JPH09234419A - 耐水二次密着性に優れた有機複合被覆鋼板 - Google Patents

耐水二次密着性に優れた有機複合被覆鋼板

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JPH09234419A
JPH09234419A JP35560196A JP35560196A JPH09234419A JP H09234419 A JPH09234419 A JP H09234419A JP 35560196 A JP35560196 A JP 35560196A JP 35560196 A JP35560196 A JP 35560196A JP H09234419 A JPH09234419 A JP H09234419A
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resin
silica
steel sheet
chromate
water
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JP35560196A
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English (en)
Inventor
Shigeko Sujita
田 成 子 筋
Kazuhiro Hasegawa
和 広 長谷川
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
Masanobu Koda
田 正 信 幸
Takeyasu Itou
藤 威 安 伊
Hironari Tanabe
辺 弘 往 田
Osamu Ogawa
川 修 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外気にさらされて使用される自動車用として耐
水二次密着性、耐クロム溶出性および耐食性等に優れた
有機複合被覆鋼板の提供。 【解決手段】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上
に、(A)Cr6+量が全Crに対して25〜70wt
%、(B)シリカが気相シリカ又は凝集液相シリカであ
りその量が重量比で全Crに対して0.5〜3、(C)
リン酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0、
(D)樹脂重量比が全Crに対して0.05〜0.3
5、(E)フッ素化合物が重量比で全Crに対して0〜
0.4、(F)上記シリカ/樹脂重量比が2〜20、
(G)Cr付着量が10〜200mg/m2 であるシリ
カ添加クロメート被膜を有し、該クロメート被膜の上層
に樹脂とシリカを含有する有機樹脂層を有することによ
り、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車車体用
鋼板としてプレス成形性、スポット溶接性、電着塗装
性、耐水二次密着性、耐食性に優れた有機複合被覆鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の高耐食性化に対する強い社
会的要請に応えて、冷延鋼板上に亜鉛または亜鉛系合金
めっきを施した表面処理鋼板の自動車車体への適用が拡
大している。これら表面処理鋼板としては、溶融亜鉛め
っき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき
鋼板、および電気亜鉛系合金めっき鋼板などが挙げられ
る。しかしながら、車体組立後に行われる塗装が充分に
行き渡らない車体内板の袋構造部や曲げ加工部(ヘミン
グ部)ではさらに高度な耐食性が要求されてきた。
【0003】このような用途に対応する自動車用鋼板と
して、例えば特開昭57−108292号公報や特開昭58−2241
74号公報などでは、亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板上に
クロメートおよび有機高分子樹脂層を有する有機複合被
覆鋼板が提案されている。これらはいずれも水溶性ある
いは水分散有機樹脂と水分散シリカゾルを含有した塗料
をクロメート処理した亜鉛系めっき鋼板の上層に塗布し
て、高耐食性を発現することを目的としているが、次の
ような問題点を有していた。 (1)水可溶性成分が成膜後も皮膜中に残存するため
に、耐クロム溶出性に劣り、化成処理時にクロムが溶出
して環境汚染の原因となる。 (2)アルカリ脱脂時に樹脂層の剥離を生じ、耐食性の
劣化を招く。 (3)腐食環境下において樹脂層内に水分が侵入し、可
溶性成分が溶解して高アルカリ性になるために、樹脂層
/クロメート間の密着性が劣化する。
【0004】このような問題点を解決するために、有機
溶剤中でシリカ表面を有機置換した疎水性シリカとエポ
キシ樹脂などを配合した塗料組成物を用いる方法が特開
昭63− 22637号公報に提案されている。この場合、シリ
カゾルと有機樹脂との相溶性は確保され、また優れた塗
装後密着性が得られるものの、塗膜の可とう性が充分で
ないため、プレス加工などによる成形加工時に加工部塗
膜層に損傷が生じ、この部分の耐食性が劣化するという
問題が指摘されている。
【0005】こういった加工後に耐食性が劣るという問
題点については、ウレタン系樹脂および二酸化珪素を主
成分とする皮膜層を設ける方法が特開昭62−289274号公
報に提案されている。この場合、加工性に対して若干の
改善効果は得られるものの、より厳しい加工を施すとや
はり耐食性が劣化するという問題点があった。特に水性
樹脂を用いる場合は、樹脂の電荷状態の違いによりシリ
カと組み合わせると、相溶性が得られず、塗料化できな
いという問題があった。
【0006】一方、クロメート処理した亜鉛めっき鋼板
の黒変を防止するあるいは耐食性を向上させるために、
クロメート処理液中に、クロム以外に、シリカ、リン
酸、樹脂、フッ素化合物を添加する方法が、特開平2−
243772号公報および特開平4−358080号公報に提案され
ている。特開平2−243772号公報は、クロメート液中に
シリカ、リン酸、樹脂、特定のフッ素化合物を添加する
技術であり、特にシリカはクロメート処理液の濡れ性改
善と被膜の耐指紋性を改善し、樹脂は被膜に潤滑性を付
与するとともに耐食性を向上させるためカルボキシル基
等の末端基を有するものをエマルジョンにして配合する
ものであり、シリカゾル(液相シリカ)を使用する技術
である。液相シリカが凝集して巨大となると、クロメー
ト処理液塗布時に、ローピング、斑点模様を生じ外観を
損なうことが記載されている。また、HF、NaF、N
2 SiF6 等のフッ素化合物は上層に設けられる樹脂
層を固着させる作用がないと記載している。
【0007】特開平4−358080号公報に開示されている
のは、スキンパス圧延しためっき鋼板のクロメート処理
において、耐黒変性、耐食性、塗装性に優れる技術であ
り、SiO2 、TiO2 、ZrO2 およびAl2 3
ら選ばれる少なくとも1種のゾルとリン酸化合物と特定
のフッ素化合物と水溶性または水分散性樹脂を含むクロ
メート処理液であり、リン酸化合物と特定のフッ素化合
物とが強固な皮膜を形成して効果が得られるもので、フ
ッ素化合物としては、ケイフッ酸、フッ化ジルコニウム
酸、フッ化チタン酸およびそれらの塩は十分な効果が得
られないため除外されている。これらの2つの技術は家
電用のクロメート処理に使用される技術であり、上層に
樹脂層を設ける場合はアクリル系塗料等の厚い樹脂層が
設けられる。一方、自動車用めっき鋼板は、上層に薄い
上塗り樹脂層しか形成しないものであり、しかも自動車
用途としての耐クロム溶出性、耐水二次密着性、耐食
性、特に加工後の耐食性等の要求される性能が、外気に
さらされる高温低温環境下で要求されるものであり、前
述の家電用クロメート処理はこのような自動車用途に適
するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の種々の問題点を解決しようとするもの
で、特に外気にさらされて使用される自動車用として耐
水二次密着性、耐クロム溶出性および耐食性等に優れた
有機複合被覆鋼板を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術におけ
る問題点を解決すべくなされたもので、クロメート中の
シリカの特性およびシリカと有機樹脂の組み合わせによ
る上塗り塗料について詳細な検討を行い、特に耐水二次
密着性について検討し、本発明に到達したものである。
本発明に従えば、特殊配合のシリカ添加クロメート被膜
またはこのクロメート下塗りとシリカ添加上塗り塗料を
使用して耐水二次密着性と加工後耐食性に優れる有機複
合被覆鋼板を得ることができる。
【0010】すなわち、本発明は、亜鉛または亜鉛系合
金めっき鋼板表面上にCr6+量が全Crに対して25〜
70wt%で、シリカが気相シリカ又は凝集液相シリカ
でありその量が重量比で全Crに対して0.5〜3で、
リン酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0で、樹
脂重量比が全Crに対して0.05〜0.35、フッ素
化合物が重量比で全Crに対して0〜0.4、上記シリ
カ/樹脂重量比が2〜20、Cr付着量が10〜200
mg/m2 であるシリカ添加クロメート被膜を有するこ
とを特徴とする耐水二次密着性に優れる複合被覆鋼板、
または該クロメート被膜の上層に樹脂とシリカを含有す
る有機樹脂層を有する耐水二次密着性に優れる有機複合
被覆鋼板を提供するものである。
【0011】このクロメート層に添加されるシリカとし
て、一次粒子径 0.005〜0.1μmの親水性気相シリカ
あるいは一次粒子径 0.005〜0.1μmの一次粒子が凝
集し凝集平均粒子径が0.1〜1.0μmである凝集液
相シリカである液相シリカを用いることが好ましい。
【0012】また、クロメート層に添加される樹脂とし
て平均分子量 1,000〜 500,000のポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸又はそれらの共重合体の1種又は2種以上
の樹脂を用いることが好ましい。さらにクロメート被膜
の上層に設けられる有機樹脂層が、シリカとアニオン系
水性樹脂またはノニオン系水性樹脂と還元剤とを含有す
る水性塗料を塗布・焼き付けして形成した付着量が0.
1〜3g/m2 の樹脂層である耐水二次密着性に優れる
有機複合被覆鋼板を提供する。還元剤としてはギ酸、タ
ンニン酸、ヒドラジン水和物から選ばれる1種以上を配
合することが好ましい。上層樹脂層を構成するシリカと
して、平均粒子径が0.005〜2μmである液相シリ
カあるいは親水性気相シリカを用いることが好ましい。
上層樹脂層を構成するシリカと有機樹脂の乾燥重量比率
が、樹脂100重量部に対してシリカ10〜100重量
部であることが好ましい。また、ギ酸、タンニン酸、ヒ
ドラジン水和物から選ばれる1種以上と、有機樹脂との
重量比が樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部
であることが好ましい。さらに、樹脂層を構成するアニ
オン系水性ウレタン樹脂として、伸びが50〜1000
%かつ引張強度が200kgf/cm2 以上であるアニ
オン系水性ウレタン樹脂を用いることが好ましい。
【0013】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の鋼板
用の素材としては、亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板を
用いる。この鋼板に施されるめっきの種類としては、純
亜鉛めっき、Zn−Ni(Ni:10〜15%)合金め
っき、Zn−Fe合金めっき、Zn−Cr合金めっきな
どの二元系合金めっき、Zn−Ni−Cr合金めっき、
Zn−Co−Cr合金めっきなどの三元系合金めっきな
どを含み、またZn−SiO2 めっき、Zn−Co−C
r−Al2 3 めっきなどの複合分散めっきを広く包含
する。特に、Zn−Ni(Ni:10〜15%)合金め
っきが好ましい。これらのめっきは、電気めっき法、溶
融めっき法、あるいは気相めっき法によって施され、め
っき付着量としては10〜100g/m2 であることが
好ましい。
【0014】これらの亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板
の上に、後述の有機高分子樹脂層との密着性を向上さ
せ、また耐食性を付与するためにシリカ添加クロメート
処理を行う。クロメート付着量としては金属Cr換算で
10〜200mg/m2 、好ましくは20〜150mg
/m2 の範囲とする。Cr付着量が10mg/m2 未満
では耐食性が不十分であるばかりでなく、樹脂層との密
着性も劣るので好ましくない。200mg/m2 を超え
ても、これ以上の耐食性改善効果がなく、また絶縁被膜
としての抵抗が高まり、自動車用鋼板として要求される
スポット溶接性および電着塗装性を損なうので好ましく
ない。
【0015】クロメート層のCr6+量は全Crに対し2
5〜70wt%でなければならない。Cr6+量が25%
未満であると、6価Crによる自己修復効果が望めず耐
食性に劣る。また、Cr6+量が70%を超えるとアルカ
リ脱脂時、耐クロム溶出性が劣化するので好ましくな
い。
【0016】クロメート層へ添加するシリカは、クロメ
ート層中で3次元に凝集しクロメートの表面積を増大さ
せるシリカを選ぶ必要があり、気相シリカまたは凝集液
相シリカが挙げられるが、気相シリカが従来のシリカゾ
ル(液相シリカ)に比してクロメート層の表面積を大き
くするので好ましい。気相シリカはハロゲン化珪素の酸
水素焔中での高温加水分解により合成されるもの、石英
から精製される電気アーク法により合成されるものがあ
り、表面にはシラノール基を有する。従って、気相シリ
カはクロメート層中で三次元に凝集し、クロメート層の
表面積を増大させ、クロメート層表面のシラノール基を
多くすることにより、上層樹脂層との密着性を強化す
る。
【0017】クロメート層に添加される気相シリカは、
一次粒子径0.005 〜0.1μmの親水性気相シリカを用
いるのがよく、好ましくは0.005 〜0.05μmであ
る。一次粒子径が0.005 μm未満であるとクロメート層
中で凝集しても、表面積増大の効果がなく、一方0.1
μmを超えるとCr付着量として10〜200mg/m
2 のクロメート層ではシリカ粒子をクロメート層中に保
持できなくなり、造膜性が劣り、耐水二次密着性が低下
するので好ましくない。
【0018】液相シリカを用いる場合は、クロメート層
の表面積を増大するために、2次凝集した液相シリカを
用いることが必要である。但し、この場合は液の安定性
が若干低下する場合がある。液相シリカとはけい酸ソー
ダと酸との反応により合成されるもの、アルコキシシラ
ンの加水分解によるもの、カルシウムシリケートと酸と
の反応により合成されるものがあり、シリカ粒子の表面
にはシラノール基およびOH- イオンが存在し、アルカ
リイオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発に
より安定化されている。この場合も、気相シリカと同様
にクロメート層中でシリカが大きい凝集した形態となっ
て、クロメート層の表面積を増大させ、クロメート層表
面のシラノール基を多くすることにより、上層との密着
性を強化し、耐水二次密着性を強化する。
【0019】クロメート層に添加される液相シリカとし
て、一次粒子径 0.005〜0.1μmの一次粒子が凝集し
形成する凝集平均粒子径0.1〜1.0μmの液相シリ
カを用いるのがよく、好ましくは0.2〜0.8μm、
さらに好ましくは0.3〜0.6μmである。凝集平均
粒子径が0.1μ未満であると表面積増大の効果がな
く、一方1.0μmを超えるとクロメート層あるいは樹
脂層からシリカが露出しスポット溶接性が劣化するので
好ましくない。
【0020】クロメート層中のシリカ重量比は全Crに
対し0.5〜3でなければならない。シリカ重量比が
0.5未満では耐水二次密着性が不充分であり、3を超
えても、これ以上の耐水二次密着性改善効果がなく、絶
縁物であるシリカによりスポット溶接性と電着塗装性を
損なうので好ましくない。
【0021】クロメート層に添加するリン酸は後述する
フッ素化合物と併用することにより、その高い耐食性の
ために密着しにくいZn−Ni合金めっきに対しても、
高い密着性を確保でき、優れたクロメート層を得ること
ができる。クロメート層中のリン酸重量比は全Crに対
し0.25〜2.0でなければならない。リン酸重量比
が0.25未満であると充分な亜鉛系めっきのエッチン
グ効果がなくめっきとの密着性に劣り、クロメート液の
安定性も劣る。一方、リン酸重量比が2.0を超える
と、耐クロム溶出性に劣るクロメート層となる。
【0022】クロメート層の添加される樹脂としては、
分子中にカルボキシル基を多量に有するポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸又はそれらの共重合体の1種又は
2種以上を用いることが好ましい。これらの有機樹脂
は、カルボキシル基により亜鉛系めっき表面の濡れ性を
向上し、塗布性を向上させるとともにめっき面との密着
性を向上させる。また、シリカとの併用により、後述す
る上層のシリカを含有した有機樹脂層と構造的に結びつ
きやすく、クロメート層と有機樹脂層との密着性を向上
させる効果を有する。さらに、これらの有機樹脂は、分
子中に多量のカルボキシル基を有するので、シリカとク
ロムがクロメート層として結合する際に、これらにうま
く取り込まれることができ、形成した表面積の大きい3
次元構造を安定に保持する効果をも有する。従って、カ
ルボキシル基の少ないアクリル樹脂、特にエマルジョン
樹脂では充分なる効果は得られない。樹脂の重量平均分
子量は1,000〜500,000 が好ましく、分子量が 1,000未
満であるとクロメート層の造膜性が劣り耐水二次密着性
が低下する。また分子量が 500,000を超えると粘度が増
大しすぎてクロメート液の塗布作業性が低下するので好
ましくない。
【0023】クロメート層中の樹脂重量比は全Crに対
し0.05〜0.35でなければならない。好ましくは
0.05〜0.3である。樹脂重量比が0.05未満で
あるとクロメート塗装後の外観が劣り、0.35を超え
て加えてもそれ以上のクロメート塗装後の外観向上効果
が望めない。
【0024】ここで、クロメート層中のシリカ/樹脂の
重量比は2〜20でなければならない。この範囲であれ
ば、シリカの凝集により、クロメート層の表面積を大き
くするとともに樹脂の特性も充分に得られるので、耐水
二次密着性が良好となる。好ましくは3〜20、さらに
好ましくは6〜9である。
【0025】クロメート層中にフッ素化合物を含む場合
は、めっきとの密着性が向上する。クロメート層に添加
するフッ素化合物としてはH2ZrF6、H2TiF6、H2SiF6を用
いるのが好ましい。これらはいずれも特開平4−358080
号公報において耐食性等の点で不充分であるとされてい
るものであるが、本発明においては、前述のリン酸との
併用による効果に加えて、水溶性のポリアクリル酸など
と併用することにより、短時間で亜鉛系めっき(特にZ
n−Ni合金めっき)表面をエッチングし、めっき面と
の密着性をさらに高めると同時にポリアクリル酸含有ク
ロメート被膜の耐水性を向上させる効果を有する。フッ
素化合物はクロメート中の全Crに対する重量比とし
て、0〜0.4添加されることが好ましい。フッ素化合
物が0.4を超えると亜鉛系めっきのエッチング過多を
起こし、耐水二次密着性が低下するので好ましくない。
好ましくは0.05以上であるとエッチング効果に優れ
る。
【0026】このようなクロメート層単独の被膜でもよ
いが、このクロメート層の上層に主として樹脂とシリカ
からなる有機樹脂層を有していてもよい。有機樹脂層の
樹脂とシリカは地球環境保全の観点から水性樹脂とシリ
カが水に分散された水性塗料であることが好ましいが、
有機溶剤に樹脂とシリカが分散された有機溶剤系塗料で
あっても好適に使用できる。本発明におけるシリカ添加
上塗り樹脂塗料には、製造の焼き付け条件に応じた架橋
剤が配合されてもよい。架橋剤としては、エポキシ系、
メラミン系、イソシアネート系等が例示される。
【0027】シリカ含有上塗り塗料の焼き付け後の付着
量としては0.1〜3、特には0.5〜2.0g/m2
であることが好ましい。0.1g/m2 未満においては
充分な耐食性が得られず、また3g/m2 を超えると皮
膜抵抗が高まりスポット溶接性および電着塗装性が劣化
するためである。本発明の有機複合被覆鋼板を裸のまま
で腐食環境に晒す場合には0.3g/m2 以上の付着量
を確保することが好ましいが、その上層にさらに電着塗
装などを施す場合には0.1g/m2 以上の有機樹脂層
が存在すれば、充分な耐食性を獲得できることを確認し
た。クロメート層とその上層の有機樹脂層は、その用途
に応じて両面、あるいは片面のみの被覆であってもよ
い。片面のみの被覆の場合は、非被覆面が亜鉛系めっ
き、亜鉛系めっきの上層にクロメート処理した面、ある
いは冷延面などである。
【0028】好ましくはクロメート被膜の上層には、シ
リカと、アニオン系水性樹脂または、ノニオン系水性樹
脂および還元剤とを配合してなる有機樹脂層が施され
る。
【0029】還元剤としては、ギ酸、タンニン酸、ヒド
ラジン、没食子酸、シュウ酸、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、エナントアルデヒド、アクロレイン、ク
ロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデ
ヒド、オピアン酸、フタルアルデヒド酸等が代表的なも
のとして挙げられる。
【0030】前記還元剤は水性樹脂塗料中に配合し、シ
リカ添加クロメート被膜の水溶性成分を難溶化するため
のものである。この作用はこれら添加剤の脱酸素反応に
よるクロメートの高分子化とCr6+のCr3+への還元作
用である。さらに還元剤としてギ酸、タンニン酸、ヒド
ラジン水和物から選ばれる1種以上を用いるのが特に好
ましい。これらはどれか1種であっても、ギ酸とタンニ
ン酸、ギ酸とヒドラジン水和物、タンニン酸とヒドラジ
ン水和物の2種の組み合わせ、あるいは3種であっても
よい。本発明では有機樹脂層中にシランカップリング剤
を含有しないために、有機樹脂層のゲル化というような
不具合は全く生じない。
【0031】これらの有機樹脂層中の添加量は、有機樹
脂との重量比が樹脂100重量部に対して0.01〜3
重量部であることが好ましい。添加量が0.01重量部
未満であると耐クロム溶出性への効果が少なく、3重量
部を超えて添加してもそれ以上の耐クロム溶出性への効
果は望めないばかりか、6価クロムの還元量が多くな
り、耐食性が低下し、また、原料費の増加を招き経済的
に不利であるためである。
【0032】さて、樹脂の水性化の方法は樹脂骨格中に
親水性基を導入した水溶解型と水分散型、あるいは強制
乳化法によるエマルジョン型樹脂が使用できる。好適に
は水分散型樹脂が使用できる。水分散型樹脂はエマルジ
ョン型樹脂に比べて乳化剤が残存せず、一方、水溶解型
樹脂に比べて高分子量であり耐食性が高いので好まし
い。また、水分散型で分散助剤として乳化剤を少量含有
した樹脂も好適に使用可能である。
【0033】本発明に用いられる水性樹脂に関して詳細
な検討を行った結果、アニオン系水性樹脂およびノニオ
ン系水性樹脂が好適に使用できることが判明した。
【0034】アニオン系水性樹脂とは樹脂骨格中にアニ
オン系の親水基を、ノニオン系水性樹脂とはノニオン系
の親水基を導入した水性樹脂である。アニオン系の親水
基としてはカルボキシル基、スルフォン酸基あるいはリ
ン酸エステル基など、ノニオン系の親水基としては、水
酸基、アミド基、メチロール基などが代表的に挙げられ
る。本発明ではこれらのアニオン系親水基あるいはノニ
オン系親水基を樹脂中に導入した樹脂とする。アニオン
系水性樹脂およびノニオン系水性樹脂を使用するのは、
塗料中において、水性シリカゾルが負の電荷を持ち分散
しているためゲル化することはなく、一方カチオン系樹
脂であれば、電気的反発がなくなり、塗料がゲル化する
ために鋼板上に塗料を塗布することが困難になるからで
ある。
【0035】アニオン系およびノニオン系の親水基を導
入し水性化した樹脂であれば樹脂種類は特に限定しな
い。たとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂などあるいは
これら樹脂の組み合わせによる樹脂骨格を一部変性した
樹脂(たとえばウレタン変性エポキシ樹脂、多塩基酸化
合物変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、エ
ポキシ変性ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂な
ど)が好適に使用できる。しかしながら、カルボキシル
化ポリエチレン系樹脂に関しては、本発明における試験
において、耐食性とスポット溶接性が劣るものであり、
これは除外する。
【0036】さらに、本発明に用いられる水性樹脂とし
て、アニオン系水性ウレタン樹脂も好適に使用できる。
ウレタン系樹脂とはウレタン結合を多数分子内に有する
高分子化合物であり、樹脂骨格の一部をアクリル、エポ
キシ、アルキッド、エステルなどで変性したものも好適
に使用できる。
【0037】アニオン系水性ウレタン樹脂の場合は樹脂
の伸びと引張強度のバランスの特定範囲のものがより好
ましい。その範囲は伸びが50〜1000%かつ引張強
度が200kgf/cm2 以上である。図1に以下の条
件にてウレタン樹脂の伸びと引張強度を変え、加工後耐
食性試験を行った結果を示す。 めっき:Zn−13.0%Ni(電気)、目付量=20
g/m2 シリカ添加クロメート:Cr6+/全Cr比=50%、C
r換算付着量=40mg/m2 、シリカ/全Cr比=
1.5、リン酸/Cr比=0.6、樹脂/Cr比=0.
1、シリカ/樹脂比=15
【0038】樹脂層:アニオン系水性ウレタン樹脂と水
分散鎖状シリカ(日産化学工業(株)製ST−UP)、
樹脂:シリカ=80:20、付着量0.7g/m2
【0039】加工後耐食性を評価するために円筒絞り試
験(絞り比2.0、しわ押さえ圧1000kg)を行っ
た試験片を5%NaCl水溶液噴霧(35℃)4時間、
乾燥(60℃)2時間、湿潤環境(RH95%、50
℃)2時間を1サイクルとする複合サイクル腐食試験に
供し、200サイクルでの試験片側壁の赤錆発生状況を
判定した。評価方法は実施例に記載の通りである。
【0040】図1より伸びが50〜1000%の範囲で
加工後耐食性が良好となることがわかる。この結果は樹
脂層中にさらに、タンニン酸(富士化学工業社製)=1
重量部(樹脂100重量部に対して)を加えても同様で
あった。
【0041】また、本発明の有機複合被覆中のシリカに
関しては、シリカ表面に適量のシラノール基を確保する
のが腐食環境下での亜鉛系腐食生成物を安定に保持し、
高耐食性を確保するために重要である。水分散型のシリ
カである液相シリカは充分なシラノール基を確保できる
ために非常に好適である。
【0042】具体的には、水分散シリカゾル表面の荷
電状態をアルカリ金属イオン量や多価金属イオン量を調
整することによって制御して平均0.005〜2μmに
した液相シリカ、あるいは適切な分散剤により水分散
させた親水性気相(ヒュームド)シリカが好適に使用可
能である。
【0043】の平均粒子径としては、0.005〜2
μmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が0.0
05μm未満であると、樹脂層中においてもシリカは均
一に分散し、スポット溶接性の劣化が生じた。また、平
均粒子径が2μmを超えると、相当数のシリカ粒子が樹
脂層の外側まで裸出し、スポット溶接時に電極/鋼板間
の電気抵抗が著しく増大して、溶接時スパークを発生し
電極の損傷を助長することになり、スポット溶接を劣化
させる。シリカ形状は均一な粒状であっても、鎖状であ
ってもよく、また一次粒子が上記平均粒子径範囲に凝集
した形状であってもよい。の気相シリカ(ヒュームド
シリカ)も水分散させることによりシリカ表面ではシラ
ノール基が存在するため、腐食生成物を安定に保持する
ことが可能になり、これは水性樹脂との組み合わせにお
いて顕著に発揮され、耐食性が優れるものである。
【0044】なお、以上の水性樹脂と水分散シリカの樹
脂層中における樹脂とシリカの乾燥重量比は、樹脂10
0重量部に対してシリカ10〜100重量部が好まし
い。10重量部よりシリカ配合量が少ないと腐食環境に
晒された時に皮膜中に形成される亜鉛系腐食生成物を安
定に保持する能力に欠け、高耐食性を獲得することがで
きなかった。また、100重量部よりシリカ配合量が多
いと樹脂組成物との相溶性が得られなくなり、塗料とし
て鋼板に塗布することが困難になり、たとえ塗布できて
も、鋼板表面の電気抵抗が非常に高くなりスポット溶接
性が劣化したからである。
【0045】図2に以下の条件にて樹脂とシリカの配合
比を変え、平板耐食性試験を行った結果を示す。評価方
法は実施例に記載の通りである。 めっき:Zn−13.5%Ni(電気)、目付量=20
g/m2 シリカ添加クロメート:Cr6+/全Cr比=50%、付
着量=40mg/m2、シリカ/全Cr比=150%
【0046】樹脂層:アニオン系アクリル樹脂と水分散
ヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製AEROSIL 1
36、粒子径=15nm)、ヒドラジン1水和物(和光
純薬工業製)=0.2重量部(樹脂100重量部に対し
て)およびギ酸(三菱瓦斯化学社製)=0.3重量部
(樹脂100重量部に対して)、付着量=0.5g/m
2
【0047】図2より、樹脂100重量部に対してシリ
カ10〜100重量部という配合比で平板耐食性が良好
となることがわかる。
【0048】さらに、本発明における水性塗料では、製
造の焼き付け条件に応じた架橋剤が配合されてもよい。
架橋剤としては、エポキシ系、メラミン系、イソシアネ
ート系等が例示される。
【0049】次に、本発明の有機複合被覆鋼板の製造方
法の一例を説明する。クロメート層を亜鉛または亜鉛系
めっき鋼板上に被覆する方法は、ロールコーターなどを
用いる塗布型クロメート法、電解型クロメート法、反応
型クロメート法などのいずれの方法によってもよいが、
前述した所定の組成物を所定の割合で混合して得られた
処理液を金属板上に塗布する塗布型クロメート処理によ
って行うのが好ましい。この場合、クロメート処理液の
混合方法は、水にクロム酸とリン酸を加え、攪拌しなが
ら徐々にホルマリン、過酸化水素、メタノールなどの還
元剤を加え、所定の還元率とし、シリカ分散液を加え、
次にフッ素化合物、最後にポリアクリル酸等の水溶性樹
脂を加えるのが好ましい。金属板をクロメート処理液で
処理した後は、フラットゴムロール等で絞り、その後、
熱風乾燥等による乾燥工程を経て、クロメート皮膜が金
属板の少なくとも一方の面に形成される。なお、乾燥工
程における加熱処理は、シリカの3次元構造の形成が容
易に起こることから、比較的低温で行うことができるの
で、加熱処理の板温は90〜250℃、好ましくは90
〜150℃である。90℃未満であると耐クロム溶出性
が悪く、250℃超では耐食性が良くない。とりわけ1
60℃以下の温度でも充分に乾燥するので、鋼板のBH
性を損なわない著しい効果が得られる。
【0050】本発明の有機樹脂層をクロメート層上に被
覆する方法は、溶媒に樹脂を分散させた後、シリカ分散
液を混合させて均一とする。得られた混合物をロールコ
ート、スプレー、シャワーコート、エアナイフ法等の公
知の方法によって所定の厚さとなるように塗布し、乾燥
させる。このとき、乾燥のための加熱処理の板温は90
〜200℃が好ましく、さらに好ましくは120〜18
0℃である。
【0051】クロメート被膜上に塗布される水性塗料に
添加されるギ酸、タンニン酸、ヒドラジン水和物は、9
0〜200℃での焼き付け後には樹脂被膜中に実質的に
残存しないようにするのが好ましい。この範囲の温度で
十分に焼き付けすれば上記ギ酸等は樹脂被膜中に残存し
ないようになる。ギ酸等を樹脂被膜中に残存させない
と、耐食性等の低下を防止できる。
【0052】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。各種の両面亜鉛系めっき鋼板(板厚0.8m
m)に脱脂後ロールコーターで各種塗布型クロメート処
理を施し、最高到達板温120℃で焼き付けた。次に種
々の水性樹脂と平均粒子径の異なる各種シリカを混合す
ることにより調整した塗料をロールコーターで塗布し
た。その後最高到達板温150℃で焼き付け、有機複合
被覆鋼板を得た。
【0053】以下に示す[a]〜[c]の場合にわけ
て、それぞれ結果を図3〜図5、表1〜表4に示した。 [a]クロメート表面のシリカの分布を示す実験 クロメート表面のシリカの形状を示す実験として実施例
1−1と同じ鋼板に同じクロメート層を塗布し、ただし
用いるシリカの種類を粒子径0.03μmの親水性気相
シリカ(図3)と、一次粒子径0.015μm、凝集二
次粒子径0.6μmの液相シリカ(図4)と、一次粒子
径0.010μmで凝集していない液相シリカ(図5)
を用いた場合に分けてクロメート層表面のSEM写真を
得た。本発明範囲のクロメート表面(図3および図4)
では、シリカがもりあがって分布し全体の表面積が大き
くなっていることがわかる。
【0054】[b]実施例1−1〜1−28 クロメート被膜の上層の有機樹脂層が還元剤を含まない
場合 クロメート層に添加するシリカ種 クロメート層に添加するフッ素化合物 上層樹脂層の樹脂種 上層樹脂中のシリカ 得られた有機複合被覆鋼板について、[c]と同様の評
価を行い結果を表1および表3に示す。ただし、耐水二
次密着性試験の場合の、下塗り、中塗り、上塗り塗料
は、それぞれ日本ペイント製電着塗料パワートップU−
2600、日本ペイント製中塗り塗料OP−2クロ、日
本ペイント製上塗り塗料OS−30クロを用いた。
【0055】[c]実施例2−1〜2−28、比較例1
〜10 クロメート被膜の上層の有機樹脂層が還元剤を含む場
合、クロメート層に添加するシリカ種は次の通りであ
る。 A:親水性気相シリカ A−1:一次粒子径 0.007μm A−2:一次粒子径 0.03 μm B:液相シリカ B−1:一次粒子径 0.015μm 凝集二次粒子径 0.6μm B−2:一次粒子径 0.005μm 凝集二次粒子径 0.3μm
【0056】クロメート層に添加する樹脂種は次の通り
である。 A:ポリアクリル酸 A−1:重量平均分子量 約 6,000 A−2:重量平均分子量 約 20,000 A−3:重量平均分子量 約360,000 A−4:重量平均分子量 約900,000 B:ポリメタクリル酸 重量平均分子量 約 60,000 C:ポリアクリル酸と ポリメタクリル酸の共重合体 重量平均分子量 約40,000
【0057】クロメート層に添加するフッ素化合物の種
類は次の通りである。 A:H2 ZrF6 B:H2 TiF6 C:H2 SiF6
【0058】上層樹脂層の樹脂種は次の通りである。 A:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
50、重量平均分子量20000)のジエチルアミン中
和物 B:カルボキシル基含有アニオン系エポキシ樹脂(酸価
45、重量平均分子量12500)のジエチルアミン中
和物 C:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
48、重量平均分子量15000)のトリエチルアミン
中和物 D:ノニオン系アクリル樹脂(重量平均分子量2800
0、ガラス転移温度18℃) E:ノニオン系アクリル変性エポキシ樹脂(重量平均分
子量35000、ガラス転移温度42℃) F:カルボキシル基含有アニオン系ウレタン樹脂(酸価
48、重量平均分子量7800)のトリエチルアミン中
和物 G:カルボキシル基含有エポキシ変性ウレタン樹脂(酸
価60、重量平均分子量38000)のジエチルアミン
中和物 H:カチオン系ウレタン樹脂(アミン価45、重量平均
分子量35000)の酢酸中和物 I:ウレタン変性エポキシ樹脂のプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート分散体 J:エポキシ樹脂のキシレン分散体
【0059】上層樹脂層中のシリカは次の通りである。 A:水分散液相均一シリカゾル(日産化学工業(株)
製) B:水分散液相凝集形態シリカゾル(日産化学工業
(株)製) C:水分散液相鎖状シリカゾル(日産化学工業(株)
製) D:親水性気相シリカ(日本アエロジル(株)製) E:疎水性気相シリカ(日本アエロジル(株)製)
【0060】上層樹脂中に添加される還元剤は次の通り
である。 A:ギ酸(三菱瓦斯化学社製) B:タンニン酸(富士化学工業社製) C:ヒドラジン水和物(三菱瓦斯化学社製) 得られた有機複合被覆鋼板について、次のような試験を
行い、性能を評価した。結果を表2および表4に示す。
【0061】(耐水二次密着性試験)日本ペイント
(株)製サーフダインSD2500で化成処理を行い、
日本ペイント製電着塗料パワートップU−2602をZ
n−Niめっきで20μm電着する条件にて処理し、1
60℃で10分の焼き付けを行った。その後、日本ペイ
ント製中塗り塗料T04825クロを約40μm厚みに
スプレー塗装し140℃で20分の焼き付けを行った。
その後、日本ペイント製上塗り塗料T0650PZクロ
を約40μm厚みにスプレー塗装し140℃で20分の
焼き付けを行った。この塗装後のサンプルを50℃の純
水に10日間浸漬し、取り出してから1時間後に2mm
碁盤目クロスカット、セロテープ剥離試験を行い、以下
の評価基準に従って耐水二次密着性を評価した。
【0062】 ◎:剥離なし ○:剥離面積5%未満でかつ碁盤目の完全剥離がないこ
と △:剥離面積5%以上〜35%未満 ×:剥離面積35%以上
【0063】(平板耐食性試験)5%NaCl水溶液噴
霧(35℃)4時間、乾燥(60℃)2時間、湿潤環境
(RH95%、50℃)2時間を1サイクルとする複合
サイクル腐食試験に供し、200サイクルでの試験片の
赤錆発生状況を観察した。平板耐食性の評価基準は以下
に示す。 ◎:赤錆発生なし ○:赤錆発生面積率10%未満 △:赤錆発生面積率10〜20% ×:赤錆発生面積率20%超
【0064】(加工後耐食性試験)円筒絞り試験(絞り
比2.0、しわ押さえ圧1000kg)を行った試験片
を5%NaCl水溶液噴霧(35℃)4時間、乾燥(6
0℃)2時間、湿潤環境(RH95%、50℃)2時間
を1サイクルとする複合サイクル腐食試験に供し、20
0サイクルでの試験片側壁の赤錆発生状況を観察した。
加工後耐食性への評価基準は以下に示す。 ◎:赤錆発生なし ○:赤錆発生面積率10%未満 △:赤錆発生面積率10〜20%未満 ×:赤錆発生面積率20%超
【0065】(耐クロム溶出性試験)脱脂、水洗、表面
調整、化成処理の4工程を行い、処理前後のクロム付着
量の変化を蛍光X線分析により測定した。 ◎:1mg/m2 未満 ○:1以上〜2mg/m2 未満 △:2以上〜4.5mg/m2 未満 ×:4.5mg/m2 以上
【0066】(スポット溶接性試験)先端6mmφのA
23 分散銅合金製の溶接チップを用い、加圧力20
0kgf、溶接電流9kA、溶接時間10Hzで連続溶
接を行い、ナゲット径が基準値を下回るまでの連続溶接
打点数を測定した。評価基準は以下に示す。 ◎:3000点以上 ○:2000〜3000点未満 △:1000〜2000未満 ×:1000点未満
【0067】表1にクロメート層、樹脂層の条件、有機
樹脂層中におけるシリカの分布状態と試験結果をまとめ
た。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【発明の効果】これまでに説明したように、本発明の有
機複合被覆鋼板は優れた耐水二次密着性、平板耐食性、
加工後耐食性、耐クロム溶出性、カチオン電着塗装性お
よびスポット溶接性を有し、自動車車体用をはじめとし
て、同様の品質特性を期待される広範囲の用途に使用す
ることができるので、工業的な価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】アニオン系水性ウレタン樹脂の伸びと引張強度
を変えた場合の加工後耐食性への影響を示す図である。
【図2】樹脂とシリカの配合比の平板耐食性への効果を
示す図である。
【図3】粒子構造を示す図面代用写真であり、クロメー
ト層に添加するシリカとして、粒子径0.03μmの親
水性気相シリカを用いた場合のクロメート表面のSEM
写真(倍率3×104 )である。
【図4】粒子構造を示す図面代用写真であり、クロメー
ト層に添加するシリカとして、一次粒子径0.015μ
m、凝集二次粒子径0.6μmの液相シリカを用いた場
合のクロメート表面のSEM写真(倍率3×104 )で
ある。
【図5】粒子構造を示す図面代用写真であり、クロメー
ト層に添加するシリカとして、一次粒子径0.010μ
mで、凝集していない液相シリカを用いた場合のクロメ
ート表面のSEM写真(倍率3×104 )である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 和 広 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 幸 田 正 信 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 伊 藤 威 安 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 田 辺 弘 往 栃木県那須郡西那須野町朝日町8−15 (72)発明者 小 川 修 栃木県大田原市中央1−19−5 シティハ イム ベルファムB102号

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上に (A)Cr6+量が全Crに対して25〜70wt% (B)シリカが気相シリカ又は凝集液相シリカでありそ
    の量が重量比で全Crに対して0.5〜3 (C)リン酸重量比が全Crに対して0.25〜2.0 (D)樹脂重量比が全Crに対して0.05〜0.35 (E)フッ素化合物重量比が全Crに対して0〜0.4 (F)上記シリカ/樹脂重量比が2〜20 (G)Cr付着量が10〜200mg/m2 であるシリカ添加クロメート被膜を有することを特徴と
    する耐水二次密着性に優れる複合被覆鋼板。
  2. 【請求項2】請求項1のシリカ添加クロメート被膜の上
    層に、さらに樹脂とシリカを含有する有機樹脂層を有す
    ることを特徴とする耐水二次密着性に優れる有機複合被
    覆鋼板。
  3. 【請求項3】クロメート層に添加されるシリカが、一次
    粒子径 0.005〜0.1μmの親水性気相シリカである請
    求項1または2に記載の耐水二次密着性に優れる有機複
    合被覆鋼板。
  4. 【請求項4】クロメート層に添加されるシリカが、一次
    粒子径 0.005〜0.1μmの一次粒子が凝集し凝集平均
    粒子径が0.1〜1.0μmである凝集液相シリカであ
    る請求項1または2に記載の耐水二次密着性に優れる有
    機複合被覆鋼板。
  5. 【請求項5】クロメート層に添加される樹脂が、平均分
    子量 1,000〜 500,000のポリアクリル酸、ポリメタクリ
    ル酸又はそれらの共重合体の1種又は2種以上である請
    求項1〜4のいずれかに記載の耐水二次密着性に優れる
    有機複合被覆鋼板。
  6. 【請求項6】前記クロメート被膜の上層に設けられる有
    機樹脂層が、シリカとアニオン系水性樹脂またはノニオ
    ン系水性樹脂と還元剤とを含有する水性塗料を塗布・焼
    き付けして形成した付着量が0.1〜3g/m2 の樹脂
    層である請求項2〜5のいずれかに記載の耐水二次密着
    性に優れる有機複合被覆鋼板。
  7. 【請求項7】前記クロメート被膜の上層に設けられる有
    機樹脂層が、シリカとアニオン系水性樹脂とギ酸、タン
    ニン酸、およびヒドラジン水和物から選ばれる1種以上
    とを含有する水性塗料を塗布・焼き付けして形成した付
    着量が0.1〜3g/m2 の樹脂層である請求項2〜5
    のいずれかに記載の耐水二次密着性に優れる有機複合被
    覆鋼板。
  8. 【請求項8】前記クロメート被膜の上層に設けられる有
    機樹脂層が、シリカとノニオン系水性樹脂とギ酸、タン
    ニン酸、およびヒドラジン水和物から選ばれる1種以上
    とを含有する水性塗料を塗布・焼き付けして形成した付
    着量が0.1〜3g/m2 の樹脂層である請求項2〜5
    のいずれかに記載の耐水二次密着性に優れる有機複合被
    覆鋼板。
  9. 【請求項9】前記アニオン系水性樹脂が、アニオン系水
    性ウレタン樹脂である請求項6または7に記載の耐水二
    次密着性に優れる有機複合被覆鋼板。
  10. 【請求項10】前記アニオン系水性ウレタン樹脂が、伸
    びが50〜1000%かつ引張強度が200kgf/c
    2 以上であるアニオン系水性ウレタン樹脂である請求
    項9に記載の耐水二次密着性に優れる有機複合被覆鋼
    板。
  11. 【請求項11】前記クロメート被膜の上層に設けられる
    有機樹脂層を構成するシリカとして、平均粒子径が0.
    005〜2μmである液相シリカを用いる請求項2〜1
    0のいずれかに記載の耐水二次密着性に優れる有機複合
    被覆鋼板。
  12. 【請求項12】前記クロメート被膜の上層に設けられる
    有機樹脂層を構成するシリカとして親水性気相シリカを
    用いる請求項2〜10のいずれかに記載の耐水二次密着
    性に優れる有機複合被覆鋼板。
  13. 【請求項13】前記クロメート被膜の上層に設けられる
    有機樹脂層中におけるシリカと有機樹脂の乾燥重量比率
    が、樹脂100重量部に対してシリカ10〜100重量
    部である請求項2〜12のいずれかに記載の耐水二次密
    着性に優れる有機複合被覆鋼板。
  14. 【請求項14】前記ギ酸、タンニン酸、ヒドラジン水和
    物から選ばれる1種以上と、有機樹脂との重量比が樹脂
    100重量部に対して0.01〜3重量部である請求項
    7〜13のいずれかに記載の耐水二次密着性に優れる有
    機複合被覆鋼板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002200696A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 化粧金属板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002200696A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 化粧金属板

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