JPH09227697A - ゲルを経由した耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ゲルを経由した耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法

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JPH09227697A
JPH09227697A JP5853596A JP5853596A JPH09227697A JP H09227697 A JPH09227697 A JP H09227697A JP 5853596 A JP5853596 A JP 5853596A JP 5853596 A JP5853596 A JP 5853596A JP H09227697 A JPH09227697 A JP H09227697A
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JP
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polyamic acid
film
gel
heat
solution
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JP5853596A
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Yasuhisa Nagata
康久 永田
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Teijin Ltd
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Toho Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 三次元架橋反応によるゲル形成能を有するポ
リアミド酸溶液の粘度を長時間安定にコントロールする
ことが可能で、安定な状態で基材に適用することができ
るポリアミド酸溶液を使用する、ゲルを経由した耐熱性
ポリイミドフィルムの製造方法を提供する。 【構成】 三次元架橋反応によるゲル形成能を有するポ
リアミド酸溶液を、不活性ガス雰囲気下、−10℃以下
の温度で基材上に適用する。次いで、適用されたポリア
ミド酸溶液を加熱して、基材上で自己支持性のあるポリ
アミド酸ゲルフィルムとする。引き続きポリアミド酸ゲ
ルフィルム中の有機溶媒を除去せしめ、さらに熱処理し
てイミド化を行う。適用するポリアミド酸溶液は、−1
0℃以下に保存されていることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れ、エ
レクトロニクス、輸送機器、航空・宇宙分野等に広く使
用されるポリイミドフィルムを主とする耐熱性フィルム
の連続製造方法に関するものである。詳しくは、ポリイ
ミドの前駆体であるポリアミド酸の状態で三次元的な網
目構造、所謂ゲル状の構造を与えるポリアミド酸を経由
してフィルムを調製し、更に熱処理を主とする脱水・環
化反応によりフィルムのイミド化を完結させ、耐熱性に
優れ、且つ機械的特性に優れた新規なポリイミドフィル
ムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、その優れた耐熱性、耐摩
耗性、耐薬品性、電気絶縁性、機械的特性から、電気・
電子材料、接着剤、塗料、複合材料、繊維あるいはフィ
ルム材料等に広く使用されている。そのうち、ポリイミ
ドのフィルムは、その優れた特性から、電線、ケーブ
ル、ワイヤー等の被覆材、トランス、プリント配線基盤
等の絶縁材料として用途も多岐にわたっている。
【0003】ポリイミドの調製法は、テトラカルボン酸
二無水物と芳香族ジアミンを有機溶媒中で重縮合させて
得られたポリアミド酸を前駆体とし、加熱脱水あるいは
脱水剤による化学的反応により脱水・環化を進め、ポリ
イミドとするのが一般的であり、この方法に関しては公
知であり、数多くの特許出願がなされている。
【0004】ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の
製造方法は、ポリマー濃度が5〜20重量%となるよう
に有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジア
ミンを0〜30℃の反応温度で重付加反応させる方法が
一般的である。この方法により有機溶媒に均一に溶解し
た高分子量のポリアミド酸溶液が得られる。このポリア
ミド酸溶液は少なくとも室温以上の温度雰囲気下で基材
などに塗布あるいは口金より吐出され、脱溶媒によりポ
リアミド酸のフィルム・繊維等の成形体となり、ポリイ
ミド成形体の前駆体として用いられる。更に、この成形
体を高温処理あるいは化学的処理により脱水・閉環反応
を進め、ポリイミド成形体を得るのが通常の方法であ
り、例えば、特開昭61−78834号公報、同61−
181828号公報、同61−250031号公報、同
63−25413号公報等に示される通りである。
【0005】これらのポリイミドの中には、重縮合させ
るテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの組合せ
種類によって、機械的特性の高いフィルム等の成形体を
得ることが可能であり、代表的なポリイミドとしてピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルの組合せから得られるフィルムは、耐熱性も高く
引張り特性にも優れるタイプである。
【0006】しかしながら、一般に耐熱性を高めようと
するとフィルムが脆性化する傾向があり、耐熱性と機械
的特性は相反する傾向にある。特に、ピロメリット酸二
無水物とパラフェニレンジアミンを組み合わせたポリイ
ミドは、物理化学的な耐熱性において、最高レベルの耐
熱性及び引張り弾性率を示すものであるが、脆性的なた
めフィルム性能に劣り、特に、機械的特性に全く劣るも
のである。このタイプのポリイミドにおいては共重合化
の技術によって、耐熱性を低下させることなくポリイミ
ドフィルムの機械的特性を改善させることが試みられて
いる。
【0007】例えば、特開昭63−254131号公報
に示すように、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレ
ンジアミンの組合せ系において、他の芳香族ジアミンと
して4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用いて共
重合させている例もあるが、フィルム形成能を改善させ
るために4,4′−ジアミノジフェニルエーテル成分の
添加量が多くなると、結果的にはフィルムの耐熱性を低
下させることになるように、耐熱性と機械的性質が共に
優れるフィルムを得ることは容易ではなかった。
【0008】近年、テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンの反応系に、特定の配合割合の多価アミンを加
え重付加反応させることで、ポリアミド酸のゲルを経由
させてポリアミド酸の成形体、更にはこれを脱水・閉環
反応させてポリイミドの成形体を得る方法が特開平03
−109424号公報、同03−146524号公報に
提案されている。この方法では、適度な架橋点の存在に
より三次元網目構造を発達させ、最終的にはポリイミド
の優れた耐熱性、機械的性質及び耐薬品性を兼ね備えた
ポリマー系が調製されている。この方法は、ポリアミド
酸のゲルを経由する点でユニークであり、特に、ピロメ
リット酸二無水物とパラフェニレンジアミンを組み合わ
せたポリイミド系の改質に有効な方法のひとつである。
【0009】しかしながら、このポリアミド酸のゲルを
経由させてポリアミド酸の成形体、さらにはポリイミド
の成形体を得る方法においては、ゲルの形成が完了した
後ではポリアミド酸溶液がほとんど流動しないため、フ
ィルムや繊維等の複雑形状の成形体を品質良く賦形でき
ないという不都合がある。
【0010】従って現在は、ゲル化前の粘性のあるアミ
ド酸のオリゴマーあるいはポリマー溶液の状態で基材上
に塗布あるいは口金より押し出し、賦形後にゲル化を完
了させ、引き続き熱風による乾燥を行い最終的にフィル
ム等の成形体とする成形プロセスが主に採用されてい
る。
【0011】しかしながら、この賦形後にゲル化を完了
させる方法においては室温付近の操作が主であり、ポリ
アミド酸のオリゴマーあるいはポリマー溶液から比較的
短い時間でポリマー溶液のゲル化が完了し以降の賦形が
困難となるため、ゲル化までのポリアミド酸溶液粘度の
逐次的な経時変化に対してムラなく品質の安定した成形
体を作製するのが非常に難しかった。また、この反応に
より得られたアミド酸のオリゴマーあるいはポリマー溶
液の貯蔵法、フィルターによるポリアミド酸溶液中の不
純物の除去方法において、既存の装置・技術を改良する
必要がある等の多くの問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、三次
元架橋反応によるゲル形成能を有するポリアミド酸溶液
の粘度を長時間安定にコントロールすることが可能で、
安定な状態で基材に適用することができるポリアミド酸
溶液を使用する、ゲルを経由した耐熱性ポリイミドフィ
ルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、テトラカ
ルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価アミンを主
成分としたモノマー類を有機溶媒中で反応させて得られ
た反応溶液が、−10℃以下の低温において粘度の経時
変化が小さいことに着目して、高分子ゲル(分子鎖)を
形成する前に反応温度等の重合条件をコントロールする
ことによって、長時間安定して、且つ品質が良好なポリ
イミドフィルムを連続的に製造でき、耐熱性及び機械的
性質に優れたポリイミドフィルムを得る方法に至った。
【0014】本発明は、前記した問題点を解決する下記
の通りの構成を採用するものである。
【0015】本発明の耐熱性ポリイミドフィルムの製造
方法は、三次元架橋反応によるゲル形成能を有するポリ
アミド酸溶液を、不活性ガス雰囲気下、−10℃以下の
温度で基材上に適用し、次いで、適用されたポリアミド
酸溶液を加熱して、基材上で自己支持性のあるポリアミ
ド酸ゲルフィルムとし、引き続きポリアミド酸ゲルフィ
ルム中の有機溶媒を除去せしめ、さらに熱処理してイミ
ド化を行うことを特徴とする。
【0016】本発明は、上記耐熱性ポリイミドの製造方
法において、三次元架橋反応による高分子ゲル形成能を
有するポリアミド酸溶液として、−10℃以下の温度で
不活性ガス雰囲気下に保存され且つ固形分濃度5〜30
重量%、見掛け粘度1〜5000ポアズに維持されてい
るものを使用することを特徴とする。
【0017】本発明は、上記耐熱性ポリイミドの製造方
法において、適用されたポリアミド酸溶液を加熱して、
基材上で自己支持性のあるポリアミド酸ゲルフィルムと
する方法が、不活性ガス雰囲気下で行われることを特徴
とする請求項1記載の耐熱性ポリイミドフィルムの製造
方法。
【0018】本発明は、上記耐熱性ポリイミドの製造方
法において、ポリアミド酸ゲルフィルム中の有機溶媒を
除去せしめる方法が、基材上のポリアミド酸ゲルフィル
ムに、200℃を超えない温度の熱風を吹きかけること
を特徴とする。
【0019】本発明は、上記耐熱性ポリイミドの製造方
法において、イミド化を行う方法が、ポリアミド酸ゲル
フィルムを基材から引き剥し、ポリアミド酸ゲルフィル
ムの両縁の少なくとも一方を、駆動されているピン付き
ベルトと接触させることにより、ポリアミド酸フィルム
を連続して走行させながらイミド化を行うことを特徴と
する。
【0020】本発明は、上記耐熱性ポリイミドの製造方
法において、イミド化を行う熱処理温度が500℃を超
えない範囲であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】三次元架橋反応による高分子ゲル
形成能を有するポリアミド酸溶液は、代表的には、テト
ラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン及び多価アミン
を主成分としたモノマー類から製造される。
【0022】窒素ガスのような不活性雰囲気下で、−1
0℃以下の温度で、芳香族ジアミンと多価アミンを有機
溶媒に溶解させた溶液中で、攪拌させながらテトラカル
ボン酸二無水物を徐々に加えて高分子量化させることに
より、本発明に使用されるポリアミド酸溶液が製造され
る。テトラカルボン酸二無水物は、固形で加えても、溶
媒で溶解させた液状で加えてもよい。テトラカルボン酸
二無水物に、芳香族ジアミンと多価アミンを加える方法
でも構わない。
【0023】本発明で用いられるテトラカルボン酸二無
水物の代表例としては、ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボ
ン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラ
カルボン酸二無水物などである。また、分子中にアミド
基、エステル基、エーテル基、スルホン基、メチレン
基、プロパン基、フェニレン基、イミダゾール基、チア
ゾール基等を任意に組合せた比較的分子量の大きいテト
ラカルボン酸二無水物やフッ素等のハロゲン基を構造中
に含むテトラカルボン酸二無水物等も使用できる。ま
た、テレフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリ
ド、ピフェニルカルボン酸ジクロリド、芳香族トリカル
ボン酸無水物のアシルハライド誘導体を用いることもで
きる。これらは単独または二種以上の混合物で用いるこ
とができる。
【0024】テトラカルボン酸二無水物と反応させる芳
香族ジアミンの代表例としては、メタフェニレンジアミ
ン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,
3’−ジアミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、ベンジジン、3,3’−ジ
アミノビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ
ーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エーテル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,
4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,
4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビ
ス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ロロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−
ジアミノナフタレン及びこれらの誘導体等が挙げられ
る。また、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド
化合物も使用できる。これらは、単独または二種以上の
混合物で用いることができる。
【0025】本発明で用いられる多価アミンとは、ひと
つの分子構造中に三個以上のアミノ基及び/またはアン
モニウム塩基を有する化合物を示す。
【0026】多価アミンの代表例としては、3,3’,
4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,
3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、
3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、1,
2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’,4−ト
リアミノジフェニルエーテル、3,3’,4−トリアミ
ノジフェニルメタン、3,3’,4−トリアミノベンゾ
フェノン、3,3’,4−トリアミノジフェニルスルホ
ン、3,3’,4−トリアミノビフェニル、1,2,4
−トリアミノベンゼン及びこれらの化合物の官能基を第
四アンモニウム塩の形に変えた化合物類、例えば、3,
3’,4,4’−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩等
が挙げられる。第四アンモニウム塩としては塩酸塩の他
に、酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ピクリン酸塩
等の形で用いることもできる。これらの化合物の中に
は、多価アミンの官能基の全てが第四アンモニウム塩の
形でないものも含まれる。また、上記物質の中には水和
物として存在しているものもあり、これらの多価アミン
類は単独または二種以上の混合物で用いることができ
る。脂肪族類の多価アミンを使用することも可能であ
る。
【0027】本発明においては、ポリアミド酸分子鎖の
架橋点間分子量と架橋度を調節しゲル化させるため、テ
トラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン/多価アミン
のモル比を、100/50〜100/1〜25の範囲内
に止め、且つテトラカルボン酸二無水物とアミン類(芳
香族ジアミンと多価アミン)の反応基の当量比(酸価/
アミン価の比)を0.95〜1.05の範囲内(±5%
以内)に合わせることが、未反応の末端基が少なく安定
したポリアミド酸のゲルを得る上で好ましい。
【0028】この範囲を外れた組成でモノマーを配合し
反応させた場合、ポリアミド酸の三次元架橋反応が不完
全で、結果的に得られるポリアミド酸がゲルを形成しな
かったり、またポリアミド酸のゲルが得られても不均質
あるいは不安定なものとなり、最終的に目的とするフィ
ルムの性質、例えばフィルムの引張り強さや引張り弾性
率等の物理的性質が異なったものとなり好ましくない。
【0029】反応させるテトラカルボン酸二無水物/多
価アミンのモル比は、100/(1〜25)であること
が好ましく、特に好ましくは、100/(2〜15)の
範囲であるが、用いるモノマーの種類により、その好適
な組成範囲が若干ずれる場合もある。
【0030】多価アミンは、ポリアミド酸のゲルの架橋
点として働き、その配合量によりポリアミド酸のゲル中
に存在する網目濃度(架橋密度)を変化させる。多価ア
ミンの配合モル数が、テトラカルボン酸二無水物100
モルに対し1モルより小さいと溶液中でのポリアミド酸
成分の架橋点が少なくなり、三次元網目構造が不完全に
なり、自己支持性のある高分子ゲル(膨潤体)となりに
くい。多価アミンの配合モル数が25モルより大きい
と、三次元網目構造の架橋点の増加と架橋点間分子量の
低下を招き、ポリアミド酸のゲルの体積膨潤度を低下さ
せ、脆性的な高分子ゲルとなり、最終的に脱溶媒によっ
て得られたフィルムの性能を低下させる。従って、多価
アミンの配合モル数は、テトラカルボン酸二無水物10
0モルに対し1〜25モルの範囲内がよい。
【0031】テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
ン及び多価アミンを主成分としたポリアミド酸の重合に
おいて用いられる有機溶媒は、重合反応に対して不活性
であると同時に、使用するモノマー類及び反応により生
成されたオリゴマーを含む高分子量物を溶解または高分
子量物を膨潤させる能力のあるものが使用され、代表的
なものとして、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミド、ピ
リジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、
クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール
類や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンゾニトリ
ル、ジオキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これ
らの溶媒は、単独または二種以上混合して使用される。
【0032】ポリアミド酸重合時の全モノマー濃度とし
ては通常、溶媒全体の5〜30重量%、好ましくは10
〜20重量%である。
【0033】モノマー濃度が5重量%未満の場合は、重
合度が低く最終的なフィルムの機械的強度を低下させる
傾向があり好ましくない。また、モノマー濃度が30重
量%を超える場合は、重合度の増加に伴う溶液粘度の上
昇によりフィルムの成形加工性を損ね、品質の良い均一
なフィルムが得られにくい。
【0034】テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
ン及び多価アミンを主成分としたポリアミド酸の重合
は、有機溶媒中、好ましくは−30〜30℃の温度条件
下、特に好ましくは−20〜20℃の温度範囲で反応さ
せる。反応時間は反応温度によって変化するが、10時
間以内、好ましくは5時間以内である。前記反応温度を
採用する理由は、反応温度が−30℃より低い場合は、
取扱性や反応方法の難しさに加え、温度が低過ぎるため
反応自身が充分に進まない場合があり、好ましくないか
らである。また反応温度が30℃を越える場合は、モノ
マーの分解が早くなるため高分子量化しにくくなる問題
や、あるいはゲル化に至るまでの反応が早すぎて、不均
質な膨潤体を与えるなどの問題があり好ましくない。
【0035】これらのテトラカルボン酸二無水物、芳香
族ジアミン及び多価アミン成分は、それぞれ単独または
二種以上の混合物で用いられるため、得られるポリアミ
ド酸は共重合体のものを含む。また、特定の成分からな
るポリアミド酸と、このポリアミド酸の構成成分の少な
くとも一種類が異なるポリアミド酸を混合した、ポリア
ミド酸の混合物も含まれる。
【0036】テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミ
ン及び多価アミンを主とする反応溶液には、これ以外の
多種成分を混合させることができる。ポリアミド酸に混
合させる第三成分としては、例えば、低分子有機化合
物、無機物質、金属化合物、高分子化合物等が挙げられ
る。
【0037】また、本発明のポリアミド酸溶液から得ら
れた成形体の中には溶媒以外の他の物質、例えば、各種
金属化合物、低分子有機化合物、高分子化合物、無機充
填剤、着色剤、強化繊維等を含ませることができる。
【0038】また、テレフタル酸ジクロリド、イソフタ
ル酸ジクロリド、ビフェニルカルボン酸ジクロリド、芳
香族トリカルボン酸無水物のアシルハライド誘導体を用
いた反応系においては、同様に上記の反応条件に準ず
る。
【0039】得られた反応溶液は、溶液の見掛け粘度1
〜5000ポアズの均一な溶液であり、溶液のゲル化を
防ぐために、直ちに冷却し−10℃以下の溶液温度で低
温保存することが望ましい。この温度条件の下に反応溶
液を保存することにより、反応性(ゲル化)を抑え、反
応溶液の固形分濃度5〜30重量%、見掛け粘度1〜5
000ポアズに長期間維持することが可能となる。反応
溶液の保存には、上記温度条件に加えて、不活性ガス雰
囲気とすることが、加水分解等によるモノマーの分解を
防ぐために望ましい。さらに保存時に反応溶液が不均一
となることを防ぐために、撹拌を加えてもよい。
【0040】反応溶液中には、未反応モノマー、不純
物、攪拌時のエアー等を含むため、反応溶液をフィルム
に加工する前に濾過・脱泡することが必要である。反応
溶液の濾過・脱泡は、通常のポリマー溶液の濾過・脱泡
と同様な方法で、例えば、フィルターやメッシュなどを
用いて行うことができ、その際、ゲル化を抑制するため
に−10℃以下の雰囲気で行うことが望ましい。
【0041】この反応溶液中には、イミド化反応を早め
るための添加剤、例えば三級アミンや酸無水物を、ポリ
アミド酸のアミド基1モルに対して0.5モル以下の添
加量で加えることができる。三級アミンとしてはトリエ
チルアミン、ピリジン、イソキノリン等が挙げられる。
酸無水物には無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香
酸等が挙げられる。
【0042】このようにして得られた反応溶液を、−1
0℃以下で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、一定
の厚みで基材上にドクターブレード方式等の流延法ある
いは口金よりの押し出し法等の塗布法の適用により、連
続的にフィルムに成形する。反応溶液の基材への適用を
−10℃以下で行うことにより、粘度の変化をコントー
ルすることができ、安定な反応溶液の適用が行える。ま
た、反応溶液の基材への適用を窒素ガス等の不活性雰囲
気下で行うことにより、反応溶液中のモノマーの加水分
解を防ぐことができる。
【0043】連続的に基材上にコーティングされた反応
溶液の三次元架橋反応を行わせる雰囲気は、水分の混入
を防いでモノマーの加水分解を防ぐためには、窒素ガス
等の不活性ガス雰囲気下とすることが望ましい。この不
活性ガス雰囲気下で、10〜80℃まで昇温させ反応溶
液の三次元架橋反応を進め、フィルム状の自己支持性の
ある、見掛け粘度が1000〜100000ポアズの高
分子ゲルとする。次いで、乾燥炉内で50〜200℃の
温度の熱風を吹きかけ、高分子ゲル中の有機溶媒を除去
させ固形状のポリアミド酸フィルムとする。乾燥温度が
200℃を超える場合は、ポリアミド酸成分の脱水・閉
環反応によるイミド化が進み易く、収縮に伴う形状変化
を起こし、カール、皺等フィルム外観を損ねる現象が発
生しやすく好ましくない。また、50℃未満では乾燥に
長時間を要し、生産性が低下し好ましくない。
【0044】200℃を超えない温度で乾燥させられた
ポリアミド酸フィルムは、揮発性成分がフィルム全体の
50重量%以下にまで減少している。続いてこの乾燥し
たポリアミド酸フィルムを基材より引き剥し、ポリアミ
ド酸ゲルフィルムの両縁の少なくとも一方を、駆動され
ているピン付きベルトと接触させてポリアミド酸フィル
ムを連続して走行させながら、連続的に50〜200℃
で乾燥し更に150〜500℃の温度で熱処理させるこ
とによりイミド化を行い、ポリイミドフィルムとする。
望ましくは、該イミド化処理を、ポリアミド酸ゲルフィ
ルムの両縁において、二連のピン付きベルトでフィルム
の幅方向の寸法安定性をはかるように固定して行うこと
により、品質の一定したポリイミドフィルムを得ること
ができる。
【0045】前記イミド化工程の乾燥及び熱処理におい
て、ポリアミド酸フィルムをピン付きベルトと接触させ
て走行させることにより、ポリイミドフィルムを連続し
て製造することが可能となる。
【0046】前記イミド化工程における熱処理時の昇温
速度は、ポリマーの種類、熱処理温度・時間、生産性等
の要因によって変えることができるが、通常は0.2℃
/秒以上、500℃/秒未満である。前記50〜200
℃の乾燥時間は1〜60分が好ましい。前記150℃〜
500℃の熱処理時間は1〜120分が好ましく、さら
に好ましくは2〜60分である。フィルムの製造速度
は、0.1〜20m/分が好ましく、さらに好ましくは
0.2〜10m/分である。
【0047】以上の処理工程により、ポリアミド酸のゲ
ルを経由して得られたポリイミドフィルムは、多官能性
モノマーによる架橋点を有し、三次元網目構造が発達し
た分子構造となっているので、ポリアミド酸のゲルを経
由しないものに比べて、耐熱レベルが高く機械的性質に
優れたものとなる。また、網目構造をコントロールする
ことによりフィルム内の分子鎖凝集状態を制御すること
も可能である。
【0048】本発明の耐熱性ポリイミドフィルム中に
は、所望される望ましい特性を付与する目的で他の樹脂
を含んでいてもよい。他の樹脂の混合は、ポリイミドフ
ィルムの製造段階の任意の時期に添加してもよい。
【0049】本発明の製造方法で得られた耐熱性ポリイ
ミドフィルムは、高い耐熱性且つ機械的特性が要求され
る半導体素子、変換素子等のエレクトロニクス用の素
材、分離膜、絶縁フィルム、感光体等の材料として有用
である。
【0050】
【実施例】
〔実施例1〕500ccの重合容器に、9.080g
(0.084モル)の精製したパラフェニレンジアミン
(略称:PPD)と3.168g(0.008モル)の
3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル・四塩酸
塩・二水和物(略称:TABT)を採取し、50gの蒸
留されたN−メチル−2−ピロリドン(略称:NMP)
を加え、撹拌し溶解させて溶液とした。
【0051】窒素ガス雰囲気の下、外部水槽の温度を5
℃にコントロールし、上記溶液の温度が上らないように
注意しながら、上記溶液を撹拌し続けた状態で、21.
83g(0.100モル)の精製した無水のピロメリッ
ト酸二無水物(略称:PMDA)を固形のまま徐々に添
加した。全て加え終った後も撹拌を続け均一なポリアミ
ド酸溶液を調製した。
【0052】ポリアミド酸溶液の濃度は12重量%、回
転粘度計によって測定した−20℃での溶液粘度は30
0ポイズであった。5時間後の−20℃での溶液粘度は
350ポイズで粘度変化は小さかった。
【0053】−20℃に冷却されたポリアミド酸溶液
を、次に窒素ガス雰囲気下−20℃に冷却された塗工装
置(コーター)に連続的に供給し、コーター部より表面
研磨されたステンレスベルト上に連続的に一定厚みでポ
リアミド酸溶液をコーティングした。コーティングの幅
は200mm、厚さを250μmにコントールした。
【0054】連続的にコーティングされたポリアミド酸
の塗工膜を、100℃まで昇温するまでにポリアミド酸
溶液はゲル化を起こし、寒天状のポリアミド酸ゲルフィ
ルムとなった。このゲルフィルムの一部を取り出し、2
5℃で測定した見掛け粘度は5800ポアズであった。
【0055】このゲルフィルムを、連続的に熱風乾燥炉
に通し、100℃で30分間乾燥させ、脱溶媒を行っ
た。脱溶媒されたゲルフィルムは固化し強いフィルムと
なったので、これを基材より剥離させポリアミド酸の連
続フィルムとした。引き続き、ピン方式のテンターでフ
ィルムの両縁を固定し、熱処理炉を通して、150℃で
20分間、200℃で15分間、300℃で10分間、
400℃で10分間、450℃で20分間の条件で段階
的に熱処理することにより、イミド化を完了し、ポリイ
ミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの厚
みは25μmであった。
【0056】得られたポリイミドフィルムの赤外吸収ス
ペクトルには、1780cm-1、1720cm-1にイミ
ド基の特性吸収体が観測され、ポリイミドフィルムであ
ることが確認された。フィルムの熱機械分析を引張り加
重を加えながら行ったところ、450℃にガラス転移温
度に対応すると思われる熱膨張曲線の変曲点が観測さ
れ、100℃での線膨張係数は1.0×10-6cm/c
m/℃であった。
【0057】ポリイミドフィルムを短冊状に5mm幅で
カットし、フィルムの引張り試験をチャック間距離30
mm、引張り速度5mm/分の条件で23℃にて行っ
た。フィルムの引張り強さは22kgf/mm2 、引張
り弾性率は1080kgf/mm2 、引張り伸度は5.
0%であった。
【0058】〔比較例1〕前記実施例1と同じモノマ
ー、溶媒を用い、同一の反応条件にてポリアミド酸の重
合を行い、前記実施例1と同様に均一なポリアミド酸溶
液を調製した。
【0059】このポリアミド酸溶液を0℃に冷却された
容器に密閉系で連続的に移し、窒素ガス雰囲気下で攪拌
しながら保存した。
【0060】このポリアミド酸溶液の濃度は12重量%
であり、容器に保存前の粘度は、回転粘度計で0℃にお
いて230ポイズであった。容器に保存3時間後、この
ポリアミド酸溶液はゲル化を起こし寒天状になった。ポ
リアミド酸のゲルは流動しないため、通常のコーティン
グ装置で基材面にポリアミド酸のゲルを塗工できず、フ
ィルムは作製できなかった。
【0061】〔実施例2〕1000ccの四つ口セパラ
ブルフラスコ中に、6.89(0.06モル)の精製し
たPPDを採取し、300gの蒸留されたN,N−ジメ
チルホルムアミド(略称:DMF)に攪拌し溶解させ
た。
【0062】窒素ガス雰囲気の下、外部水槽の温度を0
℃にコントロールし、上記溶液を攪拌しながら17.6
4g(0.06モル)の精製した3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(略称:BPD
A)を固形のまま、溶液の温度が上がらないように注意
しながら徐々に添加し、均一なポリアミド酸溶液を調製
した。このフラスコ中のポリアミド酸溶液に400gの
蒸留されたN,N−ジメチルアセトアミド(略称:DM
Ac)を加え、更に10.81g(0.10モル)の精
製したPPDと7.92g(0.02モル)のTABT
を加え、攪拌し溶解させた。
【0063】同様に、窒素ガス雰囲気の下、外部水槽の
温度を0℃にコントロールし、攪拌しながら30.56
g(0.14モル)の精製したPMDAを固形のまま、
溶液の温度が上がらないように注意しながら徐々に添加
した。全て加え終わった後、固形分が溶解するまで攪拌
を続けた。
【0064】この反応させたポリアミド酸溶液を濾過・
脱泡の後、−25℃まで30分かけて冷却し、窒素ガス
雰囲気下で攪拌しながら保存した。
【0065】ポリアミド酸溶液の濃度は12重量%、回
転粘度計によって測定した−25℃での溶液粘度は80
0ポイズであった。5時間後の−25℃での溶液粘度は
880ポイズで粘度変化は小さかった。
【0066】−25℃に冷却されたポリアミド酸溶液
を、次に窒素ガス雰囲気下−25℃に冷却された塗工装
置(コーター)に連続的に供給し、コーター部より表面
研磨されたステンレスベルト上に連続的に一定厚みでポ
リアミド酸溶液をコーティングした。コーティングの幅
は500mm、厚さを500μmにコントロールした。
【0067】連続的にコーティングされたポリアミド酸
の塗工膜を50℃に昇温するまでに、ポリアミド酸溶液
はゲル化を起こし、寒天状のポリアミド酸ゲルフィルム
となった。ゲルフィルムの一部を取り出し、25℃で測
定した見掛け粘度は7500ポアズであった。このゲル
フィルムを連続的に熱風乾燥炉に通し、150℃で20
分間乾燥させ、脱溶媒を行った。脱溶媒されたゲルフィ
ルムは固化し強いフィルムとなり、これを基材より剥離
させポリアミド酸の連続フィルムとした。引き続き、ピ
ン方式のテンターでフィルムの両縁を固定し、熱処理炉
を通し、200℃で20分間、300℃で10分間、4
00℃で10分間、430℃で10分間の条件で段階的
に熱処理することによりイミド化を完了し、ポリイミド
フィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの厚みは
45μmであった。
【0068】得られたポリイミドフィルムの赤外吸収ス
ペクトルには、1780cm-1、1720cm-1にイミ
ド基の特性吸収体が観測され、ポリイミドフィルムであ
ることが確認された。フィルムの熱機械分析を引張り加
重を加えながら行ったところ、440℃にガラス転移温
度に対応すると思われる熱膨曲線の変曲点が観測され、
100℃での線膨張係数は1.5×10-6cm/cm/
℃であった。
【0069】ポリイミドフィルムを短冊状に5mm幅で
カットし、フィルムの引張り試験をチャック間距離30
mm、引張り速度5mm/分の条件で23℃にて行っ
た。フィルムの引張り強さは28kgf/mm2 、引張
り弾性率は980kgf/mm2 、引張り伸度は15%
であった。
【0070】〔実施例3〕1000ccの四つ口セパラ
ブルフラスコ中に、10.81g(0.10モル)の精
製したPPDと12.01g(0.06モル)の精製し
た4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(略称:4,
4’−DPE)及び7.92g(0.02モル)のTA
BTを採取し、546gの蒸留されたNMPを加え、撹
拌し溶解させた。
【0071】窒素ガス雰囲気の下、外部水槽の温度を0
℃にコントロールし、上記溶液を攪拌しながら43.6
6g(0.20モル)の精製したPMDAを固形のま
ま、溶液の温度が上がらないように注意しながら徐々に
添加した。全て加え終った後も撹拌を続け均一なポリア
ミド酸溶液を調製した。このポリアミド酸溶液を−20
℃に冷却された容器に密閉系で連続的に移し、窒素ガス
雰囲気下で攪拌しながら保存した。
【0072】一方、市販のポリエーテルイミド樹脂(G
E社製ウルテム)74.40g採取し、500ccのビ
ーカー中で174gの蒸留されたNMPに溶解させた。
ポリエーテルイミド樹脂が完全に溶解された後、この溶
液をPMDA/PPD/TABTから成る前述のポリア
ミド酸溶液を保存した容器に密閉系で連続的に移し、窒
素ガス雰囲気下で攪拌を続け、均一なポリアミド酸/ポ
リエーテルイミド樹脂混合溶液を得た。
【0073】ポリアミド酸/ポリエーテルイミド樹脂混
合溶液の濃度は17重量%、回転粘度計によって測定し
た−20℃での溶液粘度は1200ポイズであった。5
時間後の−20℃での溶液粘度は1400ポイズで粘度
変化は小さかった。
【0074】−20℃に冷却されたポリアミド酸/ポリ
エーテルイミド樹脂混合溶液を、窒素ガス雰囲気下−2
0℃に冷却された塗工装置(コーター)に連続的に供給
し、コーター部より表面研磨されたステンレスベルト上
に連続的に一定厚みでポリアミド酸溶液をコーティング
した。コーティングの幅は300mm、厚さを400μ
mにコントロールした。
【0075】連続的にコーティングされた混合溶液の塗
工膜を、平均10℃/分の昇温速度で100℃まで昇温
するまでに混合溶液はゲル化を起こし、寒天状のポリア
ミド酸/ポリエーテルイミド樹脂の複合ゲルフィルムと
なった。このゲルフィルムの一部を取り出し、25℃で
測定した見掛け粘度は7500ポアズであった。
【0076】このゲルフィルムを、連続的に熱風乾燥炉
に通し、130℃で20分間乾燥させ、脱溶媒を行っ
た。脱溶媒されたゲルフィルムは固化し、強いフィルム
となり、これを基材より剥離させてポリアミド酸/ポリ
エーテルイミド樹脂の複合フィルムとした。引き続き、
ピン方式のテンターでフィルムの両縁を固定し、熱処理
炉を通して200℃で20分間、300℃で10分間、
400℃で20分間の条件で段階的に熱処理してイミド
化を完了し、ポリイミド/ポリエーテルイミド樹脂の複
合フィルムを得た。得られた複合フィルムの厚みは50
μmであった。この複合フィルムは不透明ではあったが
比較的均一で、巨視的には大きな相分離構造が認められ
ず外観良好なものであった。
【0077】フィルムの熱機械分析を引張り加重を加え
ながら行ったところ、380℃にガラス転移温度に対応
すると思われる熱膨張曲線の変曲点が観測され、100
℃での線膨張係数は2.5×10-5cm/cm/℃であ
った。
【0078】ポリイミド/ポリエーテルイミド樹脂の複
合フィルムを短冊状に5mm幅でカットし、フィルムの
引張り試験をチャック間距離30mm、引張り速度5m
m/分の条件で23℃にて行った。フィルムの引張り強
さは18kgf/mm2 、引張り弾性率は380kgf
/mm2 、引張り伸度は25%であった。
【0079】〔比較例2〕前記実施例3においてTAB
Tを使用せず、精製した4,4’−DPEの量を10.
03g(0.0996モル)に変更する以外は全て前記
実施例3と同様な方法で均一ポリアミド酸/ポリエーテ
ルイミド樹脂混合溶液を得た。
【0080】ポリアミド酸/ポリエーテルイミド樹脂混
合溶液の濃度は17重量%、回転粘度計によって測定し
た−20℃での溶液粘度は5600ポイズであった。5
時間後の−20℃での溶液粘度は5600ポイズで粘度
変化はなかった。
【0081】前記実施例3と同様に塗工装置(コータ
ー)で連続的にフィルムを作製した。−20℃で連続的
にコーティングされた混合溶液の塗工膜を、100℃ま
で昇温しても混合溶液はゲル化を起こさなかった。引き
続き、前記実施例3と同様にして乾燥・熱処理によって
得られたポリアミド酸/ポリエーテルイミド樹脂の複合
フィルムには巨視的に大きな相分離構造が表面に認めら
れ、外観不良であった。前記実施例3と同様にして測定
したフィルムの引張り強さは15kgf/mm2、引張
り弾性率は350kgf/mm2 、引張り伸度は25%
であり、前記実施例3と比較して機械的性質は劣ってい
た。
【0082】
【発明の効果】本発明の耐熱性ポリイミドフィルムの製
造方法によれば、三次元架橋反応によるゲル形成能を有
するポリアミド酸溶液を、不活性ガス雰囲気下、−10
℃以下の温度で基材上に適用し、且つ高分子ゲルを経由
してイミド化しているので、粘度が安定にコントロール
された状態でポリアミド酸溶液を適用でき、得られる耐
熱性ポリイミドフィルムは品質の安定したものとなり、
且つ機械的性質の優れたものとなる。
【0083】本発明の耐熱性ポリイミドフィルムの製造
方法におけるイミド化処理は、ポリアミド酸フィルムを
ピン付きベルトと接触させて、連続して走行させながら
イミド化を行っているので、連続的な耐熱性ポリイミド
フィルムの製造方法が可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)三次元架橋反応によるゲル形成能
    を有するポリアミド酸溶液を、不活性ガス雰囲気下、−
    10℃以下の温度で基材上に適用し、 (2)適用されたポリアミド酸溶液を加熱して、基材上
    で自己支持性のあるポリアミド酸ゲルフィルムとし、 (3)引き続きポリアミド酸ゲルフィルム中の有機溶媒
    を除去せしめ、 (4)さらに熱処理してイミド化を行う、ことを特徴と
    する耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記三次元架橋反応による高分子ゲル形
    成能を有するポリアミド酸溶液は、−10℃以下の温度
    で保存されているものであり、且つ該反応溶液の固形分
    濃度5〜30重量%、見掛け粘度1〜5000ポアズに
    維持されていることを特徴とする請求項1記載の耐熱性
    ポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記適用されたポリアミド酸溶液を加熱
    して、基材上で自己支持性のあるポリアミド酸ゲルフィ
    ルムとする方法は、不活性ガス雰囲気下で行うことを特
    徴とする請求項1記載の耐熱性ポリイミドフィルムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリアミド酸ゲルフィルム中の有機
    溶媒を除去せしめる方法は、基材上のポリアミド酸ゲル
    フィルムに、200℃を超えない温度の熱風を吹きかけ
    ることを特徴とする請求項1記載の耐熱性ポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記イミド化を行う方法は、ポリアミド
    酸ゲルフィルムを基材から引き剥し、ポリアミド酸ゲル
    フィルムの両縁の少なくとも一方を、駆動されているピ
    ン付きベルトと接触させることにより、ポリアミド酸フ
    ィルムを連続して走行させながらイミド化を行う請求項
    1記載の耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は5記載の耐熱性ポリイミド
    フィルムの製造方法において、イミド化を行う熱処理温
    度は500℃を超えない範囲であることを特徴とする耐
    熱性フィルムの製造方法。
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