JPH09220516A - 自動車トップコート用複層塗膜の形成方法 - Google Patents

自動車トップコート用複層塗膜の形成方法

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JPH09220516A
JPH09220516A JP2925796A JP2925796A JPH09220516A JP H09220516 A JPH09220516 A JP H09220516A JP 2925796 A JP2925796 A JP 2925796A JP 2925796 A JP2925796 A JP 2925796A JP H09220516 A JPH09220516 A JP H09220516A
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JP
Japan
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group
polymer
tertiary amino
acid
amino group
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Application number
JP2925796A
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English (en)
Inventor
Masataka Ooka
正隆 大岡
Nobuo Harui
伸夫 春井
Chika Tagaito
親 田垣内
Teruyoshi Hibi
輝義 日比
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースコートおよびクリヤーコートからな
る、自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法で
あって、そのベースコート用塗料として、3級アミノ基
および/または酸基を有する水性樹脂と、一分子中に、
エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
と、顔料とから構成さる、特定の水性塗料を塗装せしめ
ることから成る、とりわけ、耐水性と外観とに優れる、
極めて実用性の高いトップコート用複層塗膜を提供する
にある。 【解決手段】 上記した、それぞれ、特定の3級アミノ
基および/または酸基含有水性樹脂中の3級アミノ基お
よび/または酸基と、特定のエポキシ基・加水分解性シ
リル基併有化合物中のエポキシ基との間での反応を通し
て、さらには、後者化合物中の加水分解性シリル基それ
自体の、空気中の水分による“湿気硬化”を通して、叙
上のような諸特性・諸性能を最大限に発現するというこ
とである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に関
する。さらに詳細には、本発明は、ベースコートおよび
クリヤーコートからなる自動車トップコート用の複層塗
膜を形成する方法において、ベースコート用塗料とし
て、3級アミノ基および/または酸基を有する水性樹脂
と、一分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併
有する化合物と、顔料とからなる水性塗料を塗装するこ
とから成る、とりわけ、外観と耐水性などに優れる複層
塗膜を形成するという、極めて実用性の高い、塗膜の形
成方法に関する。
【0002】そして、本発明のこうした複層塗膜の形成
方法は、特に、二輪車もしくは四輪車の新車を製造する
際のラインでの塗装用とか、二輪車もしくは四輪車の補
修塗装を行なう際に利用されるというものである。
【0003】
【従来の技術】近年、自動車トップコート用の複層塗膜
の形成方法として、省資源と環境保護との観点から、溶
剤排出量を低減でき、かつ、塗膜の品質面からは、優れ
た外観を有する塗膜を形成することから、ベースコート
用塗料として、水性塗料が使用されるようになって来
た。
【0004】しかしながら、かかるベースコート用水性
塗料に使用されるベース樹脂成分である水性樹脂として
は、非架橋型のエマルジョン重合体や、官能基を有する
エマルジョン重合体、あるいはアミン中和型の水分散性
樹脂と、アミノ樹脂とをブレンドした架橋タイプが使用
されているが、基本的に、耐水性に劣り、経時的にベー
スコートが変色したり、ベースコートとクリヤーコート
の層間付着性が低下するなどといった問題点があった。
【0005】このために、本発明者らは、こうした問題
点のない、自動車トップコート用の複層塗膜の形成方法
を求めて、鋭意、研究を開始した。
【0006】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、とりわけ、耐水性と外観とに優れる複層塗膜を形
成することができる、極めて実用性の高い、ベースコー
ト用塗料として、特定の水性塗料を使用する、斬新なる
塗膜形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
こうした現状に鑑み、そして、上述したような発明が解
決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重
ねた結果、ベースコートおよびクリヤーコートからなる
自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法におい
て、ベースコート用塗料として、3級アミノ基および/
または酸基を有する水性樹脂と、一分子中にエポキシ基
と加水分解性シリル基とを併有する化合物と、顔料とか
らなる水性塗料を塗装することにより、外観と耐水性と
に優れる複層塗膜が得られることを見出し、上述した課
題を見事に、解決することができることを確信するに及
んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、より詳細に説
明することにするが、本発明は、一つには、ベースコー
トおよびクリヤーコートからなる自動車トップコート用
の複層塗膜を形成する方法において、ベースコート用塗
料として、3級アミノ基および/または酸基を有する水
性樹脂(A)と、一分子中にエポキシ基と加水分解性シ
リル基とを併有する化合物(B)と、顔料(C)とから
なる水性塗料を塗装することから成る、自動車トップコ
ート用複層塗膜の形成方法を請求するものであるし、
【0009】二つには、ベースコートおよびクリヤーコ
ートからなる自動車トップコート用の複層塗膜を形成す
る方法において、ベースコート用塗料として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一
分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する
化合物(B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性
シリル基および/またはシラノール基を有する化合物
(D)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装ことか
ら成る、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法を請
求するものであるし、
【0010】三つには、ベースコートおよびクリヤーコ
ートからなる自動車トップコート用の複層塗膜を形成す
る方法において、ベースコート用塗料として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一
分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する
化合物(B)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装
し、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したのち、
ベースコートとクリヤーコートとを同時に硬化せしめる
ことから成る、自動車トップコート用複層塗膜の形成方
法を請求するものであるし、
【0011】四つには、ベースコートおよびクリヤーコ
ートからなる自動車トップコート用の複層塗膜を形成す
る方法において、ベースコート用塗料として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一
分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する
化合物(B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性
シリル基および/またはシラノール基を有する化合物
(D)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し、次
いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したのち、ベース
コートとクリヤーコートとを同時に硬化せしめることか
ら成る、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法を請
求するものであるし、
【0012】五つには、ベースコートおよびクリヤーコ
ートからなる自動車トップコート用の複層塗膜を形成す
る方法において、ベースコート用塗料として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一
分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する
化合物(B)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装
し硬化せしめ、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装
したのち、クリヤーコートを硬化せしめることから成
る、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法を請求す
るものであるし、
【0013】六つには、ベースコートおよびクリヤーコ
ートからなる自動車トップコート用の複層塗膜を形成す
る方法において、ベースコート用塗料として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一
分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する
化合物(B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性
シリル基および/またはシラノール基を有する化合物
(D)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し硬化
せしめ、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したの
ち、クリヤーコートを硬化せしめることから成る、自動
車トップコート用複層塗膜の形成方法を請求するもので
あるし、
【0014】また、水性樹脂(A)として、3級アミノ
基および/または酸基を有する重合体(I)に、これら
の官能基の少なくとも10%を中和せしめるように、中
和剤を添加したのち、水に分散ないしは溶解して得られ
る、特定の水性化物(A−1)を用いるという、複層塗
膜の形成方法をも請求するものであるし、
【0015】水性樹脂(A)として、3級アミノ基およ
び/または酸基を有するビニル系エマルジョン重合体
(A−2)を用いるという、複層塗膜の形成方法をも請
求するものであるし、
【0016】さらに、水性樹脂(A)として、3級アミ
ノ基および/または酸基を有する重合体(I)に、これ
らの官能基の少なくとも10%を中和せしめるように、
中和剤を添加したのち、水に分散ないしは溶解して得ら
れる水性化物(A−1)と、ビニル系エマルジョン重合
体(A−3)との混合物を用いるという、複層塗膜の形
成方法をも請求するものであるし、
【0017】ビニル系エマルジョン重合体(A−3)と
して、3級アミノ基および/または酸基を有するビニル
系エマルジョン重合体を用いるという、複層塗膜の形成
方法をも請求するものであるし、
【0018】3級アミノ基および/または酸基を有する
重合体(I)として、ビニル系重合体を用いるという、
複層塗膜の形成方法をも請求するものであるし、
【0019】3級アミノ基および/または酸基を有する
重合体(I)として、アクリル系重合体を用いるとい
う、複層塗膜の形成方法をも請求するものであるし、
【0020】3級アミノ基および/または酸基を有する
重合体(I)として、ポリウレタン系重合体(A−4)
を用いるという、複層塗膜の形成方法をも請求するもの
であるし、
【0021】ビニル系エマルジョン重合体(A−2)と
して、アクリル系エマルジョン重合体を用いるという、
複層塗膜の形成方法をも請求するものである。
【0022】ビニル系エマルジョン重合体(A−3)と
して、アクリル系エマルジョン重合体を用いるという、
複層塗膜の形成方法を請求するものである。
【0023】《構成》以下に、本発明を、一層、詳細に
説明することにする。
【0024】本発明において用いられる、上記した、ベ
ースコート用の水性塗料を構成する、必須のベース樹脂
成分としては、3級アミノ基および/または酸基を有す
る水性樹脂(A)が使用されるが、かかる水性樹脂とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アク
リル系、芳香族ビニル系、ビニルエステル系またはフル
オロオレフィン系の如き、各種のビニル系重合体;ポリ
エステル樹脂;アルキド樹脂;あるいはポリウレタン系
重合体などのような、種々の重合体が挙げられる。
【0025】これらのうちでも、ビニル系重合体または
ポリウレタン系重合体の使用が、特に望ましい。そし
て、当該水性樹脂(A)は、水溶性型、水分散型または
エマルジョン型のいずれのタイプであってもよい。
【0026】まず、3級アミノ基および/または酸基を
有する重合体(I)より調製される水性化物(A−1)
について述べることにする。
【0027】かかる重合体(I)として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、アクリル系、芳香族ビ
ニル系、ビニルエステル系またはフルオロオレフィン系
の如き、各種のビニル系重合体;ポリエステル樹脂;ア
ルキド樹脂;あるいはポリウレタン系重合体などのよう
な、種々の重合体が挙げられる。そして、これらのうち
でも、ビニル系重合体またはポリウレタン系重合体の使
用が、特に望ましい。
【0028】3級アミノ基および/または酸基を有する
重合体(I)のうちのビニル系重合体としては、3級ア
ミノ基を有するビニル系重合体(I−1)、3級アミノ
基と酸基を併有するビニル系重合体(I−2)または酸
基を有するビニル系重合体(I−3)がある。
【0029】まず、かかる重合体のうち、3級アミノ基
含有ビニル系重合体(I−1)を酸性化合物で以て部分
中和ないしは完全に中和せしめたのちに、水に分散ない
しは溶解せしめて得られる水性化物(A−1−1)につ
いて説明をすることにする。
【0030】上記した3級アミノ基含有ビニル系重合体
(I−1)は、公知慣用の種々の方法で以て、容易に、
調製することが出来るが、それらのうちでも特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、 (1) 3級ア
ミノ基含有ビニル系単量体と、これと共重合可能なる其
の他のビニル系単量体とを共重合反応せしめる方法であ
るとか、
【0031】あるいは(2) 特開昭59−56243
号公報に記述されているような、酸無水基含有ビニル系
重合体に、3級アミノ基・1級アミノ基併有化合物を付
加反応せしめたのちに、脱水イミド化処理せしめる方
法、などの種々の方法を適用することが出来る。これら
のうちでも、特に、上記(1)なる方法によるのが、最
も簡便である。
【0032】上記(1)の方法によって、此の3級アミ
ノ基含有ビニル系重合体(I−1)を調製するに当たっ
て用いられる、3級アミノ基含有ビニル系単量体(a−
1)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、3−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートもしくは
3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N
−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジ
ン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピ
ロリジンもしくはN−〔2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル〕モルホリンの如き、各種の(メタ)アクリル
酸エステル系単量体類;
【0033】4−(N,N−ジメチルアミノ)スチレ
ン、4−(N,N−ジエチルアミノ)スチレンもしくは
4−ビニルピリジンの如き、各種の芳香族系単量体類;
N−〔2−ジメチルアミノエチル〕(メタ)アクリルア
ミドもしくはN−〔3−ジメチルアミノプロピル〕(メ
タ)アクリルアミドの如き、各種の(メタ)アクリルア
ミド系単量体類;または2−ジメチルアミノエチルビニ
ルエーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテ
ル、3−ジメチルアミノプロピルビニルエーテル、3−
ジエチルアミノプロピルビニルエーテル、4−ジメチル
アミノブチルビニルエーテルもしくは6−ジメチルアミ
ノヘキシルビニルエーテルの如き、各種のビニルエーテ
ル系単量体類などである。
【0034】こうした3級アミノ基含有ビニル系単量体
(a−1)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体
(a−2)として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、アルキル(メタ)アクリレート類、クロトン
酸アルキル類、不飽和二塩基酸ジアルキル類、モノカル
ボン酸のビニルエステル類もしくはビニルエーテル類、
α−オレフィン類もしくは芳香族ビニル系単量体類の如
き、非官能性の、各種の単量体類;
【0035】一分子中に1個または2個以上のフッ素原
子もしくは塩素原子などの、いわゆるハロゲン原子を有
する各種の単量体類;ポリシロキサン結合を有する単量
体の如き、非官能性の珪素原子を有する、各種の単量体
類;ポリエーテル鎖を有する各種の単量体類;アミド
基、シアノ基、水酸基、エポキシ基もしくは加水分解性
のシリル基の如き、官能基を有する、各種の単量体類;
さらには、一分子当たり2個以上の重合性二重結合を有
する、いわゆる多官能のビニル系単量体類などである。
【0036】かかる単量体類のうち、非官能性の単量体
類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ
(iso−)プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アク
リレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレートもしくはベン
ジル(メタ)アクリレートの如き、各種の(メタ)アク
リル酸エステル類;
【0037】クロトン酸メチル、クロトン酸エチルもし
くはクロトン酸n−ブチルの如き、各種のクロトン酸エ
ステル類;ジメチルマレート、ジメチルフマレート、ジ
ブチルフマレートもしくはジメチルイタコネートの如
き、各種の不飽和二塩基酸ジアルキルエステル類;
【0038】エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、2−エチ
ルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テルもしくはシクロペンチルビニルエーテルの如き、各
種のアルキルビニルエーテル類ないしはシクロアルキル
ビニルエーテル類;
【0039】酢酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビ
ニル、安息香酸ビニルもしくは「ベオバ」〔オランダ国
シエル社製の、分岐状(分枝状)モノカルボン酸のビニ
ルエステルの商品名〕の如き、各種のモノカルボン酸の
ビニルエステル類;
【0040】エチレン、プロピレン、1−ブテンもしく
はイソブチレンの如き、各種のα−オレフィン類;さら
には、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種の
芳香族ビニル系単量体類などである。
【0041】フッ素原子ないしは塩素原子などのような
ハロゲン原子を有する単量体類として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、フルオロアルキル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アク
リレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートも
しくはN−iso−プロピルパーフルオロオクタンスル
ホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の
(パー)フルオロアルキル基含有単量体類;
【0042】塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如
き、各種のクロル化オレフィン類;または、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレンもしくはクロロトリフルオロエチ
レンの如きフルオロオレフィン類などである。
【0043】ポリシロキサン結合を有する単量体などの
ような、非官能性の珪素原子を有する単量体類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、CH2
CHCOO(CH23 [Si(CH32 O]n Si
(CH33 、CH2 =C(CH3 )COOC64
[Si(CH32 O]n Si(CH33 、CH2
C(CH3 )COO(CH23 [Si(CH32
O]n Si(CH33 もしくはCH2 =C(CH
3 )COO(CH23[Si(CH3 )(C65
O]n Si(CH33 またはCH2 =C(CH3 )C
OO(CH23 [Si(C652 O]n Si(C
33
【0044】(ただし、各式中のnは、0あるいは1〜
130なる整数であるものとする。)
【0045】などのような、種々の一般式で示される、
各種の単量体類などである。
【0046】ポリエーテル鎖を有する単量体類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラ
メチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノア
ルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
またはモノアルコキシポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレートの如き、ポリエーテル・セグメントを
有する単量体類などであり、耐水性ならびに耐候性など
に悪影響を及ぼさない範囲内で使用することが出来る。
【0047】官能基を有する単量体類のうち、アミド基
を有する単量体として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、(メタ)アクリルアミド、クロトン酸ア
ミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン
(メタ)アクリルアミドまたはN−メチロール(メタ)
アクリルアミドの如き、各種のカルボン酸アミド基含有
ビニル系単量体などである。
【0048】官能基を有する単量体類のうち、水酸基を
有する単量体として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートもしくは4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0049】または2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルもしくは6−
ヒドロキシヘキシルビニルエーテルの如き、各種の水酸
基含有ビニルエーテル類;さらには、上掲したような各
種の水酸基単量体類と、ε−カプロラクトンとの付加物
などである。
【0050】官能基を有する単量体類のうち、加水分解
性シリル基含有ビニル系単量体として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロペニルオキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニル(トリス−β−メトキシエトキシ)
シラン、ビニルトリアセトキシシランまたはビニルトリ
クロルシランなどである。
【0051】官能基を有する単量体類のうち、シアノ基
を有する単量体として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ルまたはクロトノニトリルの如き、種々の単量体などで
ある。
【0052】官能基を有する単量体類のうち、エポキシ
基を有する単量体として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレート、
(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、3,
4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、3,4−エポキシビニルシク
ロヘキサン、ジ(β−メチル)グリシジルマレートまた
はジ(β−メチル)グリシジルフマレートなどのよう
な、種々の化合物である。
【0053】前記した、多官能のビニル系単量体類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレートまたはジビニルベンゼンなどが
挙げられる。
【0054】以上に掲げられたような、種々の単量体類
から、当該ビニル系重合体(I−1)を調製するには、
公知慣用の種々の重合反応方法のうちのいずれをも適用
し得るが、就中、溶液ラジカル重合法によるのが、最も
簡便であり、特に推奨されるものである。
【0055】その際に用いられる溶剤類として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはn−オク
タンの如き、各種の炭化水素系;メタノール、エタノー
ル、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−
ブタノール、sec−ブタノール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
もしくはエチレングリコールモノn−ブチルエーテルの
如き、各種のアルコール系;
【0056】または酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n
−ブチルもしくは酢酸アミルの如き、各種のエステル
系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンもしくはシクロヘキサノンの如き、各種のケトン
系;さらにはN−メチルピロリドンもしくはジメチルホ
リムアミドなどであり、これらは単独使用でも、2種以
上の併用でもよいことは、勿論である。さらに、水を併
用してもよいことは、勿論である。
【0057】こうした溶剤類と、さらに、アゾ系または
過酸化物系の如き、公知慣用の各種のラジカル重合開始
剤とを用いて、常法により、重合反応を行なえばよく、
その際に、さらに必要に応じて、分子量調節剤として、
公知慣用の種々の連鎖移動剤をも用いることが出来る。
【0058】このようにして調製される、当該3級アミ
ノ基含有ビニル系重合体(I−1)の固形分の1,00
0g当たりに導入されるべき3級アミノ基の量として
は、約0.03〜約2.5モルなる範囲内が適切である
し、好ましくは、0.05〜1.5モルなる範囲内が適
切であるし、さらに好ましくは、0.05〜0.5モル
なる範囲が適切である。
【0059】また、当該重合体(I−1)の数平均分子
量としては、概ね、500〜100,000なる範囲内
が適切であるし、好ましくは、1,000〜30,00
0なる範囲内が適切である。
【0060】かくして調製される、当該3級アミノ基含
有ビニル系重合体(I−1)に、酸性化合物を加えて、
当該重合体中の3級アミノ基を、部分的に、あるいは完
全に中和せしめることによって、目的とする、水分散性
ないしは水溶性を有する重合体が調製される。
【0061】その際に使用される、上記した酸性化合物
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−メチル酪酸、イ
ソ吉草酸、トリメチル酢酸、グリコール酸または乳酸な
どで代表されるような、炭素数が1〜10なる、各種の
カルボン酸類;燐酸モノメチルエステル、燐酸ジメチル
エステル、燐酸モノ−iso−プロピルエステル、燐酸
ジ−iso−プロピルエステル、燐酸モノ−2−エチル
ヘキシルエステルもしくは燐酸ジ−2−エチルヘキシル
エステルの如き、燐酸の各種のモノ−ないしはジアルキ
ルエステル類;
【0062】あるいはメタンスルホン酸、プロパンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸もしくはドデシルベンゼン
スルホン酸の如き、有機スルホン酸類;または塩酸、硫
酸、硝酸もしくは燐酸などによって代表されるような、
種々の無機酸などであるが、これらのうちでも、カルボ
ン酸類の使用が、特に望ましい。
【0063】かかる酸性化合物の添加量は、少なくと
も、前記ビニル系重合体(I−1)に対して、水分散性
を付与することが出来るような量であり、前記ビニル系
重合体(I−1)中に含まれる3級アミノ基の当量数に
対する、当該酸性化合物の当量数の比率、つまり、当該
酸性化合物/当該ビニル系重合体(I−1)中に含まれ
る3級アミノ基なる当量比が約0.1以上となるような
量が適切である。
【0064】すなわち、塗膜の諸性能を損なわないよう
な範囲の量として、前記当量比が、好ましくは、概ね、
0.1〜3なる範囲内が適切であるし、さらに好ましく
は、0.1〜2なる範囲内が適切である。
【0065】このようにして調製されるビニル系重合体
(I−1)の中和物から、前記した水性化物(A−1−
1)を調製するには、公知慣用の種々の方法を適用する
ことが出来るが、それらのうちでも特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、該中和物に対して、水を添
加せしめるか、
【0066】あるいは該中和物を、直接、水に加えるこ
とによって、水中に分散ないしは溶解せしめるかして、
この水性化物(A−1−1)を製造することが出来る。
さらに必要に応じて、当該ビニル系重合体(I−1)を
調製する際に使用したような種々の有機溶剤を、加熱下
あるいは減圧下で、部分的に、あるいは完全に除去せし
めることも、可能である。
【0067】次いで、3級アミノ基と酸基を併有するビ
ニル系重合体(3級アミノ基・酸基併有ビニル系重合体
ともいう。)(I−2)に対して、酸性化合物を、該酸
性化合物/該ビニル系重合体中に含まれる3級アミノ基
なる当量比が約0.1以上となるような比率で以て添加
したのちに、水に分散ないしは溶解せしめることによっ
て得られる水性化物(A−1−2)について、説明をす
ることにする。
【0068】3級アミノ基・酸基併有ビニル系重合体
(I−2)は、公知慣用の種々の方法で以て調製するこ
とが出来るが、それらのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、
【0069】(3) 3級アミノ基含有ビニル系単量体
と、酸基含有ビニル系単量体とを必須の単量体成分とす
る単量体混合物を共重合反応せしめる方法であるとか、
(4)特開昭59−56243号公報に開示されている
技術により、カルボン酸無水基含有ビニル系重合体に対
して、3級アミノ基・活性水素含有基併有化合物を反応
せしめる方法であるとか、(5) 水酸基・3級アミノ
基併有ビニル系重合体に対して、ジカルボン酸無水物を
反応せしめる方法であるとか、
【0070】あるいは(6) まず、トリアルキルシリ
ルエステル基、ヘミアセタールエステル基もしくはte
rt−ブチルエステル基の如き、それぞれ、酸、熱ある
いは水などの作用で以て、遊離の酸基を発生するよう
な、ブロックされた酸基を有するビニル系単量体と、3
級アミノ基含有ビニル系単量体とを必須の成分とする単
量体混合物を重合反応せしめて、3級アミノ基とブロッ
クされた酸基とを併有するビニル系重合体を調製し、次
いで、ブロックされた酸基を、遊離の酸基に変換せしめ
る方法であるとか、などの種々の方法っである。これら
のうちでも、とりわけ、(3)の方法によるのが、最も
簡便であるので、特に推奨されるものである。
【0071】上記(3)の方法によって、この3級アミ
ノ基・酸基併有ビニル系重合体(I−2)を調製するに
当たって用いられる、3級アミノ基含有ビニル系単量体
としては、勿論ながら、前述したような、3級アミノ基
含有ビニル系重合体(I−1)を調製する際に用いられ
るような、各種の3級アミノ基含有ビニル系単量体(a
−1)を使用することが出来る。
【0072】また、当該ビニル系重合体(I−2)を調
製する際に用いられる、酸基含有ビニル系単量体(a−
3)として特に代表的なもののみを挙げるにとどめれ
ば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、4−ビニル安息
香酸、シトラコン酸、マレイン酸、イタコン酸もしくは
フマル酸の如き、一分子中に1個ないしは2個のカルボ
キシル基を有する単量体類;
【0073】マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸
の如き、各種の不飽和二塩基酸類と、炭素数が1〜10
なるアルキル・アルコール類とのハーフ・エステル類;
コハク酸−モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルエステルもしくはフタル酸モノ−2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルエステエルの如き、各種の、ジカル
ボン酸無水物と水酸基とを併有するビニル系重合体とを
反応して得られるハーフエステル類;マロン酸、コハク
酸、アジピン酸もしくはセバシン酸の如き、各種の多価
カルボン酸のモノビニルエステル類;
【0074】モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル]ホスフェートの如き、各種の燐酸基含有ビニル系
単量体類;またはp−ビニルベンゼンスルホン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸もしく
は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
の如き、各種のスルホン酸基含有ビニル系単量体類など
である。
【0075】これらのうちでも、とりわけ、酸基として
カルボキシル基を有する単量体類(カルボキシル基含有
単量体類)の使用が望ましい。
【0076】さらに、当該ビニル系重合体(I−2)を
調製する際に用いられる、その他の共重合性ビニル系単
量体としては、ビニル系重合体(I−1)を調製する際
に用いられるような、前掲した種々のビニル系単量体
(a−2)を使用することができる。
【0077】以上に掲げられたような各種の単量体類か
ら、当該ビニル系重合体(I−2)を調製するには、前
述したビニル系重合体(I−1)と同様の方法、溶剤お
よび開始剤などを利用し適用することが出来る。
【0078】このようにして調製される、当該ビニル系
重合体(I−2)の固形分の1,000g当たりに導入
される3級アミノ基の量としては、約0.03〜約2.
5モルなる範囲内が適切であるし、好ましくは、0.0
5〜1.5モルなる範囲内が適切であるし、さらに好ま
しくは、0.05〜0.5モルなる範囲内が適切であ
る。
【0079】また、当該ビニル系重合体(I−2)の固
形分の1,000g当たりに導入される酸基の量として
は、約0.07〜約5モルなる範囲内が適切であるし、
好ましくは、0.07〜2.0モルなる範囲内が適切で
あるし、さらに好ましくは、0.1〜0.7なる範囲が
適切である。
【0080】さらに、当該ビニル系重合体(I−2)の
数平均分子量としては、概ね、500〜100,000
なる範囲内が適切であるし、好ましくは、1,000〜
30,000なる範囲内が適切である。
【0081】かくして調製される、当該3級アミノ基・
酸基併有ビニル系重合体(I−2)に対して、酸性化合
物を添加して、当該重合体(I−2)中の3級アミノ基
を、部分的に、あるいは完全に中和せしめることによっ
て、目的とする、水分散性ないしは水溶性を有する重合
体が調製される。
【0082】その際に使用される酸性化合物としては、
前述した水性化物(A−1−1)を調製するに際して使
用されるような、前掲した種々の化合物を使用すること
が出来るが、これらのうちでも、特に、カルボン酸類の
使用が望ましい。
【0083】この酸性化合物の添加量としては、該酸性
化合物/当該ビニル系重合体(I−2)中に含まれる3
級アミノ基なる当量比が約0.1以上となる範囲内が適
切であるし、好ましくは、0.1〜3なる範囲内が適切
であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる範囲なる
範囲内が適切である。
【0084】このようにして調製される当該ビニル系重
合体(I−2)の酸性化合物による中和物から、水性化
物(A−1−2)を調製するには、たとえば、前述した
ようなビニル系重合体(I−1)の中和物から、目的と
する水性化物(A−1−1)を調製する場合と同様の方
法に従うようにすればよい。
【0085】次いで、上述した3級アミノ基・酸基併有
ビニル系重合体(I−2)に対して、塩基性化合物を、
該塩基性化合物/当該ビニル系重合体(I−2)中に含
まれる酸基なる当量比が約0.1以上となるような比率
で以て添加したのちに、水に分散ないしは溶解せしめる
ことによって得られる水性化物(A−1−3)につい
て、説明をすることにする。
【0086】まず、当該3級アミノ基・酸基併有ビニル
系重合体(I−2)は、前述した水性化物(A−1−
2)の製法の処で、説明したような方法によって調製す
ることが出来る。また、ここにおいて使用される3級ア
ミノ基・酸基併有ビニル系重合体(I−2)に含有され
る、3級アミノ基および酸基の好ましい量も、水性化物
(A−1−2)を調製する際に使用される重合体(I−
2)の場合と、同様である。
【0087】かくして調製される、当該3級アミノ基・
酸基併有ビニル系重合体(I−2)に対して、塩基性化
合物を加えて、当該重合体(I−2)中の酸基を、部分
的に、あるいは完全に中和せしめることによって、水分
散性ないしは水溶性を有する重合体が調製される。
【0088】その際に使用される塩基性化合物として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルア
ミン、トリ−n−ブチルアミン、2−アミノ−2−メチ
ルプロパノ−ル、2−アミノエタノ−ルもしくは2−ジ
メチルアミノエタノ−ルなどによって代表されるよう
な、各種の有機アミン化合物;
【0089】アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナト
リウムもしくは水酸化カリウムなどによって代表される
ような、各種の無機塩基性物質;またはテトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニ
ウムハイドロオキサイドもしくはトリメチルベンジルア
ンモニウムハイドロオキサイドなどによって代表される
ような、各種の第四級アンモニウムハイドロオキサイド
類である。
【0090】このような各種の塩基性化合物の中でも、
とりわけ、アンモニアであるとか、各種の有機アミン類
などのような化合物の使用が、特に望ましい。
【0091】そして、かかる塩基性化合物の添加量とし
ては、該塩基性化合物/当該ビニル系重合体(I−2)
中に含まれる酸基なる当量比が約0.1以上となるよう
な量が適切であるし、好ましくは、0.1〜3なる範囲
内が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる
範囲内が適切である。
【0092】このようにして得られる、ビニル系重合体
(I−2)と、塩基性化合物との混合物から、当該水性
化物(A−1−3)を調製するには、たとえば、前述し
た通りのビニル系重合体(I−1)の中和物から、水性
化物(A−1−1)を調製する方法として、すでに、説
明したような方法によって調製することが出来る。
【0093】次いで、前記した酸基含有ビニル系重合体
(I−3)を、塩基性化合物で以て、部分中和ないしは
完全中和せしめたのちに、水に分散ないしは溶解せしめ
ることによって得られる水性化物(A−1−4)につい
て、説明をすることにする。
【0094】すなわち、当該酸基含有ビニル系重合体
(I−3)は、公知慣用の種々の方法で以て調製するこ
とが出来る。つまり、たとえば、(7) 酸基含有ビニ
ル系単量体と、他の共重合性のビニル系単量体とを共重
合反応せしめるという方法であるとか、(8) 水酸基
含有ビニル系重合体に、ジカルボン酸無水物を反応せし
めるという方法であるとか、あるいは
【0095】(9) 前掲したような、ブロックされた
酸基含有ビニル系単量体と、其の他の共重合性ビニル系
単量体とを共重合反応せしめたのちに、このブロックさ
れた酸基を、遊離の酸基に変換せしめるという方法であ
るとか、などの種々の方法を適用することが出来る。こ
れらのうちでも、特に、上記(7)の方法によるのが、
最も簡便であるので、特に推奨されるものである。
【0096】上記した(7)の方法によって、当該酸基
含有ビニル系重合体(I−3)を調製するに当たって用
いられる酸基含有ビニル系単量体としては、前述した3
級アミノ基・酸基併有ビニル系重合体(I−2)を調製
するに際して用いられるような、各種の酸基含有ビニル
系単量体(a−3)を、そのまま使用することが出来
る。
【0097】かかる酸基含有ビニル系単量体のうちで
も、とりわけ、カルボキシル基含有単量体の使用が望ま
しい。
【0098】さらに、当該ビニル系重合体(I−3)を
調製する際に用いられる、その他の共重合性ビニル系単
量体としては、ビニル系重合体(I−1)を調製するに
際して用いられるような、前掲したような各種のビニル
系単量体(a−2)を使用することが出来る。
【0099】以上に掲げたような各種の単量体類から、
当該ビニル系重合体(I−3)を調製するには、たとえ
ば、前述したビニル系重合体(I−1)を調製する際
と、同様の溶剤ならびに開始剤などを使用し、同様の方
法を適用すればよい。
【0100】このようにして調製される、当該ビニル系
重合体(I−3)の固形分1,000g当たりに導入さ
れる酸基の量としては、約0.07〜約5モルなる範囲
内が適切であるし、好ましくは、0.3〜2.0モルな
る範囲内が適切である。
【0101】また、当該ビニル系重合体(I−3)の数
平均分子量としては、概ね、500〜100,000な
る範囲内が適切であるし、好ましくは、1,000〜3
0,000なる範囲内が適切である。
【0102】かくして調製される、当該酸基含有ビニル
系重合体(I−3)に対して、塩基性化合物を加えて、
当該重合体(I−3)中の酸基を、部分的に、あるいは
完全に中和せしめることによって、目的とする、水分散
性ないしは水溶性を有する重合体が調製される。
【0103】その際に使用される、この塩基性化合物と
しては、勿論、前述した水性化物(A−1−3)を調製
するに際して使用される、前掲した如き各種の化合物を
使用することが出来るが、それらの中でも、とりわけ、
アンモニアであるとか、あるいは各種の有機アミン類な
どの使用が、特に望ましい。
【0104】かかる塩基性化合物の添加量としては、該
塩基性化合物/当該ビニル系重合体(I−3)中に含ま
れる酸基なる当量比が約0.1以上となるような量が適
切であるし、好ましくは、0.1〜3なる範囲内が適切
であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる範囲内が
適切である。
【0105】このようにして得られるビニル系重合体
(I−3)と、塩基性化合物との混合物から、当該水性
化物(A−1−4)を調製するには、たとえば、前述し
たビニル系重合体(I−1)の中和物から、水性化物
(A−1−1)を調製する場合と同様な方法に従って行
なえばよい。
【0106】上述したように、各種の水性化物(A−1
−1)、(A−1−2)、(A−1−3)および(A−
1−4)を調製することができるが、それぞれの水性化
物を調製する際に使用される3級アミノ基および/また
は酸基を有するビニル系重合体(I−1)、(I−2)
または(I−3)に、たとえば、前掲したような共重合
可能なる単量体(a−2)の一つとして、水酸基含有単
量体を共重合反応せしめることにより、水酸基を導入し
たような場合には、これらのビニル系重合体より調製さ
れる、それぞれの水性化物(A−1−1)、(A−1−
2)、(A−1−3)あるいは(A−1−4)を含む形
の、本発明において用いられるベースコート用塗料の硬
化性を、一層、向上せしめることができ、したがって、
より耐水性に優れる複層塗膜を得ることができる。
【0107】そして、3級アミノ基および/または酸基
を有するビニル系重合体(I−1)、(I−2)または
(I−3)に、水酸基を導入する場合の、この水酸基の
導入量としては、これらの重合体の固形分の1,000
g当たり、0.04〜2モル程度なる範囲内が適切であ
るし、好ましくは、0.08〜1.2モル程度なる範囲
内が適切である。
【0108】次いで、3級アミノ基および/または酸基
を有する重合体(I)のうちのポリウレタン系重合体よ
り誘導される水性化物についての説明をすることにす
る。
【0109】こうした官能基を有するポリウレタン系重
合体としては、3級アミノ基を有するポリウレタン系重
合体(I−4)、3級アミノ基と酸基を併有するポリウ
レタン系重合体(I−5)および酸基を有するポリウレ
タン系重合体(I−6)がある。
【0110】まず、かかる重合体のうち、3級アミノ基
含有ポリウレタン系重合体(I−4)を酸性化合物で以
て部分中和ないしは完全に中和せしめたのちに、水に分
散ないしは溶解せしめて得られる水性化物(A−1−
5)について説明をすることにする。
【0111】前記した3級アミノ基含有ポリウレタン系
重合体(I−4)を調製するには、公知慣用の、ポリオ
ール成分、ポリイソシアネート成分または必要によりポ
リアミンやヒドラジン化合物などのような鎖伸長剤の如
き原料類を、公知慣用の種々の方法により反応せしめる
ようにすればよいが、
【0112】これらのうちでも特に代表的な方法のみを
例示するにとどめれば、(10) N−メチルジエタノ
ールアミンや、N−エチルジエタノールアミンなどのよ
うな種々の3級アミノ基含有ポリオール類を、必須のポ
リオール成分と使用してポリウレタンを調製する方法、
(11) N−(ジメチルアミノエチル)エチレンジア
ミンや、N−(ジエチルアミノエチル)エチレンジアミ
ンなどのような種々の3級アミノ基含有ジアミン化合物
を、鎖伸長剤として使用してポリウレタンを調製する方
法、
【0113】さらには、(12) イソシアナート基を
有するポリウレタン樹脂に、2−ジメチルアミノエタノ
ール、3−ジメチルアミノプロパノールもしくは3−ジ
メチルアミノプロピルアミンの如き、各種の3級アミノ
基とイソシアナート基と反応する活性水素を有する基と
を併有する化合物を、反応せしめる方法などである。
【0114】そして、これらの方法によって、ポリウレ
タン系重合体(I−4)を調製する際に使用されるポリ
オール類として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパ
ンもしくはトリメチロールエタンの如き、各種の低分子
量のポリオール類;
【0115】さらには、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、各種のポリオール成分と、後掲するような各種のポ
リイソシアネート類とから調製される、種々のポリウレ
タンジオール類または各種のポリオール成分とジカルボ
ン酸類とから調製される、種々のポリエステルジオール
などのような、種々の水酸基を有する重合体類が挙げら
れる。
【0116】そして、ポリウレタン系重合体(I−4)
を調製する際に使用されるジイソシアネート類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、トルエン
−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート、メタキシリレンジイソシアネート、α,α,
α’,α’−テトラメチルメタキシリレンジイソシアネ
ート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたははイソホ
ロンジイソシアネートなどのような種々の化合物が挙げ
られる。
【0117】前記した原料類から、ポリウレタン系重合
体(I−4)を調製するには、前述した3級アミノ基の
導入法に応じて、適宜、ポリオール成分、ジイソシアネ
ート成分および3級アミノ基を導入するための原料成分
を選択し、公知慣用の種々の方法により反応せしめるよ
うにすればよい。
【0118】その際に、溶剤類は使用しても、使用しな
くてもよいが、使用する場合には、前述のビニル系重合
体(I−1)を調製する際に使用されるものとして例示
したような、各種の溶剤類のうち、水酸基を含有しない
有機溶剤類を使用するようにすればよい。
【0119】このようにして調製される当該ポリウレタ
ン系重合体(I−4)中に導入される3級アミノ基の数
は、一分子平均で、少なくとも1.5個であり、好まし
くは少なくとも2個である。
【0120】また、当該ポリウレタン系重合体(I−
4)の数平均分子量としては、約500〜約50,00
0の範囲にあることが、好ましくは、1,000〜3
0,000の範囲にあることが適切である。
【0121】このようにして調製される当該ポリウレタ
ン系重合体(I−4)から水性化物(A−1−5)を調
製するには、当該重合体(I−4)中に含まれる3級ア
ミノ基の少なくとも一部分を、上述したような酸性化合
物により、そのうちでも特に好ましくは、カルボン酸に
より、中和せしめたのち、水性化物(A−1−1)を調
製する際と同様の方法で、水溶化ないしは水分散化すれ
ばよい。
【0122】そして、かかる酸性化合物の添加量は、ポ
リウレタン系重合体(I−4)中に含まれる3級アミノ
基の当量数に対する、該酸性化合物の当量数の比率、つ
まり、該酸性化合物/当該ポリウレタン系重合体(I−
4)中に含まれる3級アミノ基なる当量比が、好ましく
は、概ね、0.1〜3なる範囲内となるような量が適切
であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる範囲内と
なるような量が適切である。
【0123】次いで、3級アミノ基と酸基を併有するポ
リウレタン系重合体(I−5)を酸性化合物で以て部分
中和ないしは完全に中和せしめたのちに、水に分散ない
しは溶解せしめて得られる水性化物(A−1−6)につ
いて説明をする。
【0124】ここにおいて使用される、3級アミノ基と
酸基を併有するポリウレタン系重合体(I−5)は、公
知慣用の種々の方法によって調製することができる。
【0125】すなわち、3級アミノ基は、ポリウレタン
系重合体(I−4)を調製する際に適用できる方法とし
て上述したような、(10)、(11)または(12)
なる方法で以て導入できるし、さらに、酸基、特に、カ
ルボキシル基は、(13)ポリウレタン系重合体を調製
する際に、ポリオール成分として、2,2−ジメチロー
ルプロピオン酸または2,2−ジメチロールブタン酸の
如き、各種のカルボキシル基を有するジオールを使用す
る方法、あるいは(14) 水酸基を有するポリウレタ
ン系重合体に、無水コハク酸、無水フタル酸またはは無
水トリメリット酸の如き、各種のジカルボン酸無水物を
付加せしめる方法、などにより導入することができる。
【0126】こうした方法により、ポリウレタン系重合
体(I−5)を調製するには、前記した3級アミノ基お
よび酸基(カルボキシル基)の導入法に応じて、適宜、
ポリオール成分、ジイソシアネート成分、3級アミノ基
を導入するための原料成分あるいは酸基(カルボキシル
基)を導入するための原料成分を選択し、公知慣用の種
々の方法により反応せしめるようにすればよい。
【0127】その際に、溶剤類は使用しても、使用しな
くてもよいが、使用する場合には、前述のビニル系重合
体(I−1)を調製する際に使用されるものとして例示
したような各種の溶剤類のうち、水酸基を含有しない溶
剤類を使用すればよい。
【0128】このようにして調製される、当該ポリウレ
タン系重合体(I−5)中に導入される3級アミノ基と
酸基との数は、一分子平均で、それぞれが、0.5個以
上であって、しかも、これらの3級アミノ基と酸基との
合計数量は、一分子平均で、少なくとも1.5個であ
り、好ましくは、少なくとも2個である。
【0129】また、当該ポリウレタン系重合体(I−
5)の数平均分子量としては、約500〜約50,00
0の範囲にあることが、好ましくは、1,000〜3
0,000の範囲にあることが適切である。
【0130】このようにして調製される、当該ポリウレ
タン系重合体(I−5)から水性化物(A−1−6)を
調製するには、当該重合体(I−5)中に含まれる3級
アミノ基の少なくとも一部分を、上述したような酸性化
合物により、そのうちでも特に好ましくは、カルボン酸
により、中和せしめたのち、水性化物(A−1−1)を
調製する際と同様の方法により、水溶化ないしは水分散
化すればよい。
【0131】そして、かかる酸性化合物の添加量は、当
該ポリウレタン系重合体(I−5)中に含まれる3級ア
ミノ基の当量数に対する、該酸性化合物の当量数の比
率、つまり、該酸性化合物/当該ポリウレタン系重合体
(I−5)中に含まれる3級アミノ基なる当量比が、好
ましくは、概ね、0.1〜3なる範囲内となるような量
が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる範
囲内となるような量が適切である。
【0132】次いで、3級アミノ基と酸基を併有するポ
リウレタン系重合体を、塩基性化合物で以て部分中和な
いしは完全に中和せしめたのちに、水に分散ないしは溶
解せしめて得られる水性化物(A−1−7)について説
明をする。
【0133】ここにおいて、使用される3級アミノ基と
酸基を併有するポリウレタン系重合体としては、水性化
物(A−1−6)を調製する際に使用されるものとして
上述したポリウレタン系重合体(I−5)を、そのま
ま、使用することができる。
【0134】そして、当該ポリウレタン系重合体(I−
5)から、水性化物(A−1−7)を調製するには、当
該重合体(I−5)中に含まれる酸基の少なくとも一部
分を、前掲したような各種の塩基性化合物により、特に
好ましくは、アンモニアあるいはアミンの如き揮発性の
塩基性化合物により、中和せしめたのちに、水性化物
(A−1−1)を調製する場合と同様の処方で、水溶化
ないしは水分散化せしめればよい。
【0135】そしてまた、かかる塩基性化合物の添加量
は、当該ポリウレタン系重合体(I−5)中に含まれる
酸基(カルボキシル基)当量数に対する、該塩基性化合
物の当量数の比率、つまり、該塩基性化合物/当該ポリ
ウレタン系重合体(I−5)中に含まれる酸基(カルボ
キシル基)なる当量比が、好ましくは、概ね、0.1〜
3なる範囲内となるような量が適切であるし、さらに好
ましくは、0.1〜2なる範囲内となるような量が適切
である。
【0136】次いで、酸基を有するポリウレタン系重合
体(I−6)を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは
完全に中和せしめたのちに、水に分散ないしは溶解せし
めて得られる水性化物(A−1−8)についての説明を
することにする。
【0137】酸基を有するポリウレタン系重合体(I−
6)を調製するには、ポリウレタン系重合体(I−5)
を調製する際に、酸基を導入する方法として前記した
(13)または(14)なる方法を適用するようにすれ
ばよい。
【0138】かかる方法により、当該ポリウレタン系重
合体(I−6)を調製するには、前述したような酸基
(カルボキシル基)の導入法に応じて、適宜、ポリオー
ル成分、ジイソシアネート成分および酸基(カルボキシ
ル基)を導入するための原料成分を選択し、公知慣用の
方法で反応せしめるようにすればよい。
【0139】その際に、溶剤類は使用しても、使用しな
くてもよいが、使用する場合には、前述のビニル系重合
体(I−1)を調製する際に使用されるものとして例示
したような各種の溶剤類のうち、水酸基を含有しない溶
剤類を使用するようにすればよい。
【0140】このようにして調製される、当該ポリウレ
タン系重合体(I−6)中に導入される酸基の数は、一
分子平均で、少なくとも1.5個であり、好ましくは少
なくとも2個である。
【0141】また、当該ポリウレタン系重合体(I−
6)の数平均分子量としては、約500〜約50,00
0の範囲にあることが、好ましくは、1,000〜3
0,000の範囲にあることが適切である。
【0142】このようにして調製される、当該ポリウレ
タン系重合体(I−6)から水性化物(A−1−8)を
調製するには、当該重合体(I−6)中に含まれる酸基
(カルボキシル基)の一部分を、上述したような塩基性
化合物により、そのうちでも特に好ましくは、アンモニ
アあるいはアミンの如き、揮発性の塩基性化合物によ
り、中和したのちに、水性化物(A−1−1)を調製す
る際と同様の方法で水溶化ないしは水分散化すればよ
い。
【0143】そして、かかる塩基性化合物の添加量は、
当該ポリウレタン系重合体(I−6)中に含まれる酸基
(カルボキシル基)当量数に対する、該塩基性化合物の
当量数の比率、つまり、該塩基性化合物/当該ポリウレ
タン系重合体(I−6)中に含まれる酸基(カルボキシ
ル基)なる当量比が、好ましくは、概ね、0.1〜3な
る範囲内となるような量が適切であるし、さらに好まし
くは、0.1〜2なる範囲内となるような量が適切であ
る。
【0144】次いで、3級アミノ基および/または酸基
を有するビニル系エマルジョン重合体(A−2)につい
ての説明をすることにする。
【0145】かかる3級アミノ基および/または酸基を
有するビニル系エマルジョン重合体(A−2)として
は、3級アミノ基を有するビニル系エマルジョン系重合
体(A−2−1)、3級アミノ基と酸基を併有するビニ
ル系エマルジョン重合体(A−2−2)および酸基を有
するビニル系エマルジョン重合体(I−3)がある。
【0146】まず、3級アミノ基を有するビニル系エマ
ルジョン重合体(A−2−1)についての説明をするこ
とにする。
【0147】上記した3級アミノ基含有ビニル系エマル
ジョン重合体(A−2−1)は、公知慣用の種々の方法
で以て、容易に調製できるが、それらのうちでも、特
に、3級アミノ基含有ビニル系単量体と、これと共重合
可能なる其の他のビニル系単量体とを共重合反応せしめ
る方法が簡便である。
【0148】上記した方法によって、3級アミノ基含有
ビニル系エマルジョン重合体(A−2−1)を調製する
に当たって用いられる3級アミノ基含有ビニル系単量体
としては、前掲したような各種の単量体(a−1)を使
用することが出来る。
【0149】この3級アミノ基含有ビニル系単量体(a
−1)と共重合可能なる其の他のビニル系単量体として
は、前掲したような単量体(a−2)から、適宜、選択
して使用すればよい。
【0150】以上のような、種々の単量体類から、当該
ビニル系エマルジョン重合体(A−2−1)を調製する
には、以上に述べて来たような単量体類を、乳化剤の存
在下に、水性媒体中で乳化重合するという、公知慣用の
エマルジョン重合方法を適用すればよい。
【0151】つまり、アニオン性乳化剤または非イオン
性乳化剤のような、公知慣用の種々の、非反応性の乳化
剤、あるいは公知慣用の、種々の、反応性乳化剤や分散
安定剤などを使用して、公知慣用の種々の方法に従って
重合反応を行なえばよい。
【0152】その際に使用される、上記アニオン性乳化
剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩もしくはポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルスルホン酸塩の如き、種々の化合物などであり、
これらは単独使用でも、あるいは2種以上の併用でもよ
いことは、勿論である。そして、ここにおいて言う塩と
は、ビニル系重合体(I−3)を中和する際に使用され
るものとして前掲したような、各種の塩基性化合物で以
て中和するということにより得られる塩類を指称するも
のである。
【0153】上記非イオン性乳化剤として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルまたはポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレンブロック共重合体などであり、これらは単独使用
でも、あるいは2種以上の併用でもよいことは、勿論で
ある。
【0154】さらに、上記反応性乳化剤のうちでもアニ
オン性の反応性乳化剤として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、スルホン酸塩基、硫酸塩基または
燐酸塩基のような、各種の、いわゆる塩構造を有するビ
ニル系単量体類などである。かかる単量体類を共重合反
応することによりエマルジョン重合体中に塩構造を導入
するということによって、エマルジョン重合体の安定化
を図ることができる。
【0155】これらのうち、スルホン酸塩基を有するビ
ニル系単量体の代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−メチル
アリルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、2
−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸もしく
は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
の如き、各種のスルホン酸基含有ビニル系単量体類を、
前掲したような、各種の塩基性化合物によって中和する
ことにより得られるような、種々の化合物などである。
【0156】前掲したアニオン性の反応生乳化剤のう
ち、燐酸塩基を有するビニル系単量体として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、モノ{2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル}アシッドホスフェート
の如き、燐酸基含有ビニル系単量体類を、前掲したよう
な、各種の塩基性化合物によって中和することにより得
られるような、種々の化合物などが挙げられる。
【0157】前掲したアニオン性の反応生乳化剤のう
ち、硫酸塩基を有するビニル系単量体として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、アリルアルコール
の硫酸エステルの如き硫酸エステル基を有するビニル系
単量体類を、前掲した如き、各種の塩基性化合物によっ
て中和することにより得られるような、種々の化合物な
どが挙げられる。
【0158】このような、中和された酸基含有単量体の
市販品として特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、中和されたスルホン酸基含有単量体としての、そ
れぞれ、「ラテムル S−180もしくはS−180
A」[花王(株)製品]または「エレミノール JS−
2もしくはRS−30」[三洋化成工業(株)製品]な
どであるし、
【0159】中和された硫酸基含有単量体としての、そ
れぞれ、「アクアロン HS−10」[第一工業製薬
(株)製品]または「アデカリアソープ SE−10
N」[旭電化工業(株)製品]などであるし、そして、
燐酸基を有する単量体としての、「ニューフロンティア
A−229E」[第一工業製薬(株)製品]などであ
る。
【0160】また、反応性乳化剤のうち、非イオン性の
反応性乳化剤としては、前掲したような種々のポリエー
テル鎖を有する単量体類が用いられる。
【0161】さらに、上記分散安定剤として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、ポリビニルアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイ
ン化アルキド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリ
ルアミド、水溶性ないしは水分散性のアクリル樹脂など
のような、合成ないしは天然の、水溶性ないしは水分散
性の高分子物質などであり、これらは単独使用でも、あ
るいは2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0162】上掲したような、各種の乳化剤を使用し
て、乳化重合法によって当該エマルジョン重合体(A−
2−1)を調製するに当たり、該乳化剤の使用量として
は、当該エマルジョン重合体(A−2−1)中の固形分
に対して、0.2〜10重量%程度とすることが、好ま
しくは、0.5〜6重量%程度とすることが、本発明の
方法により得られる複層塗膜の、とりわけ、耐水性など
の観点からも望ましい。
【0163】また、乳化剤を全く使用せずに重合反応せ
しめるという方法、いわゆるソープ・フリー重合法も、
本発明の方法による複層塗膜の耐水性などを、さらに一
層、向上せしめることができるという処からも、有用な
方法である。
【0164】そして、此のソープ・フリー重合法として
は、(15) 前掲したような反応性乳化剤を、いわゆ
る乳化剤種として、主に用いて重合反応せしめる方法で
あるとか、(16) 前掲したような安定剤のうちの、
水溶性ないしは水分散性のアクリル樹脂の存在下におい
て重合反応せしめる方法であるとか、
【0165】あるいは(17) 前掲したような、それ
ぞれ、反応性乳化剤と、水溶性ないしは水分散性のアク
リル樹脂とを併用して重合反応せしめる方法、などが挙
げられるが、これらのうちでも、水溶性ないしは水分散
性のアクリル樹脂を用いるという、(16)または(1
7)なる方法によるのが、特に望ましい。
【0166】ソープ・フリー重合反応の際に用いられ
る、前記反応性乳化剤の使用量としては、当該エマルジ
ョン重合体(A−2−1)の固形分に対して、0.1〜
3重量%程度であり、好ましくは、0.2〜2重量%程
度である。
【0167】また、前記分散安定剤としての水溶性ない
しは水分散性アクリル樹脂の使用量としては、当該ビニ
ル系エマルジョン重合体(A−2−1)中の固形分のう
ちの、約5〜約70重量%の範囲内、好ましくは、10
〜50重量%の範囲内とするべきであり、少なすぎると
いう場合には、どうしても、重合安定性などが悪くなり
易いし、多すぎるという場合には、どうしても、樹脂粘
度が著しく高くなり易く、ひいては、塗装作業性などが
悪くなり易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0168】そして、こうした乳化重合の際に使用され
る水溶性ないしは水分散性アクリル樹脂としては、3級
アミノ基含有アクリル樹脂を、酸性化合物で以て、部分
的に、あるいは完全に中和し、水溶化ないしは水分散化
せしめた形の、いわゆるカチオン型の水溶性ないしは水
分散性アクリル樹脂を使用することも出来るし、さらに
は、カルボキシル基含有アクリル樹脂を、塩基性化合物
で以て、部分的に、あるいは、完全に中和し、水溶化な
いしは水分散化せしめた形のアニオン型水溶性ないしは
水分散性アクリル樹脂を使用することも出来る。
【0169】そしてまた、これらのうちでも、とりわ
け、耐水性ならびに付着性などの観点からは、特に、後
者のアニオン型の水溶性ないしは水分散性アクリル樹脂
を使用することが望ましい。
【0170】さらに、ここにおいて使用される該アニオ
ン系の水溶性ないしは水分散性アクリル樹脂としては、
当該エマルジョン重合体(A−2−1)を調製する際に
用いられる3級アミノ基含有ビニル系単量体(a−1)
中に、あるいは其の他の共重合可能なるビニル系単量体
(a−2)中に含まれる反応性の官能基と反応する官能
基を有する樹脂であるということ、あるいは当該エマル
ジョン重合体(A−2−1)の調製時において、いわゆ
るグラフト重合反応が可能なる、ラジカル重合性不飽和
二重結合を有する樹脂であるということが、一層、望ま
しい。
【0171】当該エマルジョン重合体(A−2−1)を
調製する際の水性媒体としては、特に限定されるという
ようなものではなく、水のみを使用してもよいし、ある
いは水と水溶性有機溶剤との混合溶液として使用しても
よい。
【0172】ここにおいて用いられる水溶性有機溶剤と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテルまたはエチレング
リコールモノ−n−ブチルエーテルなどのアルコール類
などであり、さらには、N−メチルピロリドンなどのよ
うな種々の極性溶剤が挙げられるが、これらは単独使用
でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0173】水と水溶性有機溶剤との混合物を使用する
場合の、該水溶性溶剤の使用量は、重合反応時の安定性
などの面から、適宜、選択することが出来るが、得られ
る重合体水性分散液の引火の危険性や安全衛生性などの
面からも、該水溶性溶剤の使用量は、極力、少なくする
ことが望ましい。こうした理由から、就中、水単独を媒
体として使用するのが望ましい。
【0174】当該エマルジョン重合体(A−2−1)を
調製する際の重合反応方法としては、水、3級アミノ基
含有ビニル系単量体(a−1)と、其の他の共重合可能
なるビニル系単量体(a−2)とを必須の成分とする単
量体成分、重合触媒、乳化剤および/または分散安定剤
を、一括混合して重合反応を行なうという方法や、前記
した単量体成分を滴下する、いわゆるモノマー滴下法
や、水、単量体成分および乳化剤を、予め、混合したも
のを滴下する、いわゆるプレ・エマルジョン法などであ
り、本発明において用いられる当該3級アミノ基含有エ
マルジョン重合体(A−2−1)は、こうした種々の方
法により調製することができる。
【0175】特に、モノマー滴下法またはプレ・エマル
ジョン法に従って調製することが、重合反応時の安定性
などの面からも、望ましい。
【0176】当該エマルジョン重合体(A−2−1)の
調製に際しての、いわゆる重合開始剤としては、ラジカ
ル重合開始剤が用いられるが、該ラジカル重合開始剤と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムもしくは過酸化水素
などの如き、各種の無機過酸化物類;またはtert−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾ
イルパーオキサイドもしくはクメンハイドロパーオキサ
イドの如き、各種の有機過酸化物類;
【0177】さらには、アゾビスイソブチロニトリル、
4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)もしくは
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩
などのような、各種のアゾ系開始剤などである。
【0178】かかる重合開始剤として、上記した過酸化
物を使用する場合には、該過酸化物のみを用いて、かか
るラジカル重合反応を行なってもよいし、また、該過酸
化物と、酸性亜硫酸ナトリウムもしくはチオ硫酸ナトリ
ウムのような種々の還元剤とを併用した形の、いわゆる
レドックス重合開始剤系によって行なってもよく、こう
した種々の方法により、重合反応を行なうことができ
る。
【0179】また、分子量調整剤として、たとえば、ラ
ウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−メル
カプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メ
ルカプトプロピオン酸またはα−メチルスチレン・ダイ
マーなどのような、種々の連鎖移動剤をも用いることが
出来る。
【0180】当該エマルジョン重合体(A−2−1)を
調製する際の重合温度は、使用する単量体の種類や、重
合開始剤の種類などによっても異なるが、通常、約30
〜約90℃なる温度範囲が望ましい。
【0181】当該エマルジョン重合体(A−2−1)中
に含まれる3級アミノ基は、酸によって中和されていて
も、中和されていなくてもよいが、当該エマルジョン重
合体(A−2−1)を調製する際に、安定性が悪くて、
ブロックが発生したりする場合とか、保存安定性あるい
は使用時の安定性に劣るような場合には、そのうちの少
なくとも一部分を、酸で以て中和することにより、安定
性を向上せしめることができる。
【0182】このような、少なくとも一部分が中和され
た3級アミノ基を有する当該エマルジョン重合体(A−
2−1)を調製するには、3級アミノ基含有ビニル系単
量体(a−1)として、予め、酸性化合物で中和したも
のを用いて重合反応を行なう方法、重合反応中に酸性化
合物を添加して、3級アミノ基を中和する方法、あるい
は当該重合体(A−2−1)を調製したのちに、酸性化
合物を添加して、中和する方法などを適用することが出
来る。
【0183】このような酸性化合物としては、前記した
水性化物(A−1−1)を調製する際に使用できるもの
として例示したような化合物を使用することができる。
そして、それらのうちでも、カルボン酸類の使用が、特
に望ましい。
【0184】かかる酸性化合物を添加して、安定性を向
上せしめるという場合には、その酸性化合物の使用量と
しては、当該3級アミノ基含有エマルジョン重合体(A
−2−1)中に含まれる3級アミノ基の当量数に対す
る、該酸性化合物の当量数の比率、
【0185】つまり、該酸性化合物/当該3級アミノ基
含有エマルジョン重合体(A−2−1)中に含まれる3
級アミノ基なる当量比が、約0.1以上となるような割
合が適切ではあるが、複層塗膜の性能を損なわない範囲
内の量として、好ましくは、概ね、0.1〜3なる範囲
内が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる
範囲内が適切である。
【0186】このようにして調製される3級アミノ基含
有エマルジョン重合体(A−2−1)に導入される3級
アミノ基の量はエマルジョン重合体(A−2−1)の固
形分の1,000g当たり、約0.03〜約2.5モル
なる範囲が適切であるし、好ましくは、0.05〜1.
5モルなる範囲が適切であるし、さらに好ましくは、
0.05〜0.5モルなる範囲が適切である。
【0187】3級アミノ基の導入量が約0.03モル未
満であるという場合には、どうしても、複層塗膜の、と
りわけ、耐水性などが不十分となり易いし、一方、約
2.5モルを超えて余りにも多くなるという場合には、
どうしても、耐酸性などが悪くなり易くなる傾向にある
ので、いずれの場合も好ましくない。
【0188】。このようにして調製される、当該エマル
ジョン重合体(A−2−1)の数平均分子量としては、
概ね、5,000以上、好ましくは、30,000以
上、さらに好ましくは、50,000以上が適切であ
る。
【0189】また、当該エマルジョン重合体(A−2−
1)の粒子径は、特に制限されるものではないが、その
数平均粒子径として、約30〜約1,000ナノ・メー
ター(nm)程度であることが、エマルジョン皮膜の造
膜性などの面からも、望ましいことである。
【0190】次いで、3級アミノ基および酸基を併有す
るビニル系エマルジョン重合体(3級アミノ基・酸基併
有ビニル系エマルジョン重合体ともいう。)(A−2−
2)について述べることにする。
【0191】上記した3級アミノ基・酸基併有ビニル系
エマルジョン重合体(A−2−2)は、公知慣用の種々
の方法で以て、容易に調製することが出来るが、それら
のうちでも特に、 3級アミノ基含有ビニル系単量体
と、酸基含有単量体とを、これと共重合可能なる其の他
のビニル系単量体とを共重合反応せしめる方法が簡便で
ある。
【0192】上記した方法によって、3級アミノ基・酸
基併有ビニル系エマルジョン重合体(A−2−2)を調
製するに当たって用いられる3級アミノ基含有ビニル系
単量体としては、前掲したような単量体(a−1)を使
用することが出来るし、酸基含有単量体としては、前掲
したような単量体(a−3)を使用すればよい。そし
て、かかる酸基含有単量体のうちでも、カルボキシル基
含有単量体の使用が、特に望ましい。
【0193】こうした、3級アミノ基含有ビニル系単量
体(a−1)および酸基含有単量体(a−3)と共重合
可能なる其の他のビニル系単量体も、前傾したような単
量体(a−2)の中から、適宜、選択して使用すればよ
い。
【0194】以上のような、種々の単量体類から、当該
ビニル系エマルジョン重合体(A−2−2)を調製する
には、前述したような、公知慣用のエマルジョン重合方
法を利用し適用して調製すればよい。
【0195】このようにして調製される、当該エマルジ
ョン重合体(A−2−2)の数平均分子量としては、概
ね、5,000以上、好ましくは、30,000以上、
さらに好ましくは、50,000以上が適切である。
【0196】また、当該エマルジョン重合体(A−2−
2)の粒子径は、特に制限されるものではないが、その
数平均粒子径として、約30〜約1,000nm程度で
あることが、エマルジョン皮膜の造膜性などの面から
も、望ましいことである。
【0197】このようにして調製される、当該エマルジ
ョン重合体(A−2−2)の固形分の1,000g当た
りに導入されるべき3級アミノ基の量としては、約0.
03〜約2.5モルなる範囲内が適切であるし、好まし
くは、0.05〜1.5モルなる範囲内が適切である
し、さらに好ましくは、0.05〜0.5モルなる範囲
が適切である。
【0198】また、当該エマルジョン重合体(A−2−
2)の固形分の1,000g当たりに導入される酸基の
量としては、約0.07〜約5モルなる範囲内が適切で
あるし、好ましくは、0.07〜2.0モルなる範囲内
が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜0.7モ
ルなる範囲が適切である。
【0199】かくして調製される当該エマルジョン重合
体(A−2−2)中に含まれる3級アミノ基および酸基
は、酸あるいは塩基によって中和されていても、中和さ
れていなくてもよいが、当該エマルジョン重合体(A−
2−2)を調製する際に、安定性が悪くて、ブロックが
発生したりする場合とか、保存安定性あるいは使用時の
安定性に劣るというような場合には、そのうちの少なく
とも一部分を、酸あるいは塩基で以て中和することによ
り、安定性を向上せしめることができる。
【0200】このような、少なくとも一部分が中和され
た3級アミノ基・酸基併有エマルジョン重合体(A−2
−2)を調製するには、3級アミノ基含有ビニル系単量
体(a−1)として、予め、酸性化合物で中和したもの
を用いて重合反応を行なう方法であるとか、
【0201】重合反応中に、酸性化合物を添加して、3
級アミノ基を中和する方法であるとか、酸基含有ビニル
系単量体(a−3)として、予め、塩基性化合物で中和
した形のものを用いて重合反応を行なう方法であると
か、重合反応中に、塩基性化合物を添加して、重合反応
を行なう方法であるとか、
【0202】あるいは当該重合体(A−2−2)を調製
したのちに、酸性化合物あるいは塩基性化合物を添加し
て、中和する方法などの、種々の方法を利用し適用する
ことが出来る。
【0203】かかる中和に際して使用される酸性化合物
としては、前述した水性化物(A−1−1)を調製する
際に使用できるものとして例示したような化合物を使用
することができるは、それらのうちでも、カルボン酸類
の使用が、特に望ましい。
【0204】また、かかる中和に使用される塩基性化合
物としては、水性化物(A−1−3)を調製する際に使
用できるものとして例示したような化合物を使用するこ
とができる。そして、それらのうちでも、とりわけ、ア
ンモニアであるとか、あるいは各種の有機アミン類など
の使用が、特に望ましい。
【0205】そしてまた、かかる酸性化合物を添加し
て、安定性を向上せしめる場合には、その酸性化合物の
使用量としては、当該3級アミノ基・酸基併有エマルジ
ョン重合体(A−2−2)中に含まれる3級アミノ基の
当量数に対する、該酸性化合物の当量数の比率、
【0206】つまり、該酸性化合物/当該3級アミノ基
・酸基併有エマルジョン重合体(A−2−2)中に含ま
れる3級アミノ基なる当量比が、約0.1以上となるよ
うな割合が適切ではあるが、複層塗膜の性能を損なわな
い範囲内の量として、好ましくは、概ね、0.1〜3な
る範囲内が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜
2なる範囲内が適切である。
【0207】また、塩基性化合物を添加することによっ
て、安定性を向上せしめる場合には、その塩基化合物の
使用量としては、当該3級アミノ基・酸基併有エマルジ
ョン重合体(A−2−2)中に含まれる酸基の当量数に
対する、該塩基化合物の当量数の比率、
【0208】つまり、該塩基性化合物/当該3級アミノ
基・酸基併有エマルジョン重合体(A−2−2)中に含
まれる酸基なる当量比が、約0.1以上となるような割
合が適切ではあるが、複層塗膜の性能を損なわない範囲
内の量として、好ましくは、概ね、0.1〜3なる範囲
内が適切であるし、さらに好ましくは、0.1〜2なる
範囲内が適切である。
【0209】次いで、酸基を有するビニル系エマルジョ
ン重合体(酸基含有ビニル系エマルジョン重合体ともい
う。)(A−2−3)の調製について述べることにす
る。
【0210】上記した酸基含有ビニル系エマルジョン重
合体(A−2−3)は、公知慣用の種々の方法で以て、
容易に調製できるが、それらのうちでも、特に、酸基含
有単量体と、これと共重合可能なる其の他のビニル系単
量体とを共重合反応せしめる方法が簡便である。
【0211】かかる方法によって、酸基含有ビニル系エ
マルジョン重合体(A−2−3)を調製するに当たっ
て、酸基含有単量体としては、前掲したような単量体
(a−3)を使用するようにすればよいし、一方、この
酸基含有単量体(a−3)と共重合可能なる其の他のビ
ニル系単量体としても、前掲したような単量体(a−
2)の中から、適宜、選択して使用すればよい。そし
て、酸基含有単量体としては、特に、カルボキシル基含
有単量体の使用が望ましい。
【0212】以上のような、種々の単量体類から、当該
ビニル系エマルジョン重合体(A−2−3)を調製する
には、前述したような、公知慣用のエマルジョン重合方
法を適用して調製すればよい。
【0213】このようにして調製される、当該エマルジ
ョン重合体(A−2−3)の数平均分子量としては、概
ね、5,000以上、好ましくは、30,000以上、
さらに好ましくは、50,000以上が適切である。
【0214】また、当該エマルジョン重合体(A−2−
3)の粒子径は、特に制限されるものではないが、その
数平均粒子径として、30〜1,000nm程度である
ことが、エマルジョン皮膜の造膜性などの面からも、望
ましいことである。
【0215】このようにして調製される当該エマルジョ
ン重合体(A−2−3)中に含まれる酸基は、塩基性化
合物によって中和されていても、中和されていなくても
よいが、当該エマルジョン重合体(A−2−3)を調製
する際に、安定性が悪くて、ブロックが発生したりする
場合とか、保存安定性あるいは使用時の安定性に劣ると
いうような場合には、そのうちの少なくとも一部分を、
塩基性化合物で以て中和することにより、安定性を向上
せしめることができる。
【0216】このような、少なくとも一部分が中和され
た酸基を有する当該エマルジョン重合体(A−2−3)
を調製するには、酸基含有ビニル系単量体(a−3)と
して、予め、塩基性化合物で中和した形のものを用いて
重合反応を行なう方法であるとか、重合反応中に、塩基
性化合物を添加して、酸基を中和する方法であるとか、
あるいは当該重合体(A−2−3)を調製したのちに、
塩基性化合物を添加して、中和する方法などを適用する
ことができる。
【0217】このような塩基性化合物としては、前記し
た水性化物(A−1−3)を調製する際に使用できるも
のとして例示したような化合物を使用することができる
が、それらのうちでも、とりわけ、アンモニアであると
か、あるいは各種の有機アミン類などの使用が、特に望
ましい。
【0218】そして、かかる塩基性化合物を添加して、
安定性を向上せしめる場合には、その塩基化合物の使用
量としては、当該酸基含有エマルジョン重合体(A−2
−3)中に含まれる酸基基の当量数に対する、該塩基性
化合物の当量数の比率、
【0219】つまり、該塩基性化合物/当該酸基含有エ
マルジョン重合体(A−2−3)中に含まれる酸基なる
当量比が、約0.1以上となるような割合が適切ではあ
るが、複層塗膜の性能を損なわない範囲内の量として、
好ましくは、概ね、0.1〜3なる範囲内が適切である
し、さらに好ましくは、0.1〜2なる範囲内が適切で
ある。
【0220】上述のようにして、3級アミノ基および/
または酸基を有するエマルジョン重合体(A−2)とし
ての、それぞれ、(A−2−1)、(A−2−2)また
は(A−2−3)が調製されるが、こうした、それぞれ
の重合体において、その粒子内は架橋していないもので
あってもよいし、架橋されているものであってもよい
が、内部架橋することにより、複層塗膜の耐水性を、一
層、向上せしめることができる。
【0221】当該重合体(A−2−1)、(A−2−
2)または(A−2−3)の粒子内を架橋せしめるに
は、上述した(a−2)成分として、前掲したような、
種々の加水分解性シリル基含有単量体類を併用したり、
または上述した(a−2)成分の中でも、官能基含有単
量体類のうちの、3級アミノ基もしくは酸基と反応する
官能基を有する単量体類を併用したり、
【0222】あるいは該(a−2)成分の中でも、官能
基含有単量体類のうちの、相互に反応性を有する官能基
を持った、2種類以上の単量体類を併用したり、さらに
は、該(a−2)の中でも、多官能の単量体類を併用し
たりすればよい。
【0223】さらに、当該重合体(A−2−1)、(A
−2−2)または(A−2−3)に、たとえば、前記共
重合可能なる単量体の一つとして、水酸基含有単量体を
使用して、水酸基を導入したというような場合には、こ
うした、それぞれの重合体(A−2−1)、(A−2−
2)または(A−2−3)を含む形の、本発明において
用いるベースコート用水性塗料の、硬化性を、一層、向
上せしめることが出来、したがって、より耐水性に優れ
る複層塗膜を得ることが出来る。
【0224】重合体(A−2−1)、(A−2−2)ま
たは(A−2−3)中に水酸基を導入する場合の、この
水酸基の導入量としては、それぞれの重合体(A−2−
1)、(A−2−2)または(A−2−3)の固形分の
1,000g当たり、0.04〜2モル程度なる範囲内
が適切であるし、好ましくは、0.08〜1.2モル程
度なる範囲内が適切である。
【0225】次いで、水性樹脂(A)の一つとして使用
される、それぞれ、水性化物(A−1)と、ビニル系エ
マルジョン重合体(A−3)との混合物についての説明
をすることにする。
【0226】かかる水性樹脂(A)の一方の成分であ
る、前記したビニル系エマルジョン重合体(A−3)と
しては、3級アミノ基および/または酸基を有するもの
もあるし、あるいは3級アミノ基および酸基のいずれを
も含有しないものもある。
【0227】ビニル系エマルジョン重合体(A−3)
が、3級アミノ基および/または酸基を有するものであ
る場合には、前述したような、3級アミノ基および/ま
たは酸基を有するエマルジョン重合体(A−2−1)、
(A−2−2)または(A−2−3)をそのまま、エマ
ルジョン重合体(A−3)として使用するということが
できる。
【0228】そして、此のエマルジョン重合体(A−
3)が、3級アミノ基および酸基のいずれをも含有しな
いようなものである場合には、このような重合体(A−
3)は、前掲したような各種のビニル系単量体(a−
2)の中から、重合反応せしめるべき単量体を、適宜、
選択して、前述のような方法で重合反応を行なうことに
よって調製される。
【0229】混合物としての水性樹脂(A)を調製する
際に使用される、他方の成分である水性化物(A−1)
としては、上述したような(A−1−1)、(A−1−
2)、(A−1−3)、(A−1−4)、(A−1−
5)、(A−1−6)、(A−1−7)または(A−1
−8)を、そのまま使用することが出来る。
【0230】上述したような各種の水性化物(A−1)
成分と、エマルジョン重合体(A−3)とから、此の水
性樹脂(A)成分を調製するには、水性化物(A−1)
の固形分/重合体(A−3)の固形分なる比が、約98
/2〜約2/98、好ましくは、95/5〜5/95、
特に好ましくは、85/15〜15/85となるように
混合せしめればよい。
【0231】次いで、前記した、一分子中に、それぞ
れ、エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合
物(B)としては、これらの両種の反応性基を併有する
ビニル系重合体や、エポキシ基を有するシランカップリ
ング剤、あるいは該両種の反応性基を併有するシリコー
ン樹脂などが、特に代表的なものである。
【0232】ここにおいて、加水分解性シリル基とは、
たとえば、アルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノキ
シ基、ハロゲン原子、イソプロペニルオキシ基、アシロ
キシ基またはイミノオキシ基などが結合した珪素原子を
含む原子団であって、容易に加水分解されて、シラノー
ル基を生成するものを指称する。そして、かかる加水分
解性シリル基は、ポリシロキサン骨格を構成するもので
あり、上掲したような各種の基が結合した珪素原子であ
ってもよいし、たとえば、次の一般式[I]
【0233】
【化1】
【0234】(ただし、式中のR1 は炭素数が1〜10
なるアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選
ばれるような1価の炭化水素基を、X1 はハロゲン原
子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェ
ノキシ基、チオアルコキシ基、イソプロペニルオキシ
基、イミノキシ基およびアミノ基から選ばれるような1
価の有機基を表わすものとし、また、aは0あるいは1
または2なる整数であるものとする。)
【0235】で示されるような、それぞれ、アルコキシ
シリル基、フェノキシシリル基、ハロシリル基、イソプ
ロペニルオキシシリル基、チオアルコキシシリル基、ア
シロキシシリル基、アミノキシシリル基またはイミノオ
キシシリル基などであってもよい。
【0236】上記したような、エポキシ基と加水分解性
シリル基とを併有するビニル系重合体を調製するには、
公知慣用の種々の方法が、いずれも適用できるが、就
中、推奨し得る方法としては、
【0237】(i) 前述した3級アミノ基含有ビニル
系重合体(I−1)を調製する際に使用される共重合性
の単量体として掲げたような、各種の加水分解性シリル
基含有ビニル系単量体類と、各種のエポキシ基含有ビニ
ル系単量体類とを、溶液ラジカル共重合反応せしめると
いうような方法、
【0238】(ii) 前掲したような、加水分解性シ
リル基含有ビニル系単量体類と、各種のエポキシ基含有
ビニル系単量体類と、これらと共重合可能なる其の他の
ビニル系単量体とを、溶液ラジカル共重合せしめるとい
うような方法、
【0239】(iii) γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ンまたはγ−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオ
キシシランなどのような、加水分解性シリル基を有する
各種の連鎖移動剤の存在下に、前掲したような、各種の
エポキシ基含有ビニル系単量体類を必須の単量体成分と
する単量体混合物を、溶液ラジカル(共)重合反応せし
めるというような方法であるとか、
【0240】あるいは(iv) 前記(i)または(i
i)の方法と、前記(iii)の方法を組み合わせた方
法など、といったような種々の方法が挙げられる。
【0241】また、前記したエポキシ基含有シランカッ
プリング剤として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルメチルジエトキシシランもしくはγ
−グリシドキシプロピルトリイソプロぺニルオキシシラ
ンの如き、各種のエポキシシラン化合物;
【0242】γ−イソシアナ−トプロピルトリイソプロ
ぺニルオキシシランもしくはγ−イソシアナ−トプロピ
ルトリメトキシシランの如き、各種のイソシアナートシ
ラン化合物と、グリシド−ルとの付加物;またはγ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランの如き、各種のアミノ
シラン化合物と、ジエポキシ化合物との付加物;
【0243】あるいは前掲したような各種のエポキシシ
ラン化合物を部分加水分解縮合せしめて得られる、一分
子中に2個以上のエポキシ基と加水分解性シリル基とを
併有する化合物などである。
【0244】さらに、エポキシ基と加水分解性シリル基
とを併有するシリコーン樹脂として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、環状のテトラシロキサンで
あって、次の構造式[II]
【0245】
【化2】
【0246】(ただし、式中のGlyは3−グリシドキ
シプロピル基を表わすものとする。)
【0247】で示されるような化合物などが挙げられ
る。
【0248】また、前掲した(A)成分と(B)成分と
に加えて、さらに、このエポキシ基と加水分解性シリル
基を併有する化合物(B)を除く、加水分解性シリル基
および/またはシラノール基を有する化合物(D)を有
する、ベースコート用の水性塗料を使用することによ
り、耐水性などの面で以て、さらに一層、優れる複層塗
膜を得ることができる。
【0249】かかる加水分解性シリル基および/または
シラノール基を有する化合物(D)として特に代表的な
もののみを挙げるにとどめれば、メチルシリケート、エ
チルシリケート、イソプロピルシリケートもしくはn−
ブチルシリケートの如き、各種のシリケート化合物;前
掲したような各種のシリケート化合物を部分加水分解縮
合することにより得られるシリケート・オリゴマー類;
【0250】メチルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニル
トリエトキシシランもしくはイソブチルトリメトキシシ
ランの如き、各種の3官能性シラン化合物;
【0251】またはジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエ
チルジエトキシシランもしくはジフェニルジメトキシシ
ランの如き、各種の2官能性シラン化合物;
【0252】さらには、メチルトリクロルシラン、フェ
ニルトリクロルシラン、エチルトリクロルシラン、ジメ
チルジクロルシランもしくはジフェニルジクロルシラン
の如き、各種のハロシラン類、あるいは上掲したような
各種の2官能性ないしは3官能性のシラン化合物を、ほ
ぼ完全に、加水分解せしめて得られるような、低分子量
のシラノール化合物;
【0253】これら上記のシラノール化合物を、さら
に、脱水縮合せしめて得られる、シラノール基を有する
線状ないしは環状のポリシロキサン類;上掲したよう
な、各種の2官能性シラン化合物、3官能性のシラン化
合物およびシリケート化合物よりなる群から選ばれる、
少なくとも1種の化合物を部分加水分解縮合せしめて得
られる、アルコキシシリル基を有する、線状、分岐状な
いしは環状のポリシロキサン化合物などである。
【0254】次いで、ベースコート用塗料を調製する際
に使用される、顔料(C)成分としては、公知慣用の種
々の化合物のいずれもが使用できるが、それらのうちで
も特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、カー
ボン・ブラック、フタロシアニン・ブルー、フタロシア
ニン・グリーンまたはキナクリドン・レッドの如き、各
種の有機系顔料;さらには、酸化チタン、酸化鉄、アル
ミニウム・フレークまたはチタン・コート・マイカなど
のような、種々の無機系顔料が挙げられる。
【0255】かくして、前掲した、それぞれ、(A)、
(B)、(C)および(D)成分から、本発明に係る自
動車トップコート用複層塗膜の形成方法を実施するに当
たって用いられる、ベースコート用の水性塗料を調製す
る際の各成分の配合比率について述べることにする。
【0256】まず、(A)成分、(B)成分および
(C)成分から構成されるベースコート用の水性塗料を
調製するには、(A)成分中に含まれる3級アミノ基と
酸基との合計モル数/(B)成分中に含まれるエポキシ
基のモル数なる比率が、約0.1〜約5の範囲内となる
ように、好ましくは、0.3〜3.0の範囲内となるよ
うに、最も好ましくは、0.5〜2.0の範囲内となる
ように、(A)成分と(B)成分との使用比率を設定
し、
【0257】しかも、(A)成分と(B)成分との合計
固形分の100重量部に対して、(C)成分が1〜20
0部程度となるように、好ましくは、2〜100重量部
程度となるように、(C)成分の配合量を設定すればよ
い。
【0258】また、(A)成分、(B)成分、(C)成
分および(D)成分から構成されるベースコート用の水
性塗料を調製するには、(A)成分中に含まれる3級ア
ミノ基と酸基との合計モル数/(B)成分中に含まれる
エポキシ基のモル数なる比率が、約0.1〜約5の範囲
内となるように、好ましくは、0.3〜3.0の範囲内
となるように、最も好ましくは、0.5〜2.0の範囲
内となるように、(A)成分と(B)成分との使用比率
を設定し、
【0259】次いで、(A)成分と(B)成分との合計
固形分の100重量部に対して、(D)成分が0.5〜
200部程度となるように、好ましくは、1〜100重
量部程度となるように、(D)成分の配合量を設定し、
さらに、(A)成分と(B)成分と(D)成分との合計
固形分の100重量部に対して、(C)成分が1〜20
0部程度、好ましくは、2〜100重量部程度となるよ
うに、(C)成分の配合量を設定すればよい。
【0260】このようにして、ベースコート用の水性塗
料が調製されるが、かかる水性塗料には、さらに必要に
応じて、硬化触媒、レベリング剤、マイクロ・ゲルまた
は尿素系化合物などのような、各種のレオロジー・コン
トロール剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;造膜助剤;消
泡剤;または分散剤などのような、公知慣用の種々の添
加剤類などをも配合せしめることが出来る。
【0261】次いで、本発明に係る自動車トップコート
用複層塗膜の形成方法を実施するに当たって用いられ
る、クリヤーコート用の塗料について説明をすることに
する。
【0262】かかる、クリヤーコート用塗料としては、
公知慣用の種々のタイプのものを使用することができ
る。かかるクリヤーコート用塗料のタイプ別として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、水性の溶液
型−、分散型またはエマルジョン型塗料;有機溶剤系の
溶液型−または分散型塗料;あるいは粉体塗料;さらに
は無溶剤液状塗料などのような種々の塗料が挙げられ
る。
【0263】こうした種々の塗料のうち、水性の、それ
ぞれ、溶液型、分散型またはエマルジョン型塗料として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アクリ
ル樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、アルキド樹脂
系塗料、シリコーン樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗
料またはフルオロオレフィン樹脂系塗料などのような各
種の塗料が挙げられる。
【0264】かかる各種の水性塗料は、アミノ樹脂、ポ
リイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、ポ
リエポキシ化合物または加水分解性シリル基・エポキシ
基併有化合物の如き、各種の架橋剤あるいは架橋剤とし
て機能する化合物や、公知慣用の種々の硬化触媒類が配
合された形で、架橋型塗料としても使用される。
【0265】また、本発明方法を実施するに当たって使
用されるベースコート用塗料を構成するベース樹脂成分
および硬化剤を必須成分として含有するようなクリヤー
塗料も、本発明でいうクリヤーコート用塗料として使用
することができる。
【0266】クリヤーコート用塗料として用いられる有
機溶剤系の溶液型塗料または分散型塗料として特に代表
的なるもののみを例示するにとどめれば、アクリル樹脂
系塗料、シリコン含有アクリル樹脂系塗料、ポリエステ
ル樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、繊維素系ポリマー
含有塗料またはシリコーン樹脂系塗料などが挙げられ
る。
【0267】かかる各種の有機溶剤系塗料は、水性のク
リヤーコート用塗料の部分で以て上述したような各種の
架橋剤あるいは架橋剤として機能する化合物や、公知慣
用の種々の硬化触媒類が配合された形で、架橋型塗料と
して使用される。
【0268】さらに、かかる有機溶剤系塗料を構成する
ベース樹脂成分に、加水分解性シリル基やN−アルコキ
シメチルアミド基などのような自己縮合性の官能基を導
入したり、カルボン酸無水基と、トリメチルシリルオキ
シアルキル基などのような相互に反応する官能基とを、
同時に、導入せしめたりすることにより、かかる塗料を
自己架橋型として使用することもできる。
【0269】また、有機溶剤系塗料として、エネルギー
線硬化型のアクリル二重結合や、ビニルエーテル基や、
脂環式エポキシ基などを有する樹脂あるいは化合物を含
む形の塗料も使用することができる。
【0270】クリヤーコート用塗料として使用される粉
体塗料として特に代表的るもののみを例示するにとどめ
れば、ポリエステル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料ま
たはフルオロオレフィン樹脂系塗料などが挙げられ、こ
れらは、それぞれの樹脂中に含まれる反応性の官能基の
種類に応じて、酸無基を有する化合物、アミノ樹脂、多
価カルボン酸、ブロック化ポリイソシアネートもしくは
ポリエポキシ化合物などのような、各種の架橋剤が配合
された形で、熱硬化型として使用される。
【0271】上記したような各種のクリヤーコート用塗
料は、基本的には、顔料を全く含有しない塗料である
が、皮膜形成成分の総固形分重量の約3%未満で以て、
前掲したような有機顔料を配合せしめた形の、いわゆ
る、カラー・クリヤー塗料であってもよい。
【0272】上述したベースコート用水性塗料とクリヤ
ーコート用塗料とから、複層塗膜を形成する際に、被塗
物基材としては、基本的には、鉄もしくはアルミニウム
の如き金属類または此等の金属の合金類、あるいは上掲
したような各種の基材に各種の電着塗装、プライマーサ
ーフェーサー塗装または中塗り塗装などの下塗り塗装が
施された形の基材などが使用されるが、
【0273】ポリプロピレン、ABS樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂成形品、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ートまたは各種の飽和ポリエステル樹脂などのような種
々の有機材料、あるいは此等の各種有機材料に、予め、
下塗り塗装が施された形の基材類も使用される。
【0274】次いで、上述したベースコート用水性塗料
とクリヤーコート用塗料とから、本発明の複層塗膜を形
成する方法について説明する。
【0275】まず、前掲したような各種の基材に、ベー
スコート用水性塗料を塗装してベースコート層を硬化せ
しめてから、クリヤーコート用塗料を塗装し、クリヤー
コート層を硬化せしめることによって複層塗膜を形成さ
せる方法について述べる。
【0276】前掲したような各種の基材に、ベースコー
ト用塗料を、エアースプレーまたはエアレス静電塗装な
どのような、公知慣用の種々の塗装方法で以て塗装せし
めたのち、室温で、1〜10日間程度乾燥せしめたり、
あるいは約60〜約200℃なる温度範囲で以て、1〜
120分間程度加熱したり、することによって、硬化し
たベースコート塗膜を得ることができる。
【0277】次いで、硬化したベースコート塗膜の上
に、前述したような塗装方法で以て、クリヤーコート用
の塗料を塗装せしめたのちに、クリヤーコート層を硬化
せしめることによって複層塗膜を得ることができる。
【0278】クリヤーコート層を硬化せしめるに当た
り、クリヤーコート用の塗料が、たとえば、アクリル−
ウレタン系の塗料のように、常温での硬化性を有すると
いうような場合には、常温で、1〜10日間程度乾燥せ
しめたり、あるいは約60〜約200℃なる温度範囲で
以て、1〜120分間程度加熱したり、することによっ
て、硬化したクリヤーコート塗膜を得ることができる。
【0279】そして、クリヤーコート用の塗料が、たと
えば、アクリル−メラミン系の塗料のように、常温での
硬化性を有しない場合には、クリヤーコート用の塗料の
熱硬化性の程度に応じて、60〜200℃程度の温度範
囲で以て、1〜120分間程度、加熱することによっ
て、硬化したクリヤーコート塗膜を得ることができる。
【0280】次いで、前傾したような各種の基材上に、
ベースコート用水性塗料を塗装し、ベースコート層が未
硬化の状態で、引き続き、クリヤーコート用塗料を塗装
し、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したのち、
ベースコート層とクリヤーコート層を、同時に硬化せし
めて複層塗膜を形成させる方法について述べる。
【0281】こうした、塗膜の形成方法を適用する場合
には、上述したような塗装方法で以て、まず、ベースコ
ート用の塗料を塗装せしめた直後に、または室温で、1
〜60分間程度の乾燥を行なったのちに、あるいはベー
スコート層が硬化しないように、概ね、60℃程度まで
の温度で、1〜20分間程度、加熱して乾燥を行なった
のちに、クリヤーコート用の塗料を塗装せしめ、次い
で、ベースコート層とクリヤーコート層とを同時に硬化
せしめるようにすればよい。
【0282】ベースコート層とクリヤーコート層とを同
時に硬化せしめるに際し、クリヤーコート用の塗料が、
常温での硬化性を有する場合には、常温で、1〜10日
間程度、乾燥せしめたり、あるいは約60〜約200℃
なる温度範囲で以て、1〜120分間程度加熱したり、
することによって、ベースコート層とクリヤーコート層
が共に硬化した複層塗膜を得ることができる。
【0283】そして、クリヤーコート用の塗料が、常温
での硬化性を有しない場合には、クリヤー塗料の熱硬化
性の程度に応じて、60〜200℃程度の温度範囲で以
て、1〜120分間程度、加熱することによって、ベー
スコート層とクリヤーコート層が共に硬化した複層塗膜
を得ることができる。
【0284】上述のようにして、外観と耐水性とに優れ
る複層塗膜を得ることができるが、こうした、本発明の
複層塗膜の形成方法は、二輪車あるいは四輪車の新車を
製造する際のラインでの塗装とか、二輪車あるいは四輪
車の補修塗装を行なう際に有効に利用し適用することが
出来るというものである。
【0285】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明することにするが、以下
において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて
重量基準であるものとする。
【0286】参考例1〔3級アミノ基含有ビニル系重合
体の水性化物(A−1−1)の調製例〕
【0287】攪拌機、温度計、コンデンサー、滴下漏斗
および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、エチレング
リコールモノイソプロピルエーテル(EGMIP)の3
30部と、イソプロパノール(IPA)の330部とを
仕込み、窒素雰囲気下で、80℃にまで昇温した。
【0288】次いで、スチレン(ST)の100部、メ
チルメタクリレート(MMA)の250部、n−ブチル
メタクリレート(BMA)の450部、エチルアクリレ
ート(EA)の70部、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート(HEA)の30部および2−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート(DMAEMA)の100部と、アゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)の8部およびte
rt−ブチルパ−オキシオクトエート(TBPO)の5
部とからなる混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0289】滴下終了後も、同温度に、10時間のあい
だ保持することによって、不揮発分(NV)が60%
で、かつ、数平均分子量(Mn)が9,300なる、3
級アミノ基含有ビニル系重合体(I−1−1))の溶液
を得た。
【0290】それに続いて、室温で、この重合体(I−
1−1)の溶液の100部に、3級アミノ基の中和率が
50%となるように、蟻酸の88%水溶液の1.0部を
添加して、攪拌を続行せしめた。次いで、49部の水を
加えて、均一になるまで攪拌を続行せしめることによっ
て、NVが40%なる、目的とする水性化物を得た。以
下、これを水性化物(A−1−1−1)と略記する。
【0291】参考例2〔3級アミノ基・酸基併有ビニル
系重合体の水性化物(A−1−2)の調製例〕
【0292】それぞれ、使用すべき単量体類としては、
STの100部、MMAの250部、BMAの410
部、EAの150部、HEAの30部、DMAEMAの
40部およびアクリル酸(AA)の20部からなる混合
物を用いるように変更すると同時に、使用すべきラジカ
ル重合開始剤としては、TBPOの10部を用いるよう
に変更した以外は、参考例1と同様にして、NVが60
%で、かつ、Mnが7,800なる、3級アミノ基・酸
基併有ビニル系重合体(I−2−1)の溶液を得た。
【0293】それに続いて、室温で、この重合体(I−
2−1)の溶液の100部に、蟻酸の88%水溶液の
0.8部を添加して、攪拌を続行せしめたのち、49.
2部の水を加えて、均一になるまで、攪拌を続行せしめ
ることによって、NVが40%なる、目的とする水性化
物を得た。以下、これを水性化物(A−1−2−1)と
略記する。
【0294】参考例3〔3級アミノ基・酸基併有ビニル
系重合体の水性化物(A−1−3)の調製例〕
【0295】参考例2で調製した重合体(I−2−1)
の溶液の100部に、室温で、トリエチルアミンの1.
68部を添加して、攪拌を続行せしめたのち、48.3
部の水を加えて、均一になるまで、攪拌を続行せしめる
ことによって、NVが40%なる、目的とする水性化物
を得た。以下、これを水性化物(A−1−3−1)と略
記する。
【0296】参考例4〔酸基含有ビニル系重合体の水性
化物(A−1−4)の調製例〕 それぞれ、使用すべき重合用溶剤としては、EGMIP
の333部と、IPAの333部とを用いるように、ま
た、使用すべき単量体類としては、STの150部、B
MAの450部、EAの150部、HEAの50部およ
びAAの100部からなる混合物を用いるように変更
し、併せて、使用すべきラジカル重合開始剤としては、
TBPOの10部を用いるように変更した以外は、参考
例1と同様にして、NVが60%で、かつ、Mnが7,
800なる、目的とする、酸基を含有するビニル系重合
体(I−3−1)の溶液を得た。
【0297】それに引き続いて、この重合体(I−3−
1)の溶液の100部に、N,N−ジメチルオクチルア
ミンの1.8部と、トリエチルアミンの2.2部とを添
加して、攪拌を続行せしめたのちに、96部の水を加
え、均一なる分散体となるまで攪拌を続行せしめること
によって、NVが30%なる、目的とする水性化物を得
た。以下、これを水性化物(A−1−4−1)と略記す
る。
【0298】参考例5〔3級アミノ基含有ポリウレタン
系重合体の水性化物(A−1−5)の調製例〕
【0299】攪拌機、温度計、窒素ガス導入口および空
冷管を備えた反応容器に、2−エチル−2−ブチルプロ
パン−1,3−ジオールの640部、アジピン酸の43
8部およびジ−n−ブチル錫オキサイドの0.2部を仕
込み、窒素雰囲気下で、徐々に180℃にまで昇温し
た。そして、同温度で、10時間に亘る脱水縮合反応を
行なって、酸価が0.4で、水酸基価が115で、か
つ、Mnが970なるポリエステルジオール(PD)を
得た。
【0300】次いで、参考例1と同様の反応容器に、こ
のPDの388部、N−メチルジエタノールアミンの2
1.4部およびメチルエチルケトン(MEK)の582
部を仕込み、窒素雰囲気下で、攪拌しながら、80℃に
まで昇温した。
【0301】しかるのち、同温度で、イソホロンジイソ
シアネートの155.4部を、1時間かけて滴下し、滴
下終了後も、さらに同温度で、6時間のあいだ反応を続
行せしめた。さらに、ここに、2−ジメチルアミノエタ
ノールの17.8を加えて、同温度で、さらに4時間の
あいだ反応を続行せしめることにより、Mnが5,80
0で、かつ、NVが50.0%なる、一分子平均で、4
個の3級アミノ基を有するポリウレタン系重合体(I−
4−1)の溶液を得た。
【0302】引き続いて、このポリウレタン系重合体
(I−4−1)の溶液の100部に、蟻酸の88%水溶
液の1.8部を加え、3級アミノ基を中和せしめた。次
いで、ここにおいて、脱イオン水の90部、EGMIP
の25部およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
の10部を加えて、充分に攪拌混合を行なったのちに、
減圧下で、MEKを留去せしめて、半透明の、NVが4
0.5%で、固形分1,000グラム当たりの3級アミ
ノ基の含有量が0.687モルなる、3級アミノ基含有
ポリウレタン系重合体の水性化物(A−1−5−1)を
得た。
【0303】参考例6〔3級アミノ基・酸基併有ポリウ
レタン系重合体の水性化物(A−1−7)の調製例〕
【0304】参考例1と同様の反応容器に、参考例5で
得られたポリエステルジオール(PD)の388部、
2,2−ジメチロールブタン酸の29.6部およびME
Kの591部を仕込み、窒素雰囲気下で、攪拌しなが
ら、80℃にまで昇温した。
【0305】次いで、同温度で、イソホロンジイソシア
ネートの155.4部を、1時間かけて滴下し、滴下終
了後も、さらに同温度で、6時間のあいだ反応を続行せ
しめた。さらに、ここにおいて、2−ジメチルアミノエ
タノールの17.8を加え、同温度で、さらに、4時間
のあいだ反応を続行せしめることにより、Mnが5,9
00で、かつ、NVが50.0%なる、一分子平均で、
2個の3級アミノ基と2個のカルボキシル基とを併有す
るポリウレタン系重合体(I−5−1)の溶液を得た。
【0306】しかるのち、このポリウレタン系重合体
(I−5−1)の溶液の100部に、トリエチルアミン
の2.56部を加えて、カルボキシル基を中和せしめ
た。次いで、ここにおいて、脱イオン水の90部、EG
MIPの25部およびNMPの10部を加えて、充分に
攪拌混合を行なったのちに、減圧下で、MEKを留去せ
しめることにより、乳白色の、NVが40.7%で、固
形分1,000グラム当たりの3級アミノ基の含有量が
0.343モルで、かつ、カルボキシル基の含有量が
0.343モルなる、3級アミノ基・酸基併有ポリウレ
タン系重合体の水性化物(A−1−7−1)を得た。
【0307】参考例7〔酸基含有ポリウレタン系重合体
の水性化物(A−1−8)の調製例〕
【0308】参考例1と同様の反応容器に、参考例5で
調製したポリエステルジオール(PD)の388部、
2,2−ジメチロールブタン酸の29.6部およびME
Kの591部を仕込み、窒素雰囲気下で、攪拌しなが
ら、80℃にまで昇温した。
【0309】次いで、同温度で、イソホロンジイソシア
ネートの155.4部を、1時間かけて滴下し、滴下終
了後も、さらに同温度で、6時間のあいだ反応を続行せ
しめた。さらに、ここにおいて、2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピオン酸の23.6を加えて、同温度
で、さらに6時間のあいだ、反応を続行せしめるという
ことによって、Mnが6,000で、かつ、NVが5
0.0%なる、一分子平均で、4個のカルボキシル基を
有するポリウレタン系重合体(I−6−1)の溶液を得
た。
【0310】しかるのち、この調製したポリウレタン系
重合体(I−6−1)の溶液の100部に、トリエチル
アミンの5.0部を加えて、カルボキシル基を中和せし
めた。次いで、ここにおいて、脱イオン水の90部、E
GMIPの25部およびNMPの10部を加えて、充分
に攪拌混合を行なったのちに、減圧下で、MEKを留去
せしめることによって、乳白色の、NVが40.9%
で、かつ、固形分1,000グラム当たりのカルボキシ
ル基の含有量が0.697モルなる、酸基含有ポリウレ
タン系重合体の水性化物(A−1−8−1)を得た。
【0311】参考例8〔3級アミノ基含有エマルジョン
重合体(A−2−1)の調製例〕
【0312】参考例1と同様の反応容器に、脱イオン水
の1,500部と、乳化剤としての「エマルゲン 95
0」[花王(株)製の、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテルの商品名]の40部とを仕込み、窒素雰囲
気下で、攪拌しながら、80℃にまで昇温して、乳化剤
を溶解せめしたのちに、過硫酸アンモニウムの5部を添
加した。
【0313】次いで、MMAの500部、n−ブチルア
クリレート(BA)の425部、HEAの30部、DM
AEMAの40部および3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン(MPTMS)の5部と、n−ドデシ
ルメルカプタン(DDM)の1.0部とからなる混合物
を、3時間に亘って滴下し、重合反応を行なった。
【0314】滴下終了後も、同温度に、2時間のあいだ
攪拌を行なって、反応を続行せしめた。さらに、内容物
を室温にまで冷却してから、アンモニア水で、pHが
8.1となるように調整し、また、脱イオン水で、NV
が40.0%となるように調整し、100メッシュ金網
で濾過せしめることによって、25℃における、BM型
粘度計による粘度(以下同様)が80cpsなる、3級
アミノ基含有エマルジョン重合体(A−2−1−1)を
得た。なお、此の3級アミノ基含有エマルジョン重合体
のおける、100メッシュ金網不通過の凝集物は、0.
1%(対、水分散液比)以下であった。
【0315】また、このエマルジョン重合体は、その固
形分の1,000グラム中には、仕込み量からの計算値
として、0.191モルの3級アミノ基が含まれている
というものである。
【0316】参考例9〔3級アミノ基・酸基併有エマル
ジョン重合体(A−2−2)の調製例〕
【0317】参考例1と同様の反応容器に、脱イオン水
の1,400部と、乳化剤としての「エレミノール J
S−2」[三洋化成(株)製の、スルホン酸ナトリウム
塩構造を有する反応性乳化剤の商品名]の5部と、25
%アンモニア水の3部とを仕込んだのち、窒素雰囲気下
で、攪拌しながら、80℃にまで昇温して、乳化剤を溶
解せしめた。
【0318】次いで、過硫酸アンモニウムの1.0部を
添加してから、BMAの100部、BAの65部、メタ
クリル酸(MAA)の20部、グリシジルメタクリレー
トの5部およびDDMの1.0部からなる混合物を、1
時間かけて滴下した。滴下終了後も、さらに、1時間の
あいだ、同温度で、反応を続行せしめることによって、
分散安定剤を調製した。
【0319】しかるのち、この分散安定剤に、25%ア
ンモニア水の5部と、過硫酸アンモニウムの2部とを添
加してから、MMAの370部、BMAの120部、B
Aの100部、EAの150部、DMAEMAの30
部、MAAの10部、HEAの30部およびDDMの
1.0部からなる混合物を、3時間かけて滴下して重合
反応を続行せしめた。滴下終了後も、同温度において、
2時間のあいだ、攪拌しながら、反応を続行せしめた。
【0320】反応終了後は、室温にまで冷却し、脱イオ
ン水で、NVが40.0%となるように調整し、100
メッシュ金網で濾過せしめて、pHが6.9で、かつ、
粘度が90cpsなる、3級アミノ基・酸基併有エマル
ジョン重合体(A−2−2−1)を得た。
【0321】なお、この3級アミノ基・酸基併有エマル
ジョン重合体における、100メッシュ金網不通過の凝
集物は、0.1%(対、水分散液比)以下であった。ま
た、このエマルジョン重合体(A−2−2−1)は、そ
の固形分の1,000グラム中には、仕込み量からの計
算値として、それぞれ、0.191モルの3級アミノ基
と、0.349モルのカルボキシル基とが含まれている
というものである。
【0322】参考例10〔酸基含有エマルジョン重合体
(A−2−3)の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、脱イオン水の1,500
部と、「エマルゲン950」の40部とを仕込み、窒素
雰囲気下で、攪拌しながら、80℃にまで昇温して、こ
の「エマルゲン 950」を溶解せしめたのちに、過硫
酸アンモニウムの5部を添加した。
【0323】次いで、MMAの420部、2−エチルヘ
キシルメタクリレートの395部、2−エチルヘキシル
アクリレートの100部、HEAの50部、MAAの3
0部、MPTMSの5部およびDDMの1.0部からな
る混合物を、3時間かけて滴下し、重合反応を行なっ
た。
【0324】滴下終了後も、同温度において、2時間の
あいだ、攪拌を行なって、反応を続行せしめたのちに、
室温にまで冷却してから、アンモニア水で、pHが8.
5となるように調整し、また、脱イオン水で、NVが4
0.0%となるように調整したのち、100メッシュ金
網で濾過せしめることによって、酸基としてのカルボキ
シル基を有するエマルジョン重合体(A−2−3−1)
を得た。
【0325】なお、このカルボキシル基含有エマルジョ
ン重合体の、100メッシュ金網不通過の凝集物は、
0.1%(対、水分散液比)以下であった。また、この
エマルジョン重合体(A−2−3−1)は、その固形分
1,000グラム中には、仕込み量からの計算値とし
て、0.349モルのカルボキシル基が含まれていると
いうものである。
【0326】参考例11〔珪素原子に結合した水酸基を
有する化合物(D)の調製例〕 参考例1と同様の反応装置に、メチルトリエトキシシラ
ンの1,335部およびフェニルトリエトキシシランの
60部と、n−ブタノールの825部とを仕込んで、8
0℃にまで昇温した。同温度で、「AP−3」[大八化
学(株)製の、燐酸イソプロピルエステルの商品名]の
4.83部と、水540部とを加え、4時間のあいだ攪
拌することにより、加水分解と縮合反応とを進行せしめ
た。
【0327】次いで、50℃にまで温度を下げて、NV
が50.0%になるまで、減圧下に、加熱を行なって、
n−ブタノールの一部分と水とエタノールとを除去せし
めることによって、珪素原子に結合した水酸基を有す
る、メチルトリエトキシシラン・フェニルトリエトキシ
シラン共加水分解縮合物のn−ブタノール溶液を得た。
以下、これを化合物(D−1)と略記する。
【0328】参考例12〔白色ベースコート用塗料(B
C−1)〜(BC−7)の調製例〕 第1表に示すような配合比率で以て、それぞれ、
(A)、(B)、(C)および(D)なる各成分と、造
膜助剤とから構成される、各種の、白色のベースコート
用塗料(BC−1)〜(BC−7)の調製を、次のよう
にして行なった。
【0329】すなわち、それぞれの白色のベースコート
用塗料を調製するに当たり、まず、顔料重量濃度(PW
C)が70%となるように、それぞれ、参考例1、参考
例2、参考例3および参考例5で得られた各水性化物
(A−1−1−1)、(A−1−2−1)、(A−1−
3−1)、(A−1−5−1)および(A−1−7−
1)の一部分と、酸化チタンとの混合物を、サンドミル
により分散せしめることによって、各種の、白色のミル
ベースを調製した。この際に、各水性化物は、それぞれ
のNVが25%となるように、脱イオン水で以て希釈し
て使用した。
【0330】このようにして調製したミルベースに、残
りの、必要量の各水性化物と、その他の、添加するべき
成分とを加えて混合せしめたのちに、水で、スプレー可
能なる粘度にまで希釈せしめてから、ペイント・シェー
カーで、15分間のあいだ振とうせしめることによっ
て、PWCが35%なる、各種の、白色のベースコート
用塗料を得た。
【0331】参考例13〔メタリック・ベースコート用
塗料(BC−8)〜(BC−13)の調製例〕
【0332】第2表に示すような配合比率で以て、それ
ぞれ、(A)、(B)、(C)および(D)なる各成
分、造膜助剤とから構成される、各種のメタリック・ベ
ースコート用塗料(BC−8)〜(BC−13)の調製
を、次のようにして行なった。
【0333】すなわち、かかるメタリック・ベースコー
ト用塗料の調製に当たり、各成分の混合物を、スプレー
粘度となるように、脱イオン水で希釈せしめてから、ペ
イント・シェーカーで、15分間のあいだ振とうせしめ
ることによって、PWCが12%なる、それぞれのメタ
リック・ベースコート用塗料を得た。
【0334】
【表1】
【0335】《第1表の脚注》表中の各成分の配合割合
は、いずれも、重量部で以て示されている。
【0336】「γ−GPTMS」…………γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランの略記
【0337】「シリコーン CYB」……次の構造式で
示される、環状のエポキシ基含有メトキシシリコーンの
略称
【0338】
【化3】
【0339】(ただし、式中のGlyは3−グリシドキ
シプロピル基を表わすものとする。)
【0340】「CR−97]………………石原産業
(株)製の、ルチル型酸化チタンである「タイペーク
CR−97]の略記
【0341】「NMP」……………………N−メチル−
2−ピロリドンの略記
【0342】「テキサノール」……………2,2,4−
トリメチルペンタン−1,3−ジオールのモノイソブチ
ルエステル
【0343】
【表2】
【0344】
【表3】
【0345】
【表4】
【0346】《第2表の脚注》表中の各成分の配合割合
は、いずれも、重量部で以て示されている。
【0347】「アルミニウム・ペースト」…東洋アルミ
ニウム(株)製の、「アルペースト WXM−T60
b」(アルミニウム含有率=55%)の略記
【0348】
【表5】
【0349】《第2表の脚注》 「SY−201」……………ドイツ国ワッカー・ヒェミ
ー(Wacker−Chemie)社製の、珪素原子に
結合したメトキシ基を有するシリコーン樹脂「SILR
ES SY−201」の略記
【0350】参考例14〔常温硬化型クリヤーコート用
塗料(CL−1)の調製例〕 「アクリディック A−801」[大日本インキ化学工
業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;NV
=50.0%、樹脂溶液の水酸基価=50.0]の10
0部、「バーノック DN−990S」[大日本インキ
化学工業(株)製の、ポリイソシアネート樹脂の商品
名;NV=100%、イソシアネート基含有率=18.
0%]の20.8部および「シリコーン LO−50」
(ドイツ国、ワッカー・ヒェミー社製の、シリコーン系
添加剤)の0.1%キシレン溶液の3.5部からなる混
合物を、キシレン/トルエン/酢酸−n−ブチル/酢酸
エチル/セロソルブアセテート=30/20/30/1
0/10(重量部比)なる混合溶剤で、フォード・カッ
プ#4による、25℃での粘度が20秒となるように調
整せしめることによって、常温硬化型のクリヤーコート
用塗料(CL−1)を調製した。
【0351】参考例15〔焼き付け硬化型クリヤーコー
ト用塗料(CL−2)の調製例〕 「アクリディック A−345」[大日本インキ化学工
業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;NV
=55.0%]の100部、「スーパーベッカミン L
−117−60」[大日本インキ化学工業(株)製の、
n−ブチルエーテル化メラミン樹脂の商品名;NV=6
0.0%〕の39.3部および「シリコーン LO−5
0」の0.1%キシレン溶液の3.9部からなる混合物
を、「ソルベッソ 150」(アメリカ国エクソン社製
の、芳香族炭化水素の混合物)/キシレン/n−ブタノ
ール=40/30/30(重量部比)なる混合溶剤で、
フォード・カップ#4による、25℃での粘度が20秒
となるように調整せしめることにより、焼き付け硬化型
のクリヤーコート用塗料(CL−2)を調製した。
【0352】実施例1〜13 これらの各実施例において使用される、ベースコート用
の塗料ならびにクリヤーコート用の塗料の種別は、第3
表に示す通りである。
【0353】予め、ポリエステル−メラミン系の中塗り
塗料が塗装された鋼板上に、まず、上述のベースコート
用の塗料を、エアースプレーにより、塗装せしめたのち
に、かくして得られるベースコート層を、第3表に示す
ような条件で乾燥せしめた。
【0354】次いで、このベースコート層の上に、クリ
ヤー用塗料を、エアースプレー塗装せしめ、第3表に示
すような条件で硬化せしめることによって、複層塗膜を
作製した。
【0355】なお、ベースコート用塗料の塗装に際し
て、ベースコート層の乾燥膜厚が、それぞれ、白色ベー
スコートについては、約30マイクロ・メーター(μ
m)となるように、メタリック・ベースコートについて
は、約20μmとなるように調整して、塗装を行なっ
た。
【0356】また、クリヤーコート用塗料の塗装に際し
ては、クリヤーコート層の乾燥膜厚が、いずれの場合
も、約30μmとなるように調整して、塗装を行なっ
た。
【0357】このようにして作製された、それぞれの複
層塗膜について、外観と耐水性との評価判定を行なっ
た。それらの結果は、第3表に、併せて示す。
【0358】参考例16〔比較対照用のベースコート塗
料(BC−R1)の調製例〕 参考例4で調製した水性化物(A−1−4−1)の10
0部、硬化剤としての「ウォーターゾール S−69
5」[大日本インキ化学工業(株)製の、水溶性メラミ
ン樹脂の商品名;NV=66.0%]の11.4部、
「アルペースト WXM−T60b」の10.3部およ
びNMPの2部から、上述のメタリックベースコート塗
料調製時と同様の処方で以て、比較対照用のベースコー
ト塗料(BC−R1)を調製した。
【0359】参考例17〔比較対照用のベースコート塗
料(BC−R2)の調製例〕 参考例10で調製したエマルジョン重合体(A−2−3
−1)の100部、硬化剤としての「ウォーターゾール
S−695」の15.2部、「アルペーストWXM−
T60b」の12.4部およびテキサノールの2部か
ら、上述のメタリックベースコート塗料調製時と同様の
処方で以て、比較対照用のベースコート塗料(BC−R
2)を調製した。
【0360】比較例1〜3 参考例16または17で得られた、それぞれのベースコ
ート用塗料を、実施例1〜13と同様にして、塗装せし
め、第3表に示すような条件下で以て乾燥せしめた。
【0361】次いで、かくして得られた、それぞれのベ
ースコート層の上に、クリヤー用塗料を、エアースプレ
ーにより塗装せしめ、第3表に示すような条件で硬化せ
しめることによって、各種の複層塗膜を作製した。
【0362】なお、ベースコート用塗料の塗装に際し
て、ベースコート層の乾燥膜厚が、それぞれ、白色ベー
スコートについては、約30μmとなるように、メタリ
ック・ベースコートについては、約20μmとなるよう
に調整して、塗装を行なった。
【0363】また、クリヤーコート用塗料の塗装に際し
ては、クリヤーコート層の乾燥膜厚が、いずれの場合
も、約30μmとなるように調整し、塗装を行なった。
【0364】このようにして作製された、それぞれの比
較対照用の複層塗膜について、外観と耐水性とを評価判
定した。その結果を、第3表に、併せて示す。
【0365】
【表6】
【0366】《第3表の脚注》「ベースコート用塗料塗
装後の硬化条件」なる項目中の略記は、次のような意味
である。
【0367】「K−1」………120℃で、30分間の
焼き付け 「K−2」………40℃で、30分間の乾燥
【0368】「クリヤーコート用塗料塗装後の乾燥(放
置)硬化条件」なる項目中の略記は、次のような意味で
ある。 「K−3」………140℃で、30分間の焼き付け 「K−4」………室温で、7日間の乾燥
【0369】耐水性………………………50℃の温水中
に、各塗装板を、それぞれ、10日間、20日間または
30日間のあいだ浸漬せしめたのち、縦横に、2mm間
隔で、6本ずつのカット線を入れ、セロファン・テープ
で以て剥離試験を行なった際の、ベースコートと、クリ
ヤーコートとの層間付着性を観測することによって、評
価判定を行なった。25個のゴバン目のうち、剥離され
ずに付着している割合(%)で以て、表示した。この値
が大きいほど、耐水性に優れているることを意味する。
【0370】NSIC値…………………スガ試験機
(株)製の携帯写像鮮明度測定器にて測定した値で、塗
膜平滑性の尺度であり、この値が大きいほど、平滑性に
優れているということを意味する。
【0371】
【表7】
【0372】《第3表の脚注》 IV値………………………関西ペイント(株)製の、メ
タリック感測定装置「ALCOPE LMR−100」
により測定した値であって、この値が大きいほど、メタ
リック感に優れていることを意味する。
【0373】
【表8】
【0374】
【表9】
【0375】
【表10】
【0376】第3表に示す結果からも、本発明に係る自
動車トップコート用複層塗膜の形成方法に基づいて得ら
れる複層塗膜は、外観に優れると共に、従来タイプの、
水酸基含有アクリル系重合体と、メラミン樹脂とから調
製された、水性塗料をベースコートとして使用する、比
較例1〜3の場合の複層塗膜に比して、とりわけ、耐水
性に優れているということが、無理なく、明かになっ
た。
【0377】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明に係る自
動車トップコート用複層塗膜の形成方法は、とりわけ、
外観と耐水性とに優れる複層塗膜を与えるというもので
あり、特に、自動車のトップコート用の塗膜の形成方法
として、極めて実用性の高いものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0366
【補正方法】変更
【補正内容】
【0366】《第3の脚注》「ベースコート用塗料塗装
後の「乾燥(放置)条件」なる項目中の略記は、次のよ
うな意味である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0368
【補正方法】変更
【補正内容】
【0368】「クリヤーコート用塗料塗装後の「硬化条
件」なる項目中の略記は、次のような意味である。 「K−3」………120℃で、30分間の焼き付け 「K−4」………室温で、7日間の乾燥
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0366
【補正方法】変更
【補正内容】
【0366】《第3の脚注》「ベースコート用塗料塗装
後の乾燥(放置)条件」なる項目中の略記は、次のよう
な意味である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0368
【補正方法】変更
【補正内容】
【0368】「クリヤーコート用塗料塗装後の硬化条
件」なる項目中の略記は、次のような意味である。 「K−3」………140℃で、30分間の焼き付け 「K−4」………室温で、7日間の乾燥

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装するこ
    とを特徴とする、自動車トップコート用複層塗膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性シリル
    基および/またはシラノール基を有する化合物(D)
    と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装することを特
    徴とする、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し、次
    いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したのちに、ベー
    スコートと、クリヤーコートとを同時に硬化せしめるこ
    とを特徴とする、自動車トップコート用複層塗膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性シリル
    基および/またはシラノール基を有する化合物(D)
    と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し、次いで、
    クリヤーコート用の塗料を塗装したのちに、ベースコー
    トと、クリヤーコートとを同時に硬化せしめることを特
    徴とする、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し硬化
    せしめ、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したの
    ちに、クリヤーコートを硬化せしめることを特徴とす
    る、自動車トップコート用複層塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 ベースコートおよびクリヤーコートから
    なる自動車トップコート用の複層塗膜を形成する方法に
    おいて、ベースコート用塗料として、3級アミノ基およ
    び/または酸基を有する水性樹脂(A)と、一分子中に
    エポキシ基と加水分解性シリル基とを併有する化合物
    (B)と、この化合物(B)を除く、加水分解性シリル
    基および/またはシラノール基を有する化合物(D)
    と、顔料(C)とからなる水性塗料を塗装し硬化せし
    め、次いで、クリヤーコート用の塗料を塗装したのち
    に、クリヤーコートを硬化せしめることを特徴とする、
    自動車トップコート用複層塗膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記した水性樹脂(A)が、3級アミノ
    基および/または酸基を有する重合体(I)に、これら
    の官能基の少なくとも10%を中和せしめるように、中
    和剤を添加したのち、水に分散ないしは溶解して得られ
    る水性化物(A−1)である、請求項1〜6のいずれか
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記した水性樹脂(A)が、3級アミノ
    基および/または酸基を有するビニル系エマルジョン重
    合体(A−2)である、請求項1〜6のいずれかに記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 前記した水性樹脂(A)が、3級アミノ
    基および/または酸基を有する重合体(I)に、前記官
    能基の少なくとも10%を中和せしめるように、中和剤
    を添加したのち、水に分散ないしは溶解して得られる水
    性化物(A−1)と、ビニル系エマルジョン重合体(A
    −3)との混合物である、請求項1〜6のいずれかに記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記したビニル系エマルジョン重合体
    (A−3)が、3級アミノ基および/または酸基を有す
    るビニル系エマルジョン重合体である、請求項9に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 前記した3級アミノ基および/または
    酸基を有する重合体(I)が、ビニル系重合体である、
    請求項7または9のに記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記した3級アミノ基および/または
    酸基を有する重合体(I)がアクリル系重合体である、
    請求項7または9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記した3級アミノ基および/または
    酸基を有する重合体(I)が、ポリウレタン系重合体で
    ある、請求項7または9に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記したビニル系エマルジョン重合体
    (A−2)が、アクリル系エマルジョン重合体である、
    請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記したビニル系エマルジョン重合体
    (A−3)が、アクリル系エマルジョン重合体である、
    請求項9に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024142551A1 (ja) * 2022-12-26 2024-07-04 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法
WO2024142549A1 (ja) * 2022-12-26 2024-07-04 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法

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WO2024142551A1 (ja) * 2022-12-26 2024-07-04 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法
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