JPH09255917A - 樹脂成形体のハードコート層形成方法およびハードコート層が形成された樹脂成形体 - Google Patents

樹脂成形体のハードコート層形成方法およびハードコート層が形成された樹脂成形体

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JPH09255917A
JPH09255917A JP7291296A JP7291296A JPH09255917A JP H09255917 A JPH09255917 A JP H09255917A JP 7291296 A JP7291296 A JP 7291296A JP 7291296 A JP7291296 A JP 7291296A JP H09255917 A JPH09255917 A JP H09255917A
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JP
Japan
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water
coat layer
hard coat
polymerizable monomer
soluble polymer
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Withdrawn
Application number
JP7291296A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Akio Naka
昭夫 中
Tatsuto Matsuda
立人 松田
Mitsuo Nakasaki
三男 中崎
Akira Ota
彰 太田
Michio Matsuura
路夫 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面硬度や耐摩耗性に劣る樹脂成形体の耐擦
傷性を改良することができ、しかも耐候性やその他の特
性に優れ、かつ水系であるコーティング用材料によっ
て、樹脂成形体にハードコート層を形成する方法を提供
する。 【解決手段】 有機シラン化合物(I)を水系溶媒中で
加水分解縮合して得られた水溶性重合体(A)と、ラジ
カル重合可能であり、かつ上記シラン化合物(I)の加
水分解縮合反応の触媒となり得る官能基を有する重合性
単量体および/またはラジカル重合可能でありかつシラ
ン化合物(I)のアルコキシシリル基と反応して結合を
形成し得る官能基を有する重合性単量体(B−1)0.
1〜30.0重量%と、ラジカル重合可能なその他の単
量体(B−2)70.0〜99.9重量%を水中で乳化
重合して得られた水分散重合体(B)を必須成分として
含むコーティング用組成物を樹脂成形体にコーティング
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性、耐薬品
性、耐候性、耐汚染性、耐熱性、透明性と共に、高硬度
で耐擦傷性に優れた被膜を形成し得るハードコート層を
樹脂成形体上に形成する方法および該方法によって得ら
れるハードコート層が形成された樹脂成形体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】エンジニアプラスチックには多くの種類
があり、様々な用途に利用されているが、中でも汎用化
されているエンジニアプラスチックとしては、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリアセタール(ポリオキシメ
チレン)、変成ポリフェニレンエーテル、飽和ポリエス
テル等が挙げられる。これらのエンジニアプラスチック
は、それぞれに長所と短所があって用途に応じて使い分
けされている。近年では、各エンジニアプラスチックの
短所を補うために、ポリマー変成やポリマーアロイとい
ったプラスチック素材自体を化学的に変化させる手段
や、種々のタイプの強化材との組合せで改良を加える手
段、あるいは保護層、ハードコート層等を設けるといっ
た外的付加手段等が検討されている。
【0003】例えばポリカーボネートは、耐衝撃性を始
めとする機械的強度に優れ、透明性、耐熱性、寸法安定
性も良好なことから、電子・OA機器分野のハウジング
や光学系材料、カメラ等の精密機器分野、車両の外装用
等に利用されているが、ポリカーボネートは耐擦傷性に
劣るため、紫外線(UV)硬化型アクリル塗料や熱硬化
型シリコーン塗料によるハードコート層が成形体表面に
形成されることが多い。
【0004】しかし、UV硬化型アクリル塗料は、UV
吸収剤を配合できないため耐候性が悪く、屋外暴露用途
の場合、ハードコート層やポリカーボネート成形体の表
面が光劣化して、黄色化してしまうという問題があっ
た。また、熱硬化型シリコーン塗料は可撓性に劣りクラ
ックが生じ易い上に、多量の有機溶剤が含まれており、
作業環境上問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、表
面硬度や耐摩耗性に劣る樹脂成形体の耐擦傷性を改良
し、しかも耐候性やその他の特性に優れ、かつ水系であ
るコーティング用材料を見出すことにより、樹脂成形体
へのハードコート層形成方法を提供し、かつ高性能なハ
ードコート層が形成された樹脂成形体を提供することを
課題として掲げたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のハードコート層
形成方法は、下記一般式で示されるシラン化合物(I) R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
子であるか;または炭素原子に直結した官能基を持って
いてもよい低級アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族
残基;を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基または
アシル基を表し、mは0、1または2、nは2、3また
は4で、かつm+nは4である)を水系溶媒中で加水分
解縮合して得られた水溶性重合体(A)と、ラジカル重
合可能であり、かつ上記シラン化合物(I)の加水分解
縮合反応の触媒となり得る官能基を有する重合性単量体
および/またはラジカル重合可能でありかつシラン化合
物(I)のSi(OR2 )(ただしR2 の意味は上記と
同じ)基と反応して結合を形成し得る官能基を有する重
合性単量体(B−1)0.1〜30.0重量%と、ラジ
カル重合可能なその他の単量体(B−2)70.0〜9
9.9重量%を水中で乳化重合して得られた水分散重合
体(B)を、必須成分として含むコーティング用組成物
を樹脂成形体にコーティングするところに要旨を有する
ものである。本発明は、特に表面硬度が比較的小さいポ
リカーボネート成形体にハードコート層を形成する方法
として有効に適用できる。
【0007】上記コーティング用組成物中の水溶性重合
体(A)と水分散重合体(B)は、その重量比:(A)
/(B)が、固形分換算で0.1〜5となる様に含有さ
れていることが好ましい実施態様である。
【0008】本発明に係るコーティング用組成物は、水
系であり、しかもハードコート層として必要な耐水性、
耐薬品性、耐候性、耐汚染性、耐熱性、透明性、高硬
度、耐擦傷性に優れた被膜を形成し得るものであり、本
発明の形成方法により、このコーティング用組成物から
なるハードコート層が形成された樹脂成形体は、これら
の良好な特性を享受することができ、種々の用途に適用
可能である。なお、本発明における「ハードコート層が
形成された樹脂成形体」とは、その表面の一部または全
部(あるいは片面または両面)にハードコート層が設け
られたものが含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、樹脂成形体のハー
ドコート層として、緻密で耐候性に優れ、耐薬品性、耐
水性に優れた被膜を形成するポリシロキサンに着目し、
単独では成膜性や耐クラック性に劣るポリシロキサンで
あるが、これを水分散重合体と組み合わせることによっ
て、高硬度で、かつ耐擦傷性のある被膜を形成し得るこ
とを見出し本発明に到達したものである。以下本発明を
詳細に説明する。
【0010】本発明のハードコート層形成方法は、コー
ティング用組成物として水溶性重合体(A)と水分散重
合体(B)を用いるところにポイントを有する。水溶性
重合体(A)の出発物質として用いられるシラン化合物
(I)としては、下式を満足するものであれば特に限定
されず、その1種以上を使用できる。 R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
子であるか;または炭素原子に直結した官能基を持って
いてもよい低級アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族
残基;を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基または
アシル基を表し、mは0、1または2、nは2、3また
は4で、かつm+nは4である)。なおここで、低級ア
ルキル基とは炭素数6以下の直鎖および分岐アルキル基
を示す。
【0011】これらのシラン化合物(I)の具体例とし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メ
チルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピル
トリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。
【0012】汎用性およびコーティング用組成物の保存
安定性の面からは、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシランが好ましい。また、樹脂成形体に対する密
着性という観点からは、グリシジル基を有するγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシク
ロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等が好まし
く利用できる。
【0013】またこれらのシラン化合物(I)を併用す
る場合は、上記一般式(I)中のnが4であるシラン化
合物(I4 )と、nが3であるシラン化合物(I3
を、固形分換算で(I4 )/(I3 )=1.0〜0.5
となる様に併用することが、耐擦傷性および硬度に優れ
た塗膜を得られる点から推奨される。nが4であるシラ
ン化合物(I4 )としては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシランが、nが3であるシラン化合物(I
3 )としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシランが反応性および化合物の汎用性(入手容易
性)の面から好ましく、なかでもテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン(以上は(I4 ))、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以上は(I
3 ))が特に好ましく用いることができる。
【0014】本発明で用いられるコーティング用組成物
は、上記例示したシラン化合物(I)より選択される1
種または2種以上の化合物を、予め加水分解して縮
(重)合し水溶性重合体(A)を得た後に、後述の水分
散重合体(B)と混合するものである。シラン化合物
(I)の加水分解縮合は、水系溶媒中で行われ、0〜2
00℃の温度条件下、水系溶媒中で撹拌するだけで簡単
に行うことができる。若干量のアルコール等の水系溶媒
が添加されていてもよく、また酸、塩基等の加水分解触
媒を加えてもよい。触媒としては、後のコーティング用
組成物の安定性から特に酸のイオン交換樹脂が好ましく
選択される。
【0015】加水分解縮合反応は、例えばシラン化合物
(I)としてテトラエトキシシランを用いた場合には次
式で表すことができる。 Si(OC254 +4H2 O → Si(OH)4 +4C25 OH Si(OH)4 → SiO2 +2H2 O こののちシラン化合物は、縮重合して三次元化していく
が、水溶性重合体(A)としては、ポリスチレン換算で
分子量が100〜5000程度のものが成膜性、ハード
コート層の性能の点で好ましい。この水溶性重合体
(A)は、後のコーティング・乾燥時の加熱によって、
さらに三次元化反応を起こす。
【0016】本発明では、必要に応じて水系溶媒と共に
界面活性剤の存在下で加水分解縮合を行ってもよい。界
面活性剤は、選択したシラン化合物(I)の反応性が高
い場合、加水分解縮合時のシラン化合物(I)の急激な
反応を抑制し、ゲル化を防ぐ効果を有する。
【0017】界面活性剤としては、アニオン性、ノニオ
ン性、アニオンとノニオンの組み合わせ、カチオン性、
両性等の界面活性剤が利用できる。アニオン性界面活性
剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステルナト
リウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、
コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸等が挙げら
れ、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテル等を挙げることがで
きる。カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキル
ピリジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロライ
ド等が用いられ、両面活性剤としては、例えばラウリル
ベタイン等を用いることができる。また、反応性界面活
性剤を用いることも可能である。シラン化合物の加水分
解縮合物の安定性の面からは、アニオン性界面活性剤が
好ましく使用でき、とくにドデシルベンゼンスルホン酸
系の界面活性剤がより好ましい。
【0018】界面活性剤を使用するときは、シラン化合
物(I)100重量部に対し、0.001〜10重量部
とする。0.01〜5重量部がより好ましい。界面活性
剤が0.001重量部より少ないと、反応性の高いシラ
ン化合物(I)を選択した際のゲル化防止効果が不充分
である。また加水分解縮合物である水溶性重合体(A)
の保存安定性に劣ることがある。しかし10重量部を超
えると、得られるハードコート層の耐水性が悪化するこ
とがあるので好ましくない。
【0019】本発明で用いられるコーティング用組成物
におけるもう一つの必須成分である水分散重合体(B)
は、ラジカル重合可能な重合性単量体(B−1)および
(B−2)を水中で乳化重合して得られるものである。
水分散重合体(B)は、ハードコート層を形成する際の
成膜性を高め、またハードコート層の物理的性質を向上
させる働きを有する。ラジカル重合可能な重合性単量体
(B−1)は、シラン化合物(I)の加水分解反応の触
媒となり得る官能基か、シラン化合物(I)のSi(O
2 )(ただしR2 の意味は前記と同じ)基と反応して
結合を形成し得る官能基のいずれかまたは両方を有する
重合性単量体である。
【0020】この単量体(B−1)の使用によって、得
られる水分散重合体(B)は、水溶性重合体(A)に存
在するSi(OR2 )基の加水分解縮合反応を促進する
効果を有するか、または(B)中の官能基自身が水溶性
重合体(A)中に存在するSi(OR2 )基と反応して
三次元硬化反応を進めていくので、水分散性重合体
(B)と水溶性重合体(A)を混合した後、コーティン
グ・乾燥工程を経て水溶性重合体(A)の加水分解縮重
合反応が完了するまで、さらに三次元化硬化反応を起こ
すことができる。
【0021】重合性単量体(B−1)中、ラジカル重合
可能でシラン化合物(I)の加水分解反応の触媒となり
得る官能基を有する単量体としては、リン酸基を有する
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフ
ェート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオ
キシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェ
ートモノエタノールアミンハーフソルト等;カルボキシ
ル基を有する(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリ
ルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリルオキシ
エチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0022】また重合性単量体(B−1)中、シラン化
合物(I)のSi(OR2 )(ただしR2 の意味は前記
と同じ)基と反応して結合を形成し得る官能基を有する
重合性単量体としては、分子内に水酸基を有する2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2
−ヒドロキシエチルフタル酸等;分子内にグリシジル基
を有するグリシジル(メタ)アクリレート等;分子内に
アルコキシシリル基を有するγ−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン等の重合性単量体が挙げ
られる。この重合性単量体は、水溶性重合体(A)と水
分散重合体(B)の相溶性を向上させる働きをも有す
る。上記重合性単量体(B−1)は1種または2種以上
を混合して使用することができる。
【0023】ラジカル重合可能なその他の単量体(B−
2)は、上記重合性単量体(B−1)と共に、ハードコ
ート層として必要な物理的強度、耐擦傷性、耐候性を被
膜に付与する働きを有する。具体的な重合性単量体(B
−2)の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブ
チルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベ
ンゼンやそれらの核置換誘導体等の芳香族ビニル化合
物;アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられ、
これらのうち1種以上を用いることができる。
【0024】重合性単量体(B−1)は0.1〜30.
0重量%、重合性単量体(B−2)は70.0〜99.
9重量%として水分散重合体(B)を構成することが好
ましい。重合性単量体(B−1)は、前記水溶性重合体
(A)の三次元化反応の触媒または反応相手として働く
他、樹脂成形体とハードコート層の密着性を向上させ
る。ただし重合性単量体(B−1)が30.0重量%を
超えると、ハードコート層の耐水性が悪化することがあ
る。より好ましい重合性単量体(B−1)の使用量は
5.0〜20.0重量%、さらに好ましくは8.0〜1
5.0重量%である。
【0025】水分散重合体(B)は通常の乳化重合で得
ることができ、例えば、水媒体中に上記重合性単量体
(B−1)と(B−2)、乳化剤、重合開始剤、必要に
応じて連鎖移動剤、pH調製剤等を添加し、20〜10
0℃で0.5〜30時間程度重合を行えばよい。ここで
用いられる乳化剤としては、前記したシラン化合物
(I)を加水分解縮合する際に用いてもよい界面活性剤
として例示した界面活性剤ををそのまま使用することが
できる。使用量は、重合性単量体の総量100重量部に
対し、0.001〜10重量部が望ましい。0.001
重量部より少ないと重合の際のミセルの安定性に劣り、
10重量部より多いとコーティング膜とした際の耐水性
に劣ることがある。
【0026】重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩、
過酸化水素等を用いることができ、必要に応じて還元剤
と組み合わせて使用することも可能である。また、油溶
性の重合開始剤、例えば2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、過
酸化ベンゾイル、過酸化ブチル等の有機過酸化物重合開
始剤等を用いることもできる。重合開始剤の使用量とし
ては、重合性単量体総量100重量部に対し、0.01
〜5重量部が好ましい。
【0027】本発明で用いられるコーティング用組成物
は、水溶性重合体(A)/水分散重合体(B)を固形分
重量比で0.1〜5となる様に含有することが好まし
い。この時、水溶性重合体(A)は、R1 m−SiO
(4-m)/2 とし絶乾状態で固形分換算する。(A)/
(B)が5より大きいとハードコート層の可撓性が劣
り、0.1より小さいと耐薬品性、硬度が低下する。さ
らに好ましい配合比は(A)/(B)が1〜4である。
組成物自体の好ましい固形分濃度は、5〜20重量%で
ある。
【0028】本発明で用いられるコーティング用組成物
には、成膜性、濡れ性を向上させるために若干量の有機
溶剤を添加してもよい。ここで用いられる有機溶剤とし
ては、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類
の他、メチルアセテートやテトラヒドロフラン等が挙げ
られ、これらの1種以上を混合して用いることができ
る。これらの中でもアルコール類が好ましく用いられ
る。これらの有機溶剤の使用量は、組成物の全溶媒中の
35重量%未満、好ましくは30重量%未満、より好ま
しくは10重量%未満である。35重量%を超えると、
水系のコーティング用組成物によってハードコート層を
形成するという本発明の目的に反する。
【0029】コーティング用組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で、硬化剤、濡れ性改良剤、可塑剤、
消泡剤、増粘剤等の無機、有機系各種添加剤を必要に応
じて添加することもできる。また塗料添加剤として公知
の水溶性、水不溶性または水分散性添加剤を添加しても
よい。水溶性添加剤の例としては、ポリビニルアルコー
ル等の水溶性重合体等が挙げられる。水不溶性または水
分散性添加剤の例としては、水分散性シリカ、アルコー
ル分散性シリカ、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウ
ム、クレー、二酸化チタン、アルミニウムシリケート、
リン酸アルミニウム、アルミナゾル、マグネシアゾル、
チタニアゾル、ジルコニアゾル等が挙げられる。
【0030】本発明で被塗物として用いられる樹脂成形
体としては、特にその素材、形態等は限定されず、用途
に応じた形に成形した製品であってよい。樹脂素材の例
としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタ
ール(ポリオキシメチレン)、変成ポリフェニレンエー
テル、飽和ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン-2,6-
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)等のエ
ンジニアプラスチック用汎用樹脂の他に、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポ
リスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、セロファン、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ジエチレン
グリコールジアリルカーボネート、アイオノマー樹脂、
フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;メラミン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、ユリア樹脂、珪素樹脂等
の熱硬化性樹脂等が挙げられる。特に本発明は、汎用エ
ンジニアリングプラスチックの中でも比較的表面硬度が
小さく耐擦傷性に難点のあるポリカーボネートに対して
ハードコート層を形成する方法として非常に有用であ
る。
【0031】前記コーティング用組成物を樹脂成形体に
コーティングする具体的な方法は特に限定されず、ロー
ルコーティング法、ディップコーティング法、バーコー
ティング法、ノズルコーティング法あるいはこれらを組
み合わせた方法が採用される。ハードコート層のコーテ
ィングは、樹脂成形体に直接行ってもよく、また樹脂成
形体に対して公知の表面処理や下塗りが行われた後であ
ってもよい。なお、本発明における「ハードコート層が
形成された樹脂成形体」とは、その表面の一部または全
部(あるいは片面または両面)にハードコート層が設け
られたものが含まれる。
【0032】コーティング後はハードコート層の硬化お
よび乾燥を行う。常温でも硬化・乾燥は可能であるが、
早く硬化・乾燥させる場合には、常温〜300℃、好ま
しくは100〜150℃で加熱乾燥するとよい。ハード
コート層の塗膜厚は特に限定されないが、乾燥後で0.
01〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmが適し
ている。0.01μmより薄いと塗膜が均一にならずピ
ンホールが発生し易くなり、また10μmより厚くする
と塗膜にクラックが生じ易くなるので好ましくない。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例における特性評価は、以下の方法を用
いて行った。 [透明性]全光線透過率が85%以上、ヘイズが4以
下、黄色度3以下を○とした。 [耐候性]サンシャインウェザーメーター2000時間
後の全光線透過率が80%以上、ヘイズが4以下、黄色
度3以下を○とした。
【0034】[ゴバン目テスト]PC基材に達する1m
m四方の碁盤目を、塗膜に100個(10個×10個)
に鋼ナイフで刻み入れ、セロハンテープ(ニチバン社
製)を圧着した後、90度方向へ急速に引きはがし、塗
膜の剥離程度を10点法で評価した。10点(良)→0
点(劣) [耐薬品性]試料をキシレンに15分間浸漬して耐薬品
性を評価した。塗膜に変化がないときは○、塗膜が白化
するか溶解したときは×とした。
【0035】[鉛筆硬度]JIS−K5400に従い行
った。 [耐擦傷性]#0000のスチールウールで塗膜を5往
復こすった。傷つきが全くないもの、または、かなり強
くこするとわずかに傷つきが認められるものを○、弱い
摩擦でも傷がつくものを×とした。
【0036】実施例1 撹拌機、温度計を備えた四ツ口フラスコに、水200
g、ハイテノールN08(第一工業製薬製界面活性剤)
0.6g、過硫酸アンモニウム0.68gを仕込み、窒
素ガスで置換し、80℃に昇温した後、アクリル酸ブチ
ル46.5g、メタクリル酸メチル41.8g、メタク
リル酸11.7g、水30gおよび0.7gのハイテノ
ールN08を予め混合し乳化状態にした混合液をを3時
間かけて連続的に滴下した。滴下終了後さらに80℃で
1時間加熱した。冷却後200メッシュ金網で濾過し、
水分散重合体B1 を得た。
【0037】次に、撹拌機、温度計を備えた別の四ツ口
フラスコに、メチルトリメトキシシラン23.1g、テ
トラエトキシシラン52.4g、水125gと1.2g
のハイテノールN08を混合し、50℃で1時間加熱撹
拌して、透明な水溶性重合体A1 を得た。この水溶性重
合体A1 の中に、11.2gの水分散重合体B1 を20
分かけて加え、さらにイソプロピルアルコール30gを
加え、コーティング用組成物1を得た。
【0038】昭和テクノコート製コート剤が3μmコー
トされたポリカーボネート(PC)板(以下「下塗りP
C板」という)に、コーティング用組成物1を乾燥硬化
後の塗膜の厚みが3μmになる様にバーコーターを用い
て塗布し、130℃で30分間加熱乾燥した。得られた
ハードコート層形成PC板1の特性評価を行い、結果を
表1に示した。
【0039】実施例2 実施例1において水分散重合体B1 の代わりに、アクリ
ル酸ブチル46.5g、メタクリル酸メチル41.8
g、メタクリル酸2.0g、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン9.7gを用いて水分散重合体B
2 を得た以外は実施例1と同様にしてコーティング用組
成物2を製造した後、下塗りPC板に塗布し実施例1と
同様にしてハードコート層形成PC板2を得た。評価結
果を表1に示す。
【0040】実施例3 実施例1において水溶性重合体A1 の代わりに、メチル
トリメトキシシラン15.0g、テトラエトキシシラン
52.4g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン8.1gを用いて水溶性重合体A2 を得た以外は実
施例1と同様にしてコーティング用組成物3を製造した
後、下塗りをしていないPC板を用いた以外は実施例1
と同様にしてハードコート層形成PC板3を作製した。
評価結果を表1に示す。
【0041】比較例1 ハードコート層が設けられていない下塗りPC板を用い
て特性評価を行い、結果を表1に示した。
【0042】比較例2 実施例1で得られた水分散重合体B1 のみを下塗りPC
板に実施例1と同様にして塗布・乾燥した。得られた表
面処理PC板の特性評価を行い、結果を表1に示した。
【0043】比較例3 実施例1で得られた水溶性重合体A1 のみを下塗りPC
板に実施例1と同様にして塗布・乾燥した。乾燥硬化後
の塗膜には、クラックの発生が目視で確認された。得ら
れた表面処理PC板の特性評価を行い、結果を表1に示
した。
【0044】比較例4 実施例1における水分散重合体B1 の製造の際に、メタ
クリル酸を加えない以外は実施例1と同様にして水分散
重合体B3 を得、以下実施例1と同様にして表面処理P
C板の特性評価を行い、結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明に係る樹脂成形体のハードコート
層の形成方法は、水系のコーティング用組成物を用いて
ハードコート層を形成することができるため、作業環境
上の問題がなく、しかも耐薬品性、透明性に優れ、かつ
高硬度で良好な耐候性を示すハードコート層を樹脂成形
体に形成することができる。また耐衝撃性、透明性、耐
熱性、寸法安定性も良好であるが、表面硬度や耐摩耗性
が低く耐擦傷性に難点があるために用途を制限されてい
た種類の樹脂成形体であっても、本発明の形成方法によ
って得られるハードコート層を形成することにより、他
の特性を損なうことなく、その耐擦傷性を著しく向上さ
せることができるので、種々の樹脂成形体を多岐用途に
展開使用することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中崎 三男 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 太田 彰 大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式 会社日本触媒内 (72)発明者 松浦 路夫 大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式 会社日本触媒内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示されるシラン化合物
    (I) R1 mSi(OR2n …(I) (式中、R1 は同一または異なっていてもよく、水素原
    子であるか;または炭素原子に直結した官能基を持って
    いてもよい低級アルキル基、アリール基、不飽和脂肪族
    残基;を表し、R2 は水素原子、低級アルキル基または
    アシル基を表し、mは0、1または2、nは2、3また
    は4で、かつm+nは4である)を水系溶媒中で加水分
    解縮合して得られた水溶性重合体(A)と、 ラジカル重合可能であり、かつ上記シラン化合物(I)
    の加水分解縮合反応の触媒となり得る官能基を有する重
    合性単量体および/またはラジカル重合可能でありかつ
    シラン化合物(I)のSi(OR2 )(ただしR2 の意
    味は上記と同じ)基と反応して結合を形成し得る官能基
    を有する重合性単量体(B−1)0.1〜30.0重量
    %と、ラジカル重合可能なその他の単量体(B−2)7
    0.0〜99.9重量%を水中で乳化重合して得られた
    水分散重合体(B)を、 必須成分として含むコーティング用組成物を、樹脂成形
    体にコーティングすることを特徴とする樹脂成形体のハ
    ードコート層形成方法。
  2. 【請求項2】 上記コーティング用組成物中の水溶性重
    合体(A)と水分散重合体(B)は、その重量比:
    (A)/(B)が、固形分換算で0.1〜5となる様に
    含有されているものである請求項1に記載の形成方法。
  3. 【請求項3】 水溶性重合体(A)を得るための水系溶
    媒中に界面活性剤が含まれているものである請求項1ま
    たは2のいずれかに記載の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の形成方
    法によってハードコート層を形成することを特徴とする
    ハードコート層が形成された樹脂成形体。
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