JPH0922268A - 自己走査形発光素子アレイを用いた光学装置 - Google Patents

自己走査形発光素子アレイを用いた光学装置

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JPH0922268A
JPH0922268A JP8137806A JP13780696A JPH0922268A JP H0922268 A JPH0922268 A JP H0922268A JP 8137806 A JP8137806 A JP 8137806A JP 13780696 A JP13780696 A JP 13780696A JP H0922268 A JPH0922268 A JP H0922268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己走査機能を有する発光素子アレイを用い
た光学装置を提供する。 【解決手段】 ガラス基板(A1)上に光センサが形成
され、この光センサの中央部に窓(A8)が設けられ、
この窓にロッドレンズ(A9)を介して、発光素子アレ
イを入射する密着形イメージセンサにおいて、発光素子
アレイは、しきい電圧もしくはしきい電流が外部から電
気的に制御可能な発光素子多数個を、一次元的に配列
し、各発光素子のしきい電圧もしくはしきい電流を制御
する電極を互いに電気的手段にて接続し、各発光素子
に、外部から電圧もしくは電流を印加させるクロックラ
インを接続した自己走査形発光素子アレイである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光素子を同一基板
上に集積した発光素子アレイを用いた光学装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】発光素子の代表的なものとしてLED
(Light Emitting Diode)および
LD(Laser Diode)が知られている。
【0003】LEDは化合物半導体(GaAs、Ga
P、GaAlAs等)のPNまたはPIN接合を形成
し、これに順方向電圧を加えることにより接合内部にキ
ャリアを注入し、その再結合の過程で生じる発光現象を
利用するものである。
【0004】またLDはこのLED内部に導波路を設け
た構造となっている。あるしきい値電流以上の電流をな
がすと注入される電子−正孔対が増加し反転分布状態と
なり、誘導放射による光子の増倍(利得)が発生し、へ
き開面などを利用した平行な反射鏡で発生した光が再び
活性層に帰還されレーザ発振が起こる。そして導波路の
端面からレーザ光が出ていくものである。
【0005】これらLED、LDと同じ発光メカニズム
を有する発光素子として発光機能を持つ負性抵抗素子
(発光サイリスタ、レーザサイリスタ等)も知られてい
る。発光サイリスタは先に述べたような化合物半導体で
PNPN構造を作るものであり、シリコンではサイリス
タとして実用化されている(青木昌治編著、「発光ダイ
オード」工業調査会、pp167〜169参照)。
【0006】この発光機能を持つ負性抵抗素子(ここで
は発光サイリスタと呼ぶ)の基本構造および電流−電圧
特性を図22、図23に示す。図22に示す構造はN形
GaAs基板上にPNPN構造を形成したものでサイリ
スタとまったく同じ構成である。図23も同様にサイリ
スタとまったく同じS字形負性抵抗を表している。サイ
リスタも図22の2端子のみでなく、図24に示す3端
子サイリスタも知られている。この3端子サイリスタの
ゲートはON電圧を制御する働きを持ち、ON電圧はゲ
ート電圧に拡散電位を加えた電圧となる。またONした
後、ゲート電極はカソード電圧とほぼ一致するようにな
る。カソード電極が接地されていればゲート電極は零ボ
ルトとなる。またこの発光サイリスタは外部から光を入
射することによりそのしきい電圧が低下することが知ら
れている。
【0007】さらにこの発光サイリスタの中に導波路を
設けLDと全く同じ原理でレーザサイリスタを形成する
事もできる(田代他、1987年秋応用物理学会講演、
番号18p−ZG−10)。
【0008】これらの様な発光素子、特にLEDは化合
物半導体基板上に多数個作られ、切断されて一つずつの
発光素子としてパッケージングされ販売されている。ま
た密着イメージセンサ用およびプリンタ用光源としての
LEDは一つのチップ上に複数個のLEDを並べたLE
Dアレイとして販売されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、密着形イメージ
センサ、LEDプリンタ等では読み取るポイント、書き
込むポイントを指定するため、これら発光素子による発
光点の走査機能(光走査機能)が必要であった。
【0010】しかし、これらの従来の発光素子を用いて
光走査を行うためには、LEDアレイのなかに作られて
いる一つ一つのLEDをワイヤボンディング等の技術に
より駆動ICに接続し、このICで一つ一つのLEDを
駆動させてやる必要があった。このためLEDの数が多
い場合、同数のワイヤボンディングが必要で、かつ、駆
動ICも数多く必要となりコストが高くなってしまうと
いう欠点があった。また、駆動ICを設置するスペース
を確保することが必要となり、コンパクト化が困難とい
う欠点を誘発していた。またLEDを並べるピッチもワ
イヤボンディングの技術で定まり、短ピッチ化が難しい
という欠点があった。
【0011】本発明の目的は、このような欠点を改善し
た発光素子アレイ(以下、自己走査形発光素子アレイと
いう)を用いた、密着形イメージセンサ,光プリンタ,
ディスプレイ等の光学装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス基板上
に光センサが形成され、この光センサの中央部に窓が設
けられ、この窓にロッドレンズを介して、発光素子アレ
イを入射する密着形イメージセンサにおいて、前記発光
素子アレイは、しきい電圧もしくはしきい電流が外部か
ら光によって制御可能な発光素子多数個を、一次元的に
配列し、各発光素子から発生する光の少なくとも一部
が、各発光素子近傍の他の発光素子に入射するように構
成し、各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加
させるクロックラインを接続した自己走査形発光素子ア
レイであることを特徴とし、あるいは、前記発光素子ア
レイは、しきい電圧もしくはしきい電流が外部から電気
的に制御可能な発光素子多数個を、一次元的に配列し、
各発光素子のしきい電圧もしくはしきい電流を制御する
電極を互いに電気的手段にて接続し、各発光素子に、外
部から電圧もしくは電流を印加させるクロックラインを
接続した自己走査形発光素子アレイであることを特徴と
する。
【0013】また本発明は、感光ドラムに発光素子アレ
イからロッドレンズアレイを介して光を照射する光プリ
ンタにおいて、前記発光素子アレイは、しきい電圧もし
くはしきい電流が外部から光によって制御可能な発光素
子多数個を、一次元的に配列し、各発光素子から発生す
る光の少なくとも一部が、各発光素子近傍の他の発光素
子に入射するように構成し、各発光素子に、外部から電
圧もしくは電流を印加させるクロックラインを接続した
自己走査形発光素子アレイであることを特徴とし、ある
いは、前記発光素子アレイは、しきい電圧もしくはしき
い電流が外部から電気的に制御可能な発光素子多数個
を、一次元的に配列し、各発光素子のしきい電圧もしく
はしきい電流を制御する電極を互いに電気的手段にて接
続し、各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加
させるクロックラインを接続した自己走査形発光素子ア
レイであることを特徴とする。
【0014】また本発明は、しきい電圧もしくはしきい
電流が外部から光によって制御可能な発光素子多数個
を、一次元的に配列し、各発光素子から発生する光の少
なくとも一部が、各発光素子近傍の他の発光素子に入射
するように構成し、各発光素子に、外部から電圧もしく
は電流を印加させるクロックラインを接続した自己走査
形発光素子アレイを、複数個平面的に配列したディスプ
レイであり、あるいは、しきい電圧もしくはしきい電流
が外部から電気的に制御可能な発光素子多数個を、一次
元的に配列し、各発光素子のしきい電圧もしくはしきい
電流を制御する電極を互いに電気的手段にて接続し、各
発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させるク
ロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイを、
複数個平面的に配列したディスプレイである。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明の光学装置に用いる
自己走査形発光素子アレイの各種例について説明する。
【0016】例Aここで説明する例Aの自己走査形発光
素子アレイは、相互作用の媒介として光を利用するもの
である。
【0017】<例A−1>例A−1の自己走査形発光素
子アレイの原理の等価回路図を図1に示す。これは発光
しきい電圧、電流が外部から制御できる発光素子の一例
として、最も標準的な三端子の発光サイリスタを用いた
場合を表している。
【0018】発光サイリスタT(-2)〜T(+2)は、一列に
並べられた構成となっている。各単体発光素子のアノー
ド電極に3本の転送クロックライン(φ1 、φ2 、φ
3 )がそれぞれ3素子おきに(繰り返される様に)接続
される。従来例にて説明したように発光サイリスタは光
を感じてそのターンオン電圧が低下する特性を持つ。発
光サイリスタをその発光が互いの素子に入射するよう構
成すると、発光素子に距離的に近い素子、または光がよ
くあたるように配置された素子はそのターンオン電圧が
下がることになる。
【0019】図1の等価回路図の動作について説明す
る。今転送クロックラインφ3 にハイレベルパルス電圧
が加わっており、発光サイリスタT(0) がON状態にな
っているとする。発光サイリスタT(0) からの発光は隣
接する発光サイリスタT(-1),T(+1)に入射し、これら
のON電圧を引き下げる。発光サイリスタT(-2),T(+
2)は、発光サイリスタT(-1),T(+1)に比べ遠方にある
ため入射光は弱く、ON電圧はそれほど低下しない。こ
の状態で、次にクロックラインφ1 にハイレベルパルス
電圧を印加する。発光サイリスタT(+1)のオン電圧は発
光サイリスタT(- 2)のON電圧に比べ光の影響で低下し
ているため、発光サイリスタT(+1)のON電圧と発光サ
イリスタT(-2)のON電圧の間の電圧に、転送クロック
のハイレベル電圧を設定すると発光サイリスタT(+1)
みONし、発光サイリスタT(-2)はONしないようにす
ることができる。よって発光サイリスタT(+1),T(0)
が同時にONする状況が生まれる。そしてクロックライ
ンφ3 をローレベル電圧に落とすと、発光サイリスタT
(0) はOFFとなり、発光サイリスタT(+1)のみONす
ることになる。よってON状態の転送が行われたことに
なる。
【0020】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 、φ2 、φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
づつ重なるように設定すれば、発光素子のON状態は順
次転送されていく。即ち、発光点が順次転送される。
【0021】この例によると、従来ではできなかった自
己走査形発光素子アレイを実現することができる。
【0022】<例A−2>例A−1では自己走査形発光
素子アレイの等価回路を示し説明したが、例A−2では
例A−1の発光素子アレイを集積化して作成する場合の
構成について説明するものである。
【0023】本例の構造概念図を図2に示す。接地され
たn形GaAs基板(1)上にp形半導体層(23)、
n形半導体層(22)、p形半導体層(21)の各層を
形成する。そしてホトリソグラフィ等およびエッチング
により、各単体発光素子T(- 2)〜T(+1)に分離する。電
極(40)はp形半導体層(21)とオーミック接触を
しており、絶縁層(30)は素子と配線との短絡を防
ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜として作用す
る。ここで、絶縁層(30)には発光サイリスタの発光
波長の光が通るような材質を用いている。
【0024】p形半導体層(21)はこのサイリスタの
アノードであり、n形GaAs基板(1)はカソードで
ある。各単体発光素子のアノード電極(40)に3本の
転送クロックライン(φ1 、φ2 、φ3 )がそれぞれ3
素子おきに接続される。
【0025】発光サイリスタのON電圧が素子に入射す
る光量に依存して変化することは一般に知られている。
従ってON発光サイリスタの光の一部が隣接する発光サ
イリスタに入射するよう構成されていれば、ON発光サ
イリスタに近い発光サイリスタのON電圧は、光がない
場合に比べ低下する。
【0026】図2の構造では絶縁層(30)が発光波長
に対し透明な膜で形成されているため、光は容易に隣接
する素子に入りそのON電圧を低下させることができ
る。
【0027】上記発光素子アレイの動作は、例A−1で
説明した動作と全く同様である。
【0028】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 、φ2 、φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのON状
態は順次転送されていく。即ち、発光点が順次転送され
る。本例によると、従来ではできなかった集積化された
光結合による自己走査形発光素子アレイを実現すること
ができる。
【0029】<例A−3>本例は例A−2の現実的な構
造を示したものである。
【0030】本例の平面図を図3に、図3のX−X′お
よびY−Y′ラインの断面図を、各々図4および図5に
示す。各発光素子T(-2)〜T(+1)の間には、発光素子の
分離溝(50)があり、分離溝(50)の一部には発光
素子からの光が両隣りの素子以外の素子に入らないよう
にするための光障壁(61)が設けられている。
【0031】本例では光障壁としてフィールド(60)
の突起を用いているが、別の物質を用いてもよいし、ま
た形状も別の形状としてもよい。発光素子の上記電極に
はコンタクト穴C1 が設けられ、電極(40)と電気的
に接続される。コンタクト穴C2 は、電極(40)と転
送クロックラインφ1 、φ2 、φ3 との接続用スルーホ
ールである。
【0032】転送クロックラインφ1 は発光素子T(-2)
およびT(+1)に接続され、転送クロックラインφ2 は発
光素子T(-1)に、転送クロックラインφ3 は発光素子T
(0)に接続されている。
【0033】図4に図3のX−X′ラインの断面図を示
す。これは発光素子アレイの配列方向に切ったラインで
あり、各発光素子が並んでいる様子がわかる。発光素子
の分離溝(50)には、発光素子と電極(40)との短
絡防止用の絶縁膜(30)、および電極(40)と転送
クロックラインとの短絡防止用の層間絶縁膜(31)が
ある。これらの絶縁膜(30)、(31)は素子間の光
結合を妨げぬよう透光性の絶縁膜でできている。または
素子間の光結合を調節できるよう適度に光を吸収する絶
縁膜を用いてもよい。さらには適度に光を吸収する絶縁
膜と透光性の絶縁膜を適度の膜厚を調整し、重ねて用い
てもよい。このような構成にすると素子間の光結合が可
能となり、転送動作(光走査動作)が行える。
【0034】図5に図3のY−Y′ラインの断面図を示
す。これは発光素子アレイの配列方向に垂直に切ったラ
インであり、配線、電極の接続状況がわかる。発光素子
の上部電極との取り出し用コンタクト穴C1 を絶縁膜
(30)に設け、電極(40)にて外部に取り出す。そ
してフィールド上にて転送クロックラインφ3 とスルー
ホールを通じて接続される。
【0035】この自己走査形発光素子アレイを実現する
ための製造工程としては次のような工程が挙げられる。
【0036】まずn+ 形GaAs基板上にn形GaAs
層(24b)、n形AlGaAs層(24a)、p形G
aAs層(23)、n形GaAs層(22)、p形Al
GaAs層(21b)、p形GaAs層(21a)を順
次積層して成膜(エピタキシャル成長)する。次にホト
エッチング法を用いて、分離溝(50)を形成する。こ
の後、絶縁膜(30)を成膜し、コンタクト穴(C1
をホトエッチング法を用いて形成する。次に電極用金属
を蒸着法またはスパッタ法にて成膜し、ホトエッチング
法を用いて電極(40)を形成する。さらに層間絶縁膜
(31)を成膜し、ホトエッチング法を用いてスルーホ
ール(C2 )を形成する。そして配線用金属を蒸着法ま
たはスパッタ法にて成膜し、ホトエッチング法を用いて
転送クロックライン(φ1 、φ2 、φ3 )を形成する。
以上の工程により本例の構造が完成する。
【0037】本例で特に述べなかったが、転送クロック
ライン上に透光性の保護膜を設けてもよく、また絶縁膜
が厚くなり光の透過率が悪化し外部に取り出せる光量が
低下するのを嫌うなら、発光素子の上部絶縁膜の一部ま
たは全部をホトエッチング法等の方法により除去しても
よい。
【0038】本例によると集積形自己走査発光素子アレ
イを製造することができる。
【0039】<例A−4>例A−2、A−3は発光素子
として発光サイリスタを考えた場合の例であったが、こ
れに限られるものでなく他の種類の発光素子であっても
よい。
【0040】その一例として本例ではレーザサイリスタ
を使用する場合について述べる。
【0041】図6に発光素子としてレーザサイリスタを
使用した場合の断面構成図を示す。各発光素子(レーザ
サイリスタ)T(-1)〜T(+1)は以下の構成で作成され
る。n形GaAs基板(1)上にn形AlGaAs(2
5)、p形AlGaAs(24)、I形(ノンドウプ)
GaAs(23)、n形AlGaAs(22)、p形A
lGaAs(21)を順次積層した構造とし、n形Al
GaAs(21)、p形AlGaAs(22)の層を図
のように加工する。これは通常ストライプ形のレーザダ
イオードの形状と同じである。このn形AlGaAs
(21)およびp形AlGaAs(22)の一部の幅は
10μm以下とした。その他の部分は今までの図2〜図
5と同じである。
【0042】レーザサイリスタの動作として、レーザ発
振電流に達するまでは通常の発光サイリスタと同じ動作
であり、レーザ発振電流以下の電流成分による発光は等
方的に出ていく。レーザ光は図6の紙面に垂直に出てい
く。従ってレーザ光は光結合には寄与せず、レーザ発振
電流以下の電流成分による発光のみが光結合に寄与する
事になる。これ以外の転送動作の機構は例A−2と同じ
である。
【0043】本例によると、自己走査形半導体レーザア
レイを構成することができる。
【0044】<例A−5>図7および図8に例A−5を
示す。これは例A−4の自己走査形半導体レーザアレイ
のより現実的な構造を示したものである。図7は平面図
を表し、図8は図7のラインX−X′に沿っての断面図
を示したものである。本例の製造法を概説する。n形G
aAs基板(1)上にn形AlGaAs(25)、p形
AlGaAs(24)、I形(ノンドウプ)GaAs
(23)、n形AlGaAs(22)、p形AlGaA
s(21)、上部電極(20)を順次積層する(p形A
lGaAs(21)と上部電極(20)との間にオーミ
ック接触を良好にするためp形GaAs層を挟む場合も
ある。)。次にホトエッチングにより上部電極(20)
を図中n形AlGaAs層(25)の幅と同じ幅を持つ
長方形に加工し、これをマスクとして、p形AlGaA
s(21)〜n形AlGaAs(25)の層をエッチン
グする。この時に素子間の分離溝(50)が形成され
る。次にホトエッチングにより同じ上部電極(20)を
さらにエッチングし、10μm 以下の幅を持つストライ
プ状とし、これをマスクとして、p形AlGaAs(2
1),n形AlGaAs(22)の層をエッチングす
る。n形AlGaAs(22)は全部除去せず一部残す
ようにする。さらに絶縁膜(30)を成膜し、ホトエッ
チングによりスルーホール(C2 )を形成する。この
後、転送クロックライン用の配線金属を蒸着またはスパ
ッタ等により形成し、ホトエッチングにより転送クロッ
クライン(φ1 、φ2 、φ3 )を形成する。そして最後
にへき開等の手法によりレーザ光出力側の端面を平行度
よく形成し、本例の構造ができあがる。
【0045】従来の集積化された発光素子アレイは、P
N接合ダイオードを同一基板上にそれぞれ独立に形成し
ておき、ワイヤボンディング等を用いて一つ一つ外部に
取り出し、駆動用のICで電圧を加え動作させるもの
で、ワイヤボンディング等の組立が面倒でコストが高く
なっていた。これに対し、本例の自己走査形発光素子ア
レイは転送クロックの3端子のみを外部に取り出せば良
く、組立が相当簡単になる。同時に駆動ICを設けるス
ペースが不要となり、全体でみてよりコンパクトな自己
走査形発光素子アレイを作ることができる。さらに発光
素子を並べるピッチが従来はボンディングの技術から定
まっていたが、上述の例A−1〜A−5によるとその規
制がなくなり、よりピッチの小さい発光素子アレイを作
ることができ、解像度の非常に高い機器に応用が可能で
ある。
【0046】また、上記例A−1〜A−5では転送クロ
ックパルスとして、φ1 、φ2 、φ 3 の3相を想定した
が、より安定な転送動作を求める場合にはこれを4相、
5相と増加させてもよい。また発光サイリスタT(0)
発光を発光サイリスタT(-1)より発光サイリスタT(+1)
の方へより多く入射させることにより2相のクロックに
て動作させることも可能である。
【0047】また上記例では発光サイリスタの構造を最
も簡単な場合について示したが、発光効率を上げるため
に、より複雑な構造、層構成を導入することも可能であ
る。その具体的な例としてダブルヘテロ構造の採用が挙
げられる。一例を図21に示す(田代他1987年春応
用物理学会講演、番号28p−ZE−8)。これはn形
GaAs基板上に(0.5μmの)n形GaAs層を積
み、その上にバンドギャップの広いn形AlGaAs
(1μm)、p形GaAs層(5nm)、n形GaAs
層(1μm)、バンドギャップの広いp形AlGaAs
(1μm)、そして取り出し電極とのオーミック接触を
とるためのp形GaAs層(0.15μm)積層した構
成である。発光層は間に挟まれた、(1μmの)n形G
aAs層である。これは注入された電子、正孔がバンド
ギャップの狭いGaAs層に閉じ込められ、この領域で
再結合し発光する。
【0048】発光素子は発光サイリスタである必要はな
く、光によって自らのターンオン電圧が変化する発光素
子であれば、特に限定されない。上述のレーザサイリス
タであってもよい。
【0049】また、上記例ではPNPNのサイリスタ構
成を例に説明したが、この光によってしきい電圧が低下
し、これを利用して転送動作を行わせるという構成は、
PNPN構成のみに限られず、その機能が達成できる素
子であれば特に限定されない。例えば、PNPN4層構
成でなく、6層以上の構成でも同様な効果を期待でき、
全く同様な自己走査機能を達成することが可能である。
さらには静電誘導(SI)サイリスタまたは電界制御サ
イリスタ(FCT)と呼ばれるサイリスタを用いても全
く同様である。このSIサイリスタまたはFCTは電流
ブロックとして働く中央のp形半導体層を空乏層で置き
換えた構造となっている(S.M.Sze著、Phys
ics of Semiconductor Phys
ics,2nd Edition pp.238−24
0)。
【0050】さらに、上記例A−1〜A−5では、発光
素子を一列に並べているが、配列を直線にする必要はな
く、応用によって蛇行させてもよいし、途中から二列以
上に増やすことも可能である。
【0051】また以上の自己走査形発光素子アレイは、
発光素子を単体の個別部品で構成してもよく、またなん
らかの方法で集積化することにより実現してもよい。
【0052】例B ここで説明する自己走査形発光素子アレイの例Bは相互
作用の媒介として電位を利用するものである。
【0053】<例B−1>図1〜図8に示してきた例A
−1〜A−5は光による結合を用いた場合についてであ
ったが、本例は電位による結合を用いたものである。
【0054】その具体的な例として、図9に例B−1の
等価回路図を示す。本例の特徴は例A−1、即ち、図1
に抵抗ネットワークが加わった構成となっている。
【0055】発光素子の一例として、発光サイリスタT
(-2)〜T(+2)を用い、発光サイリスタT(-2)〜T(+2)
は、各々ゲート電極G-2〜G+2が設けられている。各々
のゲート電極には負荷抵抗RL を介して電源電圧VGK
印加される。また、各々のゲート電極G-2〜G+2は、相
互作用を作るために抵抗RI を介して電気的に接続され
ている。抵抗RL と抵抗RI とで抵抗ネットワークが構
成される。また、各単体発光素子のアノード電極に3本
の転送クロックライン(φ1 、φ2 、φ3 )がそれぞれ
3素子おきに(繰り返される様に)接続される。
【0056】動作を説明すると、まず転送クロックφ3
がハイレベルとなり、発光素子T(0 ) がONしていると
する。このとき、3端子サイリスタの特性からゲート電
極G 0 は零ボルト近くまで引き下げられる(シリコンサ
イリスタの場合、約1ボルトである)。電源電圧VGK
仮に5Vとすると、負荷抵抗RL ,抵抗RI のネットワ
ークから各発光サイリスタのゲート電圧が決まる。そし
て発光素子T(0) に近い素子のゲート電圧が最も低下
し、以降順にT(0) から離れるに従いゲート電圧は上昇
していく。これは次のように表せる。
【0057】 VG0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1) これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,抵抗RI の値を適
当に選択することにより設定することができる。
【0058】3端子サイリスタのアノード側のターンオ
ン電圧VONは、ゲート電圧より拡散電位Vdfだけ高い電
圧となることが知られている。
【0059】 VON≒VG +Vdf (2) 従ってアノードにかける電圧をこのターンオン電圧VON
より高く設定すれば、その発光サイリスタはONするこ
とになる。
【0060】さてこのT(0) がONしている状態で、次
の転送クロックパルスφ1 にハイレベル電圧VH を印加
する。このクロックパルスφ1 は発光素子T(+1)とT
(-2)に同時に加わるが、ハイレベル電圧VH の値を次の
範囲に設定すると、発光素子T (+1)のみをONさせるこ
とができる。
【0061】 VG-2 +Vdf>VH >VG+1 +Vdf (3) これで発光素子T(0) 、T(+1)が同時にONしているこ
とになる。そしてクロックパルスφ3 のハイレベル電圧
を切ると発光素子T(0) がOFFとなり、ON状態の転
送ができたことになる。
【0062】この様に本例は、抵抗ネットワークで各発
光サイリスタのゲート電極間を結ぶことにより、発光素
子に転送機能をもたせることが可能となる。
【0063】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 、φ2 、φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光素子のON状態は順
次転送されていく。即ち、発光点が順次転送される。本
例によると、従来ではできなかった自己走査形発光素子
アレイを実現することができる。
【0064】<例B−2>例B−1では等価回路を示し
説明したが、例B−2では例B−1の自己走査形発光素
子アレイを集積化して作成する場合の構成について説明
するものである。
【0065】本例の自己走査形発光素子アレイの構造概
略図を図10に示す。接地されたN形GaAs基板
(1)上にN形半導体層(24)、P形半導体層(2
3)、N形半導体層(22)、P形半導体層(21)の
各層を形成する。そしてホトリソグラフィ等およびエッ
チングにより、各単体発光素子T(-1)〜T(+1)に分離す
る(分離溝(50))。アノード電極(40)はP形半
導体層(21)とオーミック接触を有し、ゲート電極
(41)はn形半導体層(22)とオーミック接触を有
す。絶縁層(30)は素子と配線との短絡を防ぎ、同時
に特性劣化を防ぐための保護膜でもある。絶縁層(3
0)は発光サイリスタの発光波長の光がよく通る材質を
用いることが望ましい。N形GaAs基板(1)はこの
サイリスタのカソードである。各単体発光素子のアノー
ド電極(40)に3本の転送クロックライン(φ1 、φ
2 、φ3 )がそれぞれ3素子おきに接続される。またゲ
ート電極には負荷抵抗RL 、相互作用抵抗RI による抵
抗ネットワークが接続される。
【0066】ここで、例Aで述べたような光結合が発生
すると、本例の転送動作が影響されることが考えられる
ため、ゲート電極の一部を発光素子間の分離溝の中に入
れ、光結合を防止する構造としている。
【0067】本例の構成は例B−1(図9)に示した等
価回路と全く同じ構成であり、全く同じ動作をする。従
って、転送クロックφ1 、φ2 、φ3 のハイレベル電圧
を順番に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光
サイリスタのON状態は順次転送されていく。即ち、発
光点が順次転送される。
【0068】<例B−3>例B−3の自己走査形発光素
子アレイを図11、図12、図13に示す。この例は上
記例B−2の自己走査形発光素子アレイの現実的な構造
を示したものである。図11に本例の平面図を、図12
および図13に図11のX−X′、Y−Y′ラインの断
面図を各々示す。
【0069】各発光素子T(-1)〜T(+1),発光素子の分
離溝(50)、フィールド(60)等は前記例と同様で
ある。抵抗(63)は各々のゲート電極間を結ぶ抵抗ネ
ットワークを形成している。また、抵抗(63)は、光
吸収ブロック(62)によって発光素子からの光が入ら
ないようにされている。本例では光障壁としてフィール
ド60の一部を用いているが、別の物質を用いてもよい
し、また形状も別の形状としてもよい。発光素子の上部
電極は、取り出し用コンタクト穴C1 を通して、電極
(40)で取り出される。電極(40)と転送クロック
ラインφ1 、φ2、φ3 との接続はスルーホールC2
用いて行われる。クロックラインφ1 は発光素子T(-2)
およびT(+1)に接続され、クロックラインφ2 は発光素
子T(-1)に、クロックラインφ3 は発光素子T(0) に接
続される。抵抗(63)は、コンタクト穴C3 を用いて
外部に取り出される。
【0070】図12に、図11のX−X′ラインの断面
図を示す。これは発光素子アレイの配列方向に切ったラ
インであり、各発光素子が並んでいる様子が分かる。発
光素子の分離溝(50),発光素子と電極(40)(4
1)との短絡防止用絶縁膜(30)があり、電極(4
0)と転送クロックラインとの短絡防止用層間絶縁膜
(31)等は前述の例と同様である。これらの絶縁膜
(30)、(31)は、光が外部へ有効に取り出せるよ
う透光性の絶縁膜である必要がある。この場合、先に述
べたように光結合による転送動作への影響をなくすた
め、分離溝中にゲート電極(41)を入れて光を遮るよ
う構成することは有効である。
【0071】図13に、図11のY−Y′ラインの断面
図を示す。これは発光素子アレイの配列方向に垂直に切
ったラインであり、配線、電極の接続状況がわかる。発
光素子の上部電極との取り出し用コンタクト穴C1 を絶
縁膜(30)に設け、電極(40)にて外部に取り出
す。そしてフィールド60上にて転送クロックラインφ
3 とスルーホールを通じて接続される。また抵抗ネット
ワークのための抵抗として、本例ではn形半導体層(2
2)が用いられる。これは別の層であってももちろんよ
いし、また半導体層を用いず、スパッタ等により別の種
類の膜を形成してもよい。
【0072】ゲート電極(41)は発光素子からの光が
抵抗(63)の抵抗値に影響を与えないようにするた
め、分離溝の中に入るように工夫されている。
【0073】本例を実現するための製造工程としては次
のような工程が挙げられる。
【0074】まずn+ 形GaAs基板(1)上にn形G
aAs層(24b)、n形AlGaAs層(24a)、
p形GaAs層(23)、n形GaAs層(22)、p
形AlGaAs層(21b)、p形GaAs層(21
a)を順次積層して成膜(エピタキシャル成長)する。
次にホトエッチング法を用いて、分離溝(50)を形成
する。そして別のマスクを用いホトエッチングにより、
発光素子の一部および抵抗部のp形GaAs層(21
a),p形AlGaAs層(21b)を除去する。この
後、絶縁膜(30)を成膜し、コンタクト穴(C1 ),
(C3 )をホトエッチング法を用いて形成する。次に、
電極用金属を蒸着法またはスパッタ法にて成膜し、ホト
エッチング法を用いて電極(40)(41)(42)を
形成する。さらに層間絶縁膜(31)を成膜し、ホトエ
ッチング法を用いてスルーホール(C 2 )を形成する。
そして配線用金属を蒸着法またはスパッタ法にて成膜
し、ホトエッチング法を用いて転送クロックライン(φ
1 、φ2 、φ3 )を形成する。以上の工程により、本例
の自己走査形発光素子アレイの構造が完成する。
【0075】本例で特に述べなかったが、転送クロック
ライン上に透光性の保護膜を設けてもよく、また絶縁膜
が厚くなり光の透過率が悪化し外部に取り出せる光量が
低下するのを嫌うなら、発光素子の上部絶縁膜の一部ま
たは全部をホトエッチング法等の方法により除去しても
よい。
【0076】<例B−4>例B−2、B−3は発光素子
として発光サイリスタを考えた場合の例であったが、こ
れに限られるものでなく他の種類の発光素子であっても
よい。その一例として本例ではレーザサイリスタを使用
する場合について述べる。
【0077】図14に、例B−4の自己走査形発光素子
アレイを示す。図14は平面図を表し、図15は図14
のラインX−X′に沿っての断面図を示したものであ
る。
【0078】単体発光素子(レーザサイリスタ)T(-1)
〜T(+1)等の番号は上記例と同様である。図14の自己
走査形発光素子アレイの製造法を概説する。n形GaA
s基板(1)上にn形AlGaAs(25)、p形Al
GaAs(24)、I形(ノンドウプ)GaAs(2
3)、n形AlGaAs(22)、p形AlGaAs
(21)、上部電極(20)を順次積層する(p形Al
GaAs(21)と上部電極(20)との間にオーミッ
ク接触を良好にするためp形GaAs層を挟む場合もあ
る)。次に、ホトエッチングにより上部電極(20)を
図中n形AlGaAs(25)層の幅と同じ幅を持つ長
方形に加工し、これをマスクとして、p形AlGaAs
(21)〜n形AlGaAs(25)の層をエッチング
する。この時に素子間の分離溝(50)が形成される。
次に、ホトエッチングにより同じ上部電極(20)をさ
らにエッチングし、10μm以下の幅を持つストライプ
状とし、これをマスクとして、p形AlGaAs(2
1),n形AlGaAs(22)の層をエッチングす
る。n形AlGaAs(22)層は全部除去せず一部残
すようにする。さらに絶縁膜(30c)(30b)(3
0a)を成膜する。ここでこの3種類の絶縁膜である
が、これは絶縁膜(30c)(30a)と光遮蔽膜(3
0b)であり、絶縁と光遮蔽の二つの機能を持つように
したものである。これは絶縁膜として例えばSiO2
を使用した場合、GaAsの発光波長である870nm
を透過するため、光結合を誘発する可能性があり、その
間に例えば非晶質シリコンのような光吸収物質による光
遮蔽膜(30b)を設ける必要があるからである。もち
ろん絶縁と光遮蔽の二つの機能を兼ね備えた物質を用い
れば一層で済む。次にホトエッチングによりコンタクト
穴(C1 )を設け、その上に抵抗(63)を成膜し、ホ
トエッチングする。さらに層間絶縁膜(31)を形成
し、スルーホール(C2 )をホトエッチングにより形成
する。この際、抵抗(63)上のスルーホールは絶縁膜
(31)のみ除去すればよいが、上部電極(20)上の
スルーホールは絶縁膜(31)と同時に絶縁膜(30
c)(30b)(30a)も除去する必要があるため注
意が必要である。この後転送クロックライン用の配線金
属を蒸着またはスパッタ等により形成し、ホトエッチン
グにより転送クロックライン(φ1 、φ2 、φ3 )およ
び電源VGKラインを形成する。そして最後に、へき開等
の手法によりレーザ光出力側の端面を平行度よく形成
し、本例の構造ができあがる。
【0079】上記例B−1〜B−4の発光素子アレイも
例A同様、従来の発光素子アレイにはない自己走査機能
を持ち、組立の効率化,小型化,高ピッチ化等の効果を
有する。
【0080】上記例B−1〜B−4では、転送クロック
パルスとして、φ1 、φ2 、φ3 の3相を想定したが、
前記例A同様、より安定な転送動作を求める場合にはこ
れを4相、5相と増加させてもよい。
【0081】さらに、自己走査形発光素子アレイの各例
では発光素子を一列に並べているが、前記例A同様、配
列を直線にする必要はなく、応用によって蛇行させても
よいし、途中から二列以上に増やすことも可能である。
【0082】また、発光素子は発光サイリスタである必
要はなく、外部電位によって自らのターンオン電圧が変
化する発光素子であれば、特に限定されず、前述の通
り、レーザサイリスタであってもよい。
【0083】また自己走査形発光素子アレイは発光素子
を単体の個別部品で構成してもよく、またなんらかの方
法で集積化することにより実現してもよい。
【0084】発光サイリスタの構造も、前記例Aで記載
した通り、より複雑な構造、層構成を導入したものであ
っても良いし、6層以上の構成等の任意の構造でかまわ
ない。
【0085】尚、自己走査形発光素子アレイの一連の例
A、Bは基板として半導体基板を用い、その電位を零ボ
ルト(接地)とした例を示してきたが、これに限られず
基板として他の物質を用いてもよい。もっとも近い例で
いえばクロム(Cr)等をドウプした半絶縁性GaAs
基板上にn形GaAs層を形成し、この上に前記例で説
明した構造を形成してもよい。また例えばガラス、アル
ミナ等の絶縁基板上に半導体膜を形成し、この半導体を
用いて前記例の構造を形成してもよい。
【0086】尚レーザの構造は本構造に限られるもので
はなく、例えばTJS形、BH形、CSP形、VSIS
形等を用いてももちろんよい(S.M.Sze著、Ph
ysics of Semiconductor Ph
ysics,2nd Edition pp.724−
730)。また材料についてもAlGaAsを主体に説
明したが、これ以外の材料(例えばAlGaInP、I
nGaAsP、ZnSe、GaP等)であってもよい。
【0087】また、前記例A、Bにおいては、発光中の
発光素子が隣接する発光素子に最もその影響を与え、隣
接発光素子が次駆動発光素子となる様に構成していた
が、上記に限らず、例えば1つおきに最もその影響を与
えるように構成し、1つおきの発光素子に転送駆動可能
とすることもできる。
【0088】例Cここで説明する例Cは先に述べた例
A、Bにより構成された自己走査形発光素子アレイの駆
動方法に関するものである。
【0089】例Cの説明図を図16に示す。図16に
は、駆動原理を表す等価回路図および各端子に印加する
パルス波形を示している。
【0090】本例は転送クロックパルスφ1 、φ2 、φ
3 に並列にそれぞれ電流源I1 、I 2 、I3 を併置し、
その電流量を発光信号φI により制御するように構成し
たものである。
【0091】動作について説明する。まずスタートパル
スφS により発光素子T(0) がONする。そして次々に
転送パルスφ1 、φ2 、φ3 を印加することにより、O
N状態の転送が行われる。この機構については例A、B
によりすでに説明した通りである。
【0092】今、発光素子T(3) の位置をより強く発光
させたい場合、発光点がT(3) に来た時刻を見計らって
発光信号φI をハイレベルとする。この時φI に同期し
て電流源I1 、I2 、I3 から電流が流れ込む。しかし
ONしているT(3) のアノードは電流源からの電流を吸
い込むが、これ以外の発光素子はOFF状態のため電流
を吸い込めず、流れ込んだ電流は転送クロックパルスを
出している駆動回路側に流れ出てしまう。従ってONし
ている発光素子のアノード電流が増加し、発光強度もま
た大きくなる。
【0093】発光強度Lの図も同時に示したが、電流源
からの電流なしの場合の発光強度に対し、発光素子T
(3) の発光強度のみ強くなっている様子がわかる。この
駆動方法を用いると任意の場所の発光強度を強くするこ
とができ、場所的な光書き込みが可能となる。
【0094】本例の発光素子としてレーザサイリスタを
使用した場合、転送クロックによるアノード電流をレー
ザ発振のしきい電流以下にしておけば、通常転送状態で
はレーザ光は出ず、発光信号が出た時のみレーザ光を出
せるようにすることができる。
【0095】以下、前述した自己走査形発光素子アレイ
を用いた光学装置の実施例について説明する。
【0096】
【実施例1】図17に本発明の第1の実施例である密着
形イメージセンサの原理図を示す。これは、自己走査形
発光素子アレイによって発光点がシフトするという機能
が実現でき、それを場所走査に適用した場合に相当す
る。
【0097】図17では、ガラス基板(A1)上にアモ
ルファスSiによる光センサが形成されている。従来
は、この光センサを100μm程度の画素に分離し、そ
れを読み取り用ICで走査し、取り出す方式をとってい
た。そして照明をLEDで均一に行っていた。ここで示
す方式は、アモルファスSiによる光センサを画素分離
せず、代わりに照明の方で走査するものである。
【0098】図17では、ガラス基板(A1)上に光遮
蔽を兼ねた電極(A2)、アモルファスSi(A3)、
透明電極(A4)、電極(A5)が形成されている。こ
の構成では、光によってアモルファスSi(A3)の電
気伝導率が上昇するため、電極(A2)と電極(A5)
との抵抗が光に当たることによって低下する現象を利用
している。さて、これらの上に透明保護層(A6)が設
けられ、これに密着して原稿(A7)がくる。
【0099】さて、自己走査形発光素子アレイ(A1
0)はガラス基板(A1)の反対側に設けられ、その光
はロッドレンズアレイ(A9)を通し、光センサの中央
部に設けられた光を導入するための窓(A8)を通し
て、原稿(A7)上に結像するように構成されている。
【0100】自己走査形発光素子アレイ(A10)は、
発光点が順次移動する機能を持ち、それに従って、原稿
上の結像点も順次移動していく。いま原稿上の文字等に
よる濃淡があると原稿からの反射光もそれに従い変化す
る。これをアモルファスSiによる光センサで読み取
る。
【0101】また、この発光素子アレイとしてレーザサ
イリスタを用いると、その高い量子効率から光量の多い
発光素子アレイを得ることができ、低消費電力または高
速の読み出しを行うことができる。
【0102】
【実施例2】本発明の第2の実施例として、自己走査形
発光素子アレイを応用した光プリンタについて述べる。
従来、LEDアレイの各画素に駆動用ICを接続したモ
ジュールを使って光プリンタへ応用した例が知られてい
る。光プリンタの原理図を図18に示す。まず円筒形の
感光ドラム(B1)の表面にアモルファスSi等の光導
電性を持つ材料(感光体)が作られている。このドラム
はプリントの速度で回転している。まず帯電器(B7)
で感光体表面を一様に帯電させる。そして発光素子アレ
イ光プリントヘッド(B8)で印字するドットイメージ
の光を感光体上に照射し、光の当たったところの帯電を
中和する。次に現像器で感光体上の帯電状態に従って、
トナーを感光体上に付ける。そして転写器(B2)でカ
セット(B11)中から送られてきた用紙(B9)上に
トナーを転写する。そして、その用紙は定着器(B3)
にて熱等を加えられ定着される。一方、転写の終了した
ドラムは消去ランプ(B5)で帯電が全面にわたって中
和され、清掃器(B6)で残ったトナーが除去される。
【0103】さて、自己走査形発光素子アレイを例C−
1で示した駆動方法で動作させるものを、発光素子アレ
イ光プリントヘッド(B8)に応用する。光プリントヘ
ッドの構造を図19に示す。これは自己走査形発光素子
アレイ(B12)とロッドレンズアレイ(B13)で構
成され、レンズの焦点が感光ドラム(B1)上に結ぶよ
うになっている。例C−1で示した駆動方法を用いる
と、自己走査形発光素子アレイではON状態が転送しな
がら光を書き込みたい位置で、発光強度を大きくできる
ので感光ドラム上に画像情報を書き込むことができる。
【0104】また、この自己走査形発光素子アレイとし
てレーザサイリスタを用いると、その高い量子効率から
光量の多い発光素子アレイを得ることができ、低消費電
力または高速の書き込み即ちプリントを行うことができ
る。
【0105】
【実施例3】光プリンタ用の発光素子アレイは、一次元
方向に一列に並べた構成であった。この一次元発光素子
アレイを平面的に並べるとディスプレイを作ることがで
きる。この構成を図20に示す。アレイがN個並んでい
るとすると、映像信号はφ1(1)〜φI (N)から書
き込めばよい。集積化した発光素子アレイを用いれば高
密度の表示素子を作ることができるし、単体発光素子を
組み合わせて作るならば大面積のディスプレイを作るこ
とができる。
【0106】
【発明の効果】以上述べてきたように、自己走査機能を
もつ自己走査形発光素子アレイは、密着イメージセン
サ、光プリンタ、ディスプレイへ応用でき、さらには、
ファクシミリ、バーコードリーダ、複写機等への幅広い
応用が期待でき、これらの機器の性能向上、低価格化に
大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例A−1にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す回路図である。
【図2】例A−2にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図3】例A−3にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す平面図である。
【図4】例A−3にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図5】例A−3にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図6】例A−4にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図7】例A−5にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す平面図である。
【図8】例A−5にて説明した光を用いた自己走査形発
光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図9】例B−1にて説明した電位を用いた自己走査形
発光素子アレイの概略を示す回路図である。
【図10】例B−2にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図11】例B−3にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す平面図である。
【図12】例B−3にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図13】例B−3にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図14】例B−4にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す平面図である。
【図15】例B−4にて説明した電位を用いた自己走査
形発光素子アレイの概略を示す断面図である。
【図16】例Cにて説明した自己走査形発光素子アレイ
の駆動方法の概略を示す回路図および各パルスの波形を
示す図である。
【図17】実施例1で説明した密着形イメージセンサの
概略を示す断面図である。
【図18】実施例2で説明した光プリンタの概略を示す
断面図である。
【図19】実施例2で説明した光プリンタヘッドの概略
を示す側面図である。
【図20】実施例3で説明した光ディスプレイの概略を
示す平面図である。
【図21】ダブルヘテロ構造の発光サイリスタの概略を
示す断面図である。
【図22】発光サイリスタの概略構造を示す断面図であ
る。
【図23】発光サイリスタの電流−電圧特性を示す図で
ある。
【図24】3端子サイリスタの概略構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
A1 ガラス基板 A2,A5 電極 A3 アモルファスSi A4 透明電極 A6 透明保護膜 A8 窓 A9 ロッドレンズアレイ A10 発光素子アレイ B1 感光ドラム B12 発光素子アレイ B13 ロッドレンズアレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/036 1/04 101 (72)発明者 田中 修平 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に光センサが形成され、この
    光センサの中央部に窓が設けられ、この窓にロッドレン
    ズを介して、発光素子アレイを入射する密着形イメージ
    センサにおいて、 前記発光素子アレイは、 しきい電圧もしくはしきい電流が外部から光によって制
    御可能な発光素子多数個を、一次元的に配列し、 各発光素子から発生する光の少なくとも一部が、各発光
    素子近傍の他の発光素子に入射するように構成し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイで
    あることを特徴とする密着形イメージセンサ。
  2. 【請求項2】ガラス基板上に光センサが形成され、この
    光センサの中央部に窓が設けられ、この窓にロッドレン
    ズを介して、発光素子アレイを入射する密着形イメージ
    センサにおいて、 前記発光素子アレイは、 しきい電圧もしくはしきい電流が外部から電気的に制御
    可能な発光素子多数個を、一次元的に配列し、 各発光素子のしきい電圧もしくはしきい電流を制御する
    電極を互いに電気的手段にて接続し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイで
    あることを特徴とする密着形イメージセンサ。
  3. 【請求項3】感光ドラムに発光素子アレイからロッドレ
    ンズアレイを介して光を照射する光プリンタにおいて、 前記発光素子アレイは、 しきい電圧もしくはしきい電流が外部から光によって制
    御可能な発光素子多数個を、一次元的に配列し、 各発光素子から発生する光の少なくとも一部が、各発光
    素子近傍の他の発光素子に入射するように構成し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイで
    あることを特徴とする光プリンタ。
  4. 【請求項4】感光ドラムに発光素子アレイからロッドレ
    ンズアレイを介して光を照射する光プリンタにおいて、 前記発光素子アレイは、 しきい電圧もしくはしきい電流が外部から電気的に制御
    可能な発光素子多数個を、一次元的に配列し、 各発光素子のしきい電圧もしくはしきい電流を制御する
    電極を互いに電気的手段にて接続し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイで
    あることを特徴とする光プリンタ。
  5. 【請求項5】しきい電圧もしくはしきい電流が外部から
    光によって制御可能な発光素子多数個を、一次元的に配
    列し、 各発光素子から発生する光の少なくとも一部が、各発光
    素子近傍の他の発光素子に入射するように構成し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイ
    を、複数個平面的に配列したディスプレイ。
  6. 【請求項6】しきい電圧もしくはしきい電流が外部から
    電気的に制御可能な発光素子多数個を、一次元的に配列
    し、 各発光素子のしきい電圧もしくはしきい電流を制御する
    電極を互いに電気的手段にて接続し、 各発光素子に、外部から電圧もしくは電流を印加させる
    クロックラインを接続した自己走査形発光素子アレイ
    を、複数個平面的に配列したディスプレイ。
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JPS49124992A (ja) * 1973-01-12 1974-11-29

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