的には、注射可能な組
成物は、液体溶液または懸濁物として調製する。また、
注射に先立って、液体ビヒクルに溶解、または懸濁する
のに好適な固体形態で調製することもできる。該化合物
をリポソーム・ビヒクル中に乳化させてもよいし、また
該活性成分をカプセルで包んだものとしてもよく、より
高い活性を示させるためにはより望ましい。
【0052】好適なビヒクルとしては、例えば、水、生
理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノー
ル、または類似物、およびそれらの組み合わせが挙げら
れる。加うるに、望むならば、該ビヒクルは、湿潤若し
くは乳化剤、またはpH緩衝剤などの補助物質を少量含
有してもよい。かかる投与形態の実際的調製方法は、当
業者には知られており、また明らかとなる。例えば、論
文(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publ
ishing Company, Easton, Pa., 17th edition, 1985 )
を参照のこと。
【0053】薬学的に許容される製剤には、例えば、医
薬品級のマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステア
リン酸マグネシウム、サッカリン・セルローズ・ナトリ
ウム、炭酸マグネシウム、および類似物を含む、種々の
賦形剤を用いることができる。経口組成物は、溶液、懸
濁物、錠剤、ピル、カプセル、持続性徐放製剤、若しく
は粉末の形状で服用される。特に有用なのは、対象ミエ
ロローリン分子を、DMSOなど浸透増進剤を含む経皮
組成物の形で、直接投与することである。他の局所製剤
を、皮膚の炎症の処置に、投与することもできる。加う
るに、経粘膜性投与は、胆汁酸塩またはフシジン酸誘導
体などの浸透剤を使用し、必要ならば、追加的な界面活
性剤分子と組み合わせて、実施することもできる。これ
らの製剤は、例えば、座薬、鼻腔スプレーの調製に有用
である。座薬用には、ビヒクル組成物は、ポリアルキレ
ングリコールまたはトリグリセリドなど、慣用の結合剤
および担体を含む。かかる座薬は、約0.5から約10
%(W/W)、好ましくは約1%から約2%の範囲内
の、活性成分を含む混合物から形成してもよい。
【0054】鼻腔内製剤は、通常、鼻粘膜を刺激せず、
繊毛機能を著しく妨げることもないビヒクルを含有す
る。本発明では、水、生理食塩水または他の既知物質な
どの希釈剤を使用することができる。鼻腔製剤は、ま
た、クロロブタノールおよび塩化ベンザルコニウムなど
(但し、限定するものではない)の保存料を含有しても
よい。鼻粘膜による、対象リガンドの吸収を増進するた
めに、界面活性剤を存在させてもよい。
【0055】典型的には、本発明の組成物は、1%未満
から約95%の活性成分、好ましくは、10%から約5
0%を含む。より好ましくは、小児に対しては、約10
mgから50mgを、成人に対しては約50mgから1
000mgを投与する。投与回数は、患者の反応性に基
づいて、細心の注意で決定される。その他の有効な投与
量は、当業者であれば、投与反応曲線を確定する慣例的
試行を通して、容易に決定することができる。
【0056】投与量の決定において、注意しなければな
らないのは、全セレクチン分子を完全にブロックするこ
とは、必ずしも望ましくないことである。正常な炎症過
程が進行するためには、少なくともいくつかの白血球ま
たは好中球が、損傷、感染または疾患が発生している部
位の組織内に運ばれてこなければならない。ブロッキン
グ剤として投与するセレクチン・リガンドの量は、患者
の個別な必要に応じて、かつ、処置される疾患のタイプ
など、種々の要因を考慮した上で注意深く調節しなけれ
ばならない。
【0057】本発明の抗炎症性組成物が、ミエロローリ
ンに対する抗体である場合、薬学的に許容される希釈剤
を採用することができ、該抗体は、ヒト型にされるべき
であり、かつ、Fabフラグメント化されるべきであ
る。採用される特定の薬学的に許容される希釈剤は、そ
れらに対して決定的ではない。かかる希釈剤の例として
は、生理的食塩水、Ringerの溶液、ビタミン・カ
クテルおよびアミノ酸ビタミン・カクテルなどが挙げら
れる。
【0058】本発明の抗体の、投与さるべき薬学的有効
量は、処置する患者の年齢、体重および性別によって変
わる。一般に、薬学的有効量は、1回の注射につき、約
1.0〜5.0μg/100g体重である。一般に、5
から10回の抗体の注射が使用されるが、本発明はそれ
のみに限定されるものではない。
【0059】本発明の化合物は、広い範囲の疾患、例え
ば、慢性関節リウマチおよび多発性硬化症などの、自己
免疫疾患の処置に有用である。本発明の組成物は、組織
損傷、腫張、炎症および/または苦痛、特にE−セレク
チンが仲介する慢性炎症性状態を引き起こす程度に、白
血球の組織内蓄積を起こし、人体に免疫システムがはた
らいているのであれば、いかなる疾患状態の処置にも適
応することができる。
【0060】本発明の製剤は、心臓発作を惹起する急性
炎症状態に起因する組織損傷の好ましくない残効を防止
するために、投与することもできる。これには、P−セ
レクチン阻害剤またはP−セレクチン・リガンドの併用
が、特に好ましい。何故なら、E−セレクチンではな
く、P−セレクチンが、心臓発作または発作などの急性
炎症反応において、重要な役割をするからである。心臓
発作が起り、抗凝固剤または血栓溶解剤(例えば、tP
A)を適用することなどで、患者が回復した場合、凝血
塊ができた内皮の表層は、しばしば損傷をうけている。
抗血栓剤が凝血塊を除去すると、酸素を奪われた、凝血
塊下の損傷を受けた組織および内皮表層の他の損傷を受
けた組織は、活性化してくる。該活性化された内皮細胞
は、細胞が損傷を受けて数時間もすると、一種のセレク
チンであるELAM−1受容体を合成する。該受容体
は、血管内に広がり、白血球細胞の表面上の糖脂質リガ
ンド分子と接着する。大量の白血球細胞が、すばやく捕
捉され、活性化された内皮細胞部位を取り囲む組織内に
運ばれて、炎症、腫張および壊死に至り、患者の生存の
可能性を低下させる。
【0061】心臓発作に起因する外傷を患っている患者
の治療に加え、急性肉体的外傷を患う患者の治療にも、
本発明の製剤を使用し、ひどい外傷にさらされている肉
体部位に後遺する炎症および腫張を和らげることができ
る。本発明の製剤を使用して治療しうる、その他の状態
には、様々なタイプの関節炎および成人呼吸窮迫症候群
が含まれる。当業者は、本発明明細書を読めば、本発明
の製剤を投与することによって治療および/または緩和
される、その他の疾患状態および/または症状が何かを
認識するであろう。
【0062】(1)ミエロローリン:(A)Fr.10
−2、(B)Fr.10−1とFr.10−2の混合
物、または(C)Fr.14、および(2)薬学的に許
容できる担体、例えば、但し、限定されないが:(D)
ポリアルキレングリコール、(E)トリグリセリド、
(F)脂肪油、(G)合成脂肪酸エステル、(H)リポ
ソーム、(I)カルボキシメチルセルロース、(J)ソ
ルビトール、または(K)デキストランを含有する種々
の組成物は、例えば、関節炎、慢性関節リウマチ、多発
性硬化症など(但し、限定されない)の炎症性疾患を患
う患者に、治療上有効量が投与される。
【0063】
【実施例】
5. 実施例 我々は、先に、好中球およびヒト前骨髄球性白血病HL
60細胞に、末端にα2→3シアリル化を、また内部の
種々の(但し、末端から2番目ではない)GlcNAc
残基にα1→3フコシル化を有するポリラクトサミン・
ガングリオシドの存在を探知した。我々は、該ガングリ
オシドの糖鎖を有するこれらの化合物を、「ミエロロー
リン」と総称する。対照的に、ポリラクトサミン鎖の内
部α1→3フコシル化を有しない決定基であるSLex
−Lex は、かかる細胞には欠如している。本試験にお
いて、我々は、E−セレクチン発現性細胞の接着および
ローリングを惹起するミエロローリン(A、B、C、
D、X、Y、上記)系列の活性について検討した。接着
試験は、静的および動的流動の両条件下で行った。それ
に対して、ガングリオシドをコートした表面でのE−セ
レクチン発現性細胞のローリング試験は、動的流動条件
下で行った。
【0064】本試験から、以下のことが結論される。S
Lex を含む構造は、ローリングを惹起せず、好中球お
よびHL60細胞には事実上存在せず、かつ、好中球の
ローリング、接着および浸潤に何らの生理的役割を演じ
ない。好中球のローリング、接着および浸潤を惹起する
原因になるのは、SLex を含む構造ではなく、むしろ
「ミエロローリン」(すなわち、末端のα2→3シアリ
ル化および内部のフコシル化[末端から2番目のGlc
NAc残基単独の場合を除いた、種々のGlcNAc残
基において]を有する非分枝ポリラクトサミン)と総称
される一群のSLex を含まない構造である。種々のタ
イプのミエロローリンは、混合物において、ミエロロー
リンの単一分子と比較して、相乗的なE−セレクチン依
存性ローリングおよび接着を惹起する。ミエロローリン
は、HL60細胞およびヒト白血球の主要グリカンおよ
びガングリオシドである。ミエロローリン機能のブロッ
キングは、E−セレクチン依存性ローリングおよび接着
を惹起する、ミエロローリンに含まれる最小必要構造に
よって達成される。ミエロローリンの糖鎖に対して、非
常に特異的な抗体は、ただちに調製し、選別し、かつ、
抗炎症性薬品調製に使用することができる。
【0065】5.1 材料および方法 GSLsおよびモノシアロガングリオシド 第1表は、本明細書中に開示する、ガングリオシドの構
造(Fr.またはStr.で同定される)を示す。該ガ
ングリオシドの構造は、先に記載の通り、 1H−NM
R、 +イオン FABMS、およびメチル化体のCID
を有するES−MSによって実証される(Stroud et a
l., 1995, Biochem. Biophys. Res. Comm.209:777-787;
Stroud et al., 1996, Biochemistry 35:758-769; Str
oud et al., 1996, Biochemistry 35:770-778)。F
r.9−1、9−2、10−1、および10−2の構造
は、エンド−β−ガラクトシダーゼ消化(Fukuda et a
l., 1979, J. Biol. Chem. 254:5458-5465 )、メチル
化分析、および +イオンFABMSによって更に確認さ
れている。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】細胞および結合実験 E−セレクチンcDNAでトランスフェクトしたCHO
細胞は、先に記載の通り、確立された(Handa, et al.,
1995, Int. J. Oncol. 6:773-781 )。E−セレクチン
発現性トランスフェクト体は、抗E−セレクチンmAb
E1Aを使用してサイトフルオロメトリーによって単
離した。E−セレクチン依存性細胞接着の抑制は、濃度
10μg/mLで、抗E−セレクチンmAb E1Cを
使用して行われた。これらのmAbsは、E−またはP
−セレクチンを発現するNS1細胞によるBALB/c
マウスの免疫化を通して確立された。
【0069】プラスチック・プレート上、静的条件下で
のE−セレクチン依存性細胞の種々のGSLsに対する
接着 96−ウェル・プレートを用いた静的接着実験:50%
エタノール中に溶解したポリ−LacNAcガングリオ
シド(例えば、SLeX −LeX およびFr.9、10
−1、10−2および12−2)を、96−ウェル・プ
レート(最初のウェルは200ng含む)に逐次的に希
釈し、かつ、該プレートを37℃で5時間かけて乾燥し
た。mAb E1Cの存在下での、対照細胞接着のため
に、ポリ−LacNAcガングリオシドを同様に逐次的
希釈したプレートを準備した。E−セレクチン発現性C
HO細胞(Handa et al., 1995, Int. J. Oncol. 6:773
-781)は、代謝的に[ 3H]チミジンで標識し、2日間
培養した。培養細胞を2mM EDTA処理して細胞懸
濁物(2×106 /mL)を調製した。この細胞懸濁物
の50μL画分(1×105 細胞を含む;約5000c
pm)を各ウェルに加え、1時間培養した。対照とし
て、EDTA−採取した細胞をDMEMで洗浄し、30
分間氷上で、mAb E1Cと共に培養し、引き続きm
Ab E1C含量10μg/mLとした以外は上記と同
様にして、細胞懸濁物を調製した。画分を各ウェルに添
加し、上記と同様に培養した。細胞は、吸取紙上でプレ
ートを逆さにすることによってPBSで3回洗浄した。
接着細胞の数は、 3H活性の測定により決定した。
【0070】静的条件下でポリスチレン・ビーズに固定
したガングリオシドへのE−セレクチン依存性細胞接着 動的接着実験で使用したものと同じマトリックスで静的
接着を観察するために、以下の手順を用いた。対物顕微
鏡スライドに固定した1μmまたは4μm直径のポリス
チレン・ラテックス・ビーズ(IDC Spheres
TM;IDC,Portland,OR)を、ポリ−La
cNAc GSLsの担体として使用した。直径4μm
のビーズ懸濁物30μL(2×109 ビーズ/mLを含
む)または1μmビーズ懸濁物60μL(1×1011ビ
ーズ/mLを含む)をエッペンドルフ管内に置き、無水
エタノールで3回洗浄した。沈殿させた4μmビーズは
500mLのエタノール中に、また沈殿させた1μmビ
ーズは2mLのエタノール中に、それぞれ懸濁した。こ
れら懸濁物の1μL画分は、新たに開いた顕微鏡スライ
ド(Labcraft Superfrost Plus, Curtin Matheson Scie
ntific, Houston, TX )上に載置した。ビーズは、ガラ
ス表面上直径約1cmの円形スポット内に均質に分布さ
せた。該スライドを、150℃で50秒間加熱した。そ
れによって、ビーズは、種々の速度の水流によって洗い
流されない程度に、強力に表面に接着した。同じモル濃
度で、イソプロパノール−ヘキサン−水に溶解したガン
グリオシドを、該スライドに固定したビーズに接触させ
た。すなわち、50〜100ngのガングリオシドを含
む1μLの画分を、該円形スポットの中心に設置した。
これにより、ガングリオシドはビーズ表面に固定され
た。室温で1時間、スライドをPBS中の3%BSAに
浸漬し、かつCa2+/Mg2+を含むPBSで3回洗浄し
た。
【0071】新しく採取し、動かさずに15分間、RP
MI培養液中に懸濁した5×105のCHO細胞でスラ
イドは重層された。通常、RPMIによる3回の洗浄
で、非接着細胞をビーズから除去するに充分であった。
しかし、対象ビーズ上の細胞が洗い流されるまでには、
入念な顕微鏡試験を繰り返し行わねばならなかった。そ
の後、スライドは、PBSに溶かした1%グルタルアル
デヒドで固定し、ポリ−LacNAcガングリオシドを
コートしたビーズの層に接着した細胞数をカウントし
た。
【0072】動的流動条件下の種々のGSLsによるE
−セレクチン依存性細胞のローリングおよび接着 上記の手順を用いて、ポリスチレン・ビーズ(4.2±
3.7%μmまたは1μm)を調製し、顕微鏡スライド
に固定した。同じモル濃度で、IHWに溶解したガング
リオシドを該スライドに固定したビーズに接触させた。
すなわち、50〜100または0.05〜0.1ngガ
ングリオシドを含む1μLの画分を、円形スポットの中
心に設置した。
【0073】スライドを、室温で1時間、3%BSA含
有PBS中に浸漬し、かつ、Ca2+/Mg2+を含むPB
Sで3回洗浄した。スライドを、注入ポンプ(モデル9
35、Harvard Apparatus、Camb
ridge、MA)に連結している平行プレート層流チ
ャンバー内に設置した。該装置は、論文(Lawrence et
al., 1990, Blood 75:227-237; Lawrence & Springer,
1991, Cell 65:859-873)によって記載されているよう
に、生理的微小血管環境の中にある流動せん断応力をシ
ミュレートする。規定速度および壁面せん断応力の層流
は、流動チャンバーの入口に連結している、注入ポンプ
の手操作によって実現する。EDTAにより培養物から
新たに採取し、洗浄し、1%FCS含有RPMI培地中
に再懸濁した、E−またはP−セレクチン発現性CHO
細胞(第2A−2E図では1×105 細胞/mL;第5
A図では2×105 細胞/mL;第5B図、第4A図お
よび第4B図では5×105 細胞/mL)を、種々の層
流速度で、装置内に注入した。細胞の動きは、倒立位相
差顕微鏡( Diaphot-TMD、ニコン)下で観察し、継時露
出撮影ビデオカセット・レコーダにより記録した。細胞
のローリングおよび接着が観察され、0.6〜12.0
dynes/cm2 のせん断応力下、2分間のローリン
グおよび接着細胞の数を、ビデオテープの少なくとも1
0視域(フィールド)でカウントした。壁面せん断応力
(T)は、論文(Lawrence et al., 1990, Blood 75:22
7-237 & Lawrence et al., 1987, Blood 70:1284-1290
)記載の下記式によって計算した:
【0074】
【数1】T=3μQ/2ba2 式中、μ=粘性係数(1.0cP)、Q=容積流速(c
m3 /秒)、a=半チャンネル高(この場合、5.7×
10-3cm)、およびb=チャンネル幅(1.3cm)
である。
【0075】蛍光分析によるE−またはP−セレクチン
とミエロローリンガングリオシドとの直接結合デモンス
トレーション 5×106 ポリスチレン・ビーズ(直径4.2±3.7
%μm)(IDC SpheresTTM;IDC,Portland, OR)を、遠
心分離によりエタノールで洗浄した。洗浄したビーズ
に、50μLのエタノール中の1μgのGSLを加え、
該混合物を窒素流下で蒸発させた。該ビーズは1%BS
A含有PBS(+)中に再懸濁し、遠心分離により2回
洗浄した。洗浄したビーズは、3%BSA含有PBS
(+)により室温で2時間ブロックした。遠心分離後、
ビーズを、1%BSAおよび0.1%アジ化物を含むP
BS(+)中に再懸濁し、4℃で貯蔵した。黄緑蛍光硫
酸化ラテックス・ビーズ(直径1μm)(Molecular Po
rbes, Inc., Portland, OR)を、ヤギの抗ヒトIgG
(Fc−フラグメント特異的)抗体(Jackson Immunore
search Lab, West Grove, PA)で、製造業者のプロトコ
ルに従って、コートした。PBSによる3回の洗浄の
後、該ビーズは、4℃で2時間、3%BSA含有PBS
でブロックした。ブロックされたビーズ(約5×1
08 )は、CHOトランスフェクト体(Handa et al.,
1995, Int. J. Oncol. 6:773-781)からのE−またはP
−セレクチン−Ig融合タンパク質含有培養上清(約1
μg/mL融合タンパク質)1.5mLと、血液ミキサ
ーを使用して4℃で、6〜18時間混合した。この混合
手順を、該融合タンパク質を含む、新しい培養上清を用
いて3回繰り返した。PBSで洗浄後、ビーズを、50
μgのヒトIgG(Jackson Immunoresearch)を含む1
mLのPBS中で培養した。対照ビーズ調製のため、融
合タンパク質の代わりに、1μg/mLのヒトIgGを
使用した。ガングリオシドでコートしたビーズは、室温
で、かつ様々な期間、蛍光性ビーズと混合した。その結
果生じた懸濁物は、フローサイトメトリー分析にかけ
た。各実験条件は、以下に詳述する。
【0076】5.2 結果 静的条件下でのE−セレクチン依存性接着 静的条件下における、E−セレクチン発現性細胞のミエ
ロローリン・ガングリオシドおよびSLeX 含有ガング
リオシドとの接着を、「材料および方法」に記載の、2
つの異なった方法によって検討した。一つの方法では、
96−ウェル・プレート表面に、ガングリオシドを直接
コートし、引き続きBSAでブロッキングし、しかも[
3H]チミジン標識したE−セレクチン発現性細胞を添
加し、抗E−セレクチン抗体存在下および不存在下で、
培養した。その結果、静的条件下においては、E−セレ
クチン発現性細胞は、SLeX −LeX をコートした表
面には結合したが、ミエロローリン(Fr.10−1、
10−2、9および12−2)をコートした表面には結
合しないことが判明した(第1A図)。結合反応におけ
るmAb E1Cの存在は、E−セレクチン発現性細胞
のSLeX −LeXでコートした表面への結合を阻害し
た。
【0077】データを第1A図に示す、本実験の追加的
詳細は、以下の通りである:50%エタノールに溶解し
た、SLeX −LeX およびポリ−LacNAcガング
リオシド(Fr.9、10−1、10−2および12−
2)を、適正に希釈し、96−ウェル・プレートのウェ
ル上にコートした(横座標に示したとおり25〜200
ng量)。ウェルは37℃にて5時間乾燥した。2つの
全く同じプレート(1および2)を以下のように調製し
た。プレート1においては、1×105 の、[3H]チ
ミジンで代謝的に標識したE−セレクチン発現性CHO
細胞を含む、RPMI50μL画分をウェルに添加し
た。プレート2においては、1×105 のE−セレクチ
ン発現性CHO細胞および抗E−セレクチンmAb E
1C(10μgIg/mL)によりプレインキュベート
したmAb E1C細胞を含む、RPMI50μL画分
をウェルに添加した。プレート1および2を、25分間
培養し、以下のように、PBSで洗浄した。各ウェルに
は、200μLのPBSを入れ、注意深く振盪し、プレ
ートは、10分間吸い取り紙の上で逆さにした。全ての
非接着細胞は、沈殿し、該吸い取り紙の上に吸収され
た。ウェル上に残った接着細胞をカウントした。細胞数
は、測定された放射能に基づいて計算した。
【0078】もう一つの方法では、ガラス顕微鏡スライ
ド上に固定したポリスチレン・ビーズ(直径1μm)を
使用した。ガングリオシドは、定量的にビーズ上に吸着
された。このマトリックスに、放射能標識してないE−
セレクチン発現性CHO細胞を加え、培養し、洗浄し、
「材料と方法」に記載した方法で、接着細胞の数をカウ
ントした。結果は、以下の通りである。SLeX −Le
X (VI3NeuAcV3FucIII3FucnLc6Cer )は、Fr.13−
1(X3NeuAcVII3FucV3FucnLc10Cer; Str.7)よりわずか
に高い細胞接着を示した。Fr.14(Str.9、1
0、11および12の混合物)は、中程度の接着(SL
eX −LeX よりわずかに低い)を示した。同じ条件下
で、Fr.10−1(VIII3NeuAcV3FucnLc8Cer; Str.
4)、Fr.10−2(VIII3NeuAcIII3FucnLc8Cer; St
r. 5) )、およびFr.12−2(X3NeuAcVII3FucnLc
10Cer)は、Fr.13−1またはFr.14よりはる
かによわい細胞接着を示した(第1B図)。内部フコシ
ル化を持たないシアロシル・ポリ−LacNAc(例え
ば、VI3NeuAcnLc6Cer; Fr. 7)は、細胞接着を示さなか
った。
【0079】第1A図および第1B図に示した、重要な
知見は次の通り。静的条件下においては、1)SLeX
−LeX はミエロローリン(Fr.13−1および1
4)よりはるかに強い接着活性を示す;2)内部α1→
3フコシル化を1つ有するシアロシル・ポリ−LacN
Ac(Fr.9、10−1、10−2および12−2)
およびフコシル化を持たないシアロシル・ポリ−Lac
NAc(Fr.7)は、ほとんどまたは全く接着活性を
示さない;および3)mAb E1Cは、E−セレクチ
ン発現性細胞のSLeX −LeX をコートした表面への
接着をブロックする。
【0080】動的流動条件下でのE−セレクチン依存性
細胞のポリスチレン・ビーズに固定されたガングリオシ
ドへの結合 上記結果とは対照的に、E−セレクチン発現性CHO細
胞のローリングおよび接着は、動的流動条件下では、F
r.10、13−1および14(それぞれ、Str.4
−5、Str.7−8およびStr.9−12を含有す
る)をコートしたビーズ上で生じた。ポリスチレン・ビ
ーズは、ガラス顕微鏡スライドに固定した。種々のガン
グリオシドを「材料と方法」に記載のとおり、コートし
た。スライドは、1%または2%のウシ血清アルブミン
含有PBS中に1時間置いてブロックし、次いで、「材
料と方法」に記載のとおり、平行層流チャンバー内に組
み立てた。E−セレクチン発現性CHO細胞を、新たに
採取し、RPMI培地内に懸濁した(1×105 細
胞)。細胞懸濁物は、流動チャンバーに連結した注入ポ
ンプに設置し、種々の層流速で、装置内に注入した。細
胞の動きを位相差顕微鏡の下で観察し、かつ、ビデオカ
セット・レコーダーで記録した。少なくとも、10顕微
鏡視域で、ローリング細胞数をカウントし、その平均数
を記録した。その結果を、第4C図に示す。
【0081】細胞ローリングは、ミエロローリン構造を
有するがSLeX エピトープを欠く、Fr.10または
Fr.14をコートしたビーズ上で最も強かった(第4
C図)。ローリングは、特に、2.4および4.8dy
nes/cm2 のせん断応力で明らかであった。SLe
X −LeX をコートしたビーズ上では、せん断応力に関
係なく、ローリングは観察されなかった。このことは、
ミエロローリンFr.13−1またはFr.14をコー
トしたビーズ上では、かなりのローリング後接着が観察
されたことと際立った対照をなすものであった。動的流
動条件下において、SLeX −LeX をコートしたビー
ズは、細胞結合をしたが、ミエロローリン・フラクショ
ンをコートしたビーズよりもより少程度であった。St
r.1または2をコートしたビーズでは、細胞接着は見
られなかった。
【0082】種々のせん断応力下、動的流動系中でのE
−セレクチン依存性の単純ローリング、ローリング後接
着、および接着については、第6A図および第6B図で
対比させた。SLeX −LeX をコートしたビーズで
は、せん断応力(12〜1.2dynes/cm2 )に
関係なく、殆どまたは全くローリングは観察されなかっ
た。少数の細胞(5以下/視域)は接着したが、ローリ
ングは示さなかった。それと対照的に、ミエロローリン
をコートしたビーズ上では、せん断応力条件下(4.8
および12dynes/cm2 )で、かなりの数の単純
ローリング細胞が見られた。単純ローリングおよびロー
リング後接着を示した細胞数は、試験した全てのミエロ
ローリン(Fr.13−1、Fr.14およびFr.1
0)において、2.4dynes/cm2 が、最も多か
った。せん断応力条件(0.6および1.2dynes
/cm2 )下で、ローリング後接着細胞数は、大きく増
加した。
【0083】第6A図および第6B図を参照し、さらに
詳細にみると、規定された壁面せん断応力条件(12、
4.8、2.4、1.2および0.6dynes/cm
2 )下における、単純ローリング細胞およびローリング
後接着細胞数は、らせん矢印つきのブロックで示した。
第6A図:パネルI、SLeX −LeX (Sdiy2)
に対する細胞接着。試験した全てのせん断応力条件下
で、ローリングは見られなかった。低レベルだがローリ
ングのない接着が、4.8〜1.2dynes/cm2
せん断応力で、観察された。壁面せん断応力は異なって
も、接着細胞数に変化は見られなかった。a,ローリン
グ細胞数;b、非ローリング性接着細胞数;パネルI
I、ガングリオシドFr.13−1(Str.7)をコ
ートしたビーズに対する単純ローリング細胞およびロー
リング後接着細胞。ローリングは2.4dynes/c
m2 で最高で、より小さいせん断応力では減少した。
a、ローリング細胞数;b、ローリング後接着細胞数。
第6B図:パネルIII、Fr.14(Str.9、1
0、11および12の混合物)でコートしたビーズに対
する単純ローリングおよびローリング後接着細胞。高い
ローリング後接着が、2.4〜1.2dynes/cm
2 で観察された。a、ローリング細胞数;b、ローリン
グ後接着細胞数。パネルIV、Str.4および5の混
合物である、Fr.10−1および10−2の混合物を
コートしたビーズに対する単純ローリング細胞およびロ
ーリング後接着細胞。ローリング後接着の最大値は、
2.4dynes/cm2 で観察された。a、ローリン
グ細胞数;b、ローリング後接着細胞数。
【0084】動的流動条件下におけるE−セレクチン発
現性細胞のローリングおよび接着 第2A〜2E図は、上記実験で得られたと同様の、せん
断応力条件下における、E−セレクチン発現性CHO細
胞のローリングおよび接着結果を示す。第2A図は、S
LeX −LeX をコートしたビーズ上では、全てのせん
断応力で、接着は見られたが、ローリング細胞は見られ
なかったことを示す。
【0085】第2B図は、Fr.12−2をコートした
ビーズ上での、細胞のローリングおよび接着結果を示
す。ローリングは、4.8dynes/cm2 で最も高
かった。ローリングおよび接着は、何れも、Fr.13
−1または14をコートしたビーズ上より、低かった
(それぞれ、第2C図および第2E図)。しかし、SL
eX −LeX をコートしたビーズ上でのそれに匹敵し
た。
【0086】第2C図は、Fr.13−1(Str.
7)をコートしたビーズ上での細胞のローリングおよび
接着結果を示す。ローリング細胞数は、4.8および
2.4dynes/cm2 で、1.2dynes/cm
2 より高かった。
【0087】第2D図は、Fr.13−1をコートした
ビーズ上での、細胞のローリングおよび接着結果を示
す。ローリング細胞数は、4.8dynes/cm2 で
最も高かった。1.2dynes/cm2 では、接着は
より高かったが、ローリングはより低かった。
【0088】第2E図は、Fr.14をコートしたビー
ズ上での、細胞のローリングおよび接着結果を示す。ロ
ーリングおよび接着は、2.4および4.8dynes
/cm2 で最も高かった。ローリングは、1.2dyn
es/cm2 で、より低かった。
【0089】ミエロローリン同族体は、生理的せん断応
力の動的流動条件下、SLeX −LeX より高いE−セ
レクチン依存性ローリングおよび接着を示した 100ngのポリ−LacNAcガングリオシド(F
r.13−1、Fr.14またはSLeX −LeX )
を、顕微鏡スライドに固定したビーズに接着し、その
後、「材料および方法」で記載した動的流動系に置い
た。この系で、種々のせん断応力下において、E−セレ
クチン発現性CHO細胞のローリングおよび接着を、測
定した。ポリ−LacNAcガングリオシドをコートし
たビーズへの、細胞接着の傾向は、4μmビーズでも1
μmビーズでも、本質的に同様であった(それぞれ、第
2C図および第2D図)。Fr.13−1またはFr.
14は、4.8または2.4dynes/cm2 で、強
いローリングおよび接着を引き起こした。ローリング細
胞数は、1.2dynes/cm2 では、より低かった
(第2C図、第2D図および第2E図)。SLeX −L
eX をコートしたビーズ上での接着細胞数は、Fr.1
3−1または14をコートしたそれよりも、かなり低か
った。SLeX −LeX をコートしたビーズでは、いか
なるローリング細胞も観察されなかった(第2A図)。
【0090】動的流動条件下、種々のガングリオシドに
対するE−セレクチン発現性細胞のローリング/接着に
関する一連の実験で、SLeX を有する構造がローリン
グを惹起しないことが明らかとなった。Fr.10およ
び14に見られるような、異なったGlcNAcで、α
1→3結合した、一つのFuc(フコース)を有するシ
アロシル・ポリ−LacNAcが、強いローリングを引
き起こした。二つのα1→3Fuc残基を有する本質的
に純粋な成分である、Fr.13−1も、また、強いロ
ーリングを惹起した。接着細胞を除いて、ローリング細
胞をカウントし、第4C図にその結果を示した。
【0091】ミエロローリン混合物は、精製ミエロロー
リンより、より強いローリングおよび接着を惹起した 第3A図、第4B図、第4C図、第5A図、第5B図、
第6A図および第6B図に示した、動的条件下におけ
る、細胞ローリングおよび接着に関するデータ(SLe
X −LeX に関するデータを除く)は、ミエロローリン
混合物に関するものである。更なる実験の結果、「ミエ
ロローリン混合物」は、精製ミエロローリンより高い、
E−セレクチン依存性ローリング後接着を惹起する能力
を示すことが、明らかになった(第2表参照)。
【0092】ミエロローリン混合物は、また、静的条件
下においても、精製ミエロローリンより強い接着活性を
有する。例えば、Str.6の純粋化合物である、F
r.11は、E−セレクチン発現性細胞との弱い接着を
示した;一方、Str.4および5の混合物である、F
r.10は、E−セレクチン発現性細胞との際立った強
い接着を示した(第3A図)。
【0093】フローサイトメトリーにより測定された、
ミエロローリンのE−およびP−セレクチンへの直接結
合 我々の先の研究において、二つのα1→3Fuc残基を
有する、ポリ−LacNAcガングリオシド(例えば、
Fr.12−3、13−1および14)は、静的条件下
においては、E−セレクチン発現性細胞との結合のみが
可能であった。内部GlcNAcに、1つのα1→3F
uc残基を有するポリ−LacNAcガングリオシド
(Fr.9、10および12−1)への、静的条件下に
おける細胞接着は、観察しなかった(Stroud et al., 1
995, Biochem. Biophys. Res. Commun. 209:777-778; S
troud et al., Biochemistry 35:758-769; Stroud et a
l.,1996, Biochemistry 35:770-778 )。これらの知見
は、その後の実験データによって、確認された(第1A
図および第1B図に示す)。
【0094】対照的に、動的流動条件下においては、内
部GlcNAcに、1つのα1→3Fuc残基を有する
ポリ−LacNAcガングリオシド(Fr.9、10お
よび12−1)は、E−セレクチン発現性細胞と結合
し、強いローリングを惹起した。これらのミエロローリ
ン・フラクションは、好中球およびHL60細胞の主要
細胞表面成分であるので、他の方法によって、それらの
E−セレクチン結合能力を確認することは、重要であ
る。
【0095】E−またはP−セレクチン結合の種々のガ
ングリオシドへの接着は、E−またはP−セレクチンを
コートした蛍光性ビーズを使用する、新規かつ鋭敏な方
法で評価した。接着は、ミエロローリンをコートしたポ
リスチレン・ビーズ、およびセレクチンをコートした蛍
光性ビーズの凝集により測定した。ガングリオシドを、
非蛍光性ポリスチレン・ビーズにコートし、次いで、E
DTAの存在または不存在下、E−またはP−セレクチ
ンをコートした蛍光性ビーズと混合した。凝集は、短く
強い攪拌下で起こるので、該過程は、「静的」でも「動
的」接着でもなく、その中で、ミエロローリンは、不動
の固相として存在した。結合は、サイトフルオロメトリ
ーによって測定した。結合指数は、ガングリオシド・フ
ラクションの平均蛍光強度(MFI)を、シアリルパラ
グロボシド(IV3NeuAcnLc4Cer )のMFIで割ったもの
として定義した。
【0096】結果は、第3A図に示すとおり。ミエロロ
ーリンをコートしたビーズのE−セレクチンをコートし
たビーズへの結合は、EDTAの存在下において、完全
に阻害された;ミエロローリンをコートしたビーズは、
P−セレクチンをコートしたビーズと結合できなかっ
た。SLeX 末端をもたず、GlcNAc−IIIおよ
びGlcNAc−Vにおいて、内部α1→3フコシル化
された、Str.4および5の混合物をコートしたビー
ズは、E−セレクチンをコートしたビーズと強く結合し
た。Fr.13−1(Str.7および8を10:1の
割合で含む)およびミエロローリンStr.9−12を
含むFr.14をコートしたビーズは、同様に、E−セ
レクチンをコートしたビーズと明白な結合を示した。こ
れと対照的に、内部フコシル化を持たない、Fr.7
(Str.1を含む)またはFr.8(Str.2を含
む)をコートしたビーズは、E−セレクチンをコートし
たビーズとの結合を示さなかった。SLeX 末端を有
し、内部α1→3フコシル化を有するStr.3をコー
トしたビーズは、予期したとおり、E−セレクチンをコ
ートしたビーズとの結合を示した。
【0097】第3B図は、抗E−セレクチン抗体の、E
−セレクチンをコートしたビーズと種々のミエロローリ
ン・フラクションをコートしたビーズとの結合に対す
る、抑制効果を示す。E1Cは、HL60細胞へのE−
セレクチン結合に対する抑制効果に基づいて選択され
た、抗E−セレクチンmAbsの一つである。結合反応
における、mAB E1Cの含有は、E−セレクチンを
コートしたビーズと被験ガングリオシドの何れかをコー
トしたビーズとの結合を、本質的に阻害する(第3B
図)。
【0098】異なったGlcNAc残基においてα1→
3結合したフコシルを有する2つのポリ−LacNAc
ガングリオシドによる、強化された細胞接着およびロー
リング 第5A図および第5B図は、E−セレクチン発現性細胞
の接着およびローリングに対するミエロローリンの併用
による相乗効果を示す。Fr.10−1および10−2
は、それぞれ、GlcNAc−VおよびGlcNAc−
IIIにα1→3フコシル化を有するポリ−LacNA
cガングリオシドである。100ngのどちらか一方の
フラクションをコートしたビーズは、4.8および2.
4dynes/cm2 で、同等の細胞ローリングおよび
接着を惹起した(第5A図、プロット1および2)。F
r.10−1および10−2の各50ngの混合物でコ
ートしたビーズは、これらと同じせん断応力下におい
て、より高い細胞ローリングおよび接着を惹起した(プ
ロット3)。三つのプロット間の相違の統計学的有意性
(対応のないスチューデントのt−検定からのP値)
は、第5A図の挿入表に示した。
【0099】細胞ローリングおよび接着に対する、F
r.10−1およびFr.10−2の混合物の、何れか
一方のフラクションだけと比較した相乗効果は、Fr.
10−1およびFr.10−2を1000倍低い濃度で
使用した時、より明らかであった(第5B図)。Fr.
10−2は、この低レベル(0.1ng/スポット)に
おいて、なお、いくらかの細胞ローリングおよび接着を
引き起こしたが(第5B図、プロット2)、Fr.10
−1は、起こさなかった(プロット1)。これとは対照
的に、Fr.10−1および10−2の各0.05ng
の混合物は、生理的せん断応力下(2.4〜4.8dy
nes/cm2 )、かなりの細胞ローリングおよび接着
を惹起した(プロット3)。プロット間の統計学的有意
性(対応のないスチューデントのt−検定からのP値)
は、第5B図の挿入表に示した。
【0100】SLeX −LeX 並びにFr.10−1お
よびFr.10−2の混合物の、低濃度での細胞ローリ
ングおよび接着の比較 第4A図は、0.05ngのSLex −Lex (静的条
件下においては、最も強い接着を引き起こした化合物)
は、二つの反復実験(プロット1および2)で、動的条
件下において、ローリングも接着も惹起しなかったこと
を示している。対照的に、第4B図は、Fr.10−1
およびFr.10−2の各0.05ngは、同じせん断
応力下で、高い細胞ローリングおよび接着を惹起したこ
とを示している(プロット1および2)。更に実験を重
ねた結果、0.1ngのSLeX−LeX は、細胞ロー
リングおよび接着を惹起しないことを示した。
【0101】5.3 討議 炎症性刺激に対する反応における、ECs上のE−およ
びP−セレクチンの発現は、ECsと好中球および他の
白血球との相互作用を引き起こし、ローリング後接着お
よび白血球の経内皮遊走をもたらす。E−セレクチン依
存性ローリング後接着およびE−セレクチン依存性接着
は、E−セレクチンにより、白血球上に発現されるSL
eX エピトープの認識が、仲介すると考えられていた。
この概念は、種々の観察に基づいていたが、しかし、好
中球上に存在する、真の糖質エピトープについての絶対
的化学的同定を含んではいなかった。ヒト好中球、他の
白血球および白血病性白血球株細胞(HL60およびU
937)は、以前にはSLeX に結合すると主張され
た、種々のmAbsと強い反応性を示した。しかしなが
ら、これら細胞に、化学的に検出できるSLeX の量
は、極端に小さい。白血病性白血球の、N−結合構造の
メチル化側鎖に対するプラスイオンFABMSは、わず
かに検出できるSLeX をあらわす構造、m/z999
シグナルを与えた(Fukuda et al., 1984, J. Biol. Ch
em. 259:10925-10935 )。好中球または骨髄性白血病細
胞のN−またはO−結合構造の側鎖中のSLex の存在
は、推定されていたが(Asada et al., 1991, Biochemi
stry 30:1561-1571; Patel et al.,1994, Biochemistry
33:14815-14824)、しかし、絶対的化学的分析によっ
ては裏付けられていなかった。
【0102】正常ヒト白血球および前骨髄球性白血病H
L60細胞のガングリオシドに関する、我々の最近の系
統的な研究は、10糖以上のコアを有する非分枝モノシ
アロガングリオシドのみが、E−セレクチン結合の原因
となることを示唆した(Stroud et al., 1995, Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 209:777-787 )。種々のタ
イプのヒト固形癌中に豊富に存在しているSLeX 構造
を有するガングリオシド(例えば、IV3NeuAcIII3FucnLc
4Cer、VI3NeuAcV3FucnLc6Cer、VI3NeuAcV3FunIII3FucnL
c6Cer )(Yang and Hakomori, 1971 J. Biol. Chem. 2
46:1192-1200; Fukushi et al., 1984, J. Biol. Chem.
259:10511-10517)は、白血球およびHL60細胞には
全く存在しなかった。8−、10−、または12−糖コ
アを有する、長鎖のPLA脂質の中には、内部フコシル
化を持たず、SLeX エピトープを有する構造(例え
ば、VIII3NeuAcVII3FucnLc8Cer、 X3NeuAcIX3FucnLc10C
er、 XII3NeuAcXI3FucnLc12Cer)は、全く存在しなかっ
た。その代わり、内部フコシル化を有しSLeX を持
つ、微量成分が存在した(例えば、X3NeuAcIX3FucVII3F
ucnLC10Cer)(Stroud et al., 1995, Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 209:777-787 )。白血球およびHL6
0細胞に存在する、主要構造は、末端α2→3シアリル
化および内部α1→3フコシル化を有する、一連の非分
枝長鎖PLAsであった。代表的構造A、B、C、D、
XおよびYを以下に示す:
【0103】
【化21】式中、→は、共有結合を示し、Rは、セラミ
ド残基である。
【0104】構造Aは、Str.4および6に共通であ
る。構造Bは、Str.5および10に共通である。構
造Cは、Str.7および11に共通である。構造D
は、Str.12の中に見出せる。これら4つの構造
は、何れもSLeX エピトープを含有しない。
【0105】構造Aは、先に、慢性骨髄性白血病細胞
(Fukuda et al.,1984, J. Biol. Chem. 259:10925-109
35)およびヒト結腸ガンから単離したガングリオシド中
に発見され、ACFH−18抗原として同定された(Nu
delman et al., 1988, J. Biol. Chem. 263:13942-1395
1)。構造Aは、また、mAb「VIM−2」により決
められるものとして同定され(Macher et al., 1988,
J. Biol. Chem. 263:10186-10191 )、しかも、一時
は、E−セレクチン結合性エピトープであると主張され
た(Tiemeyer et al., 1991, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88:1138-1142)。しかしながら、VIM−2−陽
性、SLeX −陰性CHO細胞は、E−セレクチン依存
性接着を示さなかったので(Lowe et al, 1991, J. Bio
l. Chem. 266:17467-17477; Walz et al., 1990, Scien
ce 250:1132-1135)、VIM−2エピトープは、かかる
接着とは、関係がないように思われる。VIM−2抗原
が有力なE−セレクチン・リガンドである可能性は、V
IM−2抗体が、接着をブロックできなかったという事
実、およびSLeX 構造を含まず、VIM−2抗原を含
む細胞が、組み換え型のE−セレクチンとも活性化内皮
細胞とも結合できなかったという事実によって、否定さ
れた(Lowe et al., 1991, J. Biol. Chem. 266:17467-
17477; Walz et al., 1990, Science 250:1132-1135
)。事実、VIM−2エピトープを有するガングリオ
シドStr.4および6は、静的条件下で、識別できる
接着は示さなかった。
【0106】我々は、ここに、ガングリオシドをコート
したラテックス・ビーズとE−またはP−セレクチン−
Ig融合タンパク質をコートした蛍光性ビーズとの間の
相互作用に基づく、新規実験を導入する。該相互作用
は、適正なゲート操作によるフローサイトメトリーによ
って容易にモニターできる。本実験を用いて、Fr.1
0−1および10−2の混合物(Str.4および5を
含む)、Fr.13−1(主として、Str.7を含
む)、およびFr.14(主要成分として、Str.9
および11を含む)は、E−セレクチンと強力に結合す
ることを発見した。特に重要なことは、異なったタイプ
のミエロローリン混合物が、ローリング後接着を非常に
増進することを観察したことである。これは、フローサ
イトメトリー法のみでなく、動的流動チャンバー内での
細胞接着によっても、明白に実証された(第2表参
照)。
【0107】
【表3】
【0108】要約すると、Str.1および2(内部フ
コシル化を持たない)は、E−セレクチンをコートした
表面が何であれ、結合しなかった。これらフラクション
の中で、唯一Fr.13−1は、微量のStr.8(末
端にSLeX 決定基を有するが、更に、内部フコシル化
も有する)を含有していた。その他のE−セレクチン結
合性フラクションは、いずれもSLeX エピトープを含
まなかった。Str.3(結腸ガン、胃ガン、および肺
ガンなどのヒト固形ガン中に豊富に存在する)は、SL
eX および内部フコシル化を有し、E−セレクチンをコ
ートした表面と結合した。
【0109】末端がα2→3シアリル化され、かつ内部
がα1→3フコシル化されたPLAsを有する、モノシ
アロガングリオシドは、好中球および骨髄性白血病細胞
の主要成分であり、「ミエロローリン」と総称される。
以前に、SLeX 決定基に結合すると同定された、mA
bs FH6(Fukushi et al., 1984, J Biol. Chem.
259:10511-10517)、CSLEX(Fukushima et al., 1
984, Cancer Res. 44:5279-5285)、並びにSNH3お
よびSNH4(Muroi et al., 1992, Blood 79:713-71
9)は、全てのミエロローリンと反応することが判明し
た。SLeX に特異的な、すなわち、ミエロローリンと
交差反応しないmAbsはなかった。これらmAbsの
特異性は、なお、究明中である。
【0110】我々は、動的流動および静的条件下におい
て、顕微鏡スライドに固定した、ガングリオシドをコー
トしたラテックス・ビーズに対する、E−およびP−セ
レクチン発現性CHO細胞のローリングおよび接着を比
較した。ミエロローリン(Fr.10−1とFr.10
−2の混合物、Fr.13−1またはFr.14)だけ
が、動的流動条件下で、細胞のローリング後接着を引き
起こした。Fr.10および14(微量のSLeX も含
まず、ミエロローリンだけからなる)は、特に0.6〜
2.4dynes/cm2 のせん断応力下で、最も強い
ローリングおよび接着効果を示した。Str.3(内部
フコシル化されたSLeX エピトープを有する)は、低
レベルの接着は引き起こしたが、細胞のローリングは引
き起こさなかった。静的条件下においては、対照的に、
Str.3は、ミエロローリンよりはるかに高い接着を
惹起した。
【0111】細胞ローリング後接着(ローリングに続く
接着)は、セレクチン依存性ローリングおよび接着の特
徴的特質と考えられるので、我々は、Str.4、5、
7、10、11等により例証したように、ミエロローリ
ンは、ECs上でのセレクチン発現によって仲介され
る、白血球の接着において主要な役割を演ずると推定し
た。この結論は、次の事実に基づいてなされた:すなわ
ち、(i)ミエロローリンは、好中球およびHL60細
胞に存在する主要構造である。(ii)ミエロローリン
だけが(内部フコシル化の有無に関係なく、SLeX で
はなく)細胞ローリング後接着を引き起こした。(ii
i)内部フコシル化のないSLeX は、好中球およびH
L60細胞には全く存在しない。
【0112】我々の研究において、静的条件下、末端α
2→3シアリル化および多数の内部α1→3ポリフコシ
ル化を有するフラクション(例えば、上記構造Cおよび
D、またはこれら構造の混合物)だけが、32P−標識さ
れた、永続的E−またはP−セレクチン発現性CHO細
胞を用いた、TLC重層技術応用下において、明らかな
E−セレクチン結合を示した。末端α2→3シアリル化
および内部α1→3モノフコシル化を有するポリ−La
cNAc(例えば、構造AおよびB)は、これら条件下
では、E−セレクチン結合を示さなかった。これらの結
合特性は、ガラス・プレートに固定した、糖脂質をコー
トしたポリスチレン・ビーズ上に重層した、E−セレク
チン発現性CHO細胞を使用する、静的接着実験システ
ムにおいて確認された。典型的なSLeX 構造を有する
糖脂質(SLeX −LeX ;VI3NeuAcV3FucIII3FucnLc6
Cer )は、静的系において、最も高い接着を示した。対
照的に、ガラス・プレートに固定した、同じ糖脂質をコ
ートしたビーズを使用した、動的流動系において、SL
eX −LeX は、全くローリングは起こさず、Fr.1
0−1、10−2、13−1および14に比べて、弱い
接着しか引き起こさなかった。強い細胞ローリングおよ
び接着は、構造XおよびYを使用した時に観察された。
典型的な例は、Fr.10−1、10−2、Fr.13
−1およびFr.14(構造A、B、CおよびDの混合
物)であり、また、生理的せん断応力条件下で、強いロ
ーリングおよび接着を引き起こした。
【0113】ミエロローリン構造の混合物(例えば、F
r.14)が、生理的せん断応力下において、最も強い
ローリングおよび接着を惹起するという発見を得て、我
々は、Fr.10−1、Fr.10−2およびFr.1
0−1と10−2の等量の混合物を、更に念入りに究明
した。生理的せん断応力下において、100ngの純粋
Fr.10−1およびFr.10−2が惹起したローリ
ングおよび接着は、相互に同等であった。興味深いこと
に、これら二つの成分、各50ngの混合物は、特に、
生理的せん断応力下において、はるかに高いローリング
および接着を引き起こした。この傾向は、より少ない量
の糖脂質を使用した時、さらに明白であった。最も劇的
な強化は、0.1ngの何れかの成分だけを使用した時
に比較して、それぞれ0.05ngのFr.10−1お
よび10−2を使用した時に見られた。これらの知見
は、非常に少量のFr.10−1および10−2でも、
互いに影響し合って、動的流動条件下において、E−セ
レクチンがローリングおよび接着を惹起するのに、好適
な構造を形成することを示唆している。この相乗的効果
のメカニズムは、未知のままである。
【0114】静的条件下で、最も強いE−セレクチン依
存性接着を引き起こす、SLeX −LeX 構造は、動的
流動条件下においては、ミエロローリン構造より、弱か
った(第2A図と第2C図、第2D図および第2E図を
比較のこと)。この相違は、非常に低い濃度において、
更に、際立っていた。SLeX −LeX は、0.05n
gの濃度において、本質的に細胞ローリングおよび接着
を惹起しなかった(第4A図)、ところが、Fr.10
−1および10−2の混合物(それぞれ0.05ng、
0.05ngのSLeX −LeX と同じモル濃度を与え
る)は、強いローリングおよび接着を惹起した(第4B
図)。Fr.10−1および10−2の混合物による強
化は、いずれか一方のフラクションだけの場合と比較し
て、高濃度(50〜100ng)時よりむしろ、低濃度
(例えば、0.05〜0.1ng)時により明白であっ
た。Fr.10−1および10−2の効果と対照的に、
SLeX −LeX は、低濃度(例えば、0.05〜0.
1ng)でのE−セレクチン発現性細胞のいかなるロー
リングまたは接着も惹起しなかった。
【0115】これらの結果は、SLeX −LeX よりむ
しろ、ミエロローリンが、生理的動的流動条件下におけ
る、血管内皮細胞上の骨髄細胞のE−セレクチン依存性
ローリングおよび接着に対する、主要リガンドであるこ
とを示している。
【0116】我々の結果は、また、何故、異なった位置
のα1→3フコシル化および末端シアリル化を有する、
一連のポリ−LacNAc構造が、好中球表面に存在
し、かつ配列を形成するのか、という疑問に対する説明
を暗示している。特異的構造の組み合わせは、高−、中
−または低−せん断応力動的流動条件下において、最適
条件でE−セレクチンと結合するために、高−、中−ま
たは低−親和性結合部位を形成するのかもしれない。ポ
リ−LacNAcが、らせん構造を形成することは、知
られている。ミエロローリンおよびミエログリカンは、
多数または一個のフコシル残基が結合し、かつ異なった
方向に配向している、らせん骨格構造を有しているかも
しれない。かかるらせん構造は、フコシル残基の位置に
基づいて、互いに影響し合うことができた。
【0117】本研究を通して、試験したガングリオシド
が何であれ、P−セレクチン依存性結合は、上記のフロ
ーサイトメトリー法によっても、また、P−セレクチン
発現性CHO細胞のガングリオシドをコートしたプレー
トへの接着によっても、静的または動的流動条件下何れ
においても、観察されなかった。P−セレクチン依存性
接着は、特異的糖質構造に加えて、明らかに「PSGL
−1類似の」集合分子を要求する(Handa et al., 199
5, Int. J. Oncol. 6:773-781; Sako et al., 1993, Ce
ll 75:1179-1186)。P−セレクチン結合のために、要
求される糖質エピトープに関する、より進んだ研究は進
行中である。
【0118】ミエロローリンのポリラクトサミン鎖上の
シアル酸(SA)およびフコシル残基(Fuc)の組立
に関する、三つのあり得るスキームを第7図に示した。
反復的なGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ
1→4GlcNAcβ1→3Galは、らせん構造を形
成する(Atkins et al., Polymer 15:263-271, 1974;Re
es DA, MTP Intl Review of Science 5:1-42, 1975; Ni
emann et al., Biochem Biophys Res Commun 81:1286-1
293, 1978)。二重または三重のらせん構造が、水素結
合を通して形成される可能性は高い(Rees DA, MTP Intl
Review of Science 5:1-42, 1975; Frey-Wyssling A.,
Submicroscopic morphology of protoplasm, Elsevier
Publ. Co., Amsterdam, 1953)。スキームAは、一個の
Fucを異なった内部GlcNAc残基に有する二つの
ミエロローリン分子が取りうる二重らせん会合である
(位置は、1および2で示した;Fuc残基は、「Fu
c1」および「Fuc2」で示した)(第7図、パネル
A)。スキームB:それぞれ二個のFuc残基を有す
る、二個の同一ミエロローリン分子が取りうる二重らせ
ん会合;位置1および2に一つづつ;残基は、上記のよ
うに、「Fuc1」および「Fuc2」で示した(第7
図、パネルB)。スキームCは、末端から二番目のGl
cNAcにFuc「X」を有するSLeX の配置である
(第7図、パネルC)。
【0119】動的流動条件下でのE−セレクチン発現性
細胞のローリング/接着は、恐らく、SAおよびFuc
の立体的配置および相互関係によって、すなわち;らせ
んポリラクトサミン骨格に沿った、これらの角度差およ
び配向性によって支配される。
【0120】らせん骨格の軸に沿って見た、SAおよび
Fuc間のあり得る配置および相互関係は、第7図のパ
ネルDに示した(IはスキームAと;IIはスキームB
と;IIIはスキームCと対応する)。異なったFuc
位置を有する二個のミエロローリン分子間に形成されて
いる(Fuc1[黒]およびFuc2[白])配置I
は、Fr.10−1および10−2の混合物によって例
証されたように、ローリングおよび接着能力を大いに高
めるであろう。恐らく、Fuc1およびFuc2は、図
示されたように、らせんポリラクトサミン骨格に沿って
対称の位置にある。
【0121】スキームBの様に会合し、かつ軸に沿って
見たときIIの様にみえる、ミエロローリン分子間のロ
ーリングおよび接着能力は、スキームAのように会合し
た二個の分子の場合と殆ど同じである。恐らく、二個の
分子上の、Fuc1およびFuc2は、IIに示したと
おり、対称の位置にある。
【0122】SLeX は、非常に異なった配置を有し
(スキームC;図III)、ローリングを惹起できない
のであろう。
【0123】本発明の好ましい実施態様については、図
解し、かつ詳述したが、本発明の意図するところおよび
範囲から離脱せず、種々の変更が可能であることが理解
されるだろう。
【0124】種々の出版物を、本明細書で引用してお
り、その開示事項は、そっくりそのまま参考文献として
組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1A図。 静的条件下における、E−セレク
チン発現性CHO細胞の、種々の量のポリ−LacNA
cガングリオシドでコートした96−ウエル・プレート
のウエルへの接着。各点は、3重実験の平均実験値マイ
ナス対照値を表す。記号「●」は、SLeX −LeX を
表す。他の記号は、Fr.9、10−1、10−2、1
2−2を表す。
【図2】第1B図。 静的条件下における、E−セレク
チン発現性CHO細胞の、種々のポリ−LacNAcガ
ングリオシドでコートしたポリスチレン・ビーズ(直径
1μm)への接着。各点は、1実験の結果を表す。水平
線は、算術平均を示す。
【図3】〜
【図7】第2A〜2E図。 動的流動条件下における、
E−セレクチン発現性CHO細胞の、種々のガングリオ
シド(GSL)でコートしたポリスチレン・ビーズへの
ローリングおよび接着。ガングリオシドは、材料と方法
の章に記載した、ガラス顕微鏡スライドに固定したビー
ズに定量的に吸着させた。ガラス・プレートに固定した
ポリスチレン・ビーズは、動的流動に耐性がある。スラ
イドは、2%BSAを含むPBS中、室温で1時間培養
することによってブロックして、平行板層流チャンバー
中に組み立てた。E−セレクチン発現性CHO細胞は、
新規に採取し、RPMI培地(1×105 細胞/mL)
に懸濁した。細胞懸濁物は、層流チャンバーと連結した
注入ポンプ中におき、種々の層流速度で該装置に注入し
た。細胞の動きは、位相差顕微鏡で観察し、ビデオカセ
ットレコーダーに記録した。4または5の異なるせん断
応力(dyne/cm2 ;横軸参照)で、少なくとも1
0の顕微鏡視野で見られた、ローリング細胞の数(○)
並びにローリングおよび接着細胞の合計数(●)をプロ
ットした。各図で、円の数は4を超えても単に4で表し
た。
【図3】第2A図。 SLeX −LeX でコートした4
μmビーズ上での細胞のローリング・接着。
【図4】第2B図。 Fr.12−2でコートした4μ
mビーズ上での細胞のローリング・接着。
【図5】第2C図。 Fr.13−1でコートした4μ
mビーズ上での細胞のローリング・接着。
【図6】第2D図。 Fr.13−1でコートした1μ
mビーズ上での細胞のローリング・接着。
【図7】第2E図。 Fr.14でコートした1μmビ
ーズ上での細胞のローリング・接着。
【図8】第3A図。 静的条件下における、E−セレク
チンでコートしたビーズの、種々のガングリオシドでコ
ートしたビーズへの接着。白い柱は、E−セレクチンで
コートしたビーズ;薄い影付の柱は、5mMのEDTA
存在下E−セレクチンでコートしたビーズ;濃い影付の
柱は、P−セレクチンでコートしたビーズ;黒い柱は、
ヒトIgGでコートしたビーズ。
【図9】第3B図。 種々のミエロローリン・フラクシ
ョンでコートしたビーズと結合するE−セレクチンでコ
ートしたビーズに対する、抗−E−セレクチン抗体の抑
制効果。白い柱は、対照マウスIgGでプレインキュベ
ートした、E−セレクチンでコートしたビーズ;黒い柱
は、mAb E1Cでプレインキュベートした、E−セ
レクチンでコートしたビーズ。
【図10】〜
【図12】第4A〜4C図。 動的流動条件下におけ
る、非常に少量のSLeX −LeXまたはフラクション
10−1およびフラクション10−2でコートしたビー
ズ上での、E−セレクチン発現性CHO細胞のローリン
グおよび接着。
【図10】第4A図。 プロット1。 7.7、3.1
および1.5dynes/cm2のせん断応力におけ
る、0.05ngのSLeX −LeX でコートしたビー
ズ上での、E−セレクチン発現性CHO細胞のローリン
グおよび接着の合計(●)並びにローリング(○)。
プロット2。 プロット1と同一条件下での反復実験。
【図11】第4B図。 プロット1。 各0.05ng
のFr.10−1および10−2の混合物(注:これ
で、分子数は0.05ngのSLeX −LeX と同じに
なる。SLeX −LeX の分子量が、Fr.10−1お
よび10−2の2倍だから。)でコートしたビーズ上で
の、E−セレクチン発現性CHO細胞のローリングおよ
び接着の合計(●)並びにローリング(○)。第4A図
と同一のせん断応力。プロット2。 プロット1と同一
条件下での反復実験。
【図12】第4C図。 動的流動条件下における、E−
セレクチン発現性CHO細胞のローリング。異なるせん
断応力の動的流動系における、種々のガングリオシド
(各100ng)でコートしたビーズ(直径4μm)上
でのローリング細胞数の平均値。縦軸: ローリング細
胞の数(注:接着細胞数を含む)。横軸: 壁面せん断
応力(dynes/cm2 )。各せん断応力のグループ
において、柱は、ビーズをコートするのに使用した材料
と関係し、左から右に、SLeX −LeX ;Fr.10
(Fr.10−1と10−2の混合物);Fr.13−
1;およびFr.14。
【図13】〜
【図14】第5A図および第5B図。 動的流動条件下
における、Fr.10−1、Fr.10−2並びに10
−1および10−2の混合物でコートしたビーズ上で
の、E−セレクチン発現性CHO細胞のローリングおよ
び接着。
【図13】第5A図。 (プロット1)100ngのF
r.10−1;(プロット2)100ngのFr.10
−2;(プロット3)各50ngのFr.10−1およ
び10−2の混合物でコートしたビーズ上での、E−セ
レクチン発現性CHO細胞のローリングおよび接着の合
計(●)並びにローリング(○)。ガングリオシドは、
1μmのビーズに吸着した。2.4および4.8dyn
es/cm2 のせん断応力に対する値を図示した。種々
のデータ群間の差異に統計学的有意性があるかどうか
は、対応のないスチューデントのt−検定によって評価
し、P値は、挿入表に要約した。
【図14】第5B図。 (プロット1)0.1ngのF
r.10−1;(プロット2)0.1ngのFr.10
−2;(プロット3)各0.05ngのFr.10−1
および10−2の混合物でコートしたビーズ上での、E
−セレクチン発現性CHO細胞のローリングおよび接着
の合計(●)並びにローリング(○)。ガングリオシド
は、1μmのビーズに吸着した。3つの異なるせん断応
力値を図示した。ローリング/接着は、このように低い
ガングリオシド濃度でも惹起された。ローリングおよび
接着細胞の数は、ガングリオシド混合物(プロット3)
で最大となった。P値は、第5A図と同様、挿入表に要
約した。
【図15】〜
【図16】第6A図および第6B図。 動的流動条件下
における、種々のガングリオシドでコートしたビーズに
対する、E−セレクチン発現性CHO細胞の接着および
ローリング後接着。
【図17】第7図。 シアロシル残基(SA)およびポ
リラクトサミン鎖上異なる位置の内部GlcNAcにつ
くフコシル残基(Fuc1およびFuc2)の、可能性
のある立体的配置。 パネルA: 異なる位置にFuc1またはFuc2を有
するモノフコシルガングリオシド(例えば、Str.4
および5またはStr.9および10)の2重螺旋構造
の、可能性のある配置。この構造を、SAの存在する末
端側から見ると、SAおよびFuc1、Fuc2の立体
的配置は、パネルDのIのように見えるだろう。 パネルB: 位置は異なるが同じポリラクトサミン鎖に
Fuc1およびFuc2を有するジフコシルガングリオ
シド(例えば、Str.7,Str.11)の2重螺旋
構造の、可能性のある配置。この構造を、SAの存在す
る末端側から見ると、SA並びにFuc1および2の立
体的配置は、パネルDのIIのように見えるだろう。 パネルC: Fucが末端から2番目のGlcNAcに
ある(Fuc x)、SLeX 構造。SAとFuc x
の間の位置関係は、パネルDのIIIのように見える。 パネルD: パネルA〜Cに図示したガングリオシドを
末端側から見た図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】静的条件下における、E−セレクチン発現性C
HO細胞の、種々の量のポリ−LacNAcガングリオ
シドでコートした96−ウエル・プレートのウエルへの
接着。各点は、3重実験の平均実験値マイナス対照値を
表す。記号「●」は、SLex−Lexを表す。他の記
号は、Fr.9、10−1、10−2、12−2を表
す。(図1を、発明の詳細な説明の項では、第1A図と
表記した。)
【図2】静的条件下における、E−セレクチン発現性C
HO細胞の、種々のポリ−LacNAcガングリオシド
でコートしたポリスチレン・ビーズ(直径1μm)への
接着。各点は、1実験の結果を表す。水平線は、算術平
均を示す。(図2を、発明の詳細な説明の項では、第1
B図と表記した。)
【図3】動的流動条件下における、E−セレクチン発現
性CHO細胞の、種々のガングリオシド(GSL)でコ
ートしたポリスチレン・ビーズへのローリングおよび接
着。ガングリオシドは、材料と方法の章に記載した、ガ
ラス顕微鏡スライドに固定したビーズに定量的に吸着さ
せた。ガラス・プレートに固定したポリスチレン・ビー
ズは、動的流動に耐性がある。スライドは、2%BSA
を含むPBS中、室温で1時間培養することによってブ
ロックして、平行板層流チャンバー中に組み立てた。E
−セレクチン発現性CHO細胞は、新規に採取し、RP
MI培地(1×105細胞/mL)に懸濁した。細胞懸
濁物は、層流チャンバーと連結した注入ポンプ中にお
き、種々の層流速度で該装置に注入した。細胞の動き
は、位相差顕微鏡で観察し、ビデオカセットレコーダー
に記録した。4または5の異なるせん断応力(dyne
/cm2 ;横軸参照)で、少なくとも10の顕微鏡視
野で見られた、ローリング細胞の数(〇)並びにローリ
ングおよび接着細胞の合計数(●)をプロットした。各
図で、円の数は4を超えても単に4で表した。(以上、
図4〜7についても、同じ) SLex−Lexでコートした4μmビーズ上での細胞
のローリング・接着。(図3を、発明の詳細な説明の項
では、第2A図と表記した。)
【図4】Fr.12−2でコートした4μmビーズ上で
の細胞のローリング・接着。(図4を、発明の詳細な説
明の項では、第2B図と表記した。)
【図5】Fr.13−1でコートした4μmビーズ上で
の細胞のローリング・接着。(図5を、発明の詳細な説
明の項では、第2C図と表記した。)
【図6】Fr.13−1でコートした1μmビーズ上で
の細胞のローリング・接着。(図6を、発明の詳細な説
明の項では、第2D図と表記した。)
【図7】Fr.14でコートした1μmビーズ上での細
胞のローリング・接着。(図7を、発明の詳細な説明の
項では、第2E図と表記した。)
【図8】静的条件下における、E−セレクチンでコート
したビーズの、種々のガングリオシドでコートしたビー
ズへの接着。白い柱は、E−セレクチンでコートしたビ
ーズ;薄い影付の柱は、5mMのEDTA存在下E−セ
レクチンでコートしたビーズ;濃い影付の柱は、P−セ
レクチンでコートしたビーズ;黒い柱は、ヒトIgGで
コートしたビーズ。(図8を、発明の詳細な説明の項で
は、第3A図と表記した。)
【図9】種々のミエロローリン・フラクションでコート
したビーズと結合するE−セレクチンでコートしたビー
ズに対する、抗−E−セレクチン抗体の抑制効果。白い
柱は、対照マウスIgGでプレインキュベートした、E
−セレクチンでコートしたビーズ;黒い柱は、mAb
E1Cでプレインキュベートした、E−セレクチンでコ
ートしたビーズ。(図9を、発明の詳細な説明の項で
は、第3B図と表記した。)
【図10】動的流動条件下における、非常に少量のSL
ex−Lexまたはフラクション10−1およびフラク
ション10−2でコートしたビーズ上での、E−セレク
チン発現性CHO細胞のローリングおよび接着。(以
上、図11〜12についても、同じ) プロット1。 7.7、3.1および1.5dynes
/cm2のせん断応力における、0.05ngのSLe
x−Lexでコートしたビーズ上での、E−セレクチン
発現性CHO細胞のローリングおよび接着の合計(●)
並びにローリング(○)。 プロット2。 プロット1
と同一条件下での反復実験。(図10を、発明の詳細な
説明の項では、第4A図と表記した。)
【図11】プロット1。 各0.05ngのFr.10
−1および10−2の混合物(注:これで、分子数は
0.05ngのSLex−Lexと同じになる。SLe
x−Lexの分子量が、Fr.10−1および10−2
の2倍だから。)でコートしたビーズ上での、E−セレ
クチン発現性CHO細胞のローリングおよび接着の合計
(●)並びにローリング(○)。図10と同一のせん断
応力。 プロット2。プロット1と同一条件下での反復
実験。(図11を、発明の詳細な説明の項では、第4B
図と表記した。)
【図12】動的流動条件下における、E−セレクチン発
現性CHO細胞のローリング。異なるせん断応力の動的
流動系における、種々のガングリオシド(各100n
g)でコートしたビーズ(直径4μm)上でのローリン
グ細胞数の平均値。縦軸:ローリング細胞の数(注:接
着細胞数を含む)。横軸: 壁面せん断応力(dyne
s/cm2)。各せん断応力のグループにおいて、柱
は、ビーズをコートするのに使用した材料と関係し、左
から右に、SLex−Lex;Fr.10(Fr.10
−1と10−2の混合物);Fr.13−1;およびF
r.14。(図12を、発明の詳細な説明の項では、第
4C図と表記した。)
【図13】動的流動条件下における、Fr.10−1、
Fr.10−2並びに10−1および10−2の混合物
でコートしたビーズ上での、E−セレクチン発現性CH
O細胞のローリングおよび接着。(以上、図14につい
ても、同じ) (プロット1)100ngのFr.10−1;(プロッ
ト2)100ngのFr.10−2;(プロット3)各
50ngのFr.10−1および10−2の混合物でコ
ートしたビーズ上での、E−セレクチン発現性CHO細
胞のローリングおよび接着の合計(●)並びにローリン
グ(○)。ガングリオシドは、1μmのビーズに吸着し
た。2.4および4.8dynes/cm2のせん断応
力に対する値を図示した。種々のデータ群間の差異に統
計学的有意性があるかどうかは、対応のないスチューデ
ントのt−検定によって評価し、P値は、挿入表に要約
した。(図13を、発明の詳細な説明の項では、第5A
図と表記した。)
【図14】(プロット1)0.1ngのFr.10−
1;(プロット2)0.1ngのFr.10−2;(プ
ロット3)各0.05ngのFr.10−1および10
−2の混合物でコートしたビーズ上での、E−セレクチ
ン発現性CHO細胞のローリングおよび接着の合計
(●)並びにローリング(○)。ガングリオシドは、1
μmのビーズに吸着した。3つの異なるせん断応力値を
図示した。ローリング/接着は、このように低いガング
リオシド濃度でも惹起された。ローリングおよび接着細
胞の数は、ガングリオシド混合物(プロット3)で最大
となった。P値は、図13と同様、挿入表に要約した。
(図14を、発明の詳細な説明の項では、第5B図と表
記した。)
【図15】動的流動条件下における、種々のガングリオ
シドでコートしたビーズに対する、E−セレクチン発現
性CHO細胞の接着およびローリング後接着。(図15
を、発明の詳細な説明の項では、第6A図と表記し
た。)
【図16】動的流動条件下における、種々のガングリオ
シドでコートしたビーズに対する、E−セレクチン発現
性CHO細胞の接着およびローリング後接着。(図16
を、発明の詳細な説明の項では、第6B図と表記し
た。)
【図17】シアロシル残基(SA)およびポリラクトサ
ミン鎖上異なる位置の内部GlcNAcにつくフコシル
残基(Fuc1およびFuc2)の、可能性のある立体
的配置。 パネルA: 異なる位置にFuc1またはFuc2を有
するモノフコシルガングリオシド(例えば、Str.4
および5またはStr.9および10)の2重螺旋構造
の、可能性のある配置。この構造を、SAの存在する末
端側から見ると、SAおよびFuc1、Fuc2の立体
的配置は、パネルDのIのように見えるだろう。 パネルB: 位置は異なるが同じポリラクトサミン鎖に
Fuc1およびFuc2を有するジフコシルガングリオ
シド(例えば、Str.7,Str.11)の2重螺旋
構造の、可能性のある配置。この構造を、SAの存在す
る末端側から見ると、SA並びにFuc1および2の立
体的配置は、パネルDのIIのように見えるだろう。 パネルC: Fucが末端から2番目のGlcNAcに
ある(Fuc x)、SLex構造。SAとFuc x
の間の位置関係は、パネルDのIIIのように見える。 パネルD: パネルA〜Cに図示したガングリオシドを
末端側から見た図。(図17を、発明の詳細な説明の項
では、第7図と表記した。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 19/26 C12N 5/00 E (C12P 19/26 C12R 1:91) (72)発明者 マーク・アール・ストラウド アメリカ合衆国98107ワシントン州、シア トル、エヌ・ダブリュウ56 800 (72)発明者 センイチロウ・ハコモリ アメリカ合衆国98040ワシントン州、マー サー・アイランド、80エス・イー 2024

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも6個の単糖類を含み、かつ末端
    がα2→3シアリル化され、内部が種々のN−アセチル
    グルコサミン残基においてα1→3フコシル化されてい
    るが、該フコシル化は末端から2番目のN−アセチルグ
    ルコサミン残基単独ではないことを特徴とする非分枝ポ
    リラクトサミン。
  2. 【請求項2】 【化1】 (式中、R1 はα1→3でフコシル化されていること
    を、R2 は−OHまたはα1→3でフコシル化されてい
    ることを、aは2〜6の整数を、bは1〜6の整数を、
    またRはH原子、置換または非置換のアリール基、炭素
    原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしくはヒドロ
    キシアルキル基、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖、セラ
    ミド残基、薬学的に活性な成分、固体担体またはそれら
    の共有結合した化合物を示す。)で表される請求項1記
    載のポリラクトサミン。
  3. 【請求項3】R2 が−OHである請求項2記載のポリラ
    クトサミン。
  4. 【請求項4】 【化2】 (式中、R’はH原子、置換または非置換のアリール
    基、炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしく
    はヒドロキシアルキル基、複合脂質、単純脂質、ラクト
    サミン残基を有しないオリゴ糖、セラミド残基、薬学的
    に活性な成分、固体担体またはそれらの共有結合した化
    合物を示す。)で表される請求項3記載のポリラクトサ
    ミン。
  5. 【請求項5】 【化3】 (式中、R’はH原子、置換または非置換のアリール
    基、炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしく
    はヒドロキシアルキル基、複合脂質、単純脂質、オリゴ
    糖、セラミド残基、薬学的に活性な成分、固体担体また
    はそれらの共有結合した化合物を示す。)で表されるポ
    リラクトサミン。
  6. 【請求項6】 【化4】 【化5】 または 【化6】 (式中、RはH原子、置換または非置換のアリール基、
    炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしくはヒ
    ドロキシアルキル基、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖、
    セラミド残基、薬学的に活性な成分、固体担体またはそ
    れらの共有結合した化合物を示す。)で表される請求項
    3記載のポリラクトサミン。
  7. 【請求項7】 【化7】 (式中、RはH原子、置換または非置換のアリール基、
    炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしくはヒ
    ドロキシアルキル基、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖、
    セラミド残基、薬学的に活性な成分、固体担体またはそ
    れらの共有結合した化合物を示す。)で表されるポリラ
    クトサミン。
  8. 【請求項8】人体内と同じ生理的せん断応力の存在する
    条件下で、糖鎖が固定された固相上でE−セレクチン発
    現細胞のローリングが観察されるような、該糖鎖を含む
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    ポリラクトサミン。
  9. 【請求項9】請求項4記載のポリラクトサミンと、 【化8】 (式中、RはH原子、置換または非置換のアリール基、
    炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニルもしくはヒ
    ドロキシアルキル基、複合脂質、単純脂質、オリゴ糖、
    セラミド残基、薬学的に活性な成分、固体担体またはそ
    れらの共有結合した化合物を示す。)で表されるポリラ
    クトサミンとからなる組成物。
  10. 【請求項10】第2の細胞上に発現されたE−セレクチ
    ンに依存するローリングおよび接着を惹起するリガンド
    を発現する第1の細胞を、少なくとも6個の単糖類を含
    み、かつ末端がα2→3シアリル化され、内部が種々の
    N−アセチルグルコサミン残基においてα1→3フコシ
    ル化されているが、該フコシル化は末端から2番目のN
    −アセチルグルコサミン残基単独ではない、少なくとも
    1種の非分枝ポリラクトサミンの、E−セレクチン依存
    性ローリングおよび接着を抑制する量に、暴露すること
    を特徴とする細胞相互作用の抑制方法。
  11. 【請求項11】第2の細胞上に発現されたE−セレクチ
    ンに依存するローリングおよび接着を惹起するリガンド
    を発現する第1の細胞を、少なくとも6個の単糖類を含
    み、かつ末端がα2→3シアリル化され、内部が種々の
    N−アセチルグルコサミン残基においてα1→3フコシ
    ル化されているが、該フコシル化は末端から2番目のN
    −アセチルグルコサミン残基単独ではない、非分枝ポリ
    ラクトサミンと結合する抗体の、E−セレクチン依存性
    ローリングおよび接着を抑制する量に、暴露し、しかも
    該抗体は、生体外での動的流動条件下における上記第1
    の細胞と第2の細胞との接着を抑制するものであること
    を特徴とする細胞相互作用の抑制方法。
  12. 【請求項12】活性成分として、請求項1〜7記載のい
    ずれかのポリラクトサミンを含むことを特徴とする抗炎
    症性組成物。
  13. 【請求項13】活性成分として、請求項8記載のポリラ
    クトサミンを含むことを特徴とする抗炎症性組成物。
  14. 【請求項14】活性成分として、請求項9の組成物に記
    載のポリラクトサミンを含むことを特徴とする抗炎症性
    組成物。
  15. 【請求項15】薬学的に許容される担体および請求項1
    〜7のいずれかに記載のポリラクトサミンを含む薬学的
    組成物の、治療上有効使用量を患者に投与することを特
    徴とする患者の炎症を抑制する方法。
  16. 【請求項16】薬学的に許容される担体および請求項8
    記載のポリラクトサミンを含む薬学的組成物の、治療上
    有効使用量を患者に投与することを特徴とする患者の炎
    症を抑制する方法。
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