JPH09262934A - リコート用化粧シート及びリコート用化粧材 - Google Patents

リコート用化粧シート及びリコート用化粧材

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JPH09262934A
JPH09262934A JP21540796A JP21540796A JPH09262934A JP H09262934 A JPH09262934 A JP H09262934A JP 21540796 A JP21540796 A JP 21540796A JP 21540796 A JP21540796 A JP 21540796A JP H09262934 A JPH09262934 A JP H09262934A
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JP
Japan
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recoating
decorative sheet
layer
woven fabric
decorative
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JP21540796A
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English (en)
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Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
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Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に樹脂層からなるリコート層を形成した
だけの従来のリコート用化粧シートは、ステインなどの
リコート用塗料を塗布した際に、厚く塗工するのが困難
であり、肉持ち感に優れた表面を形成することができな
かった。 【解決手段】 不織布からなるリコート層2を、基材シ
ート3の表面の絵柄層4の上に積層してリコート用化粧
シート1を構成し、該リコート用化粧シート1を化粧材
基材に積層してリコート用化粧材を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、建築内装
材、家電製品などの表面化粧シートに関し、特に後から
表面に着色を施すことが可能なリコート性を有する化粧
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、高級家具、建築内装材、家電
製品などの表面仕上げ用として、基材シートに木目絵柄
などが設けられた化粧シートを上記製品の表面にラミネ
ート等の手段で積層することが行われている。上記化粧
シートは、既に着色されているものと、着色が施されて
おらず後からステインなどの着色剤を塗工するものとが
あり、後者は再塗工(リコート)用化粧シートと呼ばれ
ている。ここで、ステインとは、木材表面を着色するた
めの着色剤で、液体状、ジェル状、スプレー等の形態で
顔料、染料をアマニ油や樹脂などに添加したものであ
る。水性のものと油性のものとがあり、日本ではオイル
ステイン、ステインニス、水性ステイン等と呼ばれてい
る。英語ではstainである。リコート用化粧シート
は非着色の化粧シートとして形成されているため、この
化粧シートが表面に積層された材料を用いて製品を組立
てた後に、ステインなどの塗料を製品表面の化粧シート
に塗工し着色を施すことで、製品を任意の色に着色する
ことが容易に行える。この方法は、製品の組立の際に表
面に傷が付いて着色が剥がれることがなく作業性が良好
であり、不良品の発生を防止できる。また予め組立てて
おいた無色の製品に、需要に応じて必要な着色を施すこ
とができるため、製品の在庫管理が容易であるなどの種
々の利点がある。
【0003】従来のリコート用化粧シートは、例えば特
開昭60−149457号公報に開示されているよう
に、セルロース系成分を構成成分の少なくとも1種とし
て有する印刷基材シートの上に、セルロース系樹脂をベ
ヒクルの構成成分の少なくとも1種として有する印刷イ
ンキを用いて絵柄を施した上に、ポリオール成分、イソ
シアネート成分、及びセルロース系成分を構成成分とす
る上塗り塗料を塗布してなるものが公知である。このリ
コート用化粧シートは、経時耐久性が高く、リコート塗
料の樹脂の浸透阻止性に優れ、仕上げ感が良く、リコー
ト用塗料との密着性が高いものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の化粧シートのように単に表面に樹脂層が形成された
だけの化粧シートの場合、リコート用塗料との密着性が
良好であっても、表面が平滑に形成されているため、リ
コート用塗料が表面樹脂層の内部に浸透せず、ステイン
等を厚く塗工しようとしても垂れてしまい、肉持ち感に
優れた表面を得ることは困難であるという欠点があっ
た。
【0005】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めのものであり、ステインなどのリコート用塗料を厚く
塗工可能であり、肉持ち感の優れた表面を形成すること
のできるリコート用化粧シート、及びリコート用化粧材
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)表面に
不織布からなるリコート層が設けられていることを特徴
とするリコート用化粧シート、(2)不織布の坪量が1
0〜30g/m2 である上記(1)記載のリコート用化
粧シート、(3)不織布が熱可塑性樹脂よりなる上記
(1)又は(2)記載のリコート用化粧シート、(4)
不織布の繊維が配向されている上記(1)〜(3)のい
ずれか1に記載のリコート用化粧シート、(5)不織布
が、配向不織布と非配向不織布との積層体である上記
(4)記載のリコート用化粧シート、(6)不織布に表
面保護層が設けられている上記(1)〜(5)のいずれ
か1に記載のリコート用化粧シート、(7)表面保護層
が2液硬化型樹脂からなる上記(6)記載のリコート用
化粧シート、(8)表面保護層が電離放射線硬化型樹脂
からなる上記(6)記載のリコート用化粧シート、
(9)不織布の下層に絵柄層が設けられている上記
(1)〜(8)のいずれか1に記載のリコート用化粧シ
ート、(10)絵柄層の絵柄の方向と繊維の配向方向と
が相関関係を有する上記(9)記載のリコート用化粧シ
ート、(11)絵柄層の絵柄が木目絵柄であり、木目の
方向と配向された不織布の繊維の方向とが同一方向に形
成されている上記(10)記載のリコート用化粧シー
ト、(12)上記(1)〜(11)のいずれか1に記載
のリコート用化粧シートが化粧材基材に積層されている
ことを特徴とするリコート用化粧材、を要旨とするもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を説
明する。図1は本発明のリコート用化粧シートの第1の
態様を示す縦断面図である。図1に示す化粧シート1
は、不織布からなるリコート層2が、基材シート3の表
面に設けられている絵柄層4の表面に積層されて構成さ
れている。本発明のリコート用化粧シート1は、該シー
トの表面に位置するリコート層に不織布を用いたことに
より、ステイン等のリコート用塗料を不織布の空隙で確
実に保持し、該塗料が化粧シートの表面から垂れ落ちる
のを防いで、肉持ち感に優れた塗工を行うことができ
る。
【0008】リコート層2に用いられる不織布は、合成
繊維、天然繊維、ガラス繊維などを適当な方法でマット
状や薄綿状にして、接着剤や繊維自身の融着力によって
繊維どうしを接合してつくった布をいう。不織布には湿
式不織布、乾式不織布、スパンボンド式不織布(直接式
不織布)等があるが、本発明ではいずれの方法で作られ
たものでもよい。不織布は、いずれもウェブを作りこの
ウェブを接着する方法により得られる。湿式不織布は紙
をすく場合と同じ方法でウェブが作られる。また乾式法
は、紡績用のカード(梳綿)機を使用してウェブを作る
場合と、空気流を利用し回転する金網上に繊維を吹きつ
けて作る場合とがある。上記前者の場合は、繊維の配列
が1方向に限定された不織布(配向不織布)が得られ、
また、上記後者の場合は繊維の配列に方向性を持たない
不織布(非配向不織布)が得られる。乾式不織布及び湿
式不織布には短繊維が用いられ、スパンボンド式不織布
には溶融紡糸が用いられる。スパンボンド式不織布は、
熱可塑性樹脂を用い、繊維の紡糸と同時にシート状のウ
ェブを作る方法であり、熱可塑性樹脂が溶融紡糸される
と同時に空気やその他のガスの高速気流によって運ば
れ、コンベアーやスクリュードラム上に堆積してシート
を形成する。その他の不織布の製造方法として、プラス
チックフィルムをスプリット化して網状スプリットウェ
ブとする方法もある。
【0009】不織布を製造する際の繊維どうしの接着
は、接着剤による接着剤接着、溶剤接着、繊維間接着、
機械的接着等がある。接着剤接着では、主として塩化ビ
ニル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、アク
リル酸エステル系エマルジョンやこれらの共重合体エマ
ルジョンを用い、スプレーでウェブに噴霧する方法、浸
漬する方法、泡状にしてウェブに圧入する方法などが用
いられる。溶剤接着はスパンボンド式不織布に利用され
る。繊維間接着は、紡糸時に融点の低い繊維を同時に紡
糸してウェブを作り熱ロールなどで接着する方法であ
る。機械的接着は、ニードルパンチによる方法が用いら
れる。
【0010】不織布に用いられる繊維は、短繊維の場合
には、綿などの天然繊維、レーヨン、アセテート、ナイ
ロン、ビニロン、ポリエステル、ポリオレフィン、アク
リルなどの合成繊維、ガラス繊維などの1種、または上
記の各種繊維を2種以上混合したものが用いられる。ス
パンボンド法の溶融紡糸には、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル等が用いられ、また湿式法の場合に
はセルロース系のレーヨンが用いられる。
【0011】繊維の材質が、アクリル、レーヨン、ナイ
ロン、ポリオレフィンなどの場合は、不織布を熱溶着し
て基材シートと貼り合わせることができる。またアクリ
ル繊維とポリエステル繊維を混合してなる不織布を用い
た場合は、化粧シートのリコート層にステインを塗工し
た際に、刷毛により不織布の繊維が毛羽立ちを起こすの
を良好に抑えることができ、リコート用塗料の塗工後の
表面外観に優れる。
【0012】リコート層2は、該層の下方に絵柄層4を
設けた際、化粧シート1の表面側からリコート層2を通
して絵柄層4を見た場合に、該絵柄層4を鮮明に見るこ
とができる厚みのものを用いるのが好ましく、具体的な
好ましい不織布の坪量は10〜30g/m2 の範囲であ
る。また不織布の繊維は熱溶着可能なものが、化粧シー
トの製造の際に、接着剤を特に使用しなくても基材シー
トに積層することが可能であるため、製造が容易であり
経済的でもあるため好ましい。坪量が10g/m2 未満
の不織布は、着色剤を肉持ち感良く塗工できない虞れが
あり、表面の耐久性が不十分となる虞れがある。又、不
織布の坪量が30g/m2 以上になると、ステイン等の
着色剤を塗工した際に着色剤の保持量が多くなりすぎ
て、表面の透明感をそこない、絵柄が鮮明に見えなくな
る虞れがある。
【0013】基材シート3は、この種の化粧シートの基
材シートとして用いられるものが利用できる。具体的に
はポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
メタクリル酸エチルなどのアクリル樹脂や、ポリスチレ
ン、セルローストリアセテートなどの、通常のプラスチ
ックシートの単層体又は上記シートの各種積層体、或い
はアルミニウム、銅、鉄、金属箔などや、上記のプラス
チックシートと金属箔との積層シート等が挙げられる。
基材シート3は厚みが80〜150μmのものが用いら
れる。好ましい基材シートは、可塑剤が17〜25PH
Rのポリ塩化ビニルシートである。またポリ塩化ビニル
シートの可塑剤は、耐久性を持たせるためにトリメリッ
ト酸系可塑剤を用いるのが好ましく、この場合、耐候
性、耐熱性に優れた化粧シートが得られる。
【0014】絵柄層4の絵柄は、木目、石目、布目等の
天然物を模写したもの、図形、記号、文字、罫線、全面
ベタなどの絵柄から、化粧シートの用途に応じて適宜選
択することができる。絵柄層4は、グラビア印刷、フレ
キソ印刷、シルクスクリーン印刷などの凹版、凸版、孔
版などの通常の印刷方法の他、インキジェットプリント
等によって設けることができる。上記の印刷に用いる印
刷インキのバインダーは、適用する基材シートに応じて
適宜選択される。インキのバインダーとして、エチルセ
ルロース、ニトロセルロース、酢酪酸セルロースなどの
セルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラールなどのビニル系樹脂などが挙げられる。印刷イン
キは、上記バインダーを印刷適性に応じて所望の溶剤で
希釈し、ベヒクルに所望の耐光性顔料とその他の必要な
添加物を添加することで得られる。基材シート3にポリ
塩化ビニルシートを用いた場合には、インキのバインダ
ーとして塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、アクリル系
樹脂等を使用するのが好ましい。
【0015】図2は本発明のリコート用化粧シートの第
2の態様を示す縦断面図である。図2に示すように、本
発明のリコート用化粧シート1は、繊維がある方向に配
列している配向不織布21と、繊維の配列に方向性を持
たない非配向不織布22との積層体をリコート層2とし
て用いることもできる。配向不織布21は、リコート用
化粧シートの表面に用いた場合、ステインの刷毛塗りに
よるけば立ちや、ラッピング加工の際のけば立ちを抑え
る効果がある。また、非配向不織布22は、繊維の方向
がランダムに形成されていることにより、引き裂きに対
し抵抗力がある。従って、配向不織布21に非配向不織
布22を積層することで配向不織布21のみを使用した
場合と比較して全体の強度が向上する。
【0016】配向不織布21と非配向不織布22とを積
層してなる不織布は、どちらの不織布を表面側としても
よいが、配向不織布が表面のけば立ちを抑える効果が大
きい点から、図2に示すように配向不織布21が外表面
側となるように用いるのが好ましい。
【0017】又、積層不織布は、上記の配向不織布と非
配向不織布との積層体に限定されず、配向不織布どうし
をその配向方向が交叉するように積層したものを用いる
ことができる。このように積層することで、配向方向に
対する引き裂きに対する抵抗力が弱い点を改良できる。
【0018】本発明において、配向不織布又は非配向不
織布の配向とは、三次元空間内における繊維の長さ方向
の傾斜方向として定義することができる。具体的には図
7に示すように基準となるべきリコート層表面と平行な
面をxy平面とするように直交座標系(x,y,z)を
とり、繊維の方程式をΦ(x,y,z)とする。この繊
維の勾配ベクトル(gradΦ)で配向を定義する。 gradΦ=(∂Φ/∂x,∂Φ/∂y,∂Φ/∂z) 重力場中で繊維に水を注いだ時に水が流れ落ちる方向が
gradΦベクトル方向となる。そして、繊維の配向方
向は個々の繊維片によって異なるので、不織布中の各繊
維片は三次元空間内の方位角(θ,φ)に対して分布を
持つ。従って不織布中の繊維の配向状態は個々の繊維の
配向方向のgradΦの三次元空間内での確率密度関数
f(θ/φ)で表現される。ここで、f(θ/φ)は極
座標(球座標)表示である。直交座標と極座標との関係
は図7及び図8に示す通りである。三次元極座標(γ,
θ,φ)のγ座標を方位角(θ,φ)方向の確率密度分
布にあてはめ、f(θ,φ)の曲面を元の直交座標(x
y平面がリコート層の表面に平行)にプロットしたのが
図9及び図10である。この曲面f(θ,φ)の形で繊
維の配向方向の分布を把握できる。
【0019】図9は図2の化粧シートの配向不織布21
の配向分布を示し、y方向に繊維の配向方向がピークを
持つ。配向不織布の繊維の確率分布は、通常はz軸方向
に対しては大きなピークを持たない。図9に示すように
xy平面方向にピークが存在する。尚、図9のf(θ,
φ)は、代表例を模式的に図示したものであり、本発明
において配向不織布は必ずしも回転楕円体になっている
必要はない。要するにxy平面方向のどこかに確率分布
のピークが存在すればよい。
【0020】図10は図2の化粧シートの非配向不織布
22のランダムな繊維の配向分布を示し、繊維の分布は
xy平面方向においてほぼ均一に分布している。尚、非
配向不織布において、確率密度関数を表す曲面f(θ,
φ)は必ずしも断面が完全な円形を示す必要はない。
【0021】図3は本発明リコート用化粧シートの第3
の態様を示す縦断面図である。図3に示すように本発明
リコート用化粧シート1は、リコート層2の不織布の表
面に表面保護層5を設けることができる。表面保護層5
は不織布の表面に透明(非着色)な樹脂塗工組成物を塗
工することで形成される。表面保護層5を設けること
で、リコート層2の不織布の表面を保護し塗工の際の表
面のケバ立ちを良好に抑制でき、更に化粧シートを化粧
材の基材等に貼着する際の加工時の摩擦に対する耐性
や、製品の表面にあって製品を長期間にわたり使用する
際の耐摩耗性が向上する。表面保護層5はリコート用塗
料が不織布に十分に浸透するように、不織布の表面の全
面を覆わない程度に塗工されている。図3では説明上、
表面樹脂層5がリコート層2の表面全体を覆っているよ
うに示したが、実際には図4に示すように不織布表面の
繊維2a間に空隙2bがあり、表面保護層の樹脂は繊維
どうしが接触している部分や、各繊維間の距離が近い部
分のみに付着して、空隙2bが十分確保されるように形
成されている。
【0022】表面保護層5は、図4に示す程度の塗工量
で、十分な、けば立ち防止効果や耐摩耗性等の向上効果
が得られる。表面保護層5の具体的な塗工量は、例えば
坪量が10〜30g/m2 の不織布の場合、2〜10g
/m2 の範囲が好ましい。表面保護層5の樹脂が、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合、塗工量は、2〜5g/
2 が特に好ましく、電離放射線硬化性樹脂の場合、塗
工量は、5〜10g/m2 が特に好ましい。表面保護層
5の塗工量が少ないと耐摩耗性向上の効果が弱く、又、
塗工量が多すぎると不織布の空隙2bを完全に覆ってし
まい、ステイン等の着色剤が不織布に浸透せず、後から
加工する着色剤による着色が不十分となる虞れがある。
【0023】表面保護層5の樹脂は、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。熱
可塑性樹脂としては例えば、エチルセルロース、硝酸セ
ルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセ
ルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどの
セルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチ
レンなどのスチレン樹脂またはスチレン共重合体、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル
重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹
脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹
脂等の天然又は合成樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂と
しては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエ
ステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、ア
ミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素
樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。これらに必
要に応じて、架橋剤、重合開始剤などの硬化剤、重合促
進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加して塗工組
成物が得られる。
【0024】電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に
重合性不飽和結合又は、エポキシ基を有するプレポリマ
ー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成
物を用いる。前記プレポリマー、オリゴマーの例として
は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の
不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、
ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート類等がある。
【0025】前記単量体の例としては、スチレン、α−
メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル
酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルア
ミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチル
アミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジ
ルアミノ)エチル、メタクリル酸(N、N−ジメチルア
ミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジジエチル
アミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコール
エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不
飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレ
ート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリート等の化合
物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等
の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチ
オール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメ
チロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロー
ルプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトー
ルテトラチオグリコール等がある。
【0026】以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2
種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性
を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを
5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを9
5重量%以下とすることが好ましい。
【0027】単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性
が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体
の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート
単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化
物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗
工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、
3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の
構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以
上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整す
ることも出来る。
【0028】以上の様な1官能アクリレート系単量体と
しては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げら
れる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレン
グリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート等が、3官能以上のアクリレート系単量
体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0029】また、硬化物の可撓性、表面硬度等の物性
を調節する為に前記プレポリマー、オリゴマー、単量体
の少なくとも1種に対して、以下の様な電離放射線非硬
化性樹脂を1〜70重量%、好ましくは5〜50重量
%、混合して用いることができる。
【0030】電離放射線非硬化性樹脂としてはウレタン
系、繊維素系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂
を用いることができ、特に可撓性の点から繊維素系、ウ
レタン系、ブチラールが好ましい。
【0031】以上の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工
するには公知の各種方法、譬えば、ロールコート、カー
テンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコー
ト、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアー
ナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムーズ
コート、コンマコート等の方法を用い、塗工厚は乾燥時
で0.1〜100μm程度である。
【0032】本発明では表面保護層5の樹脂は、上記の
熱可塑性樹脂等を主剤とし硬化剤を組み合わせてなる2
液硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂の場合、耐候性が特に良好で、更
に、ステインの塗り替えの際、シンナーで色を落とし、
その後塗り直しても問題なく塗り替えることができる。
好ましい2液硬化型樹脂は、主剤として活性水素を有す
る樹脂又はオリゴマーと、イソシアネート系硬化剤とか
らなるものである。上記イソシアネートとしては、2価
以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートが使用できる
が、熱変色防止、耐候性等が優れる点から脂肪族イソシ
アネートが好ましい。脂肪族イソシアネートは、キシレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート等が挙げられ、なかでもヘ
キサメチレンジイソシアネートが好ましい。表面保護層
の樹脂として硬化型の樹脂を用いることで、特に加工時
の摩擦による傷付きを良好に防止し、製品としての耐摩
耗性が大きく向上する。
【0033】本発明において特に図示しないが、表面保
護層5はリコート層表面の全体に設けずに、部分的に形
成してもよい。リコート層2の不織布表面に部分的に表
面保護層を形成した場合、リコート用塗料を塗工した際
に、表面樹脂層がある部分は他の部分と比較して若干塗
料が浸透しにくくなっている為、リコート用塗料の浸透
量を異ならしめることができる。即ち、リコート用塗料
がステイン等の場合には、ステインの着色を絵柄に応じ
て変化させて、意匠的にきわめて優れた化粧シートを得
ることができる。例えば、絵柄を木目絵柄とし、該絵柄
の部分に対応する保護層を不織布に設ければ、ステイン
を塗工した際に該柄の部分が絵柄のない部分と比較して
濃く着色される。これは針葉樹の柄に最適である。ま
た、広葉樹の場合には導管を持ちこの部分はステイン等
が浸透して濃くなるため、上記の針葉樹の絵柄の場合と
は反対に表面保護層の版をぬき版として絵柄のない部分
に表面保護層を設ければよい。
【0034】本発明のリコート用化粧シートは、図5に
示すように、配向方向の異なる不織布を積層してなるリ
コート層2を用い、該層2の表面に上記表面保護層5を
形成して構成することもできる。この場合、リコート層
2は配向不織布21が外表面側となるように積層し、該
配向不織布21表面に表面保護層5を形成するのが好ま
しい。図5に示す態様の化粧シートは、表面の不織布に
表面保護層が設けられているのに加え、リコート層が配
向不織布と非配向不織布との積層体から構成されている
ため、耐摩耗性及び意匠性のいずれにおいても特に優れ
たものである。又、図3及び図5に示すように、リコー
ト用化粧シート1の表面には、エンボスによる凹凸模様
6を設けてもよい。
【0035】本発明リコート用化粧シート1は、絵柄層
4の絵柄の方向とリコート層2の不織布の配向方向に一
定の相関関係を持たせることができる。例えば図6に示
すように絵柄層4に木目の絵柄を用いた場合、木目の方
向を矢印X方向とすると、配向不織布21の配向方向を
上記の木目の方向X方向と同一方向とし、非配向不織布
22を介して絵柄層4表面に積層することが好ましい。
このように積層することで、不織布からなるリコート層
2を通して木目絵柄を見た場合に、配向不織布21の空
隙が配向方向に並んでいるため下層の木目の絵柄が綺麗
に見える効果が得られる。尚、非配向不織布22は、上
記の配向方向が木目と同一方向にある場合と比較すれ
ば、絵柄が綺麗に見える程度はやや劣るが、木目の絵柄
方向と交わる方向(矢印Y方向)に配向した不織布を用
いた場合と比較すると、絵柄の木目を見た場合、非配向
不織布が木目の邪魔をする程度は小さい。
【0036】本発明のリコート用化粧シートにおいて、
基材シート3(又は絵柄層4)の表面に、不織布よりな
るリコート層2を積層するには、基材シート3の樹脂又
は絵柄層4を形成するインキのバインダーが熱可塑性樹
脂の場合は、熱圧着により行うことができる。又、不織
布は接着剤を用いて積層してもよく、この場合安定した
接着強度を得ることができる。接着剤による不織布の積
層は、ウエットラミネーション、ドライラミネーション
によって行うことができる。接着剤は、基材シート、絵
柄層、不織布等の種類や、要求される品質特性によって
適宜選定することができ、例えば、酢酸ビニルエマルジ
ョン、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体エマル
ジョンや、ポリエステル、ポリエーテルのイソシアネー
トによる硬化型接着剤、エポキシ樹脂の各種硬化方法に
よる接着剤などが適宜用いられる。又、リコート層2に
積層体を用いる場合、予め積層体として形成された不織
布を基材シート表面側に積層しても、或いは、基材シー
トの表面側に繊維の配向状態の異なる不織布を順次積層
してリコート層を形成してもいずれでもよい。
【0037】上記のリコート用化粧シート1は、化粧材
基材に貼着することでリコート用化粧材とすることがで
きる。この化粧材基材は、化粧材の用途等に応じて任意
の、形状及び材質のものが用いられる。その形状は、シ
ート状及び板状ならびに立体形状のいずれでもよく、ま
た材質も特に限定されない。化粧材基材は例えば、ス
テンレス鋼、鋼、アルミニウム、もしくは銅等の金属の
板または成形品、ガラス、大理石、陶磁器、石膏ボー
ド、石綿セメント板、珪酸カルシウム板、GRC(ガラ
ス繊維強化セメント)等の無機質の板または成形品、
ポリエステル、メラミン、ポリ塩化ビニル、ジアリルフ
タレート等の有機ポリマーの板、成形品、あるいはこれ
らのシート、フィルム、木、合板、パーチクルボード
等の木質の板または成形品、薄葉紙、晒クラフト紙、
チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙等の紙;ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩
化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ
ビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィ
ルム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重
合体フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィ
ルム、アイオノマー等のプラスチックフィルム;鉄、ア
ルミニウム、銅等の金属箔若しくはシート;並びに以上
の各素材の複合体、等が挙げられる。これら化粧材基材
には、目止め処理やプライマー処理等の下地処理や接着
性向上のための処理等を行ってもよい。化粧シート1の
化粧材基材への貼着手段は、接着剤を用いた接着、熱融
着、ドライラミネート等の各種手段を用いることができ
る。
【0038】本発明のリコート用化粧シート又はリコー
ト用化粧材のリコート層には、家具等に組み立てられて
製品として形成された後に、主として刷毛塗りまたはス
プレー等で着色剤等の塗料が塗工される。この着色剤
は、通常の木材を着色するのに用いられるものが利用さ
れる。このような着色剤は、例えば染料を水、ラッカ
ー、油性ワニス、合成樹脂ワニス等に溶解又は分散した
ものが用いられる。本発明のリコート用化粧シート及び
リコート用化粧材は、このような着色剤を塗工した際、
表面のリコート層の不織布に十分浸透し、垂れたり、は
じいたりすることなく均一に肉持ち良く塗工され、木工
製品に着色する場合と同様の感覚で作業を行うことがで
きる。
【0039】
【実施例】
実施例1 可塑剤を23PHR含み厚さが150μmのポリ塩化ビ
ニルシートの表面に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
をバインダーとするインキを用いグラビア印刷法で木目
柄の絵柄層を設けた。次いで、該絵柄層の表面に坪量2
5g/m2 の繊維長44mm、太さ1デニールの主とし
て繊維が長手方向(長尺なシートとして形成された不織
布シートの長手方向)に配列されているアクリル系不織
布(日本バイリーン製)を積層し、温度150°C、圧
力30kg/cm2 の条件で積層し、本発明のリコート
用化粧シートを得た。得られたリコート用化粧シートの
表面に着色剤(米国ベア社製:ウッドステイン剤)を表
面光沢が出るまで刷毛で塗工したが、はじいたり、垂れ
たりすることがなく、肉持ち感に優れた表面コート層を
形成できた。
【0040】実施例2 可塑剤を25PHR含み厚さが150μmのポリ塩化ビ
ニルシートの表面に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
をバインダーとするインキを用いグラビア印刷法で木目
柄の絵柄層を設けた。次いで、該絵柄層の表面に、主な
繊維(繊維長38mm、繊維の太さ1.5デニールであ
るポリエステル繊維と、繊維長44mm、繊維の太さ
1.5デニールであるアクリル繊維とを8:2の割合で
配合したもの)が長手方向に配列された厚さ12g/m
2 の不織布Aと、繊維(上記ポリエステル繊維とアクリ
ル繊維とを2:8で配合したもの)を乱交させた厚さ1
3g/m2 の不織布Bとを160°C〜200°Cの温
度でカレンダー加工して積層された不織布(日本バイリ
ーン社製)を積層した。尚、上記不織布は不織布B側を
絵柄層と接するようにし、不織布Aの繊維の長手方向と
絵柄層の木目柄の木目方向とを同一とし、温度150°
C、圧力30kg/cm2 の条件で積層してリコート用
化粧シートを得た。得られた化粧シートのリコート層表
面に実施例1同様に光沢がでるまでステインを塗工し
た。その結果、はじいたり垂れたりすることがなく、肉
持ち感に優れた表面コート層ができ、また、リコート層
の繊維が配向した不織布の繊維の長手方向と、木目柄の
木目方向とが同一に形成されているため、天然木に極め
て近い意匠感を有するものであった。
【0041】実施例3 実施例2で得られたリコート用化粧シートの不織布の表
面にイソシアネート硬化型塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体をベタ版で3〜5g/m2 の塗工量にグラビア印刷
で塗布して表面樹脂層を形成した。その後40℃×2時
間養生して化粧シートを得た。
【0042】実施例4 厚み150μm、可塑剤23PHRのポリ塩化ビニルシ
ートを基材シートとし、該シートの表面に塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体をバインダーとするインキを用い木
目絵柄からなる絵柄層を設けた。次いで上記絵柄層の表
面に坪量25g/m2 のアクリル/ポリエステル系不織
布(日本バイリーン製)を熱ラミネートしてリコート層
を設けた。ラミネート条件は、温度170°C、圧力3
0kg/cm2 であった。更に上記不織布の表面にイソ
シアネート硬化型塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体を
ベタ版で3〜5g/m2 の塗工量にグラビア印刷で塗布
して表面樹脂層を形成した。その後、40°C×2時間
養生し、化粧シートを得た。この化粧シートをラッピン
グ加工により基材(アルミ、プラスチック押出材、MD
F、鋼板)に積層して化粧材を得た。この加工の際に化
粧材の表面に傷が付いたりすることがなく良好に加工を
行うことができた。更に得られた化粧材の表面に水性ス
テイン、油性ステイン(共に米国ベア社製)を刷毛で塗
工したところ、いずれもはじきや垂れ、及びけば立ち等
がなく良好に塗工することができた。また、ラッピング
加工により該化粧シートを積層する際に傷がついたりす
ることもなかった。
【0043】実施例5 実施例4のベタ版の代わりに絵柄層と同じ絵柄の版を用
いて表面樹脂層を絵柄と同調するように設け、それを除
いて全て実施例4と同様にして化粧シート及び化粧材を
得た。得られた化粧材にステインを塗工したところ、保
護層が設けられた部分(木目柄の部分)は、ステインの
浸透性が鈍くなって、保護層のない部分に較べ浸透性に
差ができ、実施例4の化粧材と比較して更に天然木に近
い意匠が得られた。
【0044】実施例6 厚み130μm、可塑剤18PHRのポリ塩化ビニルシ
ートを基材シートとし、該シートの表面に、アクリル樹
脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体をブレンドした樹
脂をバインダーとするインキを用い木目絵柄からなる絵
柄層を設けた。次いで上記絵柄層の表面に坪量25g/
2 の繊維長44mm、太さ1.5デニールの主として
繊維が長手方向(長尺なシートとして形成された不織布
シートの長手方向)に配列されているアクリル/ポリエ
ステル系不織布(日本バイリーン製)を熱ラミネートし
てリコート層を設けた。ラミネート条件は、温度150
°C、圧力60kg/cm2 であった。更に上記不織布
の表面に、オリゴアクリレート、モノマー、粒径4〜5
μmの体質顔料、粒径10μm以上の体質顔料、反応基
を有する高分子共重合体(分散剤)、離型促進剤からな
る電離放射線硬化型樹脂組成物をベタ版で2〜3g/m
2 の塗工量にグラビア印刷で塗布して表面樹脂層を形成
した。その後、165kev、3Mradで電子線を照
射し、化粧シートを得た。この化粧シートをラッピング
加工により基材(アルミ、プラスチック押出材、MD
F、鋼板)に積層して化粧材を得た。この加工の際に化
粧材の表面に傷が付いたり、毛羽立ちすることがなく良
好に加工を行うことができた。更に得られた化粧材の表
面に水性ステイン、油性ステイン(共に米国ベア社製)
を刷毛で塗工したところ、いずれもはじきや垂れ、及び
けば立ち等がなく良好に塗工することができた。また、
ラッピング加工により該化粧シートを積層する際に傷が
ついたりすることもなかった。さらに、塗り替えの際、
シンナーで色を落とし、その後塗り直しても問題無く塗
装できた。
【0045】比較例1 実施例1の不織布からなるリコート層の代わりに、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体を主成分とする溶剤タイプ
のワニスをポリ塩化ビニルシートに設けた絵柄層表面に
塗布乾燥してなる樹脂層を設けて化粧シートを得た。こ
の化粧シートの樹脂層に実施例と同様に表面光沢がでる
までステイン剤を塗工したが、樹脂層に全く浸透性がな
いため、ステイン剤が表面から垂れ、肉持ち感のある表
面コート層を形成することはできなかった。
【0046】比較例2 着色された塩化ビニルシートに柄印刷し、この印刷面に
クリアーな塩化ビニルシートを貼り合わせてなる化粧シ
ートに、ステイン剤を塗工したが、塩化ビニルシートに
全く浸透性がないため、ステイン剤が表面から垂れ、肉
持ち感のある表面コート層を形成することはできなかっ
た。
【0047】比較例3 発泡プラスチック基材の表面に木目柄が設けられた化粧
材にステインし、塗り替えするためにシンナーで色を落
としたところ、木目柄とも色が落ちて基材が剥き出しに
なってしまった。(耐溶剤性が無い)
【0048】比較例4 リコート用オーバープリント層が設けられた化粧紙(3
0g/m2 のコート紙にリコート層として、アクリルポ
リオール・セルロース系樹脂層が設けられた化粧紙)
に、油性ステインを塗布したが密着不良であった(テー
プで塗膜が剥がれてしまった)。
【0049】参考例1 参考のために天然木を用いた突き板に、実施例1同様に
着色剤として、ウッドステイン剤(米国:ベア社製)を
表面光沢が出るまで刷毛で塗工したが、はじきや垂れ等
がなく肉持ち感のある表面コート層を形成することがで
きた。しかし、耐候性試験(サンシャインウエザオメー
タの2000時間照射の促進試験)では、ステインの著
しい変色が認められた。尚、実施例及び比較例について
も同様に耐候性試験を行ったが、実施例及び比較例のい
ずれも変色はほとんど認められなかった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のリコート用
化粧シート及びリコート用化粧材は、不織布よりなるリ
コート層を表面に有する構成により、ステイン等のリコ
ート用塗料が表面のリコート層の内部に浸透するため、
塗工時に垂れたりはじいたりすることなく、均一で肉持
ち感の優れた表面を形成することができ、更にリコート
用塗料を木工製品に塗工する場合に極めて類似した肉持
ち感があり、しかも耐久性に優れた表面が形成される。
また、リコート用塗料はリコート層の不織布の内部の空
隙に食い込んだ状態で塗工されるため、リコート用塗料
の化粧シートに対する密着性が優れている。また、天然
木の突き板にステインを塗工した場合には、肉持ち感に
優れるものの、吸脱湿、温度変化、光に対する耐久性が
低いのに対し、本発明では、ステイン等の塗工の際に天
然木に塗工するのと同じ感覚で塗工可能であり且つステ
イン塗工後の耐候性に優れる。
【0051】さらに、表面保護層が電離放射線硬化型樹
脂からなるリコート用化粧シート(請求項8の発明)の
場合には、塗り替えが可能である。なぜならば、トルエ
ンやシンナーで前の塗料やステインを落とす際に、不織
布及び絵柄層が溶解することなく、塗料やステインだけ
を綺麗に落とすことができるからである。これは、表面
保護層の電離放射線硬化型樹脂が耐溶剤性に優れている
からである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリコート用化粧シートの第1の態様を
示す縦断面図である。
【図2】本発明のリコート用化粧シートの第2の態様を
示す縦断面図である。
【図3】本発明のリコート用化粧シートの第3の態様を
示す縦断面図である。
【図4】不織布の表面に表面保護層が設けられた状態を
示す概念図である。
【図5】本発明のリコート用化粧シートの第4の態様を
示す縦断面図である。
【図6】不織布の配向方向と絵柄の方向の組み合わせを
説明するための、各層の平面図である。
【図7】不織布の繊維の配向方向を規定するために用い
る直交座標系の説明図である。
【図8】図7の座標系の極座標の説明図である。
【図9】配向不織布の繊維の配向分布を直交座標にプロ
ットした曲面の1例を示す図である
【図10】非配向不織布の繊維の配向分布を極座標にプ
ロットした曲面の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 リコート用化粧シート 2 不織布よりなるリコート層 3 基材シート 4 絵柄層 5 表面保護層 21 配向不織布 22 非配向不織布

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に不織布からなるリコート層が設け
    られていることを特徴とするリコート用化粧シート。
  2. 【請求項2】 不織布の坪量が10〜30g/m2 であ
    る請求項1記載のリコート用化粧シート。
  3. 【請求項3】 不織布が熱可塑性樹脂よりなる請求項1
    又は2記載のリコート用化粧シート。
  4. 【請求項4】 不織布の繊維が配向されている請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のリコート用化粧シート。
  5. 【請求項5】 不織布が、配向不織布と非配向不織布と
    の積層体である請求項4記載のリコート用化粧シート。
  6. 【請求項6】 不織布に表面保護層が設けられている請
    求項1〜5のいずれか1項に記載のリコート用化粧シー
    ト。
  7. 【請求項7】 表面保護層が2液硬化型樹脂からなる請
    求項6記載のリコート用化粧シート。
  8. 【請求項8】 表面保護層が電離放射線硬化型樹脂から
    なる請求項6記載のリコート用化粧シート。
  9. 【請求項9】 不織布の下層に絵柄層が設けられている
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のリコート用化粧シ
    ート。
  10. 【請求項10】 絵柄層の絵柄の方向と繊維の配向方向
    とが相関関係を有する請求項9記載のリコート用化粧シ
    ート。
  11. 【請求項11】 絵柄層の絵柄が木目絵柄であり、木目
    の方向と配向された不織布の繊維の方向とが同一方向に
    形成されている請求項10記載のリコート用化粧シー
    ト。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    のリコート用化粧シートが化粧材基材に積層されている
    ことを特徴とするリコート用化粧材。
JP21540796A 1995-09-20 1996-07-26 リコート用化粧シート及びリコート用化粧材 Pending JPH09262934A (ja)

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