JPH09232131A - 酸化物超電導線材の巻線用スペーサ - Google Patents

酸化物超電導線材の巻線用スペーサ

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JPH09232131A
JPH09232131A JP8036676A JP3667696A JPH09232131A JP H09232131 A JPH09232131 A JP H09232131A JP 8036676 A JP8036676 A JP 8036676A JP 3667696 A JP3667696 A JP 3667696A JP H09232131 A JPH09232131 A JP H09232131A
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tape
winding
wire
spacer
sheath
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JP8036676A
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Katsumi Nomura
克己 野村
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Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物超電導線材の超電導特性を損なうこと
なく、過酷な熱処理に耐え得ると共に十分な絶縁特性を
有し、かつ、厚みの薄い酸化物超電導線材の巻線用スペ
ーサを提供するものである。 【解決手段】 金属被覆法によって作製される酸化物超
電導線材を巻線する際に、該酸化物超電導線材間に挿入
されると共に熱処理後に抜脱される酸化物超電導線材の
巻線用スペーサにおいて、融点が900℃以上、900
℃以下におけるAgに対する固溶限が0.3at%以
下、かつ、900℃における0.2%耐力が3MPa以
上の特性を有した材料でなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻線用スペーサに
係り、特に、Agシース法に代表される金属被覆法によ
り作製された酸化物超電導線材の巻線用スペーサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】金属被覆法(powder-in-tube method )
によって作製した酸化物超電導線材は、Nb3 Snを用
いた線材よりも高温で熱処理することが多いため、被覆
する金属と酸化物超電導体との化学反応が極めて重要な
問題となる。例えば、Bi-Sr-Ca-Cu-O 系酸化物超電導体
は、高温での化学反応性が高いため、酸化物超電導体が
AuおよびAgなどの貴金属以外のほとんどの金属と反
応し、酸化物超電導特性が劣化してしまう。このため、
酸化物超電導体との反応性を考慮に入れると、Agおよ
びAg合金、またはAuおよびAu合金を被覆金属とし
て選択することが多くなる。
【0003】酸化物超電導線材の一般的な熱処理は、熱
処理温度が800℃〜900℃と高く、かつ、酸素雰囲
気中で行われている。長尺線材などの場合、線材同士が
接触していると熱処理中に融着してしまうため、線材間
に適当な間隔をあけて疎に巻いたり、セラミックスペー
パ(例えば、アルミナペーパ)またはセラミックスファ
イバ編組(例えば、アルミナファイバやガラスファイバ
の編組)などの耐熱材料をスペーサとして線材間に挿入
するなどの対策をしている。
【0004】現在、酸化物超電導線材を用いた製品(例
えば、コイルなど)は、線材を巻いてから熱処理を行う
手法(いわゆるワインド&リアクト法)によって作製さ
れることが多い。しかし、このワインド&リアクト法に
おいても、酸素雰囲気中、かつ、高温度で熱処理を行う
ため、通常の有機物系絶縁材料を用いることができず、
セラミックスペーパまたはセラミックスファイバ編組な
どの耐熱材料をスペーサとして用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックスペーパまたはセラミックスファイバ編組などの耐
熱材料は、線材に対する拘束力が弱いため、熱処理中に
線材が火膨れなどの変形を起こしたり、巻線が弛み易い
という欠点を有している。例えば、Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-O系
超電導体のAgシーステープにおいては、熱処理中にテ
ープ線材の数箇所で火膨れを起こすことがあるため、熱
処理後におけるテープ線材のハンドリングや超電導特性
に悪影響を及ぼすことがある。また、ボビンにソレノイ
ド巻きした線材やコイルの場合、ボビンを立てて熱処理
すると、熱処理中に巻線が弛むことがあるため、線材同
士が融着や短絡を起こすという不都合が生じている。
【0006】セラミックスペーパを耐熱絶縁材料として
用いる場合、絶縁層の厚みを薄くすることができるとい
う利点を有しているが、熱処理後においてセラミックス
ペーパが非常に脆くなると共に、容易に欠け落ちるた
め、線材が短絡してしまうという欠点を有している。さ
らに、セラミックスペーパの機械的強さが低いと共に、
熱処理前における巻線時に線材に張力をかけることがで
きないため、線材を密に巻くことが難しい。
【0007】セラミックスファイバ編組を耐熱絶縁材料
として用いる場合、セラミックスファイバ編組がセラミ
ックスペーパとして比較して、機械的強さが高く、か
つ、絶縁性が良好であるため、線材を密に巻くことがで
きるという利点を有しているが、絶縁層の厚みが厚くな
るため、コイル導体の巻密度(線材占積率)を上げるこ
とができないと共に、磁界発生に必要なコイル電流密度
が低くなるという欠点を有している。
【0008】すなわち、前述したワインド&リアクト法
によって作製されるコイルや給電・送電用導体などの応
用製品においては、熱処理条件上、有機物系の絶縁材料
を用いることができないため、今後における酸化物超電
導線材の実用化にあたっては、酸化物超電導線材の超電
導特性を損なうことなく、過酷な熱処理(酸素雰囲気中
での高温処理)に耐え得ると共に十分な絶縁特性を有
し、かつ、厚みの薄い絶縁材料、または補強材(巻線用
スペーサ)が求められている。
【0009】そこで、本発明は、上記課題を解決し、酸
化物超電導線材の超電導特性を損なうことなく、過酷な
熱処理に耐えられると共に十分な絶縁特性を有し、か
つ、厚みの薄い酸化物超電導線材の巻線用スペーサを提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、金属被覆法によって作製される酸
化物超電導線材を巻線する際に、該酸化物超電導線材間
に挿入されると共に熱処理後に抜脱される酸化物超電導
線材の巻線用スペーサにおいて、融点が900℃以上、
900℃以下におけるAgに対する固溶限が0.3at
%以下、かつ、900℃における0.2%耐力が3MP
a以上の特性を有した材料でなるものである。
【0011】請求項2の発明は、NiまたはNi基合金
からなる請求項1記載の酸化物超電導線材の巻線用スペ
ーサである。
【0012】上記における数値の限定理由を以下に述べ
る。
【0013】融点を900℃以上に限定した理由は、融
点が900℃未満では、超電導線材の熱処理時に溶融す
るおそれがあるからである。
【0014】900℃以下におけるAgに対する固溶限
を0.3at%以下に限定した理由は、900℃以下に
おけるAgに対する固溶限が0.3at%より大きい場
合では、被覆金属であるAgへの拡散または化学反応が
起こり、超電導特性の低下を招くからである。
【0015】900℃における0.2%耐力を3MPa
以上に限定した理由は、900℃における0.2%耐力
が3MPa未満では、熱処理中の線材に生じる内圧(2
〜3MPa)に対する機械的強度が不足し、線材を密に
巻くことができないからである。
【0016】以上の構成によれば、酸化物超電導線材の
巻線用スペーサとして、融点が900℃以上、900℃
以下におけるAgに対する固溶限が0.3at%以下、
かつ、900℃における0.2%耐力が3MPa以上の
特性を有した材料を用いたため、酸化物超電導線材の超
電導特性を損なうことなく、過酷な熱処理に耐えられる
と共に十分な絶縁特性を有し、かつ、厚みの薄い酸化物
超電導線材の巻線用スペーサを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0018】本発明の巻線用スペーサは、金属被覆法に
よって作製された酸化物超電導線材同士の間に挿入して
設けられるものである。
【0019】本発明の巻線用スペーサの材料としては、
NiまたはNi基合金が挙げられる。このNiまたはN
i基合金としては、 鍛造Ni合金(例えば、Nickel 200、Nickel 201、
Nickel 270、Duranickel301、Monel 400 、Monel R-405
、Monel K-500 、Monel 502 、Inconel 600 、Inconel
625 、Inconel 671 、Inconel 690 、Incoloy 800 、I
ncoloy 801 、Incoloy 825 、DS Nickel 、Hastelloy B
-2 、Hastelloy C-4 、Hastelloy C-276、Hastelloy G
、Hastelloy G-3 、Hastelloy N 、Hastelloy S 、Has
telloy W、Hastelloy X など) 固溶型Ni基鍛造超合金(例えば、Hastelloy B 、
Hastelloy B-2 、Hastelloy C 、Hastelloy C-4 、Hast
elloy C-276 、Hastelloy N 、Hastelloy S 、Hastello
y W 、Hastelloy X 、Inconel 600 、Inconel 601 、In
conel 604 、Inconel 617 、Inconel 625 、NA-224、Ni
monic 75、RA-333など) 析出硬化型Ni基鍛造超合金(例えば、Astroloy、
D-979 、IN-100、IN-102、Incoloy 901 、Inconel 706
、Inconel 718 、Inconel 751 、Inconel X750、M25
2、Nimonic 80A 、Nimonic 90、Nimonic 95、Nimonic 1
00 、Nimonic 105 、Nimonic 115 、Nimonic 263 、Pyr
omet 860 、Refractory 26 、Rene´ 41 、Rene´ 95
、Rene´100、Udimet 500、Udimet 520、Udimet 630、
Udimet 700、Udimet 710、Uditemp AF2-1DA 、Waspaloy
など) Ni基超合金(例えば、B-1900、IN-100、IN-162、
IN-731、IN-738、IN-792、IN-939、Inconel 713 、Inco
nel 713LC 、M-22、MAR-M 200 、MAR-M 246 、MAR-M 24
7 、MAR-M 421 、MAR-M 432 、MC-102、Nimocast 75 、
Nimocast 80 、Nimocast 90 、Nimocast 242、Nimocast
263、NX 188(DS)、Rene´ 77 、Rene´ 80 、Rene´10
0、TAZ-8A、TRW-NASA VI A 、Udimet 500、Udimet 70
0、Udimet 710、WAZ-20(DS)など) 等が挙げられる。
【0020】本発明の巻線用スペーサの形状は、ロッド
状、テープ状、シート状のもの等が挙げられるが、特に
限定されるものではなく、酸化物超電導線材の形状およ
び巻き方によって適宜選択される。
【0021】本発明の巻線用スペーサの直径または厚さ
の下限は、酸化物超電導線材の熱処理条件下(酸素雰囲
気中、800〜900℃)において、巻線用スペーサの
表面に形成される酸化被膜の厚さは10〜15μmに達
し、巻線用スペーサの直径または厚さが25μm未満の
場合、巻線用スペーサ全体が酸化腐食して脆くなるた
め、25μm以上であることが望ましい。
【0022】また、巻線用スペーサの直径または厚さの
上限は、酸化物超電導線材の直径または厚さよりも大き
な直径または厚さを有した巻線用スペーサを用いた場
合、巻線時の酸化物超電導線材の占積率が低下するた
め、熱処理を施す酸化物超電導線材の直径または厚さと
同程度であることが望ましい。
【0023】本発明の巻線用スペーサの機械的強さが、
酸化物超電導線材の表面シースであるAgよりも低い場
合、熱処理中の線材の変形や巻線の弛みを拘束できない
ため、少なくとも、Agの機械的強さ(900℃におけ
るAgの0.2%耐力は1MPa程度)よりも高いこと
が必要である。
【0024】また、900℃における本発明の巻線用ス
ペーサの0.2%耐力は、熱処理中における酸化物超電
導線材に、2〜3MPaの内圧が発生することがあるた
め、3MPa以上であることが望ましい。
【0025】本発明の巻線用スペーサは、Y-Ba-Cu-O
系、Ln-Ba-Cu-O系(Lnはランタン系元素)、Bi-Pb-Sr
-Ca-Cu-O系、Tl-Pb-Ba-Sr-Ca-Cu-O 系、Hg-Ba-Sr-Ca-Cu
-O系等の全ての酸化物超電導体に対して適用可能であ
り、その種別を問わない。
【0026】また、本発明の巻線用スペーサは、金属被
覆法によって作製された酸化物超電導線材に対して適用
可能である。この酸化物超電導線材の被覆金属として、
(a) AgまたはAg合金、(b) AgまたはAg
合金の外側に、組成の異なるAg合金、他の金属、酸化
物、あるいは金属と酸化物との複合体を被覆したもの、
(c) AgまたはAg合金の内側に、組成の異なるA
g合金、他の金属、酸化物、あるいは金属と酸化物との
複合体を配置したもの、(d) AgまたはAg合金の
内部に、組成の異なるAg合金、他の金属、酸化物、あ
るいは金属と酸化物との複合体を配置したもの、(e)
AuまたはAu合金、(f) AuまたはAu合金の
外側に、組成の異なるAu合金、他の金属、酸化物、あ
るいは金属と酸化物との複合体を被覆したもの、(g)
AuまたはAu合金の内側に、組成の異なるAu合
金、他の金属、酸化物、あるいは金属と酸化物との複合
体を配置したもの、(h) AuまたはAu合金の内部
に、組成の異なるAu合金、他の金属、酸化物、あるい
は金属と酸化物との複合体を配置したもの、等が挙げら
れる。
【0027】また、本発明の巻線用スペーサを適用する
酸化物超電導線材の導体構造は、単芯構造のもの、多芯
構造のもの、単層構造のもの、多層構造のもの、あるい
はそれらを組み合わせたものまたは他のものと複合した
もの等というように特に限定されない。
【0028】また、本発明の巻線用スペーサを適用する
酸化物超電導線材の導体形状は、ロッド状のもの、テー
プ状のもの、パイプ状のもの、あるいはそれらを積層ま
たは複合したもの等というように特に限定されない。
【0029】
【実施例】
(実施例1)あらかじめ用意した(Bi,Pb) 2 Sr2 Ca2 Cu
3 X 酸化物超電導粉末を外径6mm、内径4mmのA
gパイプに充填した後、そのAgパイプに冷間で引抜き
加工を施して、外径1mmのAgシースロッド材を作製
した。次に、このAgシースロッド材に冷間圧延を施し
て、厚さ0.12mm、幅3mmのAgシーステープを
作製した。このAgシーステープを約2mの長さで9本
切り出し、それぞれを外径30mm、高さ5mmのAg
製ボビンに巻き付けた。この時、試料1−Aは、Ag製
ボビンとAgシーステープとの間およびAgシーステー
プ間にスペーサを何も挾まなかった。
【0030】試料1−Bは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てアルミナペーパ(厚さ70μm、幅4mm)を挾んで
巻き込んだ。
【0031】試料1−Cは、Agシーステープの外側に
スペーサとしてアルミナファイバ編組(厚さ0.5m
m)を被せて巻き込んだ。
【0032】試料1−Dは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てNiテープ(厚さ50μm、幅4mm)を挾んで巻き
込んだ。
【0033】試料1−Eは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てInconel 601 テープ(厚さ50μm、幅4mm)を挾
んで巻き込んだ。
【0034】試料1−Fは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てInconel 671 テープ(厚さ50μm、幅4mm)を挾
んで巻き込んだ。
【0035】試料1−Gは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てInconel 718 テープ(厚さ50μm、幅4mm)を挾
んで巻き込んだ。
【0036】試料1−Hは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てHastelloy C-276 テープ(厚さ50μm、幅4mm)
を挾んで巻き込んだ。
【0037】試料1−Iは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てHastelloy G テープ(厚さ50μm、幅4mm)を挾
んで巻き込んだ。
【0038】このようにして9本のパンケーキコイルを
作製した。次にこれら9本のパンケーキコイルに対し
て、840℃×20hrの熱処理を空気中で行った。そ
の後、これらの熱処理した9本のパンケーキコイルを圧
延加工する(Agシース(Bi,Pb) 2 Sr2 Ca2 Cu3 X
電導テープ線材は、熱処理と圧延加工を繰り返すことが
作製プロセスの特徴である。)ために解きほぐした。
【0039】Agシース(Bi,Pb) 2 Sr2 Ca2 Cu3 X
電導テープ線材を解きほぐした際における、線材同士の
融着、ハンドリング性、および線材の火膨れについて評
価した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、試料1−Aでは、Ag
製ボビンとAgシーステープ線材およびAgシーステー
プ線材同士が融着して解きほぐすことができず、さら
に、無理に解きほぐしたところAgシーステープ線材が
破断した。
【0042】試料1−Bでは、熱処理中にアルミナペー
パの一部が欠落し、その部分のAgシーステープ線材同
士が融着していた。また、融着していた部分のAgシー
ステープ線材を無理に解きほぐしたところ、Agシース
テープ線材に大きな歪みが加わって折れ曲がった。さら
に、Agシーステープ線材の一部に火膨れが見られた。
【0043】試料1−Cでは、Agシーステープ線材同
士の融着が無いため、パンケーキコイルの解きほぐしは
容易であったが、アルミナファイバ編組からAgシース
テープ線材を抜脱する際に、Agシーステープ線材の形
状が大きく崩れた。さらに、Agシーステープ線材の一
部に火膨れが見られた。
【0044】試料1−D〜1−Iでは、Agシーステー
プ線材同士の融着が無いため、パンケーキコイルを容易
に解きほぐすことができ、また、Agシーステープ線材
における火膨れも無く、健全な様子であった。この時、
Niテープ、Inconel 601 テープ、Inconel 671 テー
プ、Inconel 718 テープ、Hastelloy C-276 テープ、お
よびHastelloy G テープの表面には、黒い酸化被膜が形
成されていた。
【0045】すなわち、実施例1の実験結果から、Ni
テープ、Inconel 601 テープ、Inconel 671 テープ、In
conel 718 テープ、Hastelloy C-276 テープ、およびHa
stelloy G テープからなる巻線用スペーサを、酸化物超
電導テープ線材間に挿入することによって、酸化物超電
導テープ線材同士が融着せず、酸化物超電導テープ線材
と巻線用スペーサとが融着せず、さらに、酸化物超電導
テープ線材の火膨れを抑制することができる。
【0046】(実施例2)実施例1と同様にして、厚さ
0.12mm、幅3mmのAgシース(Bi,Pb)2 Sr2 Ca
2 Cu3 X テープを作製した。このAgシーステープを
約3mの長さで10本切り出し、それぞれを外径60m
m、内径50mm、高さ100mmのアルミナ製ボビン
に約6mmのピッチでソレノイドコイル状に2層巻き付
けた。この時、試料2−Aは、Agシーステープをアル
ミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層
間(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペ
ーサを何も巻き付けなかった。
【0047】試料2−Bは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてアルミナペーパ(厚さ70μm、幅4mm)を
約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0048】試料2−Cは、スペーサとしてアルミナフ
ァイバ編組(厚さ0.5mm)を被せたAgシーステー
プをアルミナ製ボビンに巻き付けた。
【0049】試料2−Dは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてNiテープ(厚さ50μm、幅4mm)を約3
mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0050】試料2−Eは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてInconel 600 テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0051】試料2−Fは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてInconel 604 ワイヤ(外径0.1mm)を密巻
きになるように約0.1mmのピッチで巻き付けた。
【0052】試料2−Gは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてInconel 617 テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0053】試料2−Hは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてHastelloy B-2 テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0054】試料2−Iは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてHastelloy N テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0055】試料2−Jは、Agシーステープをアルミ
ナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間
(1層目と2層目との間)および2層目の外側にスペー
サとしてHastelloy N テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を約3mmのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0056】このようにして10本のソレノイド巻きコ
イルを作製した。次にこれら10本のソレノイド巻きコ
イルを立てた状態で、840℃×20hrの熱処理を空
気中で行った。その後、これらの熱処理した10本のソ
レノイド巻きコイルを圧延加工する(Agシース(Bi,P
b) 2 Sr2 Ca2 Cu3 X 超電導テープ線材は、熱処理と
圧延加工を繰り返すことが作製プロセスの特徴であ
る。)ために解きほぐした。
【0057】Agシース(Bi,Pb) 2 Sr2 Ca2 Cu3 X
電導テープ線材を解きほぐした際における、巻線の弛
み、線材同士の融着、ハンドリング性、および線材の火
膨れについて評価した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表1に示すように、試料2−Aでは、熱処
理中に巻線が弛んだために巻線が垂れ落ちてAgシース
テープ線材同士が融着していた。融着していた部分のA
gシーステープ線材を無理に解きほぐしたところ、Ag
シーステープ線材は破断した。また、Agシーステープ
線材の一部に火膨れが見られた。
【0060】試料2−Bでは、熱処理中にアルミナペー
パの一部が欠落して、巻線が弛んだために巻線が垂れ落
ち、その部分のAgシーステープ線材同士が融着してい
た。また、融着していた部分のAgシーステープ線材を
無理に解きほぐしたところ、Agシーステープ線材に大
きな歪みが加わって折れ曲がった。さらに、Agシース
テープ線材の一部に火膨れが見られた。
【0061】試料2−Cでは、巻線が弛み垂れ落ちてい
たが、Agシーステープ線材同士の融着が無いため、ソ
レノイドコイルの解きほぐしは容易であった。しかし、
アルミナファイバ編組からAgシーステープ線材を抜脱
する際に、Agシーステープ線材の形状が大きく崩れ
た。さらに、Agシーステープ線材の一部に火膨れが見
られた。
【0062】試料2−D〜2−Jでは、巻線の弛みは見
られず、初期の形状を維持していた。また、Agシース
テープ線材同士の融着が無いため、ソレノイドコイルを
容易に解きほぐすことができ、さらに、Agシーステー
プ線材における火膨れも無く、健全な様子であった。こ
の時、Niテープ、Inconel 600 テープ、Inconel 604
ワイヤ、Inconel 617 テープ、Hastelloy B-2 テープ、
Hastelloy N テープ、およびHastelloy X テープの表面
には、黒い酸化被膜が形成されていた。
【0063】すなわち、実施例1の実験結果から、Ni
テープ、Inconel 600 テープ、Inconel 604 ワイヤ、In
conel 617 テープ、Hastelloy B-2 テープ、Hastelloy
N テープ、およびHastelloy X テープからなる巻線用ス
ペーサを酸化物超電導テープ線材間に挿入することによ
って、巻線用スペーサが大きな拘束力を有しているため
巻線が弛まず、酸化物超電導テープ線材同士が融着せ
ず、酸化物超電導テープ線材と巻線用スペーサとが融着
せず、さらに、酸化物超電導テープ線材の火膨れを抑制
することができる。
【0064】(実施例3)あらかじめ用意したBi2 Sr2
Ca1 Cu2 X 酸化物超電導粉末を外径6mm、内径5m
mのAgパイプに充填した後、そのAgパイプに冷間で
引抜き加工を施して、外径1mmのAgシースロッド材
を作製した。次に、このAgシースロッド材に冷間圧延
を施して、厚さ0.12mm、幅3mmのAgシーステ
ープを作製した。このAgシーステープを約3mの長さ
で5本切り出し、それぞれを外径30mm、高さ5mm
のAg製ボビンに巻き付けた。この時、試料3−Aは、
Ag製ボビンとAgシーステープとの間およびAgシー
ステープ間にスペーサを何も挾まなかった。
【0065】試料3−Bは、Ag製ボビンとAgシース
テープとの間およびAgシーステープ間にスペーサとし
てアルミナペーパ(厚さ70μm、幅4mm)を挾んで
巻き付けた。
【0066】試料3−Cは、Agシーステープの外側に
スペーサとしてガラスファイバ編組(厚さ0.5mm)
を被せて巻き込んだ。
【0067】試料3−Dは、Agシーステープ間にスペ
ーサとしてInconel 625 テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を挾んで巻き込んだ。
【0068】試料3−Eは、Agシーステープ間にスペ
ーサとしてHastelloy W テープ(厚さ50μm、幅4m
m)を挾んで巻き込んだ。
【0069】このようにして5本のパンケーキコイルを
作製した。次にこれら5本のパンケーキコイルを電気炉
によって、AgシースBi2 Sr2 Ca1 Cu2 X 超電導テー
プ線材に、特徴的な部分溶融−徐冷熱処理を空気中で行
った。すなわち、室温から884℃までを300℃/h
rの速度で昇温し、884℃で10min保持する。そ
の後、884℃から834℃までを5℃/hrの速度で
徐冷し、834℃で1hr保持した後、室温まで炉令す
る。
【0070】これらの熱処理した5本のパンケーキコイ
ルの諸元(線材長、コイル内径、コイル外径、ターン
数、線材占積率)を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表3に示すように、熱処理した5本のパン
ケーキコイルのうち、試料3−Aを除く4本は外観上の
問題は無かった。しかし、試料3−Aにおいては、Ag
シーステープ線材同士が熱処理によって融着して一体と
なっており、コイルとしての機能を果たさないことが確
認された。よって、以後の実験は、試料3−Aを除く4
本の試料3−B〜3−Eで行った。
【0073】4本のコイル(試料3−B〜3−E)のそ
れぞれの両端に、Agの電流リードを半田付けし、電圧
リードの間隔が2mになるような位置で電圧リード線を
コイルに半田付けした。次に、各コイルをそれぞれエポ
キシ樹脂中に含浸させ、これを評価用コイル試料とし
た。
【0074】評価は、通常の四端子法により、液体ヘリ
ウム(4.2K)中における臨界電流値(IC )の測定
を行った。しきい値は、1μV/cmとした。また、こ
の時のコイル中心の発生磁界をホール素子を用いて測定
した。この測定結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】表4に示すように、試料3−Bでは、計算
上、1,430Gの中心磁界を発生するはずであるが、
測定値は950Gしかなかった。そこで、試料3−Bを
分解して調査したところ、熱処理中または熱処理後にお
けるコイルのハンドリング中にアルミナペーパの一部が
欠落して、線材同士が短絡していることが判明した。試
料3−Cでは、ほぼ計算値通りの中心磁界(740G)
を発生しているが、線材占積率が小さい(11%)た
め、高い中心磁界が発生できないことが判明した。
【0077】試料3−Dおよび3−Eでは、ほぼ計算値
通りの中心磁界(それぞれ、1,490G、1,470
G)を発生しており、線材同士の短絡も無く、また、副
次的に十分な絶縁性を有していることが判明した。
【0078】すなわち、実施例3の結果から明らかなよ
うに、ワインド&リアクト法で作製したコイルに、Inco
nel 625 テープおよびHastelloy W テープで作製した巻
線用スペーサを用いることで、過酷な熱処理(高温、か
つ、酸素雰囲気)に耐え、十分な絶縁性を有し、かつ、
線材占積率が高い酸化物超電導線材を得ることができ
る。
【0079】(実施例4)巻線用スペーサの機械的強さ
を評価するために、試料として次の7種類のスペーサを
用いて実験を行った。
【0080】試料4−A:アルミナペーパ(厚さ70μ
m、幅10mm) 試料4−B:アルミナファイバ編組(厚さ0.5mm、
幅10mm) 試料4−C:Niテープ(厚さ50μm、幅10mm) 試料4−D:Niテープ(厚さ20μm、幅10mm) 試料4−E:Inconel 690 テープ(厚さ50μm、幅1
0mm) 試料4−F:Inconel 690 テープ(厚さ20μm、幅1
0mm) 試料4−G:Inconel 690 ワイヤ(外径0.3mm) それぞれの試料(試料4−A〜4−G)に、実施例3と
同様の熱処理を施し、熱処理した後の試料に対して引張
試験を行い、0.2%耐力(降伏応力)を測定した。こ
こで、評価として0.2%耐力を選択した理由は、0.
2%耐力値と酸化物超電導線材の超電導特性が劣化し始
める歪量とがほぼ一致するからである。すなわち、0.
2%耐力が大きなスペーサは、酸化物超電導線材の補強
材として適していることになる。引張試験の測定結果を
表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】表5に示すように、試料4−Aは、熱処理
によってスペーサが非常に脆くなっているため、0.2
%耐力値は測定不能であった。試料4−Bは、アルミナ
ファイバ編組が非常に伸び易いことから、小さい変位量
(歪量に相当)において0.2%耐力値は測定不能であ
った。
【0083】試料4−C〜4−Gでは、全ての試料の表
面に黒い酸化被膜が形成されているが、その内の試料4
−Dと試料4−Fでは、テープの厚みが薄かったことか
ら、テープ全体が酸化腐食されているため非常に脆くな
っており、0.2%耐力値は測定不能であった。試料4
−C、4−E、および4−Gでは、高い0.2%耐力値
が得られており、酸化物超電導線材の補強材として十分
な強度を有していることが判明した。
【0084】すなわち、実施例4の結果から明らかなよ
うに、Niテープ、Inconel 690 テープ、およびIncone
l 690 ワイヤからなる巻線用スペーサは、過酷な熱処理
(高温、かつ、酸素雰囲気)に耐えることができ、十分
な機械的強さを有し、酸化物超電導線材の補強材として
適しており、特に、ワインド&リアクト法で作製したコ
イルの巻線用スペーサに適している。
【0085】(実施例5)あらかじめ用意したBi2 Sr2
Ca1 Cu2 X 酸化物超電導粉末を外径6mm、内径5m
mのAg−0.015wt%Mg−0.015wt%Ni合金パイプに充
填した後、そのAgパイプに冷間で引抜き加工を施し
て、外径1mmのAgシースロッド材を作製した。次
に、このAgシースロッド材に冷間圧延を施して、厚さ
0.12mm、幅3mmのAg-Mg-Ni合金シーステープを
作製した。このAg-Mg-Ni合金シーステープを約3mの長
さで5本切り出し、それぞれを外径30mm、高さ5m
mのAg製ボビンに巻き付けた。この時、試料5−A
は、Ag-Mg-Ni合金シーステープ間にスペーサとしてアル
ミナペーパ(厚さ70μm、幅4mm)を挾んで巻き込
んだ。
【0086】試料5−Bは、Ag-Mg-Ni合金シーステープ
間にスペーサとしてInconel 706 テープ(厚さ50μ
m、幅4mm)を挾んで巻き込んだ。
【0087】試料5−Cは、Ag-Mg-Ni合金シーステープ
間にスペーサとしてInconel 751 テープ(厚さ50μ
m、幅4mm)を挾んで巻き込んだ。
【0088】試料5−Dは、Ag-Mg-Ni合金シーステープ
間にスペーサとしてHastelloy S テープ(厚さ50μ
m、幅4mm)を挾んで巻き込んだ。
【0089】試料5−Eは、Ag-Mg-Ni合金シーステープ
間にスペーサとしてHastelloy C-4テープ(厚さ50μ
m、幅4mm)を挾んで巻き込んだ。
【0090】このようにして5本のパンケーキコイルを
作製した。次にこれら5本のパンケーキコイルを電気炉
によって、Ag-Mg-Ni合金シースBi2 Sr2 Ca1 Cu2 X
電導テープ線材に、特徴的な部分溶融−徐冷熱処理を空
気中で行った。すなわち、室温から884℃までを30
0℃/hrの速度で昇温し、884℃で10min保持
する。その後、884℃から834℃までを5℃/hr
の速度で徐冷し、834℃で1hr保持した後、室温ま
で炉冷する。
【0091】これらの熱処理した5本のパンケーキコイ
ルの諸元(線材長、コイル内径、コイル外径、ターン
数、線材占積率)を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】次に、試料5−A〜5−Eのパンケーキコ
イルに対し、実施例3と同様の実験を行って、臨界電流
値と中心磁界を測定した。
【0094】試料5−Aでは、コイル内において線材同
士の短絡が生じており、計算値の半分程度しか中心磁界
が発生していなかった。試料5−B〜5−Eでは、ほぼ
計算値通りの中心磁界を発生しており、線材同士の短絡
も無く、また、副次的に十分な絶縁性を有していること
が判明した。
【0095】すなわち、実施例5の結果から明らかなよ
うに、ワインド&リアクト法で作製したコイルに、Inco
nel 706 テープ、Inconel 751 テープ、Hastelloy S テ
ープ、およびHastelloy C-4 テープで作製した巻線用ス
ペーサを用いることで、過酷な熱処理(高温、かつ、酸
素雰囲気)に耐え、十分な絶縁性を有し、かつ、線材占
積率が高い酸化物超電導線材を得ることができる。
【0096】(実施例6)あらかじめ用意したTl2 (Ba,
Sr) 2 Ca2 Cu3 X 酸化物超電導粉末を外径6mm、内
径4mmのAu−5wt%Pdパイプに充填した後、そのA
u−5wt%Pdパイプに冷間で引抜き加工を施して、外径
1mmのAu-Pd 合金シースロッド材を作製した。次に、
このAu-Pd 合金シースロッド材に冷間圧延を施して、厚
さ0.12mm、幅3mmのAu-Pd 合金シーステープを
作製した。このAu-Pd 合金シーステープを約3mの長さ
で6本切り出し、それぞれを外径60mm、内径50m
m、高さ100mmのアルミナ製ボビンに約6mmのピ
ッチでソレノイドコイル状に2層巻き付けた。この時、
試料6−Aは、Au-Pd 合金シーステープをアルミナ製ボ
ビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻きの層間(1層
目と2層目との間)および2層目の外側にスペーサとし
てアルミナペーパ(厚さ70μm、幅4mm)を約3m
mのピッチで挾んで巻き込んだ。
【0097】試料6−Bは、Au-Pd 合金シーステープを
アルミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻き
の層間(1層目と2層目との間)および2層目の外側に
スペーサとしてNiワイヤ(外径0.1mm)を密巻き
になるように約0.1mmのピッチで巻き付けた。
【0098】試料6−Cは、Au-Pd 合金シーステープを
アルミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻き
の層間(1層目と2層目との間)および2層目の外側に
スペーサとしてInconel X750ワイヤ(外径0.1mm)
を密巻きになるように約0.1mmのピッチで巻き付け
た。
【0099】試料6−Dは、Au-Pd 合金シーステープを
アルミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻き
の層間(1層目と2層目との間)および2層目の外側に
スペーサとしてHastelloy B ワイヤ(外径0.1mm)
を密巻きになるように約0.1mmのピッチで巻き付け
た。
【0100】試料6−Eは、Au-Pd 合金シーステープを
アルミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻き
の層間(1層目と2層目との間)および2層目の外側に
スペーサとしてHastelloy C ワイヤ(外径0.1mm)
を密巻きになるように約0.1mmのピッチで巻き付け
た。
【0101】試料6−Fは、Au-Pd 合金シーステープを
アルミナ製ボビンに巻き付けると共に、ソレノイド巻き
の層間(1層目と2層目との間)および2層目の外側に
スペーサとしてHastelloy G-3 ワイヤ(外径0.1m
m)を密巻きになるように約0.1mmのピッチで巻き
付けた。
【0102】このようにして6本のソレノイド巻きコイ
ルを作製した。次にこれら6本のソレノイド巻きコイル
を立てた状態で、870℃×10hrの熱処理を酸素雰
囲気中で行った。その後、これらの熱処理した6本のソ
レノイド巻きコイルを圧延加工する(Au-Pd 合金シース
Tl2 (Ba,Sr) 2 Ca2 Cu3 X 超電導テープ線材は、熱処
理と圧延加工を繰り返すことが作製プロセスの特徴であ
る。)ために解きほぐした。
【0103】その結果、試料6−Aでは、アルミナペー
パの一部が欠落し、熱処理中に巻線が弛んだために巻線
が垂れ落ちてAu-Pd 合金シーステープ線材同士が融着し
ていた。融着していた部分のAu-Pd 合金シーステープ線
材を無理に解きほぐしたところ、Au-Pd 合金シーステー
プ線材に大きな歪みが加わって折れ曲がった。
【0104】試料6−B〜6−Fでは、巻線の弛みは見
られず、初期の形状を維持していた。また、Au-Pd 合金
シーステープ線材同士の融着が無いため、ソレノイドコ
イルを容易に解きほぐすことができた。この時、Niワ
イヤ、Inconel X750ワイヤ、Hastelloy B ワイヤ、Hast
elloy C ワイヤ、Hastelloy G-3 ワイヤの表面には、黒
い酸化被膜が形成されていた。
【0105】すなわち、実施例6の実験結果から、Ni
ワイヤ、Inconel X750ワイヤ、Hastelloy B ワイヤ、Ha
stelloy C ワイヤ、およびHastelloy G-3 ワイヤからな
る巻線用スペーサを酸化物超電導テープ線材間に挿入す
ることによって、巻線用スペーサが大きな拘束力を有し
ているため巻線が弛まず、酸化物超電導テープ線材同士
が融着せず、酸化物超電導テープ線材と巻線用スペーサ
とが融着しない。
【0106】本実施例においては、巻線用スペーサの巻
き方としてソレノイド巻きとパンケーキ巻きの2種類を
用いたが、巻き方はこれに限定されるものではない。
【0107】また、本発明の巻線用スペーサを金属被覆
法により作製した酸化物超電導線材に用いることによっ
て、コイル、または給電・送電用導体に応用することが
できる。
【0108】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0109】(1) 本発明の巻線用スペーサを、Ag
シース法に代表される金属被覆法により作製される酸化
物超電導線材間に挿入することによって、熱処理中に線
材の変形がなく、かつ、巻線の弛みのない健全な酸化物
超電導線材を得ることができる。
【0110】(2) 本発明の巻線用スペーサを、ワイ
ンド&リアクト法において用いることにより、超電導特
性が劣化せず、かつ、機械的強度に優れた高性能なコイ
ルまたは給電・送電用導体を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属被覆法によって作製される酸化物超
    電導線材を巻線する際に、該酸化物超電導線材間に挿入
    されると共に熱処理後に抜脱される酸化物超電導線材の
    巻線用スペーサにおいて、融点が900℃以上、900
    ℃以下におけるAgに対する固溶限が0.3at%以
    下、かつ、900℃における0.2%耐力が3MPa以
    上の特性を有した材料でなることを特徴とする酸化物超
    電導線材の巻線用スペーサ。
  2. 【請求項2】 NiまたはNi基合金からなる請求項1
    記載の酸化物超電導線材の巻線用スペーサ。
JP8036676A 1996-02-23 1996-02-23 酸化物超電導線材の巻線用スペーサ Pending JPH09232131A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001057888A1 (fr) * 1998-07-23 2001-08-09 Iwate Tokyo Wire Works, Ltd. Cable supraconducteur recouvert
JP2002510849A (ja) * 1998-04-03 2002-04-09 バクームシュメルツェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト 高温超伝導条導体の製造プロセスで使用される被覆方法
JP2006165342A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Tohoku Univ 超伝導コイルの製造方法

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