JPH09226064A - 防汚シートおよびその製造法 - Google Patents

防汚シートおよびその製造法

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JPH09226064A
JPH09226064A JP3629196A JP3629196A JPH09226064A JP H09226064 A JPH09226064 A JP H09226064A JP 3629196 A JP3629196 A JP 3629196A JP 3629196 A JP3629196 A JP 3629196A JP H09226064 A JPH09226064 A JP H09226064A
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sheet
resin
antifouling
antifouling sheet
film material
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JP3629196A
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Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、塩化ビニル樹脂シートの各種特性を
維持し、防汚性、難燃性、透光性を同時に満足する、建
築物用テント膜材、テント倉庫用膜材、自動車幌用膜
材、建築工事用養生シートさらに農業用ハウス用膜材に
有効に使用される防汚シートおよびその製造法を提供せ
んとするものである。 【解決手段】本発明の防汚シートは、樹脂シートの少な
くとも片面の表面層に20〜2000オングストローム
の膜厚を有するフッ素系化合物の重合膜が形成されてい
ることを特徴とするものであり、かかる防汚シートの製
造法は、フッ素系化合物のモノマーの雰囲気中に樹脂シ
ートを存在させて低温プラズマ重合を行い、該樹脂シー
トの表面に20〜2000オングストロームの薄膜層を
形成させることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性、難燃性、
透光性に優れた熱可塑性樹脂からなるシートすなわち、
建築物テント用膜材、テント倉庫用膜材、自動車幌用膜
材、建築工事用養生シート、農業ハウス用膜材として有
効な防汚シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維基布に軟質塩化ビニル系樹脂
をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押し出し法な
ど種々の方法により被覆加工し、各種イベント用あるい
は倉庫用テント、トラック用の幌など各種シート、野積
シート、バックリット、フレキシブルコンテナなど様々
な用途に展開されている。最近、屋外スポーツ施設など
で採光性を向上して、明るい雰囲気での各種スポーツの
実施、温調費用の節減、天然芝の成育などが要求され、
透光性の高い膜材が要求されている。塩化ビニル系樹脂
は、低コストで加工性などの取扱いがよく、高周波ウエ
ルダー溶着縫製が容易であるなど様々な長所を有する
が、長期の屋外使用により大気中の煤煙、塵埃などの汚
染物質が付着して汚れやすく、また拭き取っても除去で
きないなど、テント、シート類の美観を損ねるばかりで
なく、採光性が著しく低下するという重大な欠点を有す
る。かかる欠点の理由としては、塩化ビニル系樹脂の柔
軟性を改善するために配合する各種可塑剤がシート表面
に移行し、粘着性を増すために汚れが付着しやすくな
り、しかも除去しにくくなるためとされている。
【0003】かかる汚染欠点を改善する目的で種々の方
法が提案されている。例えば、(1) 有機溶剤に溶かした
アクリル系またはウレタン系樹脂をコーティングする方
法、(2) 特開昭56−167445号公報に記載のごと
く塩化ビニルシートにポリメタクリル酸系フィルムをラ
ミネートする方法、(3) 特開昭59−171649号公
報に記載のごとく塩化ビニルシートにフッ素系樹脂を接
着積層する方法、などの表皮樹脂加工があるが、(1) の
方法は、コーティング用樹脂の有機溶剤中に可塑剤が溶
け出したり、コーティング樹脂層に移行すために防汚効
果がほとんどない。(2) の方法は可塑剤のフィルム層へ
の移行を防ぎ得ず、長期の使用には十分でないうえに、
ウエルダー溶着性が弱い欠点を有する。(3) の方法は、
防汚性には優れるものの、コストが高く、溶着縫製がで
きないか、非常に困難であるという重大な欠点を有する
ものである。また、(2) 及び(3) の方法は。シートが剛
直になり施工性が低下するばかりでなく、表皮フィルム
にシワが入りやすく、シワの部分に汚れが堆積するため
に著しく美観を損ねるという重大な欠点を有する。
【0004】すなわち、塩化ビニル樹脂シートは、その
特性を損なうことなく、防汚性、透光性、難燃性、表皮
のシワを改善したものは、まだ見出だされていないのが
現状である。
【0005】一方、塩化ビニル樹脂は燃焼廃棄時に有害
なガスや残渣を発生するため、塩素元素を含まない樹脂
による防汚シートの開発が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
樹脂シートの各種特性を維持し、防汚性、難燃性、透光
性を同時に満足する、建築物用テント膜材、テント倉庫
用膜材、自動車幌用膜材、建築工事用養生シートさらに
農業用ハウス用膜材に有効に使用される防汚シートおよ
びその製造法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次のような構成を有する。すなわち、本
発明の防汚シートは、樹脂シートの少なくとも片面の表
面層に20〜2000オングストロームの膜厚を有する
フッ素系化合物の重合膜が形成されていることを特徴と
するものであり、かかる防汚シートの製造法は、フッ素
系化合物のモノマーの雰囲気中に樹脂シートを存在させ
て低温プラズマ重合を行い、該樹脂シートの表面に20
〜2000オングストロームの薄膜層を形成させること
を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、従来、熱可塑性樹脂シ
ート、特に塩化ビニル樹脂シートの持つ各種長所を維持
して優れた防汚性を付与することは極めて難しいとされ
ていた事実に鑑み、鋭意検討したところ、緻密な架橋構
造を有する低温プラズマ重合膜が優れた防汚性を発揮す
ることを究明して完成されたものである。
【0009】本発明でいう熱可塑性樹脂としては、各種
添加剤を配合してなる樹脂であって、たとえばポリオレ
フィン樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを使用する
ことができる。これらの中でも塩化ビニル系樹脂とポリ
オレフィン樹脂が代表的であり、以下これに代表させて
説明する。
【0010】ここでいうう塩化ビニル系樹脂とは、塩化
ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体などであり、これらを単独あるい
は二種以上を混合したものに可塑剤、安定剤、充填剤、
酸化防止剤、耐候剤、防炎剤などの添加剤を混合したも
のである。
【0011】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は600〜
3500であり、好ましくは800〜2500のものを
使用する。
【0012】塩化ビニル樹脂の可塑剤としては、一般に
使用されているものを使用することができるが、例え
ば、フタル酸エステル系としては、ジブチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジヘブチルフタレート、ジ−
2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタ
レート、ジノニルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレー
トなどであり、脂肪族二塩基酸系エステルとしては、ジ
メチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチル
アジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイ
ソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジメチルセバ
ケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシル
セバケート、メチルアセチルリシノレートなどであり、
エポキシ系としては、エポキシ化大豆油、オクチルエポ
キシステアレートなどであり、リン酸エステル系として
は、トリメチルホスヘート、トリエチルホスヘート、ト
リブチルホスヘート、トリ−2−エチルヘキシルホスヘ
ート、トリブトキシエチルホスヘート、トリオレイルホ
スヘート、トリフェニルホスヘート、トリクレジルホス
ヘート、トリキシレニルホスヘート、クレジルジフェニ
ルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘート、2−
エチルヘキシルジフェニルホスヘートなどであり、ポリ
エステル系としては、アジピン酸と2−メチル−1、8
−オクタンジオール、1、2−プロパンジオール、1、
3−ブタンジオール、2−エチルヘキサノール、n−オ
クタノールなどのグリコール類をエステル化したものな
どであり、トリメリット酸系ではトリ2−エチルヘキシ
ルトリメリレート、トリイソデシルトリメリレートなど
であり、その他に2−エチルヘキシルピロメリレートな
どのピロメリット酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エ
ステル系などを例示することができ、これらを単独ある
いは混合したものが軟質塩化ビニル樹脂の場合、塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対し通常40〜100重量部使
用される。
【0013】また、いわゆる無可塑用として一般に使用
されるエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、およびこれらに一酸化炭素を
導入したELVALOY(三井デュポンポリケミカル株
式会社製)、塩素化パラフィンなども使用することがで
き、通常塩化ビニル樹脂100重量部に対し通常50〜
150重量部使用される。
【0014】塩化ビニル樹脂の難燃剤としては、通常酸
化アンチモンあるいはトリクレジルホスフェートなどの
難燃可塑剤を単独あるいは混合して使用するが、塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対する酸化アンチモンの量は5
〜20重量部、トリクレジルホスフェートは5〜30重
量部である。さらに他の難燃剤、難燃補助剤を使用する
ことができる。
【0015】本発明においては高い透光性を付与するた
めに、酸化アンチモンを使用する場合は、透光性をでき
るだけ阻害せずに、難燃性を付与するため、平均粒子系
が0.1μm 以下または3μm 以上、好ましくは、0.
06μm 以下、4μm 以上のものを使用する。酸化アン
チモンの粒子系と隠蔽性の関係は粒径が0.2〜0.8
μm のものが最も隠蔽性が高く、シートの透光性を低下
させるものであり、それより小さいものあるいは大きい
もの程、透光性が向上する。本発明の粒子系のものを採
用することにより塩化ビニル樹脂の透明性を大きく低下
させることなく難燃性を付与することができるものであ
る。かかる酸化アンチモンとしては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどであり、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対し6重量部以上好ま
しくは、7〜10重量部の範囲で使用される。
【0016】本発明のポリオレフィン樹脂としては、柔
軟性を持つものが好ましく、たとえばエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・アクリル酸アルキル共重合
体、エチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチレ
ン・αオレフィン共重合体、またハードセグメントとソ
フトセグメントからなるいわゆるサーモプラスチックオ
レフィン樹脂として具体的に商品を例示すると、ミラス
トマー(光井石油化学株式会社製)、サントプレーン
(エーイーエスジャパン株式会社製)、日石ソフトレッ
クス(日本石油化学株式会社製)、オレフレックス(昭
和電工株式会社製)、スミフレックス(住友ベークライ
ト株式会社製)、サーモラン(三菱化学株式会社製)な
どを使用することができる。
【0017】ポリオレフィン樹脂の難燃剤としては、通
常使用されているハロゲン系難燃剤はもちろん使用でき
るが、有害な塩素元素を含まない化合物を使用する場合
は次式に示す燐系難燃剤やポリ燐酸アンモニウムなどを
使用することができる。
【0018】
【化1】 難燃剤の使用量は、使用する樹脂や目的とする難燃性能
により決定されるが、オレフィン樹脂100重量部に対
し20〜100重量部、好ましくは30〜80重量部で
ある。
【0019】本発明の塩化ビニル樹脂とポリオレフィン
樹脂樹脂は優れた耐候性を付与するために酸化チタンお
よび紫外線吸収剤および光安定剤を含むものである。
【0020】酸化チタンは、高透光性を得るためには、
平均粒子径が0.05μm 以下が良く、好ましくは0.
03μm 以下である。かかる粒径のものを採用すること
により樹脂の透明性を大きく低下させることなく紫外線
遮蔽効果を発揮し、樹脂の着色や物性低下を防止するも
のである。かかる樹脂100重量部に対し0.5〜3重
量部,好ましくは1〜2重量部の範囲で使用される。
【0021】本発明の紫外線吸収剤としては、トリアゾ
ール系紫外線吸収剤では、たとえば2−(2′ヒドロキ
シ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロ
キシ−3′−t−アミノ−5′−イソブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−
t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−(2′
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5−エチルスルホ
ンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−
イソブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチ
ル−5′−プロピルフェニル)5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒド
ロキシ−5′−1、1、3、3−テトラメチルブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどを使用することがで
き、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、たとえば
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベン
ゾフェノン、2、2′−ジヒドロキシ−4、4′−ジメ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイ
ルオキシベンゾフェノン、2、2′、4、4′−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノンなどを使用することができ、
また、ハイドロキノン系紫外線吸収剤としては、たとえ
ばハイドロキノン、ヒドロキノンジサリチレートなどを
使用することができ、また、アクリレート系紫外線吸収
剤としてはたとえば2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3、3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ
−3、3−ジフェニルアクリレートなどを使用すること
ができ、また、サリチル酸系紫外線吸収剤としては、た
とえばフェニルサリチレート、パラオクチルフェニルサ
リチレートなどを使用することができる。これらの紫外
線吸収剤は、単独あるいは混合したものを樹脂100重
量部に対して0.3重量部以上、好ましくは0.5〜2
重量部の範囲で添加して使用する。
【0022】本発明の紫外線吸収剤は酸化チタンと併用
することで、さらに耐候性能を向上できるものである
が、酸化チタン、酸化アンチモンなど透光性を低下させ
る微粒子などを全く添加しない完全に透明な樹脂シート
にする場合には、該紫外線吸収剤が極めて重要となり、
前記紫外線吸収剤の中から2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3、5−
ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−
ジフェニルアクリレートを単独あるいは混合したものを
使用するのが、特に好ましく、たとえば、2−(5−メ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールと
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニル
アクリレートをそれぞれ0.5〜1重量部使用すると、
樹脂の劣化、着色を防止するのに有効である。
【0023】本発明の光安定剤としては、コハク酸ジメ
チル・1−(2−ヒドロキシルエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2´、6,6´−テトラメチルピペリジン重縮
合物、ポリ[(6−(1,1´、3,3´−テトラメチ
ルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジ
イル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−
4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ)−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系化合物
が好ましく使用され、ラジカルを補足して樹脂の劣化を
防止するものである。かかる光安定剤は、樹脂100重
量部に対し好ましくは0.1重量部以上、さらに好まし
くは0.2〜0.5重量部の範囲で使用する。
【0024】本発明においては、目的とする透光率に応
じて、難燃性、耐候性などの性能を達成するために、使
用する酸化アンチモン、酸化チタン、紫外線吸収剤、難
燃剤の組合わせ、添加量を決定するものである。
【0025】本発明の塩化ビニル樹脂に次に示す添加剤
を使用することができる。
【0026】安定剤、安定助剤の例としては、例えば、
カルシュウム・亜鉛系、カルシュウム・亜鉛有機複合体
系、バリウム・亜鉛系、カドミウム・バリウム系、カド
ミウム・鉛系、エポキシ系、有機錫ラウレート、有機錫
メルカプタイト、有機錫オクチルなどがあり、これらを
単独あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、0.1〜10重量部使用する。
【0027】本発明の樹脂に酸化防止剤を使用すること
が好ましく、たとえば2、6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2、2′−メチレンビス(6−t−ブ
チル4−エチルフェノール)、2、6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾールなどのフェノール系酸化防止剤、ジ−
n−ドデシル−チオジプロピオネート、ジ−n−オクタ
デシル−チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロ
ピオネートなどのチオジプロピオン酸エステルなどがあ
り、これらを単独あるいは混合したものを樹脂100重
量部に対して0.01〜2.5重量部添加する。
【0028】また本発明の効果を阻害しない範囲で次の
添加剤を使用することができる。
【0029】防炎剤としては、リン酸チタン、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系化合物
や、2、4、5、6−テトラクロロイソフタロニトリ
ル、10、10′オキシビスフェノキシアルシンなどの
防黴剤、フタロシニアンブルー、フタロシニアングレー
ン、アリザリンレーキ、亜鉛華、カーボンブラックなど
の着色剤などである。なお、ここに例示した以外の化合
物も必要に応じて添加してもさしつかえない。
【0030】本発明の膜材は、JIS K−7105に
規定される方法により、スガ試験機株式会社製「直読ヘ
ーズコンピュータ装置」で測定した全透過率の値が15
%以上、好ましくは、20%以上の透光性に優れた膜材
である。一般にスポーツ施設やイベントホールに使用さ
れている膜材の全透過率は10%以下であり、天然芝生
が成育するに必要な全透過率は25%程度といわれてお
り、テニスなどのスポーツを実施する場合の全透過率は
25〜35%が好適なようである。本発明の方法によれ
ば、50〜60%と極めて高い透過率を持つ膜材も可能
となる。
【0031】本発明のシートは、繊維基布で補強された
ものとして使用されることが多い。本発明の繊維基布と
は、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維
や、木綿、麻などの天然繊維を単独あるいは混合した編
織物であり、繊維は長繊維でも短繊維でもよい。該繊維
基布は必要に応じて撥水剤処理、接着剤処理を行う。
本発明の低温プラズマ重合とは低温プラズマ放電を利用
した重合法であり、具体的な方法としては(1)放電雰
囲気中に1種類以上のモノマーを導入し重合物を非処理
物の表面に堆積させる、(2)アルゴンなどの非重合性
ガスで放電処理を行って非処理物の表面にラジカルを形
成した後、真空雰囲気中を保った容器内に1種類以上の
モノマーを導入して重合させる、(3)アルゴンなどの
非重合性ガスで放電処理を行って非処理物の表面にラジ
カルを形成した後、大気中に取り出してパーオキサイド
化し、次いで1種類以上のモノマーを含む雰囲気で重合
させる等の方法が含まれる。中でも、前記(1)の方法
が重合効率が高くしかも重合物の架橋性も高いので、シ
ート物の防汚性の点で好ましい。
【0032】低温プラズマとは、好ましくは20Torr以
下、さらに好ましくは0.01〜10Torrの減圧下で高
電圧を印加するものである。高電圧を印加する放電周波
数(交流)は高周波、低周波、マイクロ波を使用するこ
とができ、また直流も使用することができる。放電処理
装置としては減圧容器内に放電電極を配置した内部電極
方式、減圧容器の外側に放電電極を設置した外部電極方
式のいづれも使用することができるが内部電極方式が重
合効率が高いので好ましい。内部電極方式の場合の電極
形状としては、放電電極としては銅管をガラスなどの誘
電体で被覆したものを用い、アース電極にステンレス製
の板やドラムを用いるのが放電の安定性、重合効率の点
で好ましい。両電極は必要に応じて水などで冷却するの
がよい。本発明の低温プラズマ重合用のフッ素化合物モ
ノマーとしてはC3 F6 、C3F8 、C4 F8 、C2 F
4 、C3 F6 O、C2 H4 F2 などであり、これらを単
独あるいは2種以上混合したものを減圧容器内に導入し
て重合する。これらのフッ素化合物モノマー以外に、本
発明の効果を疎外しない範囲で、ビニルトリメトキシシ
ランなどのシリコン化合物モノマー、メタン、エタンな
どの炭化水素化合物モノマー、アクリル酸、メタクリル
酸などのアクリル化合物モノマー、アルゴン、水素、窒
素、二酸化炭素などの非重合性ガスを混合して使用する
ことができる。
【0033】本発明の重合物の厚みは20〜2000オ
ングストローム、好ましくは60〜200オングストロ
ームであり、20オングストロームより小さいと防汚性
能が十分でない傾向があり、2000オングストローム
大きいくしても防汚性能の顕著な向上はなく経済的に不
利となる。
【0034】本発明の重合物は架橋密度が高く、例えば
樹脂シートが塩化ビニル樹脂の場合、可塑剤の表面層へ
のブリードも抑えることができ、優れた防汚性能を超期
間持続させることができる。本発明の重合物の樹脂シー
トとの密着性が不足する場合は、非重合性ガスを混合す
る方法また非重合性ガスで放電処理した後にプラズマ重
合する方法またあらかじめアクリル樹脂やウレタン樹脂
などの接着剤をコーティングしてからプラズマ重合する
方法などを採用すればよい。
【0035】本発明の防汚シートの製造方法は、樹脂シ
ートの少なくとも片面に重合物を付与する方法、該シー
トを繊維基布の少なくとも一方の面に熱圧着などの方法
により積層する方法、あらかじめ繊維基布に樹脂シート
を積層しておいて該積層体の樹脂表層部に重合物を付与
する方法等が採用できる。樹脂シートの成型は、カレン
ダー法やTダイ押出し法など公知の方法を採用すること
ができる。
【0036】本発明の防汚シートは極めて薄い防汚樹脂
層で優れた防汚性能を発揮できるので、シートの柔軟性
などを損なうことはなく、樹脂シートが本来供えている
物理的特性、化学的特性なども損なうことがなく、縫製
性、施工性などの取扱い性などにも優れた防汚シートが
提供でき、防汚性能が要求される屋外使用品に好ましく
使用できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0038】なお、実施例及び比較例に示すに示す性能
値は次の方法で測定した。
【0039】「屋外曝露汚染試験」JIS A−141
0に規定される方法で180日間実施した。
【0040】「汚染性評価」汚染前のシート、曝露後の
シートの表面をデジタル測色色差計算機(スガ試験機株
式会社製)によりL値を測定し、次の計算式により汚染
の程度を求めた。
【0041】汚染度S=(A−B)/A ×100 ここで、A:汚染試験前のシートのL値 B:屋外曝露後のシートのL値 であり、Sの値が大きいものほど汚染がひどいことを表
す。
【0042】「透光率」JIS K−7107に基ず
き、スガ試験機株式会社製「直読ヘーズコンピュータ装
置」で全透過率を測定した。
【0043】全透過率(%)=(透過光線量/入射光線
量)×100 「難燃性A」JIS A−1322の「45°メッケル
バーナー法」で測定し性能を級表示した。社団法人膜構
造協会が定める建築用膜材は「防炎2級」以上であり、
それに合格するものを「○」、不合格のものを「×」で
表示した。
【0044】「難燃性B」JIS L−1091 A−
1法およびD法で性能を評価し、炭化面積30cm2 以下
で、接炎回数2回以上であるものを合格として「○」、
それ以外の不合格のものを「×」で表示した。
【0045】「高周波接着力」山本ビニター株式会社製
高周波ウエルダーYF7000A型装置を使用して陽極
電流値0.71A、押え圧力3Kg/cm2 、溶着時間6
秒、冷却時間3秒で接着加工を行い、JIS K−63
28に規定される方法でタテ方向の3cm幅の剥離強力を
測定しKg値を表示した。
【0046】「重合膜の膜厚測定」 装置:日立製作所株式会社製 S−800型電離放射型
走査顕微鏡 加速電圧:30KV 試料傾斜角度:0° エポキシ樹脂で包埋後、ウルトラミクロトームでカット
し、カーボンを蒸着した。
【0047】実施例1〜11、比較例1〜4 縦糸、緯糸に1000デニール、96フィラメントのポ
リエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製)を使
用した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットし
た。次いでフッ素系撥水剤水溶液に浸漬しマングルで絞
って140℃で乾燥、180℃でヒートセットして撥水
加工を行った。該織物をさらに塩化ビニルゾルとウレタ
ン系樹脂、イソシアネー架橋剤からなる溶液に浸漬して
同様な処理を行い接着剤加工を行い、基布を作成した。
この織物の全透過率は56%であった。次いで以下に示
す樹脂組成でカレンダー法により0.25mm厚みの塩化
ビニル樹脂シートを、170℃の温度で成型し、該基布
の両面に熱圧着し被覆加工してテニスコート用屋根材と
して使用する膜材を製造した。
【0048】(A)塩化ビニル樹脂は平均重合度100
0のものを使用した (B)可塑剤 ア.ジ−2−エチルヘキシルフタレート
とトリクレジルホスフェートを塩化ビニル樹脂100重
量部に対しそれぞれ45、15重量部配合した イ.アデカサイザーPN1430(ポリエステル系可塑
剤 旭電化工業株式会社製)を塩化ビニル樹脂100重
量部に対し65重量部配合した (C)三酸化アンチモンとして、[あ]平均粒子径0.
5μm 、[い]平均粒子径7μm を使用し塩化ビニル樹
脂100重量部に対し10重量部を配合した (D)酸化チタンとして、[う]平均粒子径0.2μm
、[え]平均粒子径0.03μm を使用し塩化ビニル
樹脂100重量部に対し4重量部を配合した(E)紫外
線吸収剤としてチヌビン320(ベンゾトリアゾール
系:日本チバガイギー株式会社製)を、光安定剤にキマ
ソーブ944(ヒンダードアミン系:日本チバガイギー
株式会社製)を使用し塩化ビニル樹脂100重量部に対
しそれぞれ1と0.2重量部配合した。
【0049】また、次に示す各種安定剤を塩化ビニル樹
脂に添加した。
【0050】 エポキシ化大豆油 2.0重量部 Ba/Zn系安定剤 2.5重量部 該塩化ビニル樹脂被覆膜材を次に示す条件で低温プラズ
マ重合処理し、性能を評価した結果を表1に示す。
【0051】(低温プラズマ) 装置:内部電極型装置 放電電極:銅製チューブをガラスで被覆 アース電極:ステンレス製ドラム 放電周波数:350KHz 放電電力:20W/cm2 (放電電極表面積) 真空度:0.4Torr ガス種および流量:C4 F8 、200cc/分 処理速度:5〜20cm/分の間で可変し膜厚を調整した 防汚加工の比較例として従来から使用されている溶剤系
アクリル樹脂を5μmの厚みでナイフコーティング加工
した。
【0052】
【表1】 表1から本発明によるものは、優れた防汚性、難燃性を
備え、透光率も目的に応じて調整が可能で、スポーツ用
施設に好適な屋根材であることがわかる。
【0053】実施例12〜14、比較例5 実施例1の織物を使用し、フッ素系樹脂とウレタン系樹
脂およびイソシアネート化合物の混合水溶液にて同様な
処理ををおこない撥水剤・接着加工基布を作成した。該
基布に次に示す樹脂組成で0.2mm厚みのシートを成型
し、基布の両面に熱圧着してパビリオン用膜材を作成し
た。
【0054】(樹脂組成) (1)樹脂:エチレン・酢酸ビニル共重合体(住友化学
株式会社製 エバテートCV2097) (2)難燃剤:下記に示す燐系化合物を35重量部配合
した。
【0055】
【化2】 (3)酸化チタン:平均粒子径0.2μm のものを4重
量部配合 (4)光安定剤:キマソーブ944(ヒンダードアミン
系:日本チバガイギー株式会社製)を0.2重量部配合
dした。
【0056】該膜材を実施例1と同様の条件で低温プラ
ズマ重合処理して性能を評価した結果を表2に示した。
【0057】
【表2】 本発明によるものは、防汚性と難燃性を兼ね備え、しか
も焼却廃棄時に塩化ビニル樹脂製膜材のような塩素元素
を含む有害物の発生がなくパビリオン用として好適な膜
材である。 実施例15〜17、比較例6 ポリエステル繊維をタテ糸およびヨコ糸に使用し、緑色
顔料を配合した塩化ビニルゾル液で被覆加工した1mm目
の建築工事用の仮設養生メッシュシートを次に示す条件
で低温プラズマ重合処理を行い性能を評価した結果を表
3に示した。
【0058】(低温プラズマ条件) 装置:内部電極方式 電極:放電電極、アース電極ともステンレス製の板 放電周波数:13.56MHz 放電電力:12 w/cm2 (放電電極表面積) ガス種および流量:C3 F8 、150cc/分 真空度:0.8Torr 処理速度:5〜15cm/分で可変して膜厚を調整
【表3】 本発明によるものは、難燃性能を損なわずに優れた防汚
性能を有しており、建工事用の養生メッシュとして好適
であることが判る。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂シートが本来保持
している柔軟性、機械的特性、縫製性取扱い性などを損
なうことなく優れた防汚性能を持つ防汚性シートを安定
に供給し得る。かかる防汚シートは、建築用膜材、テン
ト倉庫用膜材、自動車用幌膜材建築工事用養生シート、
農業ハウス用膜材として好ましく使用し得るものであ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂シートの少なくとも片面の表面層に
    20〜2000オングストロームの膜厚を有するフッ素
    系化合物の重合膜が形成されていることを特徴とする防
    汚シート。
  2. 【請求項2】 該樹脂シートが、熱可塑性樹脂である請
    求項1記載の防汚シート。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性樹脂が、塩化ビニル樹脂であ
    る請求項2記載の防汚シート。
  4. 【請求項4】 該防汚シートが、JIS A−1322
    に規定される防炎2級以上の防炎性能を有する請求項1
    記載の防汚シート。
  5. 【請求項5】 該防汚シートが、JIS L−1091
    に規定される防炎性能を有する請求項1、1記載の防汚
    シート。
  6. 【請求項6】 フッ素系化合物のモノマーの雰囲気中に
    樹脂シートを存在させて低温プラズマ重合を行い、該樹
    脂シートの表面に20〜2000オングストロームの薄
    膜層を形成させることを特徴とする防汚シートの製造
    法。
  7. 【請求項7】 該樹脂シートが、繊維基布との積層体で
    ある請求項1記載の防汚シート。
  8. 【請求項8】 該防汚シートが、建築物テント用膜材と
    して使用されるものである請求項1〜7のいずれかに記
    載の防汚シート。
  9. 【請求項9】 該防汚シートが、テント倉庫用膜材とし
    て使用されるものである請求項1〜7のいずれかに記載
    の防汚シート。
  10. 【請求項10】 該防汚シートが、自動車幌用膜材とし
    て使用されるものである請求項1〜7のいずれかに記載
    の防汚シート。
  11. 【請求項11】 該防汚シートが、建築工事用養生シー
    トとして使用されるものである請求項1〜7のいずれか
    に記載の防汚シート。
  12. 【請求項12】 該防汚シートが、農業ハウス用膜材と
    して使用されるものである請求項1〜7のいずれかに記
    載の防汚シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003095700A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Okamoto Ind Inc ガラス用養生フィルム
JP5761677B1 (ja) * 2014-05-20 2015-08-12 岸工業株式会社 ポリ塩化ビニール帆布
WO2019230895A1 (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 タキロンシーアイ株式会社 ブラスト処理用養生シート

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