JPH09263407A - 超伝導物質 - Google Patents

超伝導物質

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JPH09263407A
JPH09263407A JP8218424A JP21842496A JPH09263407A JP H09263407 A JPH09263407 A JP H09263407A JP 8218424 A JP8218424 A JP 8218424A JP 21842496 A JP21842496 A JP 21842496A JP H09263407 A JPH09263407 A JP H09263407A
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rare earth
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resistivity
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JP8218424A
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Johannes Georg Bednorz
ヨハネス・ゲオルグ・ベドノルツ
Carl Alexander Mueller
カール・アレキサンダー・ミユラー
Takashige Masaaki
マサアキ・タカシゲ
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Original Assignee
International Business Machines Corp
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    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
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    • C01P2002/22Two-dimensional structures layered hydroxide-type, e.g. of the hydrotalcite-type
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    • C01P2002/34Three-dimensional structures perovskite-type (ABO3)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超伝導遷移温度が金属系の超伝導物質よりも高
いもの。 【解決手段】実質的に層状ペロブスカイト様の結晶構造
を有し、単一の結晶学的相をなす銅酸化物を主成分とす
る超伝導物質であって、電気抵抗率が低下し始める超伝
導オンセット温度が26K以上であり、かつ、常磁性状
態から反磁性状態へ遷移する反磁性へのクロスオーバ温
度が上記超伝導オンセット温度よりも低い温度であるこ
とを特徴とする超伝導物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なクラスの超伝導
体、特に比較的高い転移温度以下で超伝導特性を有する
2NiF4型の構造を有する物質、及びそれらの物質を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】超伝導は、普通、明確に定まった温度にお
いて物質の電気抵抗が完全に消失する現象として定義さ
れる。これは多くの物質において起きる事が知られてお
り、約4分の1の元素並びに1000以上の合金及び化
合物が超伝導体である事が見い出されている。超伝導は
物質の金属状態の特性であると考えられており、全ての
既知の超伝導体は、それらを超伝導にする条件の下では
金属である。例えば、いくつかの通常は非金属の物質
は、非常に高い圧力の下で超伝導になるが、この圧力は
それらの物質が超伝導体になる前にそれらを金属に変換
する。
【0003】超伝導体は、長距離にわたるエネルギー節
約型の送電及び発電、プラズマ及び核物理、核磁気共鳴
医学診断において使用するための強力な磁石のコイルを
形成するための材科として、並びに高速鉄道の磁気浮上
に関連して、非常に魅力的である。例えば熱核融合によ
る発電は、超伝導マグネットによってしか提供し得ない
非常に大きな磁界を必要とする。また確かに、超伝導体
はコンピュータ及び高速の信号処理及びデータ通信にお
いても用途を見い出すであろう。
【0004】超伝導体の利点はかなり明白であるが、こ
れまでに知られている全ての超伝導材料の共通の欠点
は、その転移温度(普通、臨界温度Tcと呼ばれる)が
非常に低い事であり、それは典型的には数度Kのオーダ
ーである。最高のTcを有する元素はニオブ(9.2
K)であり、最高の既知のTcは常圧においてNb3
eに関する約23Kである。
【0005】従って、殆んどの既知の超伝導体は冷却に
液体ヘリウムを必要とし、そのため精密な技術を必要と
し、そして原則的に、コスト及びエネルギーにおいての
投資を必要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高Tcの超伝導体に関する組成、並びに液体ヘリウ
ムによる冷却が不要化し従ってかなりのコスト低減及び
エネルギー節約が得られるような高い臨界温度を示す物
質の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来知られて
いる超伝導物質で得られるよりも高い温度で超伝導性を
示す新規な物質、及びそれらの物質を製造し使用する方
法に関する。これらの物質は26Kよりも高い温度で超
伝導電流(即ち、その化合物の事実上ゼロ抵抗状態での
電流)を伝える事ができる。一般に、この物質は、遷移
金属酸化物が多原子価の振舞いを示し得るような混合遷
移金属酸化物系として特徴付けられる。それらの化合物
は、しばしばペロブスカイト型の、層状の結晶構造を有
し、希土類又は希土類類似の元素を含み得る。希土類類
似元素(しばしば近希土類元素と呼ばれる)とは、その
性質上、殆んど希土類元素と言ってもよい元素のことで
ある。
【0008】一例は、La等の、周期表のIIIB族の元
素である。この化合物の希土類(又は希土類類似)サイ
ト又は遷移金属サイトには置換があってもよい。例えば
希土類サイトは、周期表のIIA族から選ばれたアルカリ
土元素、又はアルカリ土元素と希土類もしくは近希土類
元素との組み合せを含む事もあり得る。適当なアルカリ
土類の例はCa、Sr及びBaを含む。遷移金属サイト
は混合原子価の振舞いを示す遷移金属を含み得、2以上
の遷移金属を含む事もあり得る。適当な遷移金属の特に
良い例は銅である。後に前らかになるように、銅酸化物
をベースにした系は高Tc超伝導体として独得且つ優れ
た性質を与える。
【0009】高Tcを有する超伝導物質の一例は、式R
E−TM−Oによって表現される物質である。但しRE
は希土類又は希土類類似元素、TMは非磁性の遷移金
属、そしてOは酸素である。遷移金属元素の例はCu、
Ni、Cr等を含む。特に、多原子価状態を示し得る遷
移金属が非常に適している。希土類元素は典型的には、
Ce、Nd等を含む、周期表の元素58〜71である。
アルカリ土元素(AE)も存在するならば、組成は一般
式RE−AE−TM−Oで表されるであろう。
【0010】比(AE、RE):TMは一般にほぼ1:
1であるが、比(AE、RE):TMが2:1であるよ
うな例によって示されるように、これから変動する事が
あり得る。当然の事として、最終的な組成において存在
する酸素の量は製造条件に依存して適合し、系の原子価
の要求が満足されるようなものになる。
【0011】これらの超伝導物質が製造される方法は、
希土類又は希土類類似元素、アルカリ土元素、及び遷移
金属元素を含む粉末の混合、これらの物質の共沈、並び
に空気中又は酸素中での加熱ステップを含む、既知のセ
ラミック製造の原理を使用できる。
【0012】本発明による、特に適切な超伝導物質は遷
移金属として銅を含むものである。銅はCu2+又はCu
3+の混合原子価状態で存在し得る。物質全体の中で銅が
取る状態は、存在する酸素の量及び結晶構造中の置換原
子に依存する。電気伝導度及びその他の測定によって示
されるように、混合原子価状態を示す銅酸化物系におい
て非常に高いTcが発見された。希土類又は希土類類似
元素、及びアルカリ土元素を含む銅酸化物系は、26K
よりも高いTcを示す超伝導性の層状銅酸化物の一般的
なクラスの唯一の例である。
【0013】本発明は、弗化カリウム・ニッケルK2
iF4から知られる種類の層構造を有する物質を使用す
る事を提案する。この構造は特に、一般的組成RE2
MO4を有する酸化物に存在する。但しREは希土類を
表わし、TMはいわゆる遷移金属を表わす。問題の化合
物において、RE部分がアルカリ土金属の1メンバー又
はアルカリ土のメンバーの組み合せによって部分的に置
換され、且つ酸素含有量に欠損のある事が本発明の特徴
である。
【0014】これらの物質は一般的組成RE2-xAEx
MO4-y但しx<0.3且つy<0.5を有する。さら
にこの範囲はx<0.3且つ0.1<y<0.5が望ま
しい。
【0015】
【実施の態様】本発明の超伝導物質は、一般に混合原子
価及び層状構造を有する遷移金属酸化物であり、以前に
知られていた超伝導物質よりも高いTcを示す。これら
の化合物は層状構造中に希土類サイトも含み、このサイ
トは希土類及び希土類類似の原子によって、またCa、
Sr、及びBa等のアルカリ土の置換原子によって占め
る事ができる。存在する酸素の量は系の原子価の要求が
満足されるようなものであり、酸素の量はいくらかは超
伝導化合物を作製するのに使用した工程ステップの関数
である。これらの化合物においては、非化学量論的な量
の酸素が存在し得る。酸化物中の元素の原子価状態は、
化学者に周知の方式で最終的化合物によって決定され
る。例えば、遷移金属Cuは、ある化合物中に、Cu2+
及びCu3+状態の両方の形で存在し得る。
【0016】本発明による層状構造を有する超伝導化合
物の例は、一般的組成RE2TMO4の酸化物である。但
しREは希土類又は希土類類似元素を表わし、TMは遷
移金属を表わす。これらの化合物において、RE部分は
アルカリ土族の元素の1以上のメンバーによって部分的
に置換する事ができる。これらの特定の化合物におい
て、酸素含有量には欠損が生じている。
【0017】例えば、上記の説明を満足する1つの化合
物はランタン銅酸化物La2CuO4においてランタン
(これはIIIB族の元素に属する)が近隣のIIA族の元
素の1つ、即ちアルカリ土金属の1つ(又はIIA族のメ
ンバーの組み合せ)、例えばバリウムによって部分的に
置換されているものである。また、化合物の酸素含有量
は、化合物がLa2-xBaxCuO4-yという一般的組成
を有する(但しx<0.3及びy<0.5)ように不完
全なものである。
【0018】上記の一般式に適合する化合物の別の例
は、ランタン・ニッケル酸化物においてランタンが部分
的にストロンチウムにより置き換えられたものであり、
一般式La2-xSrxNiO4-yを有する。さらに別の例
はセリウム・ニッケル酸化物においてセリウムが部分的
にカルシウムにより置き換えられたものであり、一般式
Ce2-xCaxNiO4-yを生じる。
【0019】さらに別の例は、希土類がランタン、遷移
金属がクロムであるような化合物、及び希土類がネオジ
ム、遷移金属が銅であるような化合物である。さらに、
ランタン(又はセリウム)が希土類として使われ、ニッ
ケルが遷移金属として使われ、ランタン(又はセリウ
ム)を部分的に置換するためにバリウムが使われる化合
物も本発明の一例である。
【0020】以下の説明は、La2CuO4化合物中のラ
ンタンを部分的に置き換えるものとしてバリウムに主と
して言及する。というのは少なくとも現在の所、全ての
可能なもののうち最も良く理解された系はBa−La−
Cu−O系だからである。
【0021】Ba−La−Cu−O系のある化合物は
C.Michel及び B.Raveauにより、Rev.Chim.Min., Vol.2
1, (1984), 407に、及び C.Michel, L.Er-Rakho及び B.
RaveauによりMat.Res.Bull., Vol.20,(1985), 667〜671
に記載されている。特に、前者ではBa−La−Cu
−O系の化合物について酸素欠損を意図的に生じさせた
場合の結晶構造の変化について記述する。この系の化合
物は最初は純粋なペロブスカイト型構造を有し、銅原子
の周りに6つの酸素原子による正八面体構造をとるが、
酸素欠損とともに平八面体構造がピラミッド型構造とな
り、さらに、四辺形平面構造となることが記述される。
しかし、彼らは超伝導性を発見もせず又発見しようとも
しなかった。
【0022】本発明に関連して行なわれた実験は、希土
類が、同じIIA族の元素の他のメンバー即ち他のアルカ
リ土金属の1つ以上のものによって部分的に置換された
化合物において高Tcの超伝導が存在する事を明らかに
した。実際、Sr2+を含むLa2CuO4-yのTcはBa
2+及びCa2+を含むもので見い出されているよりも高
く、且つその超伝導による反磁性はより強い。
【0023】実際、少数の酸化物だけが超伝導を示すと
知られている。それらのうち、Li−Ti−O系は、D.
C.Johnston, H.Prakash, W.H.Zachariasen 及び R.Visv
anathan により Mat.Res.Bull., Vol.8,(1973) pp.777
に報告されているように13.7Kで超伝導が開始す
る。他の既知の超伝導酸化物には、A.Baratoff 及び G.
Binnig により Physics.Vol.108B (1981) pp.1335に、
及び A.W.Sleight, J.L.Gillson 及びF.E.Bierstedt に
よりSolid State Commun., Vol.17, (1975) pp.27にそ
れぞれ報告されているNb添加SrTiO3及びBaP
1-xBix3が含まれる。
【0024】Johnston 他により行なわれたX線解析
は、彼らのLi−Ti−O系に3つの異なった結晶学的
相が存在する事を明らかにした。その1つ、スピネル構
造を持つ相は高い臨界温度を示す。Ba−La−Cu−
O系も多数の結晶学的相、即ち非Jahn-Teller Cu3+
とJahn-Teller Cu2+イオンとの間の遍歴(itineran
t)電子状態を有する混合原子価銅成分を有する相を示
す。
【0025】これは銅の代りにニッケルが使用されてい
る系にも同様に適用される。但しNi3+が Jahn-Teller
成分であり、Ni2+が非 Jahn-Teller成分である。
【0026】伝導性結晶における Jahn-Tellerポーラロ
ンの存在は、K.H.Hoeck, H.Nickisch 及び H.Thomas に
より、Helv.Phys.Acta, 56 (1983) pp.237 で理論的に
主張された。ポーラロンは大きな電子−フォノン相互作
用を有し、従って、高臨界温度の超伝導の発生に好都合
である。
【0027】一般に、Ba−La−Cu−O系は、Z.Ph
ys.B-Condensed Matter, 64, (1986) pp.189〜193 のJ.
C.Bednorz及び K.A.Muellerによる論文中に報告されて
いるように、X線解析を行なうと、3つの異なった結晶
学的相を示す。即ち、 −K2NiF4構造に関連した、層状ペロブスカイト様の
第1の相。一般的組成La2-xBaxCuO4-yを有す
る。但しx<1及びy>0。 −策2の、非伝導性のCuO相。 −策3の、一般的組成La1-xBaxCuO3-yの近立方
ペロブスカイト相。その量は正確な出発点の組成に無関
係であるらしい。
【0028】これら3つの相のうち第1のものが高Tc
超伝導の原因であると思われる。その臨界温度はその相
の中のバリウム濃度に対する依存性を示す。明らかに、
Ba2+の置換は、Cu2+及びCu3+の混合原子価状態に
電荷の中性を保たせる。酸素の欠損yは、ドープされた
結晶及び非ドープの結晶において同じであると推測され
る。
【0029】La2CuO4及びLaCuO3の両者は、
バリウムの存在しない時、高温において金属性伝導体で
ある。実際、両者はLaNiO3のような金属である。
その金属的性質にもかかわらず、Ba−La−Cu−O
型の物質は、他のRE2TMO4型の化合物と同様にセラ
ミックであり、その製造は多かれ少なかれ既知のセラミ
ック製造の原理に従う。例えば本発明によるBa−La
−Cu−O化合物の製造は、典型的には下記の製造ステ
ップを含む。 −適当な比のバリウム、ランタン及び銅の各硝酸塩の水
溶液、並びにそれらの共沈物を用意する。 −共沈物をシュウ酸に加え、各シュウ酸塩の親密な混合
物を形成する。 −1〜8時間、500〜1200℃の間の温度に沈殿物
を加熱する事によって沈殿物を分解し固体反応を起こさ
せる。 −その結果得られた産物を約4Kbarの圧力でプレス
し、ペレットを形成する。 −焼結させるため、0.5〜3時間、500〜900℃
の間の温度にペレットを再加熱する。
【0030】もしストロンチウム又はカルシウムによる
ランタンの部分的置換が望まれるならば、上述の例の硝
酸バリウムの代りにその硝酸塩を用いなければならない
事は当業者に明らかであろう。また、この例の銅が他の
遷移金属によって置き換えられるべきであれば、明らか
にその硝酸塩を用いなければならない。
【0031】また、炭酸塩又は水酸化物等の、金属酸化
物の他の前駆物質を、既知の原理に従って選択する事も
できる。
【0032】実験によれば、出発組成物中の各化合物の
部分的含有量が、最終生産物に存在する相の形成に重要
な役割を演じる事が示された。上述のように、得られた
最終的なBa−La−Cu−O系は一般的に上記3つの
相を含む(但し第2の相は非常に少量しか存在しない)
が、ストロンチウム又はカルシウム(及び多分ベリリウ
ム)によるランタンの部分的置換を行なうと、最終的な
La2-xSrxCuO4- y又はLa2-xCaxCuO4-y中に
は1つだけの相しか生じない。但し、x<0.3であ
る。
【0033】各(Ba、La)及びCuの含有量に1:
1の比を用いると、最終生産物中に上記3つの相が生じ
る事が期待される。その量が無視し得る、上記第2の
相、即ちCuO相を除くと、他の2つの相の相対的体積
量は、La2-xBaxCuO4-y組成物中のバリウム含有
量に依存する。1:1の比及びx=0.02の時、局在
化遷移の開始が観測される。即ち温度の低下と共に抵抗
率が増加し、超伝導性は存在しない。
【0034】x=0.1で同じ1:1の比の場合、35
Kという非常に高い臨界温度で抵抗率の低下がみられ
る。
【0035】出発組成物において2:1という(Ba、
La)対Cuの比を用いて超伝導の原因と考えられたL
2CuO4:Baの組成をまねると、CuO相は存在せ
ず、2つの相だけが生じた。バリウム含有量がx=0.
15の場合、Tc=26Kで抵抗率の低下が生じた。
【0036】Ba−La−Cu−O組成物を製造する方
法は沈殿物を高温で数時間処理する2つの加熱処理を含
む。本発明に関連して行なわれた実験において、分解に
関しては900℃で5時間の反応時間を用い、再び90
0℃で1時間の焼結時間を用いると最良の結果が得られ
た。これらの値は比1:1の組成及び2:1の組成に適
用される。
【0037】比2:1の組成の場合、過剰の銅酸化物の
存在しない時に組成物の融点がより高い事により、いく
らか高い温度が可能である。高温処理により単一相の化
合物を得る事はまだ可能ではない。
【0038】dc伝導度の測定は300及び4.2Kの
間で行なわれた。例えばx<0.3の、バリウムをドー
プしたサンプルの場合、0.5A/cm2の電流密度にお
いて、高温の金属的な振舞い及び低温における抵抗率の
増加が見い出された。さらに低い温度において、シャー
プな抵抗率の低下(>90%)が生じた。これはより高
い電流密度において部分的に抑圧されるようになった。
この特徴的な抵抗率低下がアニーリング条件即ち温度、
及び酸素分圧の関数として研究された。空気中でアニー
ルされたサンプルの場合、遍歴的挙動から局在的挙動へ
の遷移は非常に顕著ではなかったが、少し還元性の雰囲
気中でのアニーリングは抵抗率の増加及びより顕著な局
在化効果を生じた。同時に、抵抗率低下の開始は臨界温
度のより高い値へシフトした。しかし、より長時間のア
ニーリングは、超伝導性を完全に失なわせた。
【0039】代表的なBa−La−O化合物のdc伝導
度が、その低温の振舞いを判定し高Tcを観察するため
に測定された。これらの測定は、周知の4点法を用いて
行なわれた。これは第1図に概略的に示されている。B
xLa5-xCu55(3-y)の矩形サンプル10が焼結さ
れたペレットから切り出され、約0.5ミクロンの厚さ
の金スパッタ電極12A及び12Bが設けられた。イン
ジウムのワイヤ14A及び14Bが各々、電極12A及
び12Bと接触する。このサンプルは連続流クライオス
タット16中に収容され、測定は温度範囲300〜4.
2Kにわたって行なわれた。
【0040】電極12A及び12Bは電源18及び可変
抵抗20を含む回路中に接続された。インジウムのリー
ド22A及び22Bはサンプル10に押圧接触され、銀
ペイント24で固定された。リード22A、22Bは電
圧読取り装置26に接続された。電流及び電圧が正確に
決定されるので、サンプル10の抵抗率がわかる。これ
らの測定に使用される構成において、温度の変更、デー
タの取得及び処理のための計算機制御された完全自動シ
ステムを提供するために計算機が使われた。
【0041】第2図に、BaxLa5-xCu55(3-y)
抵抗率(ρ.Ω−cmで測定)の低温依存性が、xの2つ
の異なった値に関して描かれている。上側の2つの曲線
に関して、x(Ba)の値は1であり、左側の縦軸の目
盛が使われる。下側の曲線に関して、xの値は0.75
であり、図の右側の抵抗率目盛が使われる。データは異
なる電流密度の値に関して取られ、一番上の曲線に関し
ては0.25A/cm2そして中間及び一番下の曲線に関
しては0.50A/cm2である。
【0042】x(Ba)<1.0のバリウムをドープし
たサンプルの場合、例えばx<0.3で、電流密度0.
5A/cm2において、第2図に示すように、高温の金属
的振舞い及び低温における抵抗率の増加が見られた。さ
らに低い温度では、抵抗率のシャープな低下(90%以
上)が生じた。これは電流密度が高い場合には部分的に
抑制された(第2図の上側の曲線、左側の目盛)。この
特有の低下は、アニーリング条件、即ち第3図に示すよ
うに温度及び酸素分圧の関数として研究された。空気中
でアニールされたサンプルの場合、80K台の抵抗率の
極小値によって示されるような遍歴状態から局在化状態
への遷移は、非常に顕著ではなかった。しかし、少し還
元性の雰囲気中でアニーリングすると、抵抗率の増加及
びより顕著な局在化効果が生じた。同時に、抵抗率の低
下の開始は80K領域の方へシフトした。900℃で処
理されたサンプルに関して記録された曲線4及び5(第
3図)は、より低い温度で肩状部分の生じる事を示して
いる。これは曲線6で、より顕著である。1040℃の
アニーリング温度では、伝導度の高い相は殆んど消失し
た。長いアニーリング時間及び/又は高い温度は一般に
超伝導性を破壊する。
【0043】銅の混合原子価状態は電子−フォノン結合
にとって重要である。従って、電子の濃度はBa/La
比によって変化する。0.75という、より低いBa濃
度を有するサンプルに関する典型的な曲線が第2図(右
側の目盛)に示されている。その抵抗率は少なくとも3
桁、減小し、第4図に温度目盛を拡大して示すように、
バルクが13K以下で超伝導であり35K付近で超伝導
が開始する証拠を与えている。また第4図は粒状化合物
に典型的な電流密度の影響も示している。7.5、2.
5及び0.5A/cm2の電流密度が超伝導体に流され
た。
【0044】サンプルを室温から冷却する時、抵抗率の
デー夕は最初に金属的な減少を示す。低温において、C
a化合物及びBa置換サンプルの場合、増加への変化が
起きる。この増加はその後に、抵抗率の低下を伴ない、
Ca及びBa化合物に関してそれぞれ22±2K及び3
3±2Kで超伝導の開始を示す。Sr化合物の場合、4
0K±1Kの抵抗率の低下に至るまで、抵抗率は金属的
なままである。しかし、局在化効果の存在は、アルカリ
土イオンの濃度及びサンプルの製造即ちアニーリング条
件及び密度にも強く依存する。これは最適化されなけれ
ばならない。低濃度のCa、Sr及びBaを有する全て
のサンプルは、抵抗率の低下が起きる前に局在化を生じ
る強い傾向を示す。
【0045】明らかに、超伝導の開始、即ち臨界温度等
Tcの値は、他のパラメータの中では、最終的化合物の
酸素含有量に依存する。物質が高いTcを有するために
はある酸素欠損が必要であるらしい。本発明によれば、
La2CuO4:Ba組成物を製作する上述の方法は、最
終生産物の酸素含有量を調整できるアニーリング・ステ
ップが補われる。もちろん、La2CuO4:Ba組成物
の製造に関して言われた事は、例えばNd2NiO4:S
r等の一般式RE2TMO4:AEを有する他の化合物に
も同様に適用される。
【0046】分解及び反応及び/又は焼結のための熱処
理が比較的低温即ち950℃以下で行なわれた場合、最
終生産物は還元性雰囲気中で約1時間約900℃でアニ
ーリング・ステップを受けた。このアニーリング・ステ
ップの正味の効果はRE2TMO4組成物のマトリックス
中のある位置からの酸素原子の除去であり、従って結晶
構造に歪みを形成するものと想定される。この場合、ア
ニーリングのための酸素分圧は10-1〜10-5barの
間であって良い。
【0047】熱処理に比較的高温(即ち950℃以上)
が用いられた場合、少し酸化性の雰囲気中でアニーリン
グ・ステップを行なうのが有利であろう。これは、高温
による系からの酸素原子の過度の除去及びその結果生じ
る系の結晶構造の大きな歪みを償うものである。
【0048】Sr2+及びCa2+をドープしたLa2Cu
4-yセラミックの抵抗率及び磁化率の、温度の関数と
しての測定は、Ba2+をドープしたサンプルと同じ一般
的傾向を示した。即ち、抵抗率ρ(T)の低下及び少し
低い温度での反磁性へのクロスオーバーである。Sr2+
を含むサンプルは実際、Ba2+及びCa2+を含むものよ
りも高い超伝導の開始を示した。さらに、反磁性磁化率
はBaサンプルの約3倍であった。Ba2+をドープした
サンプルについて、抵抗率及び磁化率の温度による変化
を下表に示す。
【表1】 サンプル 臨界温度(°K) (BaLaCuO) 抵抗率 磁化率 ΔT 2 27 19 8 3 35 34 1 * ΔT=(抵抗率の臨界温度)−(磁化率の臨界温度) 以上のデータについては原出願の優先日前に欧州物理学
会に受領された、本願発明の発明者である J.G.Bednorz
らの論文 "Susceptibility Measurement Support High
-Tc Superconductivity in the Ba-La-Cu-O System" (E
urophys. Lett., Vol 3 pp 379) に記載されている。
【0049】Sr2+のイオン半径はほぼLa3+のそれと
一致するので、サイズ効果は超伝導の生じる原因ではな
いらしい。むしろ、Ba2+及びCa2+についてのデータ
が示すように、逆である。
【0050】調査したドーパント・イオンの各々に関し
て最高のTcは、室温でRE2-xAExTMO4-y構造が
斜方晶系−正方晶系の構造相転移に近いような、濃度で
起きる。これは置換により電子−フォノン相互作用がか
なり強くなる事に関係しているかもしれない。希土類金
属をアルカリ土金属で置換する事は明らかに重要であ
り、eg Jahn-Teller軌道の存在しないTMイオンを形成
するものと思われる。従って、フェルミ・エネルギー付
近におけるこれらの Jahn-Teller軌道の欠如即ちJahn-T
ellerホールは、おそらく、Tcの上昇に重要な役割を
演じている。
【0051】超伝導化合物において種々の異なった遷移
金属元素を用いた例を与えてきたが、混合物原子価を有
する銅酸化物が独得且つ特に重要と思われ、26K以上
の温度で超伝導性を有する。これらの混合原子価銅化合
物は希土類元素及び/又は希土類類似元素を含み、これ
らはアルカリ土元素によって置換可能である。これらの
化合物中の酸素の量は製造条件に依存して変化し、化合
物の原子価の要求に適合するようなものである。これら
の、銅をベースにした化合物は層状構造を有し、しばし
ばペロブスカイト型である。生じ得る結晶構造の型のい
くつかについてのより詳細な説明に関しては、前掲の刊
行物 Michel及び Raveauの Rev.Chim.Min. 21, 407(198
4)及び C.Michel et a1., Mat.Res.Bull., Vol.20, 667
-671 (1985)を参照されたい。
【0052】本発明は特定の実施例に関して説明を行な
ったが、本発明の思想及び範囲から離れる事なく変型が
可能な事は当業者に明らかであろう。例えば、一連の化
合物は希土類元素及び遷移金属元素を含むが、これらの
元素の比は、結晶構造がそれらの元素の空格子点を収容
し、なお且つ超伝導性を示す層状構造を保持する事がで
きるので、変化してもよい。そして、このように考える
と、本願発明は上述した特定の実施例、実施態様に限定
されることなく、銅酸化物を含む超伝導体が26K以上
という金属系超伝導体では考えられない高い温度で、超
伝導の特徴である抵抗率の遷移と磁化率の遷移温度(マ
イスナー効果)を有するという発明者らの新たな知見に
基づくものであるから、銅酸化物を含む超伝導酸化物全
般に及ぶものである。該銅酸化物系超伝導物質は好まし
くは層状ペロブスカイト様の構造を有し、また、アルカ
リ金属元素、アルカリ土類金属元素を含む。ペロブスカ
イト様の構造としては純粋なペロブスカイト構造のみな
らず、酸素欠損が一部にて生じているペロブスカイト構
造も含まれる。
【0053】本願発明に係わる発明者らは、かかる超伝
導酸化物が抵抗率の遷移のみならず、磁化率の遷移(マ
イスナー効果)を有する点を初めて確認したものであ
り、この時点で超伝導酸化物は学術的に「超伝導物質」
として公認されたものである。
【0054】さらに、これらの化合物の酸素含有量の化
学量論比又は非化学量論比の程度(即ち酸素の欠損又は
過剰)は、化合物の製造中に還元性又は酸化性の雰囲気
を使用する事により、並びに結晶構造の希土類サイト及
び遷移金属サイトに異なったドーピング量を用いる事に
よって、変化させる事ができる。結晶構造のこの型の変
形及びそれが包含し得る多くの形は前掲の Michel及び
Raveauの刊行物を参照すれば容易に明らかである。従っ
て、本発明は広くは、26K以上の温度で超伝導の振舞
いを示す層状構造を有する混合(ドープ)遷移金属酸化
物に関する。これらの物質のうち、多原子価状態を有す
る混合銅酸化物が高いTcと良好な超伝導特性を提供す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高Tc超伝導体のdc伝導度を測定す
るために使われる代表的な回路の概略図を示す。
【図2】x(Ba)=1及びx(Ba)=0.75のサ
ンプルに関して、BaxLa5-xCu55(3-y)の抵抗率
の温度依存性を示す図を示す。
【図3】種々のアニーリング条件に関して、x(Ba)
=1のBaxLa5-xCu55(3 -y)の低温の抵抗率の温
度依存性を示す図を示す。
【図4】種々の電流密度に関して、x(Ba)=0.7
5のBaxLa5-xCu55(3-y )の低温の抵抗率を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール・アレキサンダー・ミユラー スイス国ツエーハー8908、ヘデインゲン、 ハルデンシユトラーセ54番地 (72)発明者 マサアキ・タカシゲ スイス国ツエーハー8803、リユシリコン、 ロツトハルドベーク1番地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成RE2-xAExCuO4-yを有し(但し
    REは1つ以上の希土類元素、AEは1つ以上のアルカ
    リ土元素、そしてTMは遷移金属)、x<0.3、か
    つ、y<0.5である超伝導物質。
  2. 【請求項2】上記希土類元素がランタンであり、かつ上
    記アルカリ土元素がストロンチウム又はカルシウム又は
    バリウムであり、かつ上記遷移金属が銅である請求項1
    の超伝導物質。
  3. 【請求項3】実質的に層状ペロブスカイト様の結晶構造
    を有し、単一の結晶学的相をなす銅酸化物を主成分とす
    る超伝導物質であって、電気抵抗率が低下し始める超伝
    導オンセット温度が26K以上であり、かつ、常磁性状
    態から反磁性状態へ遷移する反磁性へのクロスオーバ温
    度が上記超伝導オンセット温度よりも低い温度であるこ
    とを特徴とする、超伝導物質。
  4. 【請求項4】上記超伝導オンセット温度と上記反磁性へ
    のクロスオーバ温度との差が、1K以上であることを特
    徴とする、請求項3の超伝導物質。
  5. 【請求項5】アルカリ金属元素と、上記アルカリ金属の
    一部を置換するアルカリ土類金属元素とを含む、請求項
    3の超伝導物質。
  6. 【請求項6】上記層状ペロブスカイト様の結晶構造は、
    純粋なペロブスカイト型結晶構造から酸素欠損が生じた
    場合に生じる構造を含む、請求項3の超伝導物質。
  7. 【請求項7】上記酸素欠損は酸素原子1つまたは2つで
    ある、請求項6の超伝導物質。
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