JPH09236693A - 放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

放射性廃棄物の処理方法

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JPH09236693A
JPH09236693A JP4366796A JP4366796A JPH09236693A JP H09236693 A JPH09236693 A JP H09236693A JP 4366796 A JP4366796 A JP 4366796A JP 4366796 A JP4366796 A JP 4366796A JP H09236693 A JPH09236693 A JP H09236693A
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JP
Japan
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radioactive waste
waste
disposal container
solidifying material
sized
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JP4366796A
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English (en)
Inventor
Tatsuaki Sato
龍明 佐藤
Naomi Toyohara
尚実 豊原
Masaaki Kaneko
昌章 金子
Tomoharu Ishii
友晴 石井
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘る安定性および耐久性に優れた固化
体を容易に製造し得る放射性廃棄物の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 放射性物質取扱い施設から発生する大型
の放射性廃棄物を安定に固化体処理するにあたり、この
放射性廃棄物を、それが発生した施設の中で大型処分容
器に収納できる大きさに切断した後、これをキャスター
付きの前記大型処分容器に収納し、この大型処分容器を
廃棄物処分施設に輸送した後、前記大型処分容器の中に
固化材を充填し、この大型処分容器に蓋を固定して保管
することを主な特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所等の
改造や解体に際して発生する中ないし低レベルの大型放
射性廃棄物の処理方法に関し、特に緻密で長期に亘る安
定性および耐久性に優れた固化体を容易に製造し得る放
射性廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等の放射性物質取扱い施設
では、施設の改良や性能維持のための改造工事がしばし
ば行なわれ、種々の放射性廃棄物が発生している。この
ため、放射性廃棄物の減容および安定化のための各種処
理方法が研究されており、その一部は既に実用化されて
いる。
【0003】放射性廃棄物の中で、紙やウエス等の可燃
性廃棄物は専用の焼却炉で焼却することにより減容さ
れ、その固化方法としては、セメントで焼却灰を固める
セメント固化法やプラスチックで固めるプラスチック固
化法が開発され、一部の原子力発電所で採用されてい
る。また、不燃性の雑固体廃棄物については、固化され
ずにドラム缶の中に収納されているため、ドラム缶の中
にセメントを流し込んで廃棄物を固化する充填固化方法
や、不燃物をそのまま高温で焼却溶融して固化してしま
う溶融固化方法が提案されている。
【0004】一方、将来の問題としてこれらの施設の解
体を考えると、更に種々の放射性廃棄物が発生すること
が予測される。これらの廃棄物の大部分は上記した廃棄
物と同様な性状を有するものと予想されるが、放射性廃
棄物の取扱い施設の大規模な改造工事や解体工事等で
は、上記廃棄物以外に、大型の金属廃棄物や大量のコン
クリート廃棄物が発生する。例えば、日本原子力研究所
のJPDRは商用の大型プラントではないが、その解体
工事では相当量の大型廃棄物が発生した。したがって、
JPDRより大規模な商用の発電プラントでは、更に大
量の大型廃棄物が発生するものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した充填固化方法
や溶融固化方法は廃棄物を安定化できる固化技術である
が、上記したような大型の放射性廃棄物を固化する場合
には、次のような問題点がある。
【0006】まず、放射性廃棄物が大きいため、現在処
分体として認められている200Lサイズのドラム缶に
収納できるように放射性廃棄物を切断するのに、多くの
手間が掛かり、作業が難しい。また、それが可能として
も、放射線場での作業となる上、切断屑等の二次廃棄物
が大量に発生する。このため、廃棄物処理のコストが上
昇する。これを回避する手段として、既存の200Lド
ラム缶より大きい大型の処分容器を使用し、廃棄物自体
の切断工数をなるべく減少させることも検討されてい
る。しかしながら、大口径配管やタンク等はその形状か
ら他の廃棄物と一緒に処分容器に収納することは困難で
あり、高い収納効率が得られない。このため、大型処分
容器の発生量が多くなり、コストが上昇するという問題
がある。
【0007】切断したパイプ等は安定化のため固化材で
固化されるが、処分容器内に倒して収納すると、パイプ
内に固化材が流れ込み難く、空隙が発生する。また、箱
状あるいはタンク状の廃棄物をそのまま処分容器に収納
すると、その中に固化材は流れ込まないため、固化材の
入らない部分が空隙として残る。これらの空隙は、廃棄
物が処分された後、時間の経過につれて劣化した場合、
周辺の土圧等によって潰されることが考えられる。これ
を防ぐため、廃棄物中の空隙が潰れた場合にも処分施設
が陥没しないように施設周辺に大量のバッファ材を作る
必要があるが、これもコスト上昇の原因となる。
【0008】処分容器内に充填する固化材としては、原
子力施設の雑固体廃棄物を固化するために開発された固
化材の使用が可能であるが、廃棄物を処分容器に収納し
た時点で固化すると、全体の重量が大きくなり、輸送に
困難をきたすおそれがある。また、これらの処分容器
は、処分施設において数段に積まれて保管されることが
考えられるが、固化体の重量が大きいと、下段の処分容
器に掛かる荷重も大きくなるので、処分容器を頑丈に作
らねばならない。しかし、原子力発電所の雑固体廃棄物
の充填固化を目的として開発された固化材は、放射性核
種の閉じ込め性や雑固体廃棄物の完全密閉性の向上を目
標としたものが多く、固化材自体は軽量化されておら
ず、しかもコストが高い。このため、従来の固化材は重
量物すなわち高密度の廃棄物には適さないという問題が
ある。また、これらの固化材は、冬場のような低温下で
は硬化反応がスムースに進まず、健全性の高い固化体が
得られない。このため、固化操作を温度コントロールさ
れた部屋で行ったり、冬場には固化操作を行わない等の
対策が必要とされるが、これらはコスト上昇の原因や固
化操作の季節限定になり、作業の自由度を低下させると
いう問題点がある。
【0009】また、原子力施設の改造や解体に際して
は、炉内構造物に代表されるように、炉心近くで放射化
された高線量の廃棄物等も発生することがあるが、これ
らの廃棄物をセメント固化した場合には、セメント中の
水の放射線分解によってガスが発生する可能性がある。
このため、高放射性の廃棄物については、水を含まない
か、もしくは水を少量しか含まず、かつ処分後に地下水
が侵入して廃棄物に接触しないような固化材の開発が求
められている。
【0010】本発明は、このような背景のもとでなされ
たもので、長期に亘る安定性および耐久性に優れた固化
体を容易に製造し得る放射性廃棄物の処理方法を提供す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の放射性廃棄物の
処理方法は、放射性物質取扱い施設から発生する大型の
放射性廃棄物を安定に固化体処理するにあたり、この放
射性廃棄物を、それが発生した施設の中で大型処分容器
に収納できる大きさに切断した後、これをキャスター付
きの前記大型処分容器に収納し、この大型処分容器を廃
棄物処分施設に輸送した後、前記大型処分容器の中に固
化材を充填し、この大型処分容器に蓋を固定して保管す
ることを主な特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】放射性物質取扱い施設の大規模な
改造工事や解体時に発生する放射性廃棄物には、通常運
転時の小工事の際に発生する配管やコンクリートはつり
片等の小型の廃棄物以外に、タービン、熱交換器、タン
ク等の大型廃棄物、あるいはこれらを施設内から取り出
すためにコンクリートの壁を切断して発生する大型コン
クリート等がある。これらの廃棄物の特徴は大型である
ため、切断等により減容して通常使用されている200
Lドラム缶に収納するには、大規模な切断作業が必要で
あり、コストが掛かることである。また、このような廃
棄物を収納した処分容器はかなりの重量物となるため、
輸送時の取扱いなどが容易でない。このため本発明で
は、大型の廃棄物を適当な大きさに切断し、既存の20
0Lドラム缶よりも大きい、キャスター付きの大型処分
容器に収納するようにしている。これにより、切断等に
よって発生する切断片や汚染水等の二次廃棄物の発生量
を低減でき、また切断操作時における作業員の被曝量を
低減できる上、廃棄物を収納した処分容器の移動などの
取扱いを容易にすることができる。
【0013】大型処分容器に収納された廃棄物は、その
廃棄物が発生した施設に一時的に貯蔵されるか、あるい
は廃棄物の処分施設に輸送される。これらの貯蔵や輸送
に際しては、前もって大型処分容器にネジ締め等の方法
で蓋をすることにより、汚染拡大を阻止することができ
る。また、処分前には廃棄物が収納された大型処分容器
内に固化材を充填し、処分容器と廃棄物の間や廃棄物内
の空隙を固化材により埋め、充実した固化体とする。こ
れにより処分容器内の空隙を除去できる上、処分後長期
間を経過し、廃棄物を収納した大型処分容器が劣化した
としても、空隙を除去しているため、土圧等により固化
体がつぶれることがなく、廃棄物処分施設の陥没を防ぐ
ことができる。なお、固化材を充填した後に仮締めして
いた蓋を大型処分容器に固定することにより、処分後す
ぐに処分容器内に地下水が流れ込むことを防ぐことがで
きる。
【0014】大型処分容器に収納した廃棄物を処分施設
まで輸送する場合、輸送による振動で処分容器内で廃棄
物が移動し、処分容器に損傷を与える恐れがある。これ
を防ぐため、処分施設で充填する固化材と同じ固化材を
輸送前に充填し、廃棄物を固定することが望ましい。但
し、処分容器内の空隙を輸送前にすべて充填してしまう
と、固化体全体の重量が大きくなり、輸送や固化体の取
扱いに困難をきたすおそれがある。本発明では、放射性
廃棄物を収納した大型処分容器を廃棄物処分施設に輸送
する前に、この廃棄物処分施設で大型処分容器の中に充
填される固化材と同じ固化材を適量、大型処分容器に注
入して固化させ、放射線廃棄物を大型処分容器内に固定
化しておくこと。このように、本発明では、処分施設ま
で輸送する前に、大型処分容器内に廃棄物の移動や振動
を防止するのに必要な量の固化材のみを充填し、最低の
重量にしておくことにより、輸送時の安定性を高めるこ
とができる。
【0015】大型廃棄物を処分容器内に収納した場合、
処分容器内への廃棄物の収納効率が悪いという問題点が
あり、特に、タンクや大型の配管等の中空状の廃棄物を
そのまま収納すると、このような問題が顕著になるが、
本発明では、パイプやタンク等に他の廃棄物を入れ、収
納効率を向上させることができる。また、パイプ状の廃
棄物については、処分容器内にパイプを鉛直方向に立て
ることにより、固化材の充填を容易にすることができ
る。固化材を充填して空隙をなくすためには固化材の流
動性が高いことが必要であるが、最も空隙を埋めやすく
するには、固化材を鉛直方向に流れるようにすること、
および廃棄物中の空気を固化材の進入にしたがい速やか
に廃棄物の外に逃がしてやることが肝要である。したが
って、パイプ等は鉛直方向に立てて収納する方法を採る
ことが望ましい。さらにタンク等の箱状の廃棄物の場
合、処分容器の底面に接する部分と上面に孔を開け、固
化材を充填しやすくするとともに、固化材充填の際の空
気の逃げ道を確保し廃棄物内に空隙が出来にくいように
することが望ましい。
【0016】本発明において使用される固化材は、ポル
トランドセメントを含み、かつ必要に応じて高炉スラ
グ、フライアッシュ、シリカ、砂のうち1種あるいは2
種類以上の材料と、更に必要に応じて骨材とを添加し、
これに水を混合して作製することができる。これらの材
料は、予め混合された物を用いても、あるいは別途単体
の材料を調達し、充填前に混合してもよい。ポルトラン
ドセメント中に高炉スラグ等や骨材等の混和材を混合す
ることにより、強度等を損なうことなくセメントの使用
量を減らすことができ、水和反応の発熱による温度上昇
を抑えることができる。骨材として中空の骨材を使用す
ると、固化材の重量が小さくなり廃棄物自体の重量を小
さくできる。本発明では特に骨材の見かけ密度が1.6
g/cm3以下の軽量骨材を使用することが望ましい。
一般に、セメントペーストあるいは骨材以外の上記混和
材を添加した固化材の密度は約1.6〜1.7g/cm
3 である。このため、骨材を1.6g/cm3 以下にす
ることにより、上記固化材より軽量の固化材を構成で
き、輸送コストや施設のハンドリング設備の低減に寄与
できる。固化材を処分容器内に注入して廃棄物を固化さ
せる際に、固化材が廃棄物等の空隙の隅々にまで行き渡
るようにするため、固化材の注入口を振動させてもよ
く、あるいは注入口を処分容器の底面に設置し、固化材
が容器の底から上方向に充填されるようにしてもよい。
振動を与えるのは、セメント系固化材は無機粒子が凝集
しているので、この凝集を壊すためである。凝集粒子か
らなる固化材は流動性が悪いが、振動を与えて凝集を壊
すと流動性が高くなり、いわゆる液状化現象を生じて廃
棄物の隅々にまで固化材を充填できる。また、固化材の
注入口を処分容器の底面近くに設置すると、固化材が容
器の底から上方に充填されてゆくため、廃棄物中に空気
をため込むことなく固化材を充填できる。
【0017】さらに、セメント系固化材の固化操作に際
しては、硬化後の固化体の品質を保つために、固化材の
練り上がり温度を15℃以上に保つことが望ましい。セ
メントは水和反応で硬化するが、この反応は発熱反応で
あり、その速度は温度の影響を受ける。固化材の練り上
がりの温度が低いと硬化までの反応が長くなり、養生期
間が長くなり、材料(無機粒子)と水が分離するなどし
て固化体の品質低下を招く。このため、セメント系の固
化材を用いる場合、冬場のように気温が低いときは充填
作業は行わないようにしているが、本発明では混練水を
加熱して固化材温度を15℃以上に調整することによ
り、気温が低くても水和反応に影響することなく、健全
な固化体を得ることができる。
【0018】放射性物質取扱い施設の改造等に際して
は、放射化されて強いガンマ線を放出する放射化物と呼
ばれる廃棄物が発生することがある。このような廃棄物
をセメントのような水を含む固化材で固化すると、放射
線により水が分解して水素ガスが発生する可能性があ
る。原子力発電所から発生するような放射化物の場合、
この水素ガスの単位時間当たりの発生量は小さいが、処
分後の長い期間を考えると、処分容器の内部や処分施設
内部に水素ガスが次第に蓄積してゆくことが考えられ
る。このような水素ガスの蓄積は、処分容器や処分施設
の健全性に影響を与える危険性がある。本発明では、モ
ンモリロナイトを主成分とするベントナイト、セピオラ
イトを主成分とするカオリン、あるいはこれらの混合
物、すなわち水をほとんど含まない固化材を用いて廃棄
物を固化することもできる。これらの固化材は水を含ま
なくてもある程度の力で圧縮すれば固まる。また、さら
に固化体の信頼性を求められる場合には、このモンモリ
ロナイトを主成分とするベントナイト、セピオライトを
主成分とするカオリン、あるいはこれらの混合物中に、
水ガラスを添加することが有効である。水ガラスはモン
モリロナイトやセピオライトのような吸水性を有する鉱
物と接触すると、脱水により硬化する性質があり、この
硬化反応によりベントナイトやカオリンを固化させるも
のである。
【0019】上述のモンモリロナイトやセピオライト
は、ベントナイトあるいはカオリンと呼ばれる天然の粘
土の主成分であり、その乾燥物は水を含むと膨潤し、水
さえも通し難い性質がある。また、固化材は自身では硬
化する性質がなく、圧縮すれば見かけ上は硬化したよう
になるが、この状態で水が含まれると膨潤し、処分容器
内で廃棄物を圧縮し、さらに硬化したような状態にな
る。このように、ベントナイトやカオリンは膨潤性があ
り、これにより自己シール性が出てくるため、廃棄物の
固化には適切な材料である。なお、ベントナイトやカオ
リンに少量の水ガラスを添加し、水ガラスの硬化反応で
ベントナイトやカオリン全体を固化する方法において
も、このベントナイトやカオリンの膨潤性が損なわれる
ことはない。
【0020】本発明では上述のように、ベントナイトや
カオリンの膨潤性を放射性廃棄物の固定化に利用するこ
とができるが、ベントナイトやカオリンの膨潤性は、カ
ルシウム等のアルカリ土類金属元素やカリウムが存在す
ると著しく失われる。これはモンモリロナイトやセピオ
ライト中のナトリウム元素がカルシウムやカリウムと置
き変わり、膨潤性を損なうためである。このため、水ガ
ラスを使用する場合には、カルシウムやカリウムを含有
しないようにすることが望ましい。
【0021】なお、ベントナイトやカオリンは流動性が
良くない。したがって、これらの固化材を大型処分容器
に注入する際には、この処分容器内を予め脱気して減圧
し、これを常圧に戻す際の空気流を利用して固化材を大
型処分容器内に注入することが望ましい。
【0022】また、固化材に、処分施設を建設した際の
残土を混合し、これと水を混合して固化材を作製すれ
ば、固化材のコストを低減できるばかりでなく、施設を
建設した際の残土の処理も合わせてでき、環境保護の点
からも有用である。
【0023】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0024】図1は、原子力発電所等から発生する大型
廃棄物を本発明により処理する方法のフローを示すもの
で、原子力発電所等の放射性物質取扱い施設を解体する
際に発生する原子炉圧力容器や炉内構造物、ポンプ類、
熱交換器類、弁類、配管類、コンクリート類等の放射性
の大型廃棄物1は、大型処分容器に入る大きさに切断さ
れる(ステップS1)。この場合、大型廃棄物の切断は
必要最小限に止める。また、大型廃棄物1が箱状の場合
には、それを処分容器内に収納した際に底面になる部分
と上面になる部分にそれぞれ孔を開けておく(ステップ
S2)。このようにすれば、廃棄物内部の空隙に固化材
を完全に充填することができる。次に、切断された大型
廃棄物1を、キャスター付き大型処分容器2内に搬入す
る。この大型処分容器2としては角型でコンクリート製
のものが使用される。大型処分容器2内には、必要に応
じて、処分施設で用いる固化材と同一の材料を適当量だ
け注入して硬化させ、輸送中に大型廃棄物1の切断片が
大型処分容器2内で移動したり振動したりして不安定に
なることを防止する(ステップS3)。その後、蓋締め
(ステップS4)を行い、この大型処分容器2を処分施
設3に輸送する(ステップS5)。処分施設3では、蓋
を除去し(ステップS6)、固化材を大型処分容器2内
の残余部分に完全に充填し(ステップS7)、硬化させ
た後、再度蓋を固定し(ステップS8)、安定化させる
(ステップS9)。
【0025】上記において、大型廃棄物1がパイプ状あ
るいはタンク類等の箱状である場合には、この廃棄物の
中に他の廃棄物を収納するようにし、廃棄物の収納効率
を高める。また、大型廃棄物がパイプ状である場合は、
処分容器内にパイプを鉛直方向に立てて収納する。この
ようにすれば、固化材を充填する際にパイプ内の空気が
逃げやすくなるため、固化材を密に充填することができ
る。
【0026】次に、本発明で用いる固化材の実施例につ
いて説明する。ここで用いられる固化材は、ポルトラン
ドセメントを含むもので、必要に応じて高炉スラグ、フ
ライアッシュ、シリカ、および砂のうちの1種あるいは
2種類以上の材料に、必要に応じて更に骨材を添加し、
水を混練することによって作製される。この固化材を配
合を変えて10種類作製し、模擬の廃棄物として見立て
たコンクリートの圧縮強度試験(JIS A 1108) 用型枠に
流し込み、その流れ性、得られた固化体の外観、固化体
の見かけ密度、および28日養生後の圧縮強度を測定し
た。。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 この表の実施例1に示すように、ポルトランドセメント
100重量部と水45重量部を混練した固化材の物性は
流れ性が良好で、得られた固化体の外観も空隙等は見ら
れず良好であり、その見掛け密度は1.9g/cm3 、圧縮
強度は43MPaであった。また、表1の実施例2〜10
に示すように、ポルトランドセメントに高炉スラグ、フ
ライアッシュ、シリカ、硅砂、および軽量骨材のいずれ
か1種または2種類を添加し、これに水を混練した固化
材は、いずれも上記と同様に良好な結果を示した。
【0028】上記実施例6,7において、骨材として
は、見かけ密度が1.2g/cm3 の人工軽量骨材を用いた
が問題はなく、固化体の見かけ密度は1.55と低めの
結果が得られた。ポルトランドセメントと高炉スラグお
よび軽量骨材から成る3種類の材料と水を混練した固化
材についても、実施例7,10に示すように問題は見ら
れず、良好であった。また、実施例8〜10に示すよう
に、処分場の残土を模擬した土を材料として用いた固化
材についても、流れ性と固化体外観はいずれも良好であ
り、固化体の見掛け密度と圧縮強度も良好な結果が得ら
れた。
【0029】次に、固化材を処分容器に充填する方法の
一例を図2を参照して説明する。
【0030】ここでは、内寸が500mm×500mmで、
高さが500mmのアクリル性角型容器に、呼び径50
A、高さ400mmの炭素鋼配管を収納したものへの固化
材の充填試験を実施し、空隙に対する固化材の充填率を
測定した。固化材の充填は、固化材注入口を振動させて
処分容器上部から充填する方法、固化材注入口を振動さ
せて処分容器底部から充填する方法、処分容器内に充填
した固化材に直接振動を与えて充填する方法の3方法で
行った。
【0031】処分容器11に廃棄物12を収納した後、
セメント系固化材を固化材注入口13より充填した。こ
の際、充填するセメント系固化材の流動性を高めるた
め、固化材注入管13に加振機14を加振機取付け具1
5により取り付け、加振機14を振動をさせて固化材注
入口16を振動させた。この方法により、充填する固化
材に振動を与え、廃棄物12の隅々にまで固化材17を
充填することができた。加振機14としては、微動を与
えるタイプ、上下に動揺するタイプ等いずれも適用可能
である。また、固化材注入口16が非常に高い位置にあ
ると、注入した固化材17が廃棄物12等から跳ね返
り、飛散する恐れがある。したがって、固化材注入口1
6を、図2中に示すように、処分容器11内の底面に近
い位置に設置し、固化材を底面側から充填するのが望ま
しい。この場合も、上記と同様に、固化材注入口16を
振動させることにより充填性を向上させることができ
る。
【0032】なお、固化材注入管13に加振機14を取
付けるのが困難な場合には、図2中に示すように、注入
した固化材17中に、加振機14を加振機吊り具18を
用いて直接挿入し、固化材に振動を与えるようにしても
よい。これらの方法によって固化材の充填性を向上させ
ることができ、また、固化材充填時に巻き込まれる気泡
を少なくすることができる。実施した試験の固化材充填
率測定結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 なお、固化材の充填率は、予め処分容器最上部まで水を
注入した際の水の重量から空隙容積を求め、これに対す
る充填固化材の容積の割合を、充填された固化材の重量
と見かけ密度の測定値に基づいて求めた。また、固化材
としては、ポルトランドセメントと高炉スラグが重量比
で1:1の材料に、水を45重量部加えて混練したもの
を用いた。その結果、表2に示すように、固化材の充填
率はいずれの条件においても99vol%以上であり、良い
充填性が得られた。
【0034】次に、セメント系固化材の固化操作に際し
て、固化材の練り上がり温度を15℃以上に保つ場合の
効果について説明する。図3は、ポルトランドセメント
と高炉スラグが重量比で1:1の材料に、冷却あるいは
加熱した水を45重量部加えて混練し、混練後の固化材
温度と硬化時間を求めた結果を示す。この図から明らか
なように、固化材の練り上がり温度が5℃と低い場合に
は、硬化時間は24時間程度の長い時間を要したが、固
化材の練り上がり温度が高くなるほど硬化時間は短くな
り、練り上がり温度が15℃以上では10時間以内に硬
化した。このことから、冬場の時期でも加熱した水を用
いて固化材の練り上がり温度を15℃以上に調整するこ
とで適正な硬化時間が得られ、固化体の品質低下を避け
ることが可能となる。
【0035】次に、本発明において使用される他の固化
材について説明する。この固化材としては、モンモリロ
ナイトを主成分とするベントナイト、あるいはセピオラ
イトを主成分とするカオリン、もしくはこれらの混合物
中に水ガラスを添加したものが好適している。これらの
材料を混合した固化材を500mlメスシリンダーに入
れ、この際の固化材の容量と重量から、充填後の見かけ
密度を測定した。実施した固化材の配合と測定結果を表
3に示す。
【0036】
【表3】 なお、これらの実施例における水ガラスとしては、カリ
ウムを含有しないものを用いた。実施した固化材は、い
ずれもメスシリンダー内に密に充填することができた。
また、これらの固化材の見かけ密度は、約0.5 〜1.0 g/
cm3 であった。これらの見かけ密度は、前掲の表1で説
明したセメント系固化材の見かけ密度と比較して、約1
/2〜1/4程度である。このことから明らかなよう
に、処分容器内の大型廃棄物をあらかじめ本固化材で固
定してから処分施設へ輸送するようにすれば、輸送物の
重量を大幅に低減させることが可能である。
【0037】なお、ベントナイトやカオリン自体の流動
性は必ずしも良くない。しかしながら、これらの固化材
も、次のようにすれば処分容器内に容易に充填すること
ができる。図4はこの固化材の充填試験に用いた装置を
示すもので、内寸が500mm×500mm、高さが500
mmのアクリル性角型容器を処分容器11に見立て、その
中に、廃棄物12に見立てた呼び径が50A、高さが4
00mmの炭素鋼配管を収納した後、蓋20を閉じ、処分
容器11上部に取付けた吸気口21から真空ポンプ22
により処分容器11内を脱気し、減圧した。この後、固
化材ホッパ23と固化材注入管24との間にあるホッパ
弁25を開けて処分容器11内を常圧に戻した。その
際、固化材ホッパ23の上部にある空気流入口26から
流入する空気と共に、固化材ホッパ23内の固化材27
が処分容器11に流れ込み、充填された。表4は、ベン
トナイトおよびカオリンのそれぞれ3例について実施し
た固化材充填率の測定結果を示す。なお、同表中の充填
率は、予め水置換法で求めておいた空隙容積に対する充
填された固化材の容積を、充填された固化材の重量と見
掛け密度を求めて測定したものである。
【0038】
【表4】 上表から明らかなように、図4の方法によれば、処分容
器11内に固化材27を良好に充填することができる。
【0039】上述のように、本発明では、大型の廃棄物
を適当な大きさに切断し、従来の200Lドラム缶より
も大きい、キャスター付きの大型処分容器に収納するよ
うにしたので、切断等によって発生する切断片や汚染水
等の二次廃棄物の発生量を低減でき、また切断操作時に
おける作業員の被曝量を低減できる上、廃棄物を収納し
た処分容器の移動などの取扱いを容易にすることができ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、放射性物質取扱い施設
の大規模な改造工事や解体時などに発生する大型の放射
性廃棄物を効率よく、かつ安全に、しかも低コストで処
理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の実施例を示すフロー図。
【図2】 本発明方法において、加振機を用いて固化材
を処分容器内に充填する例を示す説明図。
【図3】 本発明方法における固化材の練り上がり温度
と硬化時間の関係を示すグラフ。
【図4】 本発明方法において、空気流を利用して固化
材を処分容器内に充填する例を示す説明図。
【符号の説明】
11……処分容器 12……廃棄物 13……固化材注入管 14……加振機 15……加振機取付け具 16……固化材注入口 17……固化材 18……加振機吊り具 20……蓋 21……吸気口 22……真空ポンプ 23……固化材ホッパ 24……固化材注入管 25……ホッパ弁 26……空気流入口 27……固化材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 昌章 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石井 友晴 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性物質取扱い施設から発生する大型
    の放射性廃棄物を安定に固化体処理するにあたり、この
    放射性廃棄物を、それが発生した施設の中で大型処分容
    器に収納できる大きさに切断した後、これをキャスター
    付きの前記大型処分容器に収納し、この大型処分容器を
    廃棄物処分施設に輸送した後、前記大型処分容器の中に
    固化材を充填し、この大型処分容器に蓋を固定して保管
    することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 放射性廃棄物を収納した大型処分容器を
    廃棄物処分施設に輸送する前に、この廃棄物処分施設で
    大型処分容器の中に充填される固化材と同じ固化材を適
    量、前記大型処分容器に注入して固化させ、放射線廃棄
    物を前記大型処分容器内に固定化しておくことを特徴と
    する請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 大型処分容器に収納する放射性廃棄物が
    パイプ状あるいは箱状である場合、このパイプ状あるい
    は箱状の放射性廃棄物内に他の廃棄物を収納することに
    より放射性廃棄物の収納効率を上げることを特徴とする
    請求項1または2に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 放射性廃棄物が箱状である場合、この箱
    状廃棄物が大型処分容器内に収納される前に、収納した
    際に箱状廃棄物の底面になる部分と上面になる部分に孔
    を開けておくことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか一項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 固化材がポルトランドセメントを含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    の放射性廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 固化材が、ポルトランドセメントと、高
    炉スラグ、フライアッシュ、シリカおよび砂のうちの1
    種または2種以上の材料と、骨材と、水とを混合して作
    製されていることを特徴とする請求項5に記載の放射性
    廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 固化材の骨材は、見かけ密度が1.6g/
    cm3 以下の軽量骨材であることを特徴とする請求項6に
    記載の放射性廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 固化材を大型処分容器に充填する際に、
    固化材の注入口、または注入した固化材に振動を与える
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記
    載の放射性廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 固化材を作製する場合に、加熱した水を
    使用し、固化材の練り上がりの温度を15度以上に調整
    することを特徴とする請求項1、2または5に記載の放
    射性廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】 固化材が、モンモリロナイトを主成分
    とするベンナイト、セピオライトを主成分とするカリオ
    ン、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請
    求項1、2または9に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】 固化材に水ガラスを添加することを特
    徴とする請求項10に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】 固化材中の水ガラスがカルシウムおよ
    びカリウムを含有していないことを特徴とする請求項1
    1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】 固化材を大型処分容器に注入する際
    に、この処分容器内を予め脱気して減圧し、これを常圧
    に戻す際の空気流を利用して固化材を大型処分容器内に
    注入することを特徴とする請求項10ないし12のいず
    れか一項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 放射性廃棄物処分施設を建設した際に
    発生した残土を混合した固化材を使用することを特徴と
    する請求項1、5ないし7、または10ないし12のい
    ずれか一項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102335536B1 (ko) * 2020-12-16 2021-12-07 한국건설기술연구원 폐콘크리트 미분말을 활용한 방사성 폐기물용 고화재 및 이를 이용한 방사성 폐기물의 처리방법

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