JPH09218706A - 加工方法とそのためのプログラム作成装置および加工装置 - Google Patents

加工方法とそのためのプログラム作成装置および加工装置

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JPH09218706A
JPH09218706A JP2685796A JP2685796A JPH09218706A JP H09218706 A JPH09218706 A JP H09218706A JP 2685796 A JP2685796 A JP 2685796A JP 2685796 A JP2685796 A JP 2685796A JP H09218706 A JPH09218706 A JP H09218706A
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JP
Japan
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machining
program
tool
work
approach
Prior art date
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Application number
JP2685796A
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English (en)
Inventor
Yoshio Yuasa
祥郎 湯浅
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工方法等に関し、ワークの加工面に生ずる
段差をゆるやかにして、その加工面を滑らかに連続させ
る。 【解決手段】 ワーク16上で隣接域20とワーク加工
対象域22とが隣接しているとき、まず隣接する隣接域
20内におけるワーク16の表面上に所定距離離れてい
る退避位置12に工具10を位置決めさせる。そして、
その退避位置12から、ワーク加工対象域22の未加工
部32を加工する加工プログラムの加工開始位置18に
向かう経路14に沿って、工具10を移動させる。その
後、上記加工プログラムを実行して工具10を経路34
に沿って移動させる。このように、経路14に沿って加
工開始位置18に工具10を移動させれば、工具10自
身の熱膨張や工具交換による先端位置の変化等があって
も、ワーク16の加工面に生ずる段差をゆるやかにボカ
し、その加工面を滑らかに連続させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを工具で加
工して滑らかに連続する加工面を形成する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の加工方法の一例が、特開平7−6
0604号公報に開示されている。この公報に開示され
た技術によれば、加工を行う際に工具を加工開始位置ま
で接近させ、加工終了時の加工終了位置から工具を退避
させている。例えば図16に示すように、領域22を加
工する場合において、工具10を加工開始位置18へ接
近させる際には、その工具10をワーク16の表面に対
して鉛直方向に降下させている。そして、加工開始位置
18から領域22に対する加工を開始し、加工終了位置
30に至るまで工具10を移動させる。この間の工具1
0の移動軌跡は、隣接域(隣接する領域)20に対して
滑らかに連続する加工面が領域22に形成されるように
プログラムされている。さらに、加工が終わる加工終了
位置30から工具10を退避させる際には、その工具1
0をワーク16の表面に対して鉛直方向に上昇させてい
る。この技術によると、領域20内のワーク表面と領域
22の加工面とは、その境界部において滑らかに連続し
ているはずである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際にはたと
え領域22内の加工プログラムを隣接域20に対して滑
らかに連続する加工面が形成されるものとしても、図1
7に示すように、滑らかに連続するはずの隣接域との境
界部(具体的には、加工開始位置18または加工終了位
置30付近)に段差Dが生じてしまう。すなわち、加工
プログラムが予定しているよりも領域22全体が深く加
工されて盆地のようになったり、あるいは加工開始位置
18側で加工プログラムが予定しているよりも深く加工
されるなどによって領域間の境界部で段差Dが生ずる。
こうした段差Dが発生する原因は、加工に伴う工具の温
度変化による工具自身の熱膨張(特に加工開始時と加工
終了時との温度差)や、工具交換による先端位置の変
化、仕上げ代や加工負荷による工具のたわみ、鉛直方向
に接近又は退避させる工具の移動に伴う加工装置の慣性
力等が考えられる。ところが、現状ではこれらの原因を
取り除くことは困難である。一つのワーク表面を複数の
領域に分けて各領域ごとに加工し、結果として滑らかに
連続するワーク表面に仕上げる手法が多く採用されてい
る。しかし、現実には領域間で上述したような段差Dが
発生することは避けられず、機械加工後に熟練した作業
者が砥石等によって研磨するなどの工程を必要としてい
る。
【0004】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ワーク加工対象域の境界部に生ずる段差をゆ
るやかにして、ワークの加工面をより滑らかに連続させ
ることである。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】請求項1に記載の
発明は、ワーク加工対象域の境界部において隣接域に滑
らかに連続する加工面を形成するために、工具を移動さ
せる切削加工方法であって、隣接域内におけるワーク表
面上の位置で所定距離離れている退避位置から、前記ワ
ーク加工対象域の加工開始位置に向かう経路に沿って工
具を移動させ、その後に前記ワーク加工対象域の加工を
行うように工具を移動させる加工方法である。請求項1
に記載の発明によれば、工具は隣接域内の退避位置から
ワーク加工対象域の加工開始位置に向かう経路に沿って
移動する。そのため、工具はワークに対して鉛直方向か
ら加工開始位置へアプローチするのではなく、隣接域の
上方を通過して斜め方向からアプローチすることにな
る。したがって、工具自身の熱膨張や工具交換による先
端位置の変化等があっても、ワーク加工対象域の境界部
に生ずる段差をゆるやかにし、ワークの加工面をより滑
らかに連続させることが可能になる。
【0006】
【課題を解決するための第2の手段】請求項2に記載の
発明は、請求項1に記載の加工方法であって、隣接域内
におけるワーク表面上の位置で所定距離離れている退避
位置から、前記ワーク加工対象域を加工する加工プログ
ラムの加工開始位置に向かう経路に沿って工具を移動さ
せるアプローチプログラムを付加し、そのアプローチプ
ログラムを実行した後に、前記加工プログラムを実行す
る加工方法である。請求項2に記載の発明によれば、付
加されたアプローチプログラムに従って工具が退避位置
から加工開始位置まで移動され、その後にワーク加工対
象域が加工される。このアプローチプログラムに従え
ば、工具はワークに対して斜め方向から加工開始位置へ
移動することになる。そのため、工具自身の熱膨張や工
具交換による先端位置の変化等があっても、ワーク加工
対象域の境界部に生ずる段差をゆるやかにし、ワークの
加工面をより滑らかに連続させることが可能になる。
【0007】
【課題を解決するための第3の手段】請求項3に記載の
発明は、請求項2に記載の加工方法であって、前記アプ
ローチプログラムは、前記退避位置から前記加工開始位
置に工具を移動させるにつれて、その工具をワーク表面
に漸近させる加工方法である。請求項3に記載の発明に
よれば、退避位置から加工開始位置に工具を移動させる
につれて、その工具はワーク表面に漸近する。このた
め、ワーク表面から次第に深く加工されてゆくので段差
がゆるやかになり、より滑らかに連続する加工面が得ら
れる。
【0008】
【課題を解決するための第4の手段】請求項4に記載の
発明は、請求項2に記載の加工方法であって、前記アプ
ローチプログラムは、前記退避位置から前記加工開始位
置に工具を移動させる途中から、前記隣接域を加工する
加工プログラムに従って工具を移動させる加工方法であ
る。請求項4に記載の発明によれば、退避位置から加工
開始位置に工具を移動させる途中から、隣接域を加工す
る加工プログラムに従って工具を移動させる。このよう
に、隣接域を加工する加工プログラムに従って工具を移
動させているので、加工開始位置の加工面ではより滑ら
かに連続させることが可能になる。
【0009】
【課題を解決するための第5の手段】請求項5に記載の
発明は、請求項2に記載の加工方法であって、前記加工
プログラムの途中に、ワークから工具を一旦離して再度
接近させるプログラム部分が存在する場合において、そ
の再度接近させる位置に向かって、ワーク表面に対して
斜め方向から工具を接近させる領域内アプローチプログ
ラムを付加し、その領域内アプローチプログラムを実行
した後に、そのプログラム部分以降の加工プログラムを
実行する加工方法である。請求項5に記載の発明によれ
ば、加工プログラムの途中で工具が一旦ワークから離
れ、その後に再度接近させるときに領域内アプローチプ
ログラムが実行される。そのとき、工具は斜め方向から
再度接近させる位置にアプローチされるので、工具自身
の熱膨張や工具交換による先端位置の変化等があって
も、ワーク加工対象域の境界部のみならずワーク加工対
象域内に生ずる段差をゆるやかにし、ワークの加工面を
より滑らかに連続させることが可能になる。
【0010】
【課題を解決するための第6の手段】請求項6に記載の
発明は、隣接域に対して滑らかに連続する形状にワーク
加工対象域を加工する加工プログラムに従って加工装置
を運転し、そのワークに対して隣接域に滑らかに連続す
る加工面を形成する加工方法であって、前記加工プログ
ラムの加工終了位置から、隣接域内におけるワーク表面
上の位置で所定距離離れている退避位置に向かう経路に
沿って工具を移動させるリトラクトプログラムを付加
し、前記加工プログラムを実行した後に、そのリトラク
トプログラムを実行する加工方法である。請求項6に記
載の発明によれば、工具が加工終了位置に達した後にリ
トラクトプログラムが実行されるため、その工具はワー
クに対して鉛直方向にリトラクトするのではなく、隣接
域の上方へ斜め方向へリトラクトすることになる。その
ため、工具自身の熱膨張や工具交換による先端位置の変
化等があっても、ワーク加工対象域の境界部に生ずる段
差をゆるやかにし、ワークの加工面をより滑らかに連続
させることが可能になる。
【0011】
【課題を解決するための第7の手段】請求項7に記載の
発明は、加工形状情報に基づいて、ワークと工具との間
の相対的な位置関係を制御することにより、そのワーク
に対して隣接域に滑らかに連続する加工面を形成する動
作プログラムを作成するプログラム作成装置であって、
工具をアプローチさせる経路のアプローチ情報を記憶
し、そのアプローチ情報に基づいて、隣接域内における
ワーク表面上の位置で所定距離離れている退避位置か
ら、ワーク加工対象域を加工する加工プログラムの加工
開始位置に向かう経路に沿って工具を移動させるアプロ
ーチプログラムを作成し、前記加工形状情報に基づいて
加工プログラムを作成し、前記アプローチプログラムと
前記加工プログラムとによって動作プログラムを作成す
るプログラム作成装置である。請求項7に記載の発明に
よれば、アプローチプログラムに続けて加工プログラム
が付加され、動作プログラムとして作成される。こうし
て作成された動作プログラムには、アプローチプログラ
ム中に工具がワークに対して斜め方向から接近して加工
開始位置まで移動する経路を含んでいる。そのため、工
具自身の熱膨張や工具交換による先端位置の変化等があ
っても、ワーク加工対象域の境界部に生ずる段差をゆる
やかにし、ワークの加工面をより滑らかに連続させるこ
とが可能になる。
【0012】
【課題を解決するための第8の手段】請求項8に記載の
発明は、ワーク表面内の隣接域に対して滑らかに連続す
る形状にワーク加工対象域を加工する加工プログラムに
従って動作し、そのワークに対して隣接域に滑らかに連
続する加工面を形成する加工装置であって、隣接域内に
おけるワーク表面上の位置で所定距離離れている退避位
置から、前記加工プログラムの加工開始位置に向かう経
路に沿って工具を移動させるアプローチプログラムを付
加し、そのアプローチプログラムを実行した後に、前記
加工プログラムを実行する加工装置である。請求項8に
記載の発明によれば、工具が加工開始位置へ移動するま
での間にワークに対して鉛直方向からアプローチするの
ではなく、隣接域の上方を通過して斜め方向からアプロ
ーチすることになる。そのため、工具自身の熱膨張や工
具交換による先端位置の変化等があっても、ワーク加工
対象域の境界部に生ずる段差をゆるやかにし、ワークの
加工面をより滑らかに連続させることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、以下に示す実施の形態にお
いて、「工具が移動する」とはワークと工具との間の相
対的な位置関係が変化していることを意味する。すなわ
ち、ワークを固定して工具が移動する場合と、工具を固
定してワークが移動する場合のいずれかを意味する。ま
た、「加工プログラム」は本来、ワーク表面を面一とす
るべく設計されている。
【0014】〔第1の実施の形態〕まず、第1の実施の
形態は本発明の加工方法を実現する形態であって、図1
〜図8を参照しながら説明する。ここで、図1には、本
発明の加工方法の概念図を示す。図2には、アプローチ
プログラムを実行したときの工具軌跡を示す。図3に
は、工具を次第にワーク表面に接近させるアプローチプ
ログラムを実行したときの工具軌跡を示す。図4には、
隣接域の加工プログラムに移行するアプローチプログラ
ムを実行したときの工具軌跡を示す。図5には、リトラ
クトプログラムを実行したときの工具軌跡を示す。図6
には、ワーク加工対象域の境界線上に沿って工具を移動
させる動作のアプローチプログラムを実行したときの工
具軌跡を示す。図7には、複数のワーク加工対象域に分
割して加工する形状等を示す。図8には、ワーク加工対
象域に複数に分割して加工する形状等を示す。
【0015】まず、図1に示すように、ワーク16上で
は領域20と領域22とが隣接している。領域22は加
工プログラムによって加工しようとする未加工部32が
存在するワーク加工対象域であり、最初の加工開始位置
18から加工を始め、最後の加工終了位置30で加工を
終える。一方、領域20は上記領域22に隣接する隣接
域であって、既に加工済みの領域、あるいはワークの成
形当初から加工しなくてよいようになっている領域であ
る。このとき、隣接域20内におけるワーク16の表面
上に所定距離離れている退避位置12から、加工プログ
ラムの加工開始位置18に向かう経路14に沿って工具
10を移動させる。その一例として、図1にはワーク1
6の表面から工具回転軸に沿って上方向に退避位置12
が位置し、また経路14は円弧状をなしている。この退
避位置12へ位置決めし、経路14に沿って工具10を
移動させる制御指令はNCデータ等によって実現され、
「アプローチプログラム」と呼ぶことにする。こうし
て、退避位置12を経て経路14に沿って工具10を加
工開始位置18に移動させた後、本来の加工プログラム
を実行して工具10を経路34に沿って移動させる。
【0016】上記のような加工方法を実行すると、図2
に示すような工具軌跡が得られる。すなわち、工具10
は退避位置12まで高速で直線的に移動し、半径をrと
する円弧状の経路14は沿って加工開始位置18まで移
動し、その後加工プログラムに従い経路34に沿って矢
印で示す方向に移動する。退避位置12から加工開始位
置18に向かう経路14には、図2に示すように工具1
0がワーク16に接する位置から加工開始位置18まで
の経路も含まれている。こうして、工具10はワーク1
6に対して鉛直方向からアプローチするのではなく、隣
接域20の上方を通過して斜め方向から加工開始位置1
8へアプローチすることになる。従来の加工方法によれ
ば、工具10自身の熱膨張や工具交換による先端位置の
変化等の影響によって、加工プログラムで予定している
よりも工具10が長い方向にずれてしまい、ワーク16
の加工面が面一にならなかった。一方、上記本発明の加
工方法によれば、工具10自身の熱膨張や工具交換によ
る先端位置の変化等があっても、ワーク加工対象域22
の境界部には明確な段差が形成されるのではなく、段差
をゆるやかにボカしたものすることができる。こうし
て、ワーク16の加工面をより滑らかに連続させること
ができる。なお、本発明の加工方法は、加工開始位置1
8から経路34に沿って加工終了位置24までワーク1
6を加工する領域を一領域とする場合においても適用で
きることは明らかである。この場合には、工具10を経
路14に沿って加工開始位置18へアプローチし、経路
34に沿って工具10でワーク16を加工し、加工終了
位置24から経路26に沿ってリトラクトさせることに
なる。この場合でも上記と同様の効果を得ることができ
る。
【0017】上述したアプローチプログラムは、円弧状
の経路14に限らず、加工開始位置18からの経路34
に連続して接続する任意の経路によって工具10を移動
させてもよい。その任意の経路のうち、二つの具体例を
次に説明する。 (A1)図3に示すように、工具10の先端部がワーク
10の表面にほぼ接触する接触位置14aまで上記経路
14に沿って移動させ、その接触位置14aから加工開
始位置18までは次第に深くワーク16を加工する経路
14bに沿って工具10を降下させる。その降下量は制
御上簡単にするため、工具10を加工開始位置18に漸
近させる量に対して一定の比率とするのが望ましい。な
お、接触位置14aと加工開始位置18との間の高さ、
すなわち浮かし量14cは、工具10自身の熱膨張や工
具交換による先端位置の変化等の影響を考慮して設定す
るのが望ましいが、任意の量を設定してもよい。このよ
うに、次第に深くワーク16を加工する経路14bに沿
って工具10を移動させることにより、接触位置14a
付近からより滑らかに連続する加工面を形成することが
できる。
【0018】(A2)図4に示すように、工具10を上
記経路14に沿って移動させ、接続位置14dから加工
開始位置18までの間は経路14eに沿って移動させ
る。この経路14eは隣接域20を加工する加工プログ
ラムの全部又は一部であって、隣接域20の加工形状デ
ータに基づいて求められる。このように、図示するオー
バーラップ量14fで示す区間において、ワーク加工対
象域22に隣接する隣接域20を加工する加工プログラ
ムに沿って工具10を移動させることにより、加工開始
位置18ではより滑らかに連続する加工面を形成するこ
とができる。
【0019】一方、上記のアプローチプログラムとは逆
順の動作で、ワーク16から工具10を退避させるリト
ラクトプログラムを実行してもよい。すなわち、図5に
示すように、加工プログラムに従う経路34に沿って加
工終了位置24まで移動させた後に、隣接する領域内に
おけるワーク16の表面上に所定距離離れている退避位
置28に向かう経路26に沿って工具10を移動させ
る。このリトラクトプログラムの実行により、加工終了
位置24から退避位置28から向かう経路26には、加
工終了位置24から工具10がワーク16を離れる位置
までの経路も含まれている。したがって、この部分の加
工を行うことにより、ワーク16の加工面に生ずる段差
をゆるやかにすることができる。なお、退避位置28は
退避位置12と同様に、ワーク16の表面から工具回転
軸に沿って上方向に位置し、経路26もまた経路14と
同様に円弧状をなしている。また、リトラクトプログラ
ムは円弧状の経路26に限らず、上記(A1),(A
2)に示す具体例のように、加工終了位置24から経路
26へ滑らかに連続して接続する任意の経路に沿って工
具10を移動させてもよい。この場合にも、ワーク16
の加工面に生ずる段差をゆるやかにすることができる。
こうして、ワーク16の加工面をより滑らかに連続させ
ることができる。
【0020】上述したアプローチプログラムとリトラク
トプログラムは、単独で又は両方とも、二つの領域の境
界部に沿う経路に従って工具10を移動させる場合にも
適用することができる。ここでは、説明を簡単にするた
めに、アプローチプログラムを適用する場合について図
6を参照しながら説明する。なお、図6(B)は図6
(A)のA−A断面を示す。また、図1等と同一の要素
には同一符号を付して説明を省略する。
【0021】図6(A)に示す経路40は、隣接域20
に隣接するワーク加工対象域22の未加工部32を加工
するための経路である。この加工では、隣接する隣接域
20から上述した経路14等に沿って工具10の高さを
変えながら行う。このときの加工開始位置に相当する工
具10の高さは、図6(B)に示すように位置42a,
42b,42cの順に低くなり、位置42dや位置42
eは本来のワーク加工対象域22を加工する高さであ
る。このように、次第に工具10の高さを低くしてワー
ク16に近づけてゆくことにより、ワーク16の加工面
に生ずる段差がゆるやかにすることができる。こうし
て、ワーク16の加工面をより滑らかに連続させること
ができる。なお、リトラクトプログラムの場合には、ア
プローチプログラムとは逆に経路40に沿って加工する
ごとに工具10の次第に高くしてワーク16から離れる
ようにすればよい。このように工具10をワーク16に
漸近させるアプローチプログラムや、ワーク16から次
第に遠ざけるリトラクトプログラムは、上述した加工開
始位置18から経路34に沿って加工終了位置24まで
ワーク16を加工する領域を一領域とする場合に適用す
れば、より有効である。
【0022】本発明の加工方法は、複数の領域に分割し
て加工せざるを得ない場合において、隣接する領域の一
方または両方を加工する場合に特に有効である。この複
数の領域に分割して加工せざるを得ない場合についての
例を、図7および図8を参照しながら以下に説明する。 (B1)図7(A)に示すように、仕上げ形状に階段状
部位50を有する場合である。このとき、その階段状部
位50を別領域として加工する。 (B2)図7(B)に示すように、仕上げ形状に領域5
4(例えば、放物線を回転して得られる曲面やフィレッ
ト曲面等)に沿う経路56を有する場合である。このと
き、その領域54を別領域として加工する。 (B3)図7(C)に示すように、工具の損傷や工具寿
命等の要因によって同種類の工具に交換しなければなら
ない場合である。このとき、本来の一つの領域58を領
域58aと領域58bとに分割して加工する。 (B4)図7(D)に示すように、本来の一つの領域6
0をそのまま加工したのでは空加工の時間が無駄になる
場合である。このとき、加工時間を短縮するために領域
60aと領域60bとに分割して加工する。
【0023】(B5)図8(A)に示すように、加工面
の加工精度等の要因によって異種類の工具62,64を
使用して加工しなければならない場合である。このと
き、工具62,64ごとの領域に分割して加工する。 (B6)図8(B)に示すように、同種類の工具66を
使用して加工する場合であっても、アタッチメント68
が必要になる加工の場合である。このとき、アタッチメ
ント68の有無によって領域を分割して加工する。 (B7)図8(C)に示すように、加工を行うための経
路を示す情報72(例えば、XYZ座標値等)の数が多
すぎて、プログラム作成装置や数値制御装置等の制約を
越える場合である。このとき、本来一つの領域70を領
域70aと領域70bとに分割して加工する。
【0024】〔第2の実施の形態〕次に、第2の実施の
形態は、本発明のプログラム作成装置を実現する形態で
あって、図9〜図13を参照しながら説明する。ここ
で、図9には、プログラム作成装置を示す概略的なブロ
ック図を示す。図10は、プログラム作成処理を示すフ
ローチャートである。図11には、加工プログラムを実
行したときのそれぞれの工具軌跡を示す。図12には従
来の加工プログラムの一例を、図13にはプログラム作
成処理による加工プログラムの一例をそれぞれ示す。な
お、これらの図において、図1等と同一の要素には同一
符号を付して、説明を省略する。
【0025】まず、図9に示すようにプログラム作成装
置100は、CPU(プロセッサ)110,ROM10
2,RAM104,K/B(キーボード)106,入力
処理回路108,通信制御回路112,表示制御回路1
14,表示装置116および出力処理回路118によっ
て構成されている。
【0026】CPU110は、ROM102に格納され
た制御プログラムに従ってプログラム作成装置100の
全体を制御する。ROM102にはEPROMあるいは
EEPROMが使用され、上記制御プログラムの他に表
示装置116に表示するキャラクタ等が格納されてい
る。RAM104はDRAMやSRAM、あるいはフラ
ッシュRAM等が使用される。このRAM104には、
加工形状データ,工具径,オーバーラップ量,浮かし
量,アプローチ曲線データ,リトラクト曲線データ,N
Cデータその他の各種のデータ、あるいは入出力信号等
が格納される。K/B106はオペレータがプログラム
作成装置100に対して各種の指令をしたり、プログラ
ム作成装置100の要求に従って加工形状データ,工具
径,オーバーラップ量,浮かし量等の所定のデータを入
力する装置である。
【0027】入力処理回路108は、ポインティングデ
バイス90やデータ読取装置92等から送られた入力デ
ータを受けて、プログラム作成装置100内で処理可能
なデータ形式に変換し、バス120を介してCPU11
0又はRAM104へ転送する。なお、ポインティング
デバイス90としては、パッド(平板面に配置された部
材の静電容量変化による位置検出器)やマウス,デジタ
イザ等がある。一方、データ読取装置92には、スキャ
ナー装置やバーコード読取装置等がある。通信制御回路
112は、CPU110からバス120を介して送られ
た通信データを加工装置(加工装置)300に送信し、
あるいは加工装置300から送信された通信データを受
信してCPU110へ送るための回路である。なお、デ
ータを送信/受信する形態は有線に限らず、無線であっ
てもよい。
【0028】表示制御回路114はCPU110からバ
ス120を介して送られた表示制御データに従って、表
示装置116の表示制御を行う回路である。出力処理回
路118は、CPU110からバス120を介して受け
た出力データを外部記憶装置130やPTP(紙テープ
パンチャー)132に送る回路である。この外部記憶装
置130には、HD(ハードディスク)装置,FD(フ
レキシブルディスク)装置等があり、これらの装置によ
って記憶される記憶媒体にはFD140や光磁気ディス
ク,リムーバブルHD等がある。一方、PTP132か
らは紙テープ142が出力される。なお、上記各構成要
素は、表示装置116を除いていずれもバス120に互
いに結合されている。
【0029】次に、上記プログラム作成装置100内に
おいて実行される処理手順について、図10と図11と
を参照しながら説明する。図10に示すプログラム作成
処理は、図9に示すCPU110が制御プログラムを実
行することによって実現される。なお、説明を簡単にす
るために、工具10(ボールエンドミル)をアプローチ
/リトラクトさせる経路を図1等に示す円弧状の経路1
4とし、その円弧の半径を例えば工具径Rの2倍とす
る。この工具径Rはワーク加工対象域22を加工する加
工形状情報とともに、ポインティングデバイス90やK
/B106等を通じてプログラム作成装置100に入力
され、アプローチ情報/リトラクト情報としてRAM1
04に記憶されているものとする。
【0030】図10に示すプログラム作成処理は、まず
工具の現在位置から三種類の処理のうちの一つを選択す
る(ステップS20)。すなわち、ワーク加工対象域2
2内の加工開始位置へ工具10をアプローチさせる場合
にはアプローチ処理を行い、加工経路に沿って加工を行
う場合には加工処理を行い、加工を終えて工具10をリ
トラクトさせる場合にはリトラクト処理を行う。
【0031】アプローチ処理では、RAM104に記憶
されている工具径Rをアプローチ情報として取得し(ス
テップS10)、そのアプローチ情報に従って工具を移
動させる経路を算出し(ステップS12)、算出された
経路に従って加工プログラムを作成する(ステップS1
4)。この加工プログラムは表示装置116に表示され
るとともに、通信回線を通じて直接加工装置300に送
ったり、FD140や紙テープ142等に記憶される。
例えば、図11において、従来では工具10を加工開始
位置18まで移動させるのに、その工具10を経路15
0,156に沿って移動させていた。このとき作成され
る加工プログラム160(NCデータ)は図12に示す
ようになる。すなわち、経路150に沿う移動がプログ
ラムN0100に相当し、経路156に沿う移動がプログラ
ムN0102に相当し、経路34に沿う移動がプログラムN
0103に相当する。これに対して、上記アプローチ処理に
よれば、図11に示すように予め経路152に示すよう
に隣接する隣接域20側へ半径2R分だけ移動させ、次
に経路154に示すように円弧に接続する退避位置12
まで移動させ、さらに円弧状の経路14に沿って加工開
始位置18まで移動させる。このとき作成される加工プ
ログラム162は図13(A)に示すようになる。すな
わち、経路150,152に沿う移動がプログラムN11
00に相当し、経路154に沿う移動がプログラムN1101
に相当し、経路14に沿う移動がプログラムN1103に相
当し、経路34に沿う移動がプログラムN1104に相当す
る。したがって、上述したアプローチプログラムには、
プログラムN1101,N1103,N1104が対応する。
【0032】一方、リトラクト処理では、RAM104
に記憶されている工具径Rをリトラクト情報として取得
し(ステップS30)、そのリトラクト情報に従って工
具を移動させる経路を算出し(ステップS32)、算出
された経路に従って加工プログラムを作成する(ステッ
プS34)。例えば、図5に示すように工具10をリト
ラクトさせる場合には、工具10が加工終了位置24に
達すると、円弧状の経路26に沿って退避位置28まで
移動させ、その後に工具10を上昇させる。このとき作
成される加工プログラム164は図13(B)に示すよ
うになる。すなわち、経路34に沿う移動がプログラム
N2100に相当し、経路26に沿う移動がプログラムN21
01に相当し、その後の上昇移動がプログラムN2103に相
当する。したがって、上述したリトラクトプログラムに
は、プログラムN2101,N2103が対応する。
【0033】さらに、加工処理は、RAM104に記憶
されている加工形状データを取得し(ステップS2
2)、その加工形状情報に従って工具を移動させる経路
を算出し(ステップS24)、算出された経路に従って
加工プログラムを作成する(ステップS26)。これら
の工程は従来より行われているので、詳細な説明は省略
する。なお、ステップS26によって作成される加工プ
ログラムは、図13(A)に示す加工プログラム162
におけるプログラムN1104や図13(B)に示す加工プ
ログラム164におけるプログラムN2100等がある。
【0034】その後、アプローチ処理,加工処理,リト
ラクト処理を行なった後、他に未加工部分が残っている
か否かを検査する(ステップS28)。その検査結果に
よって、他に未加工部分が残っている場合には(YE
S)、ステップS20に戻って上述した各処理を繰り返
す。一方、他に未加工部分が残っていない場合には(N
O)、本処理手順を終了する。したがって、上記プログ
ラム作成処理を実行すれば、ワーク16を工具10で加
工する一加工ごとにアプローチ処理,加工処理,リトラ
クト処理が順に行われ、結果としてアプローチプログラ
ム,加工プログラム,リトラクトプログラムを含む動作
プログラムが作成される。なお、必要に応じてステップ
S20の選択処理を適切に行うことにより、最初のみに
アプローチプログラムを、次に加工プログラムを、最後
のみにリトラクトプログラムを含む動作プログラムを作
成することも可能である。
【0035】したがって、上記のプログラム作成装置に
よれば、アプローチプログラムを作成した後に加工プロ
グラムを作成し、結果として動作プログラムが作成され
る。この作成された動作プログラムに従って加工装置を
運転すれば、ワーク16を加工すれば、アプローチプロ
グラムによって工具10をワーク16に対して鉛直方向
からアプローチするのではなく、隣接域20の上方を通
過して斜め方向から加工開始位置18へアプローチする
ことになる。そのため、工具10自身の熱膨張や工具交
換による先端位置の変化等があっても、ワーク16の加
工面に生ずる段差をゆるやかにすることができる。この
ことはリトラクトプログラムについても同様である。
【0036】なお、上記第2の実施の形態ではNCデー
タを作成したが、このNCデータに限らず、ワークと工
具との間の相対的な位置関係を変化させる加工プログラ
ムであれば同様に作成することも可能である。例えば、
加工装置が加工形状データに基づいて動作する態様にな
っていれば、その加工形状データを作成することができ
る。すなわち、実際に加工を行う加工装置に対応させ
て、その加工装置で処理可能な情報を作成することがで
きる。
【0037】〔第3の実施の形態〕次に、第3の実施の
形態は、本発明の加工装置を実現するための形態であっ
て、図11,図12,図14を参照しながら説明する。
ここで、図14は、加工装置において実行される相対移
動処理を示すフローチャートである。なお、この加工装
置には数値制御装置を有しており、プログラム作成装置
100やFD140,紙テープ142等から加工プログ
ラムを入力し、処理結果に従って工具10(ボールエン
ドミル)をワーク16に対して相対的に移動可能になっ
ている。また、説明を簡単にするために、図1等に示す
円弧状の経路14に沿って工具10をアプローチ/リト
ラクトさせる例について説明する。この場合において、
円弧状をなす経路の半径を工具径の2倍とする。
【0038】図14に示す相対移動制御処理において、
まず加工プログラムの指令がどのように変化したかを監
視し、その監視結果に従って処理を分岐する(ステップ
S50)。すなわち、移動指令の後に加工指令がなされ
た場合にはアプローチ処理を行い、継続して加工指令が
なされている場合には何も行わずにステップS52に進
み、加工指令の後に移動指令がなされた場合にはリトラ
クト処理を行う。例えば、JIS−B6314に規定さ
れている数値制御工作機械のフォーマットに従えば、一
つ先の指令を読み出して次のように判別する。なお、移
動や加工に関係しない指令(例えば、XY,YZ,ZX
面の選択指令等)は無視するものとする。 〔1〕位置決め指令(G00)の後に、補間指令(G0
1,G02,G03,G06等)がなされていることを
検出した場合には、アプローチ処理を行う。例えば、図
12に示す加工プログラム160において、プログラム
N0102の後のプログラムN0103が該当する。 〔2〕補間指令の後に、さらに補間指令がなされている
ことを検出した場合には、加工処理を行う。 〔3〕補間指令の後に、位置決め指令,ストップ指令
(M01,M02,M03等),主軸指令(M03,M
04,M05等)などの加工指令以外の指令がなされて
いることを検出した場合には、リトラクト処理を行う。
【0039】アプローチ処理では、RAM104に記憶
されている工具径Rをアプローチ情報として取得し(ス
テップS40)、そのアプローチ情報に従って工具を移
動させる経路を算出し(ステップS42)、算出された
経路に従って工具を移動させる(ステップS44)。具
体的な動作は、図11に示す経路150,152,15
4,14,34に沿って工具10を移動させる場合と同
様である。一方、リトラクト処理では、RAM104に
記憶されている工具径Rをリトラクト情報として取得し
(ステップS60)、そのリトラクト情報に従って工具
を移動させる経路を算出し(ステップS62)、算出さ
れた経路に従って工具を移動させる(ステップS6
4)。この場合もプログラム作成装置100のリトラク
ト処理による結果と同様の動作になる。
【0040】そして、他に加工プログラムが残っている
か否かを検査する(ステップS52)。その検査結果に
よって、他に加工プログラムが残っている場合には(Y
ES)、ステップS50に戻って上述した各処理を繰り
返す。一方、他に加工プログラムが残っていない場合に
は(NO)、本処理手順を終了する。したがって、上記
の加工装置によれば、プログラム作成装置100の場合
と同様に、工具10自身の熱膨張や工具交換による先端
位置の変化等があっても、ワーク16の加工面に生ずる
段差をゆるやかにすることができる。こうして、ワーク
16の加工面をより滑らかに連続させることができる。
したがって、上記プログラム作成処理を実行すれば、ワ
ーク16を工具10で加工する一加工ごとにアプローチ
処理,加工処理,リトラクト処理が順に行われ、結果と
してアプローチプログラム,加工プログラム,リトラク
トプログラムを含む動作プログラムが作成される。な
お、上述したプログラム作成装置100において、ステ
ップS44,S64を図10に示すステップS14,S
34と同様なプログラム作成を行えば、現存の加工プロ
グラムにアプローチプログラムやリトラクトプログラム
を付加した動作プログラムに変換することができる。
【0041】〔他の実施の形態〕上述した加工方法,プ
ログラム作成装置および加工装置におけるその他の部分
の工程,構造,形状,大きさ,材質,個数,配置および
動作条件等については、上述した実施の形態に限定され
るものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の
各形態を実施することもできる。
【0042】(1)退避位置12,28は任意に設定可
能であり、アプローチ情報やリトラクト情報によって定
まる。このアプローチ情報,リトラクト情報としては、
上述した工具径の他に、方向と距離とが設定されたベク
トル値や、弧長と中心角度、関数式等のデータをそれぞ
れアプローチ曲線データ,リトラクト曲線データとして
記憶させる。これらのうち、ワーク16の材質や加工条
件に合わせて適切に選択して加工プログラムを作成すれ
ば、加工面に生ずる段差をよりゆるやかにすることが可
能になる。 (2)また、浮かし量14cやオーバーラップ量14f
は、加工装置300の特性(加減速による慣性力等)に
応じて設定すれば、工具10がワーク16に食い込むこ
とを抑えることが可能になる。例えば、加減速による慣
性力の係数倍を半径とする円弧状の経路に沿って工具1
0を移動させる。こうして、加工面に生ずる段差をより
ゆるやかにすることが可能になる。
【0043】(3)図13に示す加工プログラムは、X
Z平面における円弧補間によって工具10を移動させる
ようにしたが(プログラムN1103,N2101)、その移動
態様に合わせて他の平面(XY平面,YZ平面,その他
任意に定義される平面等)における円弧補間や直線補間
に従って工具10を移動させてもよい。 (4)図15に示すように、工具10がワーク16の表
面に接触する接触位置Cにおいて、その工具10を退避
位置170から加工開始位置18に漸近させる経路17
2とワーク加工対象域22を加工する経路34とを、ス
プライン補間等の補間処理によって滑らかに連続させる
経路部分Bを有する経路176をアプローチプログラム
中に付加する。位置176と加工開始位置18との間の
経路176によって、接触位置Cではより滑らかに連続
する加工面が得られる。このことは、工具10がワーク
16の表面から離れる離脱位置においても同様にリトラ
クトプログラム中に適用することができ、その離脱位置
ではより滑らかに連続する加工面が得られる。
【0044】(5)工具を加工開始位置にアプローチす
る際に、その工具の先端位置とワーク表面位置との間の
距離を位置検出センサ(接触/非接触)で検出する。こ
の位置検出センサとしては、リミットスイッチやレーザ
ー測距装置等がある。そして、位置検出センサで得られ
た検出結果に従って、工具をワークに対して相対的に移
動させる。 (6)工具の温度に対する補正値を記憶しておく。工具
をアプローチする際に、その工具の温度を温度センサで
検出する。検出された温度に対応する補正値に従って、
工具をワークに対して相対的に移動させる。 (7)加工装置の慣性力に対する補正値を記憶してお
く。工具をアプローチする際に、その加工装置の慣性力
を慣性力センサで検出する。検出された慣性力に対応す
る補正値に従って、工具をワークに対して相対的に移動
させる。 (8)その他、工具をアプローチする際に計測して得ら
れる物理的数値(電流,電圧,磁束密度等)に対する補
正値を記憶しておく。その補正値に従って、工具をワー
クに対して相対的に移動させる。 〔(5)〜(8)の作用効果〕これらの検出結果や補正
値に基づいて工具をワークに対して相対的に移動させる
と、工具を確実に加工開始位置に位置決めさせることが
でき、ワークへの工具の食い込みが防止される。そのた
め、当初の加工プログラム通りに加工が行われるので、
ワークの加工面をより滑らかに連続して形成することが
できる。
【0045】
【他の発明の態様】以上、本発明の実施の形態について
説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載
した発明の態様以外の発明の態様を有するものである。
この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じ
て関連説明を行う。
【0046】〔態様1〕 請求項5に記載の加工方法で
あって、前記リトラクトプログラムは、前記加工終了位
置から前記退避位置に工具を移動させるにつれて、その
工具をワーク表面から次第に遠ざけることを特徴とする
加工方法。 〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、ワーク表面か
ら次第に離れるように加工されてゆくので、段差がボカ
される。そのため、より滑らかに連続する加工面が得ら
れる。
【0047】〔態様2〕 態様1に記載の加工方法であ
って、前記リトラクトプログラムは、前記加工終了位置
から前記退避位置に工具を移動させる途中まで、前記隣
接域を加工する加工プログラムに従って工具を移動させ
ることを特徴とする加工方法。 〔態様2の関連説明〕 本態様によれば、隣接域を加工
する加工プログラムに従って工具を移動させているの
で、加工終了位置ではより滑らかに連続する加工面が得
られる。
【0048】〔態様3〕 態様1又は態様2に記載の加
工方法であって、工具がワーク表面に接触する接触位置
またはワーク表面から離れる離脱位置において、その工
具を移動させる経路と領域を加工する経路とを滑らかに
連続させることを特徴とする加工方法。 〔態様3の関連説明〕 本態様によれば、接触位置や離
脱位置においてより滑らかに連続する加工面が得られ
る。
【0049】〔態様4〕 請求項6に記載のプログラム
作成装置であって、前記アプローチプログラムは、前記
退避位置から前記加工開始位置に工具を移動させるにつ
れて、その工具をワーク表面に漸近させることを特徴と
するプログラム作成装置。 〔態様4の関連説明〕 本態様によれば、ワーク表面か
ら次第に深く加工されてゆくので、より滑らかに連続す
る加工面が得られる。
【0050】〔態様5〕 請求項6に記載のプログラム
作成装置であって、前記アプローチプログラムは、前記
退避位置から前記加工開始位置に工具を移動させる途中
から、前記隣接域を加工する加工プログラムに従って工
具を移動させることを特徴とするプログラム作成装置。 〔態様5の関連説明〕 本態様によれば、隣接域を加工
する加工プログラムに従って工具を移動させているの
で、加工開始位置ではより滑らかに連続する加工面が得
られる。
【0051】〔態様6〕 請求項6または態様5に記載
のプログラム作成装置であって、工具がワーク表面に接
触する接触位置またはワーク表面から離れる離脱位置に
おいて、その工具を移動させる経路と領域を加工する経
路とを滑らかに連続させるプログラムを作成することを
特徴とするプログラム作成装置。 〔態様6の関連説明〕 本態様によれば、接触位置また
は離脱位置において、より滑らかに連続する加工面が得
られる。
【0052】〔態様7〕 ワークと工具との間の相対的
な位置関係を変化させることによりワークに滑らかに連
続する加工面を形成するために、ワーク表面内の隣接域
に対して滑らかに連続する形状に加工する加工プログラ
ムを作成するプログラム作成装置であって、前記加工プ
ログラムを作成した後、前記加工プログラムの加工終了
位置から、前記隣接域内におけるワーク表面上の位置で
工具回転軸方向に所定距離離れている退避位置に向かう
経路に沿って工具を移動させるリトラクトプログラムを
作成することを特徴とするプログラム作成装置。
【0053】〔態様8〕 ワーク表面内の隣接域に対し
て滑らかに連続する形状に加工する加工プログラムに従
って動作し、そのワークに対して隣接域に滑らかに連続
する加工面を形成する加工装置であって、前記加工プロ
グラムの加工終了位置から、隣接域内におけるワーク表
面上の位置で工具回転軸方向に所定距離離れている退避
位置に向かう経路に沿って工具を移動させるリトラクト
プログラムを付加し、前記加工プログラムを実行した後
に、そのリトラクトプログラムを実行することを特徴と
する加工装置。 〔態様7および態様8の関連説明〕 これらの態様によ
れば、加工終了位置から工具が斜め方向にワークから離
れるので、加工面に生ずる段差をゆるやかにすることが
可能になる。
【0054】〔態様9〕 請求項7に記載の加工装置で
あって、前記加工プログラムの途中に、ワークから工具
を一旦離して再度接近させるプログラム部分が存在する
場合において、その再度接近させる位置に向かって、ワ
ーク表面に対して斜め方向から工具を接近させ、工具が
前記再度接近させる位置に達した後に、そのプログラム
部分以降の加工プログラムを実行することを特徴とする
加工装置。 〔態様9の関連説明〕 本態様によれば、一の領域中に
複数回工具をアプローチさせる場合にも、そのアプロー
チの毎にワーク表面に対して斜め方向から工具を接近さ
せるので、加工面に生ずる段差をゆるやかにすることが
可能になる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、工具自身の熱膨張や工
具交換による先端位置の変化等があっても、ワークの加
工面に生ずる段差がゆるやかになる。そのため、ワーク
にはより滑らかに連続する加工面が形成され、その後の
研磨等の工程を減らしたり、あるいはなくしたりするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工方法を示す概念図である。
【図2】アプローチプログラムを実行したときの工具軌
跡を示す図である。
【図3】工具を次第にワーク表面に接近させるアプロー
チプログラムを実行したときの工具軌跡を示す図であ
る。
【図4】隣接域の加工プログラムに移行するアプローチ
プログラムを実行したときの工具軌跡を示す図である。
【図5】リトラクトプログラムを実行したときの工具軌
跡を示す図である。
【図6】ワーク加工対象域の境界線上に沿って工具を移
動させる動作のアプローチプログラムを実行したときの
工具軌跡を示す図である。
【図7】複数のワーク加工対象域に分割して加工する形
状等を示す図である。
【図8】複数のワーク加工対象域に分割して加工する形
状等を示す図である。
【図9】プログラム作成装置を示す概略的なブロック図
である。
【図10】プログラム作成処理を示すフローチャートで
ある。
【図11】従来の加工プログラムとプログラム作成処理
による加工プログラムとを実行したときの工具軌跡を示
す図である。
【図12】従来の加工プログラムの一例を示す図であ
る。
【図13】プログラム作成処理による加工プログラムの
一例を示す図である。
【図14】加工装置において実行される相対移動処理を
示すフローチャートである。
【図15】他のアプローチプログラムによる工具軌跡を
示す図である。
【図16】従来の加工方法を示す概念図である。
【図17】従来の加工方法を実現する加工プログラムを
実行したときの実際の工具軌跡を示す図である。
【符号の説明】
10 工具 12,28 退避位置 14,26,34 経路 16 ワーク 18 加工開始位置 20,22 領域 24,30 加工終了位置 32 未加工部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク加工対象域の境界部において隣接
    域に滑らかに連続する加工面を形成するために、工具を
    移動させる切削加工方法であって、 隣接域内におけるワーク表面上の位置で所定距離離れて
    いる退避位置から、前記ワーク加工対象域の加工開始位
    置に向かう経路に沿って工具を移動させ、 その後に前記ワーク加工対象域の加工を行うように工具
    を移動させることを特徴とする加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加工方法であって、 隣接域内におけるワーク表面上の位置で所定距離離れて
    いる退避位置から、前記ワーク加工対象域を加工する加
    工プログラムの加工開始位置に向かう経路に沿って工具
    を移動させるアプローチプログラムを付加し、 そのアプローチプログラムを実行した後に、前記加工プ
    ログラムを実行することを特徴とする加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の加工方法であって、 前記アプローチプログラムは、前記退避位置から前記加
    工開始位置に工具を移動させるにつれて、その工具をワ
    ーク表面に漸近させることを特徴とする加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の加工方法であって、 前記アプローチプログラムは、前記退避位置から前記加
    工開始位置に工具を移動させる途中から、前記隣接域を
    加工する加工プログラムに従って工具を移動させること
    を特徴とする加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の加工方法であって、 前記加工プログラムの途中に、ワークから工具を一旦離
    して再度接近させるプログラム部分が存在する場合にお
    いて、 その再度接近させる位置に向かって、ワーク表面に対し
    て斜め方向から工具を接近させる領域内アプローチプロ
    グラムを付加し、 その領域内アプローチプログラムを実行した後に、その
    プログラム部分以降の加工プログラムを実行することを
    特徴とする加工方法。
  6. 【請求項6】 隣接域に対して滑らかに連続する形状に
    ワーク加工対象域を加工する加工プログラムに従って加
    工装置を運転し、そのワークに対して隣接域に滑らかに
    連続する加工面を形成する加工方法であって、 前記加工プログラムの加工終了位置から、隣接域内にお
    けるワーク表面上の位置で所定距離離れている退避位置
    に向かう経路に沿って工具を移動させるリトラクトプロ
    グラムを付加し、 前記加工プログラムを実行した後に、そのリトラクトプ
    ログラムを実行することを特徴とする加工方法。
  7. 【請求項7】 加工形状情報に基づいて、ワークと工具
    との間の相対的な位置関係を制御することにより、その
    ワークに対して隣接域に滑らかに連続する加工面を形成
    する動作プログラムを作成するプログラム作成装置であ
    って、 工具をアプローチさせる経路のアプローチ情報を記憶
    し、 そのアプローチ情報に基づいて、隣接域内におけるワー
    ク表面上の位置で所定距離離れている退避位置から、ワ
    ーク加工対象域を加工する加工プログラムの加工開始位
    置に向かう経路に沿って工具を移動させるアプローチプ
    ログラムを作成し、 前記加工形状情報に基づいて加工プログラムを作成し、 前記アプローチプログラムと前記加工プログラムとによ
    って動作プログラムを作成することを特徴とするプログ
    ラム作成装置。
  8. 【請求項8】 ワーク表面内の隣接域に対して滑らかに
    連続する形状にワーク加工対象域を加工する加工プログ
    ラムに従って動作し、そのワークに対して隣接域に滑ら
    かに連続する加工面を形成する加工装置であって、 隣接域内におけるワーク表面上の位置で所定距離離れて
    いる退避位置から、前記加工プログラムの加工開始位置
    に向かう経路に沿って工具を移動させるアプローチプロ
    グラムを付加し、 そのアプローチプログラムを実行した後に、前記加工プ
    ログラムを実行することを特徴とする加工装置。
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