JPH09235545A - サーモクロミック高分子組成物及びそれを基材としたサーモクロミック高分子成形体 - Google Patents

サーモクロミック高分子組成物及びそれを基材としたサーモクロミック高分子成形体

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JPH09235545A
JPH09235545A JP8338202A JP33820296A JPH09235545A JP H09235545 A JPH09235545 A JP H09235545A JP 8338202 A JP8338202 A JP 8338202A JP 33820296 A JP33820296 A JP 33820296A JP H09235545 A JPH09235545 A JP H09235545A
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dye
temperature
polymer compound
thermochromic
polymer
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Application number
JP8338202A
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English (en)
Inventor
Isao Uchiyama
功 内山
Takahiro Nagayama
隆裕 永山
Masato Niihara
正人 新原
Osamu Kawashima
修 川嶋
Yukichi Murata
勇吉 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高分子(A)及び色素(B)を主成分とし、
該高分子と該色素との相溶性が温度によって変化するこ
とにより分光特性が変化する高分子組成物であって、分
光特性が変化する温度が該高分子の融点より低いことを
特徴とするサーモクロミック高分子組成物及びそれを基
材としたサーモクロミック高分子成形体。 【解決手段】 本発明のサーモクロミック高分子組成物
を使用することにより、下記の効果が得られる。 (1)安価で入手容易な既存の高分子と色素を組み合わ
せることによりサーモクロミック樹脂組成物が得られる
ので経済的に優れる。 (2)高分子の融点より低い温度で分光特性が変化する
ので、変化時での高分子自体の強度が保持されるため
に、別の支持体を必要としない。 (3)色素添加濃度により分光特性が変化する温度を可
変的に制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーによ
り分光特性(反射スペクトル及び透過スペクトル)に変
化を起こすサーモクロミック高分子組成物及びそれを基
材としたサーモクロミック高分子成形体に関するもので
あり、これらは温度センサー、表示材料、調光材料、光
記録媒体等に応用可能である。
【0002】
【従来の技術】熱あるいは光により分光特性が変わる材
料は、サーモクロミズムやフォトクロミズムとしてよく
知られている。これらの材料は、各種の表示材料、セン
サー、記録材料、調光材料などに広く応用検討されてい
る。温度センサーのなかで、高分子化合物材料として実
用化されているものには、ポリマー、カーボン系複合体
のプラスチックサーミスタおよび高分子化合物焦電素子
を用いた赤外線センサー等がある。
【0003】また、書換型光記録媒体には、従来、磁気
光学カー効果を用いたTbTeCo等の希土類−遷移金
属合金からなる光磁気記録材料、カルコゲナイド薄膜の
相変化を利用した相変化型光記録材料などがある。これ
ら無機系の光記録材料は有害物質を多く用いており、ま
た蒸着、スパッタリングなどの方法を用いて製造するた
めコストが高い。そこで安全で、かつ安価な書換型光記
録媒体を得るために、有機系の材料が検討されている。
この有機系光記録媒体としては、スピロピランなどフォ
トクロミック化合物を用いたものがある(特開昭59−
227972号公報等参照)。しかし、フォトクロミッ
ク材料を使用したものは、記録状態の安定性に問題があ
り、また、読み出し破壊の問題があると言われている。
【0004】特開平2−136289号公報には、液晶
高分子化合物と色素からなり、加熱−冷却条件の相違に
より異なった光学的性質を示す記録層を有する光記録媒
体が示されている。その記録層では、液晶高分子化合物
の融点以上に加熱することによりこの高分子化合物の主
鎖が動き、急冷することにより側鎖が配列できない状態
になる。また該高分子化合物の転移点以下で昇温を行
い、徐冷した場合には側鎖が配列する状態になる。
【0005】このようにして液晶高分子化合物の側鎖の
配列状態を変化させることにより、これらの状態におい
て液晶高分子化合物と色素間の相互作用が変化すること
に基づき、光記録媒体の記録層の光学的性質を変化させ
ることを利用したものが開示されている。しかし、液晶
高分子化合物は高価であり、また組み合わせる色素の構
造は液晶高分子化合物と適切な相互作用が得られるもの
に限られる。また、光学的性質が変化する温度は、液晶
高分子化合物の融点として一義的に決まるため、可変的
に制御することは困難である。更に、光学的性質を変化
させるためには液晶高分子化合物の融点以上に加熱する
必要があり、また記録媒体としての強度を保つためには
別に支持体が必要である。
【0006】また、特開平6−57246号公報には、
温度により分光特性が異なる機能性樹脂組成物が示され
ている。この樹脂組成物は、高分子化合物と、温度によ
り会合状態が変化する色素からなり、この樹脂組成物に
おける分光特性の変化は、高分子化合物の融点より低い
温度(第1温度)、高分子化合物の融点付近の温度(第
2温度)、又は高分子化合物の融点よりも高い温度(第
3温度)のそれぞれの温度における吸光スペクトルの吸
収ピークが異なることによるものである。この吸収ピー
クの相違は、色素の会合状態と、高分子化合物と色素の
相溶性の変化により現れるものであるとされている。し
かし、この樹脂組成物では、分光特性を変化させるため
に、少なくとも高分子化合物を融点以上の温度にする必
要があり、従ってこのような高分子化合物を用いた樹脂
組成物を記録媒体等に使用する場合には、強度を保つた
めに、別に該組成物を保持する支持体が必要である。ま
た、使用する高分子化合物については、低融点(好まし
くは50〜70℃の温度領域)のもので、ポリエチレン
グリコール、ポリカプロラクトン、ポリ(1,4−ブチ
レンアジペート)が例示されている。さらに使用する色
素については、上記の如く温度により会合状態が変化す
るという性質を有することが必要であり、フタロシアニ
ン系色素またはナフタロシアニン系色素等の特殊な色素
に限られる。更に、分光特性が変化する温度は、高分子
化合物の融点により一義的に決まるため可変的に制御す
ることは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価で入手
容易な既存の高分子化合物と色素の組み合わせにより、
高分子化合物の融点より低い温度で分光特性(反射スペ
クトル及び透過スペクトル)が可逆的に変化し、かつ分
光特性が変化する温度を可変的に制御できるサーモクロ
ミック高分子組成物及びそれを基材としたサーモクロミ
ック高分子成形体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明におけるサーモク
ロミック高分子組成物は、高分子化合物(A)及び色素
(B)を主成分とし、該高分子化合物と該色素との相溶
性が温度によって変化することにより分光特性が変化す
る高分子組成物であって、分光特性が変化する温度が該
高分子化合物の融点より低いことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のサーモクロミック高分子組成物に用いる高分子
化合物(A)としては、加熱、冷却に対して高分子化合
物の物性が可逆的に変化するものが好ましく、熱可塑性
高分子化合物が好ましい。具体的には、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等
のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレン共重合体等のプロピレン系樹脂等のオレフィ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹
脂、ケイ素樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカ
ーボネート等の融点が80〜350℃の熱可塑性樹脂例
示される。中でも、ガラス転移温度が低く、融点が比較
的高いことが好ましく、例えばエチレン系樹脂、プロピ
レン系樹脂等の結晶性オレフィン系樹脂(結晶化度10
〜75%)が特に好ましい。また一方で、色素との相溶
性に優れることから、ポリスチレン、AS樹脂、ABS
樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
ニル樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂も好ましい。
【0010】本発明のサーモクロミック高分子組成物に
用いる色素(B)としては、アゾ系、アントラキノン
系、インジゴイド系、カーボニウム系、キノンイミン
系、フタロシアニン系等が挙げられ、特に制限はない
が、色素の固体状態での反射スペクトルに基づく色相
と、色素のクロロホルム溶液の透過スペクトルに基づく
色相との差がLCh表色系における色相角度の差△hと
して5°以上である色素が好ましく、△hが10°以上
である色素はより好ましい。このような色素をカラーイ
ンデックス番号で示せば、Solvent Yello
w−113、Solvent Orange−60、S
olvent Red−179、SolventVio
let−31、Disperse Blue−198等
が例示される。
【0011】本発明のサーモクロミック高分子組成物
は、高分子化合物の融点より低い温度での高分子化合物
への色素の溶解・析出を分光特性変化の基本メカニズム
としている。すなわち、高分子化合物(A)の融点より
低い温度T1においては、高分子化合物(A)中に析出
している色素が存在するために、析出色素の固体表面の
反射スペクトルが支配的であるが、該温度T1より高
く、高分子化合物(A)の融点より低い温度T2では、
該色素は高分子化合物中に溶解しているため、その反射
スペクトルパターンが変化する。一方、温度T1では高
分子化合物中に析出している色素のために透過光量が小
さいが、温度T2では色素は高分子化合物中に溶解して
いるため透過光量が大きくなると共に、色素に固有な波
長の光が吸収されるため、透過スペクトルパターンが大
きく変化する。したがって、温度T1とT2で分光特性
(反射スペクトル及び透過スペクトル)に明瞭な変化が
見られる。
【0012】本発明のサーモクロミック高分子組成物に
おいては、高分子化合物(A)と色素(B)の配合割合
は、前記した機能が達成されるように配合されることが
必要であり、それ以外に特に制限はないが、色素(B)
/高分子化合物(A)が重量比で、1/1000〜1/
2の比率で配合されるのが好ましく、1/100〜1/
3の比率で配合されるのが特に好ましい。
【0013】本発明のサーモクロミック高分子組成物
は、高分子化合物への色素の溶解・析出を分光特性変化
の基本メカニズムとしているため、色素添加濃度を変え
ることにより分光特性の変わる温度を可変的に制御する
ことができる。色素添加濃度を低くすればより低温で分
光特性が変化し、逆に色素添加濃度を高くすればより高
温で分光特性が変化する。
【0014】本発明のサーモクロミック高分子組成物
は、高分子化合物(A)、温度T1(T1<高分子化合
物(A)の融点)で少なくともその一部が未溶解のまま
高分子化合物(A)中に析出し、かつ温度T2(T1<
T2<高分子化合物(A)の融点)で高分子化合物
(A)に実質的に完全に溶解する色素(B)、及び該温
度T1で該高分子化合物(A)に実質的に溶解している
色素(C)とを主成分とする高分子組成物であって、該
温度T1とT2のそれぞれの温度における該高分子組成
物の分光特性が可逆的に変化するものも含む。なお、温
度T1で未溶解のまま高分子化合物(A)中に析出して
いる色素(B)の量は、色素(B)の一部であって、具
体的には色素全量の5重量%以上、好ましくは10重量
%以上である。勿論、全量が析出していても構わない。
【0015】ここで融点とは、結晶性樹脂においては、
樹脂粉5mgをパーキン・エルマー社の示差走査熱量計
(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で得られる
DSC曲線のピーク温度(図3のMp)を言う。(DS
C曲線のピーク(山)が2つ以上あるときは、高い方の
ピーク温度を言う)。また、非晶性樹脂においては、顕
微鏡を用い、3℃/分の昇温速度で樹脂が溶解して完全
に透明となった温度(軟化点)を言う。
【0016】このような色素(C)を使用したサーモク
ロミック高分子組成物は、色素(B)と色素(C)を独
立して選択することにより、低温側と高温側の色調を幅
広く設定できる。また、色素(B)の固体状態での反射
スペクトルに基づく色相と、色素(B)及び色素(C)
のクロロホルム溶液の透過スペクトルに基づく色相との
差がLCh表色系における色相角度の差△hとして10
°以上、好ましくは20℃以上である色素(B)と色素
(C)を組み合わせることにより、温度T1とT2にお
ける分光特性の変化を大きくすることができる。
【0017】このように色素(C)を使用した場合も、
高分子化合物(A)、色素(B)、色素(C)の配合割
合は、前記した機能が達成されるように配合されること
以外に特に制限はないが、(B)/(A)及び(C)/
(A)が重量比で、それぞれ1/1000〜1/2の比
率で配合されるのが好ましく、1/100〜1/3の比
率で配合されるのが特に好ましい。
【0018】また、色素(B)と色素(C)の使用割合
としては、(B)/(C)が重量比で、1/100〜1
0000/1、好ましくは1/10〜100/1の範囲
が挙げられる。本発明のサーモクロミック高分子組成物
は、上記のような高分子(A)に、色素(B)や、必要
に応じて色素(C)、サーモクロミック特性を妨げない
添加剤等を混合することにより得られる。
【0019】このような本発明のサーモクロミック高分
子組成物を基材として、シート状、板状、粉状、粒状等
の高分子成形体を作成することにより、一層種々の用途
への応用が可能になる。本発明のサーモクロミック高分
子成形体の製造方法としては、前記高分子化合物(A)
と色素(B)、また色素(C)を使用する場合はその色
素(C)も併せて、溶融混練により混合後、射出成型等
により成型する方法、及びテトラヒドロフラン、クロロ
ホルム、四塩化炭素等の有機溶剤に、前記高分子化合物
(A)と色素(B)、また色素(C)を使用する場合は
その色素(C)も併せて溶解し、この後製膜等で適宜成
型し、乾燥する方法等が例示されるが特に制限はない。
【0020】さらに、前記サーモクロミック高分子成形
体の表面をフッ素樹脂またはシリコーン樹脂でコーティ
ングすることにより、該サーモクロミック性能寿命の延
長に効果がある。本発明のサーモクロミック高分子組成
物は、高分子化合物の融点より低い温度で分光特性が変
化するため、分光特性の変化の現出する温度付近でも、
高分子化合物自体の強度は保持される。したがって、こ
れを基材として、シートや板状の成形体とした場合に
も、強度を保つ目的だけのために別の支持体を必要とは
しないが、勿論使用しても構わない。
【0021】本発明のサーモクロミック高分子組成物
は、高分子化合物の融点より低い温度、かつ色素の融点
より低い温度で分光特性が変化するため、色素の劣化が
小さいという効果がある。本発明のサーモクロミック高
分子組成物及びそれを基材としたサーモクロミック成形
体は前記のように、温度により異なる分光特性を現出さ
せることができるので、この性質を利用して、例えば該
サーモクロミック高分子組成物を用いた温度センサーな
どを作製することができる。
【0022】さらに、本発明のサーモクロミック高分子
組成物及びそれを基材としたサーモクロミック成形体の
温度による分光特性の変化を可逆的に現出させることが
できる。この性質を利用して、例えば該サーモクロミッ
ク高分子組成物又はそれを基材としたサーモクロミック
成形体を記録層に含む記録媒体などを作製することがで
きる。
【0023】この他、本発明のサーモクロミック高分子
組成物を微粉化し水溶性または非水溶性の媒体に分散す
ることにより、例えば示温性塗料等を作製することもで
きる。この際に、前記サーモクロミック高分子組成物の
微粉の表面をフッ素樹脂またはシリコーン樹脂でコーテ
ィングしておくことにより該塗料の保存安定性を高める
こともできる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、これら実施例は本発明を何ら限定するものでな
い。なお、以下の実施例において、融点は示差走査熱量
計を用いて測定したものである。 (実施例1)プロピレン−エチレンブロック共重合体
(三菱化学(株)製品、商品名:三菱(登録商標)ポリ
プロBC−3G、融点165℃:DSC曲線を図3に示
す。)100重量部に、色素として1,4−ビスヘプタ
デシルカルボニルアミノアントラキノン(融点122
℃)0.57重量部を混合し、2本ロール型練りロール
機を使用して220℃、5分間溶融混練して高分子組成
物を作製した。この高分子組成物を熱プレス成型機を使
用して210℃、圧力40kg/cm2Gでシート化し
た。得られたシートの厚みは、0.5mmであった。
【0025】このシートをガラス板上に固定してヒータ
ーで20℃から100℃まで加熱し、その後再び20℃
まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側ではあ
ずき色をしていたが、78〜80℃でオレンジ色に色調
が変化し、以後100℃までオレンジ色を呈していた。
冷却により再びあずき色に戻った。上記分光特性の変化
を定量的に把握するために、該高分子組成物シートを図
1の構造を持つ加熱ホルダーに固定して、 加熱前
(30℃)、加熱後(90℃)及び再冷却後(30
℃)において透過光による写真を撮影し、得られた写真
を測色機を用いてLCh測色系で数値化した。加熱前
(30℃)の明度Lは30.51、彩度Cは65.1
0、色相角度hは33.74°であった。加熱後(9
0℃)の明度Lは36.01、彩度Cは51.78、色
相角度hは42.69°であり、加熱前(30℃)に
対する色差△Eは15.94であった。
【0026】一方、再冷却後(30℃)の明度Lは3
0.58、彩度Cは65.04、色相角度hは33.6
1°であり、加熱前(30℃)に対する色差△Eは
4.76であった。上記と同じように、該高分子組成物
シートを図2の構造を持つ加熱ホルダーに固定して、
加熱前(30℃)、加熱後(90℃)及び再冷却
後(30℃)において反射光による写真を撮影し、得ら
れた写真を測色機を用いてLCh測色系で数値化した。
加熱前(30℃)の明度Lは9.25、彩度Cは7.
35、色相角度hは46.29°であった。加熱後
(90℃)の明度Lは35.19、彩度Cは22.1
5、色相角度hは62.06°であり、加熱前(30
℃)に対する色差△Eは30.30であった。一方、
再冷却後(30℃)の明度Lは7.74、彩度Cは6.
61、色相角度hは34.74°であり、加熱前(3
0℃)に対する色差△Eは1.27であった。 (測定例1)実施例1で使用した色素の1,4−ビスヘ
プタデシルカルボニルアミノアントラキノンの固体粉末
について、図4の構造を持つ装置により反射光による写
真を撮影した。すなわち、遮光板の上に白色板を積層し
た上に色素固体粉末を置き、該粉末上に透明のガラス板
を載せ、測定する部分以外を測定用マスクで覆い、反射
光源からの光を測定部分にあてて、その反射光による写
真を撮影した。得られた写真から測色機を用いて求めた
色素固体粉末の色相角度hは40゜であった。一方、色
素1,4−ビスヘプタデシルカルボニルアミノアントラ
キノン100mgを1L(リットル)のクロロホルムに
溶解した色素クロロホルム溶液について、図5の構造を
持つ装置により透過光による写真を撮影した。すなわ
ち、厚さ5mmのガラスセル中に該色素クロロホルム溶
液を充填し、その上下両面の測定部分以外を測定用マス
クで覆い、その測定部分の透過光による写真を撮影し
た。得られた写真から測色機を用いて求めた色相角度h
は79゜であった。したがって、該色素1,4−ビスヘ
プタデシルカルボニルアミノアントラキノンの固体状態
での反射スペクトルに基づく色相と、そのクロロホルム
溶液の透過スペクトルに基づく色相との差は、Lch表
色系における色相角度の差△hとして39°であった。
【0027】(実施例2)プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(三菱化学(株)製品、商品名:三菱(登録
商標)ポリプロBC−3G、融点165℃)100重量
部に色素として1,5−ジヒドロキシ−4,8−ビスヘ
プタデシルカルボニルアミノアントラキノン(融点17
8℃)0.2重量部を混合した。以下、実施例1と同様
にしてシート化した。得られたシートの厚みは、0.5
mmであった。
【0028】このシートをガラス板上に固定してヒータ
ーで30℃から160℃まで加熱し、その後再び30℃
まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側では青
紫色をしていたが、120〜130℃で赤色に色調が変
化し、以後160℃まで赤色を呈していた。冷却により
再び青紫色に戻った。
【0029】(実施例3)色素の配合割合0.2重量部
を0.8重量部に変更した以外は、実施例2と同様にし
てシートを得た。このシートをガラス板上に固定してヒ
ーターで30℃から160℃まで加熱し、その後再び3
0℃まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側で
は青紫色をしていたが、130〜140℃で赤色に色調
が変化し、以後160℃まで赤色を呈していた。冷却に
より再び青紫色に戻った。
【0030】(実施例4)色素の配合割合0.2重量部
を2.0重量部に変更した以外は、実施例2と同様にし
てシートを得た。このシートをガラス板上に固定してヒ
ーターで30℃から160℃まで加熱し、その後再び3
0℃まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側で
は青紫色をしていたが、140〜150℃で赤色に色調
が変化し、以後160℃まで赤色を呈していた。冷却に
より再び青紫色に戻った。
【0031】(実施例5)色素の配合割合0.2重量部
を4.0重量部に変更した以外は、実施例2と同様にし
てシート化した。このシートをガラス板上に固定してヒ
ーターで30℃から160℃まで加熱し、その後再び3
0℃まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側で
は青紫色をしていたが、150〜160℃で赤色に色調
が変化し、冷却により再び青紫色に戻った。 (測定例2)実施例2、3、4、及び5において使用し
た色素の1,5−ジヒドロキシ−4,8−ビスヘプタデ
シルカルボニルアミノアントラキノンについて、測定例
1と同様にして色相角度hを求めた。該色素1,5−ジ
ヒドロキシ−4,8−ビスヘプタデシルカルボニルアミ
ノアントラキノンの固体粉末の色相角度hは163°で
あり、そのクロロホルム溶液の色相角度hは23°であ
った。したがって、色素1,5−ジヒドロキシ−4,8
−ビスヘプタデシルカルボニルアミノアントラキノンの
固体状態での反射スペクトルに基づく色相と、そのクロ
ロホルム溶液の透過スペクトルに基づく色相との差は、
Lch表色系における色相角度の差△hとして140°
であった。
【0032】(実施例6)カラーインデックス番号Di
sperse Blue−198として登録されている
色素であるN−(2−メトキシエチル)−1,4−ジア
ミノ−2,3−アントラキノンジカルボン酸イミド(融
点191℃)0.5重量部をポリエチレン(三菱化学
(株)製品、商品名:三菱(登録商標)ポリエチ−LD
LC605、融点105℃)100重量部に混合し、
2本ロール型練りロール機を使用して150℃、5分間
溶融混練して高分子組成物を作製した。この高分子組成
物を熱プレス成型機を使用して150℃、圧力40kg
/cm2Gでシート化した。得られたシートの厚みは、
0.5mmであった。
【0033】このシートをガラス板上に固定してヒータ
ーで40℃から100℃まで加熱し、その後再び40℃
まで冷却した。加熱すると、このシートは低温側では黒
紫色をしていたが、85〜95℃で青色に色調が変化
し、以後100℃まで青色を呈していた。冷却により再
び黒紫色に戻った。上記分光特性の変化を定量的に把握
するために、該高分子組成物シートを図1の構造を持つ
加熱ホルダーに固定して、 加熱前(40℃)、加
熱後(100℃)及び再冷却後(430℃)において
透過光による写真を撮影し、得られた写真を測色機を用
いてLCh測色系で数値化した。加熱前(40℃)の
明度Lは39.05、彩度Cは30.4、色相角度hは
81°であった。加熱後(100℃)の明度Lは4
4.85、彩度Cは19.0、色相角度hは130°で
あり、加熱前(40℃)に対する色差△Eは23.5
8であった。一方、再冷却後(40℃)の明度Lは3
8.23、彩度Cは33.6、色相角度hは92°であ
り、加熱前(40℃)に対する色差△Eは7.01で
あった (測定例3)実施例6で使用したカラーインデックス番
号Disperse Blue−198として登録され
ている色素であるN−(2−メトキシエチル)−1,4
−ジアミノ−2,3−アントラキノンジカルボン酸イミ
ドについて、測定例1と同様にして色相角度hを求め
た。色素N−(2−メトキシエチル)−1,4−ジアミ
ノ−2,3−アントラキノンジカルボン酸イミドの固体
粉末の色相角度hは254°であり、そのクロロホルム
溶液の色相角度hは212°であった。したがって、色
素N−(2−メトキシエチル)−1,4−ジアミノ−
2,3−アントラキノンジカルボン酸イミドの固体状態
での反射スペクトルに基づく色相と、そのクロロホルム
溶液の透過スペクトルに基づく色相との差は、Lch表
色系における色相角度の差△hとして42°であった。
【0034】
【発明の効果】本発明のサーモクロミック高分子組成物
を使用することにより、下記の効果が得られる。 (1)安価で入手容易な既存の高分子化合物と色素を組
み合わせることによりサーモクロミック樹脂組成物が得
られるので経済的に優れる。 (2)高分子化合物の融点より低い温度で分光特性が変
化するので、変化時での高分子化合物自体の強度が保持
されるために、別の支持体を必要としない。 (3)色素添加濃度により分光特性が変化する温度を可
変的に制御できる。 (4)異なる分光特性を持つ色素を組み合わせることに
より、低温側と高温側の色調を幅広く設定できると共に
分光特性の変化を大きくすることができる。
【0035】以上のような効果を利用して、本発明のサ
ーモクロミック高分子組成物は、それを用いた様々なサ
ーモクロミック高分子成形体とすることができ、これは
各種の記録・記憶材料、表示材料、温度センサー、調光
材料等や、微粉化して示温性を利用した各種塗料等にも
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、本発明のサーモクロミック高
分子組成物(高分子成形体)の温度による分光特性の変
化を、該高分子組成物の透過光を利用して定量的に測定
するために用いた装置。(加熱ホルダー1)
【図2】実施例において、本発明のサーモクロミック高
分子組成物(高分子成形体)の温度による分光特性の変
化を、該高分子組成物の反射光を利用して定量的に測定
するために用いた装置。(加熱ホルダー2)
【図3】実施例1〜5で使用したプロピレン−エチレン
ブロック共重合体のDSC曲線。
【図4】測定例1〜3において使用した色素の固体状態
での反射スペクトルに基づく色相角度hを測定するため
の写真撮影用の装置の略図。
【図5】測定例1〜3において使用した色素のクロロホ
ルム溶液状態での反射スペクトルに基づく色相角度hを
測定するための写真撮影用の装置の略図。
【符号の説明】
1:ガラス板、2:本発明のサーモクロミック高分子組
成物のシート(サーモクロミック高分子成形体)、3:
ヒーター、4:遮光板、5:白色板、Mp:融点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09B 67/42 B41M 5/26 S (72)発明者 川嶋 修 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎開発研究所内 (72)発明者 村田 勇吉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子化合物(A)及び色素(B)を主
    成分とし、該高分子化合物と該色素との相溶性が温度に
    よって変化することにより分光特性が変化する高分子組
    成物であって、分光特性が変化する温度が該高分子化合
    物の融点より低いことを特徴とするサーモクロミック高
    分子組成物。
  2. 【請求項2】 色素(B)の使用濃度により、分光特性
    が変化する温度を可変的に制御できることを特徴とする
    請求項1に記載のサーモクロミック高分子組成物。
  3. 【請求項3】 分光特性が変化する温度が、高分子化合
    物(A)の融点より少なくとも5℃低いことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のサーモクロミック高分子組成
    物。
  4. 【請求項4】 分光特性が変化する温度が、色素(B)
    の融点より少なくとも5℃低いことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載のサーモクロミック高分子
    組成物。
  5. 【請求項5】 色素(B)の固体状態での反射スペクト
    ルに基づく色相と、色素(B)のクロロホルム溶液の透
    過スペクトルに基づく色相との差がLCh表色系におけ
    る色相角度の差△hとして5°以上であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載のサーモクロミ
    ック高分子組成物。
  6. 【請求項6】 高分子化合物(A)が熱可塑性高分子化
    合物であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    かに記載のサーモクロミック高分子組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性高分子化合物がオレフィン系樹
    脂またはその共重合体であることを特徴とする請求項6
    に記載のサーモクロミック高分子組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性高分子化合物がポリスチレン、
    アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、ア
    クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB
    S)樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又
    はポリ塩化ビニル樹脂である請求項6に記載のサーモク
    ロミック高分子組成物。
  9. 【請求項9】 高分子化合物(A)、温度T1(T1<
    高分子化合物(A)の融点)で少なくともその一部が未
    溶解のまま高分子化合物(A)中に析出し、かつ温度T
    2(T1<T2<高分子化合物(A)の融点)で高分子
    化合物(A)に実質的に完全に溶解する色素(B)、及
    び該温度T1で該高分子化合物(A)に実質的に溶解し
    ている色素(C)とを主成分とする高分子組成物であっ
    て、該温度T1とT2のそれぞれの温度における該高分
    子組成物の分光特性が可逆的に変化することを特徴とす
    るサーモクロミック高分子組成物。
  10. 【請求項10】 色素(B)の固体状態での反射スペク
    トルに基づく色相と、色素(B)及び色素(C)のクロ
    ロホルム溶液の透過スペクトルに基づく色相との差がL
    Ch表色系における色相角度の差△hとして10°以上
    であることを特徴とする請求項10に記載のサーモクロ
    ミック高分子組成物。
  11. 【請求項11】 高分子化合物(A)及び色素(B)を
    主成分とし、該高分子化合物と該色素との相溶性が温度
    によって変化することにより分光特性が変化する高分子
    組成物であって、分光特性が変化する温度が該高分子化
    合物の融点より低いサーモクロミック高分子組成物を基
    材としたサーモクロミック高分子成形体。
  12. 【請求項12】 高分子化合物(A)、温度T1(T1
    <高分子化合物(A)の融点)で少なくともその一部が
    未溶解のまま高分子化合物(A)中に析出し、かつ温度
    T2(T1<T2<高分子化合物(A)の融点)で高分
    子化合物(A)に実質的に完全に溶解する色素(B)、
    及び該温度T1で該高分子化合物(A)に実質的に溶解
    している色素(C)とを主成分とする高分子組成物であ
    って、該温度T1とT2のそれぞれの温度における該高
    分子組成物の分光特性が可逆的に変化するサーモクロミ
    ック高分子組成物を基材としたサーモクロミック高分子
    成形体。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の成形体の
    表面をフッ素樹脂またはシリコーン樹脂でコーティング
    したことを特徴とするサーモクロミック高分子成形体。
JP8338202A 1995-12-25 1996-12-18 サーモクロミック高分子組成物及びそれを基材としたサーモクロミック高分子成形体 Pending JPH09235545A (ja)

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US10133093B2 (en) 2007-12-20 2018-11-20 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Doping capsules, composite systems comprising these and also use thereof

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