JPH1059999A - 抗体の分離精製法 - Google Patents

抗体の分離精製法

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JPH1059999A
JPH1059999A JP8238650A JP23865096A JPH1059999A JP H1059999 A JPH1059999 A JP H1059999A JP 8238650 A JP8238650 A JP 8238650A JP 23865096 A JP23865096 A JP 23865096A JP H1059999 A JPH1059999 A JP H1059999A
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Senya Inoue
千也 井上
Nobuyuki Otaki
伸之 大瀧
Mikio Kobayashi
幹夫 小林
Junji Takeishi
順司 竹石
Kazunori Yoshino
和典 吉野
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Kanto Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫グロブリンクラスの抗体を、その生理活
性を損なうことなく、効率よく安価に分離精製する方法
を提供する。 【解決手段】 マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、イ
ットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウムから選
ばれた金属のオルトリン酸塩からなる分離剤を用いる分
離精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗体の分離精製法に関
する。
【0002】
【背景の技術】抗体は癌や免疫性疾患などの診断薬、治
療薬、化粧品などへの応用が期待されているが、こうし
た用途に広く利用されるようになるためには抗体を安価
に大量生産できる技術の開発が必要不可欠である。抗体
は化学的に合成するのは難しいため、生物が産生する抗
体を利用せざるを得ない。現在、生物による抗体の産生
方法として、マウス、ウサギ、ヤギなどの動物を免疫
し、その血液を抜き取り、血清成分から抗体を抽出精製
する方法や、免疫された鳥類の血液中に産生される抗体
が卵黄中に濃縮移行する現象を利用し卵黄から抗体を抽
出精製する方法などが一般的に用いられている。
【0003】動物の腹水や血液から免疫グロブリンを精
製するにはアフィニティークロマトグラフィー、イオン
交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー、硫酸アンモニウム塩析などの方法が知られており、
それぞれ精製物の特性に従って適切な方法が用いられ
る。IgG抗体の分離精製にはプロテインAやプロテイ
ンGを用いた群特異的アフィニティークロマトグラフィ
ーを用いることが多いが、この方法は強酸性の溶離条件
を必要とすることが多く、そのため精製した抗体の生理
活性が損なわれるという問題が起こり易い難点がある。
また、抗体を産生する動物の種類によってはIgGであ
ってもプロテインAやプロテインGと親和性を示さず分
離精製を行なうことができないことがある。更に、プロ
テインAやプロテインGはIgAやIgMなど他の免疫
グロブリンクラスの抗体には親和性を持たないためIg
G抗体以外の抗体の分離精製を行なうことはできないな
ど適用範囲が狭い難点がある。
【0004】近年、動物の血液を用いる代わりにニワト
リなどの鳥類の卵黄を利用する方法が実用化された。一
般に、鳥類の卵黄由来のIgG抗体〔血液中のIgG抗
体と区別してIgY(Immunoglobulin Yolk)と呼ばれ
ている〕の分離精製は、卵黄中にあって脂質と結合して
いるリポタンパク質とIgY含有液体とを分離する前工
程と、IgY含有液体からIgYのみを分離、精製する
後工程からなり、前工程で用いる技術としてはカラギー
ナン等の天然多糖を利用する方法や第2級アルコールを
利用し、脱脂する方法がある。後工程で用いる技術とし
ては、上述したようにアフィニティークロマトグラフィ
ーには様々な問題があるために、一般にイオン交換クロ
マトグラフィーと塩析や脱塩処理を組み合わせた方法が
用いられている(例えば、J. Fichtali et al, Journal
of Food Science, 58 (6), 1282−1285 (1993))。し
かしながら、後工程に用いられるこれらの方法は複数の
処理工程を必要とし、長時間を要するため、コスト高と
なるなど問題が多い。
【0005】免疫性疾患などの診断薬、治療薬として抗
体を広く使用できるようにするためには、抗体を安価に
大量生産することが必要であるが、従来技術には解決し
なければならない多くの問題があり、そうした問題を解
決できる技術の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の背景の技術に鑑み、様々な免疫グロブリンクラスの抗
体を、その生理活性を損なうことなく、効率よく簡単
に、且つ、安価に分離精製し得る分離精製法ならびに該
分離精製において用いる分離剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは、これまでに、ピ
ロリン酸およびメタリン酸の金属塩がタンパク質、酵
素、核酸などの物質をクロマト的に分離精製するための
固定相材料として好適な性質を有することを明らかにし
てきた(特願平5−229703)。その後更に研究を
進める中で、特定の金属のオルトリン酸塩からなる分離
剤を使用することにより、驚くべきことにIgG、Ig
M、IgYなど様々な免疫グロブリンクラスの抗体を、
温和な条件下で生理活性を損なうことなく分離精製する
ことができ、前記の課題を一挙に解決できることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、血清、腹水、培養上清な
ど、分離精製したい抗体と血清アルブミンなどの夾雑成
分が混在する液体を分離剤と接触させて目的の抗体を分
離剤に吸着させ、次いで液体と分離剤とを分離した後、
分離剤に吸着した抗体を脱離・回収するに当たり、分離
剤として特定の金属のオルトリン酸塩を用いることを特
徴とする抗体の分離精製法に関する。
【0009】本発明の分離精製法における抗体の分離
は、アフィニティークロマトグラフィーが被分離生体試
料と分離剤との間の生物学的親和性の差に基づく分離で
あるのとは異なり、主に被分離生体試料と金属のオルト
リン酸塩との間の静電気的相互作用に基づくものと推定
される。このため本分離精製法における分離剤は被分離
生体試料を産生する動物の種類によらず適用することが
できるという特長がある。また、抗体の吸着および脱離
に係わる溶液として中性付近のpHに調整した溶液を使
用できるので、分離精製操作により抗体が変性して生理
活性が損なわれるという恐れがなく、このことは当該分
野の分離精製法として格別の利点である。
【0010】本発明に係わるオルトリン酸塩の金属とし
ては、アルミニウム、原子番号21から30までの遷移
金属、原子番号39から47までの遷移金属、希土類金
属から選ばれた金属が好適に使用でき、特に好ましく
は、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、チ
タン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウ
ム、ジルコニウム、ランタン、セリウムなどが使用でき
る。オルトリン酸塩の態様としては、マグネシウムなど
2価金属のオルトリン酸塩、例えばMg3(PO4) 2や、
Alなどの3価金属のオルトリン酸塩、例えばAlPO
4や、Zrなどの4価金属のオルトリン酸塩、例えばZ
3(PO4)4などの化合物が本発明の分離剤として好適
である。また、上記の金属の2種または2種以上の金属
を組み合わせたオルトリン酸塩、例えば2価の金属同士
を組み合わせた(Mg1/2Fe1/2)3(PO4)2、(Mg2/3
Mn1/3)3(PO4)2、(Zn2/3Mg1/3)3(PO4)2や、2
価と4価の金属を組み合わせたMgTi(PO4)2、Mg
Zr4(PO4)6などのオルトリン酸塩も好適に使用で
き、金属の種類や組み合わせを選択することにより分離
剤が抗体を保持する強さを制御することができる。
【0011】本発明に係わる分離剤はオルトリン酸の金
属塩が抗体吸着の担い手として機能するものであり、そ
のためには被分離試料と接触する該分離剤表面がオルト
リン酸の金属塩からなることが必要である。一方、被分
離試料と接触しない材料内部の材質は分離機構には関与
しないから、本発明に係わる分離剤は材質表面が上述の
オルトリン酸の金属塩でさえあれば、その材料の内部は
金属やガラス、セラミックスなど他の材料であってもよ
い。また、上述の趣旨から、当然、材料表面も材料内部
も全てがオルトリン酸の金属塩であってもよい。オルト
リン酸の金属塩は結晶学的には非晶質であっても結晶質
であってもよい。また、分離剤の多孔性は静電気的相互
作用による分離機構とは直接には関係ないので無孔質の
材料と多孔性の材料のいずれであってもよいが、実用面
からは時間的にもコスト的にも一回の操作で分離精製で
きる抗体の量が多いほうが望ましい。そのためには多孔
質な分離剤を調製して表面積を大きくし、分離剤の単位
量当たりの抗体の吸着量を大きくするのが良く、少なく
とも1m2/g以上の比表面積を有するようにするのが
好ましい。表面積を大きくするためには、例えば、サブ
ミクロンの微細粒子が凝集した多孔質の凝集体であっ
て、該微細粒子の表面あるいは該微細粒子全体がオルト
リン酸の金属塩からなる凝集体とする方法があり、その
ような多孔質の凝集体は本発明に係わる分離剤材料とし
て極めて好適に使用できる。その場合、該凝集体を分離
剤材料として使用するのに十分な機械的強度を付与する
ために、微細粒子同士を強固に結合させる手段として、
例えば、凝集体を600〜1000℃の焼成温度で加熱
して微細粒子同士を燒結させる方法を用いることができ
る。
【0012】分離剤の形状としては、カラムクロマトグ
ラフィー用の充填剤として用いる場合は、粒子とするの
が好ましく、均一な充填を行なうためには特に球状体の
粒子とするのが好ましい。あるいは、0.1μm以上の
細孔径の細孔が3次元網目状に連続した一体型の円柱状
の多孔体にしてカラムに装着することもできる。また、
本発明に係わる抗体の分離精製法としてバッチ方式で精
製することも可能であり、その場合も分離剤の形状は実
施状況に合わせて粒子状にしたり、円柱、円盤、厚膜な
ど様々な形状の一体型にして用いたりすることができ
る。
【0013】分離剤を粒子の形にして使用する場合の粒
子の大きさは、使用条件によって適当な大きさを選択す
るのが望ましい。例えば、HPLCカラム用充填剤とし
て用いる場合は高い分離度のクロマトグラフィーを実現
するために平均粒子径が0.5〜15μm、殊に望まし
くは3〜10μmの範囲の粒子径の粒子を用いるのが好
適である。また、オープンカラム用充填剤として用いる
場合は通液の容易さと充分な試料負荷量を実現するため
には平均粒子径が30〜150μm程度の粒子径の粒子
を用いるのが好ましいが、使用条件によっては150μ
m以上の大きな粒子径の分離剤を用いることも可能であ
り、例えば数mmの大きさの粒子径の分離剤を用いるこ
とにより、大量の分離剤を充填した大型カラムを用いて
も高い通液性を保つことができる利点がある。更に、分
離剤の粒子径の如何にかかわらず、カラムへの充填を容
易にし、カラムの分離性能を高めるために、分離剤粒子
の形状は球状体とすることが殊に好ましい。
【0014】オルトリン酸の金属塩の製法は特に限定さ
れず、様々な公知の製法を用いることができる。例え
ば、オルトリン酸アルミニウムを調製するのに、硝酸ア
ルミニウム水溶液とリン酸アンモニウム水溶液をアルミ
ニウムとリンの原子比が1:1となるように混合撹拌し
てスラリーを調製し、これを300℃で噴霧乾燥して球
状粒子とした後、900℃で焼成することにより、粒子
全体がオルトリン酸アルミニウムからなる本発明の分離
剤を得ることができる。
【0015】分離剤の材料表面のみがオルトリン酸の金
属塩からなる態様の分離剤を作製することもできる。例
えば、分離剤材料の内部の材料として使用するために3
次元網目状に連続した細孔を有するアルミナなどのセラ
ミックスの多孔体を公知の技術を用いて作製し、この多
孔体をオルトリン酸亜鉛組成のスラリーに浸漬し、多孔
体の細孔にスラリーを十分に含浸させてから引き上げて
余分なスラリーを除去したのち、乾燥、焼成することに
より、分離剤の表面がオルトリン酸亜鉛で被覆された態
様の分離剤を作製することができる。
【0016】本発明に係わる抗体の分離精製法で使用す
る溶液は、いずれの場合も、生体試料にとって温和なp
H6〜8の範囲の溶液を用いることができる。溶液のp
Hを6以下あるいは8以上にしても本発明に係わる抗体
の分離精製を行なうことは可能であるが、一般にアルカ
リ条件下で行なえば生体試料の分離剤への吸着が弱くな
り分離も悪くなる傾向が有り、一方、酸性条件下で行な
えば生体試料の生理活性を損なう恐れがあるなどの問題
が生じ易く、中性付近のpHに調製した溶液を用いて行
なう分離精製条件と比較して格別のメリットが得られる
ことは殆どない。従って、本発明に係わる抗体の分離精
製はpH6〜8の条件下で行なうのが好ましい。
【0017】
【実施の形態】本発明に係わるオルトリン酸の金属塩を
分離剤に用いた抗体の分離精製は以下のようにして行な
うことができる。
【0018】目的の抗体を含有する血清、腹水、培養上
清などの溶液から目的の抗体を分離精製するに当たり、
カラムクロマトグラフィーを用いる場合は、粒子状特に
好ましくは球状に作製したオルトリン酸の金属塩からな
る分離剤をカラムに充填し、pH6〜8に調整したリン
酸ナトリウム緩衝液やリン酸カリウム緩衝液、リン酸ナ
トリウムやリン酸カリウムでpH6〜8に調整した塩化
ナトリウム溶液または塩化カリウム溶液などを溶離液に
用いて、溶離液濃度のリニアグラジェント法あるいはス
テップワイズ法で抗体を精製することができる。バッチ
法により精製する場合は、例えば分離剤として、粒子、
一体型多孔体など使用条件に適するように作製したオル
トリン酸塩を適当な容器に入れ、目的の抗体を含有する
溶液を該容器に注いで穏やかに撹拌して充分に抗体を分
離剤に吸着させたのち、濾別、遠心分離などの手段によ
り溶液と抗体が吸着した分離剤とを分離し、次いで目的
の抗体の脱離のために、pH6〜8に調整した温和な溶
離液の塩濃度を制御して目的の抗体を分離剤から脱離・
回収することができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を掲げ、本発明を具
体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定
されるものではない。 実施例1 オルトリン酸アルミニウム組成となるように、硝酸アル
ミニウム水溶液とリン酸アンモニウム水溶液を混合撹拌
して調整したスラリーを、200℃で噴霧乾燥して40
〜60μmの球状粒子を得た。この生成物を更に900
℃で4時間熱処理して、オルトリン酸アルミニウムの多
孔質な球状粒子を得た。
【0020】免疫グロブリンクラスG2a(IgG2
a)のモノクローナル抗体を含有するラット腹水10m
lを試験管に入れ、オルトリン酸アルミニウム球状粒子
4.0gを加えて5分間振盪し、IgG2a抗体をオル
トリン酸アルミニウムの分離剤に吸着させた。次いで、
孔径10μmのフィルターを底部に装着したシリンジに
抗体を吸着した分離剤共々腹水を注ぎ込み、IgG2a
抗体を吸着させたオルトリン酸アルミニウムと腹水を分
離した。更に、抗体と共に吸着した血清アルブミンなど
の夾雑成分を除去するために、pH6.8に調整した1
0mMのリン酸ナトリウム緩衝液20mlをシリンジに
注入し、最後に400mM塩化カリウム溶液5mlをシ
リンジに注ぎ込み、シリンジ底部から流出する溶出液を
回収して、ラットIgG2a抗体溶液約5mlを得た。
このIgG2a抗体溶液の純度をSDS−PAGE電気
泳動で調べた結果、IgG2a抗体のH鎖及びL鎖に由
来する二本のバンドのみが検出された。また、この精製
処理におけるIgG2a抗体の吸光度測定法による回収
率はほぼ100%であった。このように、オルトリン酸
アルミニウムを用いたバッチ法により、ラット腹水から
モノクローナルIgG2a抗体を高純度に分離精製する
ことができた。 実施例2 MgZr4(PO4)6組成となるように、オキシ硝酸ジル
コニウムと硝酸マグネシウムとリン酸を混合撹拌し、更
にメタノールを加えて調製したスラリーを700℃で噴
霧熱分解した。この生成物を800℃で4時間仮焼した
のち分級して4〜10μmのMgZr4(PO4)6の多孔
質な球状粒子を得た。この4〜10μm球状粒子を更に
800℃で6時間熱処理した後、ステンレススチール管
(8mmφ×100mm)に充填した。
【0021】このようにして作製したカラムを用いて、
塩化ナトリウム水溶液(pH6.5)の濃度のリニアグラ
ジェント法(流速1ml/min、濃度勾配:50分間で
10mMから50mMまで増加)により、L. Kwan等の
方法〔Journal of Food Science, 1537−1541 (1991)〕
に基づいて鶏卵卵黄から除脂質処理して得たIgY含有
液体のクロマトグラフィーを実施した。その結果、はじ
めにIgY以外のタンパク質成分の大部分がカラムに保
持されずに溶出され、塩化ナトリウム濃度が180mM
まで増加したところでIgYが溶出され、更に塩化ナト
リウム濃度を高めるとその他のタンパク質成分が溶出さ
れた。本実施例で用いたIgY含有液体中のIgYの含
有率は、精製前が8%であったのが精製後は99%の純
度となり、また、吸光度測定法による回収率はほぼ10
0%であった。このように、本発明に係わる抗体の精製
法により、IgY含有液体からIgYを損失することな
く高純度に分離精製することができた。 実施例3 マグネシウムと亜鉛の2種の金属を組み合わせた(原子
比で2:1となるように配合)オルトリン酸塩の組成と
なるように硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛およびリン酸ア
ンモニウム水溶液を用いて調製したスラリーに、3次元
的に連続した500μmの開孔のある円盤状のアルミナ
のセラミックスフォーム(15mmφ×10mm)を浸
漬し、アルミナのフォームを引き上げて余分なスラリー
を除去した後、乾燥させ、次いで、800℃で6時間加
熱処理してオルトリン酸塩がアルミナのフォームの表面
を覆った態様の多孔質なマグネシウム−亜鉛複合オルト
リン酸塩を得た。次いで、この円盤状のオルトリン酸塩
を内径15mm×100mmのプラスチックチューブの
一端に装着したシリンジを作製した。
【0022】10倍希釈したマウス血清10mlを上記
のオルトリン酸塩を装着したシリンジに注入し、血清中
の抗体をオルトリン酸塩に吸着させた。次いで、pH
6.8に調整した10mMのリン酸ナトリウム緩衝液4
0mlをシリンジに注いで、抗体と共に吸着している血
清アルブミンなどの夾雑成分を除去し、次いでリン酸ナ
トリウムでpH6.8に調整した500mM塩化ナトリ
ウム溶液10mlをシリンジに注ぎ込み、シリンジ下部
から流出してくる溶出液を回収し、マウスIgG抗体を
含む溶液約10mlを得た。最後に、pH6.8に調整
したリン酸ナトリウム緩衝液10mlを注入し、シリン
ジ下部から流出してくる溶出液を回収し、マウスIgM
を含む溶液約10mlを得た。 実施例4 オルトリン酸ランタン、オルトリン酸セリウム、オルト
リン酸イットリウム組成となるように、硝酸ランタン、
硝酸セリウム、硝酸イットリウム、リン酸アンモニウム
の水溶液を用いて調製したスラリーを実施例1と同様に
噴霧乾燥して、80〜120μmの球状粒子を作製し、
次いで900℃で熱処理して3種類の金属の多孔質なオ
ルトリン酸塩を得た。この3種類のオルトリン酸塩の球
状粒子2gを3本のBIO−RADエコノカラム(内径
15mm)に別々に充填し、3種類の分離カラムを作製
した。
【0023】この3種類のカラムを用いてステップワイ
ズ溶離方式により10倍希釈したラット血清からのIg
GとIgMの分離精製を試みた。各々のカラムに10m
lのラット血清を注入し、血清中の抗体を分離剤に吸着
させた。次いで、リン酸ナトリウムでpH6.8に調整
した10mMリン酸ナトリウム緩衝液40mlを注入し
て抗体と共に吸着した血清アルブミンなどの夾雑成分を
除去した。次に、IgG抗体を分離回収するために、リ
ン酸ナトリウムでpH6.8に調整した500mM塩化
ナトリウム溶出液10mlをカラムに注入し、カラム下
部から流出してくる溶出液を回収し、ラットIgG抗体
を含む溶液約10mlを得た。最後に、リン酸ナトリウ
ムでpH6.8に調整した300mMのリン酸ナトリウ
ム緩衝液10mlをカラムに注入し、カラム下部から流
出してくる溶出液を回収し、ラットIgM抗体を含む溶
液約10mlを得た。
【0024】
【発明の効果】以上のように、オルトリン酸の金属塩を
分離剤に用いた本発明による抗体の分離精製法は、ウイ
ルス感染症の予防薬、診断薬、化粧品などに応用が期待
されている様々な免疫グロブリンクラスの抗体を効率良
く、簡単に、且つ安価に分離することができるため、工
業的に大量生産する方法として有効である。更に、本発
明の方法は抗体を分離剤に吸脱着させるときの溶液とし
て中性付近のpHに調整した溶液を使用することができ
るため、生体試料にとって極めて温和な分離精製条件と
なり、得られる抗体の生理活性を損なう恐れがないとい
う優れた効果を発する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 16/06 C07K 16/06 C12P 21/08 C12P 21/08 // A61K 35/16 A61K 35/16 (72)発明者 竹石 順司 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内 (72)発明者 吉野 和典 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体を含有する液体を分離剤と接触させ
    て抗体を分離剤に吸着させた後、分離剤と液体とを分離
    し、次いで分離剤から抗体を脱離させるに当たり、分離
    剤として金属のオルトリン酸塩から成る分離剤を用いる
    ことを特徴とする抗体の分離精製法。
  2. 【請求項2】 前記オルトリン酸塩の金属が、アルミニ
    ウム、アルカリ土類金属、原子番号21から30までの
    遷移金属、原子番号39から47までの遷移金属、希土
    類金属から選ばれた金属である、請求項1に記載の抗体
    の分離精製法。
  3. 【請求項3】 前記オルトリン酸塩の金属が、マグネシ
    ウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、マンガ
    ン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニ
    ウム、ランタン、セリウムから選ばれた金属である、請
    求項1に記載の抗体の分離精製法。
  4. 【請求項4】 前記分離剤が多孔体である、請求項1か
    ら請求項3のいずれかに記載の抗体の分離精製法。
  5. 【請求項5】 前記多孔体が粒子である、請求項4に記
    載の抗体の分離精製法。
  6. 【請求項6】 前記粒子の平均粒子径が0.5〜150
    μmである、請求項5に記載の抗体の分離精製法。
  7. 【請求項7】 前記粒子が球状体である、請求項5また
    は請求項6に記載の抗体の分離精製法。
  8. 【請求項8】 前記多孔体が薄膜状または板状の成形物
    である、請求項4に記載の抗体の分離精製法。
  9. 【請求項9】 前記分離剤への抗体の吸着および分離剤
    からの抗体の脱離は、pH6〜8の範囲のpHに調整し
    た溶液を用いることを特徴とする、請求項1から請求項
    8のいずれかに記載の抗体の分離精製法。
  10. 【請求項10】 前記分離剤をカラムクロマトグラフィ
    ー用の充填剤として用いることを特徴とする、請求項1
    から請求項9のいずれかに記載の抗体の分離精製法。
  11. 【請求項11】 前記分離剤をバッチ法に用いることを
    特徴とする、請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    抗体の分離精製法。
JP8238650A 1996-08-22 1996-08-22 抗体の分離精製法 Pending JPH1059999A (ja)

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JP8238650A JPH1059999A (ja) 1996-08-22 1996-08-22 抗体の分離精製法

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JP8238650A Pending JPH1059999A (ja) 1996-08-22 1996-08-22 抗体の分離精製法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009531401A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ラボラトイレ フランケイス デュ フラクションネメント イーティー デス バイオテクノロジース ソシエテ アノニメ 医薬品としてのチクングニヤ特異性免疫グロブリンの濃縮物、濃縮物の利用及び濃縮物を調整する方法

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JP2009531401A (ja) * 2006-03-31 2009-09-03 ラボラトイレ フランケイス デュ フラクションネメント イーティー デス バイオテクノロジース ソシエテ アノニメ 医薬品としてのチクングニヤ特異性免疫グロブリンの濃縮物、濃縮物の利用及び濃縮物を調整する方法

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