JPH09257899A - 気密性核磁気共鳴測定用試料管 - Google Patents

気密性核磁気共鳴測定用試料管

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JPH09257899A
JPH09257899A JP8093265A JP9326596A JPH09257899A JP H09257899 A JPH09257899 A JP H09257899A JP 8093265 A JP8093265 A JP 8093265A JP 9326596 A JP9326596 A JP 9326596A JP H09257899 A JPH09257899 A JP H09257899A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒開発や物性研究等において、必要とな
る加圧、減圧、かつ冷却または加熱の広範な条件下での
測定を可能にする核磁気共鳴試料管を提供すること。 【解決手段】筒状の管本体1と、内栓3と、シールリン
グ2と、挿入片5及び密栓用ボルト4とを備えた気密性
核磁気共鳴測定用試料管であって、管本体1は、側壁の
上部付近において径方向に対向し少なくとも一方が側壁
を貫通している2つの切り欠き部を有し、該切り欠き部
より下方における内側面に係止用凸部が設けられ、内栓
3は、横孔が側面を貫通し、横孔から天面に達する縦孔
が形成されており、挿入片5は、2つの切り欠き部に差
し渡して装着することができ、雌ねじ付貫通孔を有して
おり、密栓用ボルト4は、上部にボルトヘッドを有し、
下部は、内栓の縦孔に緩く嵌まり挿入片の雌ねじ付貫通
孔に雄ねじ部が螺合し内栓の横孔の下面に達しうる径及
び長さとされていることを特徴とする気密性核磁気共鳴
測定用試料管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広い圧力範囲及び温
度範囲において使用可能な気密性核磁気共鳴測定用試料
管に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴は試料の同定および状態や物
性を解明する極めて有力な手段であり、通常、円筒状の
試料管を強磁場の中で高速回転させながら測定を行う。
空気中での取り扱いが困難な試料では気密性を有する試
料管が必要とされる。また、触媒などの研究では反応条
件に近い状態で測定を行うため、常圧下の他、減圧や加
圧下でも、広い温度範囲において気密性を保つことが要
求される。従来、気密性を必要とする測定では、(1)
ガラス管中に試料を封入し、これを保護管に入れて測定
する方法、(2)押し込み式樹脂製栓がついた試料管を
用いる方法があった。しかし、(1)の方法ではガラス
をバーナーによって封じきるため試料が熱的に不安定な
場合は採用できないし、ガラス管を軸対称性を保って封
じきるのが難しく安定な高速回転性が得られない。ま
た、(1)(2)の双方とも加圧状態では使用できない
し、特に(2)の場合では温度変化が大きい場合はそれ
に栓部が耐えられないので広い温度範囲での測定は不可
能である。特に、反応状態にある試料の測定は、その反
応機構の解明、それを手がかりとした新たな産業技術の
創出に極めて有効な方法であるが、従来の技術では反応
に伴う試料管内の圧力や温度の大きな変動に試料管又は
栓が耐えられず、測定はほとんど不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】触媒開発や物性研究に
おいては、減圧から加圧までの種々の圧力下で冷却ある
いは加熱を含む広い温度範囲において物質の特性を解明
するための核磁気共鳴測定をする必要がある。しかし、
前述のように軸対称性と気密性を保った試料管の作成に
ついての問題がある。このため、特に広い圧力及び温度
範囲で使用できる試料管の開発が望まれている。
【0004】本発明は上記の問題を解決し、取り扱いが
容易であり、かつ広い圧力範囲及び温度範囲での測定を
可能にする核磁気共鳴試料管を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、上端部が開放された筒状の管本体と、該管
本体の開放端から挿入されて装着される内栓と、前記管
本体及び内栓の間に介在するシールリングと、前記内栓
を前記管本体に固定するための挿入片及び密栓用ボルト
とを備えた気密性核磁気共鳴測定用試料管であって、前
記管本体は、側壁の上部付近において径方向に対向し少
なくとも一方が側壁を貫通している2つの切り欠き部を
有し、該切り欠き部より下方における内側面に係止用凸
部が設けられ、前記内栓は、前記切り欠き部より上下方
向に大きな径を有する横孔が側面を貫通し、該横孔から
上方に延び天面に達する縦孔が形成されており、前記横
孔は、該内栓が前記管本体に挿入されて前記係止用凸部
により位置決めされたときに、前記切り欠き部に臨み且
つ上端が該切り欠き部の上端より上方に位置するように
形成されており、前記挿入片は、前記2つの切り欠き部
に差し渡して装着することができ、装着時に上下方向に
向く雌ねじ付貫通孔を有しており、前記密栓用ボルト
は、上部にボルトヘッドを有し、下部は、前記内栓及び
挿入片が前記管本体に装着された状態で、前記内栓の縦
孔に緩く嵌まり前記挿入片の雌ねじ付貫通孔に雄ねじ部
が螺合し前記内栓の横孔の下面に達しうる径及び長さと
されていることを特徴とする気密性核磁気共鳴測定用試
料管を提供するものである。
【0006】上記気密性核磁気共鳴測定用試料管は、前
述の内栓に変えて、前記管本体に挿入されて前記係止用
凸部により位置決めされたときに、天面が前記切り欠き
部より下方に位置する寸法とされた内栓を備えることが
できる。この場合、前記ボルトの下部は、前記内栓及び
挿入片が前記管本体に装着された状態で、前記挿入片の
雌ねじ付貫通孔に雄ねじ部が螺合し前記内栓の天面に達
し得る径及び長さとされる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
添付図面を参照しつつ説明する。気密性核磁気共鳴試料
管は図1に示されるように、試料管本体1、O−リング
2、内栓3、密栓用ボルト4、挿入片5を備えている。
図2から図4に試料管本体の正面図、平面図と縦断面
図、図8に雌ネジが切られている挿入片の平面図を示
す。試料管本体1は一方が閉鎖された円筒管である。試
料管本体1の閉鎖された底部11には試料管を空気の吹
き付けによって回転させるために必要なタービン状の回
転子を装着するための受け口15が設られている。
【0008】しかし、試料管本体底部11を加工して回
転子の形状にすることもでき、回転力付与のための他の
構造とすることもできる。試料管本体の内部側面には段
差を設け環状の係止用凸部16として内栓を支える。
【0009】内栓3と本体内面とのシールはO−リング
2等のシールリングを係止用凸部と内栓との間に介在さ
せて内栓を試料管に固定するには、試料管内面に雌ネジ
を切り、雄ネジを設けた内栓を上方から螺入して固定す
ることも考えられるが、試料管がセラミックス製である
場合、加工性が悪い材料で形成されていると、そのよう
な構造は採用し難い。そこで試料管本体上方の側壁13
に、雌ネジ51を切った挿入片5を差し渡すための切り
欠き部14(この例では貫通孔)を2ヶ所に設ける。
【0010】内栓3は、この例では、図5から図7に示
されるように、切り欠き部14より上下方向に大きな径
を有する横孔31が側面を貫通し、横孔31から上方に
延び天面33に達する縦孔32が形成されており、横孔
31は、内栓3が管本体1に挿入されて係止用凸部16
により位置決めされたときに、切り欠き部14に臨み且
つ上端が切り欠き部14の上端より上方に位置するよう
に形成されている。
【0011】試料管各部分の材質の選定には測定核種に
よって制約が加えられ、通常はバックグラウンド信号が
小さい材質が選定される。一般的に望ましい材質とし
て、例えば、試料管本体1にはジルコニア、アルミナ、
窒化珪素、窒化アルミナ等の磁性を示さないセラミック
スが挙げられるが、Kel-F 等の高分子化合物を使用でき
る場合もある。内栓には試験管本体と同じく磁性を示さ
ないジルコニア、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミナ等
のセラミックスを使用することができる。シールリング
は、一般的な材質のものを使用できるが、例えばフッ素
シリコンゴム等の温度特性の良好なゴム製のものが有利
に使用できる。雌ネジ51を切った挿入片5の材質とし
ては、マコール等のセラミックやベスペル等の高分子素
材が挙げられる。ボルト4の材質としては、常磁性でな
い種々のものが使用でき、例えばベスペル、マコール等
のような高分子素材やセラミックを使用することができ
る。
【0012】試料管に密栓をするための手順は次の通り
である。即ち、試料管本体1にO−リング2を入れ次に
内栓3をした後、雌ネジを切った挿入片5を試料管本体
1の上方側壁部13にある孔14に通して内栓3の上に
差し渡し、試料管上方からボルト4を挿入片3の雌ネジ
51に螺入し、ボルト4先端を押し当てて内栓3を上方
から固定する。
【0013】試料管内を加圧又は減圧状態にする場合に
は、試料管を減圧又は加圧容器内に入れ、支持具により
固定する。容器には、加圧又は減圧状態を保ちつつ外部
から回転させることが可能なネジ回し用棒が支持具に対
して配置されており、この棒を密栓用ボルト4に係合さ
せてボルト4を回して加圧又は減圧状態の中で試料管を
密栓する。
【0014】図9は、本発明にかかる気密性核磁気共鳴
測定用試料管の他の実施形態を示したものである。この
例においては、内栓3は縦孔及び横孔を有していない。
内栓3は、装着した状態で内栓3の天面33が試料管本
体1の切り欠き14よりも下方に位置するような寸法の
内栓を用い、装着時において挿入片5の差し渡しを妨げ
ないようにしている。内栓3の固定は、挿入片5に螺入
したボルト5の先端が内栓の天面33を押圧することに
より行われる。他は、前述の例と同様である。
【0015】また、図1及び図9に示されている実施形
態においては、環状の係止用凸部16の上にシールリン
グを載せて内栓で下方へ押圧する構造となっているが、
内栓3の側面又は試料管本体1の側面に環状の凹所を形
成してシールリングを収容することにより両側面間でシ
ールを得るようにしてもよい。この場合、内栓3の取り
出し用係止部を内栓3の上部に設けることが望ましい。
【0016】また、図1及び図9に示されている実施形
態においては、試料管本体の2つの切り欠き部14が共
に貫通孔とされているが、一方のみを貫通孔とし、他方
を試料管本体内面に形成した凹所とし、挿入片を貫通孔
から挿入して試料管本体内面の凹所に嵌めるようにする
こともできる。試料管本体1は、両端を開放して、両端
部に内栓3を取り付けるようにすることもできる。
【0017】さらに、図10に示されているように、試
料管の本体の内径を試料管の底から開放端までほぼ一定
とし、内栓を保持するための係止用凸部を環状突起17
とすることにより、試料室を大きくすることもできる。
【0018】
【実施例】実施例1 試料管本体及び内栓をジルコニア、挿入片は
マコール、密栓用ボルトはベスペル、O−リングはフッ
素シリコンゴムを材質として試料管を制作した。試料管
の各所の寸法は次の通りである。 試料管本体内部にO−リングを入れ、次に内栓を入れ、
挿入片を試料管本体側面の孔及び内栓側面の横孔を通し
て入れ、上部から密栓用ボルトを挿入片の雌ネジに未シ
ール状態に軽くねじ込み、試料管を組み立てた。その後
真空容器に試料管を入れて支持具で固定し、試料管内部
を10-3 Torrの真空とした。真空容器には真空を保ちつ
つ外部から回転させることが可能なネジ回し用棒が支持
具に対向して配置されており、この棒を雄ネジに係合さ
せて雄ネジを回して真空中で試料管を密栓した。この試
料管を真空容器から出し、ドライアイス中で3時間放置
した後、ふたたび真空容器中に戻し真空中で開栓した
が、真空容器の真空度の悪化は検知されず試料管は低温
にあっても長時間真空を保つことが明らかとなった。
【0019】実施例2 実施例1で制作した試料管本体
に水(0.1ml)を入れ前述と同様にしてO−リング、
内栓、挿入片、密栓用ボルトにより試料管を組み立て
て、ボルトを緊く締めて密栓した。これを真空容器中に
入れ真空容器内を真空(10-3 Torr)とした後、外部か
ら試料管を200℃で1時間加熱したが真空容器の真空
度の悪化は検知されず、試料管は高温にあっても長時間
内部の圧力状態を保つことが明らかとなった。
【0020】実施例3 実施例1で制作した試料管本体
に固体粉末試料(0.3g)をいれ、同様にしてO−リ
ング、内栓、挿入片、密栓用ボルトにより試料管を組み
立て、密栓用ボルトを緊く締めて密栓した。これに市販
の核磁気共鳴測定用試料管に使用するタービン状回転子
を試料管下部に装着し、この試料管を核磁気共鳴測定装
置の試料室に入れ圧搾空気を吹き付けて試料管を回転さ
せ約6500Hz±2Hzの安定した回転速度を得るこ
とができた。また、通常の測定条件では、試料から13C,
1Hのバックグランドが観測されず、使用した材質が、
13C, 1Hの測定に適していると言える。
【0021】
【発明の効果】本発明にかかる気密性核磁気共鳴測定用
試料管においては、挿入片が試料管本体の切り欠き部に
差し渡されて装着されるので管本体に対し上下方向に移
動せず、その固定状態の挿入片に密栓用ボルトが螺入さ
れて内栓を上方から押し付けて係止用凸部との間で内栓
を保持する。従って、測定中に内栓が試料管の軸線方向
に移動することがなく、減圧状態から加圧状態までの広
い圧力範囲で長時間気密性を保つことができる。特に、
これまでできなかった、加圧状態での核磁気共鳴測定が
可能となる点で有利である。
【0022】また、この気密性保持のための構造に関
し、試料管本体は上部に切り欠き部及び係止用凸部を設
けるという単純な構造とし、さらに該切り欠き、挿入
片、密栓用ボルト及び係止用凸部で内栓を保持する構成
とすることにより、内栓の形状の単純化を可能とした。
これにより、試料管内部の温度状態の影響を最も受ける
試料管本体及び内栓を、セラミック等のように耐熱性及
び低磁性の点で優れるが加工性の悪い材料で構成するこ
とを容易にした。従って、その材料の選択により低温か
ら高温に至る広い温度範囲に耐えることができる試料管
を実現することができる。
【0023】また、本発明にかかる内栓を使用すること
により、試料管を封じきる必要がなくいため試料管の密
閉及び開封時の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる気密性核磁気共鳴測定用試料管
の1例の縦断面図である。
【図2】図1に示されている試料管本体の正面図であ
る。
【図3】図1に示されている試料管本体の平面図であ
る。
【図4】図1に示されている試料管本体の縦断面図であ
る。
【図5】図1に示されている内栓の正面図である。
【図6】図1に示されている内栓の平面図である。
【図7】図1に示されている内栓の縦断面図である。
【図8】図1に示されている挿入片の平面図である。
【図9】本発明にかかる気密性磁気共鳴測定用試料管の
他の1例を示す縦断面図である。
【図10】本発明にかかる気密性磁気共鳴測定用試料管
の他の1例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 試料管本体 2 O−リング 3 内栓 4 密栓用ボルト 5 挿入片 11 試料管本体底部 13 試料管本体上方側壁部 14 切り欠き 16 係止用凸部 17 環状突起 31 横孔 32 縦孔 33 天面 51 雌ねじ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部が開放された筒状の管本体と、 該管本体の開放端から挿入されて装着される内栓と、 前記管本体及び内栓の間に介在するシールリングと、 前記内栓を前記管本体に固定するための挿入片及び密栓
    用ボルトとを備えた気密性核磁気共鳴測定用試料管であ
    って、 前記管本体は、側壁の上部付近において径方向に対向し
    少なくとも一方が側壁を貫通している2つの切り欠き部
    を有し、該切り欠き部より下方における内側面に係止用
    凸部が設けられ、 前記内栓は、前記切り欠き部より上下方向に大きな径を
    有する横孔が側面を貫通し、該横孔から上方に延び天面
    に達する縦孔が形成されており、前記横孔は、該内栓が
    前記管本体に挿入されて前記係止用凸部により位置決め
    されたときに、前記切り欠き部に臨み且つ上端が該切り
    欠き部の上端より上方に位置するように形成されてお
    り、 前記挿入片は、前記2つの切り欠き部に差し渡して装着
    することができ、装着時に上下方向に向く雌ねじ付貫通
    孔を有しており、 前記密栓用ボルトは、上部にボルトヘッドを有し、下部
    は、前記内栓及び挿入片が前記管本体に装着された状態
    で、前記内栓の縦孔に緩く嵌まり前記挿入片の雌ねじ付
    貫通孔に雄ねじ部が螺合し前記内栓の横孔の下面に達し
    うる径及び長さとされていることを特徴とする気密性核
    磁気共鳴測定用試料管。
  2. 【請求項2】 上端部が開放された筒状の管本体と、 該管本体の開放端から挿入されて装着される内栓と、 前記管本体及び内栓の間に介在するシールリングと、 前記内栓を前記管本体に固定するための挿入片及び密栓
    用ボルトとを備えた気密性核磁気共鳴測定用試料管であ
    って、 前記管本体は、側壁の上部付近において径方向に対向し
    少なくとも一方が側壁を貫通している2つの切り欠き部
    を有し、該切り欠き部より下方における内側面に係止用
    凸部が設けられ、 前記内栓は、前記管本体に挿入されて前記係止用凸部に
    より位置決めされたときに、天面が前記切り欠き部より
    下方に位置する寸法とされており、 前記挿入片は、前記2つの切り欠き部に差し渡して装着
    することができ、装着時に上下方向に向く雌ねじ付貫通
    孔を有しており、 前記密栓用ボルトは、上部にボルトヘッドを有し、下部
    は、前記内栓及び挿入片が前記管本体に装着された状態
    で、前記挿入片の雌ねじ付貫通孔に雄ねじ部が螺合し前
    記内栓の天面に達し得る径及び長さとされていることを
    特徴とする気密性核磁気共鳴測定用試料管。
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