JPH09228144A - ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維

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JPH09228144A
JPH09228144A JP8069161A JP6916196A JPH09228144A JP H09228144 A JPH09228144 A JP H09228144A JP 8069161 A JP8069161 A JP 8069161A JP 6916196 A JP6916196 A JP 6916196A JP H09228144 A JPH09228144 A JP H09228144A
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JP
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parts
solution
polyurethane polymer
polyurethane
additive
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JP8069161A
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English (en)
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Makoto Kawamura
誠 川村
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
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Fujibo Holdings Inc
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維自体か有する本来の弾性的物性を損うこ
となく、抗菌,消臭性能を併せ持つポリウレタン弾性繊
維を得る。 【解決手段】 ポリウレタン重合体溶液中に抗菌剤−サ
イクロデキストリン包接物と、亜鉛,銅又はニッケルの
2価の金属塩から選ばれた平均粒径が5ミクロン以下の
無定形ケイ酸塩粉体を重量部比で1:1.5乃至1:1
0の範囲となるように混合し、該混合部がポリウレタン
重合体に対して5〜10重量%となるように混合し、該
ポリウレタン重合体溶液を紡糸してポリウレタン弾性繊
維を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のポリウレタン弾性繊
維は、ポリウレタン弾性繊維と他の繊維を用いて製造さ
れるコアスパンヤーンや、フィラメントツイストヤーン
等の被覆弾性糸及びポリウレタン弾性繊維と他の繊維を
用いた布帛並びに不織布等の繊維製品分野に利用可能に
してなるものであり、本発明は本来の弾性的性能以外に
抗菌,消臭性能を具備したポリウレタン弾性繊維を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】抗菌又は/及び消臭性能を繊維又は繊維
製品に付与させるため、これらの性能を具備した物質を
混入したり、加工処理する手段が従来より多数提案され
ている。例えば、これら性能を具備した物質を繊維中に
混入した例として、特開昭54−14720号には銅又
は銅化合物をアクリルニトリル系繊維中に混入させるこ
とが、特開平2−99606号には酸化亜鉛と二酸化ケ
イ素からなるケイ酸亜鉛微粒子をポリエステル繊維中に
混入させることが、又特開平3−59108号には無機
及び/又は有機ゲルマニウム化合物を合成繊維中に混入
させることが開示されている。
【0003】従来ポリウレタン弾性繊維に抗菌,消臭性
能を付与させる試みは全くなかったが、本出願人は抗
菌,消臭性能を具備したポリウレタン弾性糸について特
開平5−33217号で開示した。それは、ポリウレタ
ン重合体溶液に平均粒径が5ミクロン以下の抗菌剤を包
接した多孔質シリカマイクロカプセルと亜鉛,銅又はニ
ッケルの2価の金属塩から選ばれた無定形ケイ酸粉体を
重量部比1:5乃至1:10の範囲になるよう混合し、
該混合物がポリウレタン重合体に対して5〜10重量%
となるよう混合し、該溶液を紡糸して得られたポリウレ
タン弾性繊維である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先に開示した発明は、
ポリウレタン弾性繊維に抗菌,消臭性能を付与させるた
めに抗菌剤溶液に球状多孔質シリカを浸漬,乾燥した抗
菌剤を包接した多孔質マイクロカプセルを用いたもので
あるが、ポリウレタン重合体溶液に抗菌剤を包接した多
孔質シリカマイクロカプセルと無定形ケイ酸塩粉体を混
入する混合溶液を調整する時にマイクロカプセルの性質
上その取扱いに制限が多い。本発明者等は、繊維自体か
有する本来の弾性的物性を損うことなく、抗菌,消臭性
能を併せ持つポリウレタン弾性繊維を得ることを目的と
して、鋭意検討し新たな取扱いの容易な抗菌剤と消臭剤
の組合せを見出し本発明に到達した。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明は、ポリウレタン
重合体液中に抗菌剤−サイクロデキストリン包接物と、
亜鉛,銅又はニッケルの2価の金属塩から選ばれた平均
粒径が5ミクロン以下の無定形ケイ酸塩粉体を重量部比
で1:1.5乃至1:10の範囲となるように混合し、
該混合物がポリウレタン重合体に対して5〜10重量%
となるように混合し、該ポリウレタン重合体溶液を紡糸
して得られたポリウレタン弾性繊維に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリウ
レタン重合体溶液は、ポリエーテル系,ポリエステル系
又はポリエーテル・エステル系等の両末端に水酸基を有
する線状ポリヒドロキシ化合物と、過剰の有機ジイソシ
アネート化合物を反応させプレポリマーを得、これを実
質的に2個の活性な水素基を有する鎖伸長剤をジメチル
ホルムアミド、又はジメチルアセトアミドの極性溶剤中
で反応させ、次いで鎖停止剤で重合反応を停止させて得
られる、所謂柔かいセグメントと硬いセグメントからな
る実質的に線状のポリウレタン重合体溶液であり、特に
その原料や製造方法等は限定されるものではない。又、
該ポリウレタン重合体溶液を用いて本発明のポリウレタ
ン弾性繊維に成形する紡糸方法は、乾式,湿式紡糸法等
の公知の方法が採用される。そして、得られるポレウレ
タン弾性繊維の繊度は特に限定されるものではない。
又、ポリウレタン重合体溶液中に、通常用いられる酸化
チタン等の艶消剤,紫外線防止剤,酸化防止剤等を添加
することもできる。
【0007】本発明に用いられる抗菌剤−サイクロデキ
ストリン包接物とは、澱粉に酵素を作用して得られたブ
ドウ糖を構成物質とする環状オリゴ糖であるサイクロデ
キストリンの疎水性を示す空洞内に、抗菌剤物質を取り
込んだ包接化物質をいい、サイクロデキストリンとして
ブドウ糖が6個環状に結合したものがα−サイクロデキ
ストリン,7個がβ−サイクロデキストリン,8個がγ
−サイクロデキストリンとして知られている。脂溶性の
抗菌剤物質をサイクロデキストリンに包み込むのには抗
菌性能のある脂溶性物質であれば良いが、本発明では抗
菌剤としてヒノキオイルの脂溶性物質が好ましく、ヒノ
キオイルをサイクロデキストリンに効果的に包接させる
のにはβ−サイクロデキストリンが好適である。β−サ
イクロデキストリンの粉末の大きさはポリウレタン重合
体溶液に用いられる極性溶剤にヒノキオイルと共によく
溶解するから特にその粒径には制限がない。
【0008】又、本発明で用いられる亜鉛,銅又はニッ
ケルの2価の金属塩から選ばれた無定形ケイ酸塩粉体の
平均粒径は5ミクロン以下が特に繊維形成の過程から好
ましい。この金属塩の無定形ケイ酸塩粉体は、例えば特
開平2−265644号に開示されている方法によって
得られたものを乾燥して用いることができる。抗菌剤−
サイクロデキストリン包接物と上述の無定形ケイ酸塩粉
体との混合液を調整するとき、抗菌剤−サイクロデキス
トリン包接物は、そのポリウレタン重合体溶液に用いら
れる極性溶剤に溶解し、無定形ケイ酸塩粉体はその溶剤
に分散するので、極性溶剤で調整が容易であり、該調整
液のポリウレタン重合体溶液への添加注入も容易であ
る。
【0009】後述する実施例の記載から明らかな通り、
上記の抗菌剤−サイクロデキストリン包接物単独、又は
無定形ケイ酸塩粉体の単独では、抗菌及び消臭の効果が
低く、両者を混合して始めて本発明の効果が得られる。
ポリウレタン重合体(固形分)に対し、抗菌剤−サイク
ロデキストリン包接物と無定形ケイ酸塩粉体が重量部比
で1:1.5乃至1:10の範囲となるように混合調整
することが好ましい。1:1.5未満のときは、消臭効
果が劣り、1:10より比率が大であると抗菌効果があ
るが、紡糸調子に悪影響を及ぼす。また、ポリウレタン
重合体(固形分)に対する抗菌剤−サイクロデキストリ
ン包接物と、無定形ケイ酸塩粉体との合計の混合割合
は、5〜10重量%の範囲が好ましい。この範囲を外れ
ると抗菌と消臭の両性質のバランスが崩れ好ましくな
い。
【0010】ポレウレタン重合体溶液に抗菌剤−サイク
ロデキストリン包接物と無定形ケイ酸塩粉体を混合し紡
糸するには、上述の如く予めポリウレタン重合体溶液に
用いられた溶剤と同一の溶剤に添加して調整液を得、紡
糸直前にポリウレタン重合体溶液に該調整液を一定量ず
つ注入混合し紡糸する方法以外に、予めポリウレタン重
合体溶液の一部中に抗菌剤−サイクロデキストリン包接
物と無定形ケイ酸塩粉体を調整混合しておき、該調整液
を紡出直前に一定量ずつポリウレタン重合体溶液に注入
しながら紡糸する方法、又は紡糸するポリウレタン重合
体溶液中に抗菌剤−サイクロデキストリン包接物と無定
形ケイ酸塩粉体を添加しておき、該溶液を直接紡糸する
方法等いずれの方法をも採用できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。実施
例中の部はすべて重量部を示す。
【0012】ポリウレタン弾性繊維の繊度,強度,伸度
は日本化学繊維協会技術委員会,スパンデックス技術小
委員会,昭和53年10月発行の「ポリウレタンフィラ
メント糸試験方法」により測定した。
【0013】又、300%モジュラスは300%伸長時
における抗張力(g/d)を測定し求めた。消臭性能の
測定は、試料1g,3g,6gの中の任意の重量を選
び、5リットルのテドラーバック内に夫々アンモニア4
0ppm ,硫化水素15ppm の初発濃度に調整した臭気ガ
ス3リットルを満し、2時間後、6時間後の任意の時間
後のガス濃度を測定し、下式により消臭率を測定した。 消臭率(%)={(初期ガス濃度−残留ガス濃度)/
(初期ガス濃度)}×100
【0014】抗菌性能は、繊維製品衛生加工協議会の抗
菌防臭加工製品の加工効果評価マニュアルの菌数測定法
及びシェークフラスコ法にて測定した。その方法は次の
通りである。
【0015】菌数測定法 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO 1273
2)を試験菌体とし、これを予め普通ブイヨン培地で5
〜30×105 個/mlとなるよう培養調整し、試験菌懸
濁液とする。該懸濁液0.2mlを滅菌処理したネジ付バ
イアル瓶中の試料0.2gに均一に接種し、35〜37
℃,18時間静置培養後、容器中に滅菌緩衝生理食塩液
を20ml加え、手で振幅約30cmで25〜30回強く浸
盪して試験中の生菌を液中に分散させる。この分散菌液
より滅菌緩衝生理食塩液で希釈系列を作り、各階段の希
釈液1mlを各々滅菌シャーレに入れ、標準寒天培地の約
15ml混釈平板を作成(同一希釈につき平板2板を作
成)する。これを35〜37℃で24〜48時間培養し
た後、生育したコロニー数を計測し、その希釈倍数を乗
じて試料中の生菌数を算出した。希釈倍数は培養容器中
の菌分散液を基準としたもので、次式により算出した。 生菌数=コロニー数×20×希釈倍数 そして効果の判定は、無加工標準布と試料3検体の平均
菌数を基に
【数1】 の条件下で次式で増減値差を求め、1.6以上を抗菌効
果有りとした。
【0016】
【数2】
【0017】シェークフラスコ法 肺炎捍菌(Klebsiella pneumoniae IFO 13277)を試
験菌体として、これを予めブイヨン培地で1.5〜3×
108 個/mlとなるように培養調整し、リン酸緩衝液
(リン酸−カリウム34gを500mlの精製水に溶か
し、これに4%(w/v)水酸化ナトリウム水溶液を約
175ml加えて、pH7.2に調整後全量を1,000
mlとした保存液)で1,000倍に希釈し接種菌液とし
た。
【0018】200ml容ネジ口キャップ付三角フラスコ
に、リン酸緩衝液70mlを入れキャップをゆるく閉めた
後、オートクレーブで125℃、15分間湿熱滅菌し、
冷却後接種菌液5mlを加えて良く撹拌すると三角フラス
コ中の菌数は1〜2×104個/mlとなる。同様にして
準備した三角フラスコの任意の3本より菌1mlを採取
し、リン酸緩衝液で10倍希釈系列を作り標準寒天培地
を用いて混釈寒天平板を作成し35〜37℃で24〜4
8時間培養した後、生育したコロニー数を計測し、そ希
釈倍数を乗じて初発菌数(A)を算出した。
【0019】無加工標準布と加工試料を0.75g秤量
し、それぞれ3検体を試料とした。接種菌液を加えて準
備した三角フラスコに各試料を添加し、6検体同時にリ
ストアクション振盪機で回転数320〜340rpm,
60分間振盪培養した後、同様に菌液1mlを採取し、リ
ン酸緩衝液で10倍希釈系列を作り、標準寒天培地を用
いて混釈寒天平板を作成し、35〜37℃で24〜48
時間培養した後、生育したコロニー数を計測し、その希
釈倍数を乗じて試料それぞれの生菌数(B)を算出し
た。
【0020】効果の判定は、無加工標準布と試料3検体
の平均菌数を基に次式で減菌率を求め、空試験(リン酸
緩衝液と接種菌液のみで試験)の減菌率が±10%以内
で、無加工試料の減菌率が30%以下の条件下加工試料
と無加工試料の減菌率差26%以上を抗菌効果有りとし
た。 減菌率(%)={(A−B)/A}×100
【0021】〔実施例1〕平均分子量2,000のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール2,644部に対し
て、4,4´ジフェニルメタンジイソシアネート1,1
25部を反応容器に加え、N2 雰囲気下80〜90℃で
60分撹拌させてプレポリマーを合成した後、ジメチル
ホルムアミド6,215部で希釈し、溶剤希釈プレポリ
マーを得た。別に用意したジメチルホルムアミド12,
628部、エチレンジアミン112部、ジエタノールア
ミン14部の溶液を、この溶剤希釈プレポリマーに添加
注入撹拌反応して粘調な濃度25%ポリウレタン重合体
溶液を得た。
【0022】ヒノキオイルをサイクロデキストリン(塩
水港精糖株式会社製,商品名:デキシパールβ−10
0)に包接させた平均粒径180ミクロンのヒノキオイ
ル−β−サイクロデキストリン包接物(塩水港精糖株式
会社製,商品名:台湾ヒノキパウダー、以下添加剤Aと
略称する)1部と平均粒径2.2ミクロンの酸化亜鉛か
らなる無定形ケイ酸塩粉体(ラサ工業株式会社製,商品
名:シュークレンズKD−211,以下添加剤Bと略称
する)5部をジメチルホルムアミド19部に添加、撹拌
した。添加剤Aは溶解し、添加剤Bは分散した。この溶
液をポリウレタン重合体100部に対して添加剤AとB
の合計が5部の割合で混入されるよう紡糸直前にポリウ
レタン重合体溶液に添加した。該溶液を直径0.1mmの
孔径を有する孔数20個の紡糸口金より湿式紡糸し、市
販の仕上油剤で処理した140デニールのポリウレタン
弾性繊維(試料1)を得た。
【0023】比較の為に添加剤Aと添加剤Bを添加しな
いで紡糸し、140デニールのポリウレタン弾性繊維
(試料7)を得た。試料1と同様にして添加剤A1部と
添加剤B6部をジメチルホルムアミド18部に添加,撹
拌し、この溶液をポリウレタン重合体100部に対して
添加剤AとBの合計が6部の割合で混入されるように紡
糸直前に添加して140デニールのポリウレタン弾性繊
維(試料2)を得た。
【0024】又、添加剤A1部と添加剤B7部をジメチ
ルホルムアミド17部に添加,撹拌し、この溶液をポリ
ウレタン重合体100部に対して添加剤AとBの合計が
7部の割合で混入されるように紡糸直前に添加し、14
0デニールのポリウレタン弾性繊維(試料3)を得た。
【0025】又、添加剤A1部と添加剤B8部をジメチ
ルホルムアミド16部に添加,撹拌し、この溶液をポリ
ウレタン重合体100部に対して添加剤AとBの合計が
8部の割合で混入されるように紡糸直前に添加し、14
0デニールのポリウレタン弾性繊維(試料4)を得た。
【0026】又、添加剤A1部と添加剤B9部をジメチ
ルホルムアミド15部に添加,撹拌し、この溶液をポリ
ウレタン重合体100部に対して添加剤AとBの合計が
9部の割合で混入されるように紡糸直前に添加し、14
0デニールのポリウレタン弾性繊維(試料5)を得た。
【0027】又、添加剤A1部と添加剤B10部をジメ
チルホルムアミド14部に添加,撹拌し、この溶液をポ
リウレタン重合体100部に対して添加剤AとBの合計
が10部の割合で混入されるように紡糸直前に添加し、
140デニールのポリウレタン弾性繊維(試料6)を得
た。
【0028】試料1〜7の物性値を表1に示した。この
結果より試料7に比べて試料1〜6の物性値には差が認
められなかった。比較のために添加剤Aのみ5部をジメ
チルホルムアミド20部に添加,撹拌し、この溶液をポ
リウレタン重合体100部に対して添加剤Aが0.5部
及び1部になるように紡糸直前に添加の上、夫々湿式紡
糸し、140デニールのポリウレタン弾性繊維(試料8
及び試料9)を得た。
【0029】又、添加剤Bのみ10部をジメチルホルム
アミド15部に混合撹拌し、この溶液をポリウレタン重
合体100部に対して添加剤Bが2部及び4部になるよ
うに紡糸直前に添加の上、夫々湿式紡糸し、140デニ
ールのポリウレタン弾性繊維(試料10及び試料11)
を得た。試料8〜11を表1に示した。これらの物性値
は試料1〜7と差は認められなかった。
【0030】
【表1】
【0031】試料1〜11についてJIS L0217
−1995「繊維製品の取り扱いに関する表示用語及び
表示方法」2.2(1)洗い方番号103に基づいて洗
濯し、洗濯0回(加工初期)と洗濯10回後の抗菌性能
の試験をした結果を表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】又、試料1〜11の夫々6gについてアン
モニア,硫化水素に対する消臭性能試験を行いその結果
を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】表2,表3の結果より、添加剤A,添加剤
Bの両方の添加剤を混合添加したものは、添加剤AとB
を混入しなかった試料7に比べて抗菌・消臭性能が著し
く向上していることが明らかである。しかしながら、添
加剤Aのみ単独でポリウレタン重合体溶液に混合し、紡
糸して得たポリウレタン弾性繊維は、添加剤Aをポリウ
レタン重合体100部に対して1.0部混合した場合に
は抗菌性能が具備されるが、アンモニア及び硫化水素に
対する消臭性能が低い為、添加剤Aを単独で混合したの
みでは所望の抗菌,消臭効果を併せ持たせる目的を達成
せず、又、添加剤Bのみ単独でポリウレタン重合体溶液
に混合し紡糸して得たポリウレタン弾性繊維は抗菌性能
は具備されず、消臭性能も低く所望の目的が達成されな
いことが明らかであった。
【0036】〔実施例2〕平均分子量2,000のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール5,000部に対し
て4.4´−ジフェニルメタンジイソシアネート1,1
25部を反応容器に加え、N2 雰囲気下80〜90℃で
60分撹拌反応させてプレポリマーを合成した後ジメチ
ルアセトアミド6,125部で希釈し溶剤希釈プレポリ
マーを得た。別に用意したジメチルアセトアミド12,
628部、エチレンジアミン112部、ジエタノールア
ミン14部の混合溶液をこの溶剤希釈プレポリマーに添
加,撹拌反応して粘調な濃度30%のポリウレタン重合
体溶液を得た。
【0037】実施例1で用いた添加剤A0.5部と添加
剤B4.5部をジメチルアセトアミド15部に混合,撹
拌し、該溶液をポリウレタン重合体100部に対して、
添加剤AとBの合計が5.0部の割合で混入されるよう
紡糸直前に添加し、該溶液を直径0.25mmの孔数1の
紡糸口金より乾式紡糸し、公知の仕上剤処理をし、15
デニールのポリウレタン弾性繊維(試料12)を得た。
【0038】又、添加剤A1部と添加剤B4.5部をジ
メチルアセトアミド14.5部に混合,撹拌し、該溶液
をポリウレタン重合体100部に対して、添加剤AとB
の合計が5.5部の割合で混入されるよう紡糸直前に添
加し、15デニールのポリウレタン弾性繊維(試料1
3)を得た。
【0039】又、添加剤A2部と添加剤B4.5部をジ
メチルアセトアミド13.5部に混合,撹拌し、該溶液
をポリウレタン重合体100部に対して、添加剤AとB
の合計が6.5部の割合で混入されるよう紡糸直前に添
加し、15デニールのポリウレタン弾性繊維(試料1
4)を得た。
【0040】又、添加剤A3部と添加剤B4.5部をジ
メチルアセトアミド50部に混合,撹拌し、該溶液をポ
リウレタン重合体100部に対して、添加剤AとBの合
計が7.5部の割合で混入されるよう紡糸直前に添加
し、15デニールのポリウレタン弾性繊維(試料15)
を得た。
【0041】比較の為に添加剤A及び添加剤Bを添加せ
ずに濃度30%のポリウレタン重合体液を同様にして乾
式紡糸し、15デニールのポリウレタン弾性繊維(試料
16)を得た。得られた試料12〜16の物性値を表4
に示し、夫々の試料についての抗菌性能と消臭性能を実
施例1と同様に測定し、その結果を表5,表6に示し
た。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表4の結果により、試料12〜15は試料
16と比較し、添加剤Aと添加剤Bを添加したポリウレ
タン弾性繊維は無添加のポリウレタン弾性繊維の物性値
に較べて、何ら異常が認められない。表5,表6の結果
より、添加剤A,添加剤Bの両方の添加剤を添加したも
のは、試料16に比べて抗菌,消臭性能が著しく向上し
ていることが明らかである。
【0046】〔応用例〕実施例2で得た試料12,1
5,16のポリウレタン弾性繊維夫々を芯として、抗菌
消臭処理をしていないナイロンS撚り10デニール(5
フィラメント)を被覆したシングルカバードヤーン(以
下SCYと略称する)を製造し、試料17,18,19
を得た。同様にして試料12,15,16を用いて夫々
を芯として抗菌,消臭処理をしていないナイロンZ撚り
10デニール(5フィラメント)を被覆したSCYを製
造し、試料20,21,22を得た。
【0047】針数400本のパンティストッキング編立
機にS撚りSCY試料17とZ撚り試料20を交互に給
糸して回転数500rpmでパンティストッキング試料
23を得た。同様に試料18と21又試料19と22を
用いてパンティストッキング試料24,25を得た。
【0048】試料23,24,25を夫々プリセット機
にて80℃で10分間処理後、縫製し、更にドラム型染
色機にて、酸性染料(日本火薬株式会社製、Kayanol Na
vy Blue R ,Kayanol Red NB)を用いて、浴比1:2
0,酸性染料4.2%(o.w.f.),硫安3%(o.w.f.)
の浴中で90℃,30分間染色処理をした後、最終セッ
ト機で110℃,10秒間セットしパンティストッキン
グ試料26,27,28を得た。これらのパンティスト
ッキングはナイロン62.2%,ポリウレタン弾性繊維
37.8%であった。
【0049】試料26,27,28について夫々JIS
L0217−1995「繊維製品の取り扱いに関する
表示用語及び表示方法」2.2(1)洗い方番号103
に基づいて洗濯し、洗濯0回,10回後,20回後,3
0回後,40回後及び50回後の抗菌性能の試験を行
い、その結果を表7に示した。。又、試料26,27,
28夫々1g及び3gのアンモニア,硫化水素に対する
消臭性試験を行い、その結果を表8に示した。
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】これらの結果、本発明のポリウレタン弾性
繊維を用いたパンティストッキング製品において、抗
菌,消臭剤を添加しないものに比べて優れた効果がある
ことが明らかである。
【0053】
【発明の効果】上述の実施例から明らかなように、本発
明によればポリウレタン重合体溶液中に抗菌剤−サイク
ロデキストリン包接物と、亜鉛,銅又はニッケルの2価
の金属塩から選ばれた平均粒径5ミクロン以下の無定形
ケイ酸塩粉体を混合し、紡糸して得たポリウレタン弾性
繊維は抗菌剤−サイクロデキストリン包接物と無定形ケ
イ酸塩粉体の割合を重量部比で1:1.5〜1:1.
0、混合物質がポリウレタン重合体に対し合計で5〜1
0重量%の範囲でポリウレタン弾性繊維に中に混入され
ているので繊維自体の物理的性質を損うことなく繊維自
体に抗菌,消臭性能が充分具備され、本発明のポリウレ
タン弾性繊維を用いた繊維製品にも同様の効果が発揮さ
れる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先に開示した発明は、
ポリウレタン弾性繊維に抗菌,消臭性能を付与させるた
めに抗菌剤溶液に球状多孔質シリカを浸漬,乾燥した抗
菌剤を包接した多孔質マイクロカプセルを用いたもので
あるが、ポリウレタン重合体溶液に抗菌剤を包接した多
孔質シリカマイクロカプセルと無定形ケイ酸塩粉体を混
入する混合溶液を調整する時にマイクロカプセルの性質
上その取扱いに制限が多い。本発明者等は、繊維自体
有する本来の弾性的物性を損うことなく、抗菌,消臭性
能を併せ持つポリウレタン弾性繊維を得ることを目的と
して、鋭意検討し新たな取扱いの容易な抗菌剤と消臭剤
の組合せを見出し本発明に到達した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【数2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】200ml容ネジ口キャップ付三角フラス
コに、リン酸緩衝液70mlを入れキャップをゆるく閉
めた後、オートクレーブで125℃、15分間湿熱滅菌
し、冷却後接種菌液5mlを加えて良く撹拌すると三角
フラスコ中の菌数は1〜2×10個/mlとなる。同
様にして準備した三角フラスコの任意の3本より菌
mlを採取し、リン酸緩衝液で10倍希釈系列を作り標
準寒天培地を用いて混釈寒天平板を作成し35〜37℃
で24〜48時間培養した後、生育したコロニー数を計
測し、そ希釈倍数を乗じて初発菌数(A)を算出し
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】効果の判定は、無加工標準布と試料3検体
の平均菌数を基に次式で減菌率を求め、空試験(リン酸
緩衝液と接種菌液のみで試験)の減菌率が±10%以内
で、無加工試料の減菌率が30%以下の条件下加工試
料と無加工試料の減菌率差26%以上を抗菌効果有りと
した。 減菌率(%)={(A−B)/A}×100
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】〔実施例1〕平均分子量2,000のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール5,000部に対し
て、4,4´ジフェニルメタンジイソシアネート1,1
25部を反応容器に加え、N雰囲気下80〜90℃
で60分撹拌反応させてプレポリマーを合成した後、ジ
メチルホルムアミド6,215部で希釈し、溶剤希釈プ
レポリマーを得た。別に用意したジメチルホルムアミド
12,628部、エチレンジアミン112部、ジエタノ
ールアミン14部の溶液を、この溶剤希釈プレポリマー
に添加注入撹拌反応して粘調な濃度25%ポリウレタ
ン重合体溶液を得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】ヒノキオイルをサイクロデキストリン(塩
水港精糖株式会社製,商品名:デキシパールβ−10
0)に包接させた平均粒径180ミクロンのヒノキオイ
ル−β−サイクロデキストリン包接物(塩水港精糖株式
会社製,商品名:台湾ヒノキパウダー、以下添加剤Aと
略称する)1部と平均粒径2.2ミクロンの酸化亜鉛か
らなる無定形ケイ酸塩粉体(ラサ工業株式会社製,商品
名:シュークレンズKD−211,以下添加剤Bと略称
する)5部をジメチルホルムアミド19部に添加、撹拌
した。添加剤Aは溶解し、添加剤Bは分散した。この溶
液をポリウレタン重合体100部に対して添加剤AとB
の合計が5部の割合で混入されるよう紡糸直前にポリウ
レタン重合体溶液に添加した。該溶液を直径0.1mm
の孔径を有する孔数20個の紡糸口金より湿式紡糸し、
知の仕上油剤で処理した140デニールのポリウレタ
ン弾性繊維(試料1)を得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】試料1〜11についてJIS L0217
−1995「繊維製品の取り扱いに関する表示記号及び
表示方法」2.1.(1)洗い方番号103に基づいて
洗濯し、洗濯0回(加工初期)と洗濯10回後の抗菌性
能の試験をした結果を表2に示した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】〔実施例2〕平均分子量2,000のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール5,000部に対し
て4.4´−ジフェニルメタンジイソシアネート1,1
25部を反応容器に加え、N雰囲気下80〜90℃で
60分撹拌反応させてプレポリマーを合成した後ジメ
チルアセトアミド6,125部で希釈し溶剤希釈プレポ
リマーを得た。別に用意したジメチルアセトアミド1
2,628部、エチレンジアミン112部、ジエタノー
ルアミン14部の混合溶液をこの溶剤希釈プレポリマー
に添加,撹拌反応して粘調な濃度30%のポリウレタン
重合体溶液を得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】又、添加剤A3部と添加剤B4.5部をジ
メチルアセトアミド12.5部に混合,撹拌し、該溶液
をポリウレタン重合体100部に対して、添加剤AとB
の合計が7.5部の割合で混入されるよう紡糸直前に添
加し、15デニールのポリウレタン弾性繊維(試料1
5)を得た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】試料23,24,25を夫々プリセット機
にて80℃で10分間処理後、縫製し、更にドラム型染
色機にて、酸性染料(日本薬株式会社製、Kayan
olNavy Blue R,Kayanol Red
NB)を用いて、浴比1:20,酸性染料4.2%
(o.w.f.),硫安3%(o.w.f.)の浴中で
90℃,30分間染色処理をした後、最終セット機で1
10℃,10秒間セットしパンティストッキング試料2
6,27,28を得た。これらのパンティストッキング
はナイロン62.2%,ポリウレタン弾性繊維37.8
%であった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】試料26,27,28について夫々JIS
L0217−1995「繊維製品の取り扱いに関する
表示記号及び表示方法」2.1.(1)洗い方番号10
3に基づいて洗濯し、洗濯0回(加工初期),10回
後,20回後,30回後,40回後及び50回後の抗菌
性能の試験を行い、その結果を表7に示した。。又、試
料26,27,28夫々1g及び3gのアンモニア,硫
化水素に対する消臭性試験を行い、その結果を表8に示
した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【発明の効果】上述の実施例から明らかなように、本発
明によればポリウレタン重合体溶液中に抗菌剤−サイク
ロデキストリン包接物と、亜鉛,銅又はニッケルの2価
の金属塩から選ばれた平均粒径5ミクロン以下の無定形
ケイ酸塩粉体を混合し、紡糸して得たポリウレタン弾性
繊維は抗菌剤−サイクロデキストリン包接物と無定形ケ
イ酸塩粉体の割合を重量部比で1:1.5〜1:10
混合物質がポリウレタン重合体に対し合計で5〜10重
量%の範囲でポリウレタン弾性繊維に中に混入されてい
るので繊維自体の物理的性質を損うことなく繊維自体に
抗菌,消臭性能が充分具備され、本発明のポリウレタン
弾性繊維を用いた繊維製品にも同様の効果が発揮され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン重合体溶液中に抗菌剤−サ
    イクロデキストリン包接物と、亜鉛,銅又はニッケルの
    2価の金属塩から選ばれた平均粒径が5ミクロン以下の
    無定形ケイ酸塩粉体を重量部比で1:1.5乃至1:1
    0の範囲となるように混合し、該混合物がポリウレタン
    重合体に対して5〜10重量%となるように混合し、該
    ポリウレタン重合体溶液を紡糸して得られたポリウレタ
    ン弾性繊維。
JP8069161A 1996-02-28 1996-02-28 ポリウレタン弾性繊維 Pending JPH09228144A (ja)

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