JPH09229013A - マルチダイヤフラム構造体の製造法 - Google Patents

マルチダイヤフラム構造体の製造法

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JPH09229013A
JPH09229013A JP8031640A JP3164096A JPH09229013A JP H09229013 A JPH09229013 A JP H09229013A JP 8031640 A JP8031640 A JP 8031640A JP 3164096 A JP3164096 A JP 3164096A JP H09229013 A JPH09229013 A JP H09229013A
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幸久 武内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層せしめられるグリーンシート間における
積層剥離不良が惹起されることがなく、しかも打抜きや
ハンドリングによるダイヤフラム部の形状変形が惹起さ
れることのない、品質の良好なマルチダイヤフラム構造
体を安価に製造すること。 【解決手段】 貫通孔用孔4を形成した基板用グリーン
シート2に対して、セラミックス接着ペーストを、複数
の内部空所22の配列パターンに対応した複数の非印刷
部6が形成されるように印刷して、該複数の内部空所2
2が形成されるべき部位に該接着ペーストの存在しない
空所区画用接着層8を形成せしめ、更にその後、該空所
区画用接着層8上に、薄肉のダイヤフラム板18を与え
る薄肉のダイヤフラム板用グリーンシート10を積層し
て、加熱焼成することにより、一体化せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、多数のダイヤフラム部が、所定
の配列パターンにて、平面的に配列されてなる板状のマ
ルチダイヤフラム構造体の製造法に係り、特にディスプ
レイ等のマルチアクチュエータやセンサ用基板、更に
は、1個以上のダイヤフラム部を必要とする製品の多数
個取り製造に供する、多数個取り用基板に好適に用いら
れ得るマルチダイヤフラム構造体を有利に製造する方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、セラミックス基板の一方の側に
セラミックス製の薄肉のダイヤフラム板が一体的に積層
されて、それらの間に少なくとも一つの内部空所が独立
して形成されると共に、該内部空所に対応するダイヤフ
ラム板部分が薄肉のダイヤフラム部を構成している一
方、該内部空所を外部に連通せしめる少なくとも一つの
貫通孔がセラミックス基板に設けられてなるダイヤフラ
ム構造体が、各種センサやコンデンサの構成部材等とし
て用いられてきており、また、近年では、アクチュエー
タの構成部材としても注目を受けている。例えば、セン
サ構成部材として用いられる場合にあっては、そのよう
なダイヤフラム構造体のダイヤフラム部位が、測定すべ
き対象によって受ける屈曲変位乃至振動を適当な検出手
段にて検出するように構成され、またアクチュエータの
構成部材として用いられる場合にあっては、かかるダイ
ヤフラム構造体のダイヤフラム部位が、圧電/電歪素子
の如き、適当な作動素子によって変形せしめられて、該
構造体の内部に形成されている内部空所に圧力を生ぜし
めるようにして、用いられることとなる。
【0003】そして、そのようなダイヤフラム構造体
を、ディスプレイ等のマルチアクチュエータやマルチセ
ンサ、更にはマルチコンデンサ等の構成部材として用い
る場合において、更にまた、単一素子を有するコンデン
サやセンサを低コストに製造するために、多数個取り基
板で製造し、後工程で分割加工する場合においても、そ
の内部空所に対応する薄肉のダイヤフラム部を、相互に
独立した形態において、平面的に多数配列してなる、マ
ルチダイヤフラム構造体とする必要がある。また、その
ようなマルチダイヤフラム構造体の複数の内部空所に対
しては、それぞれを別個に外部に連通せしめる少なくと
も一つの貫通孔が、各内部空所に対して形成せしめられ
ることとなる。
【0004】ところで、セラミックス製のダイヤフラム
構造体は、一般に、複数のグリーンシートを積層して一
体焼成することにより製造され、その内部空所の形成の
仕方の違いにより、所謂、打抜き積層法と介装法とが知
られているが、上記したマルチダイヤフラム構造体にあ
っても、そのような公知の手法に従って製造することは
可能である。
【0005】すなわち、上記のマルチダイヤフラム構造
体を打抜き積層法にて製造する場合にあっては、所定の
配列パターンの複数の内部空所形成位置にそれぞれ設け
られた貫通孔を有するセラミックス・グリーンシートを
用いて、その上に、それぞれの内部空所に対応する複数
の窓部を打ち抜いてなるセラミックス・グリーンシート
を積層し、更にその上に、極薄のセラミックス・グリー
ンシートを積層せしめて、焼成することにより、一体化
せしめ、該窓部に対応した部位に位置する内部空所と、
それを外部から仕切るダイヤフラム部と、更にそれを外
部に連通せしめる貫通孔とからなるダイヤフラム単位の
複数をそれぞれ独立して形成し、以てそれらダイヤフラ
ム単位が所定パターンにて配列されてなるマルチダイヤ
フラム構造体が製造されることとなる。
【0006】また、介装法によれば、ベースとなるセラ
ミックス・グリーンシート上に、加熱により昇華乃至は
分解する物質からなる介装体を、印刷法にて複数の島状
に膜形成したり、或いは予めシート成形した当該物質か
らなる複数の切片を所定パターンにて載置した後、更に
その上に、極薄のセラミックス・グリーンシートを積層
し、そして焼成一体化することにより、前記物質を焼成
初期過程において、或いは独立して設けた脱脂工程にお
いて、消失せしめ、以て内部空所とそれを外部から仕切
るダイヤフラム部を有するダイヤフラム単位の複数を、
所定パターンにて形成している。
【0007】なお、上記の何れの方法の場合において
も、複数のセラミックス・グリーンシート間の積層面に
は、その少なくとも何れか一方のグリーンシート表面に
対して、該グリーンシートよりも多くのバインダや溶剤
を含み、加圧積層により潰れ易く、グリーンシート間の
一体化を促進する効果のあるセラミックスペースト(セ
ラミックス接着ペースト)が予め塗布され、それによっ
てそれらグリーンシートの積層、焼成一体化が促進せし
められるようになっている。
【0008】しかしながら、マルチダイヤフラム構造体
において、そのコンパクト化等の目的から、ダイヤフラ
ム単位を高密度に設けようとすると、上記した従来の方
法では、各種の問題が惹起されるようになる。
【0009】例えば、打抜き積層法においては、ダイヤ
フラム構造体の基板面積に占めるダイヤフラム部の面積
比率を大きくしようとすると、グリーンシートに対する
窓部の打ち抜きにおいて、隣接する窓部を接近させる必
要があり、そのため、窓部間の領域が細く(少なく)な
り、打抜き操作にて損傷し易くなる問題が惹起されるの
である。また、打ち抜き後の剛性が低いために、グリー
ンシートのハンドリング中に歪み変形して、良好なダイ
ヤフラム形状が得られないという問題も惹起される。更
に、大型のダイヤフラム構造体を製造するうえにおい
て、窓部打ち抜き後のグリーンシートが、そのハンドリ
ング中に歪み変形し易い問題があり、加えて、多数の窓
部を打ち抜くために、打抜き金型が高価となったり、或
いは金型製作期間が数カ月に及ぶ程、長期になったり、
またその製作が金型製造技術上、困難である等の問題も
内在しているのである。
【0010】また、介装法にあっては、ダイヤフラム構
造体における基板面積に占めるダイヤフラム部の面積比
率を大きくしようとすると、グリーンシート間に挟まれ
る介装体の量が必然的に多くなり、且つその昇華乃至は
分解によって発生するガスの圧力を支える介装体周りの
グリーンシートの接合面積が少なくなるところから、グ
リーンシートの積層剥離不良が出易くなる問題に加え
て、厚みを有する介装体をグリーンシート間でサンドイ
ッチするものであるところから、複数の介装体をそれら
の配設間隔を狭めて配設すると、介装体間に位置するグ
リーンシート間の積層(接合)一体化が困難となる問題
が惹起される。また、そのような厚みを有する介装体の
ために、グリーンシート積層体におけるダイヤフラム部
形成側の表面が、介装体配設部位においてエッジの立っ
た台形形状となるのであり、それによって、焼成後に得
られるダイヤフラム構造体の表面も極端な台形形状とな
って、フラットな表面形状或いはなだらかな曲率を持っ
たドーム形状の実現は困難なものであった。
【0011】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かくの如き事情
を背景にして為されたものであって、その主たる解決課
題とするところは、従来の打抜き積層法の如き、窓部を
打ち抜いたグリーンシートを使用することのない、また
従来の介装法の如き、介装体を用いることのない、新た
な積層法によるマルチダイヤフラム構造体の製造法を提
供することにあり、また他の課題とするところは、積層
せしめられるグリーンシート間における積層剥離不良が
惹起されることがなく、しかも、打抜きやハンドリング
によるダイヤフラム部の形状の変形が惹起されることの
ない、品質の良好なマルチダイヤフラム構造体を安価に
製造することにある。
【0012】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明は、セラミックス基板の一方の側にセラミックス製
の薄肉のダイヤフラム板が一体的に積層されて、それら
の間に、相互に独立した複数の内部空所が所定の配列パ
ターンにおいて形成されていると共に、該複数の内部空
所に対応する前記ダイヤフラム板部分がそれぞれ薄肉の
ダイヤフラム部を独立して構成している一方、該複数の
内部空所の各々に対して、該内部空所を外部に連通せし
める少なくとも一つの貫通孔を、前記セラミックス基板
に設けてなるマルチダイヤフラム構造体を製造するに際
し、前記セラミックス基板を与える基板用セラミックス
・グリーンシートを用い、前記貫通孔に対応する孔を該
基板用セラミックス・グリーンシートに形成する一方、
該基板用セラミックス・グリーンシートに対して、セラ
ミックス接着ペーストを、前記複数の内部空所の配列パ
ターンに対応する独立した複数の非印刷部が形成される
ように印刷して、該複数の内部空所が形成されるべき部
位に該接着ペーストの存在しない空所区画用接着層を形
成せしめ、更にその後、該空所区画用接着層上に、前記
薄肉のダイヤフラム板を与える薄肉のダイヤフラム板用
セラミックス・グリーンシートを積層して、加熱焼成す
ることにより、一体化せしめることを特徴とするマルチ
ダイヤフラム構造体の製造法を、その要旨とするもので
ある。
【0013】このような本発明に従う製造法によれば、
基板用セラミックス・グリーンシートに対するセラミッ
クス接着ペーストの印刷によって形成された、複数の内
部空所に対応する部位が非印刷部とされてなる空所区画
用接着層を介して、基板用セラミックス・グリーンシー
トとダイヤフラム板用セラミックス・グリーンシートと
が積層されて、焼成一体化せしめられることにより、か
かる空所区画用接着層の非印刷部が内部空所として形成
され、以てそのような内部空所の複数がセラミックス基
板とダイヤフラム板との間に存在せしめられると共に、
該複数の内部空所に対応するダイヤフラム板部位が、そ
れぞれ薄肉のダイヤフラム部として独立して構成される
ようになるのである。
【0014】このように、本発明においては、マルチダ
イヤフラム構造体における複数の内部空所を形成するた
めに、所定のセラミックス接着ペーストを用いた単なる
印刷操作にて、所定の空所区画用接着層を形成すれば足
り、従来の如く、内部空所に対応する窓部の複数を打ち
抜いたグリーンシートを用い、それを積層せしめる必要
は全くなく、また所定厚みを有する介装体の複数をグリ
ーンシート間に介在せしめて焼成する必要も、全くない
のである。
【0015】なお、かくの如き本発明に従うマルチダイ
ヤフラム構造体の製造法における有利な態様の一つによ
れば、前記接着ペーストの印刷によって形成される空所
区画用接着層は、焼成後の厚さが5〜50μmとなるよ
うな厚さにおいて、形成されることとなる。
【0016】また、上記した本発明に従う製造法の他の
有利な態様によれば、前記接着ペーストは、セラミック
ス粉末と溶媒とを含んで構成され、そしてその印刷によ
って形成される前記空所区画用接着層が、前記ダイヤフ
ラム板用セラミックス・グリーンシートの積層に先立っ
て、前記セラミックス粉末の100容量部に対して前記
溶媒が3〜10容量部の割合となるまで乾燥せしめられ
ることとなる。このように、空所区画用接着層を構成す
る接着ペーストを完全乾燥させることなく、溶媒がある
程度残存する状態において、基板用セラミックス・グリ
ーンシートとダイヤフラム板用セラミックス・グリーン
シートとを積層せしめることにより、それらグリーンシ
ートの一体化が、より効果的に促進され得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】要するに、本発明は、複数のダイ
ヤフラム部及びそれに対応する内部空所が、所定の配列
パターンにおいて、相互に独立して形成されてなるマル
チダイヤフラム構造体の製造に際して、積層一体化せし
められる二つのセラミックス・グリーンシートの間に、
セラミックス接着ペーストの印刷によって、所定の空所
区画用接着層を形成せしめ、そして焼成により、該空所
区画用接着層とその両側のグリーンシートとを一体的な
焼成体と為すと共に、該空所区画用接着層にて区画され
る空間、換言すれば独立した複数の非印刷部の存在によ
って、複数の内部空所が所定の配列パターンにおいて形
成されたマルチダイヤフラム構造体が実現されるように
したものであるが、そのような本発明に従うマルチダイ
ヤフラム構造体の製造手法の代表的な一例が、図1に示
されている。なお、そこでは、説明を容易とするため
に、内部空所が二つである構造の具体例として示されて
いる。
【0018】すなわち、かかる図1に示されるマルチダ
イヤフラム構造体の製造工程において、先ず、該マルチ
ダイヤフラム構造体を構成するセラミックス基板を与え
る基板用セラミックス・グリーンシート2が準備され
る。この基板用グリーンシート2の作製は、従来と同様
にして行なわれることとなる。即ち、所定のセラミック
ス材料に対して、従来と同様に、適当なバインダ、可塑
剤、分散剤、焼結助剤、有機溶媒等が配合されて、スラ
リー又はペーストが調製され、そしてそのようなスラリ
ーやペーストを用いて、ドクターブレード法、カレンダ
ー法、印刷法、リバースロールコーター法等の従来から
公知の手法に従って、所定厚みのシート状物が成形さ
れ、その後、必要に応じて、切断、切削、打ち抜き等の
加工を施したり、複数枚の積層を行なったりして、所定
の板形状及び厚さの成形物(基板用グリーンシート2)
とされるのである。
【0019】なお、この基板用グリーンシート2の厚さ
やその大きさは、目的とするマルチダイヤフラム構造体
の用途に応じて適宜に選定されるものであって、一義的
に規定することは困難であり、例えば、基板用グリーン
シート2の厚さは、マルチダイヤフラム構造体における
支持体としての機能を充分に発揮せしめ得るセラミック
ス基板を与え得るような厚さとされるものであり、一般
に50μm以上、好ましくは80μm〜200μm程度
の厚さのセラミックス基板を与え得るような厚さとされ
ることとなる。
【0020】また、かかる基板用グリーンシート2の作
製に用いられるセラミックス材料としては、公知の各種
のもののなかから、適宜に選択され得るものであるが、
一般に、ムライト、スピネル、炭化珪素、窒化珪素、コ
ージエライト、窒化アルミニウム、チタニア、ベリリ
ア、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、アルミ
ナ若しくはそれらの混合材料等が用いられ、特に、安定
化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、アルミナ若しく
はそれらの混合材料を主成分とする材料にて形成されて
いることが望ましく、更に、本発明者らが特開平5−2
70912号公報等において明らかにした如き、酸化イ
ットリウム等の化合物を添加せしめて、結晶相が主とし
て正方晶、若しくは立方晶、正方晶、単斜晶のうち、少
なくとも2種以上の結晶相からなる混晶とすることで、
部分安定化されたジルコニアを主成分とする材料が、特
に好ましく用いられる。更に、上記の材料の他にも、ガ
ラスセラミックス等のセラミックス材料を用いて、基板
用グリーンシート2を作製することも可能である。
【0021】そして、この準備された基板用グリーンシ
ート2に対して、各内部空所を外部に連通せしめるため
の少なくとも一つの貫通孔に対応する孔、換言すれば貫
通孔用孔4が、打ち抜き等の手段によって形成される。
なお、ここでは、貫通孔用孔4は、一つの内部空所に対
して一つ存在するように設けられているが、その数や大
きさは、必要に応じて適宜に選定されることとなる。従
って、一つの内部空所に対して二つ以上の貫通孔用孔4
が設けられていても、何等差支えないのである。
【0022】次いで、この貫通孔用孔4の形成された基
板用グリーンシート2に対して、その一方の側の面に、
所定のセラミックス接着ペーストを、マルチダイヤフラ
ム構造体における複数の内部空所の配列パターンに対応
した複数の非印刷部6が独立して形成されるように印刷
することによって、該複数の内部空所が形成されるべき
部位(6)に接着ペーストの存在しない空所区画用接着
層8が、所定厚さにおいて形成せしめられる。また、こ
こでは、空所区画用接着層8の印刷が、貫通孔用孔4の
形成の後に実施されているが、その順序は限定されるも
のでなく、該貫通孔用孔4の形成に先立って実施するこ
とが可能である。但し、貫通孔を打抜金型により形成す
る場合は、金型による接着層への汚損等を回避する上
で、上記順序の方が好ましい。
【0023】なお、このような空所区画用接着層8を印
刷形成するセラミックス接着ペーストは、従来のグリー
ンシート同士を接着するための接着ペーストと同様なも
のであって、所定のセラミックス粉末材料に、適当な溶
媒(一般に有機溶媒)を、接着されるべきグリーンシー
ト(2、10)よりも多量に配合せしめ、また必要に応
じてバインダや分散剤、焼結助剤等を適宜に配合せしめ
てなるものであり、そうして得られた接着ペーストが、
通常の印刷手法にて、基板用グリーンシート2上に印刷
せしめられて、空所区画用接着層8が形成されるのであ
る。勿論、この接着ペーストの印刷を2回に分け、かか
る空所区画用接着層8が2層にて構成されるようにする
ことは可能であるが、その場合において、1層目の印刷
を巾広く行ない、そして2層目の印刷のときに印刷の位
置ズレが生じても2層目が1層目からはみ出さないよう
にすることが望ましい。このような2回の印刷操作にお
いて、1層目と2層目の接着ペースト中のバインダ量や
溶媒量を同じとすることも、異ならしめることも、可能
である。
【0024】また、かかるセラミックス接着ペーストを
構成するセラミックス粉末は、接着せしめられるべきグ
リーンシート(2、10)と同様なセラミックス材料か
らなるものであることが望ましく、更に、かかるセラミ
ックスペーストを用いて印刷形成される空所区画用接着
層8の厚さとしては、目的とする大きさの内部空所が形
成されるように、適宜の厚さが選定されることとなる
が、一般に、焼成後の厚さが5〜50μmとなる厚さに
おいて形成されていることが望ましい。この空所区画用
接着層8の焼成後の厚さが、5μmよりも薄くなると、
基板用グリーンシート2とその上に積層されるダイヤフ
ラム板用グリーンシート(10)とがくっつき、有効な
内部空所の形成が困難となるのであり、また焼成後の厚
さが50μmを越えるような厚さの空所区画用接着層8
となると、その形状精度を維持することが困難となり、
形成される内部空所の形状がバラツク等の問題を惹起す
る。
【0025】さらに、このような空所区画用接着層8に
存在する、内部空所の配列パターンに対応する非印刷部
6の形状は、内部空所の形状に対応したものとされ、円
形、楕円形、矩形、多角形等の各種の平面形状におい
て、形成されることとなる。
【0026】そして、このようにして、空所区画用接着
層8が形成されてなる基板用グリーンシート2において
は、それに形成された貫通孔用孔4の少なくとも一つ
が、空所区画用接着層8の非印刷部6内に、それぞれ位
置したものとなるのである。
【0027】その後、基板用グリーンシート2上に所定
パターンで印刷形成された空所区画用接着層8は、それ
を構成する接着ペーストが多量の溶媒を含むものである
ところから、乾燥操作が施され、そしてその乾燥された
空所区画用接着層8上に、所定のダイヤフラム板用セラ
ミックス・グリーンシート10が、従来と同様にして積
層せしめられて、一体的な積層体12が形成される。な
お、この積層体12を得るために、基板用グリーンシー
ト2とダイヤフラム板用グリーンシート10とを重ね合
わせて得られる積層物は、加熱、加圧せしめられる。そ
して、その際の条件としては、一般に、温度:70〜1
00℃、圧力:10〜100kg/mm 2 、保持時間:
1〜3分程度が採用されることとなる。
【0028】なお、このような一体的な積層体12の形
成に際して、ダイヤフラム板用グリーンシート10の積
層に先立ち、基板用グリーンシート2上に形成された空
所区画用接着層8を完全乾燥させるのではなく、該空所
区画用接着層8を、それを構成する接着ペースト中のセ
ラミックス粉末の100容量部に対して、溶媒が3〜1
0容量部の割合で残るような状態に乾燥、所謂半乾燥せ
しめた後、ダイヤフラム板用グリーンシート10の積層
を行なうことが望ましく、そのような半乾燥状態の空所
区画用接着層8を介しての、基板用グリーンシート2と
ダイヤフラム板用グリーンシート10との積層により、
それらの間の積層一体化が有利に促進せしめられ得、以
て有効に焼成一体化されてなるマルチダイヤフラム構造
体を得ることが出来るのである。
【0029】また、ここで用いられるダイヤフラム板用
グリーンシート10は、基板用グリーンシート2と同様
な材料を用いて、同様な方法によって、形成され得るも
のであるが、特に、ダイヤフラム板用グリーンシート1
0を構成するセラミックス材料としては、基板用グリー
ンシート2材料として前述せるもののなかから、安定化
ジルコニア、部分安定化ジルコニア、アルミナ若しくは
それらの混合材料を主成分とする材料や、前記特開平5
−270912号公報に開示の如き、部分安定化された
ジルコニアを主成分とする材料が、特に好ましく使用さ
れる。そして、本発明において有効な、一体的なマルチ
ダイヤフラム構造体を得る上において、基板用グリーン
シート2を構成するセラミックス材料と接着ペースト
(空所区画用接着層8)を構成するセラミックス粉末と
ダイヤフラム板用グリーンシート10を構成するセラミ
ックス材料とは、同一種類、特に同一材質(成分組成)
のものが、有利に用いられることとなる。
【0030】さらに、かかるダイヤフラム板用グリーン
シート10の厚さは、目的とするマルチダイヤフラム構
造体における薄肉のダイヤフラム板にて与えられるダイ
ヤフラム部の厚さとなるように、適宜に選定されるもの
であるが、一般に、焼成後の厚さが50μm以下、好ま
しくは3〜20μm程度となるような厚さとされること
が望ましい。
【0031】その後、かくして得られた基板用グリーン
シート2とダイヤフラム板用グリーンシート10とを積
層一体化せしめてなる積層体12には、その端部を切り
落とす等の加工が施された後、該積層体12を構成する
セラミックス材料の通常の条件下において焼成操作が実
施され、以て一体化された焼成体、換言すればマルチダ
イヤフラム構造体14が形成されるのである。従って、
このときの焼成温度は、積層体12を構成するセラミッ
クス材料に応じて適宜に選定され、例えばジルコニア材
料の場合においては、一般に、1200〜1700℃程
度、好ましくは1300〜1600℃程度の温度が採用
されることとなる。なお、この焼成操作において、グリ
ーンシート2、10や接着層8から発生するガスや非印
刷部6内の気体は、貫通孔用孔4を通じて外部に排出せ
しめられ、積層構造に内部から無用の圧力がかからない
ようになっている。
【0032】そして、このようにして焼成一体化して得
られたマルチダイヤフラム構造体14にあっては、基板
用グリーンシート2から形成されたセラミックス基板1
6とダイヤフラム板用グリーンシート10から形成され
た薄肉のダイヤフラム板18とが、空所区画用接着層8
から形成される空所区画層20にて接合せしめられてな
る一体物構造を呈するものとなるのであり、そして、空
所区画用接着層8の非印刷部6によって、セラミックス
基板16とダイヤフラム板18との間に、相互に独立し
た複数の内部空所22が形成され、更に、該内部空所2
2に対応するダイヤフラム板18部位が、それぞれ独立
したダイヤフラム部24となっているのである。また、
そのような内部空所22は、それぞれ、基板用グリーン
シート2に形成された孔4にて与えられる貫通孔26を
通じて外部に連通せしめられており、この貫通孔26
が、内部空所22、更にはダイヤフラム部24に対する
作用孔となるのである。
【0033】要するに、かくの如くして得られたマルチ
ダイヤフラム構造体14は、セラミックス基板16の一
方の側にセラミックス製の薄肉のダイヤフラム板18が
一体的に積層され、そしてそれらの間に形成される空所
区画層20の存在にて、相互に独立した複数の内部空所
22が、所定の配列パターンにおいて形成されていると
共に、該複数の内部空所22に対応するダイヤフラム板
18部分が、それぞれ、薄肉のダイヤフラム部24を独
立して構成している一方、該複数の内部空所22の各々
をそれぞれ別個に外部に連通せしめる、少なくとも一つ
の貫通孔26が、セラミックス基板16に設けられてな
る構造を呈するものとなるのである。
【0034】そして、このようなマルチダイヤフラム構
造体14における複数の内部空所22の配列パターン
は、空所区画用接着層8の印刷パターンにて一義的に決
定されることとなるところから、そのような印刷パター
ンの任意の選択によって、非印刷部6、ひいては内部空
所22の形状を任意に選択し得ることは勿論、接着ペー
ストを用いた印刷が可能である限りにおいて、それら非
印刷部6(内部空所22)を可及的に近接せしめること
が可能となり、以て内部空所22の高密度配置が効果的
に実現せしめられ得、またセラミックス基板16とダイ
ヤフラム板18とが、接着層8にて与えられる空所区画
層20にて接合せしめられ、且つ発生するガスや気体も
貫通孔用孔4(貫通孔26)を通じて外部に排出せしめ
られるようになっているところから、それらセラミック
ス基板16とダイヤフラム板18との間の積層剥離不良
の問題も、全く惹起されることはないのである。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0036】先ず、セラミックス材料として、3モル%
イットリア添加部分安定化ジルコニア粉末を用いて、常
法に従って、厚さが185μmの基板用グリーンシート
2及び厚さが20μmのダイヤフラム板用グリーンシー
ト10を、それぞれ成形した。なお、グリーンシート用
スラリーの調製は、セラミックス材料の100容量部に
対して、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂と
可塑剤としてのフタル酸ジブチルとを合計量で60容量
部配合し、また必要に応じて、ソルビタン脂肪酸エステ
ル系分散剤を添加せしめ、更に溶媒としてのトルエン/
イソプロピルアルコール=50/50(容量比)混合物
の500容量部を配合せしめて、ボールミルにて50時
間混合せしめることにより、行なった。そして、そのよ
うにして得られたスラリーを脱泡した後、20000m
Pa・sとなるように粘度調整して、ドクターブレード
法により、基板用グリーンシート2を成形する一方、ダ
イヤフラム板用グリーンシート10の成形には、前記ス
ラリーを2000mPa・sとなるように粘度調整した
ものを用いて、リバースロールコーター法による成形操
作を採用した。
【0037】かくして得られた基板用グリーンシート2
に対して、打抜き金型を用いた打抜き操作にて、孔径:
500μmの円形の貫通孔用孔4を、図2に示される配
列パターンの如く、6×6配置において、36個形成し
た。
【0038】一方、上記グリーンシートの作製に用いた
ものと同じセラミックス材料を使用して、その100容
量部と、バインダとしてのポリビニルブチラール樹脂及
び可塑剤としてのフタル酸ジブチルの合計量での60容
量部と、溶媒としてのアセトンの600容量部と、溶媒
としての2−エチルヘキサノールの300容量部とを、
ボールミルにて10時間混合せしめることにより、セラ
ミックス接着ペースト用スラリーを調製した。次いで、
このスラリーを、真空乾燥機中において、80℃の温度
に保ち、溶媒としてのアセトン(一部は2−エチルヘキ
サノールを含む)を除去した後、らいかい機にて30分
間混練し、必要に応じて溶媒を添加して、粘度調整し
て、粘度が40000〜80000mPa・sの接着ペ
ーストを調製した。
【0039】そして、この得られた接着ペーストを用
い、図2の如く、貫通孔用孔4が打ち抜き成形された基
板用グリーンシート2に対して、図3に示される如く、
貫通孔用孔4の周りに、目的とする内部空所の配列パタ
ーンに対応する、独立した非印刷部6を与えるように、
スクリーン印刷により、該接着ペーストを印刷、塗布し
て、30μmの印刷膜厚を有する空所区画用接着層8を
形成した。なお、この空所区画用接着層8に存在する非
印刷部6は、直径が1000μm、ピッチが1250μ
mにて、36個配列されている。
【0040】次いで、この空所区画用接着層8が所定パ
ターンで印刷、塗布されてなる基板用グリーンシート
を、80℃の温度で、15分間乾燥せしめることによ
り、該接着層8中の溶媒量をセラミックス材料の100
容量部に対して、1〜10容量部の割合となるように低
下せしめた後、前記成形されたダイヤフラム板用グリー
ンシート10を、該接着層8上に重ね合わせ、温度:8
0℃、圧力:100kg/cm2 、保持時間:1分間の
条件下にて、積層一体化せしめて、積層体(12)とし
た後、1500℃の温度で2時間焼成を行ない、図4に
示される如き焼成体、即ち、マルチダイヤフラム構造体
14を得た。
【0041】なお、接着層8中の溶媒量は、通常の手法
では正確な測定が困難なので、以下の手法を用いた。即
ち、本発明の、空所区画用接着層8を印刷、塗布されて
なる基板用グリーンシートをクリーンオーブン中で加熱
し、溶媒を乾燥せしめる際に、別途、ルミラーシート上
へ同条件で上記接着層を印刷、塗布した乾燥量測定用ダ
ミーワークを作成した。そして、上記基板用グリーンシ
ートと同一条件下で上記ダミーワークを乾燥させ、上記
ダミーワーク中の初期溶媒含有量から、乾燥減量を差し
引くことで、残存溶媒量を算出し、その数値をもって、
基板用グリーンシートの接着層8中の溶媒量とした。上
記の値が、1容量部を下回る場合は、乾燥温度を下げる
ことが必要である。
【0042】このようにして得られたマルチダイヤフラ
ム構造体14は、セラミックス基板16の厚さ:150
μm、貫通孔26の孔径:400μm、ダイヤフラム板
18の厚さ:15μm、空所区画層20の厚さ:15μ
m、内部空所22の直径:800μm、内部空所22の
ピッチ:1000μmの寸法を有するものであり、その
ダイヤフラム板18の表面は、全体としてフラットであ
り、極端な台形形状は存在せず、またセラミックス基板
16とダイヤフラム板18との間も、空所区画層20に
て強固に接合されて、浸透探傷液を貫通孔26から空所
区画層20へ注入し、探傷液の充填範囲をダイヤフラム
板18側から透かして観察したが、それらの間の積層剥
離不良も全く認められない、品質の良好なものであっ
た。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うマルチダイヤフラム構造体の製造法によれば、そ
の内部に形成される複数の内部空所の配列パターンは、
接着ペーストの印刷パターンにて、容易に決定されるも
のであるところから、それら内部空所の高密度配置が可
能となるのであり、従来の打抜き積層法とは異なり、窓
部を打ち抜いたグリーンシートを使用するものではない
ところから、セラミックス基板面積に占めるダイヤフラ
ム部の面積比率が大きいマルチダイヤフラム構造体や、
大面積のマルチダイヤフラム構造体の製造に際しても、
打抜きやハンドリングによりダイヤフラム部の形状が変
形する等の問題が惹起されることがないのであり、また
高価な、或いは製作期間が数カ月に及ぶ打抜き金型の準
備や打抜き工数、更には窓部用グリーンシートの調製が
不要となり、目的とするマルチダイヤフラム構造体を安
価に製造することが可能となるのである。
【0044】また、本発明によれば、従来の介装法と比
較しても、介装体をサンドイッチして積層する必要がな
く、またその昇華乃至は分解ガスの圧力による積層剥離
不良の問題も、全く顧慮する必要がないところから、品
質の良好なマルチダイヤフラム構造体を安価に且つ容易
に製造し得るのであり、更には焼成後において、マルチ
ダイヤフラム構造体のダイヤフラム板側の面における介
装体に基因する台形形状も惹起されず、フラットな形状
を有利に実現し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うマルチダイヤフラム構造体の製造
法の代表的な一例を示す、工程説明図である。
【図2】実施例において、基板用グリーンシートに貫通
孔用孔を打ち抜き成形した形態を示す、平面説明図であ
る。
【図3】実施例において、基板用グリーンシートに対し
て、空所区画用接着層を印刷、塗布してなる形態を示
す、平面説明図である。
【図4】実施例において得られたマルチダイヤフラム構
造体を示す、一部切欠き平面説明図である。
【符号の説明】
2 基板用セラミックス・グリーンシート 4 貫通孔用孔 6 非印刷部 8 空所区画用接着層 10 ダイヤフラム板用セラミックス・グリーンシー
ト 12 積層体 14 マルチダイヤフラム構造体 16 セラミックス基板 18 ダイヤフラム板 20 空所区画層 22 内部空所 24 ダイヤフラム部 26 貫通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板の一方の側にセラミッ
    クス製の薄肉のダイヤフラム板が一体的に積層されて、
    それらの間に、相互に独立した複数の内部空所が所定の
    配列パターンにおいて形成されていると共に、該複数の
    内部空所に対応する前記ダイヤフラム板部分がそれぞれ
    薄肉のダイヤフラム部を独立して構成している一方、該
    複数の内部空所の各々に対して、該内部空所を外部に連
    通せしめる少なくとも一つの貫通孔を、前記セラミック
    ス基板に設けてなるマルチダイヤフラム構造体を製造す
    るに際し、 前記セラミックス基板を与える基板用セラミックス・グ
    リーンシートを用い、前記貫通孔に対応する孔を該基板
    用セラミックス・グリーンシートに形成する一方、該基
    板用セラミックス・グリーンシートに対して、セラミッ
    クス接着ペーストを、前記複数の内部空所の配列パター
    ンに対応する独立した複数の非印刷部が形成されるよう
    に印刷して、該複数の内部空所が形成されるべき部位に
    該接着ペーストの存在しない空所区画用接着層を形成せ
    しめ、更にその後、該空所区画用接着層上に、前記薄肉
    のダイヤフラム板を与える薄肉のダイヤフラム板用セラ
    ミックス・グリーンシートを積層して、加熱焼成するこ
    とにより、一体化せしめることを特徴とするマルチダイ
    ヤフラム構造体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記接着ペーストの印刷によって形成さ
    れる空所区画用接着層が、焼成後の厚さが5〜50μm
    となる厚さにおいて形成されている請求項1記載のマル
    チダイヤフラム構造体の製造法。
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