JPH09256109A - ドリル加工性にすぐれた高靱性・高腐蝕疲労強度二相ステンレス鋼 - Google Patents

ドリル加工性にすぐれた高靱性・高腐蝕疲労強度二相ステンレス鋼

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JPH09256109A
JPH09256109A JP6095096A JP6095096A JPH09256109A JP H09256109 A JPH09256109 A JP H09256109A JP 6095096 A JP6095096 A JP 6095096A JP 6095096 A JP6095096 A JP 6095096A JP H09256109 A JPH09256109 A JP H09256109A
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JP
Japan
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stainless steel
fatigue strength
toughness
duplex stainless
corrosion resistance
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JP6095096A
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English (en)
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Minoru Hineno
実 日根野
Takeshi Shinozaki
斌 篠崎
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製紙機用サクションロールの胴部材料等として
使用される、良好な耐食性,靱性,腐蝕疲労強度等を有
すると共に、ドリル加工性にすぐれた二相ステンレス鋼
を提供する。 【解決手段】この二相ステンレス鋼は、C: 0.04%
以下,Si: 0.2〜2.0%,Mn: 0.2〜2.0
%,Cr: 23.0〜25.0%,Ni: 5.0〜6.
5%,Mo: 1.0〜2.0%,Cu: 0.9%以下,
N: 0.03〜0.08%,W: 0.5〜2.0%,C
r当量/Ni当量: 2.0〜2.3、残部実質的にFe
からなり、二相組織のフェライト量は70〜85面積%
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙機用サクショ
ンロールの胴部材等として有用な、高靱性,高腐蝕疲労
強度等を有すると共に、ドリル加工性にすぐれた二相ス
テンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工程において抄紙された湿潤紙を脱
水処理するサクシヨンロールの胴部材(スリーブ)は、
湿潤紙から搾出される水分、所謂「白水」(塩素イオン
Cl-や硫酸イオンSO4 --等を含む強酸性腐食液)を
吸引排除する多数の小孔(サクシヨンホール)が分散穿
設された中空円筒状部材であり、その材料特性として白
水に対する腐食抵抗性、湿潤紙から白水を搾出するプレ
スロールの押圧力(ニツプ圧)の反復負荷に耐え得る機
械強度、および腐食疲労強度等を兼ね備えたものである
ことが要求される。従来より、上記サクシヨンロールの
スリーブ材料として、二相ステンレス鋼((JIS G4307 S
US329J1,G5121 SCS13A, SCS14A等)が使用されてきた。
二相ステンレス鋼は、δ−フェライト相とオーステナイ
ト相との混相組織による強度,靱性,耐食性等を備えた
耐食合金であり、近似はその二相ステンレス鋼として、
Cu等の含有量を高めた析出硬化型のものや、低C系の
もの等も実用されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】製紙機用サクションロ
ールの胴部スリーブ材は、中空円筒状の管体(遠心力鋳
造管等)に所定の調質熱処理を施した後、サクションホ
ールを穿設する工程を経て製造される。サクションホー
ルはロール胴部に約20〜50面積%の開口率で分散穿
設され、ロール1本当たりの孔数は数十万個にも及ぶ。
そのサクションホールの穿孔はドリル加工により行われ
る。従来のサクションロールの胴部材は、耐食性や腐食
疲労強度等の改善を目的とした合金設計について種々の
工夫がなされているが、ドリル加工性の観点からは満足
すべきものとはいえない。本発明は、サクションロール
の胴部材として必要な耐食性,靱性,強度,腐蝕疲労強
度等の材料特性を維持しつつ、改良されたドリル加工性
を有する二相ステンレス鋼を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の二相ステンレス
鋼は、C: 0.04%以下,Si: 0.2〜2.0%,
Mn: 0.2〜2.0%,Cr: 23.0〜25.0
%,Ni: 5.0〜6.5%,Mo: 1.0〜2.0
%,Cu: 0.9%以下,N: 0.03〜0.08%,
W: 0.5〜2.0%,Cr当量/Ni当量: 2.0〜
2.3、残部実質的にFeからなり、二相組織のフェラ
イト量は70〜85面積%である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の二相ステンレス鋼は、δ
−フェライト相が70〜85面積%を占める二相組織を
有し、硬度(ブリネル)は200〜240、加工硬化係
数(n)は、0.30以下と低い値を示す。本発明の二
相ステンレス鋼は、上記化学組成および二相構成の効果
として、サクションロールの胴部材等として必要な耐食
性,機械性質,腐蝕疲労強度等の諸特性を具備すると共
に、加工硬化能が低いという材料特性を有する。穿孔加
工における工具(ドリル)刃先の摩耗は、加工硬化した
切り屑や構成刃先との接触により助長される。本発明の
二相スレンレス鋼は、加工硬化能が低いことにより、工
具刃先の摩耗速度が遅く、このため切削長さの増加に伴
う切削抵抗の増加も少なく、効率的な穿孔加工を可能と
している。
【0006】本発明の成分限定理由は次のとおりであ
る。 C: 0.04%以下 Cは、オーステナイト相の生成・安定化元素であるが、
C量の増加に伴い、Cr炭化物の析出による靱性の低
下、Cr炭化物粒子近傍のCr濃度の希釈化(鋭敏化)
による耐食性の低下等をきたす。このため、0.04%
以下とする。
【0007】Si: 0.2〜2.0% Siは、鋼の溶製時の脱酸剤であり、また鋳造工程にお
ける湯流れ性を改善する元素であり、少なくとも0.2
%を必要とするが、多量に添加すると、鋼の靱性や溶接
性等が低下するので、2.0%を上限とする。
【0008】Mn:0.2〜2.0% Mnは、溶鋼の脱酸・脱硫元素として添加される。この
効果を得るには、0.2%以上を要するが、2.0%を
越えると、耐食性の低下をきたすので、これを上限とす
る。
【0009】Cr:23.0〜25.0% Crは、耐食性の確保に必要な元素であり、またフェラ
イト相を形成し、合金の強度を高める。この効果を得る
ために、23.0%以上を必要とする。しかし、あまり
多くすると、靱性が損なわれるほか、オーステナイト相
の相対的減少により、耐食性の不足をきたす。このた
め、25.0%を上限とする。
【0010】Ni:5.0〜6.5% Niは、オーステナイト相の生成・安定化元素であり、
二相組織のオーステナイト相とフェライト相の量的バラ
ンスを確保すると共に、靱性および耐食性の確保に必要
な元素である。この効果を得るために、5.0%以上と
する。しかし、過度に増量すると、オーステナイト相が
増加し、合金の加工硬化係数が高くなることにより、ド
リル加工性が低下する。また、Niは高価な元素であ
り、過度の添加は経済性を損なう。このため、6.5%
を上限とする。
【0011】Mo:1.0〜2.0% Moは、耐食性の改善に寄与する元素であり、この効果
は1.0%以上の添加により得られる。しかし、2.0
%を超えると、耐食性改善効果はほぼ飽和し、かつ靱性
の低下をきたす。また、Moは効果な元素であり、過度
の添加は経済性を損なう。このため、2.0%を上限と
する。
【0012】Cu:0.9%以下 Cuは、耐食性改善元素であるが、0.9%を超えて多
量に添加すると、靱性の低下を招き、腐蝕疲労強度を低
下させるので、これを上限とする。
【0013】N:0.03〜0.08% Nは、オーステナイト生成元素であり、また耐孔食性,
耐隙間腐食等の耐食性改善に奏効する元素である。この
効果は、0.03%以上の添加により得られる。しか
し、本発明の二相ステンレス鋼は、オーステナイト相の
量比が低く、Nの鋼中固溶量が少ないため、その含有量
が0.08%を超えると、Cr,Mo等の窒化物が生成
し、靱性,耐食性等の低下をきたすほか、ドリル加工性
も悪くなる。このため、0.08%を上限とする。Nは
オーステナイト相に多量に固溶し、フェライト相には殆
ど固溶しないので、フェライト相の量比の高い本発明合
金鋼では、このような少量のNの添加でその効果を得る
ことができる。
【0014】W:0.5〜2.0% Wは、耐食性および腐蝕疲労強度を改善し、またフェラ
イト相を固溶強化する。この効果は0.5%以上の添加
により得られる。このWの効果は前記Cuとの共存によ
り増強される。しかし、多量に添加すると、耐食性,靱
性,腐蝕疲労強度等の低下を招くので、2.0%を上限
とする。
【0015】Cr当量/Ni当量: 2.0〜2.3 Cr当量およびNi当量は、それぞれ下式により算出さ
れる値である。この値を上記範囲に限定したのは、δ−
フェライト相の量比が前記のように70〜85面積%で
ある二相組織を形成し、その二相のバランスにより、サ
クションロール等に必要な強度を維持しつつ、加工硬化
係数を低い値に抑制し、良好なドリル加工性を確保する
ためである。すなわち、上記当量比が、2.0に満たな
いと、オーステナイト相の量比が過剰となり、強度の不
足をきたすのみならず、加工硬化係数が高くなり、他方
その当量比が2.3を超える場合は、上記と逆にフェラ
イト相の量比が過剰となることにより、合金の硬度が不
必要に高くなり、いずれの場合もドリル加工における切
削抵抗が大きくなるからである。
【数1】 Cr当量=%Cr+1.5 ×%Si+1.4 %Mo−4.99 Ni当量=%Ni+30×%C+0.5 %Mn+26(%N−0.02)+2.77
【0016】本発明の二相ステンレス鋼の容体化熱処理
は、約1000〜1100℃の温度域に適当時間(鋳造
材の肉厚1インチ当り約1〜5Hr)加熱保持した後、
冷却することにより行われる。溶体化温度からの冷却
は、残留応力の発生を抑制するために、約5〜15℃/
分程度の比較的緩慢な冷却速度であるのが望ましい。製
紙機用サクションロールの胴部材のスリーブの製造にお
いては、中空円筒体を遠心力鋳造し、上記溶体化熱処理
の後、ドリル加工によるサクションホールの穿設,仕上
げ機械加工を行い、別途用意した軸部材に嵌合組立する
ことによりサクションロールに仕上げられる。
【0017】
【実施例】表1に示す化学組成を有する二相ステンレス
鋼の遠心力鋳造材(中空円筒体)に、溶体化熱処理を施
して供試材を得る。表1の「Eq.Cr/Ni比」は、Cr当量/
Ni当量の値を示している。各供試材について得られた材
料特性を表2に示す。 鋳造材サイズ:外径 600, 肉厚 72,長さ 3000 (mm) 熱処理(溶体化熱処理):1050℃× 6 Hr →空冷(10℃
/ 分)
【0018】〔腐食試験〕腐蝕液中に試験片を浸漬し腐
食速度(g/m2 h )を求める(ASTM G48A 法に準拠) 。 腐蝕試験液: 塩化第二鉄溶液(FeCl3,濃度6 %), 液温
50℃ 試験時間 : 72Hr
【0019】〔腐食疲労試験〕小野式回転曲げ疲労試験
機により、耐久限度(MPa) を測定。 試験片 : φ10×30L (平行部) 腐蝕試験液: Cl- 100 ppm, SO 4 2- 1000 ppm, pH 3.5 回転速度 : 3000 rpm サイクル数: 108
【0020】〔ドリル加工性〕供試材(但し,板厚 50
mm)にガンドリルによる穿孔加工を行い、貫通孔100
個の穿孔加工を行った時点での切削抵抗(トルク,kg・
cm)を測定。 ドリル径: φ4.3 mm 回転速度: 5000 rpm 送り速度: 0.008 mm/1回転
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】発明例(No.1〜3) と比較例(No.11 〜1
9)とを対比すると、比較例No.11 は、強度,伸び等の
機械性質、およびドリル加工性等は発明例のものと同等
で、腐食疲労強度も比較的良好であるが、Ni量の不足
およびフェライト相の量比過多(オーステナイト相の量
比不足)のために、耐食性,靱性に乏しい。比較例No.1
2 は、高い靱性を有しているが、オーステナイト相の不
足により、強度, 耐食性, 腐蝕疲労強度が低く、ドリル
加工性にも劣る。比較例No.13は、高靱性を有している
が、フェライト相の不足により、耐力が低く、腐蝕疲労
強度の低下をきたし、またドリル加工性も悪い。なお、
耐食性が低いのは、オーステナイト相の高い量比に対し
てN量が相対的に不足していることによる。比較例No.1
4 は、良好な強度,延・靱性を有し、ドリル加工性にも
優れているが、N量の不足により、耐食性が低く、また
耐食性が低いために、腐蝕疲労強度性も低いレベルにと
どまっている。
【0024】比較例No.15 およびNo.16 は、高い強度を
有しているものの、窒化物の多量の析出に起因して、靱
性,耐食性,および腐蝕疲労強度が低いのは、窒化物の
多量析出によるものであり、また窒化物の析出による硬
質化のために、ドリル加工性も悪い。比較例No.17 は、
Mo量の多量含有,オーステナイト量比が高いこと等に
より耐食性,靱性は良好であり、またNの多量含有によ
るオースタナイト相の固溶強化作用により高い強度を有
しているが、Eq.Cr/Ni比の不足(オーステナイト量比の
増大,加工硬化係数の増大)により、著しくドリル加工
性に劣っている。また、No.18 および No.19の各元素の
含有量は、本発明の規定を満たしているが、前者はEq.C
r/Ni比や、フェライト量比が高過ぎ、靱性に劣り、耐食
性, 腐食疲労強度等も低いレベルにあり、後者はEq.Cr/
Ni比、フェライト量比が不足し、強度が低く、かつドリ
ル加工性に劣る。これに対し、発明例のものは、サクシ
ョンロールの胴部材等として必要な強度,延・靱性等の
機械性質、耐食性および腐蝕疲労強度等を具備すると共
に、比較例に比し、ドリル穿孔における切削抵抗が低
く、改良されたドリル加工性を具備している。
【0025】
【発明の効果】本発明の二相ステンレス鋼は、良好な機
械性質,耐食性,腐蝕疲労強度を有すると同時に、改良
されたドリル加工性を備えおり、これらの諸特性が要求
される製紙機用サクションロールの胴部材料として好適
に使用される。むろん本発明の二相ステンレス鋼の用途
はこれに限定されず、上記諸特性を必要とする各種構造
用部材料として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C: 0.04%以下,Si: 0.2〜
    2.0%,Mn: 0.2〜2.0%,Cr: 23.0〜
    25.0%,Ni: 5.0〜6.5%,Mo:1.0〜
    2.0%,Cu: 0.9%以下,N: 0.03〜0.0
    8%,W: 0.5〜2.0%,Cr当量/Ni当量:
    2.0〜2.3、残部実質的にFeからなり、フェライ
    ト量: 70〜85面積%であるドリル加工性にすぐれた
    高靱性・高腐蝕疲労強度二相ステンレス鋼。
JP6095096A 1996-03-18 1996-03-18 ドリル加工性にすぐれた高靱性・高腐蝕疲労強度二相ステンレス鋼 Pending JPH09256109A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4758430B2 (ja) * 2004-09-07 2011-08-31 オウトクンプ オサケイティオ ユルキネン サクションロール用鋼シェルおよび鉄鋼製品の製造方法
CN103397142A (zh) * 2013-08-13 2013-11-20 北票电力铸钢有限公司 一种用于制备超级双相不锈钢泵阀的aod精炼冶炼工艺

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