JPH09219372A - 非晶質シリコン系感光体の製造装置及び方法 - Google Patents

非晶質シリコン系感光体の製造装置及び方法

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JPH09219372A
JPH09219372A JP8046767A JP4676796A JPH09219372A JP H09219372 A JPH09219372 A JP H09219372A JP 8046767 A JP8046767 A JP 8046767A JP 4676796 A JP4676796 A JP 4676796A JP H09219372 A JPH09219372 A JP H09219372A
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JP
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gas
shield
high frequency
raw material
amorphous silicon
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JP8046767A
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Hitoshi Murayama
仁 村山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、感光体上の特性不均一を抑止し、全
領域にわたって光メモリーが低減されると共に、画像欠
陥が抑制され、さらには他の電子写真特性も良好な非晶
質シリコン系感光体を低コストで製造し得る非晶質シリ
コン系感光体の製造装置および方法を提供することを目
的としている。 【解決手段】本発明は、真空気密可能な反応容器内の、
複数の円筒状基体で取り囲んで形成された成膜空間に、
原料ガス供給手段より供給された原料ガスに高周波電力
導入手段よりVHF帯の高周波電力を導入し、前記成膜
空間内にグロー放電を生起し、前記基体上に堆積膜を形
成するプラズマCVD法による非晶質シリコン系感光体
の製造装置および方法において、前記原料ガス供給手段
よりの原料ガスの供給を前記高周波電力導入手段の表面
に設けられたガス噴出口より行うようにすると共に、該
ガス噴出口外部に設けた遮蔽物により原料ガスを散乱さ
せるようにしたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマCVD法を
用いた非晶質シリコン系感光体の製造装置及び方法に係
り、特に、電子写真用非晶質シリコン(以下、a−Si
と称す)系感光体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体を形成する光導電材料
としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流
(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に
適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体
に対して無害であること、等の特性が要求される。特
に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内
に組み込まれる電子写真用光受容部材の場合には、上記
の使用時における無公害性は重要な点である。この様な
点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファス
シリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があ
り、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写
真用光受容部材としての応用が記載されている。このよ
うな電子写真用感光体は、一般的には、導電性支持体を
50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD
法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa
−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマ
CVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波ある
いはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上に
a−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用
に付されている。
【0003】また、特開昭56−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる電子写真用感光体が提案されている。
当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至
40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、電子
写真用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特
性を得ることができるとしている。また、特開昭57−
115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された
光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光
応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等
の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を
図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料
で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子
を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面
障壁層を設ける技術が記載されている。更に、特開昭6
0−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭
素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコ
ート層を積層する感光体についての技術が記載され、特
開昭62−168161号公報には、表面層として、シ
リコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を
構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載され
ている。
【0004】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して
帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行
うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵
抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技
術が開示されている。また、特開昭61−283116
号公報には非晶質半導体の形成に適したマイクロ波プラ
ズマCVD法(以後「MW−PCVD」と略記する)及
びその装置が記載されている。特開昭63−14938
1号公報には、複数の円筒状基体を同心円上に設置し、
円筒状基体に囲まれた放電空間にマイクロ波電力を投入
することにより、基体上に非晶質膜を形成する技術が記
載されている。これらの技術により、電子写真用a−S
i系感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環
境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してき
た。
【0005】このようなa−Si系感光体の製造装置及
び製造方法は概略以下のようなものである。図3は電源
としてRF帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法
(以後「RF−PCVD」と略記する)による電子写真
用光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な構成図で
ある。図3に示す製造装置の構成は以下の通りである。
この装置は大別すると、堆積装置3100、原料ガスの
供給装置3200、反応容器3111内を減圧にするた
めの排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装
置3100中の反応容器3111内には円筒状支持体3
112、支持体加熱用ヒーター3113、原料ガス導入
管3114が設置され、更に高周波マッチングボックス
3115が接続されている。原料ガス供給装置3200
は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B2H6、P
H3等の原料ガスのボンベ3221〜3226とバルブ
3231〜3236、3241〜3246、3251〜
3256およびマスフローコントローラー3211〜3
216から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ32
60介して反応容器3111内のガス導入管3114に
接続されている。
【0006】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、反応容器31
11内に円筒状支持体3112を設置し、不図示の排気
装置(例えば真空ポンプ)により反応容器3111内を
排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター3113によ
り円筒状支持体3112の温度を200℃乃至350℃
の所定の温度に制御する。堆積膜形成用の原料ガスを反
応容器3111に流入させるには、ガスボンベのバルブ
3231〜3237、反応容器のリークバルブ3117
が閉じられていることを確認し、叉、流入バルブ324
1〜3246、流出バルブ3251〜3256、補助バ
ルブ3260が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ3118を開いて反応容器3111およびガス
配管内3116を排気する。次に真空計3119の読み
が約5×10-6Torrになった時点で補助バルブ32
60、流出バルブ3251〜3256を閉じる。その
後、ガスボンベ3221〜3226より各ガスをバルブ
3231〜3236を開いて導入し、圧力調整器326
1〜3266により各ガス圧を2Kg/cm2に調整す
る。次に、流入バルブ3241〜3246を徐々に開け
て、各ガスをマスフローコントローラー3211〜32
16内に導入する。
【0007】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体31
12が所定の温度になったところで流出バルブ3251
〜3256のうちの必要なものおよび補助バルブ326
0を徐々に開き、ガスボンベ3221〜3226から所
定のガスをガス導入管3114を介して反応容器311
1内に導入する。次にマスフローコントローラー321
1〜3216によって各原料ガスが所定の流量になるよ
うに調整する。その際、反応容器3111内の圧力が1
Torr以下の所定の圧力になるように真空計3119
を見ながらメインバルブ3118の開口を調整する。内
圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF
電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチ
ングボックス3115を通じて反応容器3111内にR
F電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エ
ネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分
解され、円筒状支持体3112上に所定のシリコンを主
成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜
厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バ
ルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の
形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。それぞれ
の層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはす
べて閉じられていることは言うまでもなく、また、それ
ぞれのガスが反応容器3111内、流出バルブ3251
〜3256から反応容器3111に至る配管内に残留す
ることを避けるために、流出バルブ3251〜3256
を閉じ、補助バルブ3260を開き、さらにメインバル
ブ3118を全開にして系内を一旦高真空に排気する操
作を必要に応じて行う。膜形成の均一化を図るために、
層形成を行なっている間は、支持体3112を駆動装置
(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効
である。さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々
の層の作成条件にしたがって変更が加えられることは言
うまでもない。
【0008】一方、複数の感光体を同時に形成でき、生
産性の極めて高い図4に示した堆積膜形成装置の開発も
積極的に進められている。図4(a)は概略断面図、図
4(b)は図4(a)の切断線B−B’に沿う概略断面
図である。反応容器401の側面には排気管404が一
体的に形成され、排気管404の他端は不図示の排気装
置に接続されている。反応容器401の上面と下面には
それぞれ導波管403が取り付けられ、各導波管403
の他端は不図示のマイクロ波電源に接続されている。各
導波管403の反応容器401側の端部にはそれぞれ誘
電体窓402が気密封止されている。反応容器401の
中心部を取り囲むように、堆積膜の形成される6この円
筒状基体405が互いに平行になるように配置されてい
る。各円筒状基体405は回転軸408によって保持さ
れ、発熱体407によって加熱されるようになってい
る。モータ409を駆動すると、減速ギア410を介し
て回転軸408が回転し、円筒状基体405がその母線
方向中心軸のまわりを自転するようになっている。反応
容器401内の円筒状基体405と各誘電体窓402で
囲まれた空間があり、この空間が成膜空間406とな
る。また、隣接する2個の円筒状基体405の間の隙間
には、それぞれ原料ガス導入管451が設けられてい
る。原料ガス導入管351は原料ガスを成膜空問406
に導入するようになっている。
【0009】この装置を用いて電子写真用感光体を作製
するときは、まず、反応容器401内を10-7Torr
以下まで排気し、ついで、発熱体407により円筒状基
体405を所望の温度に加熱保持する。そして、原料ガ
ス導入管451を介して、原料ガスを反応容器401内
に導入する。これと同時並行的に周波数500MHz以
上の好ましくは2.45GHzのマイクロ波を導波管4
03、誘電体窓402を経て反応容器401内に入射さ
せる。その結果、成膜空間406においてグロー放電が
生起し、原料ガスは励起解離して円筒状基体405上に
堆積膜が形成される。このとき、モータ409を回転さ
せることにより、円筒状基体405の全周にわたって堆
積膜を形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置及び方
法により、良好なa−Si系感光体が形成されるが、現
在の市場での高度な要求に対応していくため、更なる技
術の向上が必要となっている。具体的には、画像欠陥の
更なる軽減、光メモリーと呼ばれる電子写真画像上の残
像現象の低減、コストの低減等が挙げられる。光メモリ
ーは前回のコピー時に形成された潜像が、次回のコピー
時までに完全に消去されず、次回のコピー画像上にかす
かに前回のコピー画像が形成されてしまうものである。
このような電子写真画像特性向上、低コスト化のため
に、a−Si系感光体製造技術、特にa−Si膜形成技
術の更なる発展が必要不可欠となっている。a−Si膜
形成技術に関しては、感光体に限らずさまざまな応用を
目的として多くの工夫、改善が為され、日々着実にその
技術の向上が達せられている。例えば、近年注目を浴び
ているものの1つにVHF帯の高周波電力を用いたVH
FプラズマCVD(以後「VHF−PCVD」と略記す
る)法がある。VHF−PCVD法は膜堆積速度が速
く、また高品質なa−Si膜が得られるため、製品の低
コスト化、高品質化を同時に達成し得るものと期待さ
れ、これを用いた各種製品製造法の開発が意欲的に進め
られている。
【0011】しかしながら、このVHF−PCVD法を
a−Si系感光体形成に用いようとした場合、解決しな
ければならない問題点が存在する。VHF−PCVD法
によるa−Si系感光体形成の低コスト化実現を考えた
場合、装置構成としてはMW−PCVD法の場合と同様
に例えば図4に示したような複数の円筒状基体を同心円
上に設置し、円筒状基体に囲まれた放電空間に高周波電
力を投入する装置構成が有効である。このような装置構
成においては、同時に複数本の感光体が製造されるとい
う点だけではなく、成膜空間中で分解された活性種のほ
とんどが円筒状基体上に堆積されるので原料ガス利用効
率が高いという点においても製品の低コスト化に寄与す
るものである。この装置構成において、複数の円筒状基
体上全てに同質の膜堆積を行なおうとした場合、原料ガ
ス供給方法としては同心円上に複数のガス供給手段を設
けるか、或は中央に設置された電極表面から原料ガスを
供給する方法が考えられる。この内の、同心円上に複数
のガス供給手段を設ける方式による場合、それらのガス
供給手段が高周波電極に近すぎるとプラズマの不均一
化、不安定化を引き起こしてしまうという問題を生じ
る。一方、このようなプラズマの不均一化、不安定化を
抑制するため、高周波電極から遠ざけるとガス供給手段
と円筒状基体が近接してしまうため、膜堆積中に原料ガ
ス供給手段表面から剥離した膜が円筒状基体表面に付着
しやすくなり、a−Si系感光体の画像欠陥抑制が困難
となる。これに対し、中央に設置された電極表面から原
料ガスを供給する方式による場合、上記のようなプラズ
マの不均一化、不安定化を生ずることはなく、また、ガ
ス供給部が円筒状基体に近接することがないため画像欠
陥の問題も解決される。これに類似した構成はMW−P
CVD法において例えば特開平3−219081号公報
に提案されている。該公報においては、成膜空間中央に
電界印加用のバイアス電極を設置し、バイアス電極表面
からガス供給を行なうという構成とすることで良好なa
−Si系感光体を形成することができることが開示され
ている。
【0012】本発明者はVHF−PCVD法においても
上記のように電極表面からガス供給を行なうことで、画
像欠陥を抑制しながら高膜質化、及び低コスト化を達成
すべく検討を行なった。しかしながら、その結果、VH
F−PCVD法においては電極表面に開口されたガス供
給口からガス供給を行なう構成としただけでは、形成さ
れたa−Si系感光体上のガス供給口位置に対応した部
分での特性が不十分となってしまうことが明らかとなっ
た。このようなMW−PCVD法との差異は、電極が果
す役割、作用の違いにより生じるものと推察される。M
W−PCVD法において原料ガスの分解は導波路等より
供給されるマイクロ波エネルギーにより為される。成膜
空間中に設置されたバイアス電極はプラズマ・基体間へ
の電界付与という作用を施すものの、原料ガスの分解に
はほとんど寄与しない。一方、VHF−PCVD法にお
いては電極より放射される高周波電力により原料ガスを
分解する。即ち、MW−PCVD法においてはバイアス
電極表面からガス供給を行なった場合においても、原料
ガス分解エネルギー供給部と原料ガス供給部は別個であ
るのに対して、VHF−PCVD法においては原料ガス
分解エネルギー供給部と原料ガス供給部が同一部分とな
ってしまう。この結果、電極表面からガス供給を行なっ
た場合、VHF−PCVD法ではエネルギー供給源であ
り同時に原料ガス供給源でもある電極近傍での原料ガス
分解過程が局所的に全く異なったものになってしまい、
堆積膜の特性にも大きな変化をもたらすものと考えられ
る。従って、VHF−PCVD法において、電極表面か
らガス供給を行なうにはこれらの点を考慮した新たな電
極構成を見いだすことが重要となる。
【0013】そこで、本発明は、上記従来のものにおけ
る課題を解決し、感光体上の特性不均一を抑止し、全領
域にわたって光メモリーが低減されると共に、画像欠陥
が抑制され、さらには他の電子写真特性も良好な非晶質
シリコン系感光体を低コストで製造し得る非晶質シリコ
ン系感光体の製造装置および方法を提供することを目的
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、非晶質シリコン系感光体の製造装置および
方法をつぎのように構成したものである。すなわち、本
発明の非晶質シリコン系感光体の製造装置は、真空気密
可能な反応容器内に成膜空間を取り囲むように複数の円
筒状基体を配置し、前記成膜空間内に少なくとも原料ガ
ス供給手段と高周波電力導入手段を備え、前記原料ガス
供給手段より供給された原料ガスに前記高周波電力導入
手段よりVHF帯の高周波電力を導入することにより前
記成膜空間内にグロー放電を生起し、前記基体上に堆積
膜を形成するプラズマCVD法による非晶質シリコン系
感光体の製造装置において、前記原料ガス供給手段は前
記高周波電力導入手段表面に設けられたガス噴出口より
原料ガスを前記反応容器の成膜空間中に供給する構造を
有し、該ガス噴出口外部に原料ガス散乱用の遮蔽物を設
けたことを特徴としている。また、本発明の非晶質シリ
コン系感光体の製造方法は、真空気密可能な反応容器内
の、複数の円筒状基体で取り囲んで形成された成膜空間
に、原料ガス供給手段より供給された原料ガスに高周波
電力導入手段よりVHF帯の高周波電力を導入し、前記
成膜空間内にグロー放電を生起し、前記基体上に堆積膜
を形成するプラズマCVD法による非晶質シリコン系感
光体の製造方法において、前記原料ガス供給手段よりの
原料ガスの供給を前記高周波電力導入手段の表面に設け
られたガス噴出口より行うようにすると共に、該ガス噴
出口外部に設けた遮蔽物により原料ガスを散乱させるよ
うにしたことを特徴としている。そして、本発明におい
ては、前記遮蔽物は、その大きさが前記ガス噴出口中心
を通り、かつ、前記高周波電極に垂直な中心軸を有する
該遮蔽物の内接円のうち、内接円半径の最大値Rが、該
ガス噴出口の外接円半径rに対して、 R≧3r となるように設定することが好ましい。また、前記遮蔽
物は、前記ガス噴出口中心を通り、かつ、前記高周波電
極に垂直な中心軸を有する該遮蔽物の内接円のうち最大
半径Rを有する内接円と、ガス噴出口との最小距離a
が、 a≦2R となる範囲に設置することが好ましい。また、前記VH
F帯の高周波電力は、その周波数が20MHz〜450
MHzであることが好ましく、それが50MHz〜45
0MHzであることがより好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、上記構成により、画像
欠陥を抑制しながら、VHF−PCVD法の特徴である
高速成膜、高膜質化が達成でき、画像欠陥、光メモリー
を初めとする電子写真特性が良好なa−Si系電子写真
用感光体が低コストで製造することを可能として、本発
明の上記した目的を達成するものであるが、それは本発
明者の鋭意検討を行った結果、単に電極表面にガス噴出
口を設けた構造だけでは、前述したように形成されたa
−Si系感光体上のガス供給口位置に対応した部分での
特性が不十分となることに鑑み、このような局所的悪化
は高周波電極表面に形成されるシースに起因するという
知見に基づくものである。そして、本発明において上記
したような結果が得られるメカニズムは概略以下のよう
であると考えている。単に電極表面にガス噴出口を設け
た構造の場合、前述したように形成されたa−Si系感
光体上のガス供給口位置に対応した部分での特性が不十
分となってしまう。本発明者はこの原因に関して様々な
検討を重ねた結果、このような局所的悪化は高周波電極
表面に形成されるシースに起因するものと判断するに至
った。成膜空間を取り囲むように複数の円筒状基体を配
置した場合、カソード面積(高周波電極表面積)がアノ
ード面積(円筒状基体のプラズマに接する面積)よりも
小さくなる。このため、高周波電極表面のシースには大
きな電位差が生じる。その値は放電条件によって変化す
るが、本発明者の検討においては150〜250V程度
の電位差が確認された。このような大きな電位差によ
り、プラズマ中のイオンの一部はシース中を加速され、
高エネルギーイオンとなりながらカソード表面へ入射す
る。カソード表面に到達したイオンは二次電子放出効果
によりカソード表面より二次電子を放出させるが、この
二次電子はシース中をプラズマ方向に向かって加速され
つつ高エネルギー電子となる。一方、ガス噴出口より噴
出されたガスは噴出口近傍、即ちシース付近では局所的
に密度の高い状態となっている。このような状況、即ち
高エネルギーイオン、及び高エネルギー電子が存在し、
ガス密度の高い状況下においてはガスの分解が極めて為
され易い。また、分解された活性種同士が更に反応する
所謂二次反応も活発に為される。このような結果、ガス
噴出口近傍ではプラズマバルク中とは異なった反応が進
行し、異なった活性種が生成される。従って、a−Si
系感光体形成条件を適正化していっても、ガス噴出口近
傍の反応をも合わせて適正化することは困難である。こ
のため、VHF−CVDにおいて成膜空間を取り囲むよ
うに複数の円筒状基体を配置し、更に電極表面に開口さ
れたガス供給口からガス供給を行なう構成とした際に
は、形成されたa−Si系感光体上においてガス供給口
位置に対応した部分で特性が不十分となってしまうもの
と考えられる。
【0016】従来のMW−PCVD法において類似の構
成で良好なa−Si系感光体特性が得られるのは、MW
−PCVD法において原料ガスの分解はマイクロ波で為
され、バイアス電極は電界印加用であるため、投入電力
も小さく電極表面に形成されるシース部での電位差が高
々10〜50V程度と低いことによるものと考えられ
る。本発明においてはガス噴出口外部に原料ガス散乱用
の遮蔽物を設置する構成であるため、前述したような局
所的にガス密度が高く、更に高エネルギー電子・イオン
が存在する領域が存在しない。ガス噴出口から噴出した
ガスが遮蔽物に至るまでの間においては、本発明におい
ても局所的にガス密度が高い領域が存在するものの、こ
の領域では遮蔽物によりプラズマからの高エネルギーイ
オンの入射が防止されるため、ガス密度が高く更に高エ
ネルギーイオン・電子が存在するという条件は満たされ
ない。また、遮蔽物外においては、プラズマからの高エ
ネルギーイオンの入射は存在するものの、ガスが遮蔽物
により散乱された後であるためガス密度は低い。このよ
うに、本発明においてはガス密度が高く、更に高エネル
ギーイオン・電子が存在する領域がないため、前述した
ような局所的なガス分解、二次反応の進行は生じず、全
領域において均一な膜形成が為される。
【0017】以下、本発明の内容を図に基づいて詳述す
る。図1(a)は本発明に用いることができるガス供給
手段を兼ねた高周波電極の一例を示したものである。図
において、101はガス供給路を兼ねた高周波電極、1
02は遮蔽物、103は遮蔽物支持体、104はガス噴
出口である。高周波電極101は導電性材料で形成され
ていても良いし、絶縁性材料の表面に導電性材料をコー
ティングしても良く、また導電性材料の表面に絶縁性材
料をコーティングしても良い。その際のコーテイング部
は内面だけでも良いし、外面だけでも良く、あるいは両
面行なっても良い。また、高周波電力が伝送される形態
であれば導電性材料と絶縁性材料を組みあわせて形成し
ても良い。代表的な材料としては導電性材料ではTi、
Ni、Au、Ag、Pt、Cu、W、Fe、Cr、A
l、SUS、インコネル等が挙げられ、絶縁性材料では
アルミナ、窒化ボロン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ガラ
ス等が挙げられる。遮蔽物102は導電性材料でも絶縁
性材料でもあるいはこれらの組みあわせであっても良
い。代表的な材料としてはTi、Ni、Au、Ag、P
t、Cu、W、Fe、Cr、Al、SUS、インコネ
ル、アルミナ、窒化ボロン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、
ガラス及びこれらの組み合わせが挙げられる。遮蔽物1
02の形状としては特に制限はないが、ガス噴出口10
4がプラズマから遮蔽され、また噴出口より噴出された
ガスが散乱されるだけの大きさを必要とする。
【0018】図1(b)は本発明に用いることができる
原料ガス供給手段を兼ねた高周波電極の部分的概略図で
ある。図1(b)において遮蔽物102は不図示の遮蔽
物支持体により高周波電極101に固定されている。遮
蔽物102の大きさは、ガス噴出口104の中心を通
り、かつ高周波電極101に垂直な中心軸を有する遮蔽
物102の内接円のうち最大の内接円半径Rがガス噴出
口104の外接円半径rに対して、 R≧3r となるように設定することが好ましい。遮蔽物102の
内接円半径の最大値Rがこの条件よりも小さいと、ガス
噴出口104より噴出された原料ガスが充分に散乱され
ず、ガス噴出口104に対応した感光体上位置での特性
改善が充分になされなくなってしまう。また、遮蔽物1
02はガス噴出口104の中心を通り、かつ、高周波電
極に垂直な中心軸を有する遮蔽物102の内接円のう
ち、最大半径Rを有する内接円とガス噴出口104との
最小距離aが、 a≦2R となる範囲に設置することが好ましい。ガス噴出口10
4と遮蔽物102の距離がこれ以上となると、ガス噴出
口104と遮蔽物102の間にプラズマが回りこみ、ガ
ス噴出口104に対応した感光体上位置での特性改善が
充分になされなくなってしまう。ガス噴出口104の大
きさ、及び個数は原料ガスが成膜空間中に均一に供給さ
れる大きさ、個数であれば良い。遮蔽物102は各ガス
噴出口ごとに設ける必要がある。
【0019】このような本発明を用いたa−Si系感光
体製造装置による堆積膜形成は概略以下のような手順に
より行なうことができる。図2は本発明に用いることが
できるa−Si系感光体製造装置の一例を示した概略図
である。図2において、201は反応容器、202は原
料ガス供給手段を兼ねた高周波電極、204は反応容器
201の側面に一体的に形成された排気管、205は円
筒状基体、206は成膜空間、207は発熱体、208
は回転軸、209はモータ、210は減速ギア、211
は高周波マッチングボックス、212は高周波電源であ
る。図2中において高周波電極202は棒状に簡略して
示してあるが、その構成は図1に示したように本発明を
達成しうる構成となっている。このような装置を用いた
堆積膜形成手順は、まず、反応容器201内を10-7
orr以下まで排気し、ついで、発熱体207により円
筒状基体205を所望の温度に加熱保持する。そして、
原料ガス供給手段を兼ねた高周波電極202を介して、
原料ガスを反応容器201内に導入する。原料ガスの流
量が設定流量となり、また、反応容器201内の圧力が
安定したのを確認した後、高周波電源212よりマッチ
ングボックス211を介して高周波電極202へ高周波
電力を供給する。高周波電極202より成膜空間206
に放射された高周波電力により、成膜空間206におい
てグロー放電が生起し、原料ガスは励起解離して円筒状
基体205上に堆積膜が形成される。このとき、モータ
209を回転させることにより、円筒状基体205の全
周にわたって堆積膜を形成することができる。本発明を
用いて作製しうるa−Si系感光体の層構成は例えば以
下のようなものである。
【0020】図5は、層構成を説明するための模式的構
成図である。図5(a)に示す電子写真用感光体500
は、支持体501の上にa−Si:H,Xからなり光導
電性を有する光導電層502が設けられている。図5
(b)に示す電子写真用感光体500は、支持体501
の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光
導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503
とから構成されている。図5(c)に示す電子写真用感
光体500は、支持体501の上に、a−Si:H,X
からなり光導電性を有する光導電層502と、アモルフ
ァスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン
系電荷注入阻止層504とから構成されている。図5
(d)に示す電子写真用感光体500は、支持体501
の上に、光導電層502が設けられている。該光導電層
502はa−Si:H,Xからなる電荷発生層505な
らびに電荷輸送層506とからなり、その上にアモルフ
ァスシリコン系表面層503が設けられている。
【0021】感光体の支持体としては、導電性でも電気
絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、
Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、P
t、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えば
ステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
アミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、
セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも光受容層
を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いること
ができる。支持体501の形状は平滑表面あるいは凹凸
表面の円筒状または板状無端ベルト状であることがで
き、その厚さは、所望通りの電子写真用感光体500を
形成し得るように適宜決定するが、電子写真用感光体5
00としての可撓性が要求される場合には、支持体50
1としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄
くすることができる。しかしながら、支持体501は製
造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は1
0μm以上とされる。
【0022】本発明における光導電層502は、支持体
501上に、所望特性が得られるように適宜成膜パラメ
ーターの数値条件が設定されて作成される。光導電層5
02を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)
を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)
を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン
原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が
減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、
該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定
の位置に設置されてある所定の支持体501上にa−S
i:H,Xからなる層を形成させる。また、光導電層5
02中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有され
ることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手
を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持
特性を向上させるために必須不可欠であるからである。
よって水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水
素原子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原
子または/及びハロゲン原子の和に対して10〜40原
子%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが望
ましい。Si供給用ガスとなり得る物質としてはSiH
4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状
態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有
効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取
り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、S
i2H6が好ましいものとして挙げられる。そして、形
成される光導電層502中に水素原子を構造的に導入
し、水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるよ
うに図り、良好な膜特性を得るために、これらのガスに
更にH2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪
素化合物のガスも所望量混合して層形成することも効果
的である。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合
比で複数種混合しても差し支えないものである。
【0023】またハロゲン原子供給用の原料ガスとして
有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハ
ロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換され
たシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲ
ン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコ
ン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまた
はガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物
も有効なものとして挙げることができる。好適に使用し
得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F
2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF
5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げること
ができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハ
ロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的
には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪素が好
ましいものとして挙げることができる。光導電層502
中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量
を制御するには、例えば支持体501の温度、水素原子
または/及びハロゲン原子を含有させるために使用され
る原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制
御すればよい。光導電層502には必要に応じて伝導性
を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を
制御する原子は、光導電層502中に万偏なく均一に分
布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向に
は不均一な分布状態で含有している部分があってもよ
い。
【0024】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特
性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第V
b族原子」と略記する)を用いることができる。第IIIb
族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウ
ム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、
タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適
である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、
砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)
等があり、特にP、Asが好適である。光導電層502
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好
ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には
1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望まし
い。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あ
るいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の
際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族
原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導
電層502を形成するための他のガスとともに導入して
やればよい。
【0025】第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第
Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、
常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で
容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。そ
のような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的に
は、硼素原子導入用としては、B2H6、B4H10、
B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B6
H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等
のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl
3、GaCl3、Ga(CH3)3、InCl3、Tl
Cl3等も挙げることができる。第Vb族原子導入用の
原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用と
しては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、P
F3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr
5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、A
sH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、AsF
5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、Sb
Cl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等も第Vb
族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げること
ができる。また、これらの伝導性を制御する原子導入用
の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeによ
り希釈して使用してもよい。
【0026】さらに光導電層503に炭素原子及び/ま
たは酸素原子及び/または窒素原子を含有させることも
有効である。炭素原子及び/または酸素原子/及びまた
は窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原
子及び窒素原子の和に対して好ましくは1×10-5〜1
0原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子%、最適
には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素原子及び/
または酸素原子及び/または窒素原子は、光導電層中に
万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方
向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部
分があっても良い。光導電層502の層厚は所望の電子
写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜
所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μ
m、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜4
5μmとされるのが望ましい。所望の膜特性を有する光
導電層502を形成するには、Si供給用のガスと希釈
ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならび
に支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0027】希釈ガスとして使用するH2および/また
はHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択される。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。光導電層を形成するための支持体温度、ガス圧の望
ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条
件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所
望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有
機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0028】本発明において表面層としては、上述のよ
うにして支持体501上に形成された光導電層502の
上に、更にアモルファスシリコン系の表面層503を形
成することが好ましい。この表面層503は主に耐湿
性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特
性、耐久性向上を主たる目的として設けられる。表面層
503は、アモルファスシリコン系の材料であればいれ
ずの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及
び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子
を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:
H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハ
ロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するア
モルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表
記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子
(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファス
シリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、
水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有
し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一
つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC
ON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられ
る。
【0029】表面層503は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作成される。例えば、a−Si
C:H,Xよりなる表面層503を形成するには、基本
的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の
原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原
料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料
ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供
給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所
望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を
生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層
502を形成した支持体501上にa−SiC:H,X
からなる層を形成すればよい。表面層の材質としてはシ
リコンを含有するアモルファス材料ならば何れでも良い
が、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1
つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa−S
iCを主成分としたものが好ましい。
【0030】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%から90%の範囲が好ましい。また、表面層5
03中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有され
ることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手
を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷
保持特性を向上させるために重要である。水素含有量
は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子
%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原
子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量とし
て、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.
1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とされるの
が望ましい。
【0031】表面層の形成において使用されるシリコン
(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH
4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状
態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有
効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取
り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、S
i2H6が好ましいものとして挙げられる。また、これ
らのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、
Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。炭
素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C2H
6、C3H8、C4H10等のガス状態の、またはガス
化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げら
れ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ
等の点でCH4、C2H6が好ましいものとして挙げら
れる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に応じ
てH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用
してもよい。窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、C
O、CO2、N2等のガス状態の、またはガス化し得る
化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。ま
た、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じ
てH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用
してもよい。また、形成される表面層503中に導入さ
れる水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるよ
うに図るために、これらのガスに更に水素ガスまたは水
素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成
することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく
所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものであ
る。
【0032】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化
合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原
子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガ
ス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有
効なものとして挙げることができる。本発明に於て好適
に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素
ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、
BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げ
ることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわ
ゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、
具体的には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪
素が好ましいものとして挙げることができる。表面層5
03中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子
の量を制御するには、例えば支持体501の温度、水素
原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用
される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等
を制御すればよい。炭素原子及び/または酸素原子及び
/または窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有さ
れても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するよ
うな不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0033】さらに表面層503には必要に応じて伝導
性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性
を制御する原子は、表面層503中に万偏なく均一に分
布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向に
は不均一な分布状態で含有している部分があってもよ
い。前記の伝導性を制御する原子としては、半導体分野
における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝
導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後
「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与
える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原
子」と略記する)を用いることができる。第IIIb族原子
としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(A
l)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウ
ム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適であ
る。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素
(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等が
あり、特にP、Asが好適である。表面層503に含有
される伝導性を制御する原子の含有量としては、好まし
くは1×10-3〜1×103原子ppm、より好ましく
は1×10-2〜5×102原子ppm、最適には1×1
-1〜1×102原子ppmとされるのが望ましい。伝
導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは
第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、
第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導
入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、表面層50
3を形成するための他のガスとともに導入してやればよ
い。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原
子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧
でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガ
ス化し得るものが採用されるのが望ましい。そのような
第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素
原子導入用としては、B2H6、B4H10、B5H
9、B5H11、B6H10、B6H12、B6H14
等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロ
ゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、Ga
Cl3、Ga(CH3)3、InCl3、TlCl3等
も挙げることができる。
【0034】第Vb族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、
P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、P
Cl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハ
ロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF
3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、S
bF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH
3、BiCl3、BiBr3等も第Vb族原子導入用の
出発物質の有効なものとして挙げることができる。ま
た、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を
必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。表面層503の層厚としては、
通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最
適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものであ
る。層厚が0.01μmよりも薄いと光受容部材を使用
中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μ
mを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下が
みられる。
【0035】表面層503は、その要求される特性が所
望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、
Si、C及び/またはN及び/またはO、H及び/また
はXを構成要素とする物質はその形成条件によって構造
的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物
性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質
を、又、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性
質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所
望の特性を有する化合物が形成される様に、所望に従っ
てその形成条件の選択が厳密になされる。例えば、表面
層503を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、
使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材
料として作成される。又、連続繰り返し使用特性や使用
環境特性の向上を主たる目的として表面層503が設け
られる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩
和され、照射される光に対して有る程度の感度を有する
非単結晶材料として形成される。目的を達成し得る特性
を有する表面層503を形成するには、支持体501の
温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設
定する必要がある。支持体501の温度(Ts)は、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは2
30〜330℃、最適には250〜300℃とするのが
望ましい。
【0036】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ま
しくは1×10-4〜10Torr、より好ましくは5×
10-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torr
とするのが好ましい。表面層を形成するための支持体温
度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙
げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるも
のではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべ
く相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるの
が望ましい。また表面層503と光導電層502との間
に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子
の含有量が光導電層502に向かって連続的に減少する
領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層の密
着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響を
より少なくすることができると同時に、界面でのキャリ
アのトラップを防止し、感光体特性向上を達し得る。
【0037】本発明においては、必要に応じて導電性支
持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の
注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層504を設け
てもよい。すなわち、電荷注入阻止層504は感光体が
一定極性の帯電処理をその表面に受けた際、支持体側よ
り光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有
し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能
は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そ
のような機能を付与するために、電荷注入阻止層504
には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く
含有させる。該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、ある
いは層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。分
布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよ
うに含有させるのが好適である。しかしながら、いずれ
の場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均
一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における
特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0038】電荷注入阻止層504に含有される伝導性
を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆ
る不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周
期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と
略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb
族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を
用いることができる。第IIIb族原子としては、具体的に
は、B(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリ
ウム)、In(インジウム)、Ta(タリウム)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン)、As(砒素)、Sb
(アンチモン)、Bi(ビスマス)等があり、特にP、
Asが好適である。
【0039】電荷注入阻止層504中に含有される伝導
性を制御する原子の含有量としては、所望にしたがって
適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子p
pm、より好適には50〜5×103原子ppm、最適
には1×102〜1×103原子ppmとされるのが望ま
しい。さらに、電荷注入阻止層504には、炭素原子、
窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、該電荷注入阻止層504に直接接触して設
けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図
ることができる。該層に含有される炭素原子または窒素
原子または酸素原子は該層中に万偏なく均一に分布され
ても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されて
はいるが、不均一に分布する状態で含有している部分が
あってもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体
の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏な
く含有されることが面内方向における特性の均一化をは
かる点からも必要である。
【0040】電荷注入阻止層504の全層領域に含有さ
れる炭素原子及び/または窒素原子および/または酸素
原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成されるよ
うに適宜決定されるが、一種の場合はその量として、二
種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10-3
〜50原子%、より好適には5×10-3〜30原子%、
最適には1×10-2〜10原子%とされるのが望まし
い。また、電荷注入阻止層504に含有される水素原子
および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合手
を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注入阻止層5
04中の水素原子またはハロゲン原子あるいは水素原子
とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1〜50原子
%、より好適には5〜40原子%、最適には10〜30
原子%とするのが望ましい。電荷注入阻止層504の層
厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効
果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましく
は0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるの
が望ましい。電荷注入阻止層504を形成するには、前
述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用
される。光導電層502と同様に、Si供給用のガスと
希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力な
らびに支持体501の温度を適宜設定することが必要で
ある。
【0041】希釈ガスであるH2および/またはHeの
流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、
通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適に
は5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。反応容
器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲
が選択されるが、通常の場合1×10-4〜10Tor
r、好ましくは5×10-4〜5Torr、最適には1×
10-3〜1Torrとするのが好ましい。電荷注入阻止
層504を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、
放電電力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記し
た範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通
常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特
性を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性
に基づいて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望
ましい。支持体501と光導電層502あるいは電荷注
入阻止層504との間の密着性の一層の向上を図る目的
で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいは
シリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲ
ン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または
窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設
けても良い。更に、支持体からの反射光による干渉模様
の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0042】
【実施例】以下、実験例および実施例により本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらにより何等、制限
されるものではない。 (実験例1)図2に示す電子写真用感光体の製造装置を
用い、高周波電極として図1に示す構造の電極を用い、
直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウム
シリンダー上に、高周波電源212の発振周波数を1
3.56MHz、20MHz、50MHz、100MH
z、250MHz、450MHz、600MHzと変化
させて表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表
面層からなる感光体を作製した。但し、14MHz、2
0MHzに関しては、表1中の内圧では放電生起が不可
能であったため、電荷注入阻止層は150mTorr、
光導電層は200mTorr、表面層は300mTor
rとした。電極は全長400mmの筒状であり肉厚1.
0mmのSUS304製である。電極表面には半径0.
5mmのガス噴出口が電極軸方向に4cm間隔で10個
設けられており、これが周方向に120度間隔で3列設
けられている。また、ガス噴出口外部には円柱形の遮蔽
物が各ガス噴出口毎に設けられている。円柱形遮蔽物は
半径5.0mm、高さ2.0mmのSUS304製であ
り、その中心軸がガス噴出口の中心を通り、高周波電極
中心軸に直交するように設置されている。円柱形遮蔽物
はSUS304製、直径1mmの遮蔽物支持体4本によ
りガス噴出口と円柱形遮蔽物との距離が4.0mmとな
るように高周波電極上に固定されている。このような条
件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造され
たキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、「帯電
能むら」、「感度むら」、「光メモリーむら」の3項目
について、以下の具体的評価法により評価を行なった。 帯電能むら・・・まず、感光体母線方向全領域に渡っ
て、複写機の主帯電器に一定の電流を流したときの現像
器位置での暗部電位を測定し、各部の帯電能とする。次
に、得られた各部の帯電能の最大値と最小値の差を求
め、その値により評価する。 感度むら・・・現像器位置での暗部電位が一定値となる
よう主帯電器電流を調整した後、原稿に反射濃度0.0
1以下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が
所定の値となるよう像露光光量を調整した際の像露光光
量を感光体母線方向全領域に渡って測定し、その最大値
と最小値の差により評価する。 光メモリーむら・・・現像器位置における暗部電位が所
定の値となるよう主帯電器の電流値を調整した後、所定
の白紙を原稿とした際の明部電位が所定の値となるよう
像露光光量を調整する。この状態でキヤノン製ゴースト
テストチャート(部品番号:FY9−9040)に反射
濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼りつけたものを原稿
台に置き、その上にキヤノン製中間調チャートを重ねて
おいた際のコピー画像において、中間調コピー上に認め
られるゴーストチャートの直径5mmの黒丸の反射濃度
と中間調部分の反射濃度との差を測定することにより光
メモリーの測定を行なう。光メモリーは感光体母線方向
全領域に渡って測定し、その最大値と最小値の差により
光メモリーむらを評価する。評価結果を図6に示す。図
中において、帯電能むら、感度むら、光メモリーむら共
に値が小さい方がむらが小さく良好であることを示して
いる。この結果より、高周波電力の周波数が20〜45
0MHzの範囲において帯電能むら、感度むら、光メモ
リーむらが改善され、本発明の効果が得られることが判
明した。特に、50〜450MHzの範囲においては著
しい効果が確認された。
【0043】
【表1】 (実験例2)本発明において、電極表面に設置したガス
噴出口の半径、遮蔽物の半径が作製された感光体特性に
どのような影響を及ぼすか明らかにするため、以下の実
験を行なった。図2に示す電子写真用感光体の製造装置
を用い、高周波電極として図1に示す構造の電極を用
い、電極表面に設置したガス噴出口の半径を0.5m
m、0.75mm、1.0mmと変化させ、各々につい
てSUS304製円柱状遮蔽物の半径をガス噴出口半径
の1倍、2倍、3倍、5倍、10倍と変化させて、直径
108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリ
ンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる15本の感光体を作製した。電極は
全長400mmの筒状であり肉厚1.0mmのSUS3
04製である。円柱状遮蔽物の高さは2.0mmとし、
その中心軸がガス噴出口の中心を通り、高周波電極中心
軸に直交するように設置されている。また、円柱状遮蔽
物とガス噴出口との距離は1mmとし、ガス噴出口の数
は各条件において帯電能むらが最小となるように調整し
た。また、高周波電源212の発振周波数は100MH
zとした。このような条件で作製されたa−Si感光体
を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6
060に設置し、「帯電能むら」、「感度むら」、「光
メモリーむら」の3項目について、実験例1と同様の具
体的評価法により評価を行なった。評価結果を図7に示
す。図中において、帯電能むら、感度むら、光メモリー
むら共に値が小さい方がむらが小さく良好であることを
示している。この結果より、ガス散乱用遮蔽物の半径が
ガス噴出口半径の3倍以上の場合に、本発明の効果が特
に顕著に得られることが明らかとなった。また、ガス噴
出口の形状を円形から正方形に変え、その正方形の外接
円半径をガス噴出口の半径として同様の実験を行なった
結果、ガス噴出口が円形の場合と全く同様の結果が得ら
れた。
【0044】(実験例3)ガス散乱用遮蔽物の形状を図
8に示すように直方体とし、更にガス穴との相対位置を
図8中に示したように非対称として、実験例2と同様に
電極表面に設置したガス噴出口の半径、遮蔽物の大きさ
が作製された感光体特性にどのような影響を及ぼすか明
らかにするため、以下の実験を行なった。図8中におい
て、801は高周波電極、802は原料ガス噴出口、8
03は直方体状遮蔽物である。図8中Rは、高周波電極
801に垂直で、原料ガス噴出口802を通る直線l上
に中心をもち、高周波電極801に平行な遮蔽物803
の内接円半径を示している。半径Rをもつ内接円は直線
lに平行な直方体の4面のうち3面に接している。直方
体の高さdは3mmとした。図2に示す電子写真用感光
体の製造装置を用い、高周波電極として図1に示す構造
の電極を用い、電極表面に設置したガス噴出口の半径を
1.0mmとし、SUS304製直方体状遮蔽物の図8
中Rの大きさをガス噴出口半径の1倍、2倍、3倍、5
倍、10倍と変化させて、直径108mm、長さ358
mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す
条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる5本
の感光体を作製した。電極は全長400mmの筒状であ
り肉厚1.0mmのSUS304製である。直方体状遮
蔽物とガス噴出口との距離は1mmとし、ガス噴出口の
数、及び設置位置は実験例2のガス噴出口径1.0mm
の場合と同様にした。また、高周波電源212の発振周
波数は100MHzとした。このような条件で作製され
たa−Si感光体を実験例2と同様にして本テスト用に
改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置
し、「帯電能むら」、「感度むら」、「光メモリーむ
ら」の3項目について、実験例2と同様の具体的評価法
により評価を行なった。評価結果を図9に示す。図中に
は比較のため、実験例2のガス噴出口半径1.0mmの
結果も併せて示している。図中において、帯電能むら、
感度むら、光メモリーむら共に値が小さい方がむらが小
さく良好であることを示している。この結果より、高周
波電極に垂直でガス噴出口の中心を通る直線上に中心を
もち、高周波電極に平行な遮蔽物の内接円半径の最大値
Rがガス噴出口半径の3倍以上であるときに本発明の効
果が特に顕著に得られることが明らかとなった。
【0045】(実験例4)本発明において、遮蔽物−ガ
ス噴出口間距離が作製された感光体特性にどのような影
響を及ぼすか明らかにするため、以下の実験を行なっ
た。図2に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高
周波電極として図1に示す構造の電極を用い、電極表面
に設置したガス噴出口の半径を0.5mmとし、SUS
304製円柱状遮蔽物の半径を2.0mm、3.0m
m、4.0mmと変化させ、更に各々に関して遮蔽物−
ガス噴出口間距離を円柱状遮蔽物半径の0.5、1、
2、3、5倍と変化させて、直径108mm、長さ35
8mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示
す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる1
5本の感光体を作製した。電極は全長400mmの筒状
であり肉厚1.0mmのSUS304製である。円柱状
遮蔽物の高さは2.0mmとし、その中心軸がガス噴出
口の中心を通り、高周波電極中心軸に直交するように設
置されている。ガス噴出口は高周波電極軸方向に10
個、4cm間隔で設けられており、これが周方向に12
0度間隔で3列設けられている。また、高周波電源21
2の発振周波数は100MHzとした。このような条件
で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造された
キヤノン製の複写機NP−6060に設置し、「帯電能
むら」、「感度むら」、「光メモリーむら」の3項目に
ついて、実験例1と同様の具体的評価法により評価を行
なった。評価結果を図10に示す。図中において、帯電
能むら、感度むら、光メモリーむら共に値が小さい方が
むらが小さく良好であることを示している。この結果よ
り、ガス散乱用遮蔽物とガス噴出口の距離が遮蔽物の半
径の2倍以下であるときに本発明の効果が特に顕著に得
られることが明らかとなった。また、ガス噴出口の形状
を円形から正方形に変え、その正方形の外接円半径をガ
ス噴出口の半径として同様の実験を行なった結果、ガス
噴出口が円形の場合と全く同様の結果が得られた。
【0046】(実験例5)ガス散乱用遮蔽物の形状を図
8に示すように直方体とし、更にガス穴との相対位置を
図8中に示したように非対称として、実験例4と同様に
遮蔽物−ガス噴出口間距離が作製された感光体特性にど
のような影響を及ぼすか明らかにするため、以下の実験
を行なった。図8中において、801は高周波電極、8
02は原料ガス噴出口、803は直方体状遮蔽物であ
る。図8中Rは、高周波電極801に垂直で、原料ガス
噴出口802を通る直線l上に中心をもち、高周波電極
801に平行な遮蔽物803の内接円半径を示してい
る。半径Rをもつ内接円は直線lに平行な直方体の4面
のうち3面に接している。直方体の高さdは3mmとし
た。図2に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高
周波電極として図1に示す構造の電極を用い、電極表面
に設置したガス噴出口の半径を0.5mmとし、SUS
304製直方体状遮蔽物の図8中Rの大きさを4.0m
mとし、遮蔽物−ガス噴出口間距離をSUS304製直
方体状遮蔽物の図8中Rの大きさの0.5、1、2、
3、5倍と変化させて、直径108mm、長さ358m
mの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条
件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体
を作製した。電極は全長400mmの筒状であり肉厚
1.0mmのSUS304製である。ガス噴出口は高周
波電極軸方向に10個、4cm間隔で設けられており、
これが周方向に120度間隔で3列設けられている。ま
た、高周波電源212の発振周波数は100MHzとし
た。このような条件で作製されたa−Si感光体を実験
例4と同様にして本テスト用に改造されたキヤノン製の
複写機NP−6060に設置し、「帯電能むら」、「感
度むら」、「光メモリーむら」の3項目について、実験
例4と同様の具体的評価法により評価を行なった。評価
結果を図11に示す。図中には比較のため、実験例4の
円柱状遮蔽物半径4.0mmの結果も併せて示してい
る。図中において、帯電能むら、感度むら、光メモリー
むら共に値が小さい方がむらが小さく良好であることを
示している。この結果より、遮蔽物−ガス噴出口間距離
が高周波電極に垂直でガス噴出口の中心を通る直線上に
中心をもち、高周波電極に平行な遮蔽物の内接円半径の
最大値Rの2倍以下であるときに本発明の効果が特に顕
著に得られることが明らかとなった。
【0047】[実施例1]図2に示す電子写真用感光体
の製造装置を用い、高周波電極として図1に示す構造の
電極を用い、直径108mm、長さ358mmの円筒状
アルミニウムシリンダー上に、表2に示す条件で電荷注
入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製し
た。高周波電源212の発振周波数は450MHzとし
た。電極は全長400mmの筒状であり肉厚1.0mm
のSUS304製である。電極表面には半径0.5mm
のガス噴出口が4cm間隔で10個設けられており、こ
れが周方向に120度間隔で3列設けられている。ま
た、ガス噴出口外部には円錐形の遮蔽物が頂点をガス噴
出口側に向けて各ガス噴出口毎に設けられている。円錐
形遮蔽物は底面半径5.0mm、高さ3.0mmのSU
S304製である。円錐形遮蔽物はSUS304製、直
径1mmの遮蔽物支持体4本により、円錐形遮蔽物の中
心軸がガス噴出口の中心を通り、高周波電極中心軸に直
交するように固定されている。ガス噴出口と円錐形遮蔽
物底面との距離は5.0mmとした。このような条件で
作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキ
ヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特
性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感
度」、「光メモリー」、「画像欠陥」、「総合画像特
性」の5項目とし、以下の具体的評価法により各項目の
評価を行なった。 帯電能・・・複写機の主帯電器に一定の電流を流したと
きの現像器位置での暗部電位を測定する。したがって、
暗部電位が大きいほど帯電能が良好であることを示す。
帯電能測定は感光体母線方向全領域に渡って行ない、そ
の中の最低暗部電位により評価した。 感度・・・現像器位置での暗部電位が一定値となるよう
主帯電器電流を調整した後、原稿に反射濃度0.01以
下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が所定
の値となるよう像露光光量を調整した際の像露光光量に
より評価する。したがって、像露光光量が少ないほど感
度が良好であることを示す。感度測定は感光体母線方向
全領域に渡って行ない、その中の最大像露光光量により
評価した。 光メモリー・・・現像器位置における暗部電位が所定の
値となるよう主帯電器の電流値を調整した後、所定の白
紙を原稿とした際の明部電位が所定の値となるよう像露
光光量を調整する。この状態でキヤノン製ゴーストテス
トチャート(部品番号:FY9−9040)に反射濃度
1.1、直径5mmの黒丸を貼りつけたものを原稿台に
置き、その上にキヤノン製中間調チャートを重ねておい
た際のコピー画像において、中間調コピー上に認められ
るゴーストチャートの直径5mmの黒丸の反射濃度と中
間調部分の反射濃度との差を測定することにより行なっ
た。光メモリー測定は感光体母線方向全領域に渡って行
ない、その中の最大反射濃度差により評価した。 画像欠陥・・・キヤノン製全面黒チャート(部品番号:
FY9−9073)を原稿台に載せてコピーした際に得
られたコピー画像の、同一面積内にある直径0.2mm
以上の白ポチについて、その数を数え評価した。 総合画像特性・・・画像流れ、画像濃度むら等を含め、
コピー画像を総合的に判断した。 評価結果を表3に示す。いずれの項目においても良好な
結果が得られ、本発明により電子写真画像全領域にわた
って、光メモリー、帯電能、画像欠陥を初めとする電子
写真画像特性の非常に優れたa−Si系感光体が作製さ
れることが確認された。
【0048】(比較例1)実施例1で用いた高周波電極
において、円錐形遮蔽物及び遮蔽物支持体を除去する以
外は実施例1と同様にして、図2に示す電子写真用感光
体の製造装置を用い、表2に示す条件で電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VH
F電源212の発振周波数は実施例1と同様に450M
Hzとした。作製されたa−Si感光体を実施例1に用
いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−
6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評
価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「画
像欠陥」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と
同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評
価結果を表3に示す。帯電能、感度、光メモリーいずれ
においても、ガス噴出口に対応する感光体母線方向位置
において、他の領域と比べ特性が不十分な領域が生じて
しまった。また、中間調コピー画像上においては4cm
間隔で筋状の濃度むらが生じてしまった。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】 [実施例2]図2に示す電子写真用感光体の製造装置を
用い、高周波電極として図1に示す構造の電極を用い、
直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウム
シリンダー上に、表4に示す条件で電荷注入阻止層、光
導電層、表面層からなる感光体を作製した。高周波電源
212の発振周波数は50MHzとした。電極は全長4
00mmの筒状であり肉厚1.0mmのチタン製であ
る。電極表面には電極軸方向に半径0.6mmのガス噴
出口が5cm間隔で8個設けられており、これが周方向
に120度間隔で3列設けられている。また、ガス噴出
口外部には円柱形遮蔽物が各ガス噴出口毎に設けられて
いる。円柱形遮蔽物は底面半径3.0mm、高さ1.0
mmのインコネル製である。円柱形遮蔽物はインコネル
製、直径1mmの遮蔽物支持体4本により円柱形遮蔽物
の中心軸がガス噴出口の中心を通り、高周波電極中心軸
に直交するように高周波電極上に固定されている。ガス
噴出口と円柱形遮蔽物との距離は3.0mmとした。こ
のような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用
に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置
し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電
能」、「感度」、「光メモリー」、「画像欠陥」、「総
合画像特性」の5項目とし、実施例1と同じ具体的評価
法により各項目の評価を行なった。評価結果を表5に示
す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発
明により電子写真画像全領域にわたって、光メモリー、
帯電能、画像欠陥を初めとする電子写真画像特性の非常
に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認され
た。
【0051】[実施例3]実施例2において、ガス噴出
口と円柱形遮蔽物との距離を7.5mmとする以外は実
施例2と同様にして、表4に示す条件で電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。作製
されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノ
ン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の
評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、
「光メモリー」、「画像欠陥」、「総合画像特性」の5
項目とし、実施例1と同じ具体的評価法により各項目の
評価を行なった。評価結果を表5に示す。いずれの項目
においても良好な結果が得られ、本発明の効果は確認さ
れたが、実施例2ほどの効果は得られなかった。
【0052】(比較例2)実施例2で用いた高周波電極
において、円柱形遮蔽物及び遮蔽物支持体を除去する以
外は実施例2と同様にして、図2に示す電子写真用感光
体の製造装置を用い、表4に示す条件で電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。作製
されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノ
ン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の
評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、
「光メモリー」、「画像欠陥」、「総合画像特性」の5
項目とし、実施例1と同じ具体的評価法により各項目の
評価を行なった。評価結果を表5に示す。帯電能、感
度、光メモリーいずれにおいても、ガス噴出口に対応す
る感光体母線方向位置において、他の領域と比べ特性が
不十分な領域が生じてしまった。また、中間調コピー画
像上においては5cm間隔で筋状の濃度むらが生じてし
まった。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】 [実施例4]図2に示す電子写真用感光体の製造装置を
用い、高周波電極として図1に示す構造の電極を用い、
直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウム
シリンダー上に、表6に示す条件で電荷輸送層、電荷発
生層、表面層からなる感光体を作製した。高周波電源2
12の発振周波数は100MHzとした。電極は全長4
20mmの筒状であり肉厚1.0mmのニッケル製であ
る。電極表面には半径0.75mmのガス噴出口が6c
m間隔で7個設けられており、これが周方向に120度
間隔で3列設けられている。また、ガス噴出口外部には
半球形の遮蔽物が平面部を成膜空間側(ガス噴出口と反
対側)に向けて各ガス噴出口毎に設けられている。半球
形遮蔽物は底面半径3.0mmのアルミナ製である。半
球形遮蔽物はSUS304製、直径1mmの遮蔽物支持
体4本によりガス噴出口と半球形遮蔽物平面部との距離
が4.0mmとなるように、また、半球形遮蔽物平面部
の中心とガス噴出口中心を結ぶ直線が高周波電極中心軸
と直交するように高周波電極上に固定されている。この
ような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に
改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置
し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電
能」、「感度」、「光メモリー」、「画像欠陥」、「総
合画像特性」の5項目とし、実施例1と同じ具体的評価
法により各項目の評価を行なった。評価結果を表7に示
す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発
明により電子写真画像全領域にわたって、光メモリー、
帯電能、画像欠陥を初めとする電子写真画像特性の非常
に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認され
た。
【0055】[実施例5]実施例4において、半球形遮
蔽物の底面半径を2.0mmとする以外は実施例4と同
様にして、表6に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、
表面層からなる感光体を作製した。作製されたa−Si
感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機N
P−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なっ
た。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリ
ー」、「画像欠陥」、「総合画像特性」の5項目とし、
実施例1と同じ具体的評価法により各項目の評価を行な
った。評価結果を表7に示す。いずれの項目においても
良好な結果が得られ、本発明の効果は確認されたが、実
施例4ほどの効果は得られなかった。
【0056】(比較例3)実施例4で用いた高周波電極
において、半球形遮蔽物及び遮蔽物支持体を除去する以
外は実施例4と同様にして、図2に示す電子写真用感光
体の製造装置を用い、表6に示す条件で電荷輸送層、電
荷発生層、表面層からなる感光体を作製した。作製され
たa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製
の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価
を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メ
モリー」、「画像欠陥」、「総合画像特性」の5項目と
し、実施例1と同じ具体的評価法により各項目の評価を
行なった。評価結果を表7に示す。帯電能、感度、光メ
モリーいずれにおいても、ガス噴出口に対応する感光体
母線方向位置において、他の領域と比べ特性が不十分な
領域が生じてしまった。また、中間調コピー画像上にお
いては6cm間隔で筋状の濃度むらが生じてしまった。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上のように、原料ガス供給
手段よりの原料ガスの供給を高周波電力導入手段の表面
に設けられたガス噴出口より行うようにすると共に、該
ガス噴出口外部に設けた遮蔽物により原料ガスを散乱さ
せることにより、感光体上の特性不均一を抑止し、全領
域に渡って光メモリーが低減され、画像欠陥が抑制さ
れ、更には他の電子写真特性も良好な非晶質シリコン系
感光体を低コストで製造することができる。また、本発
明においては形成された非晶質シリコン系感光体の製造
ロット間での特性のばらつきを抑制することが可能とな
り、非晶質シリコン系感光体の特性の均一性の一層の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のa−Si系感光体製造装置に用いるこ
とができる高周波電力供給用電極の一例を示した図であ
る。
【図2】本発明に用いることができるa−Si系感光体
製造装置の一構成例を示した図である。
【図3】従来のRF帯の周波数を用いたRFプラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を
示した模式的な構成図である。
【図4】従来のMW帯の周波数を用いたMWプラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を
示した模式的な構成図である。
【図5】a−Si系感光体の層構成の一例を示した図で
ある。
【図6】本発明の効果を確認するため行なった実験例の
評価結果を示した図である。
【図7】本発明の効果を確認するため行なった実験例の
評価結果を示した図である。
【図8】実験例で用いた遮蔽物とガス噴出口の位置関係
の一例を示した図である。
【図9】本発明の効果を確認するため行なった実験例の
評価結果を示した図である。
【図10】本発明の効果を確認するため行なった実験例
の評価結果を示した図である。
【図11】本発明の効果を確認するため行なった実験例
の評価結果を示した図である。
【符号の説明】 101:高周波電極 102:遮蔽物 103:遮蔽物支持体 104:ガス噴出口 201:反応容器 202:原料ガス供給手段を兼ねた高周波電極 204:排気管 205:円筒状基体 206:成膜空間 207:発熱体 208:回転軸 209:モータ 210:減速ギア 211:高周波マッチングボックス 212:高周波電源 451:原料ガス導入管 301:反応容器 302:VHF電極 304:排気管 305:円筒状基体 306:成膜空間 307:発熱体 308:回転軸 309:モータ 310:減速ギア 311:高周波マッチングボックス 312:高周波電源 351:原料ガス導入管 3100:堆積装置 3111:反応容器 3112:円筒状基体 3113:支持体加熱用ヒーター 3114:原料ガス導入管 3115:マッチングボックス 3116:原料ガス配管 3117:反応容器リークバルブ 3118:メイン排気バルブ 3119:真空計 3200:原料ガス供給装置 3211〜3216:マスフローコントローラー 3221〜3226:原料ガスボンベ 3231〜3236:原料ガスボンベバルブ 3241〜3246:ガス流入バルブ 3251〜3256:ガス流出バルブ 3261〜3266:圧力調整器 401:反応容器 402:誘電体窓 403:導波管 404:排気管 405:円筒状基体 406:成膜空間 407:発熱体 408:回転軸 409:モータ 410:減速ギア 451:原料ガス導入管 500:電子写真用感光体 501:支持体 502:光導電層 503:表面層 504:電荷注入阻止層 505:電荷発生層 506:電荷輸送層 801:高周波電極 802:ガス噴出口 803:遮蔽物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空気密可能な反応容器内に成膜空間を取
    り囲むように複数の円筒状基体を配置し、前記成膜空間
    内に少なくとも原料ガス供給手段と高周波電力導入手段
    を備え、前記原料ガス供給手段より供給された原料ガス
    に前記高周波電力導入手段よりVHF帯の高周波電力を
    導入することにより前記成膜空間内にグロー放電を生起
    し、前記基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法に
    よる非晶質シリコン系感光体の製造装置において、前記
    原料ガス供給手段は前記高周波電力導入手段表面に設け
    られたガス噴出口より原料ガスを前記反応容器の成膜空
    間中に供給する構造を有し、該ガス噴出口外部に原料ガ
    ス散乱用の遮蔽物を設けたことを特徴とする非晶質シリ
    コン系感光体の製造装置。
  2. 【請求項2】前記遮蔽物は、その大きさが前記ガス噴出
    口中心を通り、かつ、前記高周波電極に垂直な中心軸を
    有する該遮蔽物の内接円のうち、内接円半径の最大値R
    が、該ガス噴出口の外接円半径rに対して、 R≧3r であることを特徴とする請求項1に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造装置。
  3. 【請求項3】前記遮蔽物は、前記ガス噴出口中心を通
    り、かつ、前記高周波電極に垂直な中心軸を有する該遮
    蔽物の内接円のうち最大半径Rを有する内接円と、ガス
    噴出口との最小距離aが、 a≦2R となる範囲に設置されていることを特徴とする請求項1
    に記載の非晶質シリコン系感光体製造装置。
  4. 【請求項4】前記VHF帯の高周波電力は、その周波数
    が20MHz〜450MHzであることを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造装置。
  5. 【請求項5】前記VHF帯の高周波電力は、その周波数
    が50MHz〜450MHzであることを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造装置。
  6. 【請求項6】真空気密可能な反応容器内の、複数の円筒
    状基体で取り囲んで形成された成膜空間に、原料ガス供
    給手段より供給された原料ガスに高周波電力導入手段よ
    りVHF帯の高周波電力を導入し、前記成膜空間内にグ
    ロー放電を生起し、前記基体上に堆積膜を形成するプラ
    ズマCVD法による非晶質シリコン系感光体の製造方法
    において、前記原料ガス供給手段よりの原料ガスの供給
    を前記高周波電力導入手段の表面に設けられたガス噴出
    口より行うようにすると共に、該ガス噴出口外部に設け
    た遮蔽物により原料ガスを散乱させるようにしたことを
    特徴とする非晶質シリコン系感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記遮蔽物は、その大きさが前記ガス噴出
    口中心を通り、かつ、前記高周波電極に垂直な中心軸を
    有する該遮蔽物の内接円のうち、内接円半径の最大値R
    が、該ガス噴出口の外接円半径rに対して、 R≧3r であることを特徴とする請求項6に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記遮蔽物は、前記ガス噴出口中心を通
    り、かつ、前記高周波電極に垂直な中心軸を有する該遮
    蔽物の内接円のうち最大半径Rを有する内接円と、ガス
    噴出口との最小距離aが、 a≦2R となる範囲に設置されていることを特徴とする請求項6
    に記載の非晶質シリコン系感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記VHF帯の高周波電力は、その周波数
    が20MHz〜450MHzであることを特徴とする請
    求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造方法。 【請求10】前記VHF帯の高周波電力は、その周波数
    が50MHz〜450MHzであることを特徴とする請
    求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の非晶質シリコ
    ン系感光体の製造方法。
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