JPH09260171A - 希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類永久磁石の製造方法

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JPH09260171A
JPH09260171A JP8066009A JP6600996A JPH09260171A JP H09260171 A JPH09260171 A JP H09260171A JP 8066009 A JP8066009 A JP 8066009A JP 6600996 A JP6600996 A JP 6600996A JP H09260171 A JPH09260171 A JP H09260171A
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alloy
rare earth
cooling
temperature
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Osamu Kobayashi
理 小林
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−Fe−B系合金または合金粉末を金属カ
プセルに封入して熱間加工を行う永久磁石の製造方法に
おいて、その磁石に発生する割れを防止することを目的
としている。 【解決手段】 R,Fe,Bを原料基本成分とする合金
または合金粉末をカプセル内に密封し、該カプセルを熱
間加工した後、0.01〜2℃/分の冷却速度による徐
冷または加工材に圧縮応力を加えつつ冷却等といった合
金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩和する冷却
工程を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類元素、鉄及
びBを基本成分とする希土類合金または希土類合金粉末
をカプセルに入れて熱間加工する永久磁石の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石は、外部から電気的エネルギー
を供給しないで磁界を発生するための材料であり、高透
磁率材料とは逆に保磁力が大きく、また残留磁束密度も
高いものが適し、一般家庭の各種電気製品から大型コン
ピューターの周辺端末機器まで、幅広い分野で使用され
ている重要な電気・電子材料の1つである。
【0003】現在使用されている永久磁石のうち希土類
永久磁石は、極めて高い保磁力とエネルギー積を持つ永
久磁石として多くの研究開発がなされている。そしてこ
の希土類永久磁石の製造方法としては、特公昭61−3
4242号公報等にあるように焼結法によるものや、特
公平4−20975号公報等にあるように急冷薄片を樹
脂結合法で磁石にする方法、さらに、特公平4−202
42号公報等の2段階ホットプレス法と呼ばれる方法が
知られていた。
【0004】また、特開昭62−276803号公報等
の希土類と鉄とBを基本成分とする合金を熱間加工する
ことにより、結晶粒を微細化しまたその結晶軸を特定の
方向に配向せしめて、磁気特性と機械的強度に優れた希
土類−鉄系永久磁石を得る方法も知られていた。そして
この方法においては、特開平1−171204号公報に
あるように金属カプセルで合金を覆って熱間加工を行う
方法が、加熱中の雰囲気管理も不要であり量産に向く方
法として開示されている。
【0005】この希土類合金をカプセルにいれて熱間加
工する希土類磁石の製造方法においてはさらに次のよう
な方法が知られていた。
【0006】(1)特開平2−3901号公報2頁右下
欄7〜16行には、希土類元素と鉄とボロンとを基本成
分とする合金の鋳塊を熱間加工する工程を含む希土類−
Fe−B系磁石の製造方法において、剥離剤(ガラス潤
滑剤、BN、アルミナ等)を介して金属カプセルに鋳塊
を封入した上で熱間加工を行うことにより磁石と金属カ
プセルの反応を防止でき、割れ発生の防止に効果がある
ことが開示されている。
【0007】(2)特開平3−287723号公報2頁
左上欄20行〜左下欄4行には、希土類元素と鉄とボロ
ンとを基本成分とする合金の鋳塊を熱間加工する工程を
含む希土類−Fe−B系磁石の製造方法において、炭素
量が0.25wt%以下で融点が600℃以上の金属材
料で鋳塊を囲僥すると共に密封した上で熱間加工を行
い、加工後10℃/分未満の冷却速度で冷却することが
磁石の割れ発生の防止に効果があることが開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】叙上の(1)〜(2)
の従来の希土類永久磁石の製造方法は、次の如き欠点を
有している。
【0009】(1)の永久磁石を製造方法は、磁石とカ
プセルの間の反応を剥離剤・潤滑剤で防ぐことにより両
者の融着・一体化を平均としては少なくすることができ
たが、潤滑剤保持材を用いた場合でも潤滑剤の加工に伴
う展延が均一でなく、どうしても一部では潤滑剤切れを
起こして融着が生じ磁石の割れが発生するといった欠点
がある。
【0010】(2)の永久磁石の製造方法は(1)の製
造方法の欠点を改良するものであり熱間加工後の冷却速
度を規定したものであるが、この場合でも磁石の割れの
発生は完全に防止されたわけではなく、磁石材が2分割
される様な大きな割れが1〜2割の頻度で発生し、また
磁石表面層には浅く小さな割れがまだ発生しその割れ部
除去のためにも歩留まりが低下する欠点がある。
【0011】本発明は、以上の従来技術の欠点、(1)
〜(2)の永久磁石製造方法における割れによる歩留ま
りの低下の欠点を解決するものであり、その目的とする
ところは、機械的強度に優れ大型磁石の作製が可能な鋳
造・熱間加工法によるR−Fe−B系永久磁石において
割れによる歩留まり低下を防ぎ、高性能かつ低コストの
永久磁石の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の希土類永
久磁石の製造方法は、R(ただしRはYを含む希土類元
素のうち少なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分
とする希土類合金または希土類合金粉末をカプセルに入
れて熱間加工する永久磁石の製造方法において、熱間加
工後に合金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩和
する冷却工程をもつことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の希土類永久磁石の製造方法
は、前記合金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩
和する冷却工程が、0.01〜2℃/分の冷却速度によ
って徐冷する工程であることを特徴とする。
【0014】請求項3記載の希土類永久磁石の製造方法
は、前記合金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩
和する冷却工程が、加工材に圧縮応力を加えつつ冷却す
る工程であることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の希土類永久磁石の製造方法
は、(a) R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少
なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分とする合金
を溶解・鋳造する工程、(b) 前記鋳造合金をA3 変態
点を有する鉄基金属カプセル内に装入、密封する工程、
(c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
上の温度で熱間加工する工程、(d) 次いで熱間加工さ
れた圧延材(カプセル)を該鉄基金属カプセルのA3
態開始温度(T1)からA3 変態終了温度(T2)までを
0.05〜2℃/分の冷却速度で徐冷し、更に室温まで
冷却する工程。
【0016】上記(a)〜(d)の工程からなり、該合金を
磁気的に異方性化することを特徴とする。
【0017】請求項5記載の希土類永久磁石の製造方法
は、(a) R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少
なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分とする合金
を溶解・鋳造する工程、(b) 前記鋳造合金をA3 変態
点を有する鉄基金属カプセル内に装入、密封する工程、
(c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
上の温度で熱間加工する工程、(d) 次いで熱間加工さ
れた圧延材(カプセル)を該鉄基金属カプセルのA3
態開始温度(T1)からA3 変態終了温度(T2)までを
0.05〜2℃/分の冷却速度で徐冷し、更に室温まで
冷却する工程、(e) 前記鋳造合金を金属カプセルより
取出し熱処理する工程。
【0018】上記(a)〜(e)の工程からなり、該合金を
磁気的に異方性化することを特徴とする。
【0019】請求項6記載の希土類永久磁石の製造方法
は、(a) R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少
なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分とする合金
を溶解・鋳造する工程、(b) 前記鋳造合金をA3 変態
点を有する鉄基金属カプセル内に装入、密封する工程、
(c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
上の温度で熱間加工する工程、(d) 次いで熱間加工さ
れた圧延材(カプセル)を該鉄基金属カプセルのA3
態開始温度(T1)からA3 変態終了温度(T2)までを
0.05〜2℃/分の冷却速度で徐冷し、更に室温まで
冷却する工程、(e) 前記鋳造合金を金属カプセルより
取出し熱処理する工程、(f) 次いで所望の形状に切断
・研磨する工程。
【0020】上記(a)〜(f)の工程からなり、該合金を
磁気的に異方性化することを特徴とする。
【0021】請求項7記載の希土類永久磁石の製造方法
は、前記工程(d)の冷却工程において、(T1+5
0)℃から(T2−50)℃までの温度域を0.05〜
1℃/分の冷却速度で徐冷し、次いで (T2−50)℃
から250℃までの温度域を0.01〜2℃/分の冷却
速度で徐冷することを特徴とする。
【0022】請求項8記載の希土類永久磁石の製造方法
は、前記工程(a)の鋳造合金がR14〜19原子%、
B4〜6原子%、Cu0.1〜2原子%、残部鉄及び製
造上不可避な不純物からなり、さらに前記工程(b)の
鉄基金属カプセルが冷却時のA3 変態点を600〜90
0℃にもつ汎用鋼であることを特徴とする。
【0023】請求項9記載の希土類永久磁石の製造方法
は、前記工程(b)の鋳造合金を鉄基金属カプセル内に
装入する際、合金とカプセルの間に剥離剤を介在させる
ことを特徴とする。
【0024】ここでA3 変態点とは、鉄及び鉄基合金の
α鉄(体心立方格子)⇔γ鉄(面心立方格子)の変態点
および変態温度域を指し、例えば高温からの冷却時の亜
共析鋼の様な場合にはγ鉄からα鉄への変態とγ鉄から
α鉄+セメンタイトへの変態の連続する変態温度域を指
す。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明における希土類永久合金ま
たは希土類合金粉末として好ましい組成について以下に
説明する。
【0026】希土類元素としてはY,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luが候補として挙げられ、これらの
うち1種あるいは2種以上を組み合わせて用いる。最も
高い磁気特性はPrで得られるので、実用的にはPr,
Pr−Nd,Ce−Pr−Nd合金等が用いられる。
【0027】希土類元素の量は12〜25原子%が適当
で、12原子%未満だとR−リッチ相の量が少なく加工
中に割れ易くなり歩留まりが低下してしまう。また25
原子%を越えると非磁性相の量が多くなり磁気特性は著
しく低下する。そして、希土類磁石が高い磁気特性と優
れた機械的強度を得るためには、希土類元素の量は14
〜19原子%であることが望まれる。
【0028】Feは65〜85原子%が適当であり、6
5原子%未満では非磁性相の量が増えすぎて性能が低下
する。一方85原子%を越えると希土類元素の量が減少
し、希土類元素の説明で述べたような問題が出て来る。
【0029】Bは2〜8原子%が適当であり、2原子%
未満では菱面体のR−Fe系になるために高保磁力は望
めない。また8原子%を越えると微細な R2Fe14B粒
を得ることが困難で熱間加工性が悪くなり高保磁力を得
ることも出来なくなる。そして、希土類磁石が高い磁気
特性と優れた機械的強度を得るためには、Bの量は4〜
6原子%であることが望まれる。
【0030】またCoはキュリー温度を高めるのに有効
であり、Feに対して50%以内の置換であれば保磁力
を大きく損なうことが無く置換できる。
【0031】Cu,Ag,Au,Gaは熱間加工性を高
め、保磁力と角形性の向上効果を有するので添加するこ
とが有効だが非磁性相を形成するのでその添加量は6原
子%以下が好ましい。そして、このうちCuが最も高い
効果を持ち、希土類磁石が高い磁気特性と優れた機械的
強度を得るためには、Cuが0.1〜2原子%であるこ
とが望まれる。
【0032】また、上記以外に更にAl,Si等を含む
こともでき、残留磁束密度を低下させない程度の少量添
加によって保磁力の向上を図ることも良い。
【0033】そして、以上説明してきた希土類元素と鉄
とBを基本成分とする合金は昇温時に次のような熱膨張
挙動を示す。まず主相が強磁性体であるこの合金は室温
から300℃前後のキュリー温度までは収縮し、キュリ
ー温度以上で膨張に転じる。そして、450℃〜700
℃の温度範囲のなかに一部の粒界相の融点が存在し、そ
の温度からは液相の出現により、より大きな膨張率へ変
化する。そして、この融点以上ではほとんど単調に膨張
する。
【0034】上記の希土類合金または希土類合金粉末の
作成は、現在知られている製造法のどれをも採用でき、
例えば水冷銅ハース上でのアーク溶解による合金イン
ゴットの作成、高周波溶解後、鉄・銅等の金型への鋳
造による合金インゴットの作成、メルトスパン法によ
る急冷合金リボン・フレークの作成、希土類化合物か
らの還元・拡散法による合金粉末の作成、ボールミル
を用いたメカニカルアロイング法による合金粉末の作成
等の方法が採用できる。及びの合金インゴットを機
械的に粉砕して粉末にしても良いし、水素脆化を用いて
粉砕し粉末とすることも可能である。またこれらの希土
類合金および希土類合金粉末の作成は、合金の酸化を防
ぐためAr、窒素等の不活性雰囲気中で行われることが
望まれる。
【0035】またの溶解・鋳造により合金インゴット
を作成する場合には、そのインゴットのマクロ組織が柱
状晶でかつ主相の平均粒径が1〜50μmの微細な結晶
となるように鋳造することが好ましく、そのために金型
の冷却能を十分に大きくなるようにその体積を大きくし
たり水冷機構をつけた金型が用いられる。
【0036】次に、本発明の製造方法では希土類合金イ
ンゴットまたは希土類合金粉末はカプセルに封入される
が、その熱間加工は合金中に液相を生成させ、いわゆる
半溶融状態となるほどの高温で行われることから、カプ
セルとしてはこの加工温度より十分に高融点の材料が使
用される。そして熱間加工において合金の変形に対応で
きる延性と強度が必要で、例えば鉄系合金、銅系合金、
ニッケル系合金などの金属カプセルが使用される。これ
らの金属カプセルの多くは室温以上の温度域では単調な
熱膨張を示す。
【0037】また、この高温に於ける液相は希土類に富
み反応性が高いので、この液相と比較的緩やかな反応を
起こして合金層または化合物層を生成する鉄基金属カプ
セルが望ましく、例えばJIS G 3101の一般構造用圧延鋼
材、JIS G 3131の熱間圧延軟鋼板及び鋼帯、JIS G 3141
の冷間圧延鋼板及び鋼帯、JIS G 4051の機械構造用炭素
鋼鋼材、JIS G 4304の熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼
帯、JIS G 4305の冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯等の
3 変態点を有する鉄基金属カプセルが使用できる。こ
れらの鉄基金属カプセルは600〜900℃に冷却時の
3 変態点を有しており、その昇温時の熱膨張に関して
はα鉄(体心立方格子)→γ鉄(面心立方格子)のA3
変態点において収縮を生じるが、そのほかの室温以上の
温度域では単調な膨張を示すものである。
【0038】そして、この金属カプセルの厚みであるが
中に装入される合金のサイズに対して20%以上である
ことが望ましい。例えば外形が幅W1×長さL1×高さ
H1の直方体のカプセルに幅W2×長さL2×高さH2
の合金が装入されるとき、幅方向のカプセル厚みTw=
(W1−W2)/2が0.2×W2より大きくなるよう
にカプセル厚みは設定される。さらに、長さ方向のカプ
セル厚みTl=(L1−L2)/2,高さ方向のカプセ
ル厚みTh=(H1−H2)/2についてもそれぞれ
0.2×L2,0.2×H2より大きくなるように設定
される。複数の合金インゴットが装入されるときは、あ
る合金塊に対してその外側へ向かっての幅方向、長さ方
向、高さ方向のカプセル材の厚さの和が前述のカプセル
厚みの条件を満たしていれば良い。この厚みよりカプセ
ルが薄いと熱間加工中にカプセルが破断して大きな割れ
を引き起こすことがある。
【0039】これらのカプセルは前述の材料金属塊をく
り抜いて作るのが強度上好ましいが、板材を溶接によっ
てカプセル化したものも使用できる。また多重カプセル
によってカプセルを作成することも良い。
【0040】そして、この液相と鉄基金属カプセルとの
過剰な反応を抑えるために合金/カプセル間に剥離材を
介在させることが有効で、剥離剤としてはBN、アルミ
ナ、シリカ等が使用できる。
【0041】また、熱間加工時に合金の酸化の原因とな
る酸素、水等をカプセル内に残留させることは好ましく
なく、特に複数枚の合金インゴットを熱間加工中に融着
させて一体の磁石としようとする場合及び合金粉末を熱
間加工する場合にはカプセル内を10-3torr程度の真空
に脱気して合金を封入することが望ましい。
【0042】熱間加工を実施する場合の温度は、その主
相粒の十分な配向を得るためと圧延時の大きな割れを防
止するためには800℃以上とすることが望ましい。ま
たその上限は、主相粒( R2Fe14B粒)の急激な粗大
化によるiHcの減少を避けるために1100℃以下と
することが望ましい。この加工温度は、先に説明した鉄
基金属カプセルにとっては、A3 変態途中であるより一
度A3 変態点以上の温度となってγ鉄相の状態で熱間加
工されることが望ましい。
【0043】熱間加工法としては、圧延、プレス、鍛
造、押出などが採用でき、その加工条件としては、歪速
度が 10-4〜102/sであり、総加工度(板厚減少
率)が50%以上であることが結晶粒の配向すなわち残
留磁束密度の向上のために望ましい。
【0044】加工法が熱間圧延である場合には、その圧
延を金属カプセルに対して幅方向からの拘束を加えつつ
行うのが、磁石の磁気特性向上と圧延時の磁石の割れ防
止にとって望ましい。この為には例えば溝付の雌雄ロー
ル、または孔型ロールを用いれば良いが、最も簡便には
圧延されるカプセルの圧延方向に対する幅Wと高さHの
比W/Hを1.0以上にしておけばカプセル内の合金は
カプセル外皮により幅方向両側から拘束を受けることに
なり、上記の特殊ロールを用いた場合と同様の効果が得
られるので、この方法が採用できる。
【0045】また、熱間圧延の場合1度加熱した後は多
段パスの間再加熱しない様な方式(1ヒート・多パス)
と多段パスの中間に再加熱して加工温度の定常化を図る
方式(多ヒート・多パス)のどちらでも良いが、被圧延
材が50kgを越えるような大型材の場合は、その大き
な熱容量のために加工中の温度低下による悪影響も小さ
くなり、1ヒート・多パス方式がその生産性の高さが活
かせるので望ましい。
【0046】さらに上記多パス圧延では、圧延装置に対
して被圧延材を常に一つの方向から導く一方向圧延方式
と、各パス毎に交互に往復させるいわゆるリバース圧延
方式の両方が考えられどちらも採用できるが、圧延磁石
の磁気特性の圧延長さ方向の均一性においてはリバース
圧延方式が優れている。また、多パスのパススケジュー
ル中に15%以上の大きな加工度のパスがあることが磁
気特性の向上に好ましい。
【0047】次に希土類合金とカプセルの熱間加工終了
後の冷却時の挙動であるが、前述したように希土類合金
はその粒界相(液相)の凝固点まで一様に収縮し、そこ
でその収縮率を小さくする変化を示して、キュリー点よ
り下の温度では膨張に転ずる。この様子は例えば図1に
示されている。そしてカプセルであるが、銅合金等の一
般的金属カプセルであれば、希土類合金の粒界相の凝固
以前の収縮率とほぼ同様の収縮率で室温まで一様に収縮
する。このためこの様な金属カプセルと希土類合金の熱
膨張率の差による応力は、希土類合金の粒界相の凝固点
付近で発生する。
【0048】また、カプセルが900〜600℃の範囲
に冷却時のA3 変態点をもつ鉄基金属である場合は冷却
時A3 変態点において一度膨張し、その後一様に収縮す
る。これは、例えば図2に示されたような変化を示すも
のである。よって、この様なA3 変態点をもつ鉄基金属
カプセルと希土類合金の熱膨張の差による応力は、カプ
セルのA3 変態点付近において発生する。
【0049】上記銅合金等の一般的金属カプセルおよび
3 変態点をもつ鉄基金属カプセルいずれの場合も熱間
加工後に合金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩
和する冷却工程としては、0.01〜2℃/分の冷却速
度による徐冷工程、あるいは加工材に圧縮応力を加えつ
つ冷却する工程が採用できる。
【0050】後者の場合、例えば熱間鍛造終了後鍛造ダ
イをそのままの位置に保持して、圧縮状態のまま冷却す
ることにより上記の応力緩和が達成できる。
【0051】また、前者の徐冷による場合の冷却条件で
あるが、10℃/分以上の冷却速度の様な急冷をすれば
磁石が2分されるような大きな割れが確実に発生し応力
緩和はなし得ない。また、5℃/分程度の冷却速度では
大きな割れはかなり防止できるが1〜2割の確率で発生
するので十分な応力緩和とは言えない。2℃/分以下の
冷却速度の時に応力緩和の効果を発揮して、磁石が2分
されるような大きな割れはほぼ100%防止できる。し
かし、その生産性の面から、あまりに遅い冷却は好まし
くなく0.01℃/分以上の冷却速度であることが望ま
れる。
【0052】特にA3 変態点をもつ鉄基金属カプセルを
用いた場合では、カプセルのA3 変態点付近の熱膨張の
差による応力を緩和するための冷却条件として、その応
力発生開始点であるA3 変態開始温度(T1)から応力
拡大領域の終点であるA3変態終了温度(T2) までを
0.05〜2℃/分の冷却速度で徐冷する事が好まし
い。ここで冷却速度の下限が0.05℃と高いのは、こ
れ以下の冷却速度ではカプセルと磁石合金の反応が進み
すぎて、その反応・融着による割れが発生しやすくなる
ためである。そしてより割れの発生確率を低減するため
には前述の徐冷領域を広げ、(T1+50)℃から(T2
−50)℃までの温度域を0.05〜1℃/分の冷却速
度で徐冷し、次いで (T2−50)℃から250℃まで
の温度域を0.01〜2℃/分の冷却速度で徐冷するこ
とが望ましい。ここで250℃以下においては、合金と
カプセルの熱膨張の差による新たな応力の増加は少な
く、合金の引っ張り強度も大きい温度域なので徐冷の必
要はなくなる。
【0053】また、カプセルの一部が局所的に冷やされ
ることや熱間加工時に生じた温度むらなどによってカプ
セルの一部に応力集中が起こると割れにつながるので、
炉にいれたり熱浴となるような金属塊に接触させて、カ
プセルの温度均一度を高めた後または均一度を高めたま
まで徐冷することが良い。
【0054】こうして、室温まで冷却された被加工材か
らガス溶断、鋸刃切断等の方法を用いてカプセルを外
し、磁石合金を取り出せば磁石として使用できる。しか
し、更に熱処理を施せばより大きな保磁力を得ることが
できるので、要求される保磁力に応じて不活性雰囲気中
で熱処理を施すことが望まれる。
【0055】ここで熱処理を実施する場合の温度は、そ
の保磁力増大効果を得るためには450℃以上が好まし
く、しかし1100℃以上では主相粒が急激に粗大化し
iHcの減少が起こるので避けるべきで、適正な熱処理
温度は450〜1100℃である。さらには、先に75
0〜1100℃の高温の熱処理を施し、次に450〜7
50℃の低温熱処理を施す2段熱処理、あるいはそれを
繰り返す多段熱処理が保磁力の向上と角型性の向上に効
果があるのでより好ましい。
【0056】そして、最後に所望の形状が小さい場合に
は、熱間加工された磁石合金よりダイヤモンドホイール
による切断、砥石によるに研削、ワイヤー放電加工によ
る切断等により多数の磁石を切り出すことができる。
【0057】以下本発明を実施例に基づいて説明する。
【0058】〔実施例1〕アルゴン雰囲気中で誘導加熱
炉を用いて、 Pr17.2Fe77B5.2Cu0.6なる組成の合金をア
ルミナ坩堝中で溶解し、1550℃において水冷銅鋳型
に注湯し鋳造インゴットを得た。この時、希土類、鉄及
び銅の原料としては99.9%の純度のものを用い、ボロン
はフェロボロンを用いた。鋳造したインゴットのサイズ
は、厚み20mm×幅500mm×高さ240mmであ
り、厚み方向に柱状晶の発達したマクロ組織を持ってい
た。またこの柱状晶組織の平均粒径は15μmであっ
た。
【0059】このインゴットからφ10mm×20mm
の円柱サンプルを切り出し、1025℃×1hの熱処理
後、室温から1000℃までの昇温時(昇温速度1℃/
分)の熱膨張を測定した。この結果を図1に示す。
【0060】次ぎに、この鋳造インゴットからは幅(厚
み)17mm×長さ130mm×高さ60mmのサンプ
ルが切り出された。このサイズのサンプルインゴットを
幅方向に5枚並べて1ブロックにまとめ、厚み3mmの
SS400鋼材の溶接によって角パイプにした第一カプ
セルに挿入してインゴットの幅方向(側面)と高さ方向
(上下面)を覆った。長さ方向(前後)にも同厚みの同
板材を点溶接して第一カプセルを完成させた。そして外
形が幅130mm×長さ230mm×高さ120mmの
溶接によって作られたSS400鋼製(炭素量0.16
wt%、珪素0.20wt%、マンガン0.75wt
%)の第2カプセルに入れられた。この第二カプセルの
長さ方向の1面にはφ1.5mmの孔が有り、1.5×
10−4torrの真空チャンバー内で電子ビーム溶接
により封じることでカプセルは真空封入された。
【0061】また、この第2カプセルからもφ10mm
×20mmの円柱サンプルを切り出し、室温から100
0℃までの昇温時及び降温時(昇温及び降温速度1℃/
分)の熱膨張を測定した。この結果を図2に示す。この
図からカプセルの冷却時のA変態開始温度(T1)は
800℃でありA3変態終了温度(T2)は700℃であ
ることが解る。
【0062】熱間加工法としては圧延法を採用し、この
カプセルを1025℃で90分加熱し、φ450のロー
ルの圧延機を用いて、120→110→95→80→7
0→60mmのパススケジュールで圧延を5回施し、総
加工度を50%とした。この時圧延はいわゆるリバース
圧延で2回め、4回めの圧延の間には1025℃で15
分間の中間加熱を行った。
【0063】圧延終了後の圧延材は950〜980℃程
度に表面が冷えていたが、すぐに950℃の炉に入れら
れて950℃〜400℃の温度域を表1に示される種種
の冷却速度で冷却され、400℃から室温までを0.1
℃/分で冷却された。一部の圧延材は950℃の炉に入
れられることなくレンガ上で空冷された。この場合の冷
却速度は、950℃付近から600℃付近までは約20
℃/分、600℃付近から300℃付近までは約12℃
/分、そして300℃から100℃付近までは8℃/分
であった。
【0064】室温まで冷却された圧延材から磁石を取り
出し割れ状況とその圧延面の表面粗さを測定した。この
時カプセルを切断すると磁石/カプセル間は既にほとん
ど分離していた。また10mm角のサンプルを切り出
し、熱処理なしで40kOeのパルス着磁後直流自記磁
束計(B−Hトレーサー)を用いて磁気特性を測定し
た。
【0065】上記の圧延は、一つの冷却条件に対して5
本から10本の圧延がなされ、割れ指標としては取り出
された磁石の割れ発生率(割れ発生圧延材数/圧延総
数)と表面粗さRmax(基準長さ25mm,圧延材幅
方向中央の圧延材の長さ方向3カ所の平均)を評価し
た。その結果と磁気特性として最大エネルギー積(B
H)max (以下(BH)max と記す)を表1に示す。こ
こでの割れとは磁石を2分する大きな割れである。
【0066】
【表1】
【0067】これから950℃から400℃の温度域の
冷却速度を0.05〜2℃/分とすることにより割れの
発生を10%未満という低率にすることができ、歩留ま
りを向上できることがわかる。
【0068】〔実施例2〕実施例1で用いたと同じカプ
セル(インゴット装入済み)に対して実施例1と同じ条
件で熱間圧延を施した。
【0069】圧延終了後の圧延材は実施例1と同様95
0〜980℃程度に表面が冷えていたが、すぐに950
℃の炉に入れることなく表2に示される温度までレンガ
上で空冷された。次に950℃の炉に入れられて15分
保持された後、950℃〜400℃の温度域を0.3℃
/分の冷却速度で冷却され、400℃から室温までを
0.1℃/分で冷却された。
【0070】室温まで冷却された圧延材から磁石を取り
出し割れ状況とその圧延面の表面粗さを測定した。この
時カプセルを切断すると磁石/カプセル間は既にほとん
ど分離していた。
【0071】上記の圧延は、一つの空冷条件に対して5
本以上の圧延がなされ、割れ指標としては取り出された
磁石の割れ発生率(割れ発生圧延材数/圧延総数)と表
面粗さRmax(基準長さ25mm,圧延材幅方向中央
の圧延材の長さ方向3カ所の平均)を評価した。その結
果を表2に示す。ここでの割れとは磁石を2分する大き
な割れである。
【0072】
【表2】
【0073】これからA3変態開始温度(T1)より50
℃以上高い温度からの徐冷がより応力緩和の効果が高
く、割れの発生を防ぎ歩留まりを向上できることがわか
る。
【0074】〔実施例3〕アルゴン雰囲気中で誘導加熱
炉を用いて、 Nd16Fe77.5B6Al0.5なる組成の合金をアル
ミナ坩堝中で溶解し、1600℃において鉄鋳型に注湯
し鋳造インゴットを得た。この時、希土類、鉄及びアル
ミニウムの原料としては99.9%の純度のものを用い、ボ
ロンはフェロボロンを用いた。鋳造したインゴットのサ
イズは、厚み10mm×幅50mm×高さ100mmで
あった。このインゴットを砕いて適当な大きさにして石
英管にいれ、アルゴン雰囲気中で高周波加熱により溶融
させると石英管の小さなノズルよりアルゴン圧40kP
aをもって噴出させ、このノズル直下の直径200mm
で3000rpmで高速回転している銅ホイール上にて
急速固化させて、急冷薄片を得た。この急冷薄片はX線
回折パターンに於て、結晶による回折ピークより、アモ
ルファス的なブロードな回折強度パターンを示した。
【0075】次ぎに、この急冷薄片480gを外形が直
径75mm×高さ80mmで内容積が直径40mm×高
さ50mmの溶接によって作られたS10C鋼製のカプ
セルに入れた。このカプセルの高さ方向の1面にはφ
1.5mmの孔が有り、1.5×10-4torrの真空チャ
ンバー内で電子ビーム溶接により封じることでカプセル
は真空封入された。
【0076】熱間加工法としてはホットプレス法を採用
し、このカプセルを1000℃で70分加熱し、250
℃に加熱された上下パンチにより10mm/sのプレス
スピードで32mmの高さになるまでプレスされた。
【0077】プレス終了後の被加工材は940〜975
℃程度に表面が冷えていたが、加工後条件1ではプレス
ダイをはずさずにのせ続けて1mm/h程度の圧縮を続
けて、サンプル表面が150℃に冷えるまで圧縮状態を
保った。この条件1サンプルの冷却速度は950℃程度
から150℃まで平均20℃/分程度であった。また加
工後条件2のサンプルはすぐに950℃の炉に入れられ
て950℃〜600℃の温度域を0.5℃/分の冷却速
度で冷却され、600℃から室温までを0.3℃/分で
冷却された。そして加工後条件3のサンプルは950℃
の炉に入れられることなくレンガ上で空冷された。この
場合の冷却速度は、950℃付近から600℃付近まで
は約20℃/分、600℃付近から300℃付近までは
約16℃/分、そして300℃から100℃付近までは
10℃/分であった。
【0078】室温まで冷却されたカプセルからワイヤー
放電加工によって磁石を取り出し割れ状況を観察した。
この時カプセルを切断すると磁石/カプセル間は一部に
融着が見られたがほとんどは分離していた。また10m
m角のサンプルを切り出し、1000℃×5hと650
℃×2hの熱処理を施した後40kOeのパルス着磁を
行い、B−Hトレーサーを用いて磁気特性を測定した。
【0079】上記のホットプレスは、一つの条件に対し
て5本以上の加工がなされ、割れ指標としては取り出さ
れた磁石の割れ発生率(割れ発生圧延材数/圧延総数)
を評価した。その結果と磁気特性として(BH)max を
表3に示す。ここでの割れとは磁石を2分する大きな割
れである。
【0080】
【表3】
【0081】〔実施例4〕表4に示す組成の合金を実施
例1と同様の方法により溶解・鋳造して厚さ15mm×
幅100mm×高さ100mmの鋳造インゴットを得
た。このインゴットの組織はいずれも柱状晶で、平均粒
径は12〜20μmであった。
【0082】これより幅(厚み)13mm×長さ60m
m×高38mmのインゴットサンプルを切り出し、その
表面に剥離材としてBNを塗布し、幅19mm×長さ6
8mm×高46mmのSPCC鋼製の溶接によって作ら
れたカプセルに入れ、実施例1と同様に1.5×10-4
torrの真空チャンバー内で電子ビーム溶接により蓋の一
つを封じることでカプセルは真空封入された。さらにこ
のカプセルを横に3列、前後に2列計6カプセル並べ、
幅98mm×長さ160mm×高78mmのS45C製
のカプセルに封入した。
【0083】次にこれらを1000℃において80分加
熱し、φ300のロールの圧延機を用いて高さを78→
67→56→46→36→27→19mmと減少させる
6パスのリバース圧延で総加工度を76%とした。この
時6回の圧延のうち2パス後、4パス後の2回、100
0℃で15分の中間加熱を行った。
【0084】圧延終了後これらの圧延材はその表面が8
50℃以下に冷えることなく、950℃の炉に入れられ
た。そして20分加熱された後、圧延材は950℃から
600℃までを1℃/分、600℃から400℃までを
0.5℃/分で冷却され、400℃から室温までは0.
1℃/分で冷却された。
【0085】室温まで冷却された圧延材から磁石を取り
出し割れ状況とその圧延面の表面粗さを測定した。この
時カプセルを切断すると磁石/カプセル間は既に分離し
ていた。
【0086】この時の割れ指標として取り出された磁石
の割れ数(磁石を2分する大きな割れ)を表4に示す。
表面粗さRmax(基準長さ25mm,圧延材幅方向中
央の圧延材の長さ方向3カ所の平均)はこの6種類の圧
延材において、500〜600μmの間であった。
【0087】また、割れ無く取り出された圧延磁石から
圧延方向に長い6×6×40mmのサンプルがダイヤモ
ンドホイールによる切断と砥石研削により作成され、3
点曲げによる抗折力が評価された。この結果も表4にあ
わせて示す。3点曲げ条件はスパン30mm,荷重点R
=2mm,クロスヘッドスピード=1mm/分である。
【0088】比較として合金組成Nd14Fe79B7より焼結法
により作成した磁石から同型状のサンプルを切り出し、
同じ3点曲げによる抗折力を評価したところ24.6k
gf/mm2であった。
【0089】
【表4】
【0090】〔実施例5〕実施例1と同様の方法で、同
組成・同サイズのインゴットを得た。次ぎに、この鋳造
インゴットから幅(厚み)17.5mm×長さ250m
m×高225mmのインゴットサンプルを切り出しビレ
ットとした。このビレットを6枚厚み方向に並べ、SS
400製鋼板(炭素量0.06wt%、珪素0.01w
t%、マンガン0.24wt%)の6枚で覆いカプセル
を形成した。このカプセル形成は、鋼板の各稜を溶接す
ることでなされ、溶接のチェックは、ヘリウムリークデ
ィテクタにより、カプセルの漏れ値を測定し、1×10
-8torr・l/s以下であることを確認した。カプセ
ルには真空引き用の穴をもうけ、真空チャンバーの中
で、2×10-4torr以下に1時間保持した後、電子
ビームで穴を封じて真空封入した。そのカプセルの外側
をさらに図3に示すようにSS400鋼製(炭素量0.
15wt%、珪素0.27wt%、マンガン1.55w
t%)のカプセルに入れ、各稜を溶接し、3重のカプセ
ルを作成した。最外形は1000mm×400mm×1
700mmとした。カプセルの寸法は、a=105m
m, h1=3.2mm, c1=111.4mm, h2=
28.0mm, c2=812.4mm, h3=56.3
mmであった。圧延は、1000℃均熱にて8時間加熱
し、400→345→290→235→185→145
→120→100mmのパススケジュールにて行った
(加工度75%)。圧延ロール径はφ1200mmであ
る。周速度は45m/分である。各パス間での途中再加
熱は行わなかった。圧延終了後圧延材の表面は840℃
まで冷えていたが、1100℃に加熱された幅1200
mm×長さ6500mm×厚さ240mmのSS400
鋼板4枚を用いて、上下2枚ずつで圧延材を挟み、直ち
に徐冷ボックス(鉄の箱の内側に耐火煉瓦を貼ったも
の)に入れ、200℃まで徐冷を行った。この時、圧延
材とSS400鋼板の間に熱電対を挟み、圧延材表面の
徐冷時の温度変化を測定した。その徐冷曲線を図4に示
す。これから、圧延材は910℃に再加熱された後、8
00℃付近まではおよそ0.5℃/分の冷却速度で、8
00〜600℃の範囲ではおよそ0.2℃/分の冷却速
度で、600〜400℃の範囲は0.1〜0.2℃/分
の冷却速度で、400℃〜200℃の温度範囲では0.
03〜0.1℃/分の冷却速度で徐冷されたことがわか
る。200℃〜室温ではおよそ0.05℃/分で冷却さ
れた。
【0091】室温に冷却された圧延材は、ガス溶断と鋸
刃切断によってカプセルを除去して、磁石が取り出され
た。この切断時のカプセル切断面の観察の結果、第1カ
プセルの上下板は薄く判別がつかず、一部第2と第3カ
プセルの分離が観察されたが、空げき、破断はなかっ
た。磁石とカプセル間の融着により磁石の取り出しが困
難になっている箇所もなく、磁石は健全に取り出せた。
【0092】
【発明の効果】本発明のような製造方法をとることで、
以下のような効果が得られる。
【0093】(1)焼結法では得られない、高い機械的
強度をもつ大型磁石を安定して生産することができる。
【0094】(2)従来の熱間加工法による場合より、
磁石の割れをほとんど防止でき、さらに磁石表面の凸凹
が防止でき、それにより歩留まりを著しく向上でき、コ
ストが低減できる。
【0095】(3)又、カプセルに詰められて、大気中
で加工できるので生産効率が高く、コストが低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に用いた合金インゴットの熱
膨張曲線。
【図2】本発明の実施例1に用いたカプセル材(SS4
00鋼)の熱膨張曲線。
【図3】本発明の実施例5の多重カプセル断面模式図。
【図4】本発明の実施例5の圧延材表面の冷却曲線。
【符号の説明】
2:合金 31:第1カプセル上下板 32:第2カプセル上下板 33:第3カプセル上下板 4:圧延方向を示す矢印 5:圧下方向を示す矢印

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分とする
    希土類合金または希土類合金粉末をカプセルに入れて熱
    間加工する永久磁石の製造方法において、熱間加工後に
    合金とカプセルの熱膨張率の差による応力を緩和する冷
    却工程をもつことを特徴とする希土類永久磁石の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記合金とカプセルの熱膨張率の差によ
    る応力を緩和する冷却工程が、0.01〜2℃/分の冷
    却速度によって徐冷する工程であることを特徴とする請
    求項1記載の希土類永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記合金とカプセルの熱膨張率の差によ
    る応力を緩和する冷却工程が、加工材に圧縮応力を加え
    つつ冷却する工程であることを特徴とする請求項1記載
    の希土類永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 (a) R(ただしRはYを含む希土類元
    素のうち少なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分
    とする合金を溶解・鋳造する工程、 (b) 前記鋳造合金をA3 変態点を有する鉄基金属カプ
    セル内に装入、密封する工程、 (c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
    上の温度で熱間加工する工程、 (d) 次いで熱間加工された圧延材(カプセル)を該鉄
    基金属カプセルのA3変態開始温度(T1)からA3 変態
    終了温度(T2)までを0.05〜2℃/分の冷却速度
    で徐冷し、更に室温まで冷却する工程。上記(a)〜(d)
    の工程からなり、該合金を磁気的に異方性化することを
    特徴とする請求項2記載の希土類永久磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 (a) R(ただしRはYを含む希土類元
    素のうち少なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分
    とする合金を溶解・鋳造する工程、 (b) 前記鋳造合金をA3 変態点を有する鉄基金属カプ
    セル内に装入、密封する工程、 (c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
    上の温度で熱間加工する工程、 (d) 次いで熱間加工された圧延材(カプセル)を該鉄
    基金属カプセルのA3変態開始温度(T1)からA3 変態
    終了温度(T2)までを0.05〜2℃/分の冷却速度
    で徐冷し、更に室温まで冷却する工程、 (e) 前記鋳造合金を金属カプセルより取出し熱処理す
    る工程。上記(a)〜(e)の工程からなり、該合金を磁気
    的に異方性化することを特徴とする請求項2記載の希土
    類永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 (a) R(ただしRはYを含む希土類元
    素のうち少なくとも1種以上)、Fe及びBを基本成分
    とする合金を溶解・鋳造する工程、 (b) 前記鋳造合金をA3 変態点を有する鉄基金属カプ
    セル内に装入、密封する工程、 (c) 該カプセルを800〜1100℃のA3 変態点以
    上の温度で熱間加工する工程、 (d) 次いで熱間加工された圧延材(カプセル)を該鉄
    基金属カプセルのA3変態開始温度(T1)からA3 変態
    終了温度(T2)までを0.05〜2℃/分の冷却速度
    で徐冷し、更に室温まで冷却する工程、 (e) 前記鋳造合金を金属カプセルより取出し熱処理す
    る工程、 (f) 次いで所望の形状に切断・研磨する工程。上記
    (a)〜(f)の工程からなり、該合金を磁気的に異方性化
    することを特徴とする請求項2記載の希土類永久磁石の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(d)の冷却工程において、
    (T1+50)℃から(T2−50)℃までの温度域を
    0.05〜1℃/分の冷却速度で徐冷し、次いで(T2
    −50)℃から250℃までの温度域を0.01〜2℃
    /分の冷却速度で徐冷することを特徴とする請求項4〜
    6のいずれかに記載の希土類永久磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(a)の鋳造合金がR14〜1
    9原子%、B4〜6原子%、Cu0.1〜2原子%、残
    部鉄及び製造上不可避な不純物からなり、さらに前記工
    程(b)の鉄基金属カプセルが冷却時のA3 変態点を6
    00〜900℃にもつ汎用鋼であることを特徴とする請
    求項4〜7のいずれかに記載の希土類永久磁石の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記工程(b)の鋳造合金を鉄基金属カ
    プセル内に装入する際、合金とカプセルの間に剥離剤を
    介在させることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに
    記載の希土類永久磁石の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018107328A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 トヨタ自動車株式会社 希土類磁石の製造方法

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JP2018107328A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 トヨタ自動車株式会社 希土類磁石の製造方法

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