JPH09239889A - 紫外線遮断性及び透視性に富む基本複合フィルム、それを用いた実用複合フィルム及びそれらの製造方法 - Google Patents

紫外線遮断性及び透視性に富む基本複合フィルム、それを用いた実用複合フィルム及びそれらの製造方法

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JPH09239889A
JPH09239889A JP8075113A JP7511396A JPH09239889A JP H09239889 A JPH09239889 A JP H09239889A JP 8075113 A JP8075113 A JP 8075113A JP 7511396 A JP7511396 A JP 7511396A JP H09239889 A JPH09239889 A JP H09239889A
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resin
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JP8075113A
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Seiichi Kurihara
原 清 一 栗
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Kurilon Chemicals Co Ltd
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Kurilon Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄く柔軟で近紫外領域高率遮断性無ブルーミ
ングフィルムの開発。 【解決手段】 基本複合フィルムであって、紫外線遮断
層とその両側に積層された移行阻止層とからなり、紫外
線阻止層には近紫外領域の吸収に優れた紫外線吸収剤を
常温溶解度以上に含有させると共に、移行阻止層は酸素
原子含有樹脂で形成し、その少なくとも片方は紫外線遮
断層と共押出積層する。更に、実用複合フィルムであっ
て、基本複合フィルムの片面には例えばポリオレフィン
内皮層及び/又は他面には例えばナイロン外皮層を積層
する。必要に応じて前記両複合フィルムの何れかの隣接
2層を接着性重合体介在で共押出又はラミネート接着し
た。 【効果】 紫外線透過率20%以下、可視光線透過率8
0%以上;紫外線吸収剤ブルームせず;被包装物長期間変
質無し、透視性及び酸素遮断性も長期間維持。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透視性(可視光線の
高い透過性)と近紫外線領域において従来は実現困難と
思われていた高い紫外線遮断性(紫外線吸収能)とを併
せて発揮する薄層体例えばフィルムであっても、配合さ
れた有機系紫外線吸収剤のブルーミング(別名「ブルー
ム」;フィルム表面への粉吹き)を生じない基本複合フ
ィルム、その基本複合フィルムを用いた実用複合フィル
ム例えば包装材料用フィルム及び基本複合フィルムの製
造工程を構成する1以上の積層工程が共押出積層である
積層フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】可視光線に対して透明即ち、透視性に富
むフィルムから作られた袋等を用いて被包装体である食
品、化粧品又は医療品等を包装した「内容物透視可能な
包装体」においては、当該被包装体はフィルムを透過す
る紫外線によって変質、変色及び/又は劣化等の好まし
くない作用を受ける場合がある。この変質、変色及び/
又は劣化等を効果的に阻止又は抑制する対策は今以て確
立されていない。
【0003】その利用目的においては略一致するもの
の、手段においては趣旨を異にする紫外線の作用を阻止
又は抑制する対策のあるものは既に実行されている。例
えば、建物の窓等の採光設備から入射する紫外線が建物
内部の日焼け等を防止する目的で窓ガラス等に貼付けら
れるシートは既に広く用いられている。
【0004】しかし、この対策は薄層の包装材料自体の
ブルーミングを解消し得ないことに加えてそれに収容さ
れる上記の食品等の様な被包装体の変色、変質又は劣化
等を完全に防止するには到底不十分である。即ち、特に
食品等の変色を極めて僅かでも生じさせない様に高度に
防止するには、近紫外領域特に、波長域320〜390
nmの光線を効果的に吸収し得る有機系紫外線吸収剤を選
択すると共に、それをマトリックス樹脂に対する常温溶
解度以上の濃度で添加することを要する。この紫外線遮
断策を窓ガラスに貼付ける厚物であるシートにおいて実
行しても、有機系紫外線吸収剤がブルーミングを生ずる
という問題を生ずる虞は無い。即ち、有機系紫外線吸収
剤の添加量がフィルム等の薄物に対してであれば常温溶
解度以上の濃度に達している事情とは異なり、シートで
は遥かに低い濃度に留まるに過ぎないからである。
【0005】しかし、食品等の僅かの変色をも防止する
為に必要とされる添加量で厚さ約100μm以下のフィ
ルムに上記の有機系紫外線吸収剤を添加すると必然的に
常温溶解度を超える濃度に達する結果、殆どの場合にそ
の有機系紫外線吸収剤がブルーミングを生ずる。このブ
ルーミング現象はフィルムの透明性及び透視性を当然に
低下させることに加えて、折角添加された有機系紫外線
吸収剤がその効果を発揮しえない事態を来たすことか
ら、このブルーミング現象を実質的に認め得ない程に防
止又は抑制することが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はフィル
ムを構成する樹脂中に常温溶解度以上の濃度で有機系紫
外線吸収剤を配合することによって近紫外領域特に波長
域320〜390nmに属する紫外線を高率に吸収除去し
得ると共に可視領域の光線をできる限り吸収しないフィ
ルムでありながら、上記のブルーミングを実質的に生じ
させない様に阻止する為の効果的阻止策又は抑制策を探
索し、更にそれを具体化した製品を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決する方策を種々模索した。その結果、本発明の目的
である紫外線遮断フィルムを開発する為には、従来の一
見類似と思われる窓ガラス貼付け用の紫外線遮断シート
の発想を転用するだけでは有効な解決を齎し得ないとの
結論に到達した。
【0008】即ち、窓ガラス貼付け用の紫外線遮断シー
トでは問題にされていなかった上乗せ問題を解決する必
要がある。その上乗せ問題とは、下掲のものである: P1:食品等の変色、変質を防止する為には近紫外領域を
有効に除去すべしとの要請; P2:フィルムの様な薄い樹脂層中に常温溶解度以上とい
う常識外の濃度で有機系紫外線吸収剤を配合する外は無
いという要請; P3:上記P2項に示された常識外の濃度に配合された有
機系紫外線吸収剤のブルーミングを有効に阻止する要
請; P4:近紫外領域の紫外線吸収能に優れる有機系紫外線吸
収剤が示す強いブルーミング傾向を何としても阻止すべ
しとの要請。
【0009】上記のP1〜P4は相互に関連していること
がその解決を一層困難にしている。従って、それらを一
括して解決する解決策を探求すべきである。本発明者が
完成した解決策は下掲の項(1)に規定されている様に、
近紫外領域の吸収能に優れるが強いブルーム傾向を示す
有機系紫外線吸収剤をその常温溶解度以上という濃度で
含有する樹脂フィルム(プラスチックフィルム)からの
有機系紫外線吸収剤のブルーミングの阻止策であると共
に透視性の確保策である。
【0010】しかも、本発明の基本複合フィルム及び実
用複合フィルムを製造するには下掲の項(2)及び項(3)
に規定された基本複合フィルム及び実用複合フィルムの
製造方法が重要である。本発明は下掲の項(1)と項(2)
との連繋又は項(1)と項(3)との連繋によって所期の効
果を奏するものである。以下に分説する。
【0011】本発明は下記の要件の結合から構成された
項(1)基本複合フィルム及び実用複合フィルム並びに項
(2)及び項(3)実用複合フィルムの製造方法に関する。
本発明の複合フィルムの層構成、その内訳等は表1又は
表2に示されている:(1)熱可塑性重合体に有機物系の
紫外線吸収剤がその常温溶解度以上の濃度で配合されて
いる紫外線遮断層の両側に酸素原子含有熱可塑性樹脂か
らなる有機系紫外線吸収剤の移行阻止層が積層された積
層フィルムであって、移行阻止層の少なくとも片方が紫
外線遮断層に共押出積層されている紫外線遮断性及び透
視性に富む基本複合フィルム。
【0012】上記の基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムにおいては、熱可塑性樹脂等がポリオレフィン樹
脂、アイオノマー樹脂、接着性ポリオレフィン重合体又
はオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる1種
以上を主要成分とするであることができる。これらの熱
可塑性樹脂等は単独重合体に限らず、2種以上のα-オ
レフィンの共重合体、2種以上の単独重合体の組成物、
単独重合体と共重合体との組成物又は2種以上の共重合
体の組成物等であり得る。
【0013】上記の基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムにおける移行阻止層を構成する酸素原子含有熱可塑
性樹脂がポリアミド樹脂(ナイロン;NY)、ポリカー
ボネート樹脂(PC)、熱可塑性ポリエステル樹脂(P
ET又はPBT等)、エチレン−ビニルアルコール共重
合体樹脂(EVOH)又はポリアルキル(メタ)アクリ
レート(PMMA等)樹脂を主要成分とする単独の熱可
塑性樹脂、それらの何れかを主要成分として、それに他
の1種以上の副成分が添加された形態の樹脂組成物であ
り得る。上記の酸素原子含有熱可塑性樹脂は2種以上の
組合わせで形成される組成物の形態で用いられても良
く、例えば6-ナイロン(又は6,6-ナイロン)とエチレン
−ビニルアルコール共重合体樹脂との組成物を挙げるこ
とができる。
【0014】上記の基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムにおいては、移行阻止層が平均層厚3〜70μm、
好ましくは5〜40μmのものであることが好ましい。
この移行阻止層は基本複合フィルム及び実用複合フィル
ムに硬さ(剛性)を付与する上で大きな役割を果たすこ
とから、樹脂自体としても剛性に優れる樹脂であること
が好ましい。
【0015】上記の基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムに含有されている有機系紫外線吸収剤は近紫外領域
に強い吸収を示すと共に可視光領域での透過に優れた有
機化合物であるであることを要する。その理由は次記の
通りである。即ち、近紫外領域の紫外線が特に著しい光
化学反応性を発揮することを有効に阻止する目的でこの
領域の紫外線を有効に吸収しようとすると、この領域が
可視光線の短波長域に連続することに起因して短波長領
域の可視光線も同伴除去される。その結果としてフィル
ムが着色を呈する事態を可能な限り回避することが極め
て重要である。
【0016】次に、上記の基本複合フィルム及び実用複
合フィルムにおいては、含有されている有機系紫外線吸
収剤が0.1g/m2以上(該フィルム面積)、好ましくは
0.2〜1.5g/m2(該フィルム面積)で含有されてい
る。
【0017】上記の基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムは含有されている有機系紫外線吸収剤が波長域32
0〜390nmに属する紫外線をその透過率20%以下ま
で吸収除去すると共に波長域400〜800nmに属する
可視光線を透過率70%以上、好ましくは80%以上、
更に好ましくは90%以上という水準までに吸収しない
ものであることが好ましい。即ち、有機系紫外線吸収剤
が紫外線特に近紫外領域の光線を高度に除去する結果と
して可視光線も相当程度に除去することは包装材料用フ
ィルムが着色を呈する結果を来たすことから、特に避け
られるべきである。従って、本発明の基本複合フィルム
及び実用複合フィルムは紫外線の除去率に優れる(低い
透過率を示す)と共に可視光線の透視性にも優れる(高
い透過率を示す)ことが好ましいとされる。
【0018】上掲の各種の好適性状が具現された実用複
合フィルム例えば、包装材料用フィルムの例は下掲の通
りである:基本複合フィルムを構成する何れかの移行阻
止層の表面であって被包装物に向かう表面に内皮層が積
層されているか、基本複合フィルムを構成する何れかの
移行阻止層の表面であって被包装物とは反対側の表面に
外皮層が積層されているか、又は基本複合フィルムを構
成する移行阻止層の表面であって被包装物に向かう表面
に内皮層が積層されると共に被包装物とは反対側の表面
に外皮層が積層されている実用複合フィルム例えば、包
装材料用フィルム。
【0019】本発明の基本複合フィルム又は実用複合フ
ィルムを共押出積層法で作成する好適態様としては下記
の態様を例示できる:接着性熱可塑性樹脂として接着性
低密度ポリエチレン樹脂に対して有機系紫外線吸収剤と
してベンゾトリアゾール系化合物を溶融混練手段によっ
て練込み混合を行なって有機系紫外線吸収剤を常温溶解
度以上の濃度で含有する紫外線遮断層用の組成物を作成
する。
【0020】3台の押出機を用い、その1番押出機には
酸素原子含有樹脂の例としてポリアミド樹脂を装入して
溶融混練を行ない、移行阻止層の中で外皮層側に位置す
る外側移行阻止層用の成形用組成物を作成する。2番押
出機には上記の紫外線遮断層用の成形組成物を装入して
溶融混練する。3番押出機には別異例の酸素原子含有樹
脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を装
入して溶融混練し、内側移行阻止層用の成形用組成物を
作成する。
【0021】次に、それぞれの押出機から共通の多層ダ
イへ樹脂流を供給してダイ経由で外側移行阻止層、紫外
線遮断層及び内側移行阻止層の層構成になる様に樹脂流
を合流させて積層した後に、この多層樹脂流を環状ダイ
へ導いてインフレーション成形を行なうことにより、基
本複合フィルムを得る。得られた基本複合フィルムの層
構成例は6-NY//(有機系紫外線吸収剤/改質低密度P
E)//EVOHである。
【0022】上記の実用複合フィルム及びその重要な用
途である包装材料用フィルムにおいて好適態様として
は、接着性ポリオレフィン樹脂100重量部に有機系紫
外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物を常温溶
解度以上の濃度として2重量部以上で含有する紫外線遮
断層の片側に酸素原子含有樹脂としてポリアミド樹脂を
主要成分とする平均層厚5〜70μmの移行阻止層用が
積層され、上記の紫外線遮断層の対向側に別異の酸素原
子含有樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体
樹脂を主要成分とする平均層厚3〜30μmの移行阻止
層が積層され、更に上記何れかの移行阻止層の表面にラ
ミネート接着剤層を介してポリオレフィン樹脂層が内皮
層としてラミネート積層されている態様を挙げることが
できる。
【0023】上記の実用複合フィルム例えば、包装材料
用フィルムの別の好適態様としては、熱可塑性重合体1
00重量部に有機系紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾ
ール系化合物を常温溶解度以上の濃度として2重量部以
上で含有する紫外線遮断層の片側に酸素原子含有樹脂と
してポリアミド樹脂を主要成分とする移行阻止層が平均
層厚5〜70μmで積層され、他の対向側には別異の酸
素原子含有樹脂層としてエチレン−ビニルアルコール共
重合体樹脂を主要成分とする移行阻止層が平均層厚3〜
30μmで積層されると共に、紫外線遮断層の両側に位
置する移行阻止層の少なくとも片方は接着性重合体層を
介して紫外線遮断層に共押出積層されている。
【0024】それに加えて本発明の複合フィルムが実用
複合フィルムである場合には、上記の何れかの移行阻止
層の表面にはそれぞれの用途に適応し得る種類の樹脂フ
ィルムが内皮層又は外皮層等として積層され得る。この
積層法としては、ラミネート接着法若しくは接着性重合
体層を介する共押出法を挙げることができ、樹脂フィル
ムとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂及び
熱可塑性ポリエステル樹脂から選ばれる樹脂を主要部と
するフィルム、好ましい場合には延伸フィルムが用いら
れ、下掲の各種態様として例示され得る: ◆樹脂フィルムが外皮層として積層されている場合に
は、それは移行阻止層の表面にラミネート積層法若しく
は接着性重合体層を介する共押出法の何れによって積層
されていてもよいが、外皮層として好適な延伸フィルム
が積層される場合には、外皮層は移行阻止層の表面にラ
ミネート積層される外は無い; ◆樹脂フィルムが内皮層として積層されている場合に
は、それは移行阻止層の表面にラミネート積層法若しく
は接着性重合体層を介する共押出法の何れによって積層
されていてもよい; ◆樹脂フィルムが外皮層及び内皮層として積層されてい
る場合には、外皮層が何れかの移行阻止層の表面にラミ
ネート積層法しくは接着性重合体層を介する共押出法に
よって積層されると共に、内皮層がその対向側の移行阻
止層の表面にラミネート積層法若しくは接着性重合体層
を介する共押出法によって積層されていることができ
る。この場合にも、外皮層が延伸フィルムである場合に
は上述の制約が課される。
【0025】上記の基本複合フィルム又は実用複合フィ
ルム例えば、包装材料用フィルムにおいて好適には、有
機系紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物が
基本複合フィルム中に0.1g/m2以上、好ましくは0.
2〜1.5g/m2で含有されている。
【0026】更に、上記の基本複合フィルム又はその応
用である実用複合フィルム例えば、包装材料用フィルム
を製造する方法の態様は下掲の項(2)及び項(3)に例示
されている。 (2)基本複合フィルムの製造方法の例として、接着性重
合体(樹脂)を主要成分とするマトリックス樹脂が有機系
紫外線吸収剤として近紫外領域の光線を80%以上吸収
除去すると共に可視領域の光線を70%以上、好ましく
は80%以上、更に好ましくは90%以上透過させる有
機化合物好ましくは、ベンゾトリアゾール系化合物をマ
トリックス樹脂に対する常温溶解度以上の濃度で含有す
る混合物を溶融混練して紫外線遮断層用の組成物を調製
し、次に3台の押出機の1番押出機からは酸素原子含有
樹脂例えば、ポリアミド樹脂を押出して移行阻止層用の
樹脂流を形成させ、2番押出機からは上記の紫外線遮断
層用の組成物を押出して紫外線遮断層用の樹脂流を形成
させ、3番押出機からは酸素原子含有樹脂例えば、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体樹脂を押出して移行阻
止層用の樹脂流を形成させた次に、それぞれの押出機か
らの樹脂流を共通のダイへ供給して移行阻止層//紫外線
遮断層//移行阻止層の層構成になる様に樹脂流を共押出
して積層した多層樹脂流をインフレーション成形するか
又は上記の多層樹脂流を多層Tダイ成形することによっ
て積層フィルムを製造する方法を挙げることができる。 (3)基本複合フィルムの製造方法の別異例として、紫外
線遮断層が熱可塑性重合体を主要部とする場合に、これ
に有機系紫外線吸収剤として近紫外領域の光線を80%
以上吸収除去すると共に可視領域の光線を70%以上、
好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上透過
させる有機化合物好ましくは、ベンゾトリアゾール系化
合物を常温溶解度以上の濃度で含有するものである以外
には上掲の項(2)に記載された方法に加えて、紫外線遮
断層がポリオレフィン樹脂に有機系紫外線吸収剤として
ベンゾトリアゾール系化合物を常温溶解度以上の濃度で
含有するものである以外には上記の項(2)に記載された
方法に加えて、追加の1台の押出機を4番押出機として
用い、上記1番押出機からの樹脂流と2番押出機からの
樹脂流との間(「1-2間」)及び上記2番押出機からの樹
脂流と3番押出機からの樹脂流との間(「2-3間」)の双
方に4番押出機から接着性重合体流を供給する形で、又
は追加の2台の押出機をそれぞれ4番押出機及び5番押
出機として用い、上記1番押出機からの樹脂流と2番押
出機からの樹脂流との間(「1-2間」)に4番押出機又は
5番押出機から接着性重合体流を供給し、他方、上記2
番押出機からの樹脂流と3番押出機からの樹脂流との間
(「2-3間」)に4番押出機又は5番押出機であって「1-2
間」へ接着性重合体流を供給した押出機とは異なる押出
機から接着性重合体流を供給する形でそれぞれの押出機
からの樹脂流を共通のダイへ供給して移行阻止層//接着
性重合体層//紫外線遮断層//接着性重合体層//移行阻止
層の層構成になる様に樹脂流と接着性重合体流とを共押
出して積層された多層樹脂流をインフレーション成形す
るか又は該多層樹脂流を多層Tダイ成形することによっ
て層間接着層が付加された基本複合フィルムを製造する
方法を挙げることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
<1.基本複合フィルム>本発明の基本複合フィルムは
その紫外線遮断層の両側表面が1層以上の移行阻止層で
被層されたものであって、その移行阻止層の中で少なく
とも片側の移行阻止層は共押出積層法によって紫外線遮
断層に被層されたものである。また、紫外線遮断層と移
行阻止層との間には必要に応じて接着性重合体層又はラ
ミネート法における接着剤層を介在させることができ
る。
【0028】本発明の基本複合フィルムはそれ自体で使
用に供されても良く、また、使用に供される形態では更
に多層である実用複合フィルムを構成する多数層の一部
層として使用に供されても良い。後者の場合には、使用
に供される実用複合フィルムの製法はその全体を共押出
で製造するものであっても、その一部を共押出で製造す
ると共に残部を他の方法例えばラミネート法で製造する
ものであっても良い。
【0029】本発明の基本複合フィルム及び及び実用複
合フィルムを構成する各層について以下に説明する: <1.1.紫外線遮断層>有機系紫外線吸収剤が熱可塑性樹
脂又は熱可塑性エラストマー、好ましくはポリオレフィ
ン系樹脂又はポリオレフィン系熱可塑性エラストマーか
ら(「熱可塑性樹脂」と「熱可塑性エラストマー」とを
一括して「熱可塑性樹脂等」と称することがある)形成
されたマトリックス熱可塑性樹脂等中に均一に分散され
た状態で有機系紫外線吸収剤をその常温溶解度以上の濃
度で含有する紫外線遮断層を基層として、その両側の表
面に後記の有機系紫外線吸収剤の移行阻止層(略称「移
行阻止層」)が積層され、その移行阻止層の少なくとも
片方は紫外線遮断層に共押出積層されたものであること
を要する。
【0030】ここで、配合された有機系紫外線吸収剤の
濃度が「常温溶解度以上の濃度」であれば、配合された
有機系紫外線吸収剤が常温では必ずブルーミング(ブル
ーム)を生ずる。その値はマトリックス樹脂の種類及び
配合される有機系紫外線吸収剤の種類等によって或程度
異なるものの、通常の配合目的であれば決して採用され
得ない(採用することは非現実的な)濃度である。
【0031】この紫外線遮断層は単一層に限らず、2層
以上の積層体(複合層)であっても良い。尤も、積層体
としての厚さ範囲は単一層に課されている厚さ範囲と同
一であることを要する。また、積層体を構成する2層以
上のそれぞれの層の厚さは相互に異なっていても良い。
【0032】本発明の基本複合フィルムとして最適の層
構成は移行阻止層が紫外線遮断層の表面に直接に接合さ
れたものである。即ち、基本複合フィルムとしては紫外
線遮断層が移行阻止層に対して十分な接着性を備えたマ
トリックス樹脂で構成されている積層体が最適である。
【0033】<1.2.移行阻止層>移行阻止層は本発明の
基本複合フィルムにおいて上記の紫外線遮断層の両側に
積層される透明層であって、その役割は基本的には既に
上述されている様に当然に析出する筈の高濃度で紫外線
遮断層中に含有されている有機系紫外線吸収剤を移行阻
止層外へ析出(ブルーミング)させないことにある。
【0034】移行阻止層の別異の役割は紫外線遮断層と
の積層によって形成される基本複合フィルム及びそれか
ら得られる実用複合フィルムに対して主用途である包装
材料向けに十分な性状例えば、酸素ガス遮断性、剛性等
の曲げ特性、引張り特性、耐引裂き特性、耐熱性(耐熱
変形性)等を必要に応じて付与することにある。
【0035】移行阻止層は紫外線遮断層の表面に直接に
積層されるか、接着性重合体層を介して間接的に積層さ
れる。接着性重合体層を介在させるか否かの選別は移行
阻止層の基材樹脂と紫外線遮断層のマトリックスを形成
する樹脂又は熱可塑性エラストマーとの組合せ如何及び
/又は如何なる積層法を適用するか否かに応じて行なえ
ば十分である。
【0036】紫外線遮断層の両側に積層された両移行阻
止層の少なくとも片方は紫外線遮断層との共押出成形法
による積層体であることを要する。この共押出成形法に
よる積層は紫外線遮断層と移行阻止層とが直接に接合さ
れる場合に限らず、当該両層の間に必要に応じて接着性
重合体層を介在させる態様でも行なわれ得る。介在が必
要な場合とは、両層の間に直接の接合を果たす接着性が
欠如する場合であってしかも両樹脂を共押出成形によっ
て積層する場合である。
【0037】別態様として、上記の「紫外線遮断層」と
「移行阻止層」との間の積層の一方は時としてラミネー
ト接着剤の介在下に行なわれる。しかし、このラミネー
ト積層においては後記の接着性重合体層は介在しない。
【0038】勿論、積層されるべき両層がそれ自体とし
ても相手層に対して多少は親和性を備えている場合であ
っても、接着性重合体層を介在させることによって両層
間に格段に強固な接合を実現し得る場合もあり得る。
【0039】紫外線遮断層の両側に積層される上記の移
行阻止層は何れの側においても単一層に限らず2以上の
積層体(複合層)であっても良い。尤も、積層体全体と
しての層厚範囲は単一層に課せられた層厚範囲と同一で
あることを要する。とはいえ、積層体を構成する各層の
層厚は相互に異なっていても良い。
【0040】<1.2.1.移行阻止層の層厚>本発明の基本
複合フィルムを構成する各層の中でも移行阻止層の層厚
は下記の通りに設定されれば殆どの場合に問題を生ずる
ことは無い。即ち、少なくとも本発明の基本複合フィル
ムを含有する本発明の積層フィルムにおいて移行阻止層
の片側分の平均層厚が3〜70μm、好適平均層厚が5
〜40μmのもので構成されていることが好ましい。尤
も、両側の移行阻止層の層厚は相互に異なっていても良
いが、その場合にも両側の移行阻止層共に上記の層厚範
囲内にあることは当然である。
【0041】移行阻止層の層厚が上記の様に設定される
意義は既に「<1.2.移行阻止層>」において説明されて
いる様に、第一義的には紫外線遮断層中の有機系紫外線
吸収剤が移行阻止層外へ析出しようとする傾向を阻止す
ることにある。従って、余りに薄層ではその阻止機能に
不足を来たし得ることに加えて、酸素ガス遮断性不足及
び形成される基本複合フィルムの硬さ(剛性)不足をも
来たし得る。
【0042】<1.3.接着性重合体層>接着性重合体層は
本発明の基本複合フィルム(それ自体、それに基づく実
用複合フィルム及びその有力な用途である包装材用フィ
ルム)においては、特に紫外線遮断層と移行阻止層との
間に材質的には接着性が期待され得ない場合に両層を共
押出で積層する為の介在層として用いられる態様を挙げ
ることができる。なお、外側の移行阻止層と外皮層との
間/又は及び内側の移行阻止層と内皮層との間における
積層には場合に応じて接着性重合体又はラミネート接着
剤を用いた積層が行なわれる。
【0043】接着性重合体の上記の役割から見て、紫外
線遮断層の両側に必要に応じて介在する接着性重合体層
の材質は左右で相互に別異のものであっても良い。 <2.基本複合フィルム各層の材質>本明細書におい
て、「主要成分である」とは、その成分の特性を実質的
に温存し得る範囲内の量で他種の熱可塑性樹脂及び/又
はエラストマー等を併せて含有することができるという
ことである。また、本発明における「熱可塑性樹脂」は
結晶性樹脂に限らず、樹脂の成形加工業界で「熱可塑性
樹脂」と認識され、流通及び成形されている非晶性重合
体又は低結晶性重合体をも包含する。
【0044】<2.1.紫外線遮断層の材質>本発明の紫外
線遮断層を構成するマトリックスである熱可塑性樹脂
等、特に(α-)オレフィン系熱可塑性樹脂(ポリオレフ
ィン樹脂)類は炭素数2〜10、好ましくは2〜6のα
-オレフィンの単独重合体に限らず、そのα-オレフィン
から選ばれた2種以上からなる結晶性共重合体、2種以
上の単独重合体の組合わせ、2種以上の結晶性共重合体
の組合わせ、1種以上の単独重合体と1種以上の結晶性
共重合体との組合わせ、これらを樹脂成分とする熱可塑
性エラストマーから選ばれる樹脂類又はそれらの改質物
重合体特に、接着性付与重合体を主要成分とするもので
ある。
【0045】これらのポリオレフィン樹脂、オレフィン
系熱可塑性エラストマー又はそれらの改質重合体として
好ましいものは有機系紫外線吸収剤含有移行阻止層に対
して十分な接着性を備えたものであって例えば、無水マ
レイン酸グラフトポリエチレン等、エチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体(EAA)、エチレン−(メタ)アクリル
酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー類例えば、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等を挙げること
ができる。
【0046】上記のポリオレフィン樹脂に属する熱可塑
性樹脂(単独重合体及び共重合体を包含)としては例え
ば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ-1-
ブテン樹脂、ポリ-4-メチル-1-ペンテン樹脂等から選ば
れる1種以上、前記の樹脂から選ばれた2種以上の組合
わせ樹脂又は熱可塑性エラストマーであっても良い。こ
の熱可塑性エラストマーは前掲の1種以上の樹脂又は2
種以上の組合せ樹脂と下掲のエラストマーとの組合せ又
はその半架橋(部分加硫)によるものであっても良い。
【0047】この熱可塑性エラストマーのエラストマー
成分はエチレン−プロピレン共重合エラストマー、エチ
レン-1-ブテン共重合エラストマー、プロピレン−1-ブ
テン共重合エラストマーから選ばれるオレフィン系エラ
ストマー又はこれら共重合エラストマーが第三成分とし
て非共役ジエンから選ばれるエチリデンノルボルネン、
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等を含有するもの
をも包含する。
【0048】紫外線遮断層のマトリックスを主として構
成する樹脂は上記のα-オレフィンの単独重合体及び/
又はそれら相互の共重合体に限らず、例えばエチレンと
(メタ)アクリル酸との共重合体のナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩、亜鉛塩、マグネシウム塩等と
して周知の通称「アイオノマー」であっても良い。
【0049】更に、上掲の紫外線遮断層における熱可塑
性樹脂又は熱可塑性エラストマー(「熱可塑性樹脂
類」)はマトリックスの主要成分を占めるものである。 <2.2.移行阻止層の材質>移行阻止層とは、上述の様に
極めて重要でしかも多彩な役割を果たすものである。そ
の為に選ばれる材質は先ず、酸素原子を含有する樹脂で
あるということである。ここで「酸素原子を含有する」
とは、「分子中に結合状態で酸素を含有する」という意
味である。尤も、この「分子中に結合」とは、「分子主
鎖中に結合」に限らず、分子鎖を構成する炭素原子に結
合した置換基が酸素含有基である場合をも包含する。こ
の「置換基が酸素含有基である」場合は多種に亘るが、
この置換基が例えば、水酸基(-OH)、カルボキシル基
(-COOH)、アシロキシ基(-OCOR)、アシル基(-C
OR)、カルボニル基(>CO)、ホルミル基(-CHO)等
である場合を包含する。
【0050】また、紫外線遮断層の両側に直接的又は間
接的に積層される両移行阻止層の材質は相互に別異であ
っても良く、それぞれの移行阻止層の位置に伴う役割に
応じて最適の材質が選択されることが最も肝要である。
【0051】上記の「酸素原子含有熱可塑性樹脂」の例
はポリアミド樹脂(ナイロン)、熱可塑性ポリエステル
(樹脂)特にPET(ポリエチレンテレフタレート)、
PBT(ポリ-1,4-ブチレンテレフタレート)等、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)及び
ポリカーボネート(PC)等を主要成分とする熱可塑性
樹脂等である。
【0052】この移行阻止層は前掲の酸素原子含有樹脂
の2種以上の組合わせからなる組成物であっても良く、
例えばポリアミド樹脂(6-ナイロン又は6,6-ナイロン
等)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂との組
成物を挙げることができる。この組成物における両者の
含有比率は重量基準で50/50〜90/10(又は1
0/90)であり得る。
【0053】この移行阻止層には、その移行阻止機能を
実質的に低減させない(低減が認識されにくい)程度の
量であれば酸素原子不含樹脂例えば、ポリオレフィン樹
脂等を含有し得る。ここで、「移行阻止機能を実質的に
低減させない程度の量」とは、移行阻止層中の含有量と
して通常は30重量%以下、好ましくは20重量%以下
の量を言う。
【0054】<2.3.接着性重合体層の材質>接着性重合
体層は本発明の基本複合フィルムにおいて、特に紫外線
遮断層と移行阻止層とが共押出成形法によって積層され
る場合に両層の間に多く介在するものである。なお、移
行阻止層と外皮層との間及び移行阻止層と内皮層との間
にも両層の接着を媒介する為に介在し得る。
【0055】接着性重合体層を構成する改質重合体の具
体例は下記の通りである: <2.3.1>不飽和カルボン酸自体又はその無水物を改質剤
とする改質オレフィン重合体(樹脂、熱可塑性エラスト
マー及びエラストマー)例えば、無水マレイン酸(MA
H)を改質剤とする改質オレフィン重合体; <2.3.2>飽和カルボン酸のアルケニルエステルを改質剤
とする改質オレフィン重合体例えば、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA); <2.3.3>α-オレフィン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂
(EEA)。
【0056】<2.4.ラミネート接着剤>プラスチックフ
ィルムに対する通常のラミネート法は接着剤として多く
低密度ポリエチレン樹脂を介在させて貼合わせる押出ラ
ミネート法である。別法であるドライラミネートと称さ
れる積層法(貼合わせ法)において用いられる接着剤は
多くの場合にポリウレタン(PU)系の重合体であって、
これを有機溶剤の溶液として用いる積層法であるが、更
に別のラミネート法としてノンソルベントラミネート
(有機溶剤不使用ラミネート)法も用いられ得る。ノン
ソルベントラミネート法では溶剤に代えて重縮合性接着
剤を用いる。
【0057】<3.その他の付加され得る層> <3.1.内皮層>内皮層とは、本発明の基本複合フィルム
がその侭で用いられることが好ましくない場合に基本複
合フィルムの表面であって内容物(被包装物)に直接に
接触する側に積層されて、包装袋として用いられる場合
の基本複合フィルムにヒートシール機能を付与する層
(所謂シーラント層)である。即ち、本来的には、本発
明の基本複合フィルムはそれ自体で所期の性能即ち効果
を発現し得るものである。
【0058】この内皮層被包装物に接触しない側の面
(外面)を接着性付与又は向上等の目的で処理するか又
は他の性質を備えた層との貼合わせによる2層以上の積
層体で構成してもよい。
【0059】<3.2.外皮層>外皮層とは、本発明の基本
複合フィルムがその侭で用いられることが好ましくない
場合に基本複合フィルムの表面であって内容物(被包装
物)に面しない側(外側)に積層されて基本複合フィル
ムを保護する層である。即ち、基本的には、本発明の基
本複合フィルムはそれ自体で所期の性能即ち効果を発現
し得るものである。
【0060】しかし、実際の使用形態においては基本複
合フィルムの外側が過酷な環境、重負荷の使用条件その
他の強烈な条件に曝されることがある。外皮層はこれら
の外的作用を受け止めて内部へ及ぶことを食い止める使
命を負うものである。従って、その用途、使用環境等に
応じて既存の材料を適宜選択又は組合わせて用いれば殆
どの場合に足りる。なお、外皮層も必要に応じて2層以
上の積層体の形態で用いられ得る。
【0061】<4.実用複合フィルム;包装材料用フィル
ム>本発明の実用複合フィルム及びその主要な用途であ
る包装材料用フィルムは上述の項「<1.基本複合フィ
ルム>」」において説明された基本複合フィルムで兼ね
られる場合もある。しかし、被包装物の性状、包装材料
として用いられる環境又は使用条件等に耐え得る様にす
ることが原則的には重要である。
【0062】先ず、本発明の基本複合フィルムを実用に
供される複合フィルム例えば、包装材料という見地から
検討すると、本発明の基本複合フィルムにおいては、そ
れを構成する各層に更に、実用複合フィルムに重要な付
加層即ち、通常は被包装物に面する側の移行阻止層の表
面に設けられる内皮層及び通常は被包装物に面しない側
の移行阻止層の表面に設けられる外皮層をも最低限備え
ることが多くの場合に好ましい。
【0063】なお、内皮層及び外皮層が如何なる役割、
性状等を備えることが好ましいかについては既にそれぞ
れの項で言及されている。これらの付加層は本発明の基
本複合フィルムの応用発明を構成するものであるから、
場合によっては省略又は特殊な材質のものに改良され得
る余地を残している。
【0064】<5.基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムの製造方法>本発明の基本複合フィルム及びそれを
基本とする実用複合フィルム例えば、包装材料用の積層
フィルムを製造する為には、有機系紫外線吸収剤を常温
溶解度以上の濃度に練込んだ紫外線遮断層とその両側に
直接的に又は間接的に移行阻止層を積層し、その際に当
該両移行阻止層の少なくとも片側は共押出成形法(Tダ
イ成形法及びインフレーション成形法を包括)によって
紫外線遮断層の表面に積層されることが必須である。
【0065】即ち、共押出成形法による積層であれば、
基本複合フィルムの成形過程から紫外線遮断層が移行阻止層
によって被覆されている寄与で、有機系紫外線吸収剤が
常温溶解度以上に練り込まれていても、そのブルーミン
グは生じ得ない。
【0066】しかし、共押出成形法によらず他の積層方
法例えば、有機系紫外線吸収剤練込み層と移行阻止層と
を予め各々別々のフィルムとして製造し、しかる後に双
方を接着剤などによって貼合わせる方法つまり、ラミネ
ート法によれば、貼合わせ作業の完了前に、常温溶解度
以上に有機系紫外線吸収剤を練り込んだフィルムから有
機系紫外線吸収剤のブルーミングが生ずる。このブルー
ミングによってその練込み量減少を来たし、紫外線遮断
性能低下を来たすのみならず、フィルム表面にブルーム
した有機系紫外線吸収剤は貼合わせ作業に障害となる。
【0067】この様な原因で、上記の製造方法によった
のでは実用に耐える基本複合フィルム及び実用複合フィ
ルムを製造することは極めて困難である。とりわけ、紫
外線遮断層の両側に位置する両移行阻止層を順次に紫外
線遮断層に貼合わせて行く方法は到底実用に耐える製造
方法とはなり得ない。少なくとも片方の移行阻止層は紫
外線遮断層と共押出成形によって予め積層されているこ
とが必要である。
【0068】本発明の紫外線遮断能力に優れる基本複合
フィルム及び実用複合フィルムを成形する為には構成層
毎に別の押出機を用いる方式が常用される。上記の通り
に構成層毎に別異の押出機中でマトリックスとなる樹脂
等の重合体に必須添加剤である有機系紫外線吸収剤等に
加えて、通常の成形品に添加される各種の安定剤、助
剤、滑剤その他の有用な添加剤等を必要に応じて配合し
た成形用組成物をそれぞれの押出機中で均一に溶融混練
後に、押出される樹脂流を所定の層構成を実現する様に
多層ダイ経由で相互に合流融着させて所期の基本複合フ
ィルム又はそれに付加層が更に積層された実用複合フィ
ルム例えば、包装材料用の積層フィルムを得る。
【0069】本発明の紫外線遮断能力に優れる基本複合
フィルム及び実用複合フィルムが通称「インフレーショ
ン成形法」によって成形された場合には、得られた両複
合フィルムは原則的に更に層厚(膜厚)を薄くするまで
もなく食品等の包装材用フィルムとして使用可能である
が、キャストフィルム例えばTダイフィルムとして成形
された場合には、更に延伸等の処理を加えて規格に適合
する層厚にまで薄膜化する場合がある。
【0070】延伸処理装置としては一軸延伸装置又は二
軸延伸装置の何れかが適宜選択され、その際には一軸延
伸処理及び二軸延伸処理の何れにおいても、単段階で所
期の延伸倍率まで延伸する場合よりも延伸操作を多段階
に分割して漸進的に所定の値へ高める方が通常的であ
り、高延伸に伴う被延伸物の破断、裂断等の好ましくな
い結果を避けることができる。更に、二軸延伸処理にお
いては縦方向と横方向との延伸倍率が相互に異なってい
ても良く、製品の用途及び使用目的に応じて適切な延伸
処理が施される様に条件が設定され得る。
【0071】
【発明の効果】本発明の基本複合フィルム及びそれに内
皮層及び/又は外皮層が少なくとも積層された実用複合
フィルムを用いれば、下記の各種の効果を奏することが
できる。また、本発明の製造方法である多層共押出成形
法を用いることによって、前掲の基本複合フィルム及び
実用複合フィルムを初めて成形することができた: (1)近紫外領域(波長320〜390nm)に属する紫外
線を90%以上の高水準で吸収除去すると共に、可視光
線の吸収除去率を30%以下、好ましくは20%以下、
更に好ましくは10%以下の水準に抑制する(透過率を
70%以上の水準に保つ)ことができた。
【0072】その結果、この紫外線遮断性に優れたフィ
ルムに覆われた食品、化粧品、医薬品を始めとする化学
薬品等が近紫外線の影響に起因する変色、変質、劣化等
の好ましくない変化を生ずる事態が殆ど防止された; (2)包装材料用の薄さと長期間の使用とによっても基本
複合フィルム又はそれを基本とした応用フィルムの表面
にブルーミングが生じないという長所を兼備している; (3)応用フィルムの有力な用途である通常の包装材料用
フィルムに要求される各種の実用性能にも十分に対応で
きる。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、場合により
比較例を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明
はこれらの実施例によっては何等限定されない。
【0074】
【実施例1】3台のスクリュウ型押出機を用意し、その
1番押出機(L/D=26)には酸素原子含有樹脂として6
-ポリアミド樹脂(6-NY)[相対粘度3.4;常温比重1.
13]を装入して温度260℃で溶融混練を行ない、移
行阻止層の中で外皮層側に位置する外側移行阻止層用の
成形用組成物を作成した。2番押出機(L/D=26)に
は紫外線遮断層用の成形組成物として無水マレイン酸改
質低密度ポリエチレン(AD)[密度0.92g/cc;MI(1
90℃;2.16kgf)1.8g/10min]100重量部に対して有
機系紫外線吸収剤Aとしてベンゾトリアゾール系化合物
[商品名:チヌビン326(チバ・ガイギー社製)]3
重量部を溶融混練手段によって温度220℃で練込み混
合して、紫外線遮断層用の組成物を作成した。3番押出
機(L/D=26)には別異の酸素原子含有樹脂としてエ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)[常
温比重1.19;MI(190℃;2.16kgf)1.5g/10min]を
装入して温度220℃で溶融混練し、内側移行阻止層用
の成形用組成物を作成した。
【0075】次に、それぞれの押出機から共通の多層ダ
イへ上記の成形組成物の樹脂流を供給してダイ経由で外
側移行阻止層、紫外線遮断層及び内側移行阻止層の層構
成になる様に樹脂流を合流させて積層した後にこの多層
樹脂流を環状ダイ(直径350mm)へ導き、膨比1でイ
ンフレーション成形を行なって基本複合フィルムを得た
(折幅550mm;総括膜厚60μm)。得られた基本複合
フィルムの層構成は6-NY(外側移行阻止層)//(紫外線
吸収剤A/AD)//EVOH(内側移行阻止層)であっ
た。
【0076】また、この基本複合フィルムからの紫外線
吸収剤のブルーム有無をその外側及び内側において長期
間常温放置後に目視判定した処、「(外側)1年後にも無
し及び(内側)1年後にも無し」の結果が得られた。
【0077】上記の結果を層構成、各層厚、紫外線吸収
剤の種類及びその含有量、複合フィルムの製造条件、得
られた複合フィルムの特性値等の形で、表1に示す。 <実用複合フィルムの製造>上記で得られた3層からな
る基本複合フィルムを用いて、このエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂(EVOH)からなる移行阻止層
(内側移行阻止層)の表面に内皮層として低密度ポリエ
チレン[密度0.92g/cc;MI(190℃;2.16kgf)1.0g/
10min]フィルム(平均膜厚30μm)をドライラミネー
ト法によって積層した。
【0078】他方、対向側のポリアミド樹脂からなる移
行阻止層(外側移行阻止層)の表面には外皮層として二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPE
T;平均膜厚12μm)をドライラミネート法によってを
積層した。得られた実用複合フィルムの物性は下記の通
りであった。その結果を表1にも示す: 引張り強度(kgf/mm2):7.0; 引張り伸び率(%):300; 引張り衝撃強度(kgf/cm/cm):15; ヒートシール温度(℃):120; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):1%; 可視光線透過率(波長:600nm):85%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):0.6(cc/m2・Day・at
m)。
【0079】
【比較例1】 <実験1−i>実施例1で得られた基本複合フィルムに
おける内側移行阻止層を形成するエチレン−ビニルアル
コール共重合体(EVOH)層に代えて低密度ポリエチレ
ン層を用いて共押出積層し、3層積層フィルムを得た。
その結果を層構成、各層厚、紫外線吸収剤の種類及びそ
の含有量、複合フィルムの製造条件、得られた複合フィ
ルムの特性値等の形で、表1に示す。念の為にブルーム
の有無を示すと、外側移行阻止層は1年後にもブルーム
無しに対して、内側移行阻止層は6ヶ月後にブルームを
示した。 <実験1−ii>実施例1で得られた基本複合フィルムに
おける外側移行阻止層を形成するポリアミド樹脂層に代
えて低密度ポリエチレン層を用いて共押出積層し、3層
積層フィルムを得た。その結果を層構成、各層厚、紫外
線吸収剤の種類及びその含有量、複合フィルムの製造条
件、得られた複合フィルムの特性値等の形で、表1に示
す。念の為にブルームの有無を示すと、外側移行阻止層
は3ヶ月後にブルームを生じたに対して、内側移行阻止
層は1年後にもブルームを生じなかった。
【0080】
【実施例2】実施例1の基本複合フィルムにおける紫外
線遮断層の基材樹脂(マトリックス樹脂)である接着性
重合体に代えて非改質低密度ポリエチレン[密度0.9
2g/cc;MI(190℃;2.16kgf)1.0g/10min]を用いてこ
の100重量部に実施例1におけると同一の紫外線吸収
剤を2重量部の割合で添加し、溶融混練を行なって紫外
線遮断層用の組成物を作成した。
【0081】また、この紫外線遮断層と実施例1におけ
ると同一樹脂からなる外側移行阻止層及び内側移行阻止
層とのそれぞれの間を強固に接合する為の接着性重合体
として無水マレイン酸改質低密度ポリエチレン[密度
0.92g/cc;MI(190℃;2.16kgf)1.8g/10min]を用
いて、5台の単軸スクリュー押出機から上記の外側移行
阻止層//接着性重合体層//紫外線遮断層//接着性重合体
層//内側移行阻止層を共押出成形した。 ◆その1番押出機(L/D=26)には6-ポリアミド樹脂
(6-NY)[相対粘度3;常温比重1.13]を装入して温
度260℃で溶融混練を行ない、外皮層側に位置する外
側移行阻止層用の樹脂流を押出した。 ◆2番押出機(L/D=26)には接着性ポリエチレン樹
脂(AD)[密度0.92g/cc;MI(190℃;2.16kgf)1.8
g/10min]を装入して溶融させた樹脂流を押出した。 ◆3番押出機(L/D=26)には上記の紫外線遮断層用
の組成物を装入して温度220℃で溶融混練を行ない、
紫外線遮断層用の樹脂流を押出した。 ◆4番押出機(L/D=26)には紫外線遮断層と片方の移
行阻止層との間を接合する為の接着性重合体として接着
性ポリエチレン樹脂(AD)[密度0.92g/cc;MI(190
℃;2.16kgf)1.8g/10min]を装入して溶融させた樹脂
流を押出した。 ◆5番押出機(L/D=26)にはエチレン−ビニルアル
コール共重合体樹脂(EVOH)[常温比重1.19;MI
(190℃;2.16kgf)1.5g/10min]を装入して温度220
℃で溶融混練を行ない、内側移行阻止層用の樹脂流を作
成した。
【0082】次に、それぞれの押出機から共通の多層ダ
イへ樹脂流を供給して、5層の層構成になる様に樹脂流
を共押出して積層した後に環状ダイ(直径350mm)へ
導き、膨比1でインフレーション成形を行なって本発明
の基本複合フィルムを得た(折幅550mm;総括膜厚7
0μm)。
【0083】この5層積層フィルム(接着性重合体層を
も算入)の層構成は6-NY(10μm)//AD(10μm)//
(有機系紫外線吸収剤/LDPE)(20μm)//AD(1
0μm)//EVOH(10μm)であった。
【0084】また、この基本複合フィルムからの紫外線
吸収剤のブルーム有無をその外側及び内側において長期
間常温放置後に目視判定した処、「(外側)1年後にも無
し及び(内側)1年後にも無し」の結果が得られた。
【0085】上記の結果を層構成、各層厚、紫外線吸収
剤の種類及びその含有量、複合フィルムの製造条件の形
で表1に示す。 <実用複合フィルムの製造>上記の5層積層フィルムの
EVOH層側に内皮層として低密度ポリエチレン樹脂フ
ィルム[平均膜厚30μm;密度0.92g/cc;MI(190
℃;2.16kgf)1.0g/10min]を常法によってドライラミ
ネート積層し、他方の側には外皮層として二軸延伸ポリ
プロピレン樹脂フィルム(OPP)(平均膜厚25μm)
を常法によってドライラミネート積層して、7層の実用
複合フィルム(平均総括膜厚115μm)を得た。
【0086】得られた包装材料用の実用複合フィルムの
物性は下記の通りであった。その結果を表1に併せ示
す: 引張り強度(kgf/mm2):7.0; 引張り伸び率(%):100; 引張り衝撃強度(kgf/cm/cm):20; ヒートシール温度(℃):125; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):3%; 可視光線透過率(波長:600nm):85%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し;(常温に長時間放置;目視判
定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):1.2(cc/m2・Day・at
m)。
【0087】
【実施例3】実用複合フィルムを作成する目的、その紫
外線遮断層を形成するに代え、実施例1におけると同一
の有機系紫外線吸収剤を用いて紫外線遮断層用の組成物
を作成した。
【0088】5台のスクリュウ型押出機を用意して下記
の様に操作し、その際の条件等は表1に示された通りに
実施して、5層からなり、内皮層だけが付加された実用
複合フィルムを得た: 1番押出機(L/D=26)には6-NY樹脂(常温比重1.1
3;相対粘度3.4)を装入して温度260℃で溶融混練
を行ない、外側移行阻止層用の成形用組成物を作成し
た。
【0089】2番押出機(L/D=26)には紫外線遮断層用の
成形用組成物として接着性重合体(樹脂)(AD)[接着性
ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cc;MI(190℃;2.16kg
f)1g/10min)]を装入して温度220℃で溶融混練し
た。
【0090】3番押出機(L/D=26)にはエチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂(EVOH)(常温比重1.19;
MI(190℃;2.16kgf)1.5g/10min))を装入して温度2
20℃で溶融混練し、内側移行阻止層用の成形用組成物
を作成した。
【0091】4番押出機(L/D=26)には紫外線遮断層用の
成形用組成物として接着性重合体(樹脂)(AD)[接着性
ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cc;MI(190℃;2.16kg
f)1g/10min)]を装入して温度220℃で溶融混練し
た。
【0092】5番押出機(L/D=26)には内皮層用の成形用
組成物として低密度ポリエチレン樹脂)(LDPE)[密
度0.92g/cc;MI(190℃;2.16kgf)1g/10min)]を装
入して温度220℃で溶融混練した。
【0093】次に、それそれの押出機から共通の多層ダ
イへ樹脂流を供給して外側移行阻止層//紫外線遮断層//
内側移行阻止層//接着性重合体層//内皮層の5層構成に
なる様に各樹脂流を共通のダイ経由で押出して積層した
後に、この多層樹脂流を環状ダイ(直径350mm)へ導
き、膨比(ブロー比)1でインフレーション成形を行なっ
て基本複合フィルムを得た(折幅550mm;総括膜厚7
0μm)。得られた基本複合フィルムにおける両移行阻
止層の層厚は何れも約10μmであった。
【0094】また、実用複合フィルムからの紫外線吸収
剤のブルーム有無をその外側及び内側において長期間常
温放置後に目視判定した結果を下記に示す。上記の結果
を層構成、各層厚、紫外線吸収剤の種類及びその含有
量、複合フィルムの製造条件について及び得られた実用
複合フィルムの物性は下記の通りであった。その結果を
表1に示す: 引張り強度(kgf/mm2):3.3; 引張り伸び率(%):500; 引張り衝撃強度(kgf/cm/cm):10; ヒートシール温度(℃):120; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):5%; 可視光線透過率(波長:600nm):85%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):1.2(cc/m2・Day・at
m)。
【0095】
【実施例4】基本複合フィルムとして、外側移行阻止層
をエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)
80重量%と低密度ポリエチレン(LDPE)20重量%
との混合物で形成させると共に、内側移行阻止層をポリ
アミド樹脂(NY)80重量%と低密度ポリエチレン樹脂
(LDPE)20重量%との混合物で形成させた以外に
は、実施例2におけると同様に操作した。なお、この実
施例4では紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系
化合物の中から下記A及びBの2種を50重量%ずつ併
用配合した。そのベンゾトリアゾールAは商品名「チヌ
ビン326」とし、ベンゾトリアゾールBは商品名「チ
ヌビン328」とした。
【0096】5台のスクリュウ型押出機を用意し、上記
の層構成及び各層厚以外には実施例2におけると同様に
して基本複合フィルムを作成した。また、この基本複合
フィルムからの紫外線吸収剤のブルーム有無をその外側
及び内側において長期間常温放置後に目視判定した結果
を表2に示す。
【0097】上記の結果を層構成、各層厚、紫外線吸収
剤の種類及びその含有量、複合フィルムの製造条件につ
いて及び得られた基本複合フィルムの物性は表2の通り
であった。
【0098】<実用複合フィルムの作成>前段で得られ
た基本複合フィルムの外面でエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂(EVOH)と少量の低密度ポリエチレン
樹脂(LDPE)とからなる外側移行阻止層の表面に外皮
層用のOPPフィルム(層厚25μm)をドライラミネー
ト法によって積層し、他方、ポリアミド樹脂と少量の低
密度ポリエチレン樹脂(LDPE)とからなる移行阻止層
の表面には内皮層用の低密度ポリエチレン樹脂として紫
外線遮断層形成用の低密度ポリエチレン樹脂と同一の樹
脂からなるフィルムをドライラミネート法によって積層
して、9層の実用複合フィルムを得た。この実用複合フ
ィルムは特に食品包装用に有用である。
【0099】また、この基本複合フィルムからの紫外線
吸収剤のブルーム有無をその外側及び内側において長期
間常温放置後に目視判定した結果を表2に示す。上記の
結果を層構成、各層厚、紫外線吸収剤の種類及びその含
有量、複合フィルムの製造条件について及び得られた実
用複合フィルムの物性は下記の通りであった。なお、そ
れらの結果を表2に併せ示す: 引張り強度(kgf/mm2):8.0; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):5%; 可視光線透過率(波長:600nm):80%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):1.0(cc/m2・Day・at
m)。
【0100】
【実施例5】実施例3におけると同一種の層の組合せに
おいて各層の層厚を変更した5層の実用複合フィルムを
共押出積層法によって作成した。得られた実用複合フィ
ルムの物性は下記の通りであった。なお、それらの結果
を表2に示す: 引張り強度(kgf/mm2):4.5; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):3%; 可視光線透過率(波長:600nm):85%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):0.6(cc/m2・Day・at
m)。
【0101】
【実施例6】実施例3におけると同一種の層の組合せに
おいて各層の層厚を変更した5層の実用複合フィルムを
共押出積層法によって作成した。得られた実用複合フィ
ルムの物性は下記の通りであった。なお、それらの結果
を表2に示す: 引張り強度(kgf/mm2):3.0; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):1%; 可視光線透過率(波長:600nm):90%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):2.5(cc/m2・Day・at
m)。
【0102】
【実施例7】実施例3におけると同一種の層の組合せに
おいて各層の層厚を変更した5層の実用複合フィルムを
共押出積層法によって作成した。得られた実用複合フィ
ルムの物性は下記の通りであった。なお、それらの結果
を表2に示す: 引張り強度(kgf/mm2):3.2; 紫外線透過率(波長:320〜390nm):15%; 可視光線透過率(波長:600nm):87%。 紫外線吸収剤のブルーム有無:(外側)1年後にも無し;
(内側)1年後にも無し; (常温に長時間放置;目視判定) 酸素ガス透過度(23℃;65%RH):1.2(cc/m2・Day・at
m)。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/28 101 B32B 27/28 101 27/30 27/30 27/32 27/32 27/34 27/34 27/36 27/36 102 102 C08K 5/3467 KBL C08K 5/3467 KBL // B29L 9:00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体に有機物系の紫外線吸収
    剤がその常温溶解度以上の濃度で配合されている紫外線
    遮断層の両側に酸素原子含有熱可塑性樹脂からなる有機
    系紫外線吸収剤の移行阻止層が積層された積層フィルム
    であって、移行阻止層の少なくとも片方と紫外線遮断層
    とが共押出によって積層されている紫外線遮断性及び透
    視性に富む基本複合フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性重合体がポリオレフィン樹脂、
    アイオノマー樹脂、接着性ポリオレフィン重合体又はオ
    レフィン系熱可塑性エラストマーを主要成分とする請求
    項1に記載の基本複合フィルム。
  3. 【請求項3】 酸素原子含有熱可塑性樹脂がポリアミド
    樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹
    脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂又はエチ
    レン−アルキル(メタ)アクリレート共重合樹脂を主要
    成分とする請求項1又は2に記載の基本複合フィルム。
  4. 【請求項4】 移行阻止層が平均層厚3〜70μmのも
    のである請求項1〜3の何れかに記載の基本複合フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 有機系紫外線吸収剤が基本複合フィルム
    中に0.1g/m2以上(該フィルム面積)で含有されている
    請求項1〜4の何れかに記載の基本複合フィルム。
  6. 【請求項6】 波長域320〜390nmの紫外線をその
    透過率20%以下に吸収除去すると共に波長域400〜
    800nmの可視光線をその透過率70%以上に透過すさ
    せる有機系紫外線吸収剤を含有し、請求項1〜5の何れ
    かに記載の基本複合フィルム。
  7. 【請求項7】 熱可塑性重合体に近紫外領域の光線を8
    0%以上吸収すると共に可視光線を70%以上透過させ
    る有機系紫外線吸収剤を常温溶解度以上の濃度で含有す
    る紫外線遮断層の片側に酸素原子含有樹脂からなる移行
    阻止層が積層され、該紫外線遮断層の対向側に前記の酸
    素原子含有樹脂と同一又は別異の酸素原子含有樹脂から
    なる移行阻止層が積層され、しかも双方の移行阻止層の
    少なくとも片側が紫外線遮断層に共押出積層されてお
    り、何れかの移行阻止層の表面には共押出積層によるか
    又はラミネート接着剤を介してポリオレフィン樹脂層が
    内皮層として積層されているか、ラミネート接着剤を介
    してポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂及び熱可塑性
    ポリエステル樹脂から選ばれる延伸フィルムが外皮層と
    して積層されているか、又は前記の外皮層及び内皮層が
    共に積層されている請求項1〜6の何れかに記載の基本
    複合フィルムから形成された実用複合フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の実用複合フィルムにお
    いて、紫外線遮断層を形成する熱可塑性重合体がポリオ
    レフィン樹脂又は接着性ポリオレフィン重合体を主要成
    分とし、有機系紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化
    合物であって、それを常温溶解度以上の濃度である2重
    量%以上で含有する紫外線遮断層の片側にポリアミド樹
    脂を主要成分とする移行阻止層が平均層厚5〜70μm
    で積層され、その対向側にはエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体樹脂を主要成分とする移行阻止層が平均層厚
    3〜30μmで積層され、双方の移行阻止層の少なくと
    も片方が紫外線遮断層の表面に共押出で積層された基本
    複合体フィルムから形成されている実用複合フィルム。
  9. 【請求項9】 紫外線遮断層と移行阻止層との間、移行
    阻止層と外皮層との間及び移行阻止層と内皮層との間の
    1箇所以上に接着性重合体層が介在する請求項1〜6の
    何れかに記載の基本複合フィルム又は請求項7若しくは
    8に記載の実用複合フィルム。
  10. 【請求項10】 有機系紫外線吸収剤としてベンゾトリ
    アゾール系化合物が複合フィルム中0.1g/m2以上(該
    フィルム面積)で含有されている請求項1〜6の何れか
    に記載の基本複合フィルム又は請求項7〜9にの何れか
    に記載の実用複合フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6の何れかに記載の基本複
    合フィルム、請求項7〜10の何れかに記載の実用複合
    フィルム又は基本複合フィルムと実用複合フィルムとの
    積層体からなる包装用複合フィルム。
  12. 【請求項12】 紫外線遮断層を形成する接着性重合体
    及び有機系紫外線吸収剤として近紫外領域の光線吸収除
    去率80%以上であって、可視領域の光線透過率70%
    以上の有機化合物を常温溶解度以上の濃度で含有する混
    合物を溶融混練して紫外線遮断層用の組成物を調製し、
    次に3台の押出機の1番押出機からは酸素原子含有樹脂
    を押出して移行阻止層用の樹脂流を形成させ、2番押出
    機からは上記の紫外線遮断層用の組成物を押出して紫外
    線遮断層用の樹脂流を形成させ、3番押出機からは前記
    酸素原子含有樹脂とは別異又は同一の酸素原子含有樹脂
    を押出して移行阻止層用の樹脂流を形成させた次に、そ
    れぞれの押出機からの樹脂流を共通のダイへ供給して移
    行阻止層//紫外線遮断層//移行阻止層の層構成になる様
    に共押出して積層された多層樹脂流をインフレーション
    成形するか又は上記の多層樹脂流を多層Tダイ成形する
    ことによって基本複合フィルムを製造する方法。
  13. 【請求項13】 紫外線遮断層が熱可塑性重合体及び有
    機系紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物を
    常温溶解度以上の濃度で含有するものである以外には請
    求項12に記載された方法に加えて、追加の1台の押出
    機を4番押出機として用い、上記1番押出機からの樹脂
    流と2番押出機からの樹脂流との間(「1-2間」)及び上
    記2番押出機からの樹脂流と3番押出機からの樹脂流と
    の間(「2-3間」)の双方に4番押出機から接着性重合体
    流を供給する形で、又は追加の2台の押出機をそれぞれ
    4番押出機及び5番押出機として用い、上記1番押出機
    からの樹脂流と2番押出機からの樹脂流との間(「1-2
    間」)に4番押出機又は5番押出機から接着性重合体流
    を供給し、他方、上記2番押出機からの樹脂流と3番押
    出機からの樹脂流との間(「2-3間」)に4番押出機又は
    5番押出機であって前記「1-2間」に接着性重合体流を
    供給した押出機とは異なる押出機から接着性重合体流を
    供給する形でそれぞれの押出機からの樹脂流を共通のダ
    イへ供給することによって移行阻止層//接着性重合体層
    //紫外線遮断層//接着性重合体層//移行阻止層の層構成
    になる様に樹脂流と接着性重合体流とを共押出して積層
    された多層樹脂流をインフレーション成形するか又は該
    多層樹脂流を多層Tダイ成形することによって層間接着
    層が付加された基本複合フィルムを製造する方法。
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