JPH09238689A - 植物の花の老化の制御 - Google Patents

植物の花の老化の制御

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JPH09238689A
JPH09238689A JP8095744A JP9574496A JPH09238689A JP H09238689 A JPH09238689 A JP H09238689A JP 8095744 A JP8095744 A JP 8095744A JP 9574496 A JP9574496 A JP 9574496A JP H09238689 A JPH09238689 A JP H09238689A
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acc
plant
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dna
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Harry J Klee
ハリイ・ジヨン・クリー
Ganesh M Kishore
ガネシュ・マーシィ・キショアー
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8241Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
    • C12N15/8242Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
    • C12N15/8243Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine
    • C12N15/8249Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine involving ethylene biosynthesis, senescence or fruit development, e.g. modified tomato ripening, cut flower shelf-life
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲の植物種にわたって、容易かつ効率的
に利用できる、植物及び植物の花の老化を制御するため
の非化学的方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、所望の植物組織において、A
CC代謝酵素たとえばACCデアミナーゼ酵素を発現さ
せるものである。この目的において、植物はACC代謝
酵素をコードする遺伝子を含有する構築体によって形質
転換される。ACC代謝酵素コード遺伝子を含有する構
築体も本発明に包含される。植物中でACC代謝酵素を
発現させることにより、エチレンの産生が低下し、植物
の成熟および老化が制御され、果実、野菜、切花の貯蔵
寿命および市場性は著しく増大する。本発明の方法を、
植物におけるエチレンの産生を低下させる他の方法と組
合せて、果実または植物のエチレン産生をさらに低下さ
せることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には植物分
子生物学に関し、さらに詳しくは果実および野菜の成熟
の制御ならびに植物における老化の効果の制御、また所
望の制御に影響可能な組換えDNA分子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】果実、
野菜および切花の産業が直面している大きな問題の一つ
には、損傷によりかなりの量の商品の損失があることで
ある。果実および野菜生産物は、農場から出荷されてか
ら小売または加工販路に到達するまでに、その12〜2
0%が損傷を受けると評価されている。切花工業におい
ては、効果的に売りさばかれる前に花の老化(凋萎また
は乾燥)が重要な問題である。果実、野菜および切花に
認められる傷みや老化過程が多くの望ましくない問題を
生じることになる。これらの問題の中で主要なものは、
商品の短い収穫期間と収穫後の商品の短い貯蔵寿命であ
る。さらに、これらの損傷による損失は、最終的には、
消費者への商品価値の上昇にはねかえることになる。
【0003】果実および野菜の損傷の一次的原因は、果
実または野菜の自然の成熟過程にある。果実または野菜
は熟するほど、柔らかくなり、また病気や他の損傷起因
物質の影響を受けやすくなる。植物中でのエチレンの生
成が果実の成熟を刺激し、果実や野菜の成熟におけるキ
ー成分であることが知られている。生産物の保存寿命お
よび/または収穫時期の延長を目指して、果実や野菜の
成熟の制御が試みられてきた。これらの試みの多くは、
果実や野菜自体への化学物質の局所適用である。これら
の化学的解決は、農場の植物への直接適用または果実も
しくは野菜自体への収穫後適用であった。これらの方法
のいくつかは、米国特許第4,957,757号または
米国特許第4,851,035号に記載されている。環
境へのこれ以上の侵襲を低減することの重要性が増大し
ていることから、化学的方法以外の方法による成熟の制
御が、この業界に対して有利かつ有益であろうと考えら
れる。
【0004】さらに最近になって、トマトの成熟の制御
を目指して、植物のエチレン合成を遮断する分子生物学
的アプローチが用いられるようになった。このアプロー
チには、トマトの苗木の、エチレンの合成を阻害するア
ンチセンス遺伝子による形質転換が包含される。このア
ンチセンス遺伝子は、1−アミノシクロプロパン−1−
カルボン酸(ACC)のエチレン形成酵素ACCオキシ
ターゼによるエチレンへの変換に関与するポリペプチド
をコードする(+)鎖mRNAの定常状態レベルを低下
させる(−)鎖RNAを生成する(Hamilton
ら、1990)。この方法は、ある程度の有用性を示す
ものの、アンチセンス遺伝子は多分、種もしくは遺伝子
特異的であって、形質転換を所望する植物の種ごとに別
のアンチセンス遺伝子を獲得する必要があることから、
他の植物へのこの技術の応用は容易でも効率的でもない
と思われる。
【0005】したがって、果実、野菜および切花の産業
には、広範囲の植物種にわたって容易かつ効率的に利用
できる、果実の成熟および植物の老化の制御のための非
化学的方法が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】果実および野菜の成熟の
制御ならびに切花における老化の効果の制御の方法が提
供される。一般的には、この方法は、所望の植物組織に
おけるACC代謝酵素、すなわち組織のACCレベルを
低下させ、したがって所望の植物組織のエチレンのレベ
ルを減少させる酵素の、発現に関する。さらに詳しく
は、植物細胞内においてRNA配列の産生を惹起する機
能をもつプロモーター、ACCデアミナーゼ酵素をコー
ドするRNA配列の産生を惹起する構造DNA配列およ
び植物細胞内においてRNA配列の3′末端への一連の
ポリアデニル化ヌクレオチドの付加を惹起する機能をも
つ3′非翻訳領域からなり、上記プロモーターは上記構
造DNA配列に関して異種である、キメラ遺伝子で植物
細胞を形成転換し、ついでその植物を成熟まで成長させ
ることからなる。果実中におけるACCデアミナーゼの
発現は、成熟過程を遅延させ、それが収穫時期および生
産品の貯蔵寿命を延長させることになる。同様に、切花
産業における使用に適した植物種でのACC代謝酵素の
発現は、花の老化を遅延させ、その結果、貯蔵寿命およ
び花の市場性が延長される。
【0007】本発明の他の態様においては、植物細胞内
においてRNA配列の産生を惹起する機能をもつプロモ
ーター、ACCデアミナーゼ酵素をコードする構造DN
A配列、およびRNA配列の3′末端への一連のポリア
デニルヌクレオチドの付加を惹起する機能をもつ3′非
翻訳領域からなり、プロモーターは構造DNA配列に関
して異種である、組換え二重鎖DNA分子も提供する。
これにより、成熟および老化を制御するため、ACCデ
アミナーゼを発現できる植物を得ることができる。植物
細胞におけるACCデアミナーゼの発現は、植物におけ
るエチレンの産生が減少することにより、生産品の収穫
時期および貯蔵寿命を延長させる。
【0008】本発明の多くの目的の中で、主要な一つの
目的は、多くの植物種に効果的に広く適用可能な分子生
物学的技術を利用して、植物の成熟および老化を制御す
る方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、植物中に発現するA
CC代謝酵素、たとえばACCデアミナーゼまたはAC
Cマロニルトランスフェラーゼを用いACCの定常状態
レベルを低下させることによって、植物中でのエチレン
の産生を制御し、果実、野菜および花の収穫時期および
貯蔵寿命を延長させる方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、植物中で酵素
ACCデアミナーゼを発現させることによって、植物中
でのエチレンの合成を低下させることにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、花に、酵素A
CCデアミナーゼを発現させることによって、花でのエ
チレン合成による老化作用を低下させて、切花の市場寿
命を延長させることにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、果実をつるで
成熟させる場合でもまた発生の未熟段階で摘取してその
後に成熟させる場合でも、果実の成熟を遅延させること
ができるように、植物中で酵素ACCデアミナーゼを発
現する形質転換植物を提供することにある。
【0013】本発明はまた、植物の果実で特異的にAC
Cデアミナーゼを発現できる担果実植物を提供すること
を、その主要な目的とするものである。
【0014】本発明の他の目的は、添付の図面を参照し
ながら以下の説明および特許請求の範囲を読むことによ
って明確になろう。
【0015】
【発明の実施の形態】植物におけるエチレン産生の代謝
経路は次の通りである。
【0016】
【化1】
【0017】植物組織でのエチレンの生合成を阻害する
ための一つの可能性のある方法は、1−アミノシクロプ
ロパン−1−カルボン酸(以下ACC)を代謝させ、そ
れを代謝プールから除去することであろう。ACC代謝
酵素がエチレン生合成の阻害に十分なまでACCのレベ
ルを低下させることができるか否かは不明であったが、
このアプローチが検討された。多数の酵素がACCを代
謝できる。ACC代謝酵素の例にはACCデアミナーゼ
およびACCマロニルトランスフェラーゼがある。AC
Cデアミナーゼ酵素はACCをα−ケト酪酸とアンモニ
アに変換することによって代謝する。すなわち、もし十
分な速度論的能力をもつ酵素ACCデアミナーゼ、また
は他のACC代謝酵素が植物中に十分なレベルで発現で
きれば、エチレンの合成は、ACC代謝酵素が発現する
組織における代謝プールからのACCの除去により、阻
害されるはずである。本発明の重要な態様は、植物組織
におけるACCの定常状態レベルを低下させ、これによ
って植物組織におけるエチレンのレベルを低下させるこ
とにより、果実の成熟および植物の老化を遅延させる機
構を提供することである。植物中のエチレンまたはAC
Cの定常状態濃度は、非修飾栽培種の正常レベルから少
なくとも約70%程度低下させることが好ましい。好ま
しくは、エチレンまたはACC濃度は正常レベルから少
なくとも約90%程度低下させる。植物または植物の果
実中のACCまたはエチレンの定常状態レベルの低下
は、様々な方法で達成できると考えられるが、これらは
すべて、本発明の範囲内に包含されるものである。
【0018】果実の成熟の遅延に関しては、つるの上で
の成熟からは1〜30日間遅延させることが好ましい。
この遅延は、成熟の開始から、とくにトマトの場合に
は、果実が成熟のブレーカー段階に到達したときから起
算する。同様に、果実は好ましくは、つるから摘取後1
〜90日、さらに好ましくは5〜30日成熟を遅延させ
る。トマトに関しては、この成熟の遅延は、果実が成熟
グリーンまたは成熟のブレーカー段階に採取された場
合、果実のつるからの摘取の時点から起算する。つるか
ら摘取後の成熟のこの遅延は、冷所保存や本技術分野で
既知の他の方法に報告されている期間よりはるかに長く
延長できるものであることを理解すべきである。
【0019】さらに実験を進めるために、酵素ACCデ
アミナーゼを選択した。ACCデアミナーゼが植物中で
自然に産生または発現することは、本技術分野では知ら
れていない。したがって、ACCの分解によって植物中
のエチレン合成を阻害する方法を追跡するためには、A
CCデアミナーゼをコードする遺伝子を同定し、ついで
植物中で発現可能にしなければならない。
【0020】ACCデアミナーゼはある種の微生物で発
現することが知られている(Honma.M.& Sh
imomura.T.1978)。ACCデアミナーゼ
酵素を単離するためには、この酵素を発現する細菌を単
離する細菌スクリーンを、このような細菌もしくは微生
物の同定のために設計できる。ACCデアミナーゼ酵素
を同定する他の方法、たとえば酵母またはかびの株のス
クリーニングも同様に適用可能で、これらは本技術分野
の熟練者には定常的な手段になっている。以下は、AC
Cデアミナーゼ酵素発現細菌を同定した細菌スクリーニ
ングの説明である。
【0021】細菌株コレクション(Drahos,
D.,1988)について、ACCを分解できる生物体
をスクリーニングした。この細菌コレクションは597
の微生物から構成されている。大部分の生物体は、蛍光
Pseudomonas種であり、残りは土壌中に通常
見出される微生物である。細菌コレクションの一覧は図
1に示す。スクリーニングは、単独の窒素源として3.
0mMのACCを含有する最小培地で生育する微生物を
選択できるように設計された。細菌コレクション中の各
細菌のサンプルを、96−ウェルマイクロタイタープレ
ート中で、個々に、30℃において4日間生育させた。
各ウェルにはACCを補充したDF培地0.2mlを含
有させた。DF培地は、オートクレーブ処理した水1リ
ットル中に、試薬A、試薬B、試薬C各1mlおよびチ
アミン塩酸塩5mgを混合して作成した。試薬Aは、オ
ートクレーブ処理した水100ml中、1mgのH3
3 、1mgのMnSO4 ・7H2 O、12.5mgの
ZnSO4 ・7H2 O、8mgのCuSO4 ・5H
2 O、ならびに1.7mgのNaMoO3 ・3H2 Oか
らなる。試薬Bは、オートクレーブ処理した水100m
l中、0.1mgのFeSO4 ・7H2 Oからなる。試
薬Cは、オートクレーブ処理した水100ml中、20
gのMgSO4 ・7H2 Oを含有する。混合した溶液
に、炭素源グルコース、グルコン酸およびクエン酸を最
終濃度各0.1%(w/v)、無機リン酸を最終濃度
1.0mM(w/v)、および単独窒素源としてACC
を最終濃度3.0mM(w/v)添加する。最後に酵母
エキス(DIFCO)を最終濃度0.01%(w/v)
加える。
【0022】このスクリーンに基づき、ACC含有培地
上で生育できるものとして、3つの微生物が同定され
た。これらのACC含有最小培地上での生育能は、同一
培地の300ml液体培養液中で再生育させて確認し
た。ACC上で最も良好な生育を示した2つの単離体に
ついて、さらにその特性を調べた。これらの2つの単離
体は3F2および6G5命名された。これらの生物体は
いずれも、さらに性質の調査に選ばれなかった生物体と
同じく、Pseudomonasであった。選択された
生物体はいずれも、以下に記載するインビトロアッセイ
により、ACCデアミナーゼ活性についてスクリーニン
グした。6G5単離体が、さらに以後の実験のために選
ばれた。6G5細菌は、Miller(1982)によ
って報告された脂肪酸メチルエステルのガスクロマトグ
ラフィー分析により、Pseudomonas chl
oroaphis株として同定された。上述のスクリー
ニング結果から、さらに広範なスクリーニングを実施す
れば、ACCを分解する他の細菌株を同定できるであろ
うことは明白である。したがって、他のACCデアミナ
ーゼ、およびスクリーニングによって同定されたがその
後の実験には使用されなかったものも、本発明の範囲に
包含されるものと考えるべきである。
【0023】ACCを分解できる多数の生物体が同様
に、様々な土壌サンプルから単離されている。これらの
生物体はACCを単独の栄養源として含む最小培地上で
生育が可能であることに基づいて単離された。土壌サン
プルは、St.Charles(Missouri,U
SA)、Sarawak(Malaysia)、Iqu
itos(Peru)、San Juan(Puert
o Rico)およびMujindi(Tanzani
a)から採集された。各土壌サンプル1gを9.9ml
の希釈緩衝液ボトル(Fisher)中に懸濁し、よく
振盪し、土壌懸濁液を1:100に希釈したのち平板培
養する。土壌サンプルの最終希釈度は10-4であった。
希釈サンプル100mlを、ペトリ皿(100×15m
m)中の単離培地上にホッケースティック型のガラス棒
で広げた。単離培地には、K2 HPO4 (10g/
l)、MgSO4 ・7H2 O(5g/l)、および微量
元素:FeSO4 (1mg/l)、MnCl2 (1mg
/l)、CuSO4 (1mg/l)、ZnSO4 (1m
g/l)、CaCl2 (1mg/l)の最小塩ベースを
含有する。ベースのpHを1N HClで7.0に調製
したのち、オートクレーブ処理した。ACC分解微生物
の単離には、以下の3種の培地:(1)ベース+グルコ
ース(5g/l)+ACC(0.1〜1.0g);
(2)ベース+NH4 NO3 (5g/l)+ACC(1
g/l);または(3)ベース+ACC(1g/l)の
いずれかを使用できる。ACC、グルコース、NH4
3 は蒸留水に溶解し、滅菌濾過し、オートクレーブ処
理したベース培地を50℃に冷却した中に添加した。平
板は30℃で1週間インキュベートした。
【0024】St.Charlesから得られた土壌に
ACCを加えて、土壌中のACC分解細菌を増強させ
た。この実験では、250mlのエルレンマイヤーフラ
スコ中、0.5gのSt.Charles土壌を含む希
釈緩衝液50mlにACC(250mg)を加えた。フ
ラスコをロータリーシェーカー上(250rpm、30
℃)で3日間インキュベートした。ACC強化サンプル
はついで、非強化サンプルについて記載したと同様にし
て平板培養した。平板上ACCの存在下に生育できる細
菌コロニーをついで純粋培養液中に単離し、以下の培
地:K2 HPO4 (4g/l)、KH2 PO4 (6.5
g/l)、MgSO4 ・7H2 O(1g/l)、微量元
素(単離培地の場合と同じ)、およびACC(0.3g
/l)を5ml含む試験管(20×150)中で増殖さ
せた。細菌の増殖を助けるためにグルコース(2g/
l)を加えることもできる。最小塩培地中、単独炭素源
および窒素源としてACCを用いて増殖する細菌株を表
1に掲げる。
【0025】
【表1】
【0026】これらの微生物はすべて、2つの基準でA
CCデアミナーゼを発現することを示した。第一の基準
は、すべての生物体からの抽出物がACCをα−ケト酪
酸に変換できること、第二は、すべてが6G5ACCデ
アミナーゼ蛋白に対して作成した抗体と強力な交差反応
を示す約37,000ダルトンの蛋白を含有することと
した。さらに、これらの微生物の等価性を明らかにする
ため、単離ACCデアミナーゼ酵素のそれぞれについ
て、カイネティックパラメーターを測定した。
【0027】各種土壌起源から単離されたACCデアミ
ナーゼのKmは粗製脱塩抽出物を用いて測定した。各細
菌株は水1リットル中、4gのK2 HPO4 、6.5g
のKH2 PO4 、1gのMgSO4 ・7H2 O、2gの
グルコース、1mgのFeSO4 、1mgのMnC
2 、1mgのZnSO4 、1mgのCuSO4 、1m
gのCaCl2 および300mgのACCを含む液体培
地中で増殖させた。細胞は30℃で3日間増殖させた。
細胞を遠心分離してペレット化し、0.1Mのリン酸
塩、pH7.5、1mMのEDTA、0.1%β−メル
カプトエタノールを含有する抽出緩衝液中に再懸濁し
た。細胞をフレンチプレス1000psiで破壊し、細
胞屑を遠心分離してペレット化した。上清を、抽出緩衝
液で予め平衡化したSephdex G−25カラム上
で脱塩して、粗製の脱塩抽出物を得た。抽出物にグリセ
ロール(20%v/v)を加え、酵素溶液は−20℃で
保存した。ACCデアミナーゼ酵素アッセイは、以下の
実施例に記載のようにして行った。アッセイ混合物は、
100μlの0.2Mトリス緩衝液、pH8.0、30
μlの500mM ACC溶液、および酵素溶液を含有
させ、最終容量200μlとした。反応は30℃で行っ
た。1.8mlの2N HClで反応を停止させた。3
00μlの0.1%2,4−ジニトロフェニルヒドラジ
ンを添加したのち、混合物を30℃で15分インキュベ
ートした。ついで、2mlの2N NaOHを加えて溶
液を塩基性にした。得られた赤褐色の溶液の光学密度
を、スペクトロフォトメーターを用いて、540nmで
測定した。
【0028】ACCデアミナーゼについての動力学的測
定値、Kmは、単離された各ACCデアミナーゼ毎に酵
素基質として、ACCに対して測定した。ACCデアミ
ナーゼ活性は、飽和レベルのACC(50mM)を用い
ると、酵素濃度に関して直線性を示した。各抽出酵素に
つき、飽和下濃度のACCを用いて、概略のKmを測定
した。活性は、実際のKmの測定に用いた濃度でのAC
C濃度に関して、常に直線性を示した。次に、各抽出物
について、推定Kmの0.2×と2×の間のACC濃
度、または1〜10mM ACCのACC濃度を用い
て、実際のKmを測定した。Km値は、x軸に基質濃度
の逆数、y軸に速度(形成されたα−ケト酪酸)の逆数
をプロットする、両逆数プロットから計算した。x切片
(y=0)が−1/Kmになる。9種の異なる株から抽
出されたACCデアミナーゼのKm値を測定したが、一
般的に他の3倍以内(〜4から〜12mM)の値を示し
た。このKmのデータは、本質的にすべてのACCデア
ミナーゼが機能的に均等であり、本発明に使用できるこ
とを示している。様々な単離体からのACCデアミナー
ゼのKm値を表2に掲げる。
【0029】
【表2】
【0030】ACCを分解できる単離体が選択されたな
らば、ACCデアミナーゼをコードする遺伝子を単離し
なければならない。選択されたPseudomonas
株6G5からのACCデアミナーゼ遺伝子の単離のため
の一般的戦略は次の通りである。6G5単離体は、さら
に詳細な実施態様のための例示的態様であって、他の単
離体も同様に有用と考えられる。Pseudomona
s株6G5のコスミドバンクを構築し、クローン化し、
大腸菌に導入する。ACCデアミナーゼ遺伝子をもつク
ローンは、単独窒素源としてACCを含有する最小培地
上での選択により同定される。ついで、ACCデアミナ
ーゼのコード領域を同定し、配列を決定する。クローニ
ングおよび遺伝子取扱い技術は、とくに指示のない限
り、一般にSambrookら(1989)の記載の通
りである。6G5株からのACCデアミナーゼ遺伝子を
得るにはこの戦略を使用したが、他の戦略を使用しても
同様の成功が得られると考えられ、それらも本発明の範
囲に包含されるものである。6G5株からACCデアミ
ナーゼ遺伝子を単離する方法の詳細を以下に示す。
【0031】株6G5のL−ブロス(Miller 1
972)後期対数期培養体からの細胞ペレットを、染色
体DNAを得るために、10mlの溶液I(Birnb
oim & Doly 1979)に再懸濁した。ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)を最終濃度1%になるよ
うに加え、各サイクルがドライアイスへ15分間ついで
70℃の水へ10分間の浸漬からなる凍結−解凍サイク
ルに3回付す。次に溶解物を等容量のフェノール:クロ
ロホルム(1:1;TE緩衝液pH8.0で飽和したフ
ェノール)(TE=10mMトリス;10mM EDT
A)で4回抽出し、遠心分離し(15000g、10分
間)、相を分離する。上清に2容量のエタノールを加え
たのち短時間遠心分離して(8000g、5分間)、エ
タノール沈殿物質をペレット化する。ペレットを5ml
のTE緩衝液に再懸濁し、4℃で2リットルのTE緩衝
液に対して16時間透析する。この方法で、約552μ
g/mlのDNA溶液5mlが得られる。
【0032】Pseudomonas 6G5DNAの
50μg分画3つをついで、EcoRIで部分消化し
て、20Kbより大きいフラグメントを生成させる。3
つの50μg分画を、総容量各1.25ml中、1μg
DNAあたりそれぞれ0.125、0.062および
0.032単位のEcoRIで消化し、37℃で30分
間インキュベートする。分画をプールし、TE緩衝液p
H7.6で飽和したフェノール;クロロホルム等容量で
1回抽出して、酵素を除去する。2容量のエタノールで
DNAを沈殿させ、遠心分離(12000g、5分間)
してペレット化する。乾燥したDNAペレットを500
μlのTE緩衝液に再懸濁し、蔗糖勾配の頂部に載せ
る。10〜40%蔗糖勾配は、50mMトリスpH8.
0、5mM EDTA、0.5mM NaCl中蔗糖を
5%ずつ増量して用い、7つの5.5mm層に調製す
る。勾配をBeckmann SW28ローター中2
6,000rpmで18時間遠心分離する。チューブを
底から穿刺し、1mlの分画を集める。各分画から、そ
の一部20μlを、ラムダDNA Hind III 消化
サイズ標準とともに、1%アガロースゲル上を流す。2
0Kbより大きいDNAフラグメントを含む分画を混合
する。この場合は、7つの分画を混合した。プールした
サンプルを脱塩し、Amicon Centricon
−10R カラム上で濃縮する。0.5mlの濃縮サンプ
ルを2mlのTE緩衝液で洗浄し、再び0.5mlに濃
縮する。DNAサンプルを1mlのエタノールで沈殿さ
せ、乾燥ペレットを50μlのTE緩衝液に再懸濁す
る。DNAの収率を評価するために、サンプル2μl
を、標準としてBstEIIで切断したラムダDNA0.
8μgとともに1%アガロースゲル上を流す。このゲル
から、濃度は、20Kbより大きいPseudomon
as 6G5DNA部分EcoRIフラグメントで、3
5μg/μlと評価される。
【0033】コスミドバンクはベクターpMON170
16を用いて構築される。このベクターはファージラム
ダcosプラスミドpHC79の誘導体である(Hoh
n& Collins 1980)。pMON1701
6は、ファージT7からの遺伝子10プロモーター領域
を含有するpT7−7(Tabor & Richar
dson 1985)からのHind III-Bgl II
フラグメントを、Hind III−BamHI切断pHC
79に導入することによって構築する。クローンはpH
C79のテトラサイクリン抵抗性遺伝子を中断し不活性
化するが、アンピシリン抵抗性遺伝子は無傷のまま残
す。導入されたT7プロモーターはコスミドクローンの
機能には必要でない。pMON17016ベクターをE
coRIで切断し、ウシアルカリホスファターゼ(CA
P)で処理し、クローニングに備える。ベクターと標的
配列は次のようにしてリゲートする。pMON1701
6ベクターDNA(EcoRI/CAP)1.25μg
(50ng/μl、25μl)を0.63μg(35n
g/μl、18μl)のサイズ分画6G5EcoRIフ
ラグメントと混合し、2容量のエタノールで沈殿させ
る。サンプルを遠心分離し、乾燥DNAペレットを6μ
lの水に再懸濁する。この溶液に、1μlの10×リゲ
ーション緩衝液(250mMトリス塩酸塩pH8.0、
100mM MgCl2 、100mMジチオスレイトー
ル、2mMスペルミジン)、2μlの100mM AT
P(アデノシン5′−三リン酸)溶液、ならびに1μl
の40単位/μl T4 DNAリガーゼ(New E
ngland Biolabs)を加える。リゲーショ
ン混合物は室温(RT)で6時間インキュベートする。
【0034】10μlのpMON17016/6G5リ
ゲートDNAサンプルから、3μlをラムダーファージ
粒子(Stratagene;Gigapack Pl
us)に、製造業者の操作を用いてパッケージする。コ
スミドの力価を確立するため、希釈系列を作成し、宿主
細菌のインフェクトに使用する。宿主MM294(Ta
lmadge & Gilbert 1980)大腸菌
は0.2%マルトース含有L−ブロス中30℃で生育さ
せる。MM294サンプル100μlを100μlのS
M緩衝液(SM=50mMトリスpH7.5、100m
M NaCl、8mM MgSO4 、0.01%ゼラチ
ン)で希釈し、パッケージコスミドの10μl分画でイ
ンフェクトする。サンプルはRTで15分間インキュベ
ートする。サンプルに1mlのL−ブロスを加え、37
℃で30分間インキュベートする。インフェクトした細
菌をついで、遠心分離(4000rpm、4分間)によ
って濃縮し、100μg/mlのカルベニシリンを含む
L−ブロスアガールプレート上で平板培養する。プレー
トは、37℃で一夜インキュベートする。通常認められ
るコスミド力価は、3μlのリゲートpMON1701
6/6G5 DNAから計約8.5×105 クローン、
または2.8×106 クローン/μg 6G5 Eco
RI DNAと評価される。
【0035】ACCデアミナーゼ遺伝子を含有するコス
ミドクローンの選択には、6G5ライブラリーをつい
で、単独窒素源としてACCを含有する培地上で平板培
養する。平板は窒素を含まないアガール1.5%、2m
M MgSO4 、0.2%グルコース、0.1mM C
aCl2 、1×M9塩(M9塩=6g Na2 HPO4
・H2 O、3g KH2 PO4 、1.5g NaCl/
l)、1mMチアミン塩酸塩、100μg/mlカルベ
ニシリン、および3mM ACCを含有する。MM29
4細胞を35μl(約5.6×104 クローン)のパッ
ケージコスミドと上述のようにインフェクトし、1×M
9塩で2回洗浄し、5つのプレート上で平板培養する。
生育は37℃、3日間のインキュベーションで明らかで
あった。6日間のインキュベーション後、約3000コ
スミド(200あたり1)が、単独窒素源としてACC
を含む最小培地プレート上に生育した。補給窒素源とし
てACCを含まなかった対照プレート上には、6日後も
生育の兆候はない。
【0036】ACC含有最小培地上で生育した数種のコ
ロニーを、ついでスクリーニングする。この記述の場合
は、すべてのサンプルがサイズの異なるコスミド挿入体
を有し、大部分はいくつかの共通EcoRIフラグメン
トを含んでいた。3つの最も小さいクローンを制限欠失
および共通フラグメントのサブクローニングによってス
クリーニングする。ACCデアミナーゼ遺伝子の活性
は、クローンを上述のようにACC含有最小培地上で平
板培養してモニタリングする。スクリーニングにより、
活性を保持する約10.6Kbの挿入体を含有するクロ
ーンが同定された。挿入体を次に、pUC118プラス
ミド(Viera & Messing1987)中の
BamHI−XbaIフラグメントにサブクローニング
する。続いてHind IIIおよびSmaI欠失により、
ACCデアミナーゼ活性は、単独窒素源としてACCを
含む最小培地上でクローンを生育させる2.4Kbまで
短縮された。この2.4Kb挿入体を含むpUC118
プラスミドはpMON10027と命名する。
【0037】pMON10027の2.4Kb挿入体の
両鎖をついで、USB SequenaseR DNA配
列決定キットを製造業者の指示に従って使用し、配列決
定した。ACCデアミナーゼ遺伝子のコード配列とし
て、1017塩基対(bp)のオープンリーディングフ
レームが同定された(図2)。この配列は配列番号1と
する。
【0038】異なる生物からのACCデアミナーゼ遺伝
子の同等性をさらに明らかにするため、第二の遺伝子の
DNA配列を決定した。最初のスクリーニングにおい
て、上述のように、単独窒素源としてACCを含む最小
培地上で生育できる生物体としてPseudomona
s3F2単離体が同定されていた。インビトロでのAC
Cのα−ケト酪酸への変換は(6G5生物体について述
べたように)この生物が同じくACCデアミナーゼ酵素
を含むことを示している。3F2ACCデアミナーゼの
クローン化にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用
した。既知の6G5配列に基づき、3F2DNAのプラ
イムオフ用オリゴデオキシヌクレオチドを設計した。
5′および3′オリゴヌクレオチドの配列は次の通りで
ある。
【0039】 5′オリゴヌクレオチド: CCCGGATCCATGAATCTGAATCGTTTT (配列番号11) 3′オリゴヌクレオチド: CCCGGATCCGCCGTTACGAAACAGGAA (配列番号12) これらのオリゴヌクレオチドは、次のクローニングを容
易にするためPCR生成物へBamHI部位を導入する
配列で始まる。いずれも、最初の18(5′)また最後
の18(3′)の下線を施したヌクレオチド配列は6G
5の場合と同一である。3F2DNAは6G5について
前述したのと同様にして調製した。PCR反応は、3F
2と6G5の配列の間にある程度のミスマッチがあって
も、3F2DNAへのオリゴヌクレオチドのアリーニン
グが可能なような条件下に実施した。PCR反応は、そ
れぞれの次のサイクルは10秒延長して30サイクル行
った。各サイクルは次の通りとした。
【0040】 94℃ 1分 40℃ 2分 72℃ 3分プラス15秒延長 PCR−増幅3F2DNAは、オリゴヌクレオチド中に
導入された単離6G5のACCデアミナーゼヌクレオチ
ド配列の最初の18(5′)および最後の18(3′)
のヌクレオチドを含み、したがって最初および最後の1
8ヌクレオチドの領域は実際の3F2遺伝子に相当しな
いかもしれない。すなわち3F2 ACCデアミナーゼ
の最初および最後の6個のアミノ酸の実体は、元の3F
2生物における酵素と同一ではないかもしれない。DN
A増幅が成功するためには、3F2DNAとオリゴヌク
レオチドプライマーとの間に高度のホモロジーが必須で
あるから、3F2と6G5の配列は極めて類似するもの
でなければならない。
【0041】PCR増幅の生成物をBamHI切断pB
SSK+(Stratagene)にクローニングし、
前述のように、ジデオキシDNA配列決定法に付した。
遺伝子の配列は、内部DNA配列由来の一連のオリゴヌ
クレオチドプライマーを用いて決定した。3F2遺伝子
の配列およびそれから帰納されるACCデアミナーゼの
アミノ酸配列を図17に示す。ヌクレオチド配列は配列
番号15、アミノ酸配列は配列番号16とした。6G5
と3F2酵素の推定アミノ酸配列を比較すると、それら
は、96%が同一で、保存的アミノ酸置換を考慮すれば
99%が類似という高いホモロジーを有する。これらの
2つの酵素について認められたカイネティックデータを
考え合わせると、この配列保存は、天然のACCデアミ
ナーゼの保存的性質を示すものである。
【0042】ACCデアミナーゼが同定され、単離され
たならば、それを植物での発現のために操作する必要が
ある。ACCデアミナーゼ遺伝子を植物に導入するため
には、適当なキメラ遺伝子およびトランスホーメーショ
ンベクターの構築が必要になる。植物へのトランスホー
メーションのための代表的キメラ遺伝子は、プロモータ
ー領域、異種構造DNAコード配列および3′非翻訳ポ
リアデニル化部位を包含する。異種構造DNAコード配
列とは、トランスホームされる植物にネイティブではな
い構造コード配列、またはその蛋白生成物の性質を改良
するために操作された構造コード配列を意味する。プロ
モーターに関して異種とは、コード配列が、それと連結
しようとするプロモーターと、天然には同一遺伝子内に
存在しないことを意味する。キメラは、異種遺伝子の部
分からなる新規な天然には存在しない遺伝子を意味す
る。トランスホーメーションベクターの調製に際して
は、各種のDNAフラグメントを必要に応じて操作し、
所望のベクターを調製することができる。これには、必
要に応じてリンカーまたはアダプターを使用して適当な
制限部位の形成もしくは望ましくない制限部位の除去、
または本技術分野の熟練者にはよく知られた他の同様の
操作が包含される。
【0043】植物細胞中でACCデアミナーゼ遺伝子の
転写を起こすことが知られているかまたはそれが見出さ
れたプロモーターが、本発明に使用できる。このような
プロモーターは、植物、植物病原性細菌または植物ウイ
ルスから得ることができる。必ずしもこれらに限定され
るものではないが、カリフラワーモザイクウイルスの3
5Sおよび19Sプロモーター(CaMV35Sおよび
CaMV19S)、ゴマノハグサ(figwort)モ
ザイクウイルスからの完全長転写プロモーター(FMV
35S)およびEPSPシンターゼ、ssRUBISC
O遺伝子のような植物遺伝子から単離されるプロモータ
ー、ならびにAgrobacterium tumef
aciensのT−DNA遺伝子たとえばノパリンおよ
びマノピンシンターゼから得られるプロモーターを挙げ
ることができる。選択された特定のプロモーターは、エ
チレンの産生を実質的に阻害する有効量のACCデアミ
ナーゼの産生を生じる十分な発現を起こすことができる
ものでなければならない。本技術分野の熟練者であれ
ば、エチレンの産生を阻害するのに必要なACCデアミ
ナーゼの量が、関連する植物の種類および植物内の組織
によって変動することは自明であろう。
【0044】本発明における使用にとくに有用なプロモ
ーターは、果実におけるエチレン産生時に発現される果
実特異的プロモーターおよびゴマノハグサモザイクウィ
ルスからの完全長転写プロモーター(FMV35S)で
ある。FMV35Sプロモーターは、植物組織において
均一かつ高レベルのACC発現を生じるその能力から、
とくに有用である。FMV35SプロモーターのDNA
配列は、図22に示し、配列番号17とする。果実特異
的プロモーターの例には、トマトからのE8、E4、E
17およびJ49プロモーター(Lincoln,J.
E.& Fischer,R.L.1988)、ならび
に米国特許第4,943,674号に記載された2Al
lプロモーターが包含される。
【0045】本発明のACCデアミナーゼ遺伝子の発現
に使用されるプロモーターは、それらの発現特性を変え
ることが望まれる場合には、さらに修飾することもでき
る。たとえば、光の不存在下でssRUBISCOの発
現を抑制するssRUBISCO遺伝子の部分をCaM
V35Sにリゲートすると、葉では活性であるが根では
活性を示さないプロモーターを創製できる。得られたキ
メラプロモーターは、本明細書に記載するようにして、
使用できる。本明細書において用いられる「CaMV3
5S」または「FMV35S」の語には、これらのプロ
モーターの変異体、たとえばオペレーター領域とのリゲ
ーション、ランダムなまたは制御された突然変異誘発、
エンハンサー配列の付加または二重化等により誘導され
たプロモーターが包含される。
【0046】3′非翻訳領域は、植物で、RNA配列の
3′末端にポリアデニル化ヌクレオチドの付加を生じる
機能を有するポリアデニル化シグナルを含有する。適当
な3′領域の例としては、Agrobacterium
の腫瘍誘発(Ti)プラスミド遺伝子、たとえばノパリ
ンシンターゼ遺伝子(NOS)、ならびに7s大豆保存
蛋白遺伝子およびRuBPカルボキシラーゼ遺伝子のE
9サブユニット(ssRUBISCO参照)のような植
物遺伝子のポリアデニル化シグナルを含有する3′転写
非翻訳領域がある。
【0047】本発明のDNA構築体によって生成される
RNAはまた、5′非翻訳リーダー配列を含有すること
が好ましい。この配列は、その遺伝子を発現する選ばれ
たプロモーターから誘導できて、mRNAの翻訳を増大
するように特異的に修飾できる。5′非翻訳領域はま
た、ウィルスRNAから、適当な真核生物遺伝子から、
または合成遺伝子配列から得ることができる。本発明
は、以下の実施例に示すように、プロモーター配列に伴
う5′非翻訳配列から非翻訳領域が誘導される場合、構
築体に限定されるものではない。むしろ、非翻訳リーダ
ー配列は、異種コード配列についてのネイティブコード
配列の非翻訳領域の5′末端の一部、プロモーター配列
の一部とすることも、または上述のように無関係なプロ
モーターもしくはコード配列から誘導することもでき
る。
【0048】本発明のDNA構築体は任意の適当な方法
で、植物のゲノムに挿入することができる。適当な植物
トランスホーメーションベクターとしては、Agrob
acterium tumefaciensのTiプラ
スミドから誘導されるもの、たとえば、Herrera
−Estrella(1983)、Bavan(198
3)、Klee(1985)および米国特許第4,98
0,838号によって開示されたものがある。Agro
bacteriumのTiまたは根誘導(Ri)プラス
ミドから誘導される植物トランスホーメーションベクタ
ーに加えて、別法として、本発明のDNA構築体を植物
細胞に挿入することもできる。このような方法には、た
とえば、リポソーム、エレクトロポレーション、遊離D
NAの取り込みを増大させる化学剤、微粒子ガン技術、
およびウィルス利用トランスホーメーションが包含され
る。ベクターをトーモロコシまたは他の単子葉植物細胞
に導入する方法としては、それらに限定されるものでは
ないが、Neuhausらのインジェクション法(19
87)、de la Penaらのインジェクション法
(1987)またはKleinら(1987)およびM
cCabeら(1988)のマイクロプロジェクタイル
法がある。
【0049】Agrobacterium tumef
aciens仲介送達によって植物ゲノムに挿入可能な
ベクターの構築は、本技術分野の通常の熟練者にはよく
知られている。代表的な植物クローニングベクターは、
選択および評価可能なマーカー遺伝子、T−DNAボー
ダー、クローニング部位、トランスコンジュゲートの同
定を容易にする適当な細菌遺伝子、広範囲の宿主での複
製および可動機能、および所望される他の要素から構成
される。
【0050】Agrobacterium仲介送達が選
ばれ、ベクターが無毒化Agrobacterium株
に導入されたならば、所望の植物をトランスホームする
ことができる。所望の植物に有効な任意のトランスホー
メーション法が利用できる。
【0051】本発明における使用にとくに適した植物
は、トマト、バナナ、キーウィ、アボガド、メロン、マ
ンゴ、パパイヤ、林檎、桃、および他のクリマクテリッ
ク型担果実植物である。本発明はまた、以下の非クリマ
クテリック型種、すなわち、苺、レタス、キャベツ、カ
リフラワー、玉葱、ブロッコリー、綿、カノラおよびア
ブラナに使用するのに適している。エチレン誘発成熟過
程によって影響される他の植物種、とくに植物の生育ま
たは植物の果実の成熟もしくは発生にエチレン産生が重
要な植物種には、本発明の教示は有益である。生花工業
においてとくに望ましい花種は、カーネーション、バラ
等である。なお、以上の一覧は単なる例示であって、い
かなる意味においても本発明を限定するものではない。
【0052】植物において、ACC遺伝子の構造的発現
を達成するには、遺伝子をトランスホーメーションベク
ターpMON977にクローニングした。ここで調製し
たトランスホーメーションベクターには、6G5単離体
から単離されたACCデアミナーゼ遺伝子を使用した。
pMON977プラスミド(図3)は以下の、性質が十
分明らかにされたDNAセグメントを含有する。すなわ
ち、第一に、細菌スペクチノマイシン/ストレプトマイ
シン抵抗性(Spc/Str)をコードし、大腸菌およ
びAgrobacterium tumefacien
sにおける選択決定因子(Flingら1985)であ
るトランスポゾンTn7から単離された0.93Kbフ
ラグメントである。これはトランスホームされた組織の
選択を可能にするため、植物発現用に操作したキメラカ
ナマイシン抵抗性遺伝子に連結する。キメラ遺伝子は
0.35Kbカリフラワーモザイクウィルス35Sプロ
モーター(P35S、Odellら1985)、0.8
3KbネオマイシンホスホトランスフェラーゼII型遺伝
子(NPTII)、およびノパリンシンターゼ遺伝子の
0.26Kb 3′非翻訳領域(NOS3′)(Fra
leyら、1983)から構成される。次のセグメント
はRK2プラスミドからの0.75Kb複製の起源(o
ri−V)(Stalkerら、1981)である。こ
れは、pBR322からの3.1Kb SalI−Pv
uIフラグメントに連結する。これは、大腸菌(ori
−322)中に維持するための複製の起源およびAgr
obacterium tumefaciens細胞内
への接合移入のためのbom部位を提供する。次はpT
iT37プラスミドからの0.36Kb PvuI−B
clIフラグメントである。これはノパリン型T−DN
A右ボーダー領域を含有する(Fraleyら、198
5)。最後のセグメントは、プロモーター配列の二重化
によって増強された0.65Kbカリフラワーモザイク
ウィルス(CaMV)35Sプロモーター(P−E35
S)(Kayら、1987)、いくつかのユニーククロ
ーニング部位を有する合成マルチリンカー、およびエン
ドウrbc S−E9遺伝子の0.7Kb3′非翻訳領
域(E93′)(Coruzziら、1984およびM
orelliら、1985)からなる発現カセットであ
る。
【0053】いずれもpMON10027からのACC
デアミナーゼ遺伝子を含有する2つのサイズの異なるフ
ラグメントをE35SプロモーターとpMON977の
E93′末端の間に導入した。最初、pMON1002
7からの1071bpEcoRV−SacIフラグメン
トをStuI−SacI切断pMON977に導入し、
pMON10028ベクター(図4)を生成させる。第
二に、pMON10027からの1145bpEcoR
V−EcoVフラグメントをStuII切断pMON97
7に導入して、pMON10037ベクター(図5)を
生成させる。
【0054】果実に特異的にACCデアミナーゼの発現
を指図することができるベクターを構築するためには、
トマト果実特異的な転写プロモーターの単離を必要とし
た。選択されたプロモーターは、エチレンの存在下に高
レベルの発現を誘導することが知られていて、また、ト
マト果実に限定されることが知られている(Linco
ln,J.& Fischer,R.1988)。この
遺伝子のためのプロモーター、E8のDNA配列は報告
されている(Deikmanら、1988)。E8プロ
モーターのDNA配列は配列番号10とし、図14に示
す。このプロモーターを選択した場合、他の果実特異的
プロモーターも有用であり、それらの同定および単離は
本技術分野の通常の熟練者にはルーチンな作業である。
プロモーターフラグメントE8は、標準的ポリメラーゼ
連鎖反応法を用いて単離された。E8に相補性のオリゴ
ヌクレオチドが合成された。5′および3′オリゴヌク
レオチドのDNA配列は次の通りであった。
【0055】 5′オリゴヌクレオチド: GAAGGAAGCT TCACGAAATC GGCCCTTATT C (配列番号2) 3′オリゴヌクレオチド: GGGGCTTTAG ATCTTCTTTT GCACTGTGAA TG (配列番号3) 5′オリゴヌクレオチドは、転写の開始点に対し約10
40ヌクレオチド5′にHind III部位を導入する。
3′オリゴヌクレオチドは転写開始点を越えて約20ヌ
クレオチドにBglII部位を導入する。PCR生成物は
Hind III〜Bgl II フラグメントとしてクローン
化できる約1060ヌクレオチドのフラグメントであ
る。このプロモーターフラグメントは、任意のコード配
列を適当な方向でそれに隣接させて配置すると、組織特
異的発現性を付与する。
【0056】PCR反応は、GeneAmpキット(P
erkin Elmer−Cetus)の製造業者によ
って推薦された操作にほぼ従って実施した。反応混合物
の組成は次の通りである。
【0057】 水 58.5μl 10×緩衝液 10μl d NTP ミックス 16μl 5′プライマー 75pM(3.0μl中) 3′プライマー 75pM(3.0μl中) トマト DNA 1.24μg(2μl中) Ampltaq DNA ポリメラーゼ 0.5μl PCR反応は、以下の温度/時間の組合せで28サイク
ル行った。
【0058】 94℃ 1分 60℃ 2分 72℃ 3分 完了後、正しいサイズのPCR生成物が観察された。フ
ラグメントを、等容量の1:1フェノール/クロロホル
ムによる抽出、ついでエタノール沈殿で精製した。PC
Rフラグメントをついで、pMON10037DNAに
リゲートできるように、Hind IIIおよびBglIIで
切断した。ついで、PCRフラグメントを、同じ酵素で
予め切断してCaMV35Sプロモーター配列を除去し
たpMON10037DNAにリゲートした。得られた
プラスミドは、pMON10037DNAのCaMV3
5Sプロモーターと同じ位置にE8プロモーターを含有
し、pMON10054(図5)と命名された。
【0059】pMON10028およびpMON100
37ベクターは、いずれも、ABIAgro−bact
erium株に移入できる。ABI株は、無毒化pTi
58プラスミドpMP90RKをもつA208 Agr
obacterium tumefaciensである
(Koncz & Schell 1986)。Tiプ
ラスミドはT−DNAフィトホルモン遺伝子をもたず、
したがってこの株はクラウンゴール病を生じない。pM
ONベクターのABIへのメイティングは、ヘルパープ
ラスミドpRK2013(Dittaら、1980)を
用いる三親接合系によって行った。植物細胞をABI::
pMON接合体とインキュベートする場合には、ベクタ
ーは、無毒化pMP90RKTiプラスミドによってコ
ードされるvir機能により植物細胞に移入する。ベク
ターはT−DNAボーダー領域において開裂し、全pM
ONベクター配列が宿主植物染色体に挿入される。Ti
プラスミドは植物細胞には移入されず、Agrobac
terium内に残る。
【0060】
【実施例】以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様
のいくつかを、さらに示すものである。本技術分野の熟
練者には、ここに述べる特定の実施態様に対し多くの均
等な態様を認識できるものと考えられる。このような均
等な態様は本発明の範囲内に包含される。
【0061】実施例1 ABI::pMON10028およびABI::pMON1
0037ベクターを用いて形質転換タバコ植物を生成さ
せ、植物中におけるACCデアミナーゼの発現を示す。
【0062】タバコ細胞はタバコ葉ディスク法を用いて
トランスホームした。タバコ葉ディスクトランスホーメ
ーションのプロトコールでは、約1月齢の健康な葉組織
を使用した。10%Cloroxおよび界面活性剤で表
面を15〜20分間殺菌したのち、タバコの葉を滅菌水
で3回すすいだ。滅菌した紙パンチを用いて、葉のディ
スクを打ち抜き、上面を下にしてMS104培地(MS
塩4.3g/l、蔗糖30g/l、B5ビタミン500
×2ml/l、NAA0.1mg/ml、およびBA
1.0mg/l)上に置き、1日前培養した。
【0063】ディスクについで、1/5に希釈した(す
なわち、約0.6OD)目的のベクターを含む無毒化A
bgrobacterium ABIの一夜培養液を接
種した。接種は、培養体を入れた遠沈管中にディスクを
置いて行った。30〜60秒後に、液体をきり、ディス
クを滅菌した濾紙の間に挟んで液を吸い取った。ディス
クをついで上面を下にしてMS104フィーダープレー
ト上に濾紙ディスクとともに置き、共培養した。
【0064】2〜3日間共培養したのち、ディスクの上
面を下にしたままMS104培地とともに選択プレート
に移した。2〜3週後、カルスが形成した。各クランプ
を葉のディスクから分離した。芽が葉柄から十分識別で
きる程度に大きくなったらば、芽をカルスから清潔に切
り取った。芽を、ホルモンを含まない根培地(MSO:
MS塩 4.3g/l、蔗糖30g/lおよびB5ビタ
ミン500×2ml/1)上に置き、選択した。1〜2
週で根が形成された。なお滅菌状態で、根が形成した芽
について、好ましくは、葉カルスアッセイを実施した。
根をもった芽は土壌中に置き、高湿度環境(すなわち、
プラスチック容器または袋)に保持した。芽は常湿度条
件に徐々に暴露して丈夫にした。
【0065】葉中のACCデアミナーゼのアッセイに
は、タバコ葉サンプルを集め、液体窒素中で凍結させ
た。組織1gを液体窒素下に凍結したまま微粉末に粉砕
した。抽出緩衝液(100mlトリスpH7.1、10
mM EDTA、35mM KCl、20%グリセロー
ル、5mM DTT、5mM L−アスコルビン酸、1
mMベンザミジン、1mg/ml BSA)1mlをサ
ンプルに加え、45秒間磨砕し、直ちに遠心分離(1
2,000g、3分)して葉屑を除去した。小分子を除
去するため、250μlの抽出液を、予め上記抽出緩衝
液(BSA減量)で平衡化した1mlのSephdex
−G50スピンカラムを通した。抽出物を検定し、形質
転換植物組織中のACCデアミナーゼ活性の相対量を調
べた。ACCデアミナーゼ酵素はACC基質をα−ケト
酪酸とアンモニアに変換する。α−ケト酪酸を2,4−
ジヒドロフェニルヒドラジンと反応させてヒドラゾン誘
導体を形成させ、NaOHを添加したのちその光学密度
を520nmで測定した。この光学密度は、植物抽出物
中のACCデアミナーゼの量の指標となる。アッセイ反
応混合物には、50μlのタバコ葉抽出物サンプル、1
00mMトリスpH8.6、および50mM ACCを
最終容量150μl中に含有させた。反応は30℃で1
分間インキュベートして行い、50μlの0.56M
HClで終結させた。2N HCl中0.1%2,4−
ジヒドロフェニルヒドラジン0.6mlを添加した。サ
ンプルを2分間煮沸し、室温に冷却し、0.2mlの4
0%NaOHを加えた。遠心分離して沈殿を除去した
(12,000g、5分間)。上清の光学密度を520
nmで測定した。この値は植物中で生成されたACCデ
アミナーゼ酵素の相対量を示す。非形質転換タバコ植物
を陰性対照として用いた。
【0066】数種のタバコ葉抽出物についてアッセイを
行ったところ、ACCデアミナーゼ活性は0.6〜7.
5mmol生成物(α−ケト酪酸)/mg総蛋白/分の
範囲であった。これらのアッセイ結果は、タバコ植物中
でACCデアミナーゼが発現したことを実証するもので
ある。
【0067】実施例2 ABI::pMON10028およびABI::pMON1
0037ベクターを用いて形質転換トマト植物を生成さ
せ、植物中におけるACCデアミナーゼの発現を証明す
る。
【0068】トマト細胞は、上述のAbgrobact
erium株を用い、ほぼMcCormickら(19
86)の記載した方法に従って、トランスホームした。
とくに、7〜8日齢の若木からコチレドンを得た。種子
を30%Cloroxブリーチ中で20分間殺菌し、P
lantconsボックス中、Davis発芽培地上で
発芽させた。Davisの発芽培地の組成は、MS塩
4.3g/l、蔗糖20g/l、およびNitschビ
タミン10ml、pH5.8である。Nitschビタ
ミン溶液は、ミオイノシトール100mg/ml、ニコ
チン酸5mg/l、ピリドキシン塩酸塩0.5mg/
l、チアミン塩酸塩0.5mg/l、葉酸0.05mg
/l、ビオチン0.05mg/l、グリシン2mg/l
である。種子は生育チャンバー中、25℃、湿度40
%、強度80アインシュタインm-2-1の冷白色光下に
7〜8日間発芽させた。光周期は明期16時間、暗期8
時間とした。
【0069】発芽が起こったならば、コレチドンを、#
15のカミソリを使って、頂端分裂組織および胚軸を切
断して移植し、矩形の移植片を作成した。発芽している
コレチドンの短端でのこれらの切断は、インフェクショ
ンのための表面積を増大させた。移植片は滅菌Davi
s再生液に浸漬して乾燥を防止した。Davis再生培
地の組成は、1×MS塩、3%蔗糖、1×Nitsch
ビタミン、20mg/mlゼアチン、pH5.8であ
る。この溶液は0.8%貴アガールとともにオートクレ
ーブ処理した。
【0070】コレチドンは、抗生物質を含まない培地か
らなる「フィーダープレート」上で前培養した。この培
地は、MS塩4.3g/l、蔗糖30g/l、ミオイノ
シトール0.1g/l、0.2g/lのKH2 PO4
0.9mg/mlチアミン塩酸塩溶液1.45ml/
l、キネチンの0.5mg/ml溶液0.2ml、およ
び2,4Dの0.2mg/ml溶液0.1mlからな
る。この溶液をKOHによりpH6.0に調整した。こ
れらのプレートを1.5〜2.0mlのトマト懸濁細胞
および2COO5K培地に浸漬したWhitman濾紙
で覆った。2COO5K培地の組成は、GibcoMS
塩混合物4.3g/l、B5ビタミン(1000×保存
液)1ml、蔗糖30g/l、2mlのPCPA(2m
g/mlの保存液から)、およびキネチンの10μl/
ml(0.5mg/mlの保存液から)である。コチレ
ドンは生育チャンバー中、25℃、強度40〜50アイ
ンシュタインm-2-1の冷白色光下、連続明期の光周期
で、1日培養した。
【0071】ついでコチレドンを、所望のトランスジェ
ニック遺伝子を含むAgrobacteriumの対数
期溶液で接種した。Agrobacteriumの濃度
は約5×108 細胞/mlとした。コチレドンを細菌溶
液に6分間浸漬させ、ついで滅菌Whaiman濾紙デ
ィスク上で吸取って過剰の溶液を除去し、次に、最初の
フィーダープレートを置換して、2日間共培養させた。
2日後にコチレドンを、2mg/lのゼアリンリボシ
ド、500μg/mlのカルベニシリンおよび100μ
g/mlのカナマイシンを加えたDavis再生培地を
含む選択プレートに移した。2〜3週後、カルスおよび
/または若芽を形成したコチレドンを、カルベニシリン
およびカナマイシンを同レベルで含有する新鮮なDav
is再生プレートに移した。この時点で、トランスホー
マントについて、実験を評価した。カルス組織を規則的
に3週間隔で継代培養し、異常な構造があれば摘み取っ
た。若芽は3〜4月以内に発生した。
【0072】若芽が発生したならば、カルス組織から清
潔に切断し、発根選択プレート上に移植した。これらの
プレートには、50μg/mlのカナマイシンおよび5
00μg/mlのカルベニシリンを含む0.5×MSを
含有させた。これらの若芽には、選択培地上で2週間以
内に根が形成された。2週間後にも発根が認められなか
った場合は、若芽を摘み取り、選択培地に再移植した。
若芽培養体は、パーシバル中22℃の温度でインキュベ
ートした。根をもった若芽は、根の長さが約2cmにな
ったときに、植木鉢に移した。この植物は生育チャンバ
ー中21℃において、明期18時間、暗期6時間の光周
期で2〜3週間生育させて丈夫にしたのち、温室に移し
た。温室では、植物は、昼間26℃、夜間21℃の温度
で生育させた。光周期は明期13時間、暗期11時間
で、植物はそのまま成熟させた。
【0073】グリーンのトマト果実および葉サンプルを
集め、液体窒素中で凍結させた。サンプルを抽出し、タ
バコについて記載した操作を用いたアッセイに付した。
トマト抽出緩衝液には、100mlトリスpH7.1、
1mM EDTA、10%グリセロール、5mM DT
T、5mM L−アスコルビン酸、1mMベンザミジ
ン、1mg/ml BSAを含有させた。抽出物をアッ
セイしたところ、ACCデアミナーゼ活性は、葉組織に
ついては1.6〜11.2mmol生成物/mg総蛋白
/反応時間(分)、果実組織については3.0〜25.
1mmol生成物/mg総蛋白/反応時間(分)であっ
た。これらのアッセイ結果は、ACCデアミナーゼがト
マト植物中で構造的発現を示したことを実証するもので
ある。
【0074】実施例3 ACCデアミナーゼをコードするキメラ遺伝子で形質転
換されたトマト植物については、トマト植物の果実の成
熟に対するACCデアミナーゼの発現の効果を明らかに
するためのアッセイも行った。
【0075】プラスミドpMON10028およびpM
ON10037を、実施例2の記載と同様にして、トマ
ト(Lycopersicon esculentum
cv.UC82B)に導入した。
【0076】この遺伝子を含む植物は最初、カナマイシ
ン抵抗性によって同定した。カナマイシン抵抗性植物は
さらに、ACCデアミナーゼ酵素アッセイ(上述)およ
び精製ACCデアミナーゼ蛋白に対して作成した抗体を
用いる定常的ウエスタンブロット分析によって分析し
た。ACCデアミナーゼ蛋白を発現する植物を選択し、
さらに分析を行った。
【0077】ACCデアミナーゼ遺伝子を発現すると同
定されたトマト植物について、果実の成熟の阻害を調べ
た。5673および5854と命名された2系統からの
一トランスホーマントのR1子孫、ならびに非形質転換
UC82B植物を、温室中、同一条件で生育させた。ト
ランスジェニック植物の子孫は、T−DNAの継承を示
すNPTII遺伝子の存在についてスクリーニングした。
UC82B対照も含めて、すべての植物が花をつけ、同
時に果実の発生が開始された。各植物について、つい
で、それが成熟の開始を示すブレーカーステージ(果実
が赤くなり始めるステージ)に入った日を評価した。両
トランスジェニック系統からのNPTII陽性と評価され
た植物では、成熟の開始に有意な遅延が認められた。成
熟の開始の遅延はほぼ1週であった。トランスジェニッ
ク植物ならびにUC82B対照からの果実は、ブレーカ
ーステージで植物から摘取した。果実は個々に、200
mlのビーカー中に室温で保存し、そのまま成熟させ
た。トランスジェニック植物からの果実は、それが完全
な成熟状態に到達する時期に、2〜6週の遅延を示し
た。すなわち、ACCデアミナーゼ遺伝子を発現する植
物は、成熟の開始ならびに成熟過程が開始したのち成熟
段階を通じてその進行に要する時間の両者で、遅延を示
した。
【0078】実施例4 上述のようにpMON10028およびpMON100
77によって形質転換したNicotina taba
cum植物について、植物中でのACCデアミナーゼの
発現がタバコの花の寿命に与える効果についても検討す
るため、アッセイを行った。ACCデアミナーゼを発現
するタバコ植物は、トマト植物について使用したのと同
じ酵素アッセイを用いて同定した。酵素アッセイは、タ
バコの葉および花について実施した。この遺伝子を発現
する植物について、花が維持される時間の長さを検定し
た。花には開花時に札をつけ、老化段階に達するまでの
時間を測定した。対照からの花は開花後2日で有意な凋
萎を示したが、ACCデアミナーゼを発現するトランス
ジェニック植物からの花では、凋萎が丸1日遅延した。
【0079】実施例5 本発明の方法はまた、果実の成熟を遅延させることが知
られている他の方法と組合せて使用することもできる。
このような組合せの一つに、ACCデアミナーゼ遺伝子
を、エチレン産生を阻害するアンチセンス遺伝子と組合
せる使用法がある。この目的で、ACCデアミナーゼを
pTOM13 cDNAについてのアンチセンス遺伝子
と組合せて含有するプラスミドを調製した(Holds
worthら、1987)。pTOM13と命名された
遺伝子は、以前、植物中にアンチセンス方向に配置させ
ると、エチレンの産生を阻害することが示されている
(Hamiltonら、1980)。この遺伝子はAC
Cをエチレンに変換する酵素(多分、この酵素はACC
オキシダーゼであろう)をコードし、アンチセンスRN
Aによるこの酵素の合成の阻害は植物組織中へのACC
の蓄積を招来するものと考えられている。pTOM13
遺伝子に相当するcDNAクローンが、公開されたpT
OM13配列から調製された合成オリゴヌクレオチドへ
のハイブリダイズ能に基づいて、成熟中のトマト果実か
ら作成されたcDNAライブラリーから単離された。
【0080】cDNAライブラリーはStratage
ne(Cat.#936004)から購入した。このラ
イブラリーは、バクテリオファージλクローニングベク
ター、λ−ZAPII中、成熟中のトマト果実から単離さ
れたRNAから作成された。オリゴマーヌクレオチドプ
ローブは、公開されたpTOM13配列のセグメントか
ら、次のように作成された。
【0081】 オリゴヌクレオチド1: 5′GGTGAACCATGGAATTCCACATG 3′(配列番号4) オリゴヌクレオチド2: 5′GCAATTGGATCCCTTTCCATAGC 3′(配列番号5) 2万個のファージを、製造業者の推薦に従い、アガール
含有プレート上で平板培養した。製造業者によって供給
された大腸菌株XL1−Blueをファージの調製に使
用した。ファージプラークをニトロセルロース濾紙に移
し、80℃のオーブンで2時間ベーキングした。プレー
トは25℃で2時間、以下の溶液中でプレハイブリダイ
ズした。
【0082】6×SSC、5×Denhardt溶液、
100μg/ml変性サケ精子DNA、20mMトリス
塩酸塩、pH7.0、0.1%SDS、1.0mM E
DTA。
【0083】50×Denhardt溶液=水中各Fi
coll 1.0%、ポリビニルピロリドン、ウシ血清
アルブミン(分画V;Sigma)。
【0084】20×SSC=水1リットルあたり175
g食塩および88.2gクエン酸ナトリウム、NaOH
でpHを7.0に調整。
【0085】プレハイブリダイゼーション後、32P−標
識オリゴヌクレオチド(Sambrookら、198
9)を、ハイブリダイゼーション溶液中の各オリゴヌク
レオチドの最終濃度が500,000cpm/mlにな
るように添加した。ハイブリダイゼーションは50℃で
48時間行った。濾紙は6×SSC中、室温、15分で
2回、50℃、15分で1回洗浄した。ついで乾燥し、
X線フィルムに48時間露出した。ハイブリダイズした
ファージに相当するプラークを単離し、単一のプラーク
が隣接するハイブリダイズしていないプラークから容易
に分離できるようなファージ密度において上述の操作を
反復して精製した。pTOM13 cDNA挿入体は、
製造業者(Stratagene)の記述に従い、プラ
スミドベクターpBSSK−中に救出した。このプラス
ミドはpMON11023と命名された。
【0086】ついで、pTOM13 cDNA挿入体の
アンチセンス方向での発現のために設計されたベクター
を調製した。cDNA挿入体を隣接のポリリンカーとと
もに、pMON11023から制限エンドヌクレアーゼ
BamHIおよびClaIで切断することにより切り出
した。プラスミドのcDNA含有部分をついで、Bgl
IIおよびClaIで切断しウシ腸アルカリホシファター
ゼで処理したpMON999中にクローン化した。得ら
れたプラスミド、pMON11025は、CaMV35
Sプロモーターに関してアンチセンス方向のcDNA挿
入体およびノパリンシンターゼ3′転写ターミネーター
/ポリアデニル化部位を含有する。この遺伝子カセット
は単一の2.2Kb NotIフラグメントとして切り
出すことができる。このNotIフラグメントをpMO
N11025から切断し、pMON10028のユニー
クNotI部位に配置してpMON11027(図7)
を創製した。すなわち、このプラスミドは、アンチセン
スpTOM13遺伝子およびCaMV35S/ACCデ
アミナーゼ遺伝子を含有する。このプラスミドを、上述
の三親交配を用いてAgrobacterium AB
Iに導入し、トマト植物のトランスホーメーションに用
いた。
【0087】得られた形質転換植物は、植物中でのエチ
レン産生を有意に阻害すると考えられる。ACCデアミ
ナーゼ遺伝子とアンチセンスpTOM13遺伝子の組合
せによる作用は、実際にエチレンの合成を消失させ、果
実の成熟をさらに遅延させることが期待される。ACC
デアミナーゼとpTOM13アンチセンス遺伝子の組合
せは、果実または植物におけるエチレンの形成の低下に
相乗作用を発揮することが期待される。
【0088】実施例6 植物組織におけるエチレン産生速度を低下させる他のア
プローチには、S−アデノシルメチオニン(SAM)デ
カルボキシラーゼをコードする遺伝子の過剰発現があ
る。この酵素はACCの中間プレカーサーであるSAM
を分解する。脱カルボキシル化されたSAMはついで、
一般的にポリアミンであるスペルミジンに変換される。
ポリアミンはそれ自体、植物において抗老化作用を有す
ることが報告されているので、SAMデカルボキシラー
ゼは2つの方式で、すなわち(1)スペルミジンの産
生、および(2)エチレンへのプレカーサーの分解によ
り、成熟を防止できることが推測される。
【0089】図15に示した(配列番号9)SAMデカ
ルボキシラーゼをコードする遺伝子はクローン化され、
そのDNA配列が報告されている(Tabor & T
abor)。この遺伝子は、E8プロモーターの単離の
ためのプロトコール中に上述したように、PCRを用い
てクローニングした。大腸菌DNAは、Pseudom
onas6G5ゲノムDNAの単離について上述したよ
うにして精製した。精製DNAは、プライマーとして以
下のオリゴヌクレオチドを用い、上述のようにPCRに
付した。
【0090】 5′オリゴヌクレオチド: GGAGAAGATA AGATCTATGA AAAAACTGAA ACTGC (配列番号6) 3′オリゴヌクレオチド GCAGAAGTAA ATAGATCTGG CGGAGCC (配列番号7) 使用された2つのプライマーにはそれぞれ、以後のクロ
ーニング工程を容易にするため、増幅したDNA配列に
Bgl II 制限部位を導入した。増幅後、DNAをBg
l II で切断し、Bgl II 切断pMON7258(図
8)とリゲートした。得られたプラスミドpMON11
014(図9)は、SAMデカルボキシラーゼ遺伝子を
含有した。この遺伝子を次に、構造的プロモーターたと
えばFMVからの完全長転写プロモーターまたは果実特
異的プロモーターたとえば上述のE8プロモーターのい
ずれかの制御下にその遺伝子の発現を可能にする植物ト
ランスホーメーションベクター中にクローニングした。
構造的発現ベクターは、SAMデカルボキシラーゼを含
有するpMON11014Bgl II フラグメントを、
Bgl II 切断pMON981(図10)にクローニン
グして構築した。得られたプラスミド、pMON110
16(図11)は、その遺伝子を、植物中での発現のた
めに正しい方向で含有した。組織特異的発現ベクター、
pMON11032(図12)は、pMON11014
からの同じBgl II フラグメントを、BamHI切断
pMON10086(図13)中に挿入して構築した。
両トランスホーメーションベクターをついで、三親交配
を使用して、Agrobacterium ABIに導
入した。pMON11016またはpMON11032
のいずれかを含有するAgrobacterium株を
ついで、上述のようにトマト植物のトランスホームに使
用した。
【0091】ACCデアミナーゼ遺伝子をSAMデカル
ボキシラーゼ遺伝子とともに発現させれば、植物中での
エチレンの産生が相乗的様式で阻害され、生成した植物
の成熟または老化過程は制御されて、この植物由来の商
品の貯蔵寿命は増大することが期待されている。
【0092】実施例7 ACC代謝酵素たとえばACCデアミナーゼはまた、ア
ンチセンスACCシンターゼ遺伝子と組合せて使用する
こともできる。ACCシンターゼのDNA配列は既知で
あり(Van Der Straetenら、199
0)、図16に示す通りである(配列番号8)。通常の
操作により、適当なcDNAライブラリーからACCシ
ンターゼ遺伝子のcDNAを単離し、ACCシンターゼ
遺伝子をアンチセンス方向で含有するベクターを調製す
ることができる。このベクターは、アンチセンス方向で
のACCシンターゼ遺伝子およびACC代謝酵素たとえ
ばACCデアミナーゼを、植物のトランスホーメーショ
ンを成功させるのに必要な他のDNAフラグメントとと
もに含有することになる。アンチセンスACCシンター
ゼおよびACCデアミナーゼの両者は、果実特異的プロ
モーターたとえばE8の転写制御下にあることが好まし
い。
【0093】得られた形質転換植物は、形質転換植物の
果実におけるエチレンの産生を有意に阻害するものと考
えられる。ACC代謝酵素とACCシンターゼアンチセ
ンス遺伝子の組合せは、実際にエチレンの合成を消失さ
せ、果実の成熟をさらに遅延させることが期待される。
果実は、所望の時点で、通常の濃度のエチレンに暴露さ
せて成熟させることができる。
【0094】実施例8 この実験は、植物中でACCデアミナーゼを高レベルに
発現させた場合の、エチレンレベルの低下作用を評価す
るために実施された。実施例3に記載した植物系統56
73および5854について、植物中でのエチレンの発
生、および植物中でのACCデアミナーゼ遺伝子の発現
の表現型への影響を調べた。エチレン発生のアッセイ
は、植物からの若い葉組織について、全部の葉または果
実を密閉した容器内に封入し、1時間後に気体サンプル
1.0m1を抜取って行った。エチレンは、アルミニウ
ムカラムおよび水素炎イオン化検出器を装置したガスク
ロマトグラフィー(Wardら、1978)によって定
量した。エチレン発生アッセイの結果は以下の表3に示
す。
【0095】
【表3】
【0096】植物系統5673のエチレンレベルは、若
い葉を用いた一つの実験では90%、第二の実験では9
7%もの低下を生じた。植物系統5854では、約78
%の低下を示した。これらのデータは、これらの植物系
統における遺伝子発現データと一致する。蛋白ゲルブロ
ット分析で測定すると、系統5673はACCデアミナ
ーゼとして可溶性蛋白約0.5%を含有し、一方、植物
系統5854はACCデアミナーゼとして可溶性蛋白約
0.05%を含有した。
【0097】蛋白ゲルブロット分析は、蛋白サンプルを
ゲル負荷緩衝液(50mMトリス塩酸塩、pH7、10
0mMジチオスレイトール、2%SDS、10%グリセ
ロール、0.1%ブロモフェノールブルー)中3分間煮
沸し、4〜20%ポリアクリルアミドMINIPROT
EIN II レディーゲル(BIO−RAD)上に流して
行った。蛋白を、製造業者の指示に従いMilliBl
ot−SDE電気ブロティング装置を用いて、ニトロセ
ルロース膜に移した。膜を、1%BSA、TBST(1
0mMトリス、pH8、150mM NaCl、0.0
5%Tween−20)中4℃で一夜インキュベートし
た。インキュベーションは室温で穏やかに撹拌して行
い、膜をハイブリダイズさせた。膜を、TBSTに1:
1000に希釈したヤギ血清中でインキュベートして、
一次ACCデアミナーゼ抗体を結合させた。ついで、T
BST中10分間の洗浄を3回行った。膜を、TBST
20ml中5μCの 125I−標識プロテインGと30分
間インキュベートして二次試薬を結合させた。膜を0.
1%Triton X−100で10分間4回洗浄し、
フィルムに露出した。ACCデアミナーゼ蛋白に対する
抗体は、本技術分野の熟練者にはよく知られた標準技術
により、ヤギに1.5mgの蛋白を注射し、ヤギから抗
体を単離することにより得られた。
【0098】植物系統5673からのホモザイゴート植
物について、表現型効果も調べた。トランスジェニック
植物からの種子を通常のようにして発芽させたが、この
植物は表現型的に、対照と識別できなかった。この植物
には、開花または成熟の開始に遅延を認めなかった。し
かしながら、成熟の進行には著しい差がみられた。トラ
ンスジェニック植物の果実は対照果実と一致するエチレ
ン合成のピークを示したが、そのレベルは対照のわずか
10%にすぎなかった。この結果を図18に示した。ト
ランスジェニック植物によるエチレンの発生は−・−、
対照植物(UC82B)によるエチレンの発生は−■−
で示されている。棒は特定の時点での平均±標準誤差を
示している。果実はブレーカー段階で摘取し、上述のよ
うにしてエチレンの発生を毎日測定した。ブレーカー段
階で摘取した果実の成熟の遅延も同様に有意であった。
対照果実は、ブレーカー段階から7日を経過すると完全
に赤色になり、わずか2週後には著しい軟化を示した。
トランスジェニックトマト果実は、24日後に完全な赤
色の段階に到達し、ブレーカー段階から長期間にわたり
固いままであった。トランスジェニック植物からの果実
は45日以上も固いままで離層しなかったが、一方、対
照果実は14日後に離層した。これらのデータは表4に
示す。
【0099】
【表4】
【0100】表4のデータは、摘取後、特定の成熟段階
に到達するまでの日数を標準誤差とともに示している。
成熟段階は次のように定義された。
【0101】 ブレーカー 色の変化の最初の兆候 3 完全に橙色 4 橙色〜赤色 5 赤色部が50%を越える 6 完全に赤色実施例9 本実施例は、花をもつ植物種におけるACCデアミナー
ゼ蛋白の発現を例示するものである。ACCデアミナー
ゼ遺伝子をペチュニア植物にトランスホームした。ペチ
ュニア植物は、トランスホームされた植物のグリフォゼ
ート上での直接選択を可能にするトランスホーメーショ
ンベクターでトランスホームした。ペチュニアの移植片
は、一般的に、実施例1においてタバコ植物について記
載したのと同様に、前培養のために調製した。1月齢の
ペチュニア植物からの葉を10%Cloroxプラス界
面活性剤の溶液中で15分間表面殺菌したのち、蒸留水
で3回洗浄した。移植片は0.5cm平方に切り取り、
葉端、主脈、葉芽および葉柄端を除去し、均一組織型と
した。移植片をついで、上面を下にして単層に、2ml
の4CO5K培地を含有するMS104プレート上に置
き、表面を湿潤させ1〜2日間前培養した。移植片は、
1.2×109 細菌/ml 4COO5K培地の力価に
調整した植物トランスホーメーションベクター含有Ag
robacteriumの一夜培養液を用いて接種し
た。移植片は遠沈管中に置き、Agrobacteri
um懸濁液を加え、細菌と移植片の混合物を、細菌の均
一な侵入を保証するため、最大セッティングで25秒間
「ボルテックス」した。細菌を流し出し、移植片は乾燥
滅菌濾紙の層の間にはさんで液を吸取り、過剰の細菌を
除去した。水分を吸取った移植片を、上面を下にしてM
S104プレート上に置き、これに4COO5K培地と
濾紙ディスクをアガールの頂部に加えて2〜3日共培養
した。移植片を、カルベニシリン1000mg/lおよ
びセフォタキシム100mg/lを含有するMS104
プレートに3日間移した。ついで移植片を、選択相とし
て、グリフォゼート0.05mM、カルベニシリン10
00mg/lおよびセフォタキシム100mg/lを含
有する新鮮なMS104培地に移した。4〜6週時に、
若芽をカルスから切断して、MSOとカルベニシリン5
00mg/lの発根培地に置いた。3〜5日で根が形成
され、この時点で、発根プレートから葉片を採取し、グ
リフォゼート耐性とその材料が形質転換されていること
を確認した。
【0102】ペチュニア植物を植物のトランスホーメー
ションベクターpMON11030でトランスホームし
た。pMON11030の地図は図19に示す。このプ
ラスミドは本質的には、プラスミドの大腸菌における複
製ならびにAgrobacteriumへの導入および
その中での複製を可能にする上述の細菌レプリコン系か
らなるものである。図19に示すように、このプラスミ
ドはさらに、細菌スペクチノマイシン/ストレプトマイ
シン選択可能マーカー遺伝子(Spc/Str)を含有
し、T−DNA右ボーダーと左ボーダーの間には、FM
V35Sプロモーター−E9 3′カセットにおけるC
TP2−CP4合成5−エノールピルビル−3−シキミ
酸ホスフェートシンターゼ(EPSPS)遺伝子が配置
されている。CTP2−CP4合成遺伝子はグリフォゼ
ートの存在下における生育能により、形質転換された細
胞の選択を可能にする。CTP2は葉緑素輸送ペプチド
であり、そのDNA配列は図20(配列番号13)に示
す。グリフォゼートに対する抵抗性を付与できる遺伝
子、CP4EPSPSのDNA配列は、図21(配列番
号14)に示す。単離体6G5からのACCデアミナー
ゼ遺伝子は、FMVプロモーターとノパリンシンターゼ
3′領域の間に、ユニークなNotI部位への2.0K
b NotIフラグメントとして配置され、pMON1
1037を形成する。
【0103】トランスホームされたペチュニア組織にお
けるACCデアミナーゼ蛋白の存在は、実施例8に記載
した葉ディスクのイムノブロット分析によって確認され
た。再生ペチュニア植物6個中5個の葉組織にACCデ
アミナーゼが検出された。
【0104】pMON11030でトランスホームされ
たトランスジェニックペチュニア植物のエチレンレベル
についても、ACCデアミナーゼ発現ペチュニア植物で
測定した。この植物におけるエチレンレベルは、トラン
スホームされていない対照植物におけるエチレンレベル
の約半分に減少していた。エチレン発生アッセイの結果
を以下の表5に示す。
【0105】
【表5】
【0106】これらのデータは、ACCデアミナーゼ蛋
白を発現するトランスジェニック植物では、葉組織のエ
チレンレベルが低下していることを例証するものであ
る。このような植物では、非トランスジェニック植物に
比べて、花および葉の老化は減弱することが期待され
る。
【0107】本明細書中で言及した報文および特許は、
それらの報文および特許ごとにとくにその旨述べていな
いが、すべて参考として本明細書に導入される。
【0108】以上の記述から、本発明は、前述の本発明
の目的および対象のすべてを達成するために十分適合す
るものであること、ならびに本発明の自明のまた本発明
に固有の利点が明白であろう。
【0109】ある種の特徴および組合せについてはとく
に触れていないが、それらが有用であり、容易に採用で
きるものであることは明らかであろう。これらは、本発
明によって予想されるものであり、本発明の範囲に包含
される。
【0110】本発明は、その範囲から逸脱することなく
多くの実施態様をとることが可能であり、本明細書およ
び図面に掲げたすべての記載は例示の目的であって、い
かなる意味においても本発明を限定するものではないこ
とを理解すべきである。
【0111】以下に参考文献を挙げる。
【0112】
【表6】
【0113】
【表7】
【0114】
【表8】
【0115】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1079塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0116】
【化2】
【0117】
【化3】
【0118】配列番号:2 配列の長さ:31塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0119】
【化4】
【0120】配列番号:3 配列の長さ:32塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0121】
【化5】
【0122】配列番号:4 配列の長さ:23塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0123】
【化6】
【0124】配列番号:5 配列の長さ:23塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0125】
【化7】
【0126】配列番号:6 配列の長さ:35塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0127】
【化8】
【0128】配列番号:7 配列の長さ:27塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0129】
【化9】
【0130】配列番号:8 配列の長さ:1800塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA〜mRNA 配列:
【0131】
【化10】
【0132】
【化11】
【0133】
【化12】
【0134】配列番号:9 配列の長さ:900塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0135】
【化13】
【0136】
【化14】
【0137】配列番号:10 配列の長さ:1138塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0138】
【化15】
【0139】
【化16】
【0140】配列番号:11 配列の長さ:27塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0141】
【化17】
【0142】配列番号:12 配列の長さ:27塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(合成) 配列:
【0143】
【化18】
【0144】配列番号:13 配列の長さ:318塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0145】
【化19】
【0146】配列番号:14 配列の長さ:1377塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0147】
【化20】
【0148】
【化21】
【0149】
【化22】
【0150】配列番号:15 配列の長さ:1029塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0151】
【化23】
【0152】
【化24】
【0153】配列番号:16 配列の長さ:338アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列:
【0154】
【化25】
【0155】
【化26】
【0156】配列番号:17 配列の長さ:597塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA(ゲノム) 配列:
【0157】
【化27】
【図面の簡単な説明】
【図1】ACCデアミナーゼのスクリーニングに使用さ
れた細菌コレクションの目録を例示する。
【図2】Pseudomonas chloroaph
is(単離株6G5)からのACCデアミナーゼ遺伝子
のヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
【図3】pMON977のプラスミド地図を例示する。
【図4】pMON10028のプラスミド地図を例示す
る。
【図5】pMON10037のプラスミド地図を例示す
る。
【図6】pMON10054のプラスミド地図を例示す
る。
【図7】pMON11027のプラスミド地図を例示す
る。
【図8】pMON7258のプラスミド地図を例示す
る。
【図9】pMON11014のプラスミド地図を例示す
る。
【図10】pMON981のプラスミド地図を例示す
る。
【図11】pMON11016のプラスミド地図を例示
する。
【図12】pMON11032のプラスミド地図を例示
する。
【図13】pMON10086のプラスミド地図を例示
する。
【図14】5′Hind IIIおよび3′BglII制限部
位(下線)を有する果実特異的プロモーターE8のヌク
レオチド配列(配列番号10)を例示する。
【図15】S−アデノシルメチオニン(SAM)デカル
ボキシラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号9)
を例示する。
【図16】ACCシンターゼ遺伝子のヌクレオチド配列
(配列番号8)を例示する。
【図17】単離株3F2から単離されたACCデアミナ
ーゼ遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号15)を例示
する。
【図18】対照トマト果実とACCデアミナーゼを発現
するトランスジェニックトマト果実におけるエチレンレ
ベル間の関係をグラフで示す。
【図19】pMON11030のプラスミド地図を例示
する。
【図20】葉緑体トランジットペプチドCTP2のDN
A配列(配列番号13)を例示する。
【図21】CP4合成5−エノールピルビル−3−シキ
ミ酸ホスフェートシンターゼ(EPSPS)遺伝子のD
NA配列(配列番号14)を例示する。
【図22】ゴマノハグサモザイクウィルスからの完全長
転写プロモーターのDNA配列(配列番号17)を例示
する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の花の老化を遅延させる方法であっ
    て、該花内でのエチレンの産生を減じさせるのに充分な
    量の1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸デアミ
    ナーゼを該植物体内で発現させることを含んでなる方
    法。
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