JPH09228089A - 金属ウランの製造方法 - Google Patents
金属ウランの製造方法Info
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- JPH09228089A JPH09228089A JP3760396A JP3760396A JPH09228089A JP H09228089 A JPH09228089 A JP H09228089A JP 3760396 A JP3760396 A JP 3760396A JP 3760396 A JP3760396 A JP 3760396A JP H09228089 A JPH09228089 A JP H09228089A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生成する金属ウランが原料によって汚染され
ることがなく、また金属ウランがフッ化物溶融塩と再反
応することがなく、従来よりも回収率及び電流効率が高
い。 【解決手段】 陰極11の下方の槽内に容器14を設け
た電解槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸化ウランを
金属ウラン13の融点以上の温度で電解還元して陰極1
1の表面に金属ウラン13を析出させ、析出した金属ウ
ラン13を溶融塩との比重差により落下させて容器に収
容する金属ウラン13の製造方法である。電解還元する
前に酸化ウランとともに金属酸化物を電解槽10に入
れ、電解還元したときに金属酸化物が金属ウランより比
重が小さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又は形
成しにくい金属20を生成する。金属ウラン相Aは軽金
属相Bにより覆われ溶融塩相C及び原料の酸化ウランと
接触しない。
ることがなく、また金属ウランがフッ化物溶融塩と再反
応することがなく、従来よりも回収率及び電流効率が高
い。 【解決手段】 陰極11の下方の槽内に容器14を設け
た電解槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸化ウランを
金属ウラン13の融点以上の温度で電解還元して陰極1
1の表面に金属ウラン13を析出させ、析出した金属ウ
ラン13を溶融塩との比重差により落下させて容器に収
容する金属ウラン13の製造方法である。電解還元する
前に酸化ウランとともに金属酸化物を電解槽10に入
れ、電解還元したときに金属酸化物が金属ウランより比
重が小さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又は形
成しにくい金属20を生成する。金属ウラン相Aは軽金
属相Bにより覆われ溶融塩相C及び原料の酸化ウランと
接触しない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料の酸化ウラン
を電解液のフッ化物溶融塩中で電解還元して金属ウラン
を製造する方法に関するものである。
を電解液のフッ化物溶融塩中で電解還元して金属ウラン
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の製造方法として、原料の
酸化ウラン、例えばUO2,UO3,U308等を電解液の
フッ化物溶融塩中で電解還元して金属ウランを製造する
方法が知られている。この方法は陽極及び陰極を有する
電解槽内にフッ化物溶融塩を生成しておき、このフッ化
物溶融塩中に電解槽の上方から原料の酸化ウランを供給
し、金属ウランの融点以上の温度で電解還元を実施し
て、電解槽の内底部に金属ウランを析出生成させる方法
である。しかしこの方法では、生成した金属ウランが原
料の酸化ウランで汚染され、しかも生成した金属ウラン
粒子の表面に酸化皮膜が形成され、それ以上金属ウラン
粒子間の融合が進行しない等の問題点がある。
酸化ウラン、例えばUO2,UO3,U308等を電解液の
フッ化物溶融塩中で電解還元して金属ウランを製造する
方法が知られている。この方法は陽極及び陰極を有する
電解槽内にフッ化物溶融塩を生成しておき、このフッ化
物溶融塩中に電解槽の上方から原料の酸化ウランを供給
し、金属ウランの融点以上の温度で電解還元を実施し
て、電解槽の内底部に金属ウランを析出生成させる方法
である。しかしこの方法では、生成した金属ウランが原
料の酸化ウランで汚染され、しかも生成した金属ウラン
粒子の表面に酸化皮膜が形成され、それ以上金属ウラン
粒子間の融合が進行しない等の問題点がある。
【0003】これらの問題点を解決する方法として電解
還元による金属ウランの製造方法が米国特許3,05
2,611号公報により提案されている。この米国特許
の方法においては、孔の開いたバスケット状の陽極内に
UO2−Cペレット(酸化ウランと炭素の混合物からな
るペレット)を原料として収納し、陰極棒に連結したグ
ラファイト製の坩堝内に電解液(フッ化バリウム又はカ
ルシウム;フッ化マグネシウム又はリチウム;及びフッ
化ウラニウムの混合物)を形成し、この電解液中に上記
陽極バスケットを浸漬し、電解還元して金属ウランを上
記グラファイト製の坩堝の内底部に析出生成させてい
る。
還元による金属ウランの製造方法が米国特許3,05
2,611号公報により提案されている。この米国特許
の方法においては、孔の開いたバスケット状の陽極内に
UO2−Cペレット(酸化ウランと炭素の混合物からな
るペレット)を原料として収納し、陰極棒に連結したグ
ラファイト製の坩堝内に電解液(フッ化バリウム又はカ
ルシウム;フッ化マグネシウム又はリチウム;及びフッ
化ウラニウムの混合物)を形成し、この電解液中に上記
陽極バスケットを浸漬し、電解還元して金属ウランを上
記グラファイト製の坩堝の内底部に析出生成させてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記米国特許の
方法では陽極バスケットを使用しているために電流効率
が低い。またUO2−Cペレットを原料として使用して
いるために製品の金属ウランが原料のUO2−Cペレッ
トのC(炭素)によって汚染され、かつ製造コストが高
くなる等の問題点が残されている。またグラファイト製
の坩堝の内底部に溜まった金属ウランがフッ化物溶融塩
と直接接触し、フッ化物溶融塩中のUF4と反応し再溶
解してしまうために、ウランの回収率が低下する不具合
があった。本発明の目的は、生成する金属ウランが原料
によって汚染されることがなく、また金属ウランがフッ
化物溶融塩と再反応することがなく、従来よりも回収率
及び電流効率が高い金属ウランの製造方法を提供するこ
とにある。
方法では陽極バスケットを使用しているために電流効率
が低い。またUO2−Cペレットを原料として使用して
いるために製品の金属ウランが原料のUO2−Cペレッ
トのC(炭素)によって汚染され、かつ製造コストが高
くなる等の問題点が残されている。またグラファイト製
の坩堝の内底部に溜まった金属ウランがフッ化物溶融塩
と直接接触し、フッ化物溶融塩中のUF4と反応し再溶
解してしまうために、ウランの回収率が低下する不具合
があった。本発明の目的は、生成する金属ウランが原料
によって汚染されることがなく、また金属ウランがフッ
化物溶融塩と再反応することがなく、従来よりも回収率
及び電流効率が高い金属ウランの製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、陽極12及び陰極11を有する電解
槽10内の陰極11の下方に容器14が設けられ、電解
槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸化ウランを金属ウ
ラン13の融点以上の温度で電解還元して陰極11の表
面に金属ウラン13を析出させ、析出した金属ウラン1
3を溶融塩との比重差により落下させて容器に収容する
金属ウラン13の製造方法において、電解還元する前に
酸化ウランとともに金属酸化物を電解槽10に入れ、電
解還元したときに金属酸化物が金属ウランより比重が小
さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又は形成しに
くい金属20を生成することを特徴とする金属ウランの
製造方法である。酸化ウランとしてはUO2,UO3,U
308等が挙げられる。請求項2に係る発明は、請求項1
に係る発明であって、金属酸化物が酸化ランタン、酸化
セリウム及び酸化ネオジムからなる群より選ばれた1種
又は2種以上の酸化物である金属ウランの製造方法であ
る。
図1に示すように、陽極12及び陰極11を有する電解
槽10内の陰極11の下方に容器14が設けられ、電解
槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸化ウランを金属ウ
ラン13の融点以上の温度で電解還元して陰極11の表
面に金属ウラン13を析出させ、析出した金属ウラン1
3を溶融塩との比重差により落下させて容器に収容する
金属ウラン13の製造方法において、電解還元する前に
酸化ウランとともに金属酸化物を電解槽10に入れ、電
解還元したときに金属酸化物が金属ウランより比重が小
さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又は形成しに
くい金属20を生成することを特徴とする金属ウランの
製造方法である。酸化ウランとしてはUO2,UO3,U
308等が挙げられる。請求項2に係る発明は、請求項1
に係る発明であって、金属酸化物が酸化ランタン、酸化
セリウム及び酸化ネオジムからなる群より選ばれた1種
又は2種以上の酸化物である金属ウランの製造方法であ
る。
【0006】フッ化物溶融塩中で酸化ウラン及び金属酸
化物を電解還元すると、金属の比重差により、容器内底
部には金属ウランが回収され、この金属ウランの上層に
ランタン、セリウム、ネオジム等の金属20が回収され
る。この金属20はフッ化物溶融塩中で安定な金属相を
形成する。図1の拡大図に示すように容器内には底部よ
り金属ウラン相A、軽金属相B及びフッ化物溶融塩相C
の3相になり、金属ウランが原料の酸化ウランに接触し
なくなるとともに、フッ化物溶融塩とも直接接触しなく
なる。この結果、金属ウランのフッ化物溶融塩中への再
溶解が阻止され、金属ウランの回収率が増加し、電流効
率も増加する。
化物を電解還元すると、金属の比重差により、容器内底
部には金属ウランが回収され、この金属ウランの上層に
ランタン、セリウム、ネオジム等の金属20が回収され
る。この金属20はフッ化物溶融塩中で安定な金属相を
形成する。図1の拡大図に示すように容器内には底部よ
り金属ウラン相A、軽金属相B及びフッ化物溶融塩相C
の3相になり、金属ウランが原料の酸化ウランに接触し
なくなるとともに、フッ化物溶融塩とも直接接触しなく
なる。この結果、金属ウランのフッ化物溶融塩中への再
溶解が阻止され、金属ウランの回収率が増加し、電流効
率も増加する。
【0007】請求項3に係る発明は、陽極12及び陰極
11を有する電解槽10内の陰極11の下方に容器14
が設けられ、電解槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸
化ウランを金属ウラン13の融点以上の温度で電解還元
して陰極11の表面に金属ウラン13を析出させ、析出
した金属ウラン13を溶融塩との比重差により落下させ
て容器14に収容する金属ウランの製造方法において、
電解還元する前に容器14内に金属ウランより比重が小
さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又はしにくい
金属20を電解槽10に入れることを特徴とする金属ウ
ランの製造方法である。酸化ウランとしてはUO2,U
O3,U308等が挙げられる。請求項4に係る発明は、
請求項3に係る発明であって、容器内に入れる金属20
が銀、銅、ランタン、セリウム及びネオジムからなる群
より選ばれた1種又は2種以上の金属である金属ウラン
の製造方法である。
11を有する電解槽10内の陰極11の下方に容器14
が設けられ、電解槽10内でフッ化物溶融塩15中の酸
化ウランを金属ウラン13の融点以上の温度で電解還元
して陰極11の表面に金属ウラン13を析出させ、析出
した金属ウラン13を溶融塩との比重差により落下させ
て容器14に収容する金属ウランの製造方法において、
電解還元する前に容器14内に金属ウランより比重が小
さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又はしにくい
金属20を電解槽10に入れることを特徴とする金属ウ
ランの製造方法である。酸化ウランとしてはUO2,U
O3,U308等が挙げられる。請求項4に係る発明は、
請求項3に係る発明であって、容器内に入れる金属20
が銀、銅、ランタン、セリウム及びネオジムからなる群
より選ばれた1種又は2種以上の金属である金属ウラン
の製造方法である。
【0008】フッ化物溶融塩中で容器内の金属20は溶
融し、この溶融塩中で酸化ウランを電解還元すると、金
属の比重差により容器内底部には金属ウランが回収さ
れ、この金属ウランの上に銀、銅、ランタン、セリウ
ム、ネオジム等の金属20が回収される。この金属はフ
ッ化物溶融塩中で安定な金属相を形成する。図1の拡大
図に示すように容器内には底部より金属ウラン相A、軽
金属相B及びフッ化物溶融塩相Cの3相になり、金属ウ
ランが原料の酸化ウランに接触しなくなるとともに、フ
ッ化物溶融塩とも直接接触しなくなる。この結果、金属
ウランのフッ化物溶融塩中への再溶解が阻止され、金属
ウランの回収率が増加し、電流効率も増加する。
融し、この溶融塩中で酸化ウランを電解還元すると、金
属の比重差により容器内底部には金属ウランが回収さ
れ、この金属ウランの上に銀、銅、ランタン、セリウ
ム、ネオジム等の金属20が回収される。この金属はフ
ッ化物溶融塩中で安定な金属相を形成する。図1の拡大
図に示すように容器内には底部より金属ウラン相A、軽
金属相B及びフッ化物溶融塩相Cの3相になり、金属ウ
ランが原料の酸化ウランに接触しなくなるとともに、フ
ッ化物溶融塩とも直接接触しなくなる。この結果、金属
ウランのフッ化物溶融塩中への再溶解が阻止され、金属
ウランの回収率が増加し、電流効率も増加する。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
いずれかに係る発明であって、フッ化物がフッ化リチウ
ム、フッ化バリウム、フッ化ウラン、フッ化ランタン、
フッ化セリウム及びフッ化ネオジムからなる群より選ば
れた1種又は2種以上の化合物である金属ウランの製造
方法である。
いずれかに係る発明であって、フッ化物がフッ化リチウ
ム、フッ化バリウム、フッ化ウラン、フッ化ランタン、
フッ化セリウム及びフッ化ネオジムからなる群より選ば
れた1種又は2種以上の化合物である金属ウランの製造
方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の金属ウランの製造方
法を実施するのに使用される装置を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、グラファイト製の電解槽10
の内部中央には棒状のタングステン製の陰極11が上方
から挿入されて固定され、この陰極11を電解槽10内
において取り囲むように円筒状のグラファイト製の陽極
12が設けられる。陰極11の下方には生成した金属ウ
ラン13を収納するための黒鉛製の容器14が図示しな
い固定手段により固定されて電解槽10の内底部に設け
られる。また電解槽10内には原料の酸化ウランを供給
する供給管16と、フッ化物溶融塩15の生成時に電解
槽の内底部に不活性ガスを吹込んで溶融塩を攪拌するこ
とによりウランの溶解を促進する攪拌用のガスパイプ1
7とがそれぞれ上方から挿入されて固定される。ガスパ
イプ17の先端部は容器14の下方にまで伸びている。
法を実施するのに使用される装置を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、グラファイト製の電解槽10
の内部中央には棒状のタングステン製の陰極11が上方
から挿入されて固定され、この陰極11を電解槽10内
において取り囲むように円筒状のグラファイト製の陽極
12が設けられる。陰極11の下方には生成した金属ウ
ラン13を収納するための黒鉛製の容器14が図示しな
い固定手段により固定されて電解槽10の内底部に設け
られる。また電解槽10内には原料の酸化ウランを供給
する供給管16と、フッ化物溶融塩15の生成時に電解
槽の内底部に不活性ガスを吹込んで溶融塩を攪拌するこ
とによりウランの溶解を促進する攪拌用のガスパイプ1
7とがそれぞれ上方から挿入されて固定される。ガスパ
イプ17の先端部は容器14の下方にまで伸びている。
【0011】電解槽10の外側には誘導加熱コイル18
が設けられ、電解槽10は耐火れんが19上に載置され
る。陰極11、酸化ウランの供給管16、及びガスパイ
プ17はいずれも電解槽10の蓋21を貫通して電解槽
10内に挿入されて固定される。陽極12の上部にはこ
れを所定の位置に保持する保持手段22が取付けられて
おり、この保持手段22も蓋21を貫通して電解槽10
内に挿入されて固定される。
が設けられ、電解槽10は耐火れんが19上に載置され
る。陰極11、酸化ウランの供給管16、及びガスパイ
プ17はいずれも電解槽10の蓋21を貫通して電解槽
10内に挿入されて固定される。陽極12の上部にはこ
れを所定の位置に保持する保持手段22が取付けられて
おり、この保持手段22も蓋21を貫通して電解槽10
内に挿入されて固定される。
【0012】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を図面の装置に基づいて比較例とともに説明
する。 <実施例1>原料の酸化ウラン粉末を準備した。この酸
化ウラン粉末は流動層で脱硝して得たUO3を還元する
ことによって調製した未分級UO2粉末である。この酸
化ウラン粉末2.0kgと酸化ランタン(La203)
1.0kgをそれぞれ供給管16を通して電解槽10の
内底部に供給した。次に電解液のフッ化物溶融塩15を
生成するフッ化物を準備した。このフッ化物は74重量
%のBaF2と、11重量%のLiFと、15重量%の
UF4とからなる混合物19.75kgに、酸化ランタ
ンの溶解を容易にするためのLaF3を2kg加えたも
のである。上記装置の蓋21を取外した後、このフッ化
物を電解槽10内に供給した。このフッ化物は酸化ウラ
ン粉末の供給管16を利用して供給することもできる。
誘導加熱コイル18に通電して電解槽10を加熱し、1
200℃に維持した。これにより電解液のフッ化物溶融
塩15を生成した。フッ化物溶融塩15の生成時に電解
槽10の内底部にガスパイプ17から不活性ガスのアル
ゴン(Ar)ガスを毎分0.05ノルマルリットル(N
l/min)の流量で吹込んで溶融塩を攪拌し、酸化ウ
ラン及び酸化ランタンのフッ化物溶融塩への溶解を促進
した。
明の実施例を図面の装置に基づいて比較例とともに説明
する。 <実施例1>原料の酸化ウラン粉末を準備した。この酸
化ウラン粉末は流動層で脱硝して得たUO3を還元する
ことによって調製した未分級UO2粉末である。この酸
化ウラン粉末2.0kgと酸化ランタン(La203)
1.0kgをそれぞれ供給管16を通して電解槽10の
内底部に供給した。次に電解液のフッ化物溶融塩15を
生成するフッ化物を準備した。このフッ化物は74重量
%のBaF2と、11重量%のLiFと、15重量%の
UF4とからなる混合物19.75kgに、酸化ランタ
ンの溶解を容易にするためのLaF3を2kg加えたも
のである。上記装置の蓋21を取外した後、このフッ化
物を電解槽10内に供給した。このフッ化物は酸化ウラ
ン粉末の供給管16を利用して供給することもできる。
誘導加熱コイル18に通電して電解槽10を加熱し、1
200℃に維持した。これにより電解液のフッ化物溶融
塩15を生成した。フッ化物溶融塩15の生成時に電解
槽10の内底部にガスパイプ17から不活性ガスのアル
ゴン(Ar)ガスを毎分0.05ノルマルリットル(N
l/min)の流量で吹込んで溶融塩を攪拌し、酸化ウ
ラン及び酸化ランタンのフッ化物溶融塩への溶解を促進
した。
【0013】この状態において陰極11及び陽極12に
通電して電解還元を行うと、陰極11の表面に金属ウラ
ン及び金属ランタンが同時に析出した。析出した金属ウ
ランと金属ランタンは、フッ化物溶融塩よりも比重が大
きいために、陰極11の下端から落下して陰極の下方に
設置した容器14内に蓄積した。電解還元終了した後、
容器14を電解槽10から取り出し、分析した。その結
果、金属ランタンは金属ウランよりも比重が小さくまた
金属ウランと合金を形成しないため、金属ウラン13が
容器内底部に溜まり、金属ウラン13の上層が金属ラン
タン20で覆われていた。実施例1におけるその他の操
作条件及び得られた結果を下記の表1に示す。
通電して電解還元を行うと、陰極11の表面に金属ウラ
ン及び金属ランタンが同時に析出した。析出した金属ウ
ランと金属ランタンは、フッ化物溶融塩よりも比重が大
きいために、陰極11の下端から落下して陰極の下方に
設置した容器14内に蓄積した。電解還元終了した後、
容器14を電解槽10から取り出し、分析した。その結
果、金属ランタンは金属ウランよりも比重が小さくまた
金属ウランと合金を形成しないため、金属ウラン13が
容器内底部に溜まり、金属ウラン13の上層が金属ラン
タン20で覆われていた。実施例1におけるその他の操
作条件及び得られた結果を下記の表1に示す。
【0014】<実施例2>酸化ランタンを電解槽10に
供給した代わりに、電解還元前に容器14内に銅の粉粒
体を約120g入れ、かつフッ化物溶融塩中にLaF3
を加えない以外は、実施例1と同様にしてフッ化物溶融
塩15を電解還元した。電解還元終了した後、容器14
を電解槽10から取り出し、分析した。その結果、銅は
金属ウランよりも比重が小さくまた金属ウランと合金を
形成しにくいため、金属ウラン13が容器内底部に溜ま
っていた。実施例2におけるその他の操作条件及び得ら
れた結果を下記の表1に示す。
供給した代わりに、電解還元前に容器14内に銅の粉粒
体を約120g入れ、かつフッ化物溶融塩中にLaF3
を加えない以外は、実施例1と同様にしてフッ化物溶融
塩15を電解還元した。電解還元終了した後、容器14
を電解槽10から取り出し、分析した。その結果、銅は
金属ウランよりも比重が小さくまた金属ウランと合金を
形成しにくいため、金属ウラン13が容器内底部に溜ま
っていた。実施例2におけるその他の操作条件及び得ら
れた結果を下記の表1に示す。
【0015】<比較例1>フッ化物溶融塩中にLaF3
を加えずかつ電解槽10に酸化ランタンを供給しない以
外は、実施例1と同様にしてフッ化物溶融塩を電解還元
した。比較例1におけるその他の操作条件及び得られた
結果を下記の表1に示す。なお、表1において、「金属
ウランの電流効率」は電解中に陰極で生成し、採取され
た金属ウランの量から計算した値を意味する。
を加えずかつ電解槽10に酸化ランタンを供給しない以
外は、実施例1と同様にしてフッ化物溶融塩を電解還元
した。比較例1におけるその他の操作条件及び得られた
結果を下記の表1に示す。なお、表1において、「金属
ウランの電流効率」は電解中に陰極で生成し、採取され
た金属ウランの量から計算した値を意味する。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、実施例1及び実
施例2で生成した金属ウラン中の酸素濃度は、比較例1
のそれより5分の1から8分の1であり、実施例1及び
実施例2の金属ウランの方が比較例1の金属ウランより
酸素混入量が少ないことが判った。また金属ウランの電
流効率は比較例1と比べて、実施例1及び実施例2の方
が高かった。また実施例1、実施例2及び比較例1にお
ける金属ウラン中への酸化ウランの混入状況をエレクト
ロンプローブマイクロアナライザ(EPMA)でそれぞ
れ分析したところ、比較例1に比べて実施例1及び実施
例2ではこの混入量ははるかに少なかった。更に比較例
1の金属ウランの回収率は、実施例1及び実施例2の金
属ウランの回収率と比べて少なかった。これは実施例1
及び実施例2で金属ウランの上層に金属被膜が形成され
ていたのに対して、比較例1ではこうした金属被膜がな
く金属ウランが溶融塩中に再溶解したものと考えられ
る。
施例2で生成した金属ウラン中の酸素濃度は、比較例1
のそれより5分の1から8分の1であり、実施例1及び
実施例2の金属ウランの方が比較例1の金属ウランより
酸素混入量が少ないことが判った。また金属ウランの電
流効率は比較例1と比べて、実施例1及び実施例2の方
が高かった。また実施例1、実施例2及び比較例1にお
ける金属ウラン中への酸化ウランの混入状況をエレクト
ロンプローブマイクロアナライザ(EPMA)でそれぞ
れ分析したところ、比較例1に比べて実施例1及び実施
例2ではこの混入量ははるかに少なかった。更に比較例
1の金属ウランの回収率は、実施例1及び実施例2の金
属ウランの回収率と比べて少なかった。これは実施例1
及び実施例2で金属ウランの上層に金属被膜が形成され
ていたのに対して、比較例1ではこうした金属被膜がな
く金属ウランが溶融塩中に再溶解したものと考えられ
る。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、フ
ッ化物とともに所定の金属酸化物を電解槽に入れるか、
又は電解槽内の容器に所定の金属を入れておき、その後
でフッ化物溶融塩の電解還元を行うことにより、金属の
比重差により容器内底部には金属ウランが回収され、こ
の金属ウランの上にランタン、セリウム、ネオジム等の
フッ化物溶融塩中で安定な金属相が形成されるため、金
属ウランが原料の酸化ウランに接触しなくなることによ
り、酸素汚染の低減をもたらし、フッ化物溶融塩とも直
接接触しなくなる。その結果、金属ウランのフッ化物溶
融塩中への再溶解が阻止され、金属ウランの回収率が増
加し、電流効率も増加する優れた効果がある。
ッ化物とともに所定の金属酸化物を電解槽に入れるか、
又は電解槽内の容器に所定の金属を入れておき、その後
でフッ化物溶融塩の電解還元を行うことにより、金属の
比重差により容器内底部には金属ウランが回収され、こ
の金属ウランの上にランタン、セリウム、ネオジム等の
フッ化物溶融塩中で安定な金属相が形成されるため、金
属ウランが原料の酸化ウランに接触しなくなることによ
り、酸素汚染の低減をもたらし、フッ化物溶融塩とも直
接接触しなくなる。その結果、金属ウランのフッ化物溶
融塩中への再溶解が阻止され、金属ウランの回収率が増
加し、電流効率も増加する優れた効果がある。
【図1】本発明の方法を実施するのに用いる電解還元装
置の構成図。
置の構成図。
10 電解槽 11 陰極 12 陽極 13 金属ウラン 14 金属ウラン収容容器 15 フッ化物溶融塩 20 金属ランタン,銅(金属)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 和明 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭1002 番地の14 三菱マテリアル株式会社那珂エ ネルギー研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 陽極(12)及び陰極(11)を有する電解槽(1
0)内の前記陰極(11)の下方に容器(14)が設けられ、前記
電解槽(10)内でフッ化物溶融塩(15)中の酸化ウランを金
属ウラン(13)の融点以上の温度で電解還元して前記陰極
(11)の表面に金属ウラン(13)を析出させ、前記析出した
金属ウラン(13)を溶融塩との比重差により落下させて前
記容器(14)に収容する金属ウランの製造方法において、 前記電解還元する前に前記酸化ウランとともに金属酸化
物を前記電解槽(10)に入れ、 前記電解還元したときに前記金属酸化物が金属ウランよ
り比重が小さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又
は形成しにくい金属(20)を生成することを特徴とする金
属ウランの製造方法。 - 【請求項2】 金属酸化物が酸化ランタン、酸化セリウ
ム及び酸化ネオジムからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の酸化物である請求項1記載の金属ウランの製造
方法。 - 【請求項3】 陽極(12)及び陰極(11)を有する電解槽(1
0)内の前記陰極(11)の下方に容器(14)が設けられ、前記
電解槽(10)内でフッ化物溶融塩(15)中の酸化ウランを金
属ウラン(13)の融点以上の温度で電解還元して前記陰極
(11)の表面に金属ウラン(13)を析出させ、前記析出した
金属ウラン(13)を溶融塩との比重差により落下させて前
記容器(14)に収容する金属ウランの製造方法において、 前記電解還元する前に前記容器内に金属ウランより比重
が小さくかつ金属ウランと合金を形成しないか又は形成
しにくい金属(20)を前記電解槽(10)に入れることを特徴
とする金属ウランの製造方法。 - 【請求項4】 容器内に入れる金属(20)が銀、銅、ラン
タン、セリウム及びネオジムからなる群より選ばれた1
種又は2種以上の金属である請求項3記載の金属ウラン
の製造方法。 - 【請求項5】 フッ化物がフッ化リチウム、フッ化バリ
ウム、フッ化ウラン、フッ化ランタン、フッ化セリウム
及びフッ化ネオジムからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の化合物である請求項1ないし4いずれか記載の
金属ウランの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3760396A JPH09228089A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 金属ウランの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3760396A JPH09228089A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 金属ウランの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09228089A true JPH09228089A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12502158
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3760396A Withdrawn JPH09228089A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 金属ウランの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09228089A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017158335A1 (en) * | 2016-03-16 | 2017-09-21 | Scott Dr Ian Richard | Conversion of spent uranium oxide fuel into molten salt reactor fuel |
| WO2019150099A3 (en) * | 2018-02-03 | 2019-10-03 | Ian Richard Scott | Continuous reprocessing of spent nuclear fuel |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP3760396A patent/JPH09228089A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017158335A1 (en) * | 2016-03-16 | 2017-09-21 | Scott Dr Ian Richard | Conversion of spent uranium oxide fuel into molten salt reactor fuel |
| GB2563792A (en) * | 2016-03-16 | 2018-12-26 | Richard Scott Ian | Conversion of spent uranium oxide fuel into molten salt reactor fuel |
| JP2019508703A (ja) * | 2016-03-16 | 2019-03-28 | リチャード スコット,イアン | 使用済み酸化ウラン燃料の溶融塩原子炉燃料への転換 |
| US10622112B2 (en) | 2016-03-16 | 2020-04-14 | Ian Richard Scott | Conversion of spent uranium oxide fuel into molten salt reactor fuel |
| GB2563792B (en) * | 2016-03-16 | 2022-03-09 | Richard Scott Ian | Conversion of spent uranium oxide fuel into molten salt reactor fuel |
| WO2019150099A3 (en) * | 2018-02-03 | 2019-10-03 | Ian Richard Scott | Continuous reprocessing of spent nuclear fuel |
| CN111655905A (zh) * | 2018-02-03 | 2020-09-11 | 伊恩·理查德·斯科特 | 废核燃料的连续再处理 |
| CN111655905B (zh) * | 2018-02-03 | 2021-03-19 | 伊恩·理查德·斯科特 | 废核燃料的连续再处理 |
| US11211176B2 (en) | 2018-02-03 | 2021-12-28 | Ian Richard Scott | Continuous reprocessing of spent nuclear fuel |
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|---|---|---|---|
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