JPH09255307A - 塩酸水溶液の製造方法 - Google Patents

塩酸水溶液の製造方法

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JPH09255307A
JPH09255307A JP8061098A JP6109896A JPH09255307A JP H09255307 A JPH09255307 A JP H09255307A JP 8061098 A JP8061098 A JP 8061098A JP 6109896 A JP6109896 A JP 6109896A JP H09255307 A JPH09255307 A JP H09255307A
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忠夫 伊藤
Masaharu Yamauchi
正晴 山内
Masayuki Moriwaki
正之 森脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロピレンの塩素化によりアリルクロライドを
製造する工程において、副生塩化水素及び未反応プロピ
レンを主成分とする混合ガスより高純度の塩酸水溶液を
簡易な手段で製造する方法を提供する。 【解決手段】プロピレンの塩素化によりアリルクロライ
ドを製造する工程より得られる、副生塩化水素及び未反
応プロピレンを主成分とする混合ガスを、好ましくは、
50℃以下の温度で塩化水素の濃度が20重量%以下と
なる条件下で水と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンの塩素
化によりアリルクロライドを製造する工程において、副
生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガ
スより塩酸水溶液を製造するための新規な製造方法に関
する。詳しくは、該混合ガスより、高純度の塩酸水溶液
を簡易な手段で製造する方法である。
【0002】
【従来の技術】アリルクロライドの製造方法として、プ
ロピレンと塩素ガスとを気相で接触させ、下記の反応に
よってアリルクロライドを生成させる方法が一般に行わ
れている。
【0003】 C36 + Cl2 → C35Cl + HCl 上記反応においては、反応生成物に原料の塩素が残留す
ることによる危険性、腐食の影響等を防止するため、一
般に、プロピレンを過剰に供給して反応が行われる。そ
れ故、反応生成物中には、該原料プロピレンが含有され
る。
【0004】上記反応により得られた反応生成物は、生
成するアリルクロライドと副生する塩化水素及び過剰に
供給されたプロピレンより主としてなるため、蒸留によ
って塩化水素とプロピレンを分離除去してアリルクロラ
イドを得る。
【0005】従来、かかる蒸留によってプロピレンと共
に分離除去された塩化水素は、水と接触させて該水に吸
収せしめ、塩酸水溶液の製造に利用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によって製造された塩酸水溶液は、続いて、エアレ
ーションなどの手段により、含有される有機塩化物等の
揮発成分を除去して精製されるが、塩化水素に同伴され
るプロピレンの一部が水と反応してイソプロピルアルコ
ール(IPA)を生成し、このIPAが上記精製後も残
存するという問題を有する。そして、該IPAは、塩酸
水溶液の品質検査において、CODとして検出され、該
塩酸水溶液の製品としての価値を著しく低減させてい
た。
【0007】この問題を解決する手段として、上記IP
Aを含む塩酸水溶液を蒸留してIPAを除去する方法
や、塩化水素とプロピレンとの混合ガスよりプロピレン
を分離除去した後、塩化水素を水と接触させる方法など
が考えられる。しかし、上記のIPAを含む塩酸水溶液
の蒸留は、IPAの濃度を十分に低くすることが困難で
あり、また、塩化水素をプロピレンと蒸留分離する方法
は、高圧を必要とし、特殊な高圧化設備や蒸留設備を必
要とするばかりでなく、エネルギーコストも極めてかか
るという問題を有する。
【0008】従って、IPAの含有量が低い塩酸水溶液
を簡易な手段により製造する方法の開発が望まれてい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、塩化水
素とプロピレンとの混合ガスを水と接触させて得られる
塩酸水溶液の塩酸濃度を特定の範囲に調整することによ
り、IPAの生成が著しく低下し、極めて高純度の塩酸
水溶液が簡易に得られることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】即ち、本発明は、プロピレンの塩素化によ
りアリルクロライドを製造する工程より得られる、副生
塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とする混合ガス
を、溶解した塩化水素の濃度が20重量%以下となる条
件下で水と接触させることを特徴とする塩酸水溶液の製
造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、副生塩化水素及
び未反応プロピレンを主成分とする混合ガスは、プロピ
レンの塩素化によりアリルクロライドを製造する公知の
工程より得られるものが特に制限なく使用される。
【0012】アリルクロライドを製造する工程は、プロ
ピレンと塩素ガスとを450〜500℃の高温下、0.
5〜1.0kg/cm2程度の圧力下に、気相反応させ
る方法が一般的である。この場合、生成するアリルクロ
ライド中への塩素の混入を避けるため、原料のプロピレ
ンは、塩素1モルに対して、3〜4モルの過剰量使用さ
れる。
【0013】従って、上記反応によって得られる反応生
成物は、アリルクロライドと副生塩化水素及び未反応プ
ロピレンを主成分とし、該反応生成物より、アリルクロ
ライドを蒸留により分離することにより、本発明の原料
となる副生塩化水素及び未反応プロピレンを主成分とす
る混合ガスを得ることができる。
【0014】かかる混合ガスは、通常、副生塩化水素と
との合計を100容量%としたとき、副生塩化水素
を19〜24容量%、未反応プロピレンを76〜81容
量%の割合で含有する。また、場合によっては、これに
反応で副生する少量のプロパンを更に含有する。
【0015】本発明の特徴は、上記混合ガスを水と接触
させて、副生塩化水素を水に吸収させ、塩酸水溶液を製
造する際、該塩酸水溶液の濃度が20重量%以下、好ま
しくは、15重量%以下となる条件下で上記混合ガスと
水との接触を行う点にある。
【0016】尚、該混合ガスと接触させる水は、塩化水
素を溶解していない水に限らず、上記の濃度範囲内で塩
化水素を溶解し得る塩酸水溶液をも含むものである。
【0017】即ち、本発明者らは、得られる塩酸水溶液
の濃度と含有されるIPAの濃度との関係についての研
究を重ねた結果、驚くべきことに、塩酸水溶液の濃度が
20重量%以下では、混合ガスと水との接触によるIP
Aの生成が著しく低減され、得られる塩酸水溶液中のI
PA濃度を10ppm以下にまで低減し得ることを見い
出したのである。
【0018】従って、得られる塩酸水溶液の濃度が20
重量%を越える条件で混合ガスと水との接触を行った場
合には、IPA濃度が急激に上昇し、本発明の目的を達
成することができない。
【0019】前記混合ガスと水との接触方法は、特に制
限されない。一般には、公知の吸収塔、例えば、向流接
触方式の充填塔を使用した方法が好適である。また、上
記塩酸水溶液の濃度を20重量%以下に制御する方法
は、公知の濃度検出器を使用して行うことができる。
【0020】また、本発明において、得られる塩酸水溶
液の濃度を制御することに加えて、混合ガスと水との接
触時の温度を45℃以下、好ましくは、30〜40℃に
制御することは、IPAの生成防止に相乗的に作用し、
好適である。
【0021】更に、本発明において、得られる塩酸水溶
液は、20重量%以下の濃度で得られるため、必要に応
じて、濃度を上げることも可能である。濃度を上昇させ
る代表的な方法を例示すれば、該塩酸水溶液を水素と塩
素との反応によって得られる塩化水素(合成塩化水素)
を水又は水溶液に吸収させる、合成塩酸塔に供給する方
法が挙げられる。かかる方法によれば、塩酸水溶液の純
度を低下させることなく、高濃度の塩酸水溶液を得るこ
とが可能である。
【0022】上記合成塩酸塔としては、公知の構造のも
のが特に制限なく使用され、公知の条件で塩酸水溶液に
塩化水素を吸収させることができる。
【0023】また、塩酸水溶液の濃度を上昇させるため
の手段として、上記方法の他に、該塩酸水溶液を濃縮す
る方法も挙げられる。
【0024】また、混合ガスより塩化水素を吸収後に残
存するプロピレンは、必要に応じて前記のアリルクロラ
イドの製造に循環使用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、プロピレンの塩素化によりアリルクロライ
ドを製造する工程において、副生塩化水素及び未反応プ
ロピレンを主成分とする混合ガスより、高純度の塩酸水
溶液を簡易な手段で製造することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため
に、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0027】実施例1〜3、比較例1 プロピレンの塩素化により得られた反応生成物より、ア
リルクロライドを蒸留により分離して下記組成の混合ガ
スを得た。
【0028】
【表1】
【0029】上記混合ガスを向流接触方式の充填塔より
なる吸収塔に2900m3/時間で連続的に供給し、表
2に示す温度で水と接触させた。上記の凶器有する水の
供給量を調整することにより、吸収塔からの取り出され
る塩酸水溶液の濃度が表2に示す濃度となるように調整
した。
【0030】得られた塩酸水溶液中に含有されるIPA
の濃度を表2に併せて示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例4 実施例1で得られた塩酸水溶液を2.8m3/時間で塩
酸合成塔に供給し、ここで、塩素を300m3/時間、
水素を330m3/時間で供給して塩化水素を生成さ
せ、該生成した塩化水素を上記塩酸水溶液に吸収させ
た。
【0033】上記方法により得られた塩酸水溶液の濃度
は、35.5重量%であり、IPAの含有量は、1.5
ppmであった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】かかる混合ガスは、通常、副生塩化水素と
未反応プロピレンとの合計を100容量%としたとき、
副生塩化水素を19〜24容量%、未反応プロピレンを
76〜81容量%の割合で含有する。また、場合によっ
ては、これに反応で副生する少量のプロパンを更に含有
する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンの塩素化によりアリルクロラ
    イドを製造する工程より得られる、副生塩化水素及び未
    反応プロピレンを主成分とする混合ガスを、溶解した塩
    化水素の濃度が20重量%以下となる条件下で水と接触
    させることを特徴とする塩酸水溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガス成分と水との接触を50℃以下で行
    う、請求項1記載の塩酸水溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1で得られた塩酸水溶液を水素と
    塩素との反応によって得られる塩化水素と接触させて該
    塩化水素を塩酸水溶液に吸収せしめる高濃度塩酸水溶液
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20060071274A (ko) * 2004-12-21 2006-06-26 삼성정밀화학 주식회사 35 % 염산의 제조방법
JP2008545643A (ja) 2005-05-20 2008-12-18 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) ポリヒドロキシル化脂肪族炭化水素と塩素化剤との反応によるクロロヒドリンの調製方法
WO2011061892A1 (en) * 2009-11-17 2011-05-26 Sumitomo Chemical Company, Limited Methods for producing allyl chloride and dichlorohydrin

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JP2011105637A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Sumitomo Chemical Co Ltd アリルクロライドおよびジクロロヒドリンの製造方法

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