JPH0924587A - 積層体、チャック袋および圧縮収納袋 - Google Patents

積層体、チャック袋および圧縮収納袋

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JPH0924587A
JPH0924587A JP7197928A JP19792895A JPH0924587A JP H0924587 A JPH0924587 A JP H0924587A JP 7197928 A JP7197928 A JP 7197928A JP 19792895 A JP19792895 A JP 19792895A JP H0924587 A JPH0924587 A JP H0924587A
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JP
Japan
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ethylene
density
polymer
bag
heat
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JP7197928A
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English (en)
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Kiyoshi Kawabe
清 川辺
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐衝撃性、ガスバリヤー性、低温ヒ
ートシール性、成形性に優れた少なくも3層構造の積層
体、およびその積層体からなる食品などの再開閉可能な
チャック袋、布団などを脱気圧縮保存するための圧縮収
納袋を提供すること。 【解決手段】 特定のエチレン系(共)重合体からなる
外層と、特定の密度の高密度ポリエチレン(C)とエチ
レン系(共)重合体の特定配合割合の樹脂からなる中間
層と、エチレン系(共)重合体から構成され、かつヒー
トシール温度が120℃以下であるヒートシール層とを
少なくとも含む積層体、およびこれらの積層体からなる
チャック袋および圧縮収納袋により課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、耐衝撃
性、ガスバリヤー性、低温ヒートシール性、成形性に優
れた少なくも3層構造の積層体、およびその積層体から
なるチャック袋、圧縮収納袋に関するものである。前記
積層体は食品、新聞、雑誌、機械類などの包装資材とし
て広く用いられ、これらのチャック付き袋は透明性と気
密性に優れており、食品、医薬品、工業製品、衣料品、
雑貨などの再開閉可能な包装袋として広く用いられる。
また、熱可塑性樹脂製チャックに気密性を付与したもの
は、食品の長期保存用包装袋、流動性の食品の包装袋、
また、衣料品や布団などを脱気圧縮保存するための圧縮
収納袋などに広く用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より包装資材として高圧法低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レンのフィルムなどが用いられている。しかし、高圧法
低密度ポリエチレンは耐衝撃性、ガスバリヤー性、腰の
強さが劣り、高密度ポリエチレンは透明性、耐衝撃性が
劣る。一方、線状低密度ポリエチレンは透明性、耐衝撃
性に優れているが、ガスバリヤー性、腰の強さ、成形性
が劣る。このため単層フィルムは透明性、耐衝撃性、腰
の強さ、ガスバリヤー性、成形性などを総合的に満足で
きる樹脂はなく、これらを満足させるために種々のポリ
エチレン系樹脂からなる積層フィルムが提案されてい
る。
【0003】例えば、特開昭59−11252公報に
は、中間層に高密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチ
レンを配合したものを用い、両外層に線状低密度ポリエ
チレンを使用した積層フィルムが提案されており、特
開昭58−59080公報には、中間層に高密度ポリエ
チレン、外層に線状低密度ポリエチレン、他の外層に高
圧法低密度ポリエチレンまたはエチレン系共重合体を使
用した積層フィルムが開示されており、さらに詳細に
は、中間層に高密度ポリエチレンとエチレン系共重合
体、外層に線状低密度ポリエチレン、他の外層に高圧法
低密度ポリエチレンまたはエチレン系共重合体を使用し
た積層フィルムが開示されており、特開昭59−38
059公報には、中間層に高密度ポリエチレン、両外層
に線状低密度ポリエチレンを使用した積層体が開示さ
れ、具体的には中間層に高密度ポリエチレンと線状低密
度ポリエチレンを用い、両外層に線状低密度ポリエチレ
ンを使用した積層体などが挙げられる。
【0004】しかし、上記の積層フィルムは、耐衝撃
性、腰の強さ、ガスバリヤー性などに優れているが、透
明性、成形性が劣っており、の積層フィルムは耐衝撃
性、腰の強さ、ガスバリヤー性、成形性などに優れてい
るが、透明性が劣る。の積層体は耐衝撃性、腰の強
さ、ガスバリヤー性などに優れているが、透明性、成形
性が劣っているという問題がある。
【0005】昨今では、製袋して袋として使用する場
合、製袋の高速化に伴い、さらに低温ヒートシール性、
シール部の接着強度などの改良が強く望まれている。し
かし、上記の従来の積層フィルムは、製袋する際に内層
のヒートシール温度が高く、製袋の際の生産性が向上し
ない。
【0006】また、チャック袋としては、一般的なポリ
エチレン系樹脂を使用したものが種々の分野に広く用い
られている(例えば、特公昭59−29500公報、特
公昭60−50663公報、特開昭58−171347
公報、特開昭61−203354公報など)。
【0007】これらのチャック袋は、一般的には、単層
フィルムで構成され、低密度ポリエチレン(以下、LD
PEと称す)、線状低密度ポリエチレン(以下、LLD
PEと称す)、高密度ポリエチレン(以下、HDPEと
称す)などのポリエチレン系樹脂が用いられている。し
かし、LDPEは透明性に優れるものの、ガスバリヤー
性や耐衝撃性が劣り、腰が弱いという欠点を有してい
る。また、LLDPEはガスバリヤー性、腰の強さ、成
形性が不十分である。さらに、HDPEは、ガスバリヤ
ー性、耐衝撃性、腰の強さなどの特性があるものの、透
明性が悪という問題点を有している。
【0008】さらに、チャック袋では、食品用が主用途
であるラミネート袋がある。ポリオレフィン単層チャッ
ク袋はチャックと袋を一体成形することができ、生産性
が高く、安価であるが、上述したように、透明性、耐衝
撃性、腰の強さ、ガスバリヤー性、成形性などを総合的
に満足できるものではない。
【0009】一方、ラミネート袋はガスバリヤー層とし
て、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニリデンコート二
軸延伸ポリプロピレン(KOP)、二軸延伸ポリプロピ
レン(OPP)、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)、ポリエステル(PET)、アルミ蒸着フ
ィルムなどを用いている。このためガスバリヤー性は非
常に高いが製造コストが高くなり高価であるという問題
を有している。従って、食品などの分野においても、よ
りガスバリヤー性が高く、透明性、耐衝撃性、腰の強
さ、成形性に優れ、従来のラミネートチャック袋よりも
安価なチャック袋が求められている。
【0010】同様に、衣料品や布団などを収納する圧縮
収納袋においても上記と同じような性能が要求されてい
る。さらに、積層体をヒートシールして積層袋を作成
し、開口部にチャックテープをヒートシールしてチャッ
ク袋を作成する際に積層袋内層の低温ヒートシール性が
要求される。ヒートシール温度が高いとヒートシール部
が平滑にならず外観が不良となり、あるいは2枚のチャ
ックテープ同士が融着してしまい袋にならない場合が多
い。またチャック袋の生産性を高めるためにもヒートシ
ール温度を下げることが求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐衝撃性、腰の強さ、ガスバリアー性、低温ヒート
シール性、成形性などに優れた積層体を提供することで
ある。またこのような積層体を用いたチャック袋、圧縮
収納袋、チャック付圧縮収納袋を提供することである。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記の
問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定樹脂の
積層体を使用することにより上記目的を達成し本発明に
到達した。またこのような特定樹脂の積層体を用いるこ
とにより本発明のチャック袋、圧縮収納袋、チャック付
圧縮収納袋を提供することができた。
【0013】すなわち、本発明の第1発明は、(A)密
度0. 86〜0. 94g/cm3 のエチレン・α−オレ
フィン共重合体および/または(B)高圧ラジカル重合
法によるエチレン重合体から選ばれた少なくとも1種の
エチレン系(共)重合体からなる外層と、(C)密度
0. 94〜0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレン1
00〜50重量%と前記(A)および/または(B)成
分の少なくとも1種のエチレン系(共)重合体50重量
%までの樹脂からなる中間層と、(A’)密度0. 86
〜0. 94g/cm3 のエチレンと炭素数6〜12のα
−オレフィンとの共重合体を主成分とするエチレン系
(共)重合体から構成され、かつヒートシール温度が1
20℃以下であるヒートシール層とを少なくとも含む積
層体を提供するものである。
【0014】本発明の第2発明は、(A)密度0. 86
〜0. 94g/cm3 のエチレン・α−オレフィン共重
合体および/または(B)高圧ラジカル重合法によるエ
チレン重合体から選ばれた少なくとも1種のエチレン系
(共)重合体からなる外層と、(C)密度0.94〜
0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレン100〜50
重量%と前記(A)成分および/または(B)成分のエ
チレン系(共)重合体50重量%までの樹脂からなる中
間層と(A’)密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエ
チレンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体
を主成分とするエチレン系(共)重合体から構成され、
かつヒートシール温度が120℃以下であるヒートシー
ル層とを含む積層体からなる袋体の開口部に、雄爪およ
び雌爪を有する熱可塑性樹脂製チャックを形成してなる
ことを特徴とするチャック袋を提供するものである。
【0015】本発明の第3発明は、(A)密度0. 86
〜0. 94g/cm3 のエチレン・α−オレフィン共重
合体および/または(B)高圧ラジカル重合法によるエ
チレン重合体から選ばれた少なくとも1種のエチレン系
(共)重合体からなる外層と、(C)密度0. 94〜
0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレン100〜50
重量%と前記(A)および/または(B)成分の少なく
とも1種のエチレン系(共)重合体50重量%までの樹
脂からなる中間層と、(A’)密度0. 86〜0. 94
g/cm3 のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体を主成分とするエチレン系(共)重合体
から構成され、かつヒートシール温度が120℃以下で
あるヒートシール層とを含む積層体からなる圧縮収納袋
を提供するものである。
【0016】
【作用】本発明の積層体は、(A)密度0. 86〜0.
94g/cm3 のエチレン・α−オレフィン共重合体お
よび/または(B)高圧ラジカル重合法によるエチレン
重合体から選ばれた少なくとも1種のエチレン系(共)
重合体を外層とし、(C)密度0. 94〜0. 97g/
cm3 の高密度ポリエチレンを主体とする中間層に、
(A’)密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエチレン
と炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体を主成
分とするエチレン系(共)重合体から構成され、かつヒ
ートシール温度が120℃以下であるヒートシール層を
少なくとも含む積層体で形成することにより、密度0.
94〜0. 97g/m3 の高密度ポリエチレンを主体と
した樹脂を中間層としているにもかかわらず、予測し得
なかったほどの透明性を備え、かつガスバリヤー性、耐
衝撃性、腰の強さなどを保持し、かつ低温ヒートシール
性に優れた積層体となり、製袋時のヒートシールサイク
ルが短縮され、生産性が大幅に向上し、かつ高速成形性
が向上する。また、このような積層体を用いたチャック
袋および圧縮収納袋は、高速製袋性に優れ、チャック形
成などの生産性が高く、かつこれらの袋は透明性が優
れ、かつガスバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さなども有
してる。
【0017】以下、本発明を図面に基づいてさらに詳述
する。図1は本発明の積層体の一実施例の断面図を示し
たものである。図1において、本発明の積層体1は、
(A)密度0.86〜0.94g/cm3 未満のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体および/または(B)高圧
ラジカル重合法によるエチレン重合体から選ばれた少な
くとも1種のエチレン系(共)重合体からなる樹脂層で
構成された外層2と、(C)密度0.94〜0. 97g
/cm3 の高密度ポリエチレン100〜50重量%と前
記エチレン系(共)重合体50重量%までの樹脂層で構
成された中間層3、および(A’)密度0.86〜0.
94g/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12のα−
オレフィンとの共重合体を主成分とするエチレン系
(共)重合体で構成され、かつヒートシール温度120
℃以下の樹脂層で構成されるヒートシール層4の少なく
とも3層構造からなる積層体である。
【0018】図1において、外層2は積層体1の耐衝撃
性、透明性、成形加工性などを保持させる役割を有する
ものであり、前記(A)成分または(B)成分単独でも
良いが、成形加工性、耐衝撃性などの最もよいパランス
を考慮すると(A)成分および(B)成分の混合組成物
が好ましい。上記外層2の好ましい組合せである(A)
成分と(B)成分の混合組成物の混合割合は、(A)成
分60〜95重量%、(B)成分40〜5重量%、好ま
しくは(A)成分70〜90重量%、(B)成分30〜
10重量%、さらに好ましくは(A)成分75〜90重
量%、(B)成分25〜10重量%の範囲である。前記
(B)成分の配合量が40重量%を超える場合には、成
形加工性と耐衝撃性とのバランスが保てない虞が生じ
る。また、上記外層2の成形加工性を向上させるために
高級脂肪酸またはその金属塩、アミドなどの滑剤を配合
することが望ましい。
【0019】上記(A)密度が0.86〜0. 94g/
cm3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合体とは、
チーグラー系触媒などを用いる高・中・低圧法およびそ
の他の公知の方法によるエチレンと炭素数3〜12のα
−オレフィンとの共重合体で、密度が0.91〜0.9
4g/cm3 未満のLLDPE、密度が0.86〜0.
91g/cm3 未満の超低密度ポリエチレン(以下VL
DPEと称す)、および密度が0.86〜0.91g/
cm3 未満のエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどのエチレン
・α−オレフィン共重合体ゴムを包含する。特にLLD
PEまたはVLDPEにおいては、後述するヒートシー
ル層として用いられる(A’)密度0.86〜0.91
g/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12のα−オレ
フィンとの共重合体も(A)成分に包含されるものであ
る。
【0020】上記チグラー系触媒によるLLDPEと
は、密度が0.91〜0.94g/cm3 未満、好まし
くは0.91〜0.93g/cm3 の範囲のエチレン・
α−オレフィン共重合体であり、MFRが0.05〜3
0g/10分、好ましくは0.1〜20g/分の範囲で
選択される。分子量分布(Mw/Mn)は特に限定はな
いが、3.0〜13、好ましくは3.5〜8の範囲にあ
るのが一般的である。上記LLDPEのコモノマーとし
て用いられるα−オレフィンの炭素数は3〜20であ
り、好ましくは炭素数4〜12、さらに好ましくは6〜
12の範囲であり、具体的には1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙
げられる。MFRが0.05g/10分未満では、成形
性が悪化し、30g/10分を超えるものは耐衝撃性や
ヒートシール強度などが低下する虞を生じる。
【0021】上記チーグラー系触媒によるVLDPE
は、密度が0.86〜0.91g/cm3 未満、好まし
くは0.88〜0.905g/cm3 の範囲のエチレン
・α−オレフィン共重合体であり、MFRは0.01〜
20g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の
範囲で選択される。前記VLDPEは、LLDPEとエ
チレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPD
M)の中間の性状を示すポリエチレンであり、示差走査
熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度(Tm)6
0℃以上、好ましくは、100℃以上、かつ沸騰n−ヘ
キサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチ
レン・α−オレフィン共重合体であり、LLDPEが示
す高結晶部分とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
が示す非結晶部分とを合わせ持つ樹脂であり、前者の特
徴である耐衝撃性、耐熱性などと、後者の特徴であるゴ
ム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存してい
る。
【0022】本発明で用いるエチレン・α−オレフィン
ゴムとは、密度が0.86〜0.91g/cm3 未満の
エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴムなどなどが挙げられ、このエ
チレン・α−オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレ
ンおよびプロピレンを主成分とするランダム共重合体
(EPM)、および第3成分としてジエンモノマー(ジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなど)を
加えたものを主成分とするランダム共重合体(EPD
M)が挙げられる。
【0023】本発明で用いる(B)高圧ラジカル重合法
によるエチレン重合体としては、高圧ラジカル重合法に
よる密度0.91〜0.94g/cm3 のエチレン単独
重合体(低密度ポリエチレン、LDPE)、エチレン−
ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽
和カルボン酸またはその誘導体との共重合体が挙げられ
る。
【0024】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFRが0.05〜30g/10分、好ましくは0.1
〜20g/10分の範囲で選択される。この範囲内であ
れば組成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形
などが容易である。LDPEの密度は0.91〜0.9
4g/cm3 、好ましくは0.912〜0.935g/
cm3 、さらに好ましくは0.912〜0.930g/
cm3 の範囲で選択される。また、分子量分布(Mw/
Mn)は3.0〜12、好ましくは4.0〜8.0であ
る。これらのLDPEの製造は、公知の高圧ラジカル重
合法であり、チューブラー法、オートクレーブ法のいず
れでもよい。
【0025】本発明で用いるチレン・ビニルエステル共
重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造され、エチレン
と、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ま
しいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。
すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエス
テル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量
体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さ
らにビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好ま
しくは5〜15重量%の範囲で選択される。これら共重
合体のMFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは
0.3〜10g/10分の範囲で選択される。
【0026】本発明のエチレンとα、β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体
としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのア
ルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどを
挙げることができる。この中でも特に好ましいものとし
て(メタ)アクリル酸のメチル、エチルなどのアルキル
エステルを挙げることができる。(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%の範囲である。これら共重合体のMFRは、0.1
〜30g/10分、好ましくは0.2〜20g/分で選
択される。
【0027】上記外層の具体的な好ましい組み合わせの
なかでも透明性、成形性、耐衝撃性の点で(A)LLD
PEと(B)LDPEとの混合組成物が最も好ましい。
【0028】図1において、本発明の中間層3は積層体
1の腰の強さと、ガスバリヤー性などの諸物性を保持す
るため、(C)密度0.94〜0.97g/m3 のHD
PEを主成分とする樹脂で構成される。上記中間層3は
HDPE単独でもよいが、好ましくは上記HDPEと、
前記(A)成分および/または(B)成分から選択され
た少なくとも1種のエチレン系(共)重合体との混合組
成物が、上記諸物性をバランスよく満足することから望
ましい。本発明の中間層3を形成する樹脂の混合組成比
は、HDPE95〜60重量%に対して、エチレン系
(共)重合体が5〜40重量%、好ましくはHDPEが
90〜70重量%、エチレン系(共)重合体が10〜3
0重量%の範囲で選択されることが望ましい。上記エチ
レン系(共)重合体の配合量が40重量%を超える場合
には腰の強さ、ガスバリヤー性などの性能が低下する虞
が生じる。
【0029】本発明の中間層3の具体的な好ましい組合
せは、密度が0.95〜0.97g/cm3 のHDPE
と、LLDPE、VLDPE、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体ゴムなどが挙げられるが、積層体1の透明
性、耐衝撃性、腰の強さ、成形安定性などの種々の諸物
性を満足する点からHDPEとVLDPEとの組合わせ
が最も好ましい。
【0030】上記(C)HDPEとは、密度が0.94
〜0.97g/cm3 、好ましくは0.95g/cm3
以上のHDPEであって、具体的には、公知のチーグラ
ー触媒などを用いて、スラリー法、溶液法または気相法
による公知のプロセスにより製造されるエチレン単独重
合体またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン
との共重合体およびそれらの混合物であって、具体的な
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ドデセンなどを挙げることができる。これらの
α−オレフィンのうち特に好ましいのは、炭素数4〜8
のα−オレフィンである。
【0031】本発明のヒートシール層4は、積層体1の
透明性、ヒートシール特性、成形加工性、耐衝撃性など
を保持する役割を担うものである。このヒートシール層
4は、製袋時の高速成形性を維持するために、低温での
ヒートシール強度が高いことおよび透明性を向上させる
効果が求められている。このようなヒートシール層4を
形成する樹脂は、(A’)密度0.86〜0.94g/
cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体を主成分とするエチレン系(共)重合体
であって、かつヒートシール温度が120℃以下である
樹脂層から構成されるものである。
【0032】上記ヒートシール層4は、高速成形性など
を満足するために、(A’)密度0.86〜0.94g
/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体を主成分とする樹脂であって、そのヒ
ートシール温度が120℃以下、好ましくは115℃以
下、さらに好ましくは110℃以下であることが肝要で
あり、(A’)密度0.86〜0.94g/cm3 未満
のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重
合体単独でもよいが、透明性、ヒートシール特性、耐衝
撃性を保持し、さらに成形加工性などを向上させるため
には前記(A)成分および/または(B)成分から選択
される少なくも1種のエチレン系(共)重合体の少量を
配合することが望ましい。これらのエチレン系(共)重
合体の配合量は5〜30重量%の範囲で選択される。配
合量が30重量%を超える場合は透明性、ヒートシール
特性、耐衝撃性などが損なわれる虞が生じる。
【0033】本発明で用いる(A’)密度が0.86〜
0. 94g/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12の
α−オレフィンとの共重合体とは、前記エチレン系
(共)重合体の(A)成分の特定された共重合体であ
る。この(A’)成分は、好ましくは密度0.90〜
0. 94g/cm3 未満、MFRが0.05〜30g/
10分、好ましくは0.1〜10g/10分のエチレン
・α−オレフィン共重合体であって、かつヒートシール
温度が120℃以下、好ましくは115℃以下のものが
望ましい。しかし、本発明で用いるヒートシール層4
は、上述のように(A’)密度0.86〜0. 94g/
cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体単独ではヒートシール温度が120℃以
上である(A’)成分を用いる場合は、(A’)成分に
低融点の他の成分を配合してヒートシール温度を120
℃以下に調整することが肝要でる。
【0034】本発明のヒートシール温度について述べ
る。積層体のヒートシール層に使用される樹脂の単層フ
ィルム(80μm)を作成し、ヒートシール幅を15m
m、長さ80mmの試験片を作成し、ヒートシール時間
として1.0秒、ヒートシール圧力1.5kgf/cm
2 の条件でヒートシールし、ついで引張速度300mm
/minで引張試験を行い、ヒートシール強度(kgf
/cm2 )を求める。次いでシール温度を数点かえてヒ
ートシールを行い、引張試験で上記のようにヒートシー
ル強度を求める。シール温度とヒートシール強度のグラ
フを作成し、ヒートシール強度が500g/15mm幅
となるシール温度を本発明におけるヒートシール温度と
した。
【0035】本発明の積層体は、少なくとも3層構造か
らなる積層体であって、必要により同種、異種の他の熱
可塑性樹脂層を図1における外層2とヒートシール層4
との間に設けても差し支えない。また、外層/中間層/
ヒートシール層の各層の層比については特別な制限はな
く、一般的には0.5/9/0.5〜3/4/3の範囲
で適宜決定すればよい。さらに優れたガスバリヤー性を
有するポリアミド層やエチレン−ビニルアルコール共重
合体層、ポリエステル層や酸変性ポリオレフィンなどの
接着性樹脂からなる接着層を本積層体に付加しても良
い。また、本発明の積層体において、外層の両層がヒー
トシール性を要求する場合には、両層ともヒートシール
層4で形成されていてもよい。
【0036】本発明の積層体の具体的な例示は、A/C
/D、A/B/C/D、A/C/B/D、A+B/C/
D、A+B/C+A/D、A+B/C+A/D+B、A
/C/M/D、A/M/C/D、D/C/D、D+B/
C+A/D+Bなどが挙げられる。(ただし、A:LL
DPEなど、B:LDPEなど、C:HDPEなど、
D:C6以上のα−オレフィンを用いたLLDPE、
M:他の樹脂を示す)
【0037】本発明の積層体の製造方法としては、共押
出法、押出ラミネーション法、サーンドイッチラミネー
ション法、ドライラミネーション法およびこれらの組合
せなどの種々の公知の方法を採用することができる。具
体的には、図1における外層2、中間層3およびヒート
シール層4をそれぞれ別個の押出機で押出し、多層構造
のダイに供給する共押出インフレーション法またはTダ
イ法で成形する方法、予め外層2を成形しておき、中間
層3を溶融押出して外層2と中間層3の押出ラミネーシ
ョンを行い、さらにヒートシール層4を溶融押出しを行
う押出ラミネーション法、予め外層2とヒートシール層
4を成形しておいて、両層の間に中間層3を溶融押出す
るサンドイッチラミネーション法、また、予め外層2、
ヒートシール層4および中間層3をそれぞれ別個に成形
し接着剤などを用いて積層するドライラミネーション法
などが挙げられる。上記外層2、中間層3、ヒートシー
ル層が4予め成形されている場合には、これらの層は一
軸または二軸方向に延伸されていてもよい。
【0038】本発明においては樹脂成分に対して、必要
に応じて酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯
電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、有機あるいは無機フ
ィラー、有機あるいは無機系顔料、造核剤、架橋剤など
の公知の添加剤を、本発明の特性を本質的に阻害しない
範囲で添加することができる。
【0039】本発明の第2発明は、前記積層体からなる
袋体の開口部に、雄爪および雌爪を有する熱可塑性樹脂
製チャックを形成したチャック袋に関するものである。
従来からポリエチレン系樹脂を使用したチャック袋も周
知である。例えば特公昭59−29500公報、特公昭
60−50663公報、特開昭58−171347公
報、特開昭61−203354公報などに開示されたも
のが挙げられる。
【0040】これらのチャック袋は、一般的には単層フ
ィルムで構成され、LDPE、LLDPE、HDPEな
どのポリエチレン系樹脂が用いられている。しかし、L
DPEは透明性に優れるものの、ガスバリヤー性や耐衝
撃性が劣り、腰が弱いという欠点を有している。また、
LLDPEは、ガスバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さが
不十分である。さらに、HDPEは、ガスバリヤー性、
耐衝撃性、腰の強さなどの特性があるものの、透明性が
悪いという問題点を有し、かついずれも低温ヒートシー
ル性が劣り、製袋時などの高速成形性を有する樹脂が要
望されている。本発明は、前記特定の積層体を使用する
ことにより、製袋時やチャックテープの融着時のヒート
シールサイクルの短縮などの高速成形性などの改良をな
したものである。
【0041】すなわち、本第2発明は、(A)密度0.
86〜0. 94g/cm3 未満のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体および/または(B)高圧ラジカル重合法
によるエチレン重合体から選ばれた少なくとも1種のエ
チレン系(共)重合体からなる外層と、(C)密度0.
94〜0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレン(C)
100〜50重量%と前記エチレン系(共)重合体50
重量%までの樹脂からなる中間層と、(A’)密度0.
86〜0. 94g/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜
12のα−オレフィンとの共重合体を主成分とし、かつ
ヒートシール温度が120℃以下であるヒートシール層
とを含む積層体からなる袋体の開口部に、雄爪および雌
爪を有する熱可塑性樹脂製チャックを形成してなること
を特徴とするチャック袋を提供するものである。
【0042】以下図面を参照して本発明を更に詳述す
る。図2は本発明の一例のチャック袋の平面図を示した
ものである。図2に示すごとく本発明のチャック袋は、
袋体5の開口部6の近傍に、雄爪と雌爪を有する熱可塑
性樹脂製チャック7を1〜複数列設けてなるものであ
る。図2において、本発明の袋体5は、図2のA−A切
線で切断した場合に図1と同じ構造の積層フィルム1か
ら構成されている。
【0043】図3は、本発明において用いられる雄爪お
よび雌爪を具備する熱可塑性樹脂製チャックテープの一
例の断面図を示したものである。熱可塑性樹脂製チャッ
クテープ8は、鉤型の雄爪9および雌爪10の少なくと
も1対を1組とする熱可塑性樹脂製チャックが一体的に
成形され、図2に示すように、チャックの気密性をより
向上させるためには袋開口部にチャックを上下1〜複数
列形成してもよく、複数列の場合は雄爪および雌爪それ
ぞれ同方向に並列に配列するか、または雄爪9および雌
爪10が交互に反対位置に配列することもできる。この
ように熱可塑性樹脂製チャックを袋体開口部に形成する
ことにより、袋体内の内容物を包装保存し、さらに必要
なときに内容物を必要量だけ取出し、残りを保存する再
開閉の機能を付与することができる。
【0044】図4は、熱可塑性樹脂製チャックに施した
シール材の施工断面図であって、前記図3で示したチャ
ックテープ8の2組の雄爪(9、9)および雌爪(1
0、10)が交互に反対位置に配列し、嵌合している状
態を示したものであり、雌爪10の内壁にシール材とし
て凸条11を複数本設けたものである。このように複数
の凸条11のシール材を設けることにより、さらに高気
密性を保持することができる。上記シール材はシリコン
ゴムまたは軟質ウレタンゴム、合成ゴムなどの軟質物質
で構成し、複数の凸条11を設けることにより、雄爪が
雌爪と嵌合する際に雄爪の先端が凸条11に密着した状
態となり、気体または液体の内容物に対しても密閉度が
極めて良好となる。
【0045】前記熱可塑性樹脂製チャックを図2におい
て袋体5の開口部6に接着する方法としては、袋体5の
開口部6に予め製造した雄爪9および雌爪10をそれぞ
れ接着剤を用いて接着する方法、袋体5の開口部6にダ
イスから押出した雄爪9および雌爪10を溶融状態で融
合接着する方法および図3に示すように予め雄爪9およ
び雌爪10を形成した熱可塑性樹脂製チャックテープ8
を製造し、このテープ8を袋体5の開口部6に熱融着す
る方法などが挙げられる。本発明では、積層体にチャッ
クを付与するためにこれらの中でも予め雄爪および雌爪
を形成した熱可塑性樹脂製チャックテープを製造し、こ
のテープを袋体5の開口部6に熱融着する方法が最も好
ましい。
【0046】前記熱可塑性樹脂製チャックに用いられる
熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、前記
積層体の内外層と同種の樹脂を用いることが好ましい。
具体的には、高・中・低密度ポリエチレン、LLDP
E、VLDPE、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体などの単独樹脂またはこれ
らの混合物などが挙げられる。また、雄爪および雌爪を
2種以上の硬軟の樹脂で組合わせてもよい。
【0047】前記熱可塑性樹脂製チャックテープを袋体
に接着する際に、雄爪および雌爪を形成したテープの表
面の非融着部となる部分に、予めコロナ放電処理、紫外
線処理、オゾン処理、酸処理または架橋処理などによる
表面処理を施すことにより、チャックテープ同士が融着
しないという効果が付与され、従来使用されている剥離
紙などを省略することができる。上記表面処理は、ぬれ
張力42dyne/cm以上とすることが好ましい。ま
たこれらの表面処理の内では、コロナ放電処理が最も好
ましい。
【0048】本発明の第3発明は、上記チャック袋を使
用した圧縮収納袋であり、(A1)密度0.86〜0.
94g/cm3 未満のエチレン・α−オレフィン共重合
体および/または高圧ラジカル重合法によるエチレン系
(共)重合体から選ばれた少なくとも1種のエチレン系
(共)重合体からなる外層と、(C)密度0.94〜
0.97g/cm3 のHDPE100〜50重量%と前
記エチレン系(共)重合体50重量%までの中間層と、
(A2)密度0.86〜0.94g/cm3 未満のエチ
レンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体を
主成分とし、かつヒートシール温度が120℃以下であ
るヒートシール層とを含む積層体からなる袋体の開口部
に、雄爪および雌爪を有する熱可塑性樹脂製チャックを
形成してなるチャック袋を具備した構成からなり、透明
性を備え、かつガスバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さ、
気密性などを保持した圧縮収納袋である。
【0049】前記圧縮収納袋とは、布団や衣装などの被
包装物を袋に収納し、ついで袋内を真空にして脱気圧縮
し、布団、衣装などの被包装物の防カビ、防菌、防ダニ
や長期保存などを図るために使用する袋である。さらに
保管場所の省スペースを図ることができる特徴を有す
る。
【0050】従来、高い気密性やガスバリヤー性、耐衝
撃性、腰の強さなどが要求される布団収納用包装袋や衣
装袋などの圧縮収納袋は周知である。例えば特開昭53
−21689号公報、特開昭56−13362号公報、
特開昭58−193269号公報、特開平1−1393
46号公報、特開平1−254554号公報、特開平3
−98856号公報、特開平4−114867号公報、
特開平4−142255号公報、特開平4−15455
6号公報、特開平6−24455号公報などが挙げられ
る。
【0051】これら気密性を有する圧縮収納袋などは、
一般的にはポリアミド、ポリエステル、エチレン−酢酸
ビニルけん化物などの高ガスバリヤー性を有する樹脂を
中間層とし、少なくともその内層にポリエチレン系樹脂
などのシール層を設けた積層袋が用いられている。しか
し、これらの高ガスバリヤー性樹脂とポリエチレン系樹
脂とは一般的に接着しないため、高ガスバリヤー性樹脂
とポリエチレン系樹脂との間に接着性樹脂を介在させ
て、共押出成形法、押出しラミネーション法、サンドイ
ッチラミネーション法、ドライラミネーション法などに
より積層する必要があり、設備費、原材料費などの高騰
という経済性の問題や工程の煩雑さなどの問題を有して
いたものである。
【0052】本発明の圧縮収納袋は、適度のガスバリヤ
ー性を有する高密度ポリエチレンを主体とする中間層
に、外層として、好ましくは比較的成形加工性がよく、
耐衝撃性の高いLLDPEを主体とするエチレン系
(共)重合体を積層し、他の外層として、低温ヒートシ
ール性が良好で、ヒートシール強度が高い、特定のエチ
レン・α−オレフィン共重合体からなるヒートシール層
を設けることにより、HDPE単独層の場合より飛躍的
に透明性を向上させることができ、かつ成形加工性、ガ
スバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さなどに優れたものと
なる。また、同種の安価なポリエチレン系樹脂のみで構
成されているので、従来のような接着性樹脂が必要な
く、設備費、原材料費などの高騰という経済性の問題や
工程の煩雑さなどの問題が解消される。他に、本発明の
圧縮収納袋は、開口部にチャックテープをヒートシール
する場合にヒートシールサイクルタイムが短く、生産性
が良好となる利点がある。
【0053】以下図面に基づいて、さらに詳述する。図
5(a)は、従来の布団圧縮収納袋20の一例の平面図
であり、図5(b)は、図5(a)のB−B切線での積
層フィルム(積層体)15の断面図を示し、図5(c)
は、布団圧縮収納袋20を密閉するための一対のリム1
8とバー19の補助具の斜視図を示したものである。
【0054】図5(a),(b),(c)において、収
納袋20は、ポリアミド樹脂などの高ガスバリヤー性樹
脂からなる中間層13と、その両面に酸変性ポリオレフ
ィン樹脂などの接着性樹脂14を介してポリエチレン樹
脂のようなシール用の樹脂12とからなる積層フィルム
15で構成され、開口部16と、袋の底部に設けた逆止
弁を具備した通気管17を有している。
【0055】図6(a),(b)は、通気管17の拡大
断面図であり、図6(a)は、フィルム状の逆止弁21
aを具備した通気管17aを示したものであり、図6
(b)は、弁板状の逆止弁21bを具備した通気管17
bを示したものである(矢印は排気流れ方向を示す)。
【0056】上記収納袋20は次のようにして使用され
る。圧縮収納袋20の開口部16から布団を入れた後、
開口部16を図5(c)に示した一対のリム18とバー
19の密閉補助具でピンチして密閉し、通気管17から
電気掃除機などの吸引機で袋体内部の空気を吸引して脱
気し、内容物を脱気状態下に保存する。
【0057】図7は、本発明の圧縮収納袋一実施例の平
面図である。図7において、圧縮収納袋25の開口部2
6の近傍にチャック28を融着し、袋底部には脱気を行
うための逆止弁を具備した通気管27を有している。こ
の通気管27は、底部に限定されるものではなく、開口
部、側部、開口部側端などに設けてもよい。このような
通気管27を設けることにより袋体内の空気を電気掃除
機などの吸引機で吸引し、袋体を効率的に脱気圧縮し、
内容物を脱気状態下に保存することができる。また、内
容物を収納した収納袋は、前記逆止弁により空気の流入
を防止できる。
【0058】上記本発明の圧縮収納袋の説明において通
気管を設けた実施例を挙げたが、本発明ではこれらに限
定されるものではない。また本発明の圧縮収納袋25
は、開口部26の近傍に複数列のチャック28を設ける
ことにより、容易に再開閉ができ、かつ気密性を保持す
ることができる。特に、チャック内にシール材を設ける
ことによりさらに高気密性が得られ、従来の布団圧縮収
納袋で使用されている図5(c)に示した開口部を密閉
するための一対のリムとバーの補助具が不要となる。
【0059】本発明のチャック袋および圧縮収納袋は、
耐衝撃性に優れ、腰の強い袋体であることから、内容物
の重量や、転倒や圧縮により袋体をゆがめる力がかかる
ことによって熱可塑性樹脂製チャックが容易に離脱する
こともなく、確実な密閉性を確保することができる。ま
た、チャック内にシール材を設けることにより高気密性
を保有させることができ、ガスバリヤー性を有している
ので食品の長期保存用包装、流動体の食品や薬品などの
包装容器、空気に触れると発錆する金属類の包装、防
虫、防黴を目的とした衣類などの包装、また衣類や布団
などを脱気圧縮保存するための圧縮収納袋などに広く用
いることができる。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明の第1の発明の積層体は、
(A)密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエチレン・
α−オレフィン共重合体および/または(B)高圧ラジ
カル重合法によるエチレン重合体から選ばれた少なくと
も1種のエチレン系(共)重合体を外層とし、(C)密
度0. 94〜0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレン
を主体とする中間層に、(A’)密度0. 86〜0. 9
4g/cm3 のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体を主成分とするエチレン系(共)重合
体から構成され、かつヒートシール温度が120℃以下
であるヒートシール層を少なくとも含む積層体で形成さ
れる。密度0.94〜0. 97g/m3 の高密度ポリエ
チレンを主体とした樹脂を中間層としているにもかかわ
らず、予測し得なかったほどの透明性を備え、かつガス
バリヤー性、耐衝撃性、腰の強さなどを保持し、かつ低
温ヒートシール性に優れた積層体となり、製袋時のヒー
トシールサイクルが短縮され、生産性が大幅に向上し、
かつ高速成形性が向上する。
【0061】本発明の第2の発明のチャック袋は、前記
積層体からなる袋体の開口部に、雄爪および雌爪を有す
る熱可塑性樹脂製チャックを形成したものであり、高速
製袋性に優れ、チャック形成などの生産性が高く、透明
性に優れ、かつガスバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さな
ども有してる。
【0062】本発明の第3の発明の圧縮収納袋は、前記
積層体からなる袋体の開口部に、雄爪および雌爪を有す
る熱可塑性樹脂製チャックを形成した上記チャック袋を
使用したものであり、高速製袋性に優れ、チャック形成
などの生産性が高く、透明性を備え、かつガスバリヤー
性、耐衝撃性、腰の強さ、気密性などを保持する。
【0063】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例および比較例において使用する樹脂成分を以
下に示す。 (A)成分 A1:線状低密度ポリエチレン(LLDPE)[密度=0.
922g/cm3 、MFR=0. 9g/10分、コモ
ノマー:1−ブテン(C4 −1)、日本石油化学(株)
製] A2:超低密度ポリエチレン(VLDPE)[密度=0.
900g/cm3 、MFR=0.5g/10分、コモノ
マー:1−ブテン(C4 −1)、日本石油化学(株)
製]
【0064】(B)成分 B1:高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE)
[密度=0. 924g/cm3 、MFR=2. 0g/1
0分、日本石油化学(株)製]
【0065】(C)成分 C1: 高密度ポリエチレン(HDPE)[密度=0. 95
0g/cm3 、MFR=0.9g/10分、日本石油化
学(株)製]
【0066】(A’)成分 A'1: 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)[密度=
0. 922g/cm3 、MFR=0. 5g/10分、コ
モノマー:1−ヘキセン(C6 −1)、日本石油化学
(株)製] A'2: 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)[密度=
0. 919g/cm3 、MFR=1.3g/10分、コ
モノマー:1−オクテン(C8 −1)、日本石油化学
(株)製] A'3: 超低密度ポリエチレン(VLDPE)[密度=0.
900g/cm3 、MFR=1.0g/10分、コモ
ノマー:1−ヘキセン(C6 −1)、日本石油化学
(株)製]
【0067】 (物性試験方法) ヘイズ : ASTM D1003 準拠 クラリテイ : (株)村上色彩研究所のクラリテイ メーター「TMー 1D型」によるフィルムの透過光量 引張弾性率 : JIS K6758 準拠 ダート衝撃強度 : ASTM D1709 〃 酸素透過率 : MOCON法 MOCON法:Modern Controls INC.社製の酸素透過率測定装置(OX−TR AN TWIN)を用いて測定する。 測定条件:25℃、65%RH ASTM D3985−81 JIS K7126 B法 準拠 ヒートシール強度: JIS Z1707に準拠してヒートシール強度を求 め、ヒートシール強度が0.5Kg/15mm巾となる温度。
【0068】[実施例1]密度=0. 950g/cm
3 、MFR=0.9g/10分の(C)HDPEを中間
層用樹脂とし、密度=0. 922g/cm3 、MFR=
0. 5g/10分、コモノマー:1−ヘキセンの(A’
1)LLDPE90重量%と密度=0. 924g/cm
3 、MFR=2.0g/10分の(B1)LDPE10
重量%を外層およびヒートシール層になるように、3種
3層共押出インフレーションフィルム成形機(スクリュ
ー径60mm、L/D=30の単軸押出機3基)を用い
て、押出温度200℃、ブローアップ比2. 0の条件で
フィルムを成形した。積層フィルムの層厚み構成は、中
間層を40μm、外層およびヒートシール層を各20μ
mとした。得られた積層フィルムの物性を測定し、結果
を表1に示した。
【0069】[実施例2〜6]外層、中間層およびヒー
トシール層を表1に示す組成比の積層フィルムとした以
外は実施例1と同様にして積層フィルムを成形した。得
られた積層フィルムの物性を測定し、結果を表1に示し
た。
【0070】[比較例1〜4]外層、中間層およびヒー
トシール層を表2に示す組成比の積層フィルムとした以
外は実施例1と同様にして積層フィルムを成形した。得
られた積層フィルムの物性を測定し、結果を表2に示し
た。
【0071】[実施例7]実施例1の積層体を使用し、
次いで熱可塑性樹脂製チャックの雌爪の内壁に軟質ウレ
タンからなる凸条を3条設けた気密性を有するチャック
テープを開口部に融着したチャック付袋を作成し、評価
した結果、実施例1と同様な結果を示した。
【0072】[実施例8]実施例7で得られた袋体の一
部に逆止弁を備えた通気管を形成して、脱気した状態で
内容物を圧縮保存できる圧縮収納袋を製造した。その圧
縮収納袋を使用して布団を収納し8か月保存したが、ほ
とんど元の圧縮状態を保持していた。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明の積層体は、(A)密度0. 86
〜0. 94g/cm3 のエチレン・α−オレフィン共重
合体および/または(B)高圧ラジカル重合法によるエ
チレン重合体から選ばれた少なくとも1種のエチレン系
(共)重合体を外層とし、(C)密度0. 94〜0. 9
7g/cm3 の高密度ポリエチレンを主体とする中間層
に、(A’)密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエチ
レンと炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体を
主成分とするエチレン系(共)重合体から構成され、か
つヒートシール温度が120℃以下であるヒートシール
層を少なくとも含む積層体で形成することにより、密度
0.94〜0. 97g/m3 の高密度ポリエチレンを主
体とした樹脂を中間層としているにもかかわらず、予測
し得なかったほどの透明性を備え、かつガスバリヤー
性、耐衝撃性、腰の強さなどを保持し、かつ低温ヒート
シール性に優れた積層体が得られた。
【0076】また、このような積層体を用いたチャック
袋および圧縮収納袋は、高速製袋性に優れ、チャック形
成などの生産性が高く、かつこれらの袋は透明性が優
れ、ガスバリヤー性、耐衝撃性、腰の強さ、気密性など
も有してる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層体の一実施例の断面図である。
【図2】 本発明の一例のチャック袋の平面図である。
【図3】 雄爪および雌爪を備えた熱可塑性樹脂製チャ
ックテープの断面図である。
【図4】 雌爪内壁にシール材を入れた嵌合チャックの
断面図である。
【図5】 (a)は従来の布団圧縮収納袋の一例の平面
図であり、(b)は図5(a)のB−B切線での積層フ
ィルムの断面図を示し、(c)は密閉用補助具の斜視図
である。
【図6】 (a)は通気管の拡大断面図であり、(b)
は他の通気管の拡大断面図である。
【図7】 本発明の布団圧縮収納袋の平面図である。
【符号の説明】
1 、15 積層体 2、12 外層 3、13 中間層 4 ヒートシール層 5 袋体(チャック袋) 6、16、26 開口部 7、28 チャック 8 チャックテープ 9 雄爪 10 雌爪 11 凸条シール材 14 接着性樹脂層 17、17a、17b、27 通気管 18 リム 19 バー 20 従来の圧縮収納袋 21a、21b 逆止弁 25 本発明の圧縮収納袋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエ
    チレン・α−オレフィン共重合体(A)および/または
    高圧ラジカル重合法によるエチレン重合体(B)から選
    ばれた少なくとも1種のエチレン系(共)重合体からな
    る外層と、 密度0. 94〜0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレ
    ン(C)100〜50重量%と前記(A)および/また
    は(B)成分の少なくとも1種のエチレン系(共)重合
    体50重量%までの樹脂からなる中間層と、 密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエチレンと炭素数
    6〜12のα−オレフィンとの共重合体(A’)を主成
    分とするエチレン系(共)重合体から構成され、かつヒ
    ートシール温度が120℃以下であるヒートシール層と
    を少なくとも含む積層体。
  2. 【請求項2】 前記ヒートシール層が、チーグラー系触
    媒による密度0.89〜0. 94g/cm3 のエチレン
    と炭素数6〜12のα−オレフィンとの共重合体
    (A’)60〜95重量%と他の(A)成分および/ま
    たは(B)成分の少なくとも1種のエチレン系(共)重
    合体5〜40重量%よりなる組成物とする請求項1に記
    載の積層体。
  3. 【請求項3】 密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエ
    チレン・α−オレフィン共重合体(A)および/または
    高圧ラジカル重合法によるエチレン重合体(B)から選
    ばれた少なくとも1種のエチレン系(共)重合体からな
    る外層と、 密度0.94〜0. 97g/cm3 の高密度ポリエチレ
    ン(C)100〜50重量%と前記(A)成分および/
    または(B)成分のエチレン系(共)重合体50重量%
    までの樹脂からなる中間層と密度0. 86〜0. 94g
    /cm3 のエチレンと炭素数6〜12のα−オレフィン
    との共重合体(A’)を主成分とするエチレン系(共)
    重合体から構成され、かつヒートシール温度が120℃
    以下であるヒートシール層とを含む積層体からなる袋体
    の開口部に、雄爪および雌爪を有する熱可塑性樹脂製チ
    ャックを形成してなることを特徴とするチャック袋。
  4. 【請求項4】 密度0. 86〜0. 94g/cm3 のエ
    チレン・α−オレフィン共重合体(A)および/または
    高圧ラジカル重合法によるエチレン重合体(B)から選
    ばれた少なくとも1種のエチレン系(共)重合体からな
    る外層と密度0.94〜0. 97g/cm3 の高密度ポ
    リエチレン(C)100〜50重量%と前記(A)成分
    および/または(B)成分のエチレン系(共)重合体5
    0重量%までの樹脂からなる中間層と密度0. 86〜
    0. 94g/cm3 未満のエチレンと炭素数6〜12の
    α−オレフィンとの共重合体(A’)を主成分とするエ
    チレン系(共)重合体から構成され、かつヒートシール
    温度が120℃以下であるヒートシール層とを含む積層
    体からなる圧縮収納袋。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の圧縮収納袋体の開口部
    に、雄爪および雌爪を有する熱可塑性樹脂製チャックを
    形成してなることを特徴とする圧縮収納袋。
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