JPH09251007A - プレス加工用金型の劣化度評価方法及び評価装置 - Google Patents

プレス加工用金型の劣化度評価方法及び評価装置

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JPH09251007A
JPH09251007A JP8087508A JP8750896A JPH09251007A JP H09251007 A JPH09251007 A JP H09251007A JP 8087508 A JP8087508 A JP 8087508A JP 8750896 A JP8750896 A JP 8750896A JP H09251007 A JPH09251007 A JP H09251007A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス加工機を動作させた状態でリアルタイ
ムにパンチ等の金型の劣化度を評価する事の可能なプレ
ス加工用金型の劣化度評価方法及びその評価装置を提供
する。 【解決手段】 少なくとも一対の金型を材料に圧接する
ことによりこの材料のせん断又は曲げを伴うプレス加工
を行う場合における金型の劣化度を材料の変形時に生じ
る音響信号Pをもって評価する。この場合、音響信号P
の振幅・分布幅Tw・面積Aが大きくなるに従って金型
がより劣化していると評価する。金型の正常時にサンプ
リングした音響信号Pをアベレージングすることにより
得られる基準波形と音響信号Pのうちの測定対象波形と
を比較し、測定対象波形が基準波形を所定値以上越える
場合に、金型が取り替え時期に達したと評価してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンチやダイ等よ
りなる少なくとも一対の金型を材料に圧接することによ
り、この材料のせん断又は曲げを伴うプレス加工を行う
場合において、この金型の劣化度を評価するためのプレ
ス加工用金型の劣化度評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述の如きプレス加工を行うに際し、金
型が長時間の使用により劣化すると、加工品に生じるか
えりやだれが大きくなり、加工品が欠陥品となる。加工
品の品質を維持するためには、パンチ等や製品の目視に
よりパンチ等の劣化度を評価することも考えられるが、
かかる方法では欠陥品の発生を未然に防止することはで
きない。よって、従来では、欠陥品の発生を未然防止す
るために、余裕を持って使用限界以前にパンチ等を取り
替える他なかった。さらに、突発的に発生するパンチの
折損やチッピング等を検出できなかった。
【0003】しかし、パンチ等の研磨には費用がかさ
み、しかも複数本のパンチを含む金型にあっては、折損
等により一部取り替えられることもあるため、余裕を持
って使用限界以前にパンチ等を交換するのは不経済であ
り且つその管理が煩雑であった。また、パンチ等の折損
を直ちに発見できずに、不良品を製造しつづけるといっ
た事態も生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の技術に鑑
みて、本発明は、プレス加工機を動作させた状態でリア
ルタイムにパンチ等の金型の劣化度を評価する事の可能
なプレス加工用金型の劣化度評価方法及びその評価装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の特徴は、少なくとも一対の金型を材料に圧
接することによりこの材料のせん断又は曲げを伴うプレ
ス加工において、少なくとも前記材料の変形時に生じる
時に生じる音響信号をもって前記金型の劣化度を評価す
ることにある。「少なくとも前記材料の変形時」とは、
金型が材料に接当した後に材料がせん断されるまでの時
点を少なくとも含む意である。
【0006】かかる評価のより具体的な方法としては、
前記音響信号の振幅、分布幅又は面積が大きくなるに従
って前記金型がより劣化していると評価する方法があ
る。
【0007】ここで図5は、プレス加工機により抜き加
工を行う際において、音響信号の振幅を代表する値の一
つである音響信号の最大値と、加工数との相関を示すグ
ラフである。同図に示すように、発明者らの実験によれ
ば、パンチ等の劣化度を示す加工数と音響信号の振幅と
の間に相関があり、音響信号の振幅をもってパンチ等の
劣化度を推定することが可能であることが判明した。図
4のうち、(a)は使用当初のパンチを、(b)は交換
時期に達したパンチをそれぞれ使用して得られたフィル
タリング及び検波後の音響信号の波形を示すグラフであ
る。同図から、音響信号の振幅が大きくなるにつれて音
響信号の分布幅や面積も増大することが理解され、音響
信号の分布幅や面積によっても金型の劣化度を評価可能
であるという結論を得た。
【0008】また、評価のより具体的な他の方法として
は、前記金型の正常時にサンプリングした前記音響信号
をアベレージングすることにより得られる基準波形と、
前記音響信号のうちの測定対象波形とを比較し、前記測
定対象波形が前記基準波形を所定値以上越える場合に前
記金型が取り替え時期に達したと評価する方法もある。
【0009】ここに、基準波形と測定対象波形とを比較
するにあたっては、基準波形に所定のバッファ値をあら
かじめ加えた波形と測定対象波形とを比較する他、基準
波形と測定対象波形からあらかじめ所定のバッファ値を
減じた波形とを比較してもよい。ここにいう「所定値」
とは、当該プレス加工方法により得られる加工品の仕上
がり精度により適宜定められる値を意味する。
【0010】さらに、前記音響信号の振幅が前記金型の
飽和音響信号レベルを少なくとも越える場合に、前記金
型が折損又は欠落していると評価する方法もある。
【0011】上述の図5によれば、パンチ等の加工数が
ある値を越えると、音響信号は飽和域に達してその増大
が停止する。よって、かかる飽和音響信号レベルを測定
した音響信号が越える場合には、パンチ等が折損等して
いると判断することが可能となる。「少なくとも越える
場合」とは、飽和音響信号レベルに所望のバッファ値を
加えた値を越える場合をも含む意である。
【0012】一方、本発明にかかるプレス加工用金型の
劣化度評価装置の特徴は、前記音響信号を受信するため
のセンサと、前記金型同士の近接状態を検出する近接検
出手段と、この近接検出手段に連動して前記センサによ
る受信信号のうち前記材料の変形時に生じる音響信号を
検出するゲートタイマと、比較用の基準値を記憶するメ
モリ手段と、前記ゲートタイマにより検出された前記音
響信号から抽出された特徴量と前記基準値とを比較する
比較手段と、この比較手段により前記特徴量が前記基準
値を越える場合に前記金型が取り替え時期に達した旨を
知らせる警報手段とを備えていることにある。
【0013】ここに、「近接検出手段」は例えば金型等
に近接センサを取り付けて構成することができる。ま
た、「特徴量」とは、音響信号の振幅、分布幅又は面積
等をいい、「基準値」とは定数の他、上述の如くアベレ
ージングにより得られた基準波形をも含む意である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図5を参照しなが
ら、本発明の第一の実施形態を説明する。図1は、本発
明にかかる評価方法の実施対象となる抜き加工用プレス
加工機の概略断面図である。本発明は、厳密な製品の品
質管理を要求されるICリードフレームの切断時におけ
るパンチ等の劣化や折損を検出する場合に特に好適に実
施可能である。図1に示すプレス加工機1は、材料Sの
プレス加工の内、材料Sのせん断をともなう抜き加工を
行う装置である。このプレス加工機1の金型は、パンチ
2及びダイ3を備えており、パンチ2はパンチホルダ5
に支持されて上下移動を行う。パンチホルダ5の下部に
は材料Sを押さえつけるためのストリッパ6及びスプリ
ング7を設けてある。また、パンチホルダ5の側部に
は、上記材料Sのせん断を含む変形時に生じる音響信号
を受信するためのAEセンサ11を取り付けてある。こ
のAEセンサ11は、パンチホルダ5のみならずダイ3
の側や他の部分に取り付けることも可能であるが、本実
施形態ではパンチ2の劣化を評価し易くするためにパン
チ2の側にこのAEセンサ11を取り付けてある。な
お、図示省略するが、パンチ2はほぼ同様のものを複数
本並列に紙面垂直方向に並べてあり、そのうちの1本に
異常をきたした場合でも、本発明によれば確実にその兆
候を評価することが可能となる。
【0015】ダイ3の側部には、センサホルダ16を介
して光電式又は磁気式の近接センサ15を取り付けてあ
り、この近接センサ15を作動させるための近接片17
をストリッパ6の側部に近接センサ15に対向させる状
態で取り付けある。この近接センサ15は、金型同士、
すなわちパンチ2及びダイ3の近接状態を検出する近接
検出手段として機能する。この近接センサ15は、パン
チ2及びダイ3に材料Sが挟まれてせん断に至るまでの
過程を含む変形時の音響信号を検出する後述するゲート
タイマのトリガーとなる。また、近接片17をストリッ
パ6に取り付けることによって材料Sとストリッパ6と
の間の異物の噛み込を検出することも同時に可能である
が、ゲートタイマをより精度よく作動させるためには、
近接片17をパンチホルダ5の側に取り付けても構わな
い。
【0016】次に、図1(a)〜(c)と図4(a)を
比較しつつ、抜き加工の工程とAEセンサ11により受
信される音響信号との関係について説明する。図4
(a)の内第一の信号群Q1は、図1(b)の如く材料
Sにストリッパ6が接当する際に発生する信号であり、
図1(c)に示す第二の信号群Pは材料Sの変形時に生
じる音響信号すなわち、材料Sのせん断にともなう音響
信号である。さらに、第三の信号群Q2は抜き加工後に
材料Sからストリッパ6が離れるときの音響信号であ
る。本実施形態では、これらの音響信号の内、第二群の
音響信号を測定対象とする。よって、先の近接センサ1
5及び近接片17の一定距離以上の近接をトリガーとし
て時間T0よりゲートタイマを作動させ、Q1,Q2を
含まずPを含む検出時間T1〜T2間で音響信号の検出
を行う。
【0017】図4(b)は、交換時期を越える劣化した
パンチを使用して抜き加工を行う際の音響信号を示すグ
ラフである。同図に示す通り、第二群の測定対象波形P
の振幅が増大すると共に、その信号の分布幅も増大して
いる。また、検出時間T1〜T2間における信号Pを積
分した波形面積Aもこれにともなって増大している。発
明者らの実験によれば、加工数が増えてパンチが劣化す
るにともなって、音響信号Pの振幅の最大値、分布幅及
び波形面積等の特徴量が増大することが確認されてい
る。
【0018】図5は、加工数と検出時間T1〜T2間に
おける音響信号の最大値との関係を例示するグラフであ
る。本例では、音響信号の振幅が2.0ボルトを越える
近辺で不良品が発生することが目視検査で判明し、かか
る値に音響信号の振幅しきい値Lを定めている。また、
音響信号Pの分布幅は、ノイズに埋没しない程度のしき
い値Nを検出時間T1〜T2間で最初に越える時点と最
後に下回る時点の時間差である分布時間幅Twを求め、
このTwが所定の分布基準値Wを越える場合に交換時期
に達したと評価することもできる。さらに、先の波形面
積Aが所定の基準面積値aを越える場合も交換時期に達
していると評価することができる。
【0019】図5に示すように、パンチは加工限界に達
すると、材料Sの変形時に生じる音響信号の最大値の増
大が飽和する。少なくともこの飽和音響信号レベルmを
越える場合には、パンチの折損が生じていると判断する
ことができる。図4(c)はパンチの折損により発生す
る音響信号Pを示し、飽和音響信号レベルmにバッファ
値を加えた折損しきい値Mを越えるか否かで折損の旨を
判定すれば、外乱をバッファ値で吸収できる。
【0020】図2は、本実施形態に使用する評価装置の
ブロック図である。AEセンサ11により受信された音
響信号は、フィルタ部20を介してフィルタリング及び
検波された後パーソナルコンピュータ30に処理され
る。警報手段40は、音響信号の波形及び金型の評価結
果を表示するディスプレイ41と、金型が交換時期に達
した場合や折損した場合に警報音を発生する警報装置4
2とを備えている。フィルタ部20は、AEセンサ11
により受信された音響信号を増幅するためのプリアンプ
21及びノイズ除去用のハイパスフィルタ22,ローパ
スフィルタ23と正の信号を取り出すための検波回路2
4とを備えている。感度調整アンプ18は、近接センサ
15と近接片17が一定距離以上近づいた場合に、ゲー
トタイマ37に対してトリガー用の信号を送出する。
【0021】図2及び図3を参照しつつ、パーソナルコ
ンピュータ30における処理手順を説明する。ストリッ
パ6が材料Sに所定距離以上接近すると近接センサが作
動し(ステップS1)、これにともなってゲートタイマ
37が作動する(ステップS2)。フィルタ部20から
の音響信号は、A/Dコンバータ31によりデジタル信
号に変換され経路32、幅計測タイマ33または積分手
段34を介して比較手段35に送られる。
【0022】経路32を介しての比較手段35における
処理は、フローチャートにおけるステップS3〜S6に
従い、ゲートタイマ37により設定される検出時間T1
〜T2間の音響信号Pの絶対値と、パラメータ入力部3
8を介して入力されメモリ手段36に記憶されている振
幅しきい値Lとの比較が行われる。音響信号Pに振幅し
きい値Lを越える部分がある場合には(ステップS
4)、音響信号Pに折損しきい値Mを越える部分がある
か否かが判断される(ステップS5)。音響信号に折損
しきい値Mを越える部分がある場合には、プレス加工機
が直ちに停止される(ステップS6)。ステップS4に
おいてNoの場合はステップS14が、ステップS5に
おいてNoの場合にはステップS11が実施される。
【0023】幅計測タイマ33を介しての比較手段35
における処理は、ステップS7〜S10に従い、先と同
様に検出時間T1〜T2間で先の図4(b)における低
いしきい値Nと測定対象波形Pとが交わる前端と後端を
求める(ステップS7、S8)。そしてこれら前端と後
端の差である分布時間幅Twを求め(ステップS9)、
比較手段35において分布時間幅Twが分布基準値Wを
越えているか否かが判断される。TwがWを越える場合
にはステップS11に進み、越えない場合にはステップ
S14に進む(ステップS10)。
【0024】積分手段34を介しての比較手段35にお
ける処理は、検出時間T1〜T2間で音響信号Pの波形
面積Aを求め(ステップS12)、波形面積Aが基準面
積値aより大きいか否かが判断される(ステップS1
3)。Aがaより大きい場合はステップS11が行わ
れ、そうでない場合はステップS14が実施される。
【0025】本実施形態では、検出時間T1〜T2間に
おいて、音響信号Pの特徴量である最大値、分布幅Tw
又は波形面積Aのうち少なくとも一つが所定の各基準値
L,W,a,Mを超える場合に、パンチ交換を交換すべ
き旨の警報が警報手段40より発せられる。よって、複
数の特徴量の判断が相互補完しあい、パンチ劣化の兆候
を捉えやすくなる。警報等が発生されない場合には(ス
テップS14)、ディスプレイ41を介してパンチが正
常である旨が表示される(ステップS15)。
【0026】なお、ステップS14におけるパンチ交換
の警報を上記特徴量の内、少なくとも二つ以上が基準値
を超える場合にのみ警報を発生するように構成すること
も可能である。かかる構成によれば、環境ノイズによる
外乱を受け難くなる。また、ステップS4、S5、S1
0、S13における判断はいずれも測定対象信号Pを複
数回アベレージングして得られる特徴量を用いて行うこ
とももちろん可能である。
【0027】次に図6〜図9を参照しながら本発明の第
二の実施形態について説明する。本実施形態では、測定
対象信号が定数ではなく時間関数として表現される基準
波形を越えるか否かをもって金型の劣化度を評価する。
ここに、図6における基準信号Rは上記パンチ2,ダイ
3の正常時にサンプリングした音響信号を上述の検出時
間T1〜T2間でアベレージングすることにより得られ
た信号に適当な所定のバッファ値、本例では0.5ボル
トを加えたものである。同図に示す基準信号Rは、パン
チ2の正常時に発生する音響信号Pが複数ピークを有す
る場合もあるために若干幅広の信号となっている。本実
施形態では、測定対象波形Pが基準波形Rを超える部分
がある場合に、パンチが交換時期に達したものと評価す
る。本実施形態は、パンチの先端に傾斜を付与した場合
や、高さの異なる複数本のパンチを用いた場合等、特に
材料の変形時が比較的広い時間幅を有する場合に、その
劣化を正確に評価することができる。
【0028】本実施形態に用いられる評価装置の内、A
Eセンサ11,フィルタ部20,警報手段40,近接セ
ンサ15等は、上述の第一形態におけるものとほぼ同様
であるが、パーソナルコンピュータ30の構成が一部異
なっている。
【0029】同図及び図8を参照しつつ、基準信号を求
める手順について説明する。あらかじめパラメータ入力
部38を介してアベレージング回数Xやバッファ値等の
パラメーターを入力しておく(ステップS21)。AE
センサ11により受信された信号は、A/Dコンバータ
31を介してアベレージング手段39に送られる。アベ
レージング手段39に含まれるカウンタがリセットされ
(ステップS22)、ステップS23〜S27のアベレ
ージングのためのループが入力されたX回繰り返され
る。すなわち、近接センサの作動(ステップS23)に
ともなって、ゲートタイマ37が作動し(ステップS2
4)、検出時間T1〜T2間で信号の加算平均が行われ
る(ステップS25)。カウンタnに1が加えられ(ス
テップS26)、アベレージングがX回行われたか否か
が評価される(ステップS27)。アベレージングが所
定回数行われた場合には、入力済みのバッファ値が時間
関数としての信号に一様に加えられて基準波形が生成さ
れ(ステップ28)、メモリ手段36に記憶される(ス
テップS29)。
【0030】次いで、図7及び図9を参照しつつ、本実
施形態の評価手順について説明する。上述した如く近接
センサ15の作動(ステップS31)にともなってゲー
トタイマ37が作動し(ステップS32)、基準波形R
がメモリ手段36より呼び出される(ステップS3
3)。経路32を介して比較手段35に受信信号が送出
される一方、メモリ手段36から基準波形Rが呼び出さ
れ(ステップ33)、検出時間T1〜T2間で測定波形
対象Pと基準波形Rとが比較される(ステップ34)。
測定対象波形Pに基準波形Rを超える部分があるか否か
(ステップS35)、及び測定対象波形Pに折損基準値
Mを越える部分があるか否かが判断される(ステップS
36)。PにMを越える部分がある場合には、プレス加
工機が直ちに停止され(ステップS37)、PがMを越
えない場合にはパンチ交換の警報が警報手段40により
発生する(ステップS38)。測定対象波形Pが基準波
形Rを越えない場合には(ステップS35)パンチ正常
の旨がディスプレイ41に表示されることとなる(ステ
ップS39)。
【0031】さらに、本発明の他の実施形態の可能性に
ついて列挙する。上記各形態ではパンチ2の磨耗による
劣化を評価したが、ダイ3の磨耗による劣化を評価する
ことももちろん可能である。また、金型はパンチ2及び
ダイ3による抜き加工の他、材料の切断加工、シェービ
ング加工、切り起こし加工等、材料のせん断をともなう
あらゆるプレス加工に実施することが可能である。ま
た、上記実施例では材料Sに鋼板を用いたが、鋼板以外
の金属板の他樹脂材料等のプレス加工にも本発明は適応
の可能性がある。
【0032】第二の実施形態では、先の音響信号の内第
一群Q1、及び第三群の信号Q2を含まないようにした
が、これら第一第三群の信号を含む波形を用いて基準波
形及び測定対象波形を生成してもよい。但し、スプリン
グのきしみ等の不確定要素を排除できるする点におい
て、上記各実施例の如く検出時間T1〜T2を限定する
ことが望ましい。
【0033】本発明は劣化度評価方法として表現されて
いるが、加工対象となる材料自体に亀裂等を生じた場合
にもその信号を検出し、不良品の発生を検知することも
可能である。
【0034】なお、特許請求の範囲の項に記した符号
は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものに
すぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定さ
れるものではない。
【0035】
【発明の効果】このように、本発明にかかるプレス加工
用金型の劣化度評価方法及びその評価装置によれば、少
なくとも材料の変形時に生じる音響信号をもって評価を
行うのでパンチ等の金型の劣化度をリアルタイムで評価
することができ、しかも金型がパンチ等を複数本含むよ
うな複雑なものであっても目視では発見し難いその一部
の劣化についても確実に捕捉して評価することが可能と
なった。
【0036】また、基準波形と測定対象波形とを比較す
ることで、金型が材料に複数回分かれて接当する等、特
に材料の変形時が比較的広い時間幅を有する場合にも、
その劣化をより正確に評価することが可能となった。
【0037】さらに、近接手段及びこれに連動するゲー
トタイマを用いた場合には、材料の変形時に生じる音響
信号に可能な限り限定して音響信号をサンプリングでき
外乱の要素を排除することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス加工機による抜き加工の工程を示し
(a)は材料に対するストリッパの接当前、(b)は材
料に対するストリッパーの接当後、(c)は抜き加工終
了後の状態をそれぞれ示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかる評価装置の第一の実施形態を示
すブロック図である。
【図3】図2の評価装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図4】図1のプレス加工機による抜き加工の1サイク
ル分のフィルタリング及び検波後の音響信号を示すグラ
フであり、(a)は正常なパンチ使用時、(b)は交換
時期に達したパンチの使用時、(c)はパンチの少なく
とも一つが折れているパンチの使用時をそれぞれ示す。
【図5】加工数と音響信号の最大振幅との関係を示すグ
ラフである。
【図6】本発明の第二の実施形態における基準波形と測
定対象波形との関係を示す図である。
【図7】第二の実施形態における上記図2相当図であ
る。
【図8】第二の実施形態における基準波形の生成手順を
示すフローチャートである。
【図9】図7の評価装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 プレス加工機 2 パンチ(金型) 3 ダイ(金型) 5 パンチホルダ 6 ストリッパ 7 スプリング 11 AEセンサ 15 近接センサ 16 センサホルダ 17 近接片 18 感度調整アンプ 20 フィルタ部 21 プリアンプ 22 ハイパスフィルタ 23 ローパスフィルタ 24 検波回路 30 パーソナルコンピュータ 31 A/Dコンバータ 32 経路 33 幅計測タイマ 34 積分手段 35 比較手段 36 メモリ手段 37 ゲートタイマ 38 パラメータ入力部 39 アベレージング手段 40 警報手段 41 ディスプレイ 42 警報機 S 材料 P 測定対象波形(音響信号) R 基準波形 L 振幅しきい値 M 折損しきい値 Tw 分布時間幅 W 分布基準値 A 波形面積 a 基準面積値
フロントページの続き (72)発明者 米倉 顯 大阪市此花区島屋4丁目4番3号 株式会 社米倉製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の金型(2,3)を材料
    (S)に圧接することによりこの材料(S)のせん断又
    は曲げを伴うプレス加工を行う場合における前記金型
    (2,3)の劣化度を評価するためのプレス加工用金型
    の劣化度評価方法であって、少なくとも前記材料(S)
    の変形時に生じる音響信号(P)をもって前記金型
    (2,3)の劣化度を評価するプレス加工用金型の劣化
    度評価方法。
  2. 【請求項2】 前記音響信号(P)の振幅が大きくなる
    に従って前記金型(2,3)がより劣化していると評価
    する請求項1記載のプレス加工用金型の劣化度評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記音響信号(P)の分布幅が大きくな
    るに従って前記金型(2,3)がより劣化していると評
    価する請求項1又は2に記載のプレス加工用金型の劣化
    度評価方法。
  4. 【請求項4】 前記音響信号(P)の面積が大きくなる
    に従って前記金型(2,3)がより劣化していると評価
    する請求項1〜3のいずれかに記載のプレス加工用金型
    の劣化度評価方法。
  5. 【請求項5】 前記金型(2,3)の正常時にサンプリ
    ングした前記音響信号をアベレージングすることにより
    得られる基準波形(R)と、前記音響信号のうちの測定
    対象波形(P)とを比較し、前記測定対象波形(P)が
    前記基準波形(R)を所定値以上越える場合に前記金型
    (2,3)が取り替え時期に達したと評価する請求項1
    記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
  6. 【請求項6】 前記音響信号(P)の振幅が前記金型
    (2,3)の飽和音響信号レベルを少なくとも越える場
    合に、前記金型が折損又は欠落していると評価する請求
    項1〜5のいずれかに記載のプレス加工用金型の劣化度
    評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のプレス
    加工用金型の劣化度評価方法に用いられるプレス加工用
    金型の劣化度評価装置であって、前記音響信号を受信す
    るためのセンサ(11)と、前記金型(2,3)同士の
    近接状態を検出する近接検出手段(15)と、この近接
    検出手段(15)に連動して前記センサ(11)による
    受信信号のうち前記材料(S)の変形時に生じる音響信
    号(P)を検出するゲートタイマ(37)と、比較用の
    基準値(L,W,a,R)を記憶するメモリ手段(3
    6)と、前記ゲートタイマ(37)により検出された前
    記音響信号(P)から抽出された特徴量(P,Tw,
    A)と前記基準値(L,W,a,R)とを比較する比較
    手段(35)と、この比較手段(35)により前記特徴
    量(P,Tw,A)が前記基準値(L,W,a,R)を
    越える場合に前記金型(2,3)が取り替え時期に達し
    た旨を知らせる警報手段(40)とを備えているプレス
    加工用金型の劣化度評価装置。
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