JPH09232235A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子

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JPH09232235A
JPH09232235A JP8029112A JP2911296A JPH09232235A JP H09232235 A JPH09232235 A JP H09232235A JP 8029112 A JP8029112 A JP 8029112A JP 2911296 A JP2911296 A JP 2911296A JP H09232235 A JPH09232235 A JP H09232235A
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JP
Japan
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thin film
semiconductor thin
microcrystalline silicon
photoelectric conversion
film
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Application number
JP8029112A
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English (en)
Inventor
Kimihiko Saito
公彦 齊藤
Nobuyuki Ishiguro
信行 石黒
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Shin Fukuda
福田  伸
Yoshinori Ashida
芳徳 芦田
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、基板、第一の電極、第一の
ドープ型半導体薄膜、実質的に真性な半導体薄膜、第二
のドープ型半導体薄膜、第二の電極の構成からなる積層
して形成されたシリコン太陽電池において、実質的に真
性な半導体薄膜が、結晶子を含む非晶質からなり、かつ
当該結晶子が柱状もしくは円錐状に集合して構成される
相をその中に有する微結晶性シリコン半導体薄膜により
構成されることを特徴とする光電変換素子。 【効果】 本発明で示される微結晶性シリコン半導体
を真性層に適用した結果、従来に比べ、特に開放端電圧
の改善により太陽電池特性が向上し、かつ光安定性が極
めて向上した、優れた特性の太陽電池が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン太陽電池
をはじめとするシリコン半導体素子の高性能化に関し、
特に、シリコン太陽電池等の光電変換素子の高変換効率
化および高信頼性化に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン太陽電池は電卓や時計を駆動す
るための、出力の小さいエネルギー供給源としてすでに
実用化されている。しかしながら、電力用に用いる出力
の大きいエネルギー供給源としては、未だ満足させる性
能に到達せず、性能向上をめざして、各種の検討が実施
されている。非晶質シリコンを用いた太陽電池の光電変
換効率は開放端電圧、短絡光電流ならびに曲線因子の積
で表され、各種の検討の結果、短絡光電流ならびに曲線
因子については、特定した非晶質半導体の物性から推算
される理論的予想値に近い結果、例えば短絡光電流では
19mA/cm2、曲線因子では、0.78という結果が報告されて
いる。また、開放端電圧は光電変換素子を構成する各層
の材料物性を考慮した場合に推算される電圧に近い値が
得られている。
【0003】しかしながら、これら非晶質シリコンを用
いた太陽電池は、光照射により変換効率が低下するとい
う問題を有しており、特に短絡光電流の大きいものほ
ど、この劣化の度合いは大きい。このような現状と理論
的結果から、電力用途を目指した、高変換効率でかつ高
信頼性の非晶質光電変換素子を開発していくには、構成
各層の欠陥を結晶性の材料に近づけるのが第一の課題で
あるが、各種、多くの検討の結果、材料欠陥を極端に減
少させる技術の開発・進捗等は飽和傾向にあるのが現状
である。
【0004】一方、高変換効率化に対し、狭バンドギャ
ップを有する真性半導体層を適用した単一の真性半導体
層を持つ光電変換素子や、バンドギャップの異なる、真
性半導体層を有する素子をモノリシックにかつ連続的に
積層形成したタンデム型光電変換素子があり、特に、こ
のタンデム型積層構造光電変換素子は、真性半導体層が
比較的薄く設計できるために、耐光性の点においても改
善されることが見出され、高変換効率かつ高信頼性の光
電変換素子の構造として、多くの研究が報告されてい
る。特に、真性半導体層のバンドギャップの変更につい
ては、狭バンドギャップ化に重点が置かれており、非晶
質シリコン中の結合水素量を制御する成膜方法等の成膜
技術の適用や、ゲルマニウム等の異種の元素を添加す
る、一般に称されている化合物半導体と同様の方法によ
り形成された材料が、先に述べた狭バンドギャップ真性
半導体層や、タンデム型積層構造光電変換素子の真性半
導体層に適用されている。しかしながら、これらの材料
は、材料中の欠陥量が大幅に増加するため、素子特性と
しては理論から予想される値を大きく下回り、また、光
安定性についても何等改善されていない。
【0005】また、実効的に狭バンドギャップであるシ
リコン材料として、微結晶性を有するシリコン半導体が
あり、非晶質シリコンに比べ光安定性に優れるため、近
年有望視されている材料である。しかしながら、これら
の材料は欠陥が多く、また、バンドギャップが結晶シリ
コン程度の大きさしかないため、開放端電圧が非晶質シ
リコンの場合に比べ極端に小さく、よって変換効率の小
さいものしか得られていない。例えば、欠陥密度に関
し、非晶質シリコンと微結晶シリコンでは、ESRによ
るスピン密度が1桁程度増大し( Philos.Mag.B,48,431
(1983) )、このため、微結晶性シリコン半導体を真性
層に用いた単一の真性半導体層を持つ太陽電池において
は、高々1〜2%程度のものしか得られていなかった。
【0006】近年、スイスのNeuchatel 大学のグループ
は、VHFプラズマCVD法という、特殊なCVD法に
より、変換効率を4.6 %程度まで向上させることに成功
したとする。しかしながら、0.39V 程度の開放端電圧し
か得られておらず( App l.Phys.Lett.65(7)860(1994)
)、非晶質シリコンカーバイトp層の適用や、p/i界
面層の導入によって開放端電圧は0.60〜0.78V 程度まで
向上したものの、曲線因子が大きく低下し、変換効率は
結局低下する結果であった( Proc.23rd IEEE PVSC 2,83
9(1993) )。このため、微結晶性シリコン半導体を非光
入射側の真性層に用いたタンデム型積層構造変換素子に
おいては、1.13V の低開放端電圧である、9.1 %の初期
変換効率が得られるに過ぎなかった( Proc. IEEE 1st W
CPEC1,409(1994) )。
【0007】さらに、当該報告では、VHFプラズマC
VD法を用いているものの、水素希釈量が高くなる為、
微結晶性シリコン膜の成膜速度が0.09nm/sec程度しかな
く、また、一般的にRFプラズマCVDを用いた場合、
さらに成膜速度が0.01〜0.05nm/secと低下してしまう為
に生産性において大変不利になるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積層構造光
電変換素子の、実質的に真性な半導体薄膜層に、微結晶
性シリコン膜を適用し、特に短絡光電流、曲線因子を著
しく低下させることなく、開放端電圧、成膜速度を改善
することによる光電変換素子の変換効率向上、および光
安定性、生産性を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下の技術的事項により特定される。 (1) 結晶子を含む非晶質からなり、かつ、該結晶子
が、柱状もしくは円錐状に集合して構成される相をその
中( 該非晶質中 )に有することを特徴とする微結晶性シ
リコン半導体薄膜。 (2) 結晶子を含む非晶質からなり、かつ、該結晶子
が、柱状もしくは円錐状に集合して構成される相をその
中( 該非晶質中 )に有し、さらに、該非晶質中に該結晶
子が、単一結晶子として分散していることを特徴とする
微結晶性シリコン半導体薄膜。 (3) 結晶分率が5〜80%である(1)または(2)
に記載の微結晶性シリコン半導体薄膜。 (4) 結晶子サイズが2〜1000nmの結晶子である
(1)〜(3)の何れかに記載の微結晶性シリコン半導
体薄膜。 (5) 結晶子サイズが5〜80nmの結晶子である(4)
記載の微結晶性シリコン半導体薄膜。 (6) 分子内にシリコンを有する化合物を体積濃度に
して0.01〜100 %になるよう水素で希釈した混合ガスを
原料として行うRFプラズマCVD法による(1)〜
(5)の何れかに記載の微結晶シリコン半導体薄膜を形
成する方法であって、基板より膜厚2〜100nm の実質的
に真性な半導体薄膜を成膜速度0.01〜0.1nm/秒で形成
し、引き続き、実質的に真性な半導体薄膜を成膜速度0.
1 〜2nm /秒で形成することを特徴とする微結晶性シリ
コン半導体薄膜製造方法。 (7) (1)〜(5)の何れかに記載の微結晶性シリ
コン半導体薄膜を用いた半導体素子。 (8) 半導体素子が光電変換素子である(7)記載の
素子。 (9) 基板、第一の電極、第一のドープ型半導体薄
膜、実質的に真性な半導体薄膜、第二のドープ型半導体
薄膜、第二の電極の構成からなる、積層して形成される
光電変換素子において、該実質的に真性な半導体薄膜が
微結晶性シリコン半導体薄膜である(8)記載の光電変
換素子。 (10) p型のドープ型半導体薄膜と実質的に真性な
微結晶性シリコン半導体薄膜との間にさらに非晶質シリ
コンカーバイト薄膜を有する(9)記載の光電変換素
子。 (11) 二つのpin型半導体積層構造を積層したタ
ンデム型光電変換素子であって、実質的に真性な半導体
薄膜層( i 層 )が非晶質シリコン半導体薄膜であるpi
n型半導体積層構造(A)と、実質的に真性な半導体薄
膜層( i 層 )が(1)〜(5)の何れかに記載の微結晶
性シリコン半導体薄膜であるpin型半導体積層構造
(B)とを、ABなる構成で直列に積層した構造を有
し、かつ光入射側にAを有するタンデム型積層構造光電
変換素子。 (12) タンデム型積層構造光電変換素子であって、
pin型半導体積層構造(B)のp型のドープ型半導体
薄膜と、該実質的に真性な微結晶性シリコン半導体薄膜
との間に、非晶質シリコンカーバイト薄膜をさらに有す
る(11)記載のタンデム型積層構造光電変換素子。 (13) タンデム型積層構造光電変換素子であって、
二つの実質的に真性な半導体薄膜層の間に存在するn型
のドープ型半導体薄膜が微結晶性シリコン半導体薄膜で
ある(11)または(12)記載のタンデム型積層構造
光電変換素子。
【0010】
【発明の実施の形態】従来の非晶質半導体に比べ狭バン
ドギャップである材料を光電変換素子に適用する検討に
おいては、微結晶性シリコンを単一の真性半導体層を持
つ光電変換素子や、特にタンデム型積層構造光電変換素
子の真性半導体層に適用することが試みられている。し
かしながら、これらの材料は欠陥が多く、また、バンド
ギャップが結晶シリコン程度の大きさしかないため、短
絡光電流は大きいものの、曲線因子、開放端電圧が非晶
質シリコンの場合に比べ極端に小さく、よって変換効率
の小さいものしか得られていない。また、これら微結晶
シリコン材料は、例えばRFプラズマCVDを用いた場
合、結晶分率が100 %近い従来材料を成膜するには水素
希釈量が高くなり、よって成膜速度が0.01〜0.05nm/秒
と低下してしまう為に生産性において大変不利になると
いう問題があった。そこで、本発明者らは、鋭意検討し
た結果、微結晶性シリコン半導体を真性層に用いた太陽
電池特性、特に開放端電圧および光劣化特性が、実質的
に真性な層である微結晶性シリコン半導体薄膜の結晶子
分布・構造に強く依存していることを見い出した。ま
た、当該微結晶シリコン膜の形成条件が、0.1nm /秒以
上の成膜速度で実現可能であることを見いだし、RFプ
ラズマCVDを用いた従来技術に比べ生産性の改善が見
込めることを見いだした。
【0011】即ち高開放端電圧化には、実質的に真性な
微結晶性シリコン薄膜内に、結晶子サイズ2〜1000nm、
より好ましくは結晶子サイズ5〜80nmの結晶子が集合し
て構成される柱状もしくは円錐状の相、および、少なく
とも20%程度の非晶質相が必要であることを見いだし、
また、この微結晶性シリコン薄膜内の構成は、結晶相の
低光劣化、および、高開放端電圧化にともなう真性層内
の高電界化により、従来非晶質シリコン、微結晶性シリ
コンを真性層に用いた太陽電池に比べ、光劣化抑制に有
効であることを見いだした。
【0012】本発明でいう結晶子とは、非晶質中に観察
される単結晶粒のことであり、透過型顕微鏡像等で容易
に確認することができる。本発明における微結晶性シリ
コン半導体薄膜は、結晶子を含む非晶質からなり、か
つ、該結晶子が、柱状もしくは円錐状に集合して構成さ
れる相をその中( 非晶質中 )に有することを特徴とする
ものであり、これは、本発明者らにより初めて見いださ
れた新規な構造なのである。
【0013】かかる微結晶性シリコン薄膜の断面構造の
概念図を〔図1〕に示す。ここで、10は基板、20は
非晶質半導体薄膜( または非晶質相 )、30は結晶子、
40は結晶子集合相である。すなわち、結晶子30を含
む非晶質20からなり、かつ、該結晶子30が、柱状も
しくは円錐状に集合して構成される相40をその中(非
晶質中 )に有していることがわかる。これら柱状もしく
は円錐状の微結晶子集合相40は、必ずしも完全な柱状
様態、円錐状様態である必要はなく、また、これらを合
成、複合または混合した形状を有していてもなんら本発
明を妨げるものではない。
【0014】また、本発明の薄膜は、結晶子を含む非晶
質からなり、かつ、該結晶子が、柱状もしくは円錐状に
集合して構成される相をその中( 該非晶質中 )に有し、
さらに、該非晶質中に該結晶子が、単一結晶子として分
散していてもよい、とされているとおり、該微結晶性シ
リコン薄膜内のこの非晶質( 非晶質相 )は、その中に単
一の結晶子を分散した状態で含んでいてもよい。上記し
た概念図で示された構造については、透過型顕微鏡像等
で容易に確認することができる。
【0015】なお、注意すべきことは、本発明の微結晶
性シリコン半導体薄膜においては、結晶分率が高々80
%、好ましくは5〜80%であり、基本的に、かなりの非
晶質相が必ず存在することが特徴であり、従来知られて
いる、微結晶膜とは明確に区別されるものである。例え
ば、前記したNeuchatel Univ. が報告している膜の結晶
化率は本発明に比較して遙に高く、90〜100 %であるこ
とに注目されたい。
【0016】本発明にかかる微結晶性シリコン薄膜の形
成方法、特に微結晶性シリコン薄膜における、この柱状
もしくは円錐状の結晶子集合相の形成方法は、基本的に
は、分子内にシリコンを有する化合物を体積濃度にして
0.01〜100 %になるよう水素で希釈した混合ガスを原料
としたRFプラズマCVD法により連続成膜するもので
ある。より好ましくは、その際、基板より膜厚2〜100n
m の薄い厚みの実質的に真性な半導体薄膜を成膜速度0.
01〜0.1nm /秒の遅い速度でまず形成し、引き続き、残
りの実質的に真性な半導体薄膜を、より大きい成膜速度
0.1 〜2nm /秒で形成するものである。これは、該微結
晶性シリコン膜の初期形成過程において、成膜速度を遅
くして、表面への結晶子生成エネルギーが高めることに
よって、柱状もしくは円錐状の結晶子集合相形成の起点
核を容易に生成することができるためである。かくし
て、その後の微結晶性シリコン膜形成において、0.1nm
/秒以上の速い成膜速度においても容易に結晶子および
柱状もしくは円錐状の結晶子集合相が再現良く形成可能
となるものと推定される。我々は、さらに、これらの起
点核上に成長する結晶子は、概して起点核となる結晶子
より大きいサイズとなり、これらが集合することによ
り、さらに結晶に近い性質を得ることが可能であること
を見いだしたのである。
【0017】これら具体的な作製方法としては、好まし
くは、分子内にシリコンを有する化合物を体積濃度にし
て0.01〜100 %になるよう水素で希釈した混合ガスを原
料としたRFプラズマCVD法により、基板より膜厚2
〜100nm の初期膜を成膜速度0.01〜0.1nm /秒で形成
し、これを初期形成膜として、該微結晶性シリコン半導
体薄膜を成膜速度0.1 〜2nm /秒で作製するものであ
る。
【0018】本発明の該微結晶性シリコン半導体薄膜に
おいては、好ましくは、結晶分率が5〜80%であるもの
であり、さらに好ましくは、結晶子サイズが2〜1000nm
の結晶子であり、さらに好ましくは、結晶子サイズが5
〜80nmの結晶子であるものである。
【0019】さらに、高開放端電圧化に対し、該初期形
成膜においては、結晶子サイズ20〜50nm、かつ、暗導電
率1×10-11 〜1×10-7S/cmを有する膜で構成
されることが有効であり、より好ましくは、これら当該
微結晶性シリコン半導体薄膜を適用することにより、特
性の優れた半導体素子、より具体的には、短絡光電流、
曲線因子を著しく低下させることなく、非晶質シリコン
に近い開放端電圧を有し、かつ光安定性、成膜時間の短
縮化を著しく改善した光電変換素子を得ることができる
ことを見いだしたのである。
【0020】すなわち、本発明はまた、基板、第一の電
極、第一のドープ型半導体薄膜、実質的に真性な半導体
薄膜、第二のドープ型半導体薄膜、第二の電極の構成か
らなる、積層して形成される光電変換素子において、該
実質的に真性な半導体薄膜が微結晶性シリコン半導体薄
膜であることを特徴とする光電変換素子である。より好
ましくは、該微結晶性シリコン半導体薄膜が、結晶分率
が5〜80%であるものであり、結晶子サイズ2〜1000n
m、より好ましくは、結晶子サイズ5〜80nmの結晶子が
集合して構成される柱状もしくは円錐状の相を含む微結
晶性シリコン半導体薄膜である。
【0021】本発明における非晶質半導体を用いた光電
変換素子たる太陽電池構造は、具体的には、ガラス板/
酸化スズを基板として用い、p型半導体層/i型半導体
層/n型半導体層の順に形成・積層し、第二電極とし
て、銀を用いた構造が最も一般的な構造であるが、基板
側を透光でない基板や第一電極を用いた場合には、第二
電極として透光性の透明電極を用い、構成配備により明
らかである。
【0022】本発明でいう実質的に真性な微結晶性シリ
コン半導体薄膜とは、シリコン太陽電池の光活性領域を
形成するものである。これら真性な微結晶性シリコン半
導体薄膜は、基本的に、分子内にシリコンを有する化合
物等から、プラズマCVD(化学気相堆積)法や光CV
D、熱CVD(化学気相堆積)法を適用することにより
容易に形成され、好ましくは、プラズマCVD法が特に
好ましい。
【0023】プラズマを発生させることは、プラズマ発
生用電極に、直流または交流の電圧を印加することによ
り可能であり、交流の周波数は、20Hzから100MHzを用い
ることが可能である。特に、商用電力の周波数である50
Hzや60Hz、電波法上、認められているラジオ周波数(R
F)である13.56MHzが、利用上好ましい周波数である。
【0024】また、本発明においては、分子内にシリコ
ンを有する化合物を原料ガスとして用いる。かかる原料
ガスとしては、一般式SinH2n+2(n;1 以上の正の整数)
で表されるシラン化合物、SiH nX4-n(X;ハロゲン原子
でフッ素原子、塩素原子、n;1以上4 までの正の整
数)、Si2H nX6-n (X;ハロゲン原子でフッ素原子、塩
素原子、n;1以上6までの正の整数)で表されるハロゲ
ン化シラン化合物があげられる。特に、産業上利用しや
すい原料ガスは、モノシラン(SiH4) 、ジシラン(Si2H6)
、トリシラン(Si3H8) 、四フッ化珪素(SiF4) 、ジフル
オロシラン(SiH2F2) 、トリフルオロシラン(SiHF3) 、
モノフルオロシラン(SiH3F) 、ヘキサフルオロジシラ
ン(Si2F6) である。
【0025】以下、RFプラズマを用いたCVD法によ
る真性な微結晶性シリコン半導体薄膜の形成について、
具体的に説明する。本発明において、初期形成膜( 初期
膜とも称する )は、プラズマを発生させる電力が電力密
度換算で、0.01mW/cm2〜100W/cm2の範囲で行われる。ま
た、当該初期膜を形成する場合には、これら当該ガスを
体積濃度0.01〜100 %の水素で希釈した混合ガスを原料
とし、この体積濃度は好ましくは0.1 〜10%であり、よ
り好ましくは0.1 〜2 %である。これらの原料ガスは、
さらに不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)により希釈
して用いてもよい。形成条件としては、形成温度は50〜
500 ℃、好ましくは50〜350 ℃、特に好ましくは75〜25
0 ℃であり、形成圧力は0.01〜10Torr、好ましくは0.03
〜5Torr、特に好ましくは0.035 〜2.0Torr で行われ
る。原料ガスの導入は、ガス流量計を通して行われ、そ
の流量は、1cc/min 〜1000cc/minである。これら形成条
件のもと、当該初期膜形成速度は、0.01〜0.1nm /秒が
好ましい。また、当該初期形成膜の膜厚は、2〜100nm
であり、好ましくは2〜10nmである。
【0026】また、上記初期膜形成後における、実質的
に真性な微結晶性シリコン半導体薄膜形成においては、
プラズマを発生させる電力が電力密度換算において、0.
01mW/cm2〜100W/cm2の範囲で行われ、また、これら当該
ガスを体積濃度0.01〜100 %の水素で希釈した混合ガス
を原料とし、この体積濃度は好ましくは0.1 〜20%であ
り、より好ましくは0.1 〜5%である。これらの原料ガ
スは、さらに不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)によ
り希釈して用いてもよい。形成条件としては、形成温度
は50〜500 ℃、好ましくは50〜350 ℃、特に好ましくは
75〜250 ℃であり、形成圧力は0.01〜10Torr、好ましく
は0.03〜5Torr 、特に好ましくは0.035〜2.0Torr で行
われる。原料ガスの導入は、ガス流量計を通して行わ
れ、その流量は、1 cc/min〜1000cc/minである。これら
形成条件のもと、微結晶性シリコン膜形成速度は、0.1
〜2nm /秒、好ましくは0.1 〜1nm /秒である。
【0027】本発明において、光電変換素子に用いられ
る実質的に真性な半導体薄膜の厚みについては、初期形
成膜を含め200 〜10000nm である。
【0028】本発明において、微結晶性半導体薄膜の結
晶子サイズ、結晶分率についてはラマン散乱スペクトル
や、X線回折、透過型電子顕微鏡等により見積もること
ができる。簡便的な方法として、結晶分率についてはラ
マン散乱強度やX線回折強度から、また、結晶子サイズ
についてはX線回折ピークの半値幅から算出することが
できるが、極微小な結晶子サイズの定量に対しては、透
過型電子顕微鏡による評価が有用である。本発明におけ
る透過型電子顕微鏡による結晶分率の評価は、当該顕微
鏡像内の結晶部および非晶質部の面積比により、また、
結晶子サイズの評価は、観察される多角形状または長円
形状の各領域における対角線または直径の中で最大のも
のと定義する。この透過型電子顕微鏡による評価は結晶
子の分布・構造評価にも非常に有用である。
【0029】本発明において、光電変換素子に用いられ
るp型の半導体薄膜としては、p型の非晶質リコン、非
晶質シリコンカーバイド、微結晶シリコン、微結晶シリ
コンカーバイドまたは炭素含有微結晶シリコン薄膜、炭
素含有量の異なる非晶質シリコンカーバイドの多層積層
膜、非晶質シリコンと非晶質カーボンの多層積層膜など
が好適に用いられ、p型の微結晶シリコン、微結晶シリ
コンカーバイドまたは炭素含有微結晶シリコン薄膜がよ
り好ましい。形成手段としては、プラズマCVD(化学
気相堆積)法や光CVD(化学気相堆積)法が用いられ
る。原料としては、シリコン化合物として、シラン、ジ
シラン、トリシランが用いられる。また、p型の導電性
を賦与するものとしては、ジボラン、トリメチルボロ
ン、三フッ化ボロン等が好ましい。さらに、炭素含有化
合物としては、メタン、エタン等の飽和炭化水素やエチ
レン、アセチレン等の不飽和炭化水素やモノメチルシラ
ン、ジメチルシランなどのアルキルシランが用いられ
る。これらの混合ガスが、必要に応じてヘリウムやアル
ゴン等の不活性ガスや水素により希釈されることは、本
発明を何ら妨げるものではない。むしろ、微結晶性シリ
コン系薄膜を形成する場合には、大量の水素で希釈する
ことは、より好ましいことである。形成条件としては、
膜厚は2〜50nm、特に好ましくは、5 〜20nmであり、形
成温度は50〜400℃、好ましくは50〜250 ℃、特に好ま
しくは75〜250 ℃であり、形成圧力は0.01〜5Torr 、好
ましくは0.03〜1.5Torr 、特に好ましくは0.035 〜1.0T
orr で行われる。プラズマCVDで形成される場合は、
高周波電力0.01mW/cm2〜10W/cm2の範囲で行われる。特
に、微結晶性シリコン系薄膜を形成する場合には、高周
波電力0.5 〜10W /cm2の範囲で行うことが好ましい。
【0030】本発明において、光電変換素子に用いられ
るn型半導体薄膜はn型の微結晶薄膜やn型のアモルフ
ァス薄膜が有効に用いられる。これらは、n型の微結晶
性シリコン薄膜、炭素含有微結晶性シリコン薄膜、微結
晶性シリコンカーバイド薄膜、アモルファスシリコン薄
膜、アモルファスシリコンカーボン薄膜、アモルファス
シリコンゲルマン薄膜等を有効に用いることができる。
これらn型半導体薄膜は、分子内にシリコンを有する化
合物、ゲルマン、シリルゲルマン等の分子内にゲルマニ
ウムを有する化合物、炭化水素ガス等から、目的とする
半導体薄膜に応じて適宜選択される原料に、ホスフィン
やアルシン等の周期律表の第V族の化合物、ならびに水
素を混合して、プラズマCVD(化学気相堆積)法や光
CVD(化学気相堆積)法を適用することにより容易に
形成される。さらに、当該原料ガスをヘリウムやアルゴ
ン等の不活性ガスで希釈することは、なんら、本発明の
効果を妨げるものではない。むしろ、微結晶性シリコン
系薄膜の場合には、多量の水素で希釈することは、より
好ましいことである。形成条件は、形成温度は50〜400
℃、好ましくは100 〜350 ℃であり、形成圧力は0.01〜
5Torr 、好ましくは0.03〜1.5Torr で行われる。プラズ
マCVDで形成される場合は、高周波電力0.01〜10W/cm
2の範囲で行われる。特に、微結晶性シリコン系薄膜を
形成する場合には、高周波電力0.1 〜10W/cm2の範囲で
行うことが好ましい。n型半導体薄膜の膜厚は、10〜50
nmで十分である。
【0031】本発明において、用いるに好ましい原料ガ
スについてさらに具体的な示例をあげて説明する。分子
内にシリコンを有する化合物については、モノシラン、
ジシラン、トリシラン等の水素化シリコン、モノメチル
シラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメ
チルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン等のアルキ
ル基置換の水素化シリコン、ビニルシラン、ジビニルシ
ラン、トリビニルシラン、ビニルジシラン、ジビニルジ
シラン、プロペニルシラン、エテニルシラン等のラジカ
ル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水素化
シリコン、これら水素化シリコンの水素が一部またはす
べてフッ素で置換されたフッ化シリコンを有効に用いる
ことができる。
【0032】炭化水素ガスの具体的示例として、メタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチ
レン等の炭化水素ガスが有用である。これら炭化水素ガ
スは、炭素含有微結晶性シリコン薄膜、微結晶性シリコ
ンカーバイド薄膜等の形成において、光学的バンドギャ
ップを変更するときに用いると便利である。また、この
目的においては、アルキル基置換の水素化シリコン、ラ
ジカル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水
素化シリコン、これら水素化シリコンの水素が一部また
はすべてフッ素で置換されたフッ化シリコン等の材料も
有用である。
【0033】本発明でいう基板とは、当該基板上に形成
される太陽電池がその形態を保持可能な形状を有する厚
みや表面形状や形成時の温度に耐える材質であり、形を
有するものであれば、本発明を実施するに、何ら制限は
受けない。具体的には、ホウケイ酸ガラス、青板ガラ
ス、石英ガラス等のガラス板;アルミナ、窒化ホウ素、
シリコン等のセラミックス板;アルミニウム、ステンレ
ス、クロム、チタン、モリブデン等の金属板やこれら金
属をコーティングしたセラミックス板;ポリエーテルス
ルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリアミド、ポリイミド等の高分子からなる
シート、フィルムやこれらに、前記金属をコーティング
した板が用いられる。
【0034】電極とは、透明性電極や金属電極であり、
その透過性についは、特に限定されるものではないが、
光発電層に太陽光の入射が必要であるために、いずれか
一方の電極、ないしは両方の電極は、太陽光が入射でき
るように、透明性の電極材料が選択される必要がある。
透明電極としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜
鉛等の金属酸化物や透光性の金属等を有効に用いること
ができる。金属電極としては、アルミニウム、クロム、
ニッケルークロム、銀、金、白金等の金属の中から適
宜、選択して用いることができる。
【0035】また、本発明では、太陽電池を構成する最
低限不可欠である半導体および材料の構成を示してきた
が、p型半導体層とi型半導体層、i型半導体層とn型
半導体層、第一の電極と第一のp型半導体層、さらにタ
ンデム型積層構造光電変換素子においては、第一のn型
半導体層と第二のp型半導体層等の界面に太陽電池性能
向上を図る界面層が導入されることは、本発明実施上、
何ら制限されるものではなく、実際、これらの界面層が
目的に合わせ、自由に使用されることは、明らかなこと
であり、本発明の目的を阻害するものではない。
【0036】特に、当該微結晶性シリコン半導体薄膜を
真性層に用いたpin型太陽電池において、p型のドー
プ型半導体薄膜と実質的に真性な微結晶性シリコン半導
体薄膜との間に、非晶質シリコンカーバイト薄膜の界面
層を有することは好ましい様態である。
【0037】この、p型のドープ型半導体薄膜と実質的
に真性な微結晶性シリコン半導体薄膜との界面層に形成
される、非晶質シリコンカーバイト薄膜は、分子内にシ
リコンを有する化合物等から、プラズマCVD(化学気
相堆積)法や光CVD、熱CVD(化学気相堆積)法を
適用することにより容易に形成され、プラズマCVD法
や水銀増感光CVD法が特に好ましい。特に、プラズマ
を用いたCVD法による界面層薄膜の形成について、プ
ラズマを発生させることは、プラズマ発生用電極に、直
流または交流の電圧を印加することにより可能であり、
交流の周波数は、20Hzから100MHzを用いることが可能で
ある。特に、商用電力の周波数である50Hzや60Hz、電波
法上、認められている13.56MHzが、利用上好ましい周波
数である。しかしながら、このプラズマ発生用の周波数
(直流も含め)は、本発明を実施する上において、何ら
支障を与えるものではない。プラズマを発生させる電力
は、電力密度換算において、0.001mW/cm2〜100W/cm2
範囲で行われ、好ましくは、0.01mW/cm2〜10W/cm2の範
囲で行われる。
【0038】また、原料としては、シリコン化合物とし
て、シラン、ジシラン、トリシランが用いられる。ま
た、炭素含有化合物としては、メタン、エタン等の飽和
炭化水素やエチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素や
モノメチルシラン、ジメチルシランなどのアルキルシラ
ンが用いられる。これらの混合ガスに、必要に応じてヘ
リウムやアルゴン等の不活性ガスや水素により希釈され
ることは、本発明を何ら妨げるものではない。また、p
型の導電性を賦与する、ジボラン、トリメチルボロン、
三フッ化ボロン等を混入するのも好ましい様態である。
これらボロンを含む化合物を混入し形成した非晶質シリ
コンカーバイトの膜中のボロン濃度は10 15〜1018
-3が好ましい。形成条件としては、膜厚は2 〜50nm、
特に好ましくは、5 〜20nmであり、形成温度は50〜400
℃、好ましくは50〜250 ℃、特に好ましくは75〜250 ℃
であり、形成圧力は0.01〜5Torr 、好ましくは0.03〜1.
5Torr 、特に好ましくは0.035 〜1.0Torr で行われる。
【0039】また、これら各半導体層を適用し、〔図
2〕や〔図3〕に示した、タンデム型積層構造光電変換
素子を作製することも可能である。特に、非光入射側の
実質的に真性な半導体層に、実効的に狭いバンドギャッ
プ材料である本発明における微結晶性シリコン薄膜を適
用することは、光吸収の向上において有効であり、好ま
しい。
【0040】具体的には、実質的に真性な半導体薄膜層
が非晶質シリコン半導体薄膜であるpin型半導体積層
構造(A)と、実質的に真性な半導体薄膜層が当該微結
晶シリコン半導体薄膜であるpin型半導体積層構造
(B)とをABなる構成で直列に積層した構造を有し、
かつ光入射側にAを有するタンデム型積層構造光電変換
素子である。
【0041】さらに、このタンデム型積層構造光電変換
素子において、二つの実質的に真性な半導体薄膜層の間
に存在するn型のドープ型半導体薄膜に微結晶性シリコ
ン半導体薄膜を適用することは、曲線因子の改善に有効
であり、好ましい。
【0042】当該タンデム型積層構造光電変換素子は、
さらに具体的には、〔図2〕に示されるように、ガラス
板/酸化スズ、酸化亜鉛等の透明導電膜を基板として用
い、p型半導体層/i型非晶質シリコン半導体層/n型
微結晶性シリコン半導体層/p型半導体層/i型微結晶
性シリコン半導体層/n型半導体層の順に形成・積層
し、第二電極として、銀を用いた構造が最も一般的な構
造である。また、基板側を透光でない基板や第一電極を
用いた場合には、〔図3〕に示されるような第二電極と
して透光性の透明電極を用い、光入射側の実質的に真性
な半導体層が非晶質シリコン半導体薄膜であるような構
成となることは、構成配備により明らかである。
【0043】また、この当該タンデム型積層構造光電変
換素子において、二つの実質的に真性な半導体薄膜層の
間に用いられるn型の微結晶性シリコン半導体薄膜とし
ては、これ以外にも結晶性を有するものとして、炭素含
有微結晶性シリコン薄膜、微結晶性シリコンカーバイド
薄膜等を用いてもよい。また、n型の非晶質シリコン半
導体薄膜としては、アモルファスシリコン薄膜、アモル
ファスシリコンカーボン薄膜、アモルファスシリコンゲ
ルマン薄膜等を有効に用いることができる。これらn型
半導体薄膜は、分子内にシリコンを有する化合物、ゲル
マン、シリルゲルマン等の分子内にゲルマニウムを有す
る化合物、炭化水素ガス等から、目的とする半導体薄膜
に応じて適宜選択される原料に、ホスフィンやアルシン
等の周期律表の第V族の化合物、ならびに水素を混合し
て、プラズマCVD(化学気相堆積)法や光CVD(化
学気相堆積)法を適用することにより容易に形成される
まのである。
【0044】さらに、当該原料ガスをヘリウムやアルゴ
ン等の不活性ガスで希釈することは、なんら、本発明の
効果を妨げるものではない。むしろ、微結晶性シリコン
系薄膜の場合には、多量の水素で希釈することは、より
好ましいことである。形成条件は、形成温度は50〜400
℃、好ましくは100 〜350 ℃であり、形成圧力は0.01〜
5Torr 、好ましくは0.03〜1.5Torr で行われる。プラズ
マCVDで形成される場合は、高周波電力0.01〜10W/cm
2の範囲で行われる。特に、微結晶性シリコン系薄膜を
形成する場合には、高周波電力0.1 〜10W/cm2の範囲で
行うことが好ましい。n型半導体薄膜の膜厚は、10〜50
nmで十分である。これら形成した膜の結晶性の有無につ
いては、X線回折、ラマン散乱スペクトル、透過型電子
顕微鏡像等から容易に確認することができる。
【0045】本発明におけるタンデム型積層構造光電変
換素子に用いられるp型の半導体薄膜、二つの実質的に
真性な半導体薄膜層間外のn型の半導体薄膜、実質的に
真性な微結晶性シリコン半導体薄膜、電極、基板につい
ては、前述の微結晶性シリコン半導体薄膜を用いた、単
一の実質的に真性な半導体層を有する光電変換素子の作
製方法の場合と同様に形成すればよい。
【0046】また、光入射側の実質的に真性であるシリ
コン半導体薄膜は、シリコン太陽電池の光活性領域を形
成するものであり、シリコン以外に、水素、フッ素を始
めとして、ゲルマニウム、錫、炭素、窒素、酸素等の本
薄膜のバンドギャップを制御する異種元素を含んでも構
わない。また、これら異種元素の混合として含まれても
構わないものである。これら実質的に真性な半導体薄膜
は、分子内にシリコンを有する化合物等から、プラズマ
CVD(化学気相堆積)法や光CVD、熱CVD(化学
気相堆積)法を適用することにより容易に形成される。
【0047】以下、プラズマを用いたCVD法による当
該実質的に真性な半導体薄膜の形成について、具体的に
説明する。プラズマを発生させることは、プラズマ発生
用電極に、直流または交流の電圧を印加することにより
可能であり、交流の周波数は、20Hzから100MHzを用いる
ことが可能である。特に、商用電力の周波数である50Hz
や60Hz、電波法上、認められている13.56MHzが、利用上
好ましい周波数である。しかしながら、このプラズマ発
生用の周波数(直流も含め)は、本発明を実施する上に
おいて、何ら支障を与えるものではない。プラズマを発
生させる電力は、電力密度換算において、0.001mW/cm2
〜100W/cm2を用いる。
【0048】原料ガスは、一般式SinH2n+2(n;1 以上の
正の整数)で表されるシラン化合物、SiH n X4-n(X;ハ
ロゲン原子でフッ素原子、塩素原子、n;1 以上4 までの
正の整数)、Si2Hn X6-n(X;ハロゲン原子でフッ素原
子、塩素原子、n;1 以上6 までの正の整数)で表される
ハロゲン化シラン化合物であり、具体的、かつ産業上利
用しやすい原料ガスは、モノシラン(SiH4) 、ジシラン
(Si2H6) 、トリシラン(Si 3H8) 、四フッ化珪素(SiF4)
、ジフルオロシラン(SiH2F2) 、トリフルオロシラン(S
iHF3) 、モノフルオロシラン(SiH3F) 、ヘキサフルオ
ロジシラン(Si2F6)である。これらの原料ガスは、不活
性ガス(アルゴン、ヘリウム等)や水素ガスにより希釈
して用いてもよい。希釈された原料ガスは、体積濃度に
より表現して、1 〜100 %である。
【0049】また、上記示されたガス以外に、バンドギ
ャップを制御する異種元素を含んだガスとして、モノゲ
ルマン、四塩化ゲルマニウム、スタナン、四塩化スズ、
フッ化スズ、また、メタン、エタン等の飽和炭化水素化
合物、エチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素化合
物、メチルシラン、ジメチルシラン、ジシリルメタン、
ジメチルジシラン等の有機シラン化合物、窒素、亜酸化
窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気等を混合させても構わ
ない。これらのガスを成膜原料と反応性ガス、不活性ガ
ス、支持ガスとの混合ガスとして導入しても本発明の妨
げとはならない。希釈された当該原料ガスは、体積濃度
により表現して、1 〜100 %である。
【0050】また、ごく微量のジボランやフォスフィン
を意図的に原料ガスと同時に混合し、当該実質的に真性
な半導体薄膜にボロン原子やリン原子を微量添加するこ
と等、真性半導体薄膜形成における従来技術を併用する
ことについては、なんら、本発明の効果を妨げるもので
はない。
【0051】原料ガスの導入は、ガス流量計を通して行
われ、その流量は、1cc/min 〜1000cc/minである。形成
温度は 50 〜400 ℃、好ましくは50〜350 ℃であり、形
成圧力は、0.01〜100 Torr、好ましくは0.03〜1.5Torr
で行われる。
【0052】プラズマCVD法以外に、光CVD法や熱
CVD法も当該実質的に真性な半導体薄膜の形成に供す
ることは可能であり、本発明を実施するうえにおいて、
特に制限されるものではない。実質的に真性な半導体薄
膜は、第一の実質的に真性な半導体薄膜( バッファー層
)と第二の実質的に真性な半導体薄膜とからなっていて
もよい。その場合、その厚みは、第一の実質的に真性な
半導体薄膜は、10〜200nm であり、第二の実質的に真性
な半導体薄膜は、50〜5000nmである。
【0053】また、当該タンデム型積層構造光電変換素
子においても、非光入射側のpin型半導体積層構造
(B)において、p型のドープ型半導体薄膜と実質的に
真性な微結晶性シリコン半導体薄膜との間に、非晶質シ
リコンカーバイト薄膜の界面層を有することは好ましい
様態である。
【0054】また、本発明における微結晶性シリコン膜
は、TFT(薄膜トランジスタ)やイメージセンサ等の
シリコン半導体素子の高性能化に対しても有用である。
特にTFTにおいては低基板温度で結晶性シリコンを作
製できるため、液晶ディスプレイの高開口率化等に対し
非常に有用である。以下、実施例により本発明の実施の
態様の一例を説明する。
【0055】
【実施例】
実施例1 シリコン太陽電池の形成装置としては、プラズマCVD
を適用できる成膜装置を用いた。本装置は、p型および
n型半導体薄膜を形成するドープ膜成膜室、実質的に真
性な半導体薄膜を形成するi層成膜室、および、試料仕
込み室、取り出し室の5室から構成される。
【0056】まず、酸化スズからなる透明電極付きガラ
ス基板を仕込み室に設置したのち、真空排気を行い、基
板加熱した。真空度1×10-6Torr まで真空排気し、16
0 ℃、30分加熱を行った。次に、ドープ膜成膜室に基板
を搬送し、p型微結晶性シリコン薄膜を形成した。p型
微結晶性シリコン薄膜の作製は原料ガスとして、モノシ
ラン/ジボラン/水素を1/0.003/100 の割合で導入し、
圧力0.2Torr 、形成温度160 ℃において、高周波電力0.
64W/cm2 印加して、プラズマCVD法により実施した。
プラズマCVD法は13.56MHzの高周波放電を利用した。
p型微結晶性シリコン薄膜の形成速度は0.08nm/秒であ
り、成膜時間を250 秒として、膜厚20nmに形成した。次
にi層成膜室に当該基板を移送し、モノシラン/水素を
2/98の割合で導入して、圧力0.15Torr、形成温度200
℃、高周波電力0.64W/cm2の条件でプラズマCVD法に
より微結晶性シリコン薄膜を10nmの膜厚で、実質的に真
性の半導体膜初期形成膜( 初期膜 )を形成した。続い
て、モノシラン/水素を3/97の割合で導入して、圧力0.
15Torr、形成温度200 ℃、高周波電力0.64W/cm2の条件
でプラズマCVD法により微結晶性シリコン薄膜を1000
nmの膜厚で、実質的に真性の半導体膜初期形成膜を形成
した。プラズマCVD法は13.56MHzの高周波放電を利用
した。i型半導体薄膜形成後、ドープ層成膜室に再度、
当該基板を移送した。モノシラン/ホスフィン/水素か
らなる原料ガスをそれぞれの流量が0.5/0.06/120の割合
になるように導入した。圧力0.2Torr 、形成温度160 ℃
の条件でプラズマCVD法によりn型半導体薄膜40nmの
膜厚に形成した。プラズマCVD法は13.56MHzの高周波
放電を利用した。この時の、高周波電力は0.8W/cm2であ
った。ついで、薄膜形成装置から取り出し、真空蒸着に
て酸化インジウム・スズ透明導電膜/銀電極を形成し
た。
【0057】AM1.5 、100mW/cm2の光をソーラーシュミ
レータにより、照射して当該シリコン太陽電池の光電特
性を測定した。この結果、開放端電圧が0.62V と従来に
比べ極めて向上し、曲線因子0.55、短絡光電流14.6mA/c
m2で、光電変換効率は5.0 %と極めて優れたものであっ
た。
【0058】また、当該シリコン太陽電池をハロゲンラ
ンプ100mW/cm2下、40℃,800時間照射を行い、光電特性
を測定した。この結果、開放端電圧が0.61V 、曲線因子
0.54 、短絡光電流14.0mA/cm2で、光電変換効率は4.6
%となり、光電変換効率の劣化率は8 %と極めて劣化を
抑制することができた。
【0059】また、当該シリコン太陽電池の実質的に真
性である半導体層に用いた微結晶性シリコン薄膜の初期
形成膜の成膜速度、暗導電率、結晶子サイズについて
は、石英基板に、当該シリコン太陽電池のi層初期形成
膜作製条件と同様の、モノシラン/水素を2/98の割合で
導入して、圧力0.15Torr、形成温度200 ℃、高周波電力
は0 .64W/cm2の条件にて作製した薄膜により評価を行っ
た。この結果、当該薄膜の作製条件にて連続的に15000
秒成膜を行った場合の膜厚が、300nm であり、よって成
膜速度が 0.02nm/秒であった。この連続的に成膜を行っ
た場合の膜厚の再現性は± 5%であり、よって成膜速度
の精度も、± 5%である。また、当該薄膜の暗導電率
は、1 ×10-7S/cmであり、当該試料の透過型電子顕微鏡
像より結晶子サイズは最も大きいもので5nm であった。
同様に初期形成膜形成後の微結晶性シリコン膜について
評価を行ったところ、成膜速度0.14nm/秒、結晶子サイ
ズは5〜27n m 、結晶分率70%であった。さらに、当該
シリコン太陽電池断面の透過型電子顕微鏡像より、i層
は柱状および円錐状に成長した結晶子の集合体により構
成される相、および、非晶質中に単一結晶子が分散した
相の2相により構成されることが確認された。
【0060】実施例2〜6 実施例1のシリコン太陽電池について、実質的に真性で
ある微結晶性シリコン初期形成膜、および、それに続け
て行った成膜の条件を変えて作製を行った。〔表1〕〜
〔表3〕に、これら実質的に真性である微結晶性シリコ
ン膜形成条件、実施例1で示されるものと同様の単膜評
価結果、およびこれをi層に適用した単一の真性層を有
する太陽電池特性を示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】実施例7 実施例1のシリコン太陽電池においてp型微結晶性シリ
コン薄膜形成後、残留ガスの真空排気を行ったのち、モ
ノシラン/メタン/水素を5/5/12.5 の割合で導入し、
圧力0.1Torr 、形成温度160 ℃において、高周波電力0.
06W/cm2印加して、プラズマCVD法により、p/i界
面層として非晶質シリコンカーバイトを15nm形成した。
AM1.5 、100mW/cm2下の当該シリコン太陽電池の光電特
性は、開放端電圧が0.86V と従来に比べ極めて向上し、
曲線因子0.60、短絡光電流10.1mA/cm2で、光電変換効率
は5.2 %と極めて優れたものであった。また、当該シリ
コン太陽電池をハロゲンランプ100mW/cm2下、40℃,800
時間照射を行い、光電特性を測定した。この結果、開放
端電圧が0.84V 、曲線因子0.57 、短絡光電流10.0mA/cm
2で、光電変換効率は4.8 %となり、光電変換効率の劣
化率は8 %と極めて劣化を抑制することができた。ま
た、石英基板および結晶シリコン基板上に当該シリコン
太陽電池のp/i界面層相当の薄膜を膜厚500nm で作製
し、二次イオン質量分析および光吸収スペクトル評価を
行ったところ、当該薄膜が炭素を含む非晶質シリコンで
あり、バンドギャップは2.45eVであった。
【0065】実施例8 実施例1と同様の装置において、まず、酸化スズからな
る透明電極付きガラス基板を仕込み室に設置したのち、
真空排気を行い、基板加熱した。真空度1 ×10 -6Torr
まで真空排気し、160 ℃、30分加熱を行った。次に、ド
ープ膜成膜室に基板を搬送し、p型非晶質シリコンカ−
バイド薄膜を形成した。p型非晶質シリコンカーバイド
薄膜の作製は原料ガスとして、モノシラン/ジボラン/
メタン/水素を4/0.06/5/26 の割合で導入し、圧力0.15
Torr、形成温度160 ℃において、高周波電力0.05W/cm2
印加して、プラズマCVD法により実施した。p型非晶
質シリコンカーバイド薄膜の形成速度は0.05nm/秒であ
り、成膜時間を150 秒として、膜厚7.5 nmに形成した。
p型非晶質シリコンカーバイド薄膜の成膜を一旦停止
し、残留ガスの真空排気を行ったのち、モノシラン/メ
タン/水素を5/5/12.5の割合で導入し、圧力0.1Torr 、
形成温度160 ℃において、高周波電力0.06W/cm 2印加し
て、プラズマCVD法により、p/i界面層として10nm
形成した。次にi層成膜室に当該基板を移送し、モノシ
シラン10cc/minを導入して、圧力0.05Torr、形成温度16
0 ℃の条件で、13.56MHzの高周波放電プラズマCVD法
により、高周波電力は0.1W/cm2を用いて、アモルファス
シリコン薄膜を250nm の膜厚で形成した。プラズマCV
D法は13.56MHzの高周波放電を利用した。この時の、高
周波電力は0.1W/cm2であった。i型半導体薄膜形成後、
ドープ層成膜室に再度、当該基板を移送した。モノシラ
ン/ホスフィン/水素からなる原料ガスをそれぞれの流
量が10/0.02/10の割合になるように導入し、圧力0.10To
rr、形成温度160 ℃、高周波電力0.06W/c m2の条件でプ
ラズマCVD法によりn型半導体薄膜10nmの膜厚に形成
した。プラズマCVD法は13.56MHzの高周波放電を利用
した。この時の、高周波電力は0.06W/cm2であった。
【0066】更に、第二のp型半導体層を形成するため
に、p型微結晶性シリコン薄膜を形成した。p型微結晶
性シリコン薄膜の作製は原料ガスとして、モノシラン/
ジボラン/水素を1/0.003/100 の割合で導入し、圧力0.
2Torr 、形成温度160 ℃において、プラズマCVD法に
より20nmの膜厚に形成した。プラズマCVD法は13.56M
Hzの高周波放電を利用し、この時の高周波電力0.6W/cm2
であった。次にi層成膜室に当該基板を移送し、実施例
1と同条件にてプラズマCVD法により微結晶性シリコ
ン薄膜を1600nmの膜厚で、第二の実質的に真性の半導体
層を形成した。プラズマCVD法は13.56MHzの高周波放
電を利用し、この時の高周波電力は0.10W/cm2であっ
た。第二の実質的に真性の半導体薄膜形成後、ドープ層
成膜室に再度、当該基板を移送した。モノシラン/ホス
フィン/水素からなる原料ガスをそれぞれの流量が0.5/
0.06/120の割合になるように導入した。圧力0.2Torr 、
形成温度160 ℃の条件でプラズマCVD法により第二の
n型半導体薄膜40nmの膜厚に形成した。プラズマCVD
法は13.56MHzの高周波放電を利用した。この時の、高周
波電力は0.8W/cm2であった。ついで、薄膜形成装置から
取り出し、真空蒸着にて銀電極を形成した。
【0067】AM1.5 、100mW/cm2の光をソーラーシュミ
レータにより、照射して当該シリコン太陽電池の光電特
性を測定した。この結果、開放端電圧が1.31V 、曲線因
子0.7 0 、短絡光電流10.2mA/cm2と、高い曲線因子が得
られ、結果として、光電変換効率は9.4 %と優れたもの
であった。
【0068】また、当該シリコン太陽電池をハロゲンラ
ンプ100mW/cm2下、40℃,800時間照射を行い、光電特性
を測定した。この結果、開放端電圧が1.31V 、曲線因子
0.70 、短絡光電流9.8mA/cm2で、光電変換効率は9.0 %
となり、光電変換効率の劣化率は4 %と極めて劣化を抑
制することができた。
【0069】また、当該シリコン太陽電池の第一のn型
半導体薄膜について、石英基板に、当該シリコン太陽電
池の第一のn型半導体薄膜作製条件と同様の、モノシラ
ン/ホスフィン/水素からなる原料ガスをそれぞれの流
量が10/0.02/10の割合になるように導入し、圧力0.10To
rr、形成温度160 ℃、高周波電力0.06W/cm2の条件で作
製したn型半導体薄膜40nmのラマン散乱スペクトルを測
定したところ、非晶質シリコンに起因する480cm -1を中
心としたブロードなピークのみが観測され、この膜は非
晶質シリコン薄膜であることが確認された。
【0070】実施例9 実施例8の第一のn型半導体薄膜について、成膜条件を
モノシラン/ホスフィン/水素からなる原料ガスをそれ
ぞれの流量が0.5/0.06/120の割合になるように導入し、
圧力0.2Torr 、形成温度160 ℃、高周波電力0.8W/cm2
条件で40nmの膜厚に形成した。
【0071】AM1.5 、100mW/cm2の光をソーラーシュミ
レータにより、照射して当該シリコン太陽電池の光電特
性を測定した。この結果、開放端電圧が1.32V 、曲線因
子0.7 3 、短絡光電流10.4mA/cm2となり、光電変換効率
は10.0%であった。また、当該シリコン太陽電池をハロ
ゲンランプ100mW/cm2下、40℃,800時間照射を行い、光
電特性を測定した。この結果、開放端電圧が1.31V 、曲
線因子0.72 、短絡光電流9.8mA/cm2で、光電変換効率は
9.2 %となり、光電変換効率の劣化率は8 %と極めて劣
化を抑制することができた。
【0072】また、当該シリコン太陽電池の第一のn型
半導体薄膜について、石英基板に、当該シリコン太陽電
池の第一のn型半導体薄膜作製条件と同様の、モノシラ
ン/ホスフィン/水素からなる原料ガスをそれぞれの流
量が0.5/0.06/120の割合になるように導入し、圧力0.20
Torr、形成温度160 ℃、高周波電力0.8W/cm2の条件で形
成したn型半導体薄膜300nm のラマン散乱スペクトルを
測定したところ、非晶質シリコンに起因する480 cm-1
中心としたブロードなピークおよび520 cm-1を中心とし
た結晶シリコンに起因するピークが観測され、この膜が
微結晶性シリコン薄膜であることが確認された。
【0073】実施例10 実施例9のシリコン太陽電池において、第二のp型半導
体薄膜と第二の実質的に真性である半導体層の間のp/
i界面層として、実施例2の非晶質シリコンカーバイト
膜を15nm形成した。AM1.5 、100mW/cm2の光をソーラー
シュミレータにより、照射して当該シリコン太陽電池の
光電特性を測定した。この結果、開放端電圧が1.34V 、
曲線因子0.6 8 、短絡光電流10.2mA/cm2となり、光電変
換効率は9.3 %であった。また、当該シリコン太陽電池
をハロゲンランプ100mW/cm2下、40℃,800時間照射を行
い、光電特性を測定した。この結果、開放端電圧が1.33
V 、曲線因子0.67 、短絡光電流10.1mA/cm2で、光電変
換効率は9.0 %となり、光電変換効率の劣化率は3 %と
極めて劣化を抑制することができた。
【0074】比較例1〜2 実施例1のシリコン太陽電池について、実質的に真性で
ある微結晶性シリコン初期膜、および、それに続けて行
った成膜の条件を変えて作製を行った。〔表4〕〜〔表
6〕に、これら実質的に真性である微結晶性シリコン膜
形成条件、実施例1で示されるものと同様の単膜評価結
果、およびこれをi層に適用した単一の真性層を有する
太陽電池特性を示す。
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例から明らか
なように、pin型太陽電池において、実質的に真性な
半導体薄膜に、結晶子サイズ2〜1000nmの結晶子が集合
して構成される柱状もしくは円錐状の相を含むことを特
徴とする微結晶性シリコン半導体薄膜を適用した結果、
従来技術で使用されている材料を用いた太陽電池に比
べ、特に開放端電圧の改善により太陽電池特性が向上
し、かつ光安定性が極めて向上した、優れた特性の太陽
電池が形成された。すなわち、本発明は実用レベルにお
いて、シリコン太陽電池の光電変換効率の改善に大きく
貢献するものである。このように、本発明は電力用太陽
電池に要求される高変換効率を可能にする技術を提供で
きるものであり、エネルギー産業にとって、きわめて有
用な発明であると云わざるを得ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微結晶性シリコン半導体薄膜の断面模
式図
【図2】本発明のタンデム型積層光電変換素子の断面模
式図
【図3】本発明のタンデム型積層光電変換素子の断面模
式図
【符号の説明】
10 基板 20 非晶質半導体薄膜 30 結晶子 40 結晶子集合相 110 ガラス板 120 透明導電膜 130 p型半導体層 140 i型非晶質シリコン半導体層 150 n型微結晶性シリコン半導体層 160 p型半導体層 170 i型微結晶性シリコン半導体層 180 n型半導体層 190 銀電極 210 金属基板 220 反射層 230 透明導電膜 240 n型半導体層 250 i型微結晶性シリコン半導体層 260 p型シリコン半導体層 270 n型微結晶性半導体層 280 i型非晶質シリコン半導体層 290 p型半導体層 300 透明導電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−268807 (32)優先日 平7(1995)10月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−334855 (32)優先日 平7(1995)12月22日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 芦田 芳徳 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶子を含む非晶質からなり、かつ、該
    結晶子が、柱状もしくは円錐状に集合して構成される相
    をその中に有することを特徴とする微結晶性シリコン半
    導体薄膜。
  2. 【請求項2】 結晶子を含む非晶質からなり、かつ、該
    結晶子が、柱状もしくは円錐状に集合して構成される相
    をその中に有し、さらに、該非晶質中に該結晶子が、単
    一結晶子として分散していることを特徴とする微結晶性
    シリコン半導体薄膜。
  3. 【請求項3】 結晶分率が5〜80%である請求項1また
    は2に記載の微結晶性シリコン半導体薄膜。
  4. 【請求項4】 結晶子サイズが2〜1000nmの結晶子であ
    る請求項1〜3の何れかに記載の微結晶性シリコン半導
    体薄膜。
  5. 【請求項5】 結晶子サイズが5〜80nmの結晶子である
    請求項4記載の微結晶性シリコン半導体薄膜。
  6. 【請求項6】 分子内にシリコンを有する化合物を体積
    濃度にして0.01〜100 %になるよう水素で希釈した混合
    ガスを原料として行うRFプラズマCVD法による請求
    項1〜5の何れかに記載の微結晶シリコン半導体薄膜を
    形成する方法であって、基板より膜厚2〜100nm の実質
    的に真性な半導体薄膜を成膜速度0.01〜0.1nm /秒で形
    成し、引き続き、実質的に真性な半導体薄膜を成膜速度
    0.1 〜2nm /秒で形成することを特徴とする微結晶性シ
    リコン半導体薄膜製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れかに記載の微結晶性
    シリコン半導体薄膜を用いた半導体素子。
  8. 【請求項8】 半導体素子が光電変換素子である請求項
    7記載の素子。
  9. 【請求項9】 基板、第一の電極、第一のドープ型半導
    体薄膜、実質的に真性な半導体薄膜、第二のドープ型半
    導体薄膜、第二の電極の構成からなる、積層して形成さ
    れる光電変換素子において、該実質的に真性な半導体薄
    膜が微結晶性シリコン半導体薄膜である請求項8記載の
    光電変換素子。
  10. 【請求項10】 p型のドープ型半導体薄膜と実質的に
    真性な微結晶性シリコン半導体薄膜との間にさらに非晶
    質シリコンカーバイト薄膜を有する請求項9記載の光電
    変換素子。
  11. 【請求項11】 二つのpin型半導体積層構造を積層
    したタンデム型光電変換素子であって、実質的に真性な
    半導体薄膜層( i 層 )が非晶質シリコン半導体薄膜であ
    るpin型半導体積層構造(A)と、実質的に真性な半
    導体薄膜層(i 層 )が請求項1〜5の何れかに記載の微
    結晶性シリコン半導体薄膜であるpin型半導体積層構
    造(B)とを、ABなる構成で直列に積層した構造を有
    し、かつ光入射側にAを有するタンデム型積層構造光電
    変換素子。
  12. 【請求項12】 タンデム型積層構造光電変換素子であ
    って、pin型半導体積層構造(B)のp型のドープ型
    半導体薄膜と、該実質的に真性な微結晶性シリコン半導
    体薄膜との間に、非晶質シリコンカーバイト薄膜をさら
    に有する請求項11記載のタンデム型積層構造光電変換
    素子。
  13. 【請求項13】 タンデム型積層構造光電変換素子であ
    って、二つの実質的に真性な半導体薄膜層の間に存在す
    るn型のドープ型半導体薄膜が微結晶性シリコン半導体
    薄膜である請求項11または12記載のタンデム型積層
    構造光電変換素子。
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