JPH09239203A - 鳥類のIgYの分離精製法 - Google Patents

鳥類のIgYの分離精製法

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JPH09239203A
JPH09239203A JP8078139A JP7813996A JPH09239203A JP H09239203 A JPH09239203 A JP H09239203A JP 8078139 A JP8078139 A JP 8078139A JP 7813996 A JP7813996 A JP 7813996A JP H09239203 A JPH09239203 A JP H09239203A
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metal salt
particles
separation
phase material
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JP8078139A
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English (en)
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Senya Inoue
千也 井上
Nobuyuki Otaki
伸之 大瀧
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Kanto Chemical Co Inc
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Kanto Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鳥類の卵黄に含まれるIgYを、その生理活
性を損なうことなく、効率よく簡単に、且つ、安価に分
離精製し得る分離精製法ならびに該分離精製において用
いる固定相材料を提供する。 【解決手段】 IgY含有液体を分離した後、液体クロ
マトグラフィーによりIgY含有液体からIgYを精製
するに当たり、固定相材料表面がピロリン酸の金属塩ま
たはメタリン酸の金属塩からなる固定相材料を使用して
IgYの分離精製する法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、鳥類の卵黄からのIg
Yの分離精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫グロブリンは癌や免疫性疾患などの
診断薬、治療薬、化粧品などへの応用が期待されている
が、化学的に合成するのは難しいため、生物が産生する
免疫グロブリンを利用せざるを得ない。
【0003】生物による免疫グロブリンの生産方法とし
て現在一般的に行なわれている方法は、ウサギ、ヤギ、
マウスなどの動物を免疫し、その血液を抜き取り、血清
成分から免疫グロブリンを抽出精製するものである。し
かし、この方法は免疫グロブリンを抽出するために動物
の命を犠牲にしなければならないという問題があり、大
量生産することも難しいので、非常に高価なものとなっ
ている。このため、免疫グロブリンを治療薬として大量
に使用できるようにするために、安価に大量生産できる
技術の開発が熱望されている。
【0004】一般に、動物の腹水や血液から免疫グロブ
リンを精製するにはアフィニティークロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィー、硫酸アンモニウム塩析などの方法が知られ
ており、それぞれ精製物の特性に従って適切な方法が用
いられる。特に、アフィニティークロマトグラフィーは
酵素と基質、抗原と抗体などの間に働く生物学的親和性
の差を利用し、目的物をカラムの通過中に吸着させ、次
いで溶離操作により高純度に精製する手段として利用さ
れている。しかしながら、抗原と抗体の結合は一般に極
めて強固であり、アフィニティークロマトグラフィーで
はpH2以下の強酸性の溶離条件を必要とすることが多
く、このため精製物が変性してしまうという問題が起こ
り易い難点が有る。また、従来から行なわれているプロ
テインAやプロテインGを用いた免疫グロブリンの分離
も一種のアフィニティークロマトグラフィーであるが、
吸着のメカニズムが試料との特異的相互作用であるた
め、試料を産生するために用いられている様々な動物の
うちの限られた動物種にしか親和性を示さず、適用範囲
が狭い難点がある。例えば、ウマやヒツジのIgGはプ
ロテインAでは精製が困難であり、また、本発明の方法
で精製が容易なIgYもプロテインAでは精製すること
ができない。
【0005】近年になって動物の血液を用いる代わりに
ニワトリなどの鳥類の卵黄を利用する方法が提唱されて
いる。これは、免疫された鳥類の血液中に産生された免
疫グロブリンが卵黄中に濃縮移行する現象を利用するも
のである。この卵黄由来の免疫グロブリンは血液中の免
疫グロブリンと区別してIgY(Immunoglobulin Yol
k)と呼ばれている。
【0006】IgYを分離精製する方法として知られて
いるのは、鳥類の卵黄中に存在し脂質と結合しているリ
ポタンパク質とIgY含有液体とを分離する第1の工程
と、IgY含有液体からIgYのみを分離、精製する第
2の工程から成るものである。第1の工程で用いる技術
としては古くから超遠心分離法などが知られており、近
年になり、より工業的生産に適した方法としてカラギー
ナン等の天然多糖を利用する方法(特開昭64−380
98号公報参照)や第2級アルコールを利用し、脱脂す
る方法(特開平6−329700号公報参照)が提唱さ
れている。また、第2の工程で用いる技術としては、上
述したようにアフィニティークロマトグラフィーには様
々な問題があるために、一般にイオン交換クロマトグラ
フィーと塩析や脱塩処理を組み合わせた方法が用いられ
ている(例えば、J.Fichtali etal, Journal of Food S
cience,58(6),1282-1285 (1993))。
【0007】しかしながら、こうした複数の処理工程を
必要とする従来の方法は繁雑であり、長時間を要するた
めコスト高になるなどの問題がある。このため、IgY
が免疫性疾患などの診断薬、治療薬として広く応用され
るようになるためには、工業的スケールで簡単に且つ安
価に分離精製できる技術の開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の背景の技術に鑑み、鳥類の卵黄に含まれるIgYを、
その生理活性を損なうことなく、効率よく簡単に、且
つ、安価に分離精製し得る分離精製法ならびに該分離精
製1において用いる固定相材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明者らは、これまでに、ピ
ロリン酸またはメタリン酸の金属塩が動物の腹水や血液
中からタンパク質、酵素、核酸などの物質をクロマト的
に分離、精製するのに好適な性質を有することを明らか
にしてきた(特願平5−229703号公報参照)。そ
の後更に研究を進める中で、驚くべきことに、鳥類の卵
黄由来の免疫グロブリンであるIgYを分離、精製する
のにピロリン酸またはメタリン酸の金属塩からなる固定
相材料を使用することにより、上記の課題を一挙に解決
できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、鳥類の卵黄中に存在し脂
質と結合しているリポタンパク質などとIgY含有液体
とを分離した後、液体クロマトグラフィーによりIgY
含有液体中の夾雑タンパク質とIgYとを分離するに当
り、IgYや夾雑タンパク質の吸着・脱着を行なわせる
固定相材料として、材料表面がピロリン酸またはメタリ
ン酸の金属塩からなる材料を使用することを特徴とす
る。
【0011】本発明に係る液体クロマトグラフィーにお
けるIgYの分離機構は、アフィニティークロマトグラ
フィーにおける分離機構即ち被分離生体試料と固定相材
料との間の生物学的親和性の差に基づく分離とは異な
り、被分離生体試料とピロリン酸またはメタリン酸の金
属塩との間の静電気的相互作用によるものと推定され
る。この分離機構のため被分離生体試料を産生する動物
の種類により分離精製が出来ないという不都合は生じな
いので本発明に係る精製法の適用範囲が広いという特長
がある。また、溶離液として中性付近のpHに調整した
溶離液を使用できるので溶離操作により生体試料を変性
させる恐れがないという格別の利点がある。
【0012】本発明に係る固定相材料はピロリン酸また
はメタリン酸塩の金属塩が分離機構の担い手として機能
するものであり、そのためには被分離試料と接触する該
材料表面がピロリン酸またはメタリン酸の金属塩である
ことが必要であり、該金属塩の金属としてはマグネシウ
ム、ストロンチウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ジ
ルコニウム、チタンなどの金属が好ましい。ピロリン酸
ジルコニウムおよびピロリン酸チタンは本発明に係わる
固定相材料として特に好適である。
【0013】被分離試料と接触しない材料内部の材質は
分離機構には関与しないから、本発明に係る固定相材料
は材料表面がピロリン酸またはメタリン酸の金属塩でさ
えあれば、その材料の内部は金属やガラス、セラミック
スなど他の材料であってもよく、あるいは材料表面も材
料内部も全てがピロリン酸またはメタリン酸の金属塩で
あっても勿論よい。ピロリン酸またはメタリン酸の金属
塩は結晶学的には非晶質であっても結晶質であってもよ
い。
【0014】また、固定相材料の多孔性は静電気的相互
作用による分離機構とは直接には関係ないので無孔質の
材料と多孔質の材料のいずれであってもよいが、時間
的、コスト的にクロマトグラフィーの一回の操作で精製
できる量を多くしたいという実用上の要求からは固定相
材料の単位量当たりのIgYの吸着負荷量が大きいこと
が望ましく、そのためには固定相材料は大きな表面積を
有するようにするのが好ましく、少なくとも1m2/g
以上の比表面積を有するようにするのが好ましい。表面
積を大きくするためには、例えば、サブミクロンの微細
粒子が凝集した多孔質の凝集体であって、該微細粒子の
表面あるいは該微細粒子全体がピロリン酸またはメタリ
ン酸の金属塩から成る凝集体とする方法があり、そのよ
うな多孔質の凝集体は本発明に係る固定相材料として極
めて好適に使用できる。その場合、該凝集体を固定相材
料として使用するのに十分な機械的強度を付与するため
に、微細粒子同士を強固に結合させる手段として、例え
ば、凝集体を600〜1000℃の焼成温度で加熱して
微細粒子同士を焼結させる方法を用いることができる。
【0015】固定相材料の形状としては、カラムクロマ
トグラフィー用の充填剤として用いる場合は、粒子とす
るのが好ましく、均一な充填を行なうためには特に球状
体の粒子とするのが好ましい。また、粒子とするのでは
なく、0.1μm以上の細孔径の細孔が3次元網目状に
連続した一体型の円柱状の多孔体にしてカラムに装着す
ることもできる。あるいはカラムクロマト法ではなく、
バッチ法で精製することも可能であり、その場合も固定
相材料の形状は実施状況に合わせて粒子状にしたり、円
柱、円盤、厚膜など様々な形状の一体型にして用いたり
することができる。
【0016】固定相材料を粒子の形にして使用する場合
の固定相粒子の大きさは、使用条件によって適当な大き
さを選択するのが望ましい。例えば、HPLCカラム用
充填剤として用いる場合は高い分離度のクロマトグラフ
ィーを実現するために平均粒子径が0.5〜15μm、
殊に望ましくは3〜10μmの範囲の粒子径の粒子を用
いるのが好適である。また、オープンカラム用充填剤と
して用いる場合は通液の容易さと充分な試料負荷量を実
現するためには平均粒子径が30〜150μm程度の粒
子径の粒子を用いれば十分であるが、特に大量の充填剤
を用いて、しかも高い通液性を保つために、例えば数m
mの粒子径の固定相粒子を用いるなど、使用条件によっ
ては150μm以上の大きな粒子径の固定相粒子を使用
することも可能である。更に、固定相粒子の粒子径の如
何にかかわらず、カラムへの充填を容易にし、カラムの
分離性能を高めるために、固定相粒子の形状は球状体と
することが殊に好ましい。
【0017】ピロリン酸またはメタリン酸の金属塩の製
法は特に限定されず、様々な公知の製法を用いることが
できる。例えば、ピロリン酸ジルコニウムを得るのに、
ジルコニウムとリンの原子比が1:2となるようにオキ
シ硝酸ジルコニウムの水溶液にリン酸を加え、混合撹拌
して調製したスラリーに、更にメタノールを加えてホモ
ジナイザーで処理した後、噴霧熱分解して球状粒子を得
て、これを600〜1000℃で焼成することにより、
粒子全体がピロリン酸ジルコニウムから成る本発明の固
定相粒子を得ることができる。
【0018】固定相材料の材料表面のみがピロリン酸ま
たはメタリン酸の金属塩から成る態様の固定相材料を作
製することもできる。例えば、固定相材料の内部の材料
として使用するために3次元網目状に連続した細孔を有
するアルミナなどのセラミックスの多孔体を公知の技術
を用いて作製し、この多孔体をサブミクロンの微細なピ
ロリン酸ジルコニウム粒子を水などに分散して調製した
スラリーに浸漬し、多孔体の全表面をスラリーで覆うよ
うにしてから引き上げて余分なスラリーを除去したの
ち、乾燥、焼成することにより、固定相材料表面がピロ
リン酸ジルコニウムから成る態様の固定相材料を作製す
ることができる。
【0019】本発明のIgYの分離精製法で使用する溶
液はいずれの場合も生体試料にとって好適なpH6〜8
の範囲の溶液を用いることができる。溶液のpHを6以
下あるいは8以上にしても本発明に係る液体クロマトグ
ラフィーを行なうことも可能であるが、一般に液体クロ
マトグラフィーをアルカリ条件下で行なえば生体試料の
保持が弱くなり分離も悪くなる、あるいは酸性条件下で
行なえば生体試料の生理活性を損なう恐れがあるなどの
問題が生じ易く、中性付近のpHの条件下で行なう液体
クロマトグラフィー以上に格別のメリットが得られるこ
とは殆どない。従って、本発明に係る液体クロマトグラ
フィーはpH6〜8の条件下で行なうのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る固定相材料を用いた
液体クロマトグラフィーによるIgYの精製は以下のよ
うにして行なうことができる。まずカラギーナンなどを
用いて卵黄液中のリポタンパク質を沈殿させるなど、様
々な公知の方法によりIgY含有液体を分離する。次い
で、IgY含有液体から液体クロマトグラフィーにより
IgYを精製するに当たり、カラムクロマトグラフィー
を用いる場合は、例えば本発明に係る固定相粒子をカラ
ムに充填し、pH6〜8のリン酸ナトリウム緩衝液やリ
ン酸カリウム緩衝液、リン酸ナトリウムやリン酸カリウ
ムでpH6〜8に調整した塩化ナトリウム溶液または塩
化カリウム溶液などを溶離液に用いて、溶離液濃度のリ
ニアグラジェント法あるいはステップワイズ法でIgY
を精製することができる。バッチ法により精製する場合
は、例えば適当な容器に粒子、一体型多孔体など使用条
件に適した形状の本発明に係る固定相材料を入れ、Ig
Y含有液体を溶解したpH6〜8の10mMのリン酸ナ
トリウム緩衝液を注いでIgYと他のタンパク質などを
吸着させたのち、pH6〜8の200mMの塩化ナトリ
ウム溶液で置換してIgYのみを溶出させるなどの方法
によりIgYの分離精製を行なうことができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を掲げ、本発明を具
体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定
されるものではない。実施例1 ピロリン酸ジルコニウム組成となるようにオキシ硝酸ジ
ルコニウム水溶液とリン酸を混合撹拌し、更にメタノー
ルを加えて調製したスラリーを700℃で噴霧熱分解し
た。得られた生成物を更に800℃で6時間熱処理した
のち分級して4〜8μmの球状粒子を得た。この球状粒
子をX線回折分析した結果、ピロリン酸ジルコニウムの
結晶であった。また、このピロリン酸ジルコニウム球状
粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、多数のサブミ
クロンの球状粒子が凝集・焼結して多孔質な4〜8μm
の球状体を形作っていた。
【0022】このピロリン酸ジルコニウム球状粒子をス
テンレススチール管(8mmφ×100mm)に充填し
て作製したカラムを用いて、塩化ナトリウム水溶液(p
H6.5)の濃度のリニアグラジェント法(流速1ml
/min、濃度勾配:50分間で10mMから500m
Mまで増加)により、L.Kwan等の方法[Journal of Foo
d Science,56,1537-1541(1991)]に基づいて鶏卵卵黄か
ら除脂質処理して得たIgY含有液体のクロマトグラフ
ィーを実施した。その結果、初めにIgY以外のタンパ
ク質成分の大部分がカラムに保持されずに溶出され、塩
化ナトリウム濃度が190mMまで増加したところでI
gYが溶出され、更に塩化ナトリウム濃度を高めるとそ
の他のタンパク質成分であるリベチンが溶出された。本
実施例で用いたIgY含有液体における精製前のIgY
の含有率は18.1%であったが、精製後は98%の純
度となった。また、この精製処理工程におけるIgYの
回収率はほぼ100%で有った。このように本発明に係
る液体クロマトグラフィーによる一回の処理でIgY含
有液体からIgYを損失することなく高純度に分離精製
することができた。
【0023】実施例2 ピロリン酸ジルコニウム組成となるようにオキシ硝酸ジ
ルコニウム水溶液とリン酸を混合撹拌して調製したスラ
リーを、200℃で噴霧乾燥して40〜60μmの球状
粒子を得た。この生成物を更に900℃で6時間熱処理
してピロリン酸ジルコニウムの多孔質な球状粒子を得
た。このピロリン酸ジルコニウム球状粒子をステンレス
スチール管(22.2mmφ×250mm)に充填して
作製したカラムを用いて、流速8ml/minで三種類
の溶離液を順々に切り替えていくステップワイズ法によ
り、A.Polson等の方法[Immunological Investigation
s,14,323-327(1985)]に基づき鶏卵卵黄から除脂質処理
して得たIgY含有液体からのIgYの精製を試みた。
【0024】その結果、IgYのみが第2段階の200
mM塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)に溶出され、
IgY以外のタンパク質成分は第1段階の10mMリン
酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)と第3段階の500
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)に溶出され
た。本実施例で用いたIgY含有液体における精製前の
IgYの含有率は21.3%であったが、精製後は98
%の純度となった。また、この精製処理工程におけるI
gYの回収率はほぼ100%であった。このようにIg
Y含有液体からIgYを簡便なステップワイズ溶離法で
IgYを損失することなく高純度に分離精製することが
できた。
【0025】実施例3 ピロリン酸ジルコニウム組成となるように酸化ジルコニ
ウムとリン酸アンモニウムを800℃で12時間反応さ
せた後、生成物をボールミルで粉砕して微粒子を得た。
この微粒子を水に分散して調製したスラリーを250℃
で噴霧乾燥して90〜120μmの球状粒子を作製し、
それを750℃で6時間熱処理してピロリン酸ジルコニ
ウムの球状粒子を得た。このピロリン酸ジルコニウム球
状粒子をガラス製クロマト管(40mmφ×200m
m)に充填したオープンカラムを用いて、H.Hatta等の
方法[Agric.Biol.Chem.,54,2531-2535(1990)]に基づ
き鶏卵卵黄から除脂質処理して得たIgY含有液体か
ら、実施例2と同じ3種類の溶離液を用いたステップワ
イズ溶離法によりIgYの分離精製を試みた。溶離液の
通液は加圧することなく静水圧下で行なった。その結
果、実施例2と同じくIgYのみが第2段階の200m
M塩化ナトリウム水溶液に溶出された。この精製処理工
程におけるIgYの回収率はほぼ100%であった。こ
のように精製コストの低いオープンカラムによるステッ
プワイズ溶離法でIgYを損失することなく分離精製す
ることができた。
【0026】実施例4 ピロリン酸チタン組成と成るように、チタニウムイソプ
ロポキシドのイソプロパノール溶液とリン酸のイソプロ
パノール溶液を混合撹拌し、更に水を加えて調製したス
ラリーを700℃で噴霧熱分解した。こうして得られた
生成物を900℃で6時間熱処理を行ない、分級して5
〜10μmの球状粒子を得た。この球状粒子はX線回折
分析の結果、ピロリン酸チタンの結晶であった。
【0027】このピロリン酸チタンをステンレススチー
ル管(10mmφ×50mm)に充填して作製したカラ
ムを用いて、塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)の濃
度のリニアグラジェント法により、実施例2と同じ方法
で鶏卵卵黄を除脂質処理して得たIgY含有液体のクロ
マトグラフィーを実施した。その結果、実施例1の結果
と同様に、初めにIgY以外のタンパク質成分の大部分
がカラムに保持されずに溶出され、その後、塩化ナトリ
ウム濃度を高めることによってIgYが溶出され、更に
塩化ナトリウム濃度を高めると、IgY以外のタンパク
質成分であるリベチンが溶出された。こうしてIgY含
有液体からIgYを分離精製することができた。精製後
のIgYの純度と回収率は実施例2と同じであった。
【0028】実施例5 オキシ硝酸ジルコニウム水溶液とリン酸を混合撹拌して
ピロリン酸ジルコニウム組成のスラリーを調製した。次
いで、このスラリー中に平均細孔径がおよそ0.5mm
の細孔が3次元網目状に連続しているアルミナのセラミ
ックスフォーム(8mmφ×50mm)を浸漬し、アル
ミナのセラミックスフォーム中にスラリーを十分含浸さ
せてから引上げ、過剰のスラリーを除去した。これを1
00℃で1昼夜乾燥させ、その後1100℃で2時間焼
結を行なった。この処理によりセラミックスフォームの
表面がピロリン酸ジルコニウムで覆われ、平均細孔径が
およそ0.3mmの細孔が3次元網目状に連続した多孔
体を得た。この焼結体を内径10mmφ×150mmの
テフロン製加熱収縮性チューブに入れて加熱し、多孔体
材料表面がピロリン酸ジルコニウムで覆われた円柱状の
一体型多孔体をテフロンチューブに装着したオープンカ
ラムを作製した。
【0029】このカラムを用いて、J.Fichtali等の方法
[Biotechnology and Bioengineering,40,1388-1394(19
92)]に基づいて鶏卵卵黄を除脂質処理して得たIgY
含有液体からのステップワイズ溶離法によるIgYの精
製を試みた。その結果、IgYは実施例2と同様に、第
2溶離液(80mM塩化ナトリウム水溶液;pH7.
0)に溶出され、IgY以外のタンパク質成分は第1溶
離液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液;pH7.0)
と第3溶離液(300mMリン酸ナトリウム緩衝液;p
H7.0)に溶出され、IgY含有液体からIgYを容
易に分離することができた。本実施例で用いたIgY含
有液体における精製前のIgYの含有率は32.7%で
あったが、精製後は98%となった。また、この精製処
理工程におけるIgYの回収率はほぼ100%であり、
IgYを損失することなく高純度に分離精製することが
できた。
【0030】実施例6 ピロリン酸マグネシウム組成となるように塩基性炭酸マ
グネシウムスラリーとピロリン酸を混合し、更にメタノ
ールを加えて調製したスラリーを700℃で噴霧熱分解
した。得られた生成物を更に700℃で4時間熱処理し
たのち分級して5〜10μmの球状粒子を得た。この球
状粒子をX線回折分析した結果、ピロリ1ン酸マグネシ
ウムの結晶であった。また、この球状ピロリン酸マグネ
シウム粒子を走査型電子顕微鏡で観察した結果、多数の
サブミクロンの微粒子が凝集・焼結して多孔質な5〜1
0μmの球状体を形作っていた。このピロリン酸マグネ
シウム球状粒子をガラス製クロマト管(10mmφ×5
0mm)に充填して作製したカラムを用いて、塩化ナト
リウム水溶液(pH6.0)の濃度のリニアグラジェン
ト法(流速1ml/min、濃度勾配:50分間で10
mMから500mMまで増加)により、実施例1と同じ
方法で鶏卵卵黄を除脂質処理して得たIgY含有液体の
クロマトグラフィーを実施した。
【0031】その結果、初めにIgY以外のタンパク質
成分の大部分がカラムに保持されずに溶出され、塩化ナ
トリウム濃度が160mMまで増加したところでIgY
が溶出され、更に塩化ナトリウム濃度を高めるとその他
のタンパク質成分であるリベチンが溶出された。このよ
うに本実施例の方法によりIgY含有液体から実施例1
と同様に高回収率、高純度でIgYを分離精製すること
ができた。
【0032】実施例7 メタリン酸アルミニウム組成となるようにアルミナとリ
ン酸アンモニウムを配合して600℃で8時間反応させ
た後、生成物を粉砕して微粒子を得た。この微粒子を水
に分散して調製したスラリーを200℃で噴霧乾燥して
60〜90μmの球状粒子を作製し、それを800℃で
8時間熱処理した。この球状粒子をX線回折分析した結
果、メタリン酸アルミニウム(A型)の結晶であった。
【0033】このメタリン酸アルミニウム球状粒子をポ
リエチレン樹脂製チューブ(20mmφ×80mm)に
充填して作製したオープンカラムを用いて、実施例2と
同じ方法で鶏卵卵黄を除脂質処理して得たIgY含有液
体から、実施例2と同じ3種類の溶離液を用いたステッ
プワイズ溶離法によりIgYの分離精製を試みた。溶離
液の通液は加圧することなく静水圧下で行なった。その
結果、実施例2と同様にIgYのみが第2段階の200
mM塩化ナトリウム水溶液に溶出された。このようにし
て精製コストの低いオープンカラムによるステップワイ
ズ溶離法でIgY含有液体から実施例2と同様に高回収
率、高純度でIgYを分離精製することができた。
【0034】実施例8 メタリン酸ストロンチウム組成となるように酸化ストロ
ンチウムとリン酸を配合して600℃で10時間反応さ
せた。生成物は粉砕したのち更に800℃で6時間熱処
理し、その後分級して4〜10μmの粒子を得た。この
粒子をX線回折分析した結果、メタリン酸ストロンチウ
ムの結晶であった。
【0035】このメタリン酸ストロンチウムをステンレ
ススチール管(10mmφ×50mm)に充填して作製
したカラムを用いて、実施例3と同じ方法で鶏卵卵黄を
除脂質処理して得たIgY含有液体から実施例2と同様
のステップワイズ溶離法によりIgYの分離精製を試み
た。その結果、IgYは高純度、高回収率で第2溶離液
(90mM塩化ナトリウム水溶液;pH6.8)に溶出
され、IgY以外のタンパク質成分は第1溶離液(10
mMリン酸ナトリウム緩衝液;pH6.8)と第3溶離
液(300mMリン酸ナトリウム緩衝液;pH6.8)
に溶出され、IgY含有液体からIgYを容易に分離す
ることができた。
【0036】実施例9 実施例1で使用したピロリン酸ジルコニウムのカラムを
用いて、塩化カリウム水溶液(pH6.8)の濃度のリ
ニアグラジェント法(流速1ml/min、濃度勾配:
50分間で10mMから500mMまで増加)により、
実施例1に準じてウズラの卵黄から除脂質処理して得た
IgY含有液体のクロマトグラフィーを実施した。その
結果、実施例1と同様に、初めにIgY以外のタンパク
質成分の大部分がカラムに保持されずに溶出され、その
後、塩化カリウム濃度が高くなった時点でIgYが溶出
され、更に塩化カリウム濃度が高くなったところでリベ
チンが溶出されたことが確認された。このように本実施
例の方法によりIgY含有液体から実施例1と同様に高
回収率、高純度でIgYを分離精製することができた。
【0037】実施例10 ピロリン酸ジルコニウム組成となるように酸化ジルコニ
ウムとリン酸を800℃で12時間反応させた後、生成
物を粉砕し、篩い分けして150〜500μmのピロリ
ン酸ジルコニウム粒子を得た。このピロリン酸ジルコニ
ウム粒子を、実施例1と同じ方法で鶏卵卵黄を除脂質処
理して得たIgY含有液体にいれ、10分間振盪した。
この溶液からピロリン酸ジルコニウム粒子を濾別し、p
H6.5に調整した200mM塩化ナトリウム水溶液で
洗浄した。その結果、洗浄液中には純度の高いIgYが
含まれており、そのほかのタンパク質成分はほとんど含
まれていなかった。このようにして卵黄のIgY含有液
体からバッチ法により高純度にIgYを精製することが
できた。
【0038】実施例11 市販の抗マウスIgG(H+L)IgYを試料として用
いて、実施例1から実施例9で用いたカラムを使用した
液体クロマトグラフィーによる精製処理を行ない、この
操作により試料の抗体活性が損なわれないことを確認す
るために、IgYが溶出されたカラム溶出液を分画し、
ウェスタンブロット法によるマウスIgG(H+L)に
対する反応性を調べた。その結果、いずれのクロマトグ
ラフィーにおいても精製前の抗マウスIgG(H+L)
IgYと同等の抗体活性を保持していることが確認でき
た。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る鳥類の免疫
グロブリンの分離精製法は、ウィルス感染症の予防薬、
診断薬、治療薬、化粧品などに応用が期待されているI
gYを効率良く簡単に、且つ安価に分離することができ
るため、工業的に大量生産する方法として利用できるも
のである。さらに本発明の方法は中性付近のpHに調整
した溶離液を使用することができるため、生体試料にと
って極めて温和な分離条件となり、得られるIgYの生
理活性を損なう恐れがないという優れた効果を奏する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鳥類の卵黄からIgY含有液体を分離
    した後、液体クロマトグラフィーによりIgY含有液体
    からIgYを精製するに当たり、固定相材料表面がピロ
    リン酸の金属塩またはメタリン酸の金属塩からなる固定
    相材料を使用することを特徴とする、鳥類のIgYの分
    離精製法。
  2. 【請求項2】 前記固定相材料が3次元網目状に連続
    した細孔を有する多孔体である、請求項1に記載の分離
    精製法。
  3. 【請求項3】 鳥類の卵黄からIgY含有液体を分離
    した後、液体クロマトグラフィーによりIgY含有液体
    からIgYを精製するに当り、粒子表面がピロリン酸の
    金属塩またはメタリン酸の金属塩からなる粒子であっ
    て、且つIgYを液体クロマトグラフィーにより精製す
    るのに適した粒子径に調製した粒子を固定相材料として
    カラムに充填して使用することを特徴とする、鳥類のI
    gYの分離精製法。
  4. 【請求項4】 前記粒子の平均粒子径が0.5〜15
    0μmである、請求項3に記載の分離精製法。
  5. 【請求項5】 前記粒子がピロリン酸の金属塩または
    メタリン酸の金属塩の微細粒子の凝集体である、請求項
    4に記載の分離精製法。
  6. 【請求項6】 前記粒子が球状体である、請求項4ま
    たは請求項5に記載の分離精製法。
  7. 【請求項7】 前記ピロリン酸の金属塩がピロリン酸
    ジルコニウムまたはピロリン酸チタンである、請求項1
    から請求項6のいずれかに記載の分離精製法。
  8. 【請求項8】 前記液体クロマトグラフィーにおい
    て、pH6〜8の溶離条件下でIgYを溶離することを
    特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    分離精製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8173783B2 (en) 2000-12-08 2012-05-08 Good Biotech Corporation Process for selectively isolating IgY antibodies from egg yolk of an anseriform bird and IgY antibodies obtained thereby

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US8173783B2 (en) 2000-12-08 2012-05-08 Good Biotech Corporation Process for selectively isolating IgY antibodies from egg yolk of an anseriform bird and IgY antibodies obtained thereby

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